JP4479237B2 - 断熱容器構造 - Google Patents

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本発明は、断熱容器構造に関するものであって、特に、燃料電池の燃料となる水素を製造するための燃料改質装置の改質器等に適用すると有効な断熱容器構造に関するものである。
一般に、燃料電池は、水の電気分解とは逆に水素と酸素を結合させて、その時に発生する電気と熱を取り出すものであり、その発電効率の高さや環境への適合性から、家庭用燃料電池コージェネレーションシステムや燃料電池自動車としての開発が盛んに行われているが、そうした燃料電池の燃料となる水素は、ナフサ、灯油等の石油系燃料や都市ガス等を改質器で改質して製造される。
図2は改質器が設けられる設備の一例として、定置式の固体高分子型燃料電池(PEFC:Polymer Electrolyte Fuel Cell)の全体系統を表わすものであって、1は改質器、2は改質器1から排出される排ガスの熱により水を蒸発させて水蒸気を発生させる水蒸発器、3は前記排ガスの熱によりナフサ等の原燃料を気化させる原燃料気化器、4は改質器1へ供給する原料ガスの脱硫を行う脱硫器、5は改質器1で改質した改質ガスを冷却水で所要温度(およそ200〜250[℃]前後)に温度降下させCOとH2OをCO2とH2に変換する低温シフトコンバータ、6は低温シフトコンバータ5を通過した改質ガスを冷却水で冷却し酸化反応によってCOを除去する選択酸化CO除去器、7は選択酸化CO除去器6を通過した改質ガスを加湿する加湿器、8はカソード8aとアノード8bを有する固体高分子型燃料電池である。
図2に示される設備においては、水が水蒸発器2で水蒸気とされ、且つナフサ等の燃料が原燃料気化器3で気化されて原料ガスとされ、前記水蒸気を混合した原料ガスが脱硫器4へ導かれ、該脱硫器4で脱硫された原料ガスが改質器1へ導かれ、該改質器1で改質された改質ガスが低温シフトコンバータ5と選択酸化CO除去器6と加湿器7とを介して固体高分子型燃料電池8のアノード8bへ導かれると共に、空気が加湿器7を介して固体高分子型燃料電池8のカソード8aへ導かれ、発電が行われるようになっており、又、前記アノード8bから排出されるアノードオフガスは、改質器1における燃料ガスとして再利用される一方、前記カソード8aから排出される水は、固体高分子型燃料電池8と選択酸化CO除去器6と低温シフトコンバータ5それぞれの冷却水、並びに原料ガスに混合される水蒸気の一部として用いられるようになっている。
従来、前記改質器1と、その関連機器としての水蒸発器2、原燃料気化器3、脱硫器4、低温シフトコンバータ5、及び選択酸化CO除去器6は、図3に示される如く、燃料改質装置として一つのユニットにまとめられており、該燃料改質装置における改質器1は、アノードオフガスが燃料ガスとして供給され且つ空気が導入される改質容器本体9内に、燃料ガスを燃焼させて温度上昇させる第一触媒燃焼器10を設けると共に、該第一触媒燃焼器10の下流側における改質容器本体9内に、内部に改質触媒(図示せず)が装填され且つ原料ガスを流通させてその改質を行うための改質筒体12を改質容器本体9と同芯状に配設し、該改質筒体12の外周側所要箇所における改質容器本体9内に、改質筒体12内を流通する原料ガスとの熱交換により温度降下した燃焼排ガスを再度燃焼させて温度上昇させるための第二触媒燃焼器11を設けてなる構成を有している。
前記改質器1に燃料ガスとして供給されるアノードオフガスはカロリーが低く着火しにくいが、図3に示されるような燃料改質装置における改質器1においては、前記燃料ガスと空気が改質容器本体9内に供給されると、第一触媒燃焼器10で酸化反応が強制的に行われて発熱し、これを熱源として原料ガスが改質筒体12内の改質触媒(図示せず)を通過する際に改質が行われ、改質ガスが生成され、低温シフトコンバータ5と選択酸化CO除去器6とを経由しCOが除去された改質ガスとして排出されると共に、前記原料ガスの改質反応のために熱を奪われて温度降下した燃焼排ガスは、第二触媒燃焼器11で再度燃焼が行われて温度上昇し、水蒸発器2と原燃料気化器3でそれぞれ改質用の水並びにナフサ等の原燃料と熱交換を行った後、排出されるようになっている。
