JP4486537B2 - 挿し口端面の防食構造及びその防食方法 - Google Patents

挿し口端面の防食構造及びその防食方法 Download PDF

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この発明は、水道管等に用いられる金属管の継ぎ手部において、切管により形成した挿し口端面の防食に関するものである。
水道管等に用いられるダクタイル管の切管端面には、従来から、切管端面防食用の塗料を塗布し、乾燥させた後に接合を行ってきた。しかし、この塗料は、特に寒冷時の乾燥に時間がかかることから、管路の流水を止めることなくその管路の切替工事等を行う際には、塗料による防食手法は、使用できない問題があった。
そこで、切管端面に防食コアを取付ける技術が開示されている。例えば、特許文献1に示す挿し口端面の防食構造は、図8(a)に示すNS形継手に接合する挿し口2の端部2aに使用するものであって、図8(b)に示すように、その挿し口2の外周に環状の挿し口リング4が、また、端部2a全周には断面コ字状の防食コア6が嵌められている。その防食コア6の内周面にステンレス製の防食コア固定リング8を宛がって、その固定リング8を拡径することにより、防食コア6を挿し口2に固定する。
そのリング8には、前記防食コア6の外側を覆う断面コ字状のガード7が所定の間隔で設けられているので、挿し口2を受口1に差し込む際には、ガード7がロックリング3に摺接し、防食コア6の損傷を回避する。
なお、特許文献2には、挿し口の端部全周に断面コ字状のステンレスキャップを嵌め込んで、そのキャップと管との隙間にコーキング材を充填した後、治具を用いてステンレスキャップの内周面を拡径することにより、管とキャップを固定した防食構造が開示されている。
特開2003−120891号公報 特開平2−309096号公報
上記特許文献1(図8)に示す防食構造では、挿し口2に防食コア6を固定するために、その挿し口2の内側において前記防食コア固定リング8を拡径する必要がある。この拡径は、挿し口の内側で行うので作業場所が手狭であり、またその作業には、専用治具が必要であるとともに拡径の際に大きな力が必要であるので、作業の容易化の観点から改善の余地がある。
一方、上記特許文献2に示す防食構造は、防食コアとして断面コ字状のステンレスキャップ(ガード)を使用するが、上記特許文献1のごとく防食コア固定リングを使用せず、ステンレスキャップと挿し口との間にコーキング材を充填して両者を固定する。
したがって、コーキング材の乾燥に時間がかかる上、キャップ内周面での拡径作業も必要であり作業が面倒である。このため、さらに短時間で施工可能で、且つ取付け容易なものが望まれる。
そこで、この発明は、防食コアを挿し口に容易に固定できるようにすることを課題とする。
上記の課題を解決するために、この発明は、まず、挿し口の端面部に取り付けたゴム製防食コアの径方向外側に、環状の防食コア固定具を嵌めたのである。挿し口の外側であれば内側よりも作業性が良い。
つぎに、その防食コア固定具に設けた爪部を内側へ折り込んで防食コアの内周面へ圧接したのである。このようにすれば、前記防食コアの固定は、その防食コア固定具及び爪部を内外両側から夾んで挿し口内外面に押し付ければよいので、従来の拡径作業時のような大きな力が不要である。また、その作業には、プライヤなど一般的な工具を使用することができて作業が容易であり、従来の拡径用工具のような専用治具が不要である。
この発明は、防食コアを挿し口に容易に固定できる。
上記手段の実施形態として、挿し口の端面部全周に嵌められた断面コ字状のゴム製防食コアを、前記挿し口に固定する金属製の防食コア固定具において、前記防食コアの外周面に接する筒状のバンド部と、そのバンド部の筒軸方向外側端から径方向内側に延びて前記挿し口内へ折り込むことにより前記防食コアの内周面へ圧接可能な爪部とを有する防食コア固定具を採用したのである。
このようにすれば、その挿し口端面は、防食コア本体と簡単な構造の防食コア固定具でもって防食可能となるので、作業の容易化に寄与することができる。
上記防食コア固定具を用いる挿し口端面の防食構造として、挿し口の端面部全周に断面コ字状のゴム製防食コアを嵌め、前記防食コアの外周面に上記防食コア固定具の上記バンド部を嵌めて、前記防食コアの端面に上記爪部を宛がい、その爪部を前記挿し口内へ折り込むことにより前記防食コアの内周面へ圧接した構成を採用し得る。
このようにすれば、前記バンド部が防食コアの外側に圧接し、爪部が防食コアの内側に圧接する。防食コア固定具のバンド部と爪部とを内外から夾むことにより防食コアを挿し口に固定できるので、作業が容易である。
