JP4493368B2 - 可変容量素子 - Google Patents

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本発明は、誘電体層の誘電率印加する界に依存することを利用して、静電容量を電圧制御する可変容量素子に関し、特に高周波動作において電圧印加にかかわらず誘電損失が小さい可変容量素子に関する。
無線通信や電気回路における周波数の高周波化に伴い、これらの電気信号に対して用いられる電子部品も周波数に対応したものが要求され、特に、高周波回路において薄膜コンデンサをフィルタ,共振器などの構成部品として使用するためには、コンデンサのQ値が高いことが求められる。また、無線通信技術の発展や新方式への切り替えに伴い、複数の送受信システムに対応する通信装置の需要がますます高まっている。複数の送受信システムに対応すると同時に、部品点数の削減や小型化にも対応するため、近年、電圧可変フィルタや電圧可変コンデンサなどの可変容量素子の開発がなされている(例えば、特許文献1を参照。)。
従来の可変容量素子の構造は、図6〜に示すように、平行平板(Overlay)型あるいはMIMキャパシタ構造(Metal Insulator Metal Capacitor)と呼ばれるものであり、一対の導電体層とそれに挟持された誘電体層からなり、容量形成部における各層の面は、通常、互いに平行に順次積層されている。上記誘電体層に使用される高誘電率薄膜としては、例えば、チタン酸ストロンチウム(SrTiO),チタン酸バリウムストロンチウム(BaSr1−xTi:以下、BSTという),チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(ZrTi1−x)O)などのペロブスカイト型結晶構造を有する誘電体などが使用されている。こうしたペロブスカイト型結晶構造を有する材料を誘電体層に用いたならば、導電体層に印加する電により、誘電率を大きく変化させ、容量を変化させることのできる前記のような可変容量素子が得られる。また、このような薄膜コンデンサの電圧印加による容量変化は、高周波領域にもおよび、薄膜インダクタや薄膜共振器と組み合わせて、電圧制御型の通過帯域可変フィルタを得ることができる。
SrTiOやBST等のペロブスカイト型酸化物は、室温付近で高い誘電率を示し、正方晶と立方晶の構造変化境界に近いSr/(Sr+Ba)=0.3の組成付近で最も高い誘電率をもつことが知られており、室温で常誘電性を有するSrTiO−BaTiO固溶系材料は、大きな誘電性を必要とするDRAMや、強誘電性を用いた不揮発性RAM用途に好適であり、盛んに開発が行なわれてきた。
特開平11−260667号公報
上述したようなペロブスカイト型結晶構造を有する高誘電率の誘電体薄膜を使用した可変容量素子において要求されることは、高いチューナビリティ(Tunability),高いQ値のほかに、温度係数が0℃/ppm,高耐電力性,高絶縁抵抗,低歪み特性,経時変化がないことなどが挙げられる。上記チューナビリティは可変量を示すものであり、電圧印加前の容量をCとし、電圧印加後の容量をCとすると、チューナビリティ=((C−C)/C)×100(%)などでされる。チューナビリティは、電界強度が大きいほど高くなるため、誘電体の膜厚が薄いほど高チューナビリティになる傾向がある。Q値は可変容量素子の各構成要素における損失に依存しており、誘電体における誘電損失、および電極などの導電体における導体損などが、Q値を低下させる主たる原因となっている。なお、これら容量やQ値は、インピーダンス測定により得られるものである。
発明者らが誘電体薄膜にBSTを用いた可変容量素子においてインピーダンス測定を行なったところ、図9に示すように、電圧印加後の位相特性において周波数に対する周期的な変化が観察された。これをQ値でみると、図10に示すように、電圧印加前(太線)のQ値は単調に減少する傾向がみられるが、電圧印加後のQ値(細線)は周波数に対して周期的に小さくなる傾向がみられた。
