JP4480408B2 - 銀メッキ用コーティング組成物及びその製造方法 - Google Patents
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しかしながら、この様な方法により得られる銀メッキ積層体は、各層間の密着性が不充分であり、また、トップコート層の硬度も不充分であるため、限られた用途しか適用できないという問題があった。更に、アンダーコート層、トップコート層の硬化に時間を要することから、製造効率も悪いという問題があった。
しかし、特許文献3記載の方法によれば、紫外線硬化性樹脂中でコロイド状シリカが凝集し、これによって硬化被膜にヘーズを生じ易いという問題がある。
この方法によれば、このメルカプトシラン修飾コロイド状シリカは、表面のメルカプト基によって多官能性化合物との相溶性が改善される為、硬化塗膜の硬度、透明性が向上するということを明らかにしている。
しかし、この技術は主に塗膜の耐磨耗性と透明性を改善するものであり、塗膜とメッキ膜等の金属との密着性を改善する技術に関しては提案されていない。更に、引用文献4の技術を銀メッキ用のコーティング組成物として適用しても、銀メッキ膜からの剥れ即ち、密着性は改善されない。また、そのコーティング組成物の外観に関しても、やや白味を帯びた銀メッキ膜となるので好ましくない。
また、本発明の銀メッキ用コーティング組成物は、膜の密着性、硬度に優れ、膜形成時の硬化速度が速く、膜の透明性に優れることから、銀メッキ用のアンダーコート層、トップコート層の何れにも適用できるという利点を有する。
更に、本発明ではこれらテトラアルコキシシランまたはその部分縮合物の内、テトラアルコキシシランの部分縮合物であるシリケート40またはMシリケート51の使用が、反応性、コーティング膜強度の面で最も好適である。
本発明ではこれらシラン化合物の内、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシランの使用が、反応性、コーティング膜強度の面で最も好適である。
従って、炭素−炭素二重結合の数は、3〜6であることが最も好ましい。
しかし、形成する膜に柔軟性を付与するためには、炭素−炭素二重結合の数が1〜2のラジカル重合性化合物を併用すればよい。
しかし、これらラジカル重合性化合物の中で、アクリレートモノマー、メタクリレートモノマー、ウレタンアクリレートオリゴマー、ウレタンメタクリレートオリゴマーの使用が、本発明コーティング組成物の性能を発揮する上で最も好適である。
アクリレートモノマーとメタクリレートモノマーは、炭素−炭素二重結合、ウレタンアクリレートオリゴマー、ウレタンメタクリレートオリゴマーは、炭素−炭素二重結合とウレタン結合を有するが、これ以外に種々の官能基、結合をさらに有していてもよい。この様な種々の官能基、結合としては、例えば、水酸基、カルボキシル基、フェニル基、チオール基、リン酸基、エポキシ基、ハロゲン、エーテル結合、エステル結合等が挙げられる。
アクリレートモノマーとしては、2-エチルへキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、シクロへキシルアクリレート、トリシクロデカニルアクリレート、トリシクロデカニルオキシエチルアクリレート、イソボロニルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、2-エチルヘキシルカルビトールアクリレート、メトキシプロピレンモノアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、ベンジルアクリレート、2-フェノキシエチルアクリレート、2-フェノキシジエチレングリコールアクリレート、ノニルフェノキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシエチルアクリレート、無水フタル酸-2-エチルへキシルアクリレート付加物、無水テトラヒドロフタル酸-2-ヒドロキシプロピルアクリレート付加物、無水ヘキサヒドロフタル酸-2-ヒドロキシプロピルアクリレート付加物、1,3-ブタンジオールジアクリレート、1,4-ブタンジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールFジアクリレート、エトキシ化1,6-へキサンジオールジアクリレート、プロポキシ化1,6-へキサンジオールジアクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、1,6-ヘキサンジイルビス[オキシ(2-ヒドロキシプロパン-1,3ジイル)]ジアクリレート、[2-[1,1-ジメチル-2-アクリロイロキシエチル]-5-エチル-1,3-ジオキサン-5-イル]メチルアクリレート、3-[2,2-ジメチル-1-オキソ-3-アクリロイロキシプロポキシ]-2,2-ジメチルプロピルアクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレ−トトリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化グリセリルトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリート、ジペンタエリスリトールトリアクリート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリート、2-イソシアン酸エチルアクリレート、イミドアクリレート、ビスフェノールSジチオールアクリレート、テトラブロモビスフェノールAアクリレート、フッ素アクリレート、トリスアクリロイロキシエチルフォスファート、3-アクリロイロキシプロパン酸、3-(テトラメトキシシリル)プロピルアクリレート等が挙げられる。