ここで、改質器1は燃料から水素を生成する燃料電池発電システムの主要構成機器であって、その反応は700〜800[℃]程度の非常に高温で進行する吸熱反応であり、しかも、改質器1における反応の温度レベルと、低温シフトコンバータ5や選択酸化CO除去器6における反応の温度レベルとが異なっているため、各機器の間には、セラミックファイバ等の断熱材13を充填すると共に、全体を断熱材13で被覆して断熱層14を形成するようになっている。
尚、真空断熱容器の内部に改質器を収容した断熱容器構造を示すものとしては、例えば、特許文献1がある。
特開2003−89503号公報
しかしながら、図3に示されるような燃料改質装置の如く、各機器の間に、セラミックファイバ等の断熱材13を充填すると共に、全体を断熱材13で被覆して断熱層14を形成するのでは、燃料改質装置に占める断熱層14の容積が非常に大きくなると共に、その施工に手間がかかり、しかも、改質器1内の触媒交換や点検等のメンテナンスの都度、断熱材13を除去し、その上に改質容器本体9を切断しなければならず、非常に手間がかかるという欠点を有していた。
特に、近年、実用化が期待されている固体高分子型燃料電池は規模が小さいため、とりわけ断熱層14の容積が相対的に大きくなる。
例えば、直径が200[mm]の円筒状に製作した改質器1に150[mm]の厚さの断熱材13を施工する場合、全容積のおよそ80[%]以上が断熱層14となってしまう。
改質器1は小型化を期待されている機器であるため、断熱層14の容積の削減と放熱損失の低減を両立させることは大きな課題であると言える。
尚、特許文献1に示されるような断熱容器構造では、真空断熱容器を使用するため、高い断熱性能は得られるものの、コスト面で不利となる欠点を有していた。
本発明は、斯かる実情に鑑み、高価となる真空断熱容器等を用いることなく、断熱層の容積を削減でき且つ放熱損失を低減でき、装置の小型化並びに熱効率向上を図ることができ、更に、断熱層の施工の手間を大幅に軽減し得、メンテナンスも容易に行い得る断熱容器構造を提供しようとするものである。
本発明は、容器を内側断熱層と外側断熱層とからなる二重構造とし、内側断熱層の内部を、燃料を燃焼用空気により燃焼させた燃焼ガスの流路とすると共に、内側断熱層と外側断熱層との間を燃焼用空気の供給流路とし、該供給流路に導入される燃焼用空気を前記流路内の燃焼ガスにより予熱して内側断熱層の内部に供給するよう構成し
燃料を燃焼用空気により燃焼させた燃焼ガスを噴射する燃焼器と、内部に改質触媒が装填され原料ガスを流通させてその改質を行う改質管とを内側断熱層の内部に配設し、改質器を形成するようにしたことを特徴とする断熱容器構造にかかるものである。
上記手段によれば、以下のような作用が得られる。
内側断熱層の内部での燃焼に伴って外部へ逃げようとする熱は、供給流路に導入される燃焼用空気を予熱することに利用され、内側断熱層の内部に還流される形となり、更に、外部への最終的な放熱を防ぐ外側断熱層は、燃焼用空気と外気との温度差が小さいため、薄い厚さのもので良くなり、トータルの断熱層の厚さを従来に比べ大幅に薄くすることが可能になると共に、放熱損失を低減することが可能となる。
前記断熱容器構造においては、燃料を燃焼用空気により燃焼させた燃焼ガスを噴射する燃焼器と、内部に改質触媒が装填され原料ガスを流通させてその改質を行う改質管とを内側断熱層の内部に配設し、改質器を形成するようにしてあるので、改質器のコンパクト化と放熱損失の低減が可能になることに加え、内側断熱層と外側断熱層とからなる二重構造の容器を改質器に被せるだけで断熱層の施工が行われるため、従来のように、改質器の周囲にセラミックファイバ等の断熱材を充填したりする必要がなくなり、断熱層の施工の手間が大幅に軽減され、しかも、改質器内の触媒交換や点検等のメンテナンスの際には、容器を開放するだけで済み、その都度、断熱材を除去したり、改質器を切断したりする必要もない。