この周波数に対する周期的な位相特性およびQ値の変化は、可変容量素子に用いた高誘電率薄膜が、電圧印加によって大きな圧電性を持つために生じた結果である。つまり、電圧印加により圧電性が大きくなると、印加した高周波によって誘電体薄膜の厚み縦振動が励振されて、厚み縦振動の基本振動あるいは高調波などに基づいた共振特性が発現する。この共振周波数は誘電体層および導体層の膜厚や材料によって決定される。
本来、可変コンデンサに使用する高誘電率の誘電体薄膜は、圧電性をもたず、その使用温度範囲がキュリー温度以上であることが望ましく、使用温度範囲において常誘電性を示す材料を用いることが望ましい。なぜならば、強誘電性を示す場合、電圧印加により容量の変化にヒステリシスを伴い、容量が電界履歴に依存することとなり、電圧を印加して使用する可変容量素子としては適さないためである。また、ヒステリシスは分極の交流に対する遅れを示しており、誘電損失が大きいことに相応するため適さない。したがって、従来、電圧を印加して使用する可変容量素子に用いられてきた高誘電率の誘電体薄膜としては、使用温度範囲(室温付近)において常誘電性を示すBST材料系が主に用いられてきた。
このSrTiOとBaTiOとの固溶系は、BaとSrとの組成やTiと(Ba+Sr)との組成により強誘電性や常誘電性を示し、その組成は、通常、使用温度範囲において常誘電相領域となるように設定される。しかし、境界領域においては、BaTiOの強誘電性は弱められてれることもあり、若干の容量ヒステリシスを示す場合もある。
上述したような多くの要求特性を満たすためには、そのような境界領域材料を使用することもあるが、ここで問題となるのが、強誘電性から来る圧電性であり、あるいは、常誘電体でも、高誘電率薄膜に直流電圧を印加しながら交流電圧を印加した場合や高い電圧の交流電圧を印加した場合に生じる圧電性である。
可変容量素子に印加した電圧により圧電性が強められたり、発現したりすると、インピーダンス特性ならびに位相特性に、一対の電極とそれに挟持された誘電体層からなる各層の膜厚や電極のサイズなどにより決定される周波数において、不要な周期的な共振が生じ、その周波数領域において、不要な容量の変化および望ましくないQ値の減少が生じる。このような可変容量素子をフィルタ,共振器などの構成部品として使用した場合、損失が電圧印加により増大するという問題が発生する。
このような可変容量素子における振動モードは、厚み縦振動モードが主となり、共振周波数は各層の膜厚材料の音速、および音響インピーダンスなどにより決定される。この振動モードに対する基本波fは、誘電体層の膜厚、誘電体層を挟持する導電体層の膜厚、材料の音速、および音響インピーダンスなどによって決定される。図6〜8に示すように、誘電体層3および導電体層(下部電極層2,上部電極層6)を含めた振動部を構成する全膜厚をtとし、振動部を伝播する音波の実効的な音速をVとしたとき、f=V/2tであり、高次の共振周波数fにおいては、f=nV/2t(n=1,3,5,,,)であり、このように概略的には決定される。この実効的な音速とは、各層ごとの材料によって異なる音速を振動部全体でみたときの平均的な音速を指す。この基本波fが可変容量素子の使用周波数範囲に含まれないように、材料構成および膜厚設定すればよく、その周波数は、誘電体層3の厚さおよび振動を励振する電極となる導電体層(図6の場合、下部電極層2,上部電極層6、図7および図8の場合、下部電極層2,引出し電極層5,上部電極層6)の厚さに反比例する関係にあるため、それらを薄くすることにより、高周波数帯域で共振応答が得られ、可変容量素子として不要なこれらの共振をできるだけ高い周波数にもっていき、可変容量素子の使用周波数以上に基本振動モードの共振周波数を設定することは可能である。