また、上記の構成を、継ぎ輪の受口に接続される前記挿し口に採用し、その挿し口には、前記受口に設けられたロックリングと係止する挿し口リングが、上記端面部に嵌められた防食コアよりも管軸方向へ内側に設けられており、上記バンド部の外周面が、上記挿し口リングの外周面よりも管径方向内側にあるようにすれば、受口に挿し口を挿入する際の圧入の抵抗が小さくなるので、接合がスムースである。また、バンド部は、防食コアの径方向外側のフラットな外周面に圧接するので安定がよい。
さらに、前記バンド部を、ねじ締結若しくはリベット締結により挿し口に固定されるようにすれば、防食コア固定具が挿し口から離脱しにくくなるので、防食コア固定具が外れて防食コアが外れたり、緩んだりすることを防止し得る。また、そのねじ締結若しくはリベット締結は、挿し口外側で行うので作業性がよい。
また、上記構成の防食コア固定具を用いる挿し口端面の防食方法として、挿し口の端面部全周に断面コ字状のゴム製防食コアを嵌め、前記防食コアの外周面に上記防食コア固定具の上記バンド部を嵌めて、前記防食コアの端面に上記爪部を宛がい、その後、前記爪部を前記挿し口内へ折り込むことにより前記防食コアの内周面へ圧接する手法を採用し得る。
このようにすれば、前記バンド部が防食コアの外側に圧接し、爪部が防食コアの内側に圧接し、この圧接により防食コアは挿し口に固定されるので、作業が容易である。また、その挿し口端面は、防食コア本体と簡単な構造の防食コア固定具でもって防食可能となるので、作業の容易化に寄与することができる。
一実施例を図1乃至図7に基づいて説明する。この実施例の挿し口端面の防食構造10は、図2に示す継ぎ輪20の受口11に接合される挿し口12(NS形切管用挿し口リング/タッピンねじタイプ(継ぎ輪接続用))に用いられ、その挿し口12の端面部12aにおいて、切管加工により露出した金属地肌部を防食する。その防食には、図1に示す端面部12aをカバーする管端防食コア17と、その防食コア17を挿し口12に固定する防食コア固定具16が使用される。
防食コア17は、ある程度の弾力を有する樹脂、又はゴムで製作され、図1に示すように、断面コ字状を成す環状のものである。この防食コア17が、切管で形成された挿し口12の端面部12a及び、その端面部12a近傍の挿し口内外周面を覆うように、その挿し口12の円周回り全周に嵌めて装着される。
防食コア17を構成するゴムの硬度は、JIS K 6253の5.に規定されるデュロメータ硬さ試験による硬度H=50〜90程度が望ましい。また、防食コア17の外周面17aの管軸方向長さ、及びその外周部の厚さは、継手に許容される屈曲、伸縮、継手の離脱防止力を阻害しない範囲で任意に設定することができる。
防食コア固定具16は、前記防食コア17の外周面17aに接する筒状のバンド部16aと、そのバンド部16aの筒軸方向外側端から、その径方向内側に延出するフランジ部16cとそのフランジ部16cよりもさらに内側に突出する爪部16bとを有する。その爪部16bは、防食コア固定具16の周回りに沿って所定の間隔で複数設けられて、その爪部16bが、前記バンド部16aの内周面から内側に突出する高さ(図1にAで示す長さ)は、防食コア17の厚さ(同図にBで示す長さ)よりも大きくなっている。
また、バンド部16a及びフランジ部16cは、それぞれ環状に形成されているが、その周回り1箇所において、図示する欠線部16d,16dを有している。この欠線部16d,16dの隙間が拡縮することにより、バンド部16aの径を若干変化させることができる。
また、前記爪部16bは、その折り曲げ部分に焼鈍し処理が施されており、プライヤ等で容易にカシメることができるようになっている。
この挿し口端面の防食構造により防食を施す際の手順を説明すると、まず、図7(a)及び(b)に示すように、挿し口12の端面部12a全周に断面コ字状のゴム製防食コア17を嵌める。
挿し口12の外周面には、継ぎ輪20の受口11に設けられたロックリング13と係止する挿し口リング14が設けられており、その挿し口リング14の位置は、挿し口12の端面部12aから管軸方向へ所定距離隔てた部分となっている。
つぎに、その防食コア17の外側に防食コア固定具16を嵌める。防食コア固定具16の前記バンド部16aは防食コア17のフラットな外周面17aに接し、前記挿し口リング14には当たらないようになっている。また、そのバンド部16aの筒軸方向端部から径方向内側に延出する爪部16bは、防食コア17の端面に接するようにする。シャコ万力などで防食コア固定具16を不動にした後、ドリルでバンド部16aの外側から防食コア17を貫通する下穴をあけ、その下穴にボルト18をねじ込んで、そのバンド部16aを挿し口12に締結し固定する(図7(c)参照)。この固定には、ボルトやねじ、リベット等を使用するとよい。また、ボルト18とバンド部16aとが異種金属の場合には、そのボルト18とバンド部16aとの間にゴム、樹脂等の絶縁体を装着することが望ましい。
