JP4493748B2 - エポキシ樹脂、その製造方法、エポキシ樹脂組成物およびその硬化物 - Google Patents

エポキシ樹脂、その製造方法、エポキシ樹脂組成物およびその硬化物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流動性、速硬化性、耐熱性、機械的特性に優れるとともに、半田耐熱性に優れた硬化物を与える半導体素子等の封止、積層板等に好適に使用されるエポキシ樹脂、およびその製造方法、並びにそれを用いたエポキシ樹脂組成物、さらには、それを硬化してなる硬化物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から半導体封止材料や積層材料には、エポキシ樹脂を主剤とする樹脂組成物が広く用いられてきているが、近年、その要求性能は、年々高度化している。半導体封止材を例にとり以下に説明する。プリント基板への半導体部品の実装方法として、従来の挿入方式から表面実装方式への移行が進展している。表面実装方式においては、パッケージ全体が半田温度まで加熱され、吸湿した水分の急激な体積膨張により引き起こされるパッケージクラックが大きな問題点となってきている。さらに、近年、半導体素子の高集積化、素子サイズの大型化、配線幅の微細化が急速に進展しており、パッケージクラックの問題が一層深刻化してきている。パッケージクラックを防止する方法として樹脂構造の強靱化、無機フィラーの高充填化による高強度化、低吸水率化等の方法がある。
【0003】
なかでも無機フィラーの高充填率化が強く指向されており、そのためには低吸湿性、高耐熱性に優れ、かつ低粘度であるエポキシ樹脂が望まれている。低粘度エポキシ樹脂としては、従来よりビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等が一般に広く用いられているが、これらのエポキシ樹脂において低粘度のものは常温で液状であり、トランスファー成形用の樹脂組成物とすることは困難である。さらに、これらのエポキシ樹脂は耐熱性、機械的強度、耐湿性の点で十分ではない。
【0004】
上記背景から低吸湿性、高耐熱性に優れた結晶状のエポキシ樹脂の開発が望まれている。結晶状のエポキシ樹脂としては、ビフェニル系エポキシ樹脂(特開昭58−39677号公報)、ビスフェノール系エポキシ樹脂(特開平6−345850号公報)が提案されているが、耐熱性、耐湿性の点で十分ではない。さらに、これらのエポキシ樹脂は、低粘度性に優れるものの、硬化性が十分ではなく、得られた硬化物の硬度および強度が低く、離型性が悪い等の問題があった。また、低粘度であるためにエポキシ樹脂組成物とした際に、耐ブロッキング性が低下する等の作業性が低下する問題があった。また、これらのエポキシ樹脂は、耐ブロッキング性の向上を目的として、分子量を高くした場合、融点降下により結晶性が低下し、エポキシ樹脂自体の固体としてのハンドリング性が低下する問題があった。
【0005】
また、特開平5−304001号公報には、ジフェニルエーテル構造を有するエポキシ樹脂を用いたエポキシ樹脂組成物が提案されているが、当該発明に用いたエポキシ樹脂は、一般式(1)におけるn数が0である成分を主成分とした低分子量の化合物であり、低粘度性に優れる特徴はあるものの、依然、エポキシ樹脂組成物とした際の耐ブロッキング性が低下する問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、流動性、速硬化性、耐熱性、機械的特性に優れるとともに、半田耐熱性に優れた硬化物を与える半導体素子等の封止、積層板等に好適に使用されるエポキシ樹脂、およびその製造方法、並びにそれを用いたエポキシ樹脂組成物、さらには、それを硬化してなる硬化物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記問題点に鑑み鋭意検討の結果、特定のビスフェノール化合物より誘導されるエポキシ樹脂が、分子量を大きくし分子量分布を持たせた状態においても、結晶性を保持し高い軟化点、および高いガラス転移点を有することを見いだし、本発明に到達したものである。
【0008】
すなわち、本発明は、下記一般式(1)
【化4】
Figure 0004493748
(但し、R1およびR2は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1から8の炭化水素基を表す。GPC測定により求められたnは平均値として0.5以上の有理数を示す。)で表され、エポキシ当量が220以上であり、結晶性を有し、さらに軟化点が90〜250℃であることを特徴とするエポキシ樹脂である。さらに本発明は、下記一般式(2)
【化5】
Figure 0004493748
(但し、R1およびR2は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1から8の炭化水素基を表す。)で表されるエポキシ化合物と、下記一般式(3)
【化6】
Figure 0004493748