しかし、導電体層(図6の場合、下部電極層2,上部電極層6、図7および図8の場合、下部電極層2,引出し電極層5,上部電極層6)が薄いと、Q値を著しく低下させる原因となり、誘電体層3が薄いと、耐電圧を低下させる原因となり、可変容量素子の特性を悪化させることとなる。また、導電体層(図6の場合、下部電極層2,上部電極層6、図7および図8の場合、下部電極層2,引出し電極層5,上部電極層6)のQ値を低下させずに膜厚を薄くするためには、抵抗率の小さな金属、例えば銅(Cu),アルミニウム(Al),金(Au),銀(Ag)などを用いればよいが、その上に高誘電率薄膜である誘電体層3を形成する過程において、高温の熱履歴を伴うとき、これらの金属が、誘電体層に拡散したり、誘電体層と反応したりするため、可変容量素子リーク電流が増大するといった問題が発生する。
また、図6〜8に示すように、誘電体層3を挟持する導電体層(図6の場合、下部電極層2,上部電極層6、図7および図8の場合、下部電極層2,引出し電極層5,上部電極層6)の層の表面が、誘電体層の面と平行に形成されてなる可変容量素子においては、導電体層(図6の場合、下部電極層2,引出し電極層6、図7および図8の場合、下部電極層2,引出し電極層5,上部電極層6)が励振され、その厚み分だけ基本波の周波数がより低周波になり、可変容量素子を高周波で使用する場合に、Q値の周期的な減少の影響を避けられないという問題があった。
以上のような、高誘電率薄膜を用いた可変容量素子の電圧印加前後での高周波領域での、上述した現象は、本発明者らが高いQ値をもった可変容量素子を作製するために鋭意研究を重ねた結果、確認したものである。
本発明は、このような課題に対処するためになされたもので、その目的は、電圧印加によるQ値の周波数に対する周期的な低下を抑制するために、共振周波数が素子の使用周波数以上に設定され、電圧印加にかかわらず高いQ値をもった可変容量素子を提供することにあり、また、そのような高いQ値をもった可変容量素子を電圧印加により使用することにより挿入損失の小さな周波数可変フィルタなどを提供できるようにすることにある。
本発明の第1の可変容量素子は、第1の導電体層、電界の印加により容量が変化する誘電体層、および第2の導電体層が順次積層されており、前記第2の導電体層は、前記第1の導電体層と前記第2の導体層とが前記誘電体層を介して重なっている容量形成部において、前記誘電体層から各層の積層方向に伝搬する音波を前記容量形成部の外側へ反射させる、前記誘電体層の主面に対して非平行な傾斜面が設けられている。
さらに、本発明の第の可変容量素子は、第1の導電体層、電界の印加により容量が変化する誘電体層、第2の導電体層、および絶縁性の保護層が順次積層されており、前記保護層は、前記第1の導電体層と前記第2の導体層とが前記誘電体層を介して重なっている容量形成部と重なっている部位に、前記誘電体層から各層の積層方向に伝搬する音波を前記容量形成部の外側へ反射させる、前記誘電体層の主面に対して非平行な傾斜面が設けられている。
上記の第1の可変容量素子によれば、一対の導電体層の少なくとも一方に、前記一対の導電体層に電界を印加したときの生じる音響波を誘電体層へ戻らないように反射させる、誘電体層の主面と非平行な面を形成することにより、導電体層により音響波が励振されることがなくなって、導電体層の材料や厚みを考慮せずとも、共振周波数を高周波化することができ、その結果、可変容量素子の使用周波数範囲で電圧印加後のQ値が電圧印加前と比べて大きく減少することがなくなり、高誘電率の誘電体薄膜を用いた可変容量素子において、印加電圧にかかわらず高いQ値を広い周波数にわたって得ることができる。
また、上記の第の可変容量素子によれば、上記効果に加え、保護膜の形状がその他の電気的特性に影響しないため、第2の導電体層に傾斜面を設けるより自由度の高い加工を施すことができる。
以下に、本発明の可変容量素子の実施形態について模式的に示した図面を参照しつつ詳細に説明する。