本発明の請求項1記載の断熱容器構造によれば、高価となる真空断熱容器等を用いることなく、断熱層の容積を削減でき且つ放熱損失を低減でき、装置の小型化並びに熱効率向上を図ることができ、更に、断熱層の施工の手間を大幅に軽減し得、メンテナンスも容易に行い得るという優れた効果を奏し得る。
更に、本発明の請求項記載の断熱容器構造によれば、高価となる真空断熱容器等を用いることなく、改質器を含む燃料改質装置における断熱層の容積を削減でき且つ放熱損失を低減でき、改質器を含む燃料改質装置の小型化並びに熱効率向上を図ることができ、更に、改質器を含む燃料改質装置における断熱層の施工の手間を大幅に軽減し得、メンテナンスも容易に行い得るという優れた効果を奏し得る。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1は本発明を実施する形態の一例であって、図中、図2及び図3と同一の符号を付した部分は同一物を表わしており、容器15を内側断熱層15aと外側断熱層15bとからなる二重構造とし、内側断熱層15aの内部を、燃料を燃焼用空気により燃焼させた燃焼ガスの流路17とすると共に、内側断熱層15aと外側断熱層15bとの間を燃焼用空気の供給流路18とし、該供給流路18に導入される燃焼用空気を前記流路17内の燃焼ガスにより予熱して内側断熱層15aの内部に供給するよう構成したものである。
本図示例の場合、燃料ガス(アノードオフガス)を燃焼用空気により燃焼させた燃焼ガスを噴射するバーナ等の燃焼器16と、内部に改質触媒(図示せず)が装填され原料ガスを流通させてその改質を行う改質管19とを内側断熱層15aの内部に配設し、改質器1を形成してある。尚、前記改質管19は、内管19aと外管19bとからなる二重管構造としてあり、原料ガスを内管19aと外管19bとの間に形成される外側の空間内を上昇させて前記燃焼ガスと熱交換させた後、その上端で折り返して内管19aの内側の空間内を下降させるようにしてある。
次に、上記図示例の作用を説明する。
内側断熱層15aの内部での燃焼に伴って外部へ逃げようとする熱は、供給流路18に導入される燃焼用空気を予熱することに利用され、内側断熱層15aの内部に還流される形となり、更に、外部への最終的な放熱を防ぐ外側断熱層15bは、燃焼用空気と外気との温度差が小さいため、薄い厚さのもので良くなり、トータルの断熱層の厚さを従来に比べ大幅に薄くすることが可能になると共に、放熱損失を低減することが可能となる。
本図示例に示す如く、燃料ガス(アノードオフガス)を燃焼用空気により燃焼させた燃焼ガスを噴射する燃焼器16と、内部に改質触媒が装填され原料ガスを流通させてその改質を行う改質管19とを内側断熱層15aの内部に配設し、改質器1を形成すると、改質器1のコンパクト化と放熱損失の低減が可能になることに加え、内側断熱層15aと外側断熱層15bとからなる二重構造の容器15を改質器1に被せるだけで断熱層の施工が行われるため、従来のように、改質器1の周囲にセラミックファイバ等の断熱材を充填したりする必要がなくなり、断熱層の施工の手間が大幅に軽減され、しかも、改質器1内の触媒交換や点検等のメンテナンスの際には、容器15を開放するだけで済み、その都度、断熱材を除去したり、改質器1を切断したりする必要もない。
因みに、本発明者等の試算では、直径D1=φ200[mm]、高さH=1300[mm]の改質器1を断熱し、放散熱量Q=250[W]を達成しようとした場合、単層容器では、最高の断熱性能を有する断熱材を使用しても、容器の外径は、φ362[mm]必要となるのに対し、本図示例に示すような二重構造の容器15では、同じ断熱材の使用で、
内側断熱層15aの外径D2=φ280[mm]
外側断熱層15bの内径D3=φ286[mm]
外側断熱層15bの外径D4=φ298[mm]
となり、およそ32[%]の容積削減が可能となる。
又、特許文献1に示されるものでは、真空断熱容器に収容されている改質器が容器構造になっているため、一見すると、本図示例と類似した二重容器構造となっているが、特許文献1に示されるものの場合、断熱はあくまでも外側の真空断熱容器が単独で担うようになっており、改質器と真空断熱容器との間の空間には、空気のような流体を流しておらず、その空間は断熱には全く寄与していないと言うことができ、特許文献1に示されるものは、真空断熱容器の内壁と外壁との熱伸び差を吸収することに主眼を置いているものに過ぎない。
