JP4485659B2 - 熱収縮性二軸延伸積層フィルムの製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、ガスバリア性、耐ピンホール性に優れ、容器のフタ材などの用途に好適に用いられるポリアミド系熱収縮性積層フィルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ガスバリア性に優れた包装用フィルムとして、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物(以下、EVOH)を耐ピンホール性・強度物性に優れたポリアミド樹脂でサンドイッチした多層フィルムが使用されている。
【0003】
前記フィルムを収縮包装用途として使用する場合には、熱収縮性を付与するために、二軸延伸後の熱処理温度を低く設定したりや弛緩処理率を下げる等の方法が用いられるが、高温(150〜200℃)で二軸延伸処理することにより、良好な延伸性と優れた幅方向の寸法安定性が得られるが、トレー収縮包装用途に適した高収縮率のフィルムを得ることは難しく、また収縮時の応力が高すぎ、トレーの変形が生じやすいという欠点もあった。
【0004】
一方、延伸を100℃以下の低温領域で実施することにより高収縮性のフィルムを得ることができるが、延伸応力の上昇によるフィルム切断や装置トラブルが頻発するという問題があった。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記問題を解決しようとするものであり、ガスバリア性が優れ、トレイの収縮包装に適し、かつ製造が容易なポリアミド系高収縮性積層フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は次のとおりである。
ナイロン6層/EVOH層/ナイロン6層からなり、EVOH層の厚みが積層フィルム総厚みの15〜30%となるように構成された積層未延伸フィルムをTダイから押出し、次いで、下記の条件で同時二軸延伸する収縮性二軸延伸積層フィルムの製造方法。ただし、EVOHはエチレン‐酢酸ビニル共重合体のケン化物を示す。
予熱温度Tp(℃) 60≦Tp≦75
延伸温度Ts(℃) 75≦Ts≦90
延伸ゾーン通過時間Rs(sec) 2.5≦Rs≦4.5
熱処理温度Ta(℃) 120≦Ta≦140
【0007】
【発明の実施の形態】
【0008】
本発明における積層フィルムはナイロン6層/EVOH層/ナイロン6層からなる2種3層の構成である。EVOHとしてはエチレン成分の含有率が25〜35モル%が好ましい。また、酢酸ビニルのけん化度が96モル%以上、好ましくは99モル%以上のものがガスバリア性や強度に優れ、好適である。
エチレンの含有率が25モル%未満ではゲルが生成しやすく、また35モル%を超えると得られるフィルムの強度やガスバリア性等の物性が低下し好ましくない。
【0009】
EVOH層が積層フィルム全体の厚みに占める割合は、15〜30%の範囲であることが必要である。15%未満の場合、ガスバリア性が不十分であり、またナイロン6層が厚くなり収縮応力の増大を招く。また、30%を超える場合には、熱収縮性が損なわれる。
【0010】
また本発明における二軸延伸積層フィルムの厚みとしては12〜25μmの範囲とすることが好ましい。12μm未満の場合、収縮率が低下し、また25μmを超えると熱収縮応力の増大を招き好ましくない。
【0011】
ナイロン6層にはフィルムの特性を損なわない範囲においてタルク、シリカ、アルミナ、マグネシア、炭酸カルシウム、エチレンビスステアリルアミド、ステアリン酸カルシウム等の滑剤や顔料、熱安定剤、酸化防止剤、可塑剤、離型剤等を配合することもできる。
【0012】
本発明により得られる二軸延伸積層フィルムは、90℃熱水中に5分間浸漬処理したときの縦方向及び横方向の収縮率が18〜30%、好ましくは20〜25%、収縮応力が0.7〜1.2N/cm、好ましくは0.74〜1.15N/cmである。収縮率が18%未満、あるいは収縮応力が0.7N/cm未満では、タルミ等が発生して包装用収縮フィルムとしての実用性能が不足し、収縮率が30%を超えたり、収縮応力が1.2N/cmを超えると、トレー等の基材として用いた場合にトレーが変形する問題が生じる。