実施形態の可変容量素子は、図1〜3のそれぞれにおいて図示しているように、支持基板1の上に、下部導電体層である下部電極層2、電界の印加により容量が変化する誘電体層3、および上部導電体層である上部電極層6や同じく上部導電体層である引出し電極層5を順次積層してなる可変容量素子において、導電体層における容量形成部(下部電極層2、上部電極層6および引出し電極層5の平面部と誘電体層3の平面部とで平面視で重なる最も狭い領域(図1〜8で示した領域R))の面(図1の傾斜面6a,図2の傾斜面5a,図3の凹凸面5a)が、図6〜8に図示しているような平行面ではなく、これらの面が誘電体層3の平坦な主面に対して非平行であることにより、電圧印加により生じる音響波が誘電体層3へ戻らないように反射させたり減衰させたりすることができる。
また、図示していないが、支持基板1の上に、下部電極層2、誘電体層3、上部電極層6および絶縁性の保護層7を順次積層してなる場合にも、保護層7の平面視における誘電体層3と重なる部位に、誘電体層3で生じた音響波を誘電体層3の外側へ反射させることができる傾斜面が形成されていても同様な効果を期待することができる。
また、図3に図示されている可変容量素子は、支持基板1の上に、下部電極層2、誘電体層3および上部電極層6や引出し電極層5を順次積層してなる可変容量素子において、下部電極層2および上部電極層6の少なくとも一方の、平面視における誘電体層3と重なる部位に、誘電体層3で生じる音響波を減衰させる凹凸面5aが形成されている。
さらに、図5に図示されている可変容量素子は、支持基板1の上に、下部電極層2、誘電体層3、上部電極層6および絶縁性の保護層7を順次積層してなる可変容量素子の場合に、保護層7の平面視における誘電体層3と重なる部位に、誘電体層3で生じる音響波を減衰させる凹凸面7aが形成されている。
以下に図1〜に示す各可変容量素子の特徴についてさらに詳細に説明する。
図1に示す可変容量素子は、導電体層の容量形成部だけでなく、その外側に位置する部位にも傾斜面を形成することにより、誘電体層3で生じる音響波を導電体層の中央部で反射させた後に、効率よく誘電体層3の外側へ反射させる傾斜面を導電体層の周縁部に設けたものである。
これにより、導電体層の励振を抑制することができるために、従来の図6〜に示すように、導電体層の面と誘電体層の面とが平行で、電圧印加により生じた音響波が誘電体層に戻る。そして、振動エネルギが閉じ込められる構成では、厚み縦振動により、図9に示す一対の電極への電圧印加により生じるインピーダンスの位相特性に、入出力される信号の周波数に応じた周期的なピークが生じるが、このような現象に対して、そのようなピークがないか、もしくはピークの大きさが低下し、図10に示したようなQ値の周期的な低下を抑制することができる。
なお、誘電体層で生じた音響波を前記誘電体層の外側へ反射させ、音響波が容量形成部で励振され、その共振が影響でQ値が低下することがないようにする傾斜面は、導電体層の少なくとも容量形成部に形成されていればよい。
また、図2に示す可変容量素子は、図1に対して薄い上部電極層を形成している。その利点は、本発明と直接関係はないが、誘電体層と上部電極層とを大気開放することなく一括で成膜でき、界面に余計な不純物が混入しない。また、絶縁層の加工時に、この上部電極層は保護的役割を果たす。これがないと誘電体表面をオーバーエッチングすることとなり、膜が改質するため好ましくない。
また、図3に示す可変容量素子は、音響波を減衰させる凹凸面5aを引出し電極層の上面に形成したものであり、音響波はこの界面において乱反射され、振動エネルギの閉じ込めは弱くなる。これにより、従来の図6〜に示したように、導電体層の面と誘電体層の面とが平行で、電圧印加により生じた音響波が誘電体層に戻り、振動エネルギが閉じ込められ、厚み縦振動により、図9に示したような前記一対の電極への電圧印加により生じるインピーダンスの位相特性に、入出力される信号の周波数に応じた周期的なピークが生じることがなく、誘電体層以外の層構成においては、音響的にアイソレートさせ、不要な励振を防ぐことができることから、共振ピークの大きさが低下し、図10に示したようなQ値の周期的な低下を抑制することができる。