更に又、本図示例に示すような二重構造の容器15では、外側断熱層15bの内壁温度は、最高でも120[℃]程度にしかならないが、特許文献1に示されるような断熱容器構造では、真空断熱容器の内壁温度をおよそ600[℃]と想定しており、この点も両者の大きな相違となっている。
一方、本図示例においては、改質器1のみを内側断熱層15aの内部に配設しているが、参考例として、改質器1だけではなく、改質器1の関連機器として挙げられる、図2及び図3に示されるような、改質器1で改質した改質ガスを所要温度に温度降下させCOとH2OをCO2とH2に変換する低温シフトコンバータ5と、該低温シフトコンバータ5を通過した改質ガスを冷却しCOを除去する選択酸化CO除去器6とを内側断熱層15aの内部に配設することができる。
又、参考例となる前記改質器1の関連機器としては、燃焼ガスの熱により水を蒸発させて水蒸気を発生させる水蒸発器2や、燃焼ガスの熱により原燃料を気化させる原燃料気化器3や、改質器1へ供給する原料ガスの脱硫を行う脱硫器4を挙げることもでき、これらの機器を内側断熱層15aの内部に配設することもできる。
尚、一般に、固体高分子型燃料電池8(PEFC)用のプロセスでは、改質ガス中に含まれる微量のCOは固体高分子型燃料電池8の被毒物質であって数ppmレベルまで除去する必要があるため、低温シフトコンバータ5を通過した改質ガスを冷却水で冷却し酸化反応によってCOを除去する選択酸化CO除去器6を用いているのであるが、該選択酸化CO除去器6の代りに、メタネーション反応、即ち、
CO+3H2→CH4+H2
という反応式で示されるメタンの改質の逆反応を用いるメタネータを、CO除去器として使用することも可能である。該メタネータにおいては、触媒としてNi系のものが用いられ、およそ250[℃]程度で反応を進めるようにすれば、
4H2+CO2→CH4+2H2
という反応式で示されるような反応が起こってしまうことはなく、暴走する心配もない。
こうして、高価となる真空断熱容器等を用いることなく、改質器1、或いは該改質器1とその関連機器を含む燃料改質装置における断熱層の容積を削減でき且つ放熱損失を低減でき、改質器1、或いは該改質器1とその関連機器を含む燃料改質装置の小型化並びに熱効率向上を図ることができ、更に、改質器1、或いは該改質器1とその関連機器を含む燃料改質装置における断熱層の施工の手間を大幅に軽減し得、メンテナンスも容易に行い得る。
尚、本発明の断熱容器構造は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明を実施する形態の一例の側断面図である。 改質器が設けられる設備の一例を表わす全体系統図である。 従来の燃料改質装置の一例を表わす側断面図である。
符号の説明
1 改質器
2 水蒸発器(関連機器)
3 原燃料気化器(関連機器)
4 脱硫器(関連機器)
5 低温シフトコンバータ(関連機器)
6 選択酸化CO除去器(関連機器)
15 容器
15a 内側断熱層
15b 外側断熱層
16 燃焼器
17 流路
18 供給流路
19 改質管

Claims (1)

  1. 容器を内側断熱層と外側断熱層とからなる二重構造とし、内側断熱層の内部を、燃料を燃焼用空気により燃焼させた燃焼ガスの流路とすると共に、内側断熱層と外側断熱層との間を燃焼用空気の供給流路とし、該供給流路に導入される燃焼用空気を前記流路内の燃焼ガスにより予熱して内側断熱層の内部に供給するよう構成し
    燃料を燃焼用空気により燃焼させた燃焼ガスを噴射する燃焼器と、内部に改質触媒が装填され原料ガスを流通させてその改質を行う改質管とを内側断熱層の内部に配設し、改質器を形成するようにしたことを特徴とする断熱容器構造。
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