【0013】
次に、本発明の積層フィルムの製造方法について述べる。
未延伸シートの製膜方法としては、各層を構成する数種の樹脂を別々の押出機で溶融し、フィードブロック内で多層構造に重ね合わせた後ダイスより押し出す方法(モノマニホールドタイプ)や、溶融した数種の樹脂をダイス中にて多層構造に重ね合わせて押し出すマルチマニホールド法等を用いることができるが、各層の厚み精度の高さからマルチマニホールド法が好ましい。Tダイより共押出した後、冷却ロール状で急冷することにより積層未延伸シートを得る。
【0014】
得られた未延伸シートを温度60〜75℃で予熱することが必要である。その後、同時二軸延伸法により、縦、横方向ともに2.5〜4.0倍の範囲で延伸する。予熱温度が60℃未満の場合には延伸時のフィルム破断が生じやすく、また延伸機にかかる負荷が大きいため設備上のトラブルが生じやすい。また予熱温度が75℃を超える場合、延伸時の破断が生じやすい。延伸倍率が2.5倍未満の場合は得られる延伸フィルムの力学的強度やガスバリア性が低下し、4.0倍を超える場合にはフィルムの延伸破断が発生しやすくなる。
【0015】
同時二軸延伸ゾーンの温度は75〜90℃の範囲とし、かつ通過時間を2.5〜4.5秒の範囲とすることが必要である。延伸温度が75℃未満の場合、延伸破断が生じやすい。また90℃を超えると熱収縮率とガスバリア性が低下する。一方、延伸ゾーンの通過時間が2.5秒未満あるいは4.5秒を超える場合では前記温度範囲であっても延伸切断が生じやすくなる。
【0016】
延伸されたフィルムは温度120〜140℃の範囲で熱処理することが必要である。140℃を超えると充分な高収縮率が得られなくなり、また120℃未満であると弛緩処理ゾーンでのフィルム破断や、端部を把持しているクリップからの滑り出しなどのトラブルが生じやすい。
【0017】
フィルム幅方向の弛緩処理は用途に応じてその程度を調節できる。本発明においては1〜6%の弛緩率で処理を行うことができる。
【0018】
【実施例】
次に、本発明を実施例により、さらに具体的に説明する。
なお、実施例および比較例の評価に用いた測定方法は次のとおりである。
【0019】
(1)フィルム破断頻度
1日間の操業を行い、その間に生じたフィルムの破断回数を調べた。なお、未延伸フィルムの製膜不良や延伸機のクリップの掴み不良に起因する破断については除外した。
【0020】
(2)熱水収縮率・収縮応力
フィルムを縦・横方向それぞれに巾10mm×長さ100mmの寸法にカットした測定サンプルを90℃熱水中で5分間ボイル処理した後、20℃、65%RH下で2時間放置した後の寸法を測定し、処理前の寸法に対する収縮率を求めた。
また前記測定サンプルに各種おもりをぶら下げることで荷重をかけ、同様のボイル処理を行い、処理前と寸法変化の生じない荷重条件を調べ、その値を収縮応力とした。
【0021】
(3)酸素透過度
Modern Control社製OX−TRAN2/20を使用し、20℃、85%RHの条件で測定し、ml/m2・day・MPaの単位で表した。
【0022】
(4)トレーへの包装状態評価
得られた積層フィルムに接着樹脂層としてLLDPE(19μm)を積層し、PS製発泡トレー天面(150mm×200mm)に包装した。次に包装されたトレーを120℃に加熱されたオーブン内に10秒間通過させた後、包装状態を観察した。トレーとの密着性が優れ、かつトレーに変形が生じていない物は良とし、タルミやトレーの四角におけるフィルムの余りが生じた物、あるいはトレーに変形が生じた物を否とした。
【0023】
なお、実施例および比較例の評価に用いたフィルム原料は次に示すとおりである。
(1)ナイロン6;ユニチカ社製 A1030BRF
(2)EVOH :クラレ社製 エバールEP−F101BZ(エチレン共重合率32モル%)
【0024】
実施例1