また、図4に示す可変容量素子は、図2の可変容量素子に対して傾斜面を片側のみにした構成を有するものである。また、図5に示す可変容量素子は、凹凸面7a(算術平均粗さ(Ra)が1μmを超える粗面)を有した保護層を形成した構成を有するものである。
以下、本発明の具体的な構成について、簡単のため基本的な構成をなす図1および図2に示す可変容量素子を参照にしつつ説明する。
図1において、1は支持基板であり、2は下部電極層であり、3は誘電体層であり、4は絶縁層であり、6は上部電極層である。なお、容量形成領域は絶縁層4がなく誘電体層3が下部電極層2と上部電極層6とで挟持されている対向部分のことである。
<支持基板>
支持基板1は、Al,SiO,MgO,LaAlO,SrTiO等を使用することができ、絶縁性を有するものであれば特に、材料を限定するものではない。
<下部電極>
この支持基板1上に形成される下部電極層2としては、高誘電率薄膜である誘電体層3の形成時に、これと反応や拡散を生じにくい白金(Pt)やパラジウム(Pd)などを用いることが望ましい。これらは、スパッタ法,真空蒸着法などの気相合成法や、スクリーン印刷法により得ることができる。
<誘電体層>
誘電体層3の材料としては、高い誘電率を持つものが好ましく、しかも、外部から印加するにより、その誘電率が大きく変化し得る誘電体材料、例えばBaTiO,SrTiO,(Ba,Sr)TiOなどのペロブスカイト型酸化物が挙げられる。これらは、ゾルゲル法等の溶液法やスパッタ法やCVD法,レーザーアブレーション法,MBE(Molecular Beam Epitaxy)法などの気相合成法等の薄膜作製手法により形成することができる。ここで、高誘電率薄膜の膜厚は、本発明とは関係なく薄いほど基本波が高い周波数になるため、使用周波数においてQ値の低下による影響を排除する際に有効であり、また、薄ければ薄いほど電界強度が大きくなるため、高チューナビリティ特性が得られるという利点があるが、リーク電流が増大したり、実効比誘電率が低下したりするといった問題が発生する。また、厚いと低チューナビリティ特性となるため、この厚みは、0.050.4μmとするのが望ましい。好ましくは0.15μm前後とする。
<絶縁体層>
絶縁体層4は、上部電極6や図2に示すような引出し電極層5と下部電極層2との絶縁性の確保、およびそこに発生する寄生容量を極力小さくするために必要である。絶縁体層4の材料としては、BCB(ベンゾシクロブテン)やポリイミド系樹脂などの有機材料やSiO,Siなどの無機材料がよく、絶縁性が高く寄生容量を小さくするために低誘電率であるほうが望ましいが、特にその誘電率が限定されるものではない。ただし、その作製方法については、これらは立体的な複雑形状を持つ下地に対しても、比較的均一な膜厚が得られるMOCVD(有機金属熱分解法)などに代表されるCVD(化学堆積法)が好ましい。図1と図2の違いは、誘電体層3の上部に位置する導電体層が上部電極層6のみから形成されているか、引出し電極層5と上部電極層6とに分けて形成されているかの違いである。図1においては、上部電極層6は、絶縁層4を形成した後に成膜される。図2においては、上部電極層6は、絶縁層4を形成する前に成膜され、引出し電極層5は、絶縁層4が加工された後、成膜される。絶縁層は、フォトレジストをマスクとしエッチングを施すことにより、容量形成部を形成するための開口部が加工される。
<上部電極層>
上部電極層6は、導体材料として、Au,Ag,Al,Cu,Ptなどを用いて形成される。図1の構成においては、上部電極層6を成膜した後、上面を誘電体層3の面と非平行とし、音響波が誘電体層3に反射されて戻らないような傾斜面に加工する。この加工においては、ドライエッチングプロセスを用い、その端面形状がフォトレジストのマスクの端面形状を反映して加工されることを利用する。あるいは、ウットエッチングによる異方性エッチングを利用し、傾斜面を加工することも可能である。
<引出し電極層>