シャコ万力を外し、この状態でプライヤ等の工具により、前記バンド部16aと爪部16bとを夾み込み、爪部16bを、図7(d)に実線で示す位置から破線で示す位置へと内側へ折り込むことにより、その爪部16bは前記防食コア17の内周面17bへ圧接する(図7(e)参照)。この圧接により、防食コア17は挿し口12の内外周面に押し付けられて密着し、その挿し口12に固定される。
この作業において、従来の拡径作業時のような大きな力が不要であるとともに、その作業には、プライヤなど一般的な工具を使用することができて作業が容易である。また、爪部16bの折り曲げ部分は、焼鈍し処理されているので、容易に折り曲げ加工できる。
このように、防食コア固定具16は、防食コア17に対し内外両周面17a,17b両側から圧接するので、防食コア17と挿し口12との密着度合いを内外ともに高めることができる。また、バンド部16aは、防食コア17のフラットな外周面17aに圧接するので安定がよい。
つぎに、このように防食を施した挿し口12を、継ぎ輪20の受け口11に接合する。その接合の手順は、図5(a)(b)及び図6に示す。
図5(a)(b)に示すように、挿し口12の端面部12aが、受け口11のロックリング13に当接し、そのロックリング13を押し広げながら接合される。挿し口リング14がロックリング13を通過すれば、その後、挿し口12が抜け出し方向へ移動した際に、その挿し口リング14がロックリング13と係止することにより抜け止めされる。
挿し口12が所定の位置に達したら、図6に示すように、挿し口12と受口11との隙間にくさび状のパッキン15を差し入れる。パッキン15の傾斜面15aを受け口11内周の傾斜面11aに圧接させ、受け口11のフランジ11bと、パッキン15の固定部材15bとをボルト19及びナット19aで締付けて両者を固定する。
一実施例の挿し口の斜視図 同実施例の挿し口と受口とを接合した状態を示す 同実施例の挿し口の切断正面図 図3の側面図 同実施例の挿し口を受口に接合する際の状態を示す説明図 同実施例の挿し口を受口に接合した際の状態を示す説明図 同実施例の防食構造の取付け方法を示す説明図 従来例の防食構造を示し、(a)は要部拡大図、(b)は挿し口を受口に接合する際の状態を示す
符号の説明
1,11 受口
2,12 挿し口
3,13 ロックリング
4,14 挿し口リング
5 ゴム輪
6,17 防食コア
7 ガード
8 内周固定リング
9 ライニング
10 挿し口端面の防食構造
12a 端面部
15 パッキン
16 防食コア固定具
16a バンド部
16b 爪部
18,19 ボルト
20 継ぎ輪

Claims (5)

  1. 管の挿し口12の端面部12a全周に嵌められた断面コ字状のゴム製防食コア17を、前記挿し口12に固定する金属製の防食コア固定具16において、
    前記防食コア17の外周面に接する筒状のバンド部16aと、そのバンド部16aの筒軸方向外側端から径方向内側に延びて前記挿し口12内へ折り込むことにより前記防食コア17の内周面へ圧接可能な爪部16bとを有する防食コア固定具。
  2. 請求項1に記載の防食コア固定具16を用いる挿し口端面の防食構造であって、管の挿し口12の端面部12a全周に断面コ字状のゴム製防食コア17を嵌め、前記防食コア17の外周面に上記防食コア固定具16の上記バンド部16aを嵌めて、前記防食コア17の端面に上記爪部16bを宛がい、その爪部16bを前記挿し口12内へ折り込むことにより前記防食コア17の内周面へ圧接した挿し口端面の防食構造。
  3. 上記挿し口12は、継ぎ輪20の受口11に接続されるものであって、その挿し口12には、前記受口11に設けられたロックリング13と係止する挿し口リング14が、上記端面部12aに嵌められた防食コア17よりも管軸方向へ内側に設けられており、
    上記バンド部16aの外周面は、上記挿し口リング14の外周面よりも管径方向内側にあることを特徴とする請求項2に記載の挿し口端面の防食構造。
  4. 上記バンド部16aは、ねじ締結若しくはリベット締結により上記挿し口12に固定されることを特徴とする請求項2又は3に記載の挿し口端面の防食構造。
  5. 請求項1に記載の防食コア固定具16を用いる挿し口端面の防食方法であって、管の挿し口12の端面部12a全周に断面コ字状のゴム製防食コア17を嵌め、前記防食コア17の外周面に上記防食コア固定具16の上記バンド部16aを嵌めて、前記防食コア17の端面に上記爪部16bを宛がい、その後、前記爪部16bを前記挿し口12内へ折り込むことにより前記防食コア17の内周面へ圧接する挿し口端面の防食方法。
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