上記の様なアクリレートモノマー、メタクリレートモノマー、ウレタンアクリレートオリゴマー、ウレタンメタクリレートオリゴマーは、一種類のみでも使用できるが、複数種類を組み合わせて使用することもできる。
即ち、メルカプト基を有するシラン化合物(b)が3質量部を下廻ると、或いは100質量部を上廻ると、いずれも銀メッキ膜との密着性が得られにくいものとなる。
また、ラジカル重合性化合物(c)が15質量部を下廻ると、コーティング膜の柔軟性が低下しコーティング膜に割れが発生しやすくなる。また反対に、470質量部を上廻ると、銀メッキ膜との密着性が得られにくくなる。
更により好ましい使用割合としては、テトラアルコキシシランまたはその部分縮合物(a)100質量部に対し、メルカプト基を有するシラン化合物(b)を5〜50質量部、ラジカル重合性化合物(c)を40〜350質量部である。
更に、テトラアルコキシシランまたはその部分縮合物(a)と、メルカプト基を有するシラン化合物(b)との加水分解反応では、触媒として酸触媒を用いる。この様な酸触媒としては、例えば、塩酸、フッ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、ギ酸、酢酸、アクリル酸、メタクリル酸、p-トルエンスルホン酸等を使用することができる。
また、これらの溶媒は複数を併用して使用してもよい。
或いは、少量であればキシレン、トルエン等の水と全く相溶性のない溶媒を、上記の溶媒と併用して使用することもできる。
例えば、この様なシラン化合物としては、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、へキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン、メチルトリクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン等のクロロシラン等が挙げられる。これらは、加水分解して使用してもよく、テトラアルコキシシラン、またはその部分縮合物(a)メルカプト基を有するシラン化合物(b)と共に加水分解することも可能である。
本発明の銀メッキ用コーティング組成物は、種々の方法で作成された銀メッキ膜に適用できる。例えば、銀メッキ方法として、蒸着メッキ、電解メッキ、無電解メッキ等が挙げられる。
本発明の銀メッキ用コーティング組成物は、基材及び銀との密着性が共に良く、耐磨耗性に優れ、銀メッキを高光沢とすることが可能であり、アンダーコート、トップコートの両方に適用することができる。
例えば、本発明のコーティング組成物をアンダーコート層として種々の基材上に形成し、この上に銀メッキを施し、次いで更にこの上に本発明のコーティング組成物をトップコート層として形成させることにより銀メッキ積層体を得ることができ、この積層体は、意匠性に優れ、更に耐磨耗性、密着性等の銀メッキの保護能力にも優れるという特徴がある。
このような合成樹脂としては、塩化ビニル、エポキシ、ABS、ポリカーボネート、ポリプロピレン等が挙げられる。
また、本発明組成物のトップコート層への適用は、本発明組成物を銀メッキ膜上で行なうものであり、この場合には本発明組成物は基材の種類には全く関係なく使用できる。
シリケート40(多摩化学工業(株)製)90質量部と3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン10質量部とエタノール20質量部を混合し、0.4%塩酸を20質量部加え、室温にて30分間撹拌した。これにエタノールをさらに150質量部加え、48時間室温で熟成させることで加水分解を行った。
尚、銀鏡反応による銀メッキ膜の形成方法は次の通りである。2%塩化第一錫と0.9質量部の塩酸を含有する塩化錫水溶液に、アンダーコート層を形成させた基材を浸けコート層表面の活性化処理を行った。これをよく水洗した後、2%硝酸銀水溶液と4%アンモニア水溶液を1:1で混合した溶液に浸し、そこに5%グリオキサール水溶液を添加することで上記アンダーコート層上に銀メッキ膜を形成させた。
シリケート40の35質量部と、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン1質量部と、エタノール7.2質量部を混合し、0.4%塩酸を7.2質量部加え、室温にて30分間撹拌した。これにエタノールをさらに50質量部加え、48時間室温で熟成させることで加水分解を行った。
この加水分解物5質量部に対し、ビームセット575CBを1質量部加え、さらにエタノールを2質量部加えたものを製造した。このコーティング剤を用いて、実施例1〜6と同様に銀メッキ積層体を作成した。
シリケート40の8質量部と、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン1質量部と、メチルトリメトキシシラン1質量部とエタノール2質量部を混合し、0.4%塩酸を2.0質量部加え、室温にて30分間撹拌した。これにエタノールをさらに15質量部加え、48時間室温で熟成させることで加水分解を行った。