図2においては、上部電極層6を薄く形成した後、絶縁体層4を成膜し、上部電極層6の直上に開口部を形成し、引出し電極層5が形成される。この材料としては、上部電極層6と同様でよく、Au,Cuなどの低抵抗な金属を用いることが望ましい。また、この引出し電極5の上面の形状の加工は、図1に示す上部電極層6の加工と同様でよく、誘電体層3の面と引出し電極層5が非平行になるように、音響波が誘電体層3に反射されないように加工されるなお、図4の形態は図2と類似しているが、上面の形状が異なるものである。これら図2,図4に示す形態においては、上部電極層6の膜厚は音響的質量負荷が小さい0.1μm程度とすることが好ましい。
<まとめ>
以上のように構成された本発明の可変容量素子は、高周波部品の共振回路の一部(LC共振回路の容量成分)として用いたり、また、この共振回路を結合する容量成分として用いたり、電圧制御型高周波共振回路部品、さらには、その共振回路の複合部品である電圧制御型高周波フィルタ、電圧制御型整合回路素子および電圧制御型薄膜アンテナ共用器などの高周波部品として用いることができる。
かくして、本実施形態の可変容量素子によれば、下部導電体層、電界の印加により容量が変化する誘電体層、および上部導電体層を順次積層してなるとともに、前記下部導電体層および前記上部導電体層の少なくとも一方の、平面視で前記誘電体層と重なる容量形成部に、前記誘電体層からの音響波を前記誘電体層の外側へ反射させる、前記誘電体層の主面に対して非平行な傾斜面が形成されている。また、支持基板の上に、下部導電体層、電界の印加により容量が変化する誘電体層、および上部導電体層を順次積層してなるとともに、前記下部導電体層および前記上部導電体層の少なくとも一方の、平面視で前記誘電体層と重なる容量形成部に、前記誘電体層からの音響波を減衰させる凹凸面が形成されている。このように、誘電体層と一対の導電体層の少なくとも一方の導電体層に、前記一対の導電体層に電界を印加したときの生じる音響波を電体層へ戻らないように反射させる誘電体層の主面と非平行な面を形成したことから、導電体層により音響波が励振されることがなくなって、導電体層の材料や厚みを考慮せずとも、共振周波数を高周波化することができ、その結果、可変容量素子の使用周波数範囲で電圧印加後のQ値が電圧印加前と比べて大きく減少することがなくなり、高誘電率の誘電体薄膜を用いた可変容量素子において、印加電圧にかかわらず高いQ値を広い周波数にわたって得ることができる。
また、支持基板の上に、下部導電体層、電界の印加により容量が変化する誘電体層、上部導電体層、および絶縁性の保護層を順次積層してなるとともに、前記保護層の平面視で前記誘電体層と重なる部位に、前記誘電体層からの音響波を前記誘電体層の外側へ反射させる傾斜面が形成されているこれにより、上述した効果に加え、保護膜の形状がその他の電気的特性に影響しないため、電極で傾斜面や凹凸面を形成するより、自由度の高い加工を施すことができる。
なお、以上はあくまで本発明の実施の形態の例示であって、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更や改良を加えることは何ら差し支えない。また、このようなBST材料系における圧電性は、本来小さな圧電定数であるため、位相特性の変化は非常に小さなものである。従来構造におけるこのような位相特性の変化に伴うQ値の周期的な減少は、高いQ値を達成したときに確認できるもので、特に、数GHz帯以上の高周波において、高いQ値を達成するためには、電極として用いられる導電体層による損失を低減すると同時に、高誘電率薄膜の誘電損失も低減しなければならない。よって、このような可変容量素子におけるQ値の電圧印加後の周期的な低下は、発明者らが、高周波において高Q化を図った結果確認されたものであり、この知見に基づき本発明はなされている。
以下に、本発明をより具体化した実施例について説明する。周波数1.9GHz近傍で使用する薄膜キャパシタを、本発明に基づき作製した。各層構成および材料、膜厚を以下のとおり設定することにより、使用周波数1.9GHzにおいて共振の影響によるQ値の低下を抑制することができた。