2種3層用共押出Tダイを用いて、第1押出機よりナイロン6を250℃で押出し(X層)、第2押出機よりEVOHを、温度225℃で(Y層)それぞれ溶融・押出し、マルチマニホールドタイプのダイスにてX/Y/Xの順に積層したシートを、表面温度18℃に温調した冷却ドラム上に密着させて急冷し、各層の厚みがX/Y/X=60/30/60μmで合計150μmの未延伸フィルムを得た。
次に得られた未延伸フィルムを延伸機に導き、表1に示した予熱・延伸および熱処理温度に調整した各ゾーンを通して同時二軸延伸し、厚さ15μmの延伸フィルムを得た。
延伸は縦方向に3倍、横方向に3.3倍に延伸し、延伸ゾーンの通過速度が3秒となるように速度を調整した。熱処理ゾーンでのフィルム幅方向の弛緩率は5%とした。
なお、各ゾーンの通過時間は次の通りである。
予熱ゾーン 4.6sec
延伸ゾーン 3.0sec
熱処理ゾーン 1セット 0.9sec
2セット 1.6sec
3セット 1.6sec
4セット 1.4sec
【0025】
実施例2〜3
各層の厚みを表1に示した構成とする以外は、実施例1と同様の方法で押出、延伸し、厚さ15μmの延伸フィルムを得た。
【0026】
【表1】
【0027】
表2に示すように、高収縮率、低収縮応力のトレー容器の収縮包装に適したフィルムが安定した操業により得られる。またガスバリア性も良好である。
【0028】
比較例1〜2
各層の厚みが表1に示した構成とする以外は、実施例1と同様の方法で押出、延伸し、厚さ15μmの延伸フィルムを得た。
【0029】
比較例3〜4
得られる未延伸シートに55℃−60秒間の吸水処理を施し、表1に示した厚み構成、および予熱・延伸温度条件で延伸する以外は実施例1と同様の方法で押出、延伸し、厚さ15μmの延伸フィルムを得た。
【0030】
比較例5
表1に示した予熱・延伸温度条件で延伸する以外は実施例1と同様の方法で押出、延伸し厚さ15μmの延伸フィルムを得た。
【0031】
比較例6
表1に示した熱処理温度条件で延伸する以外は実施例1と同様の方法で押出、延伸し厚さ15μmの延伸フィルムを得た。
【0032】
比較例にて得られた延伸フィルムの物性、延伸性、トレーへの包装状態の評価結果を表2に示した。
【0033】
【表2】
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、ガスバリア性および収縮包装性が改善された二軸延伸積層フィルムを安定して得ることができる。
Claims (1)
- ナイロン6層/EVOH層/ナイロン6層からなり、EVOH層の厚みが積層フィルム総厚みの15〜30%となるように構成された積層未延伸フィルムをTダイから押出し、次いで、下記の条件で同時二軸延伸する収縮性二軸延伸積層フィルムの製造方法。ただし、EVOHはエチレン‐酢酸ビニル共重合体のケン化物を示す。
予熱温度Tp(℃) 60≦Tp≦75
延伸温度Ts(℃) 75≦Ts≦90
延伸ゾーン通過時間Rs(sec) 2.5≦Rs≦4.5
熱処理温度Ta(℃) 120≦Ta≦140
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|---|---|---|---|
| JP2000210132A JP4485659B2 (ja) | 2000-07-11 | 2000-07-11 | 熱収縮性二軸延伸積層フィルムの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP2000210132A JP4485659B2 (ja) | 2000-07-11 | 2000-07-11 | 熱収縮性二軸延伸積層フィルムの製造方法 |
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| JP2000210132A Expired - Lifetime JP4485659B2 (ja) | 2000-07-11 | 2000-07-11 | 熱収縮性二軸延伸積層フィルムの製造方法 |
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