この加水分解物5質量部に対し、アクリレートモノマーであるKAYARAD D-310(日本化薬製)を1質量部とIRGACURE 184を0.004質量部加えたものを製造した。このコーティング剤を用いて、実施例1〜6と同様に銀メッキ積層体を作成した。
シリケート40の9質量部に、エタノール2質量部を混合し、0.4%塩酸の1.8質量部を加え、室温にて30分間撹拌した。これにエタノールをさらに14質量部加え、48時間室温で熟成させることで加水分解を行った(A)。
3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン1質量部とエタノール1質量部を混合し、0.4%塩酸の0.2質量部を加え、室温にて30分間撹拌した。これにエタノールをさらに1質量部加え、48時間室温で熟成させることで加水分解を行った(B)。
上記の加水分解物(A)4.5質量部に対し、加水分解物(B)0.5質量部とビームセット575CBの1質量部を加え、さらにエタノールを1質量部加えたものを製造した。このコーティング剤を用いて、実施例1〜6と同様に銀メッキ積層体を作成した。
シリケート40の9質量部と、メルカプトエチルトリメトキシシラン1質量部と、エタノール2質量部を混合し、0.4%塩酸の2.0質量部を加え、室温にて30分間撹拌した。これにエタノールをさらに15質量部加え、48時間室温で熟成させることで加水分解を行った。
この加水分解物5質量部に対し、ビームセット575CBを1質量部とエタノールを1質量部加えたものを製造した。このコーティング剤を用いて、実施例1〜6と同様に銀メッキ積層体を作成した。
ビームセット575CBの1質量部に、エタノールを1質量部加えたもの(比較例1)、KAYARAD D-310の1質量部にIRGACURE184を0.03質量部とエタノールを1質量部加えたもの(比較例2)を用いて、それぞれ実施例1〜6と同様に銀メッキ積層体を作成した。
シリケート40の10質量部にエタノール2質量部を混合し、0.4%塩酸を1.8質量部加え、室温にて30分間撹拌した。これにエタノールをさらに15質量部加え、48時間室温で熟成させることで加水分解を行った。この加水分解物5質量部にビームセット575CBの1.1質量部とエタノールの1.1質量部加え、これを用いて、実施例1〜6と同様に銀メッキ積層体を作成した。
3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン2質量部に、0.4%塩酸を0.3質量部加え、室温にて30分間撹拌した後、48時間室温で熟成させることで加水分解を行った。この加水分解物1質量部にビームセット575CBを5質量部とエタノールを5質量部加えたものを用いて、実施例1〜6と同様に銀メッキ積層体を作成した。
シリカゾルIPA-ST(SiO2固形分30%、日産化学工業(株)製)10質量部に、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン1質量部を混合し、0.4%塩酸を0.3質量部加え、室温にて30分間撹拌した。これにエタノールをさらに13質量部加え、48時間室温で熟成させることで加水分解を行った。この加水分解物5.5質量部にビームセット575CBを1質量部とエタノールを1質量部加えたものを用いて、実施例1〜6と同様に銀メッキ積層体を作成した。
供試積層体表面に、剃刀を用い1mm間隔で縦横それぞれ11本の切れ目を付け、100個の碁盤の目状とした。この表面にセロハンテープをよく密着させた。次いで、セロハンテープをメッキ面に対して垂直に急激にはがし、その際に被膜が剥離せずに残存したマス目の数を算定した。算定結果から残存数(X)をX/100で表した。
鉛筆の円筒状の芯をそのまま残し、木部だけを削り取った鉛筆芯を、銀メッキ面に対して45度の方向に750gの荷重で押し当てた。荷重を加えた状態で鉛筆芯を押しつけ動かした。被膜に傷が付くか否かを以って芯硬度により被膜硬度を判定した。
目視により、銀メッキ層形成後の銀メッキ膜の光沢、ムラ、色目等を観察し、○(良)、△(やや不良)、×(不良)で評価した。
目視により、コーティング組成物によるアンダーコート層形成後のコーティング膜の外観を観察し、○(良)、△(やや不良)、×(不良)で評価した。
Claims (6)
- テトラアルコキシシランまたはその部分縮合物(a)の100質量部に対し、メルカプト基を有するシラン化合物(b)が3〜100質量部であり、少なくとも一つ以上の炭素−炭素二重結合を有するラジカル重合性化合物(c)が15〜470質量部の範囲である請求項1記載の銀メッキ用コーティング組成物の製造方法。
- メルカプト基を有するシラン化合物(b)が3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン又は3-メルカプトプロピルトリエトキシシランである請求項1、2又は3記載の銀メッキ用コーティング組成物の製造方法。
- 少なくとも一つ以上の炭素−炭素二重結合を有するラジカル重合性化合物(c)が、アクリレートモノマー、メタクリレートモノマー、ウレタンアクリレートオリゴマー、ウレタンメタクリレートオリゴマーから選ばれた化合物である請求項1〜4のいずれか1項に記載の銀メッキ用コーティング組成物の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法によって得られる銀メッキ用コーティング組成物。
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