支持基板として鏡面加工されていないサファイア基板上に、下部電極層としてPtを厚さ2μmに成膜し、表面を機械研磨により平滑にした。誘電体層として(Ba 0.2 Sr 0.8 )Ti 0.75 からなるターゲットを用い0.3μmの厚さに、上部電極層として、Ptを0.1μmの厚さに、基板温度600℃で順次スパッタ成膜し、フォトリソグラフィ工程を用いて各電極層,誘電体層をドライエッチング,ウエットエッチングによりそれぞれパターニング加工を施した。上部電極層を含む高誘電率薄膜の上に、プラズマCVD法により非晶質の二酸化珪素からなる絶縁層を成膜した。続いて、全面にレジスト膜を被覆し、フォトリソグラフィにより前記レジスト膜に、矩形状の孔を開口した後、前記レジスト膜をマスクとして、前記上部電極層直上に位置する絶縁層を反応性イオンエッチングにより選択的に除去した。
これにより、電極引出し用の矩形状孔が開口された。ここで、引出し電極としてAuを2μmの厚みに基板温度300℃にて成膜し、パターニング加工を施した。このとき、容量形成部の上面は誘電体層の面と非平行で、音響波が誘電体層に反射しないような形状とした。レジストマスク端面形状を例えば45°となるようフォトリソグラフィによる加工をしておけば、ECRドライエッチングプロセスでAuを加工したならば、レジストマスクの端面形状を反映し45°のテーパーをもった、図4に示すような傾斜面形状になった。
このように作製した薄膜キャパシタのインピーダンスを測定装置(メーカー名:アジレント社,型番:E4991A、フィクスチャー16197A)を用いて測定した結果、2GHz以下の周波数において電圧印加後で共振はみられず、本発明に基づく薄膜キャパシタを得ることができ、電圧印加前後で変わらず100程度の高いQ値を得ることができた。一方、従来の構造により形成された可変容量素子は、300MHz程度から共振がみられ、使用周波数である1.9GHzにおいては、電圧印加後にQ値が約半分に低下する結果となった。
変容量素子の一例を示す断面図である。 変容量素子の他の例を示す断面図である。 変容量素子の他の例を示す断面図である。 変容量素子の他の例を示す断面図である。 変容量素子の他の例を示す断面図である。 従来の可変コンデンサの一例を示す断面図である。 従来の可変コンデンサの他の例を示す断面図である。 従来の可変コンデンサの他の例を示す断面図である。 従来の可変容量素子のインピーダンス特性および位相特性の周波数依存性を示す線図である。 従来の可変コンデンサの容量特性およびQ値の周波数依存性を示す線図である。
1・・・支持基板
2・・・下部電極層(下部導電体層)
3・・・誘電体層
4・・・絶縁体層
5・・・引出し電極層(上部導電体層)
5a・・・傾斜面
6・・・上部電極層(上部導電体層)
6a・・・傾斜面
7・・・保護層
7a・・・凹凸面

Claims (2)

  1. 第1の導電体層、電界の印加により容量が変化する誘電体層、および第2の導電体層が順次積層されており、
    前記第2の導電体層は、前記第1の導電体層と前記第2の導体層とが前記誘電体層を介して重なっている容量形成部において、前記誘電体層から各層の積層方向に伝播する音波を前記容量形成部の外側へ反射させる、前記誘電体層の主面に対して非平行な傾斜面が設けられている可変容量素子。
  2. 第1の導電体層、電界の印加により容量が変化する誘電体層、第2の導電体層、および絶縁性の保護層が順次積層されており、
    前記保護層は、前記第1の導電体層と前記第2の導体層とが前記誘電体層を介して重なっている容量形成部と重なっている部位に、前記誘電体層から各層の積層方向に伝搬する音波を前記容量形成部の外側へ反射させる、前記誘電体層の主面に対して非平行な傾斜面が設けられている可変容量素子。
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