(但し、R1およびR2は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1から8の炭化水素基を表す。)で表されるビスフェノール化合物を反応させることを特徴とするエポキシ樹脂の製造方法である。さらに、本発明は、エポキシ樹脂および硬化剤を含んでなるエポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂成分として上記一般式(1)で表されるエポキシ樹脂を含んでなるエポキシ樹脂組成物であり、また、本発明はこのエポキシ樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物である。
【0009】
本発明のエポキシ樹脂は、上記一般式(1)で表される構造を有する分子量分布を持ったオリゴマーまたはポリマーである。一般式(1)において、nは平均値として0.5以上の有理数である。分子量は、通常、数平均分子量で400から40,000であり、好ましくは、成形材料用途には400から2,000の範囲である。また、nは、通常、0.5から15であり、好ましくは0.5から10である。さらに、エポキシ当量は、220以上から20,000であり、好ましくは、220から1,000の範囲である。これより低いと、低分子量成分の割合が多くなり、エポキシ樹脂組成物とした際の耐ブロッキング性が低下する。また、これより高いと粘度、および軟化点が高くなり、エポキシ樹脂組成物としての成形作業性が低下する。
【0010】
本発明のエポキシ樹脂は、好ましくは、結晶性を有するものであり、軟化点が90℃以上のものであり、好ましくは、90℃から250℃、より好ましくは110℃から180℃のものである。これより低いと、エポキシ樹脂組成物とした際の耐ブロッキング性が低下し、また、あまりに高すぎると、エポキシ樹脂組成物としての成形作業性が低下する。一般式(1)において、R1およびR2は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1から8の炭化水素基を表わし、炭化水素基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、フェニル基、ベンジル基等が例示されるが、好ましくは水素原子またはメチル基である。より好ましくは、R1およびR2ともに水素原子である。
【0011】
上記一般式(1)で表されるエポキシ樹脂の製造方法に特に制限はないが、例えば、上記一般式(3)で表されるビスフェノール化合物と過剰のエピクロルヒドリンとを反応させることによる方法が挙げられる。この反応には、ビスフェノール化合物中の水酸基に対して、通常、0.8から1.2倍当量の水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物が用いられる。これより少ないと残存加水分解性塩素の量が多くなり、これより多いとエポキシ樹脂の高分子量化が起こり、樹脂粘度が高くなるとともに、樹脂の結晶化が困難になり好ましくない。金属水酸化物としては、水溶液または固体状態で使用される。
【0012】
また、ビスフェノール化合物に対しては過剰量のエピクロルヒドリンが使用され、通常、ビスフェノール化合物中の水酸基1モルに対して、1.2から4倍モルのエピクロルヒドリンが使用される。これより多いと生産効率が低下するとともに、低分子量化合物生成量が多くなり、得られたエポキシ樹脂の軟化点が低下する。これより少ないとエポキシ樹脂の高分子量体の生成量が増えることで粘度が高くなり、成形作業性が低下する。
【0013】
通常、本反応は90℃以下の温度で行われる。反応の際、温度が高いと、いわゆる難加水分解性塩素量が多くなり高純度化が困難になる。好ましくは80℃以下であり、さらに好ましくは75℃以下の温度である。
【0014】
反応の際、四級アンモニウム塩や、あるいはジメチルスルホキシド、ジグライム等の極性溶媒を用いてもよい。四級アンモニウム塩としては、たとえばテトラメチルアンモニウムクロライド、テチラブチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド等があり、その添加量としては、ビスフェノール化合物に対して、0.1〜2.0wt%の範囲が好ましい。これより少ないと四級アンモニウム塩添加の効果が小さく、これより多いと難加水分解性性塩素の生成量が多くなり、高純度化が困難になる。また、極性溶媒の添加量としては、ビスフェノール化合物に対して、10〜200wt%の範囲が好ましい。これより少ないと添加の効果が小さく、これより多いと容積効率が低下し、経済上好ましくない。
【0015】
反応終了後、過剰のエピクロルヒドリンまたは溶媒を留去し、残留物をトルエン、メチルイソブチルケトン等の溶剤に溶解し、濾過および水洗を行い、無機塩または残存溶媒を除去し、次いで溶剤を留去することによりエポキシ樹脂とすることができる。さらに有利には、得られたエポキシ樹脂をさらに、残存する加水分解性塩素に対して、1〜30倍量の水酸化ナトリウム、または水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物を加え、再閉環反応が行われる。この際の反応温度は、通常、100℃以下であり、好ましくは90℃以下である。
【0016】
本発明のエポキシ樹脂の製造方法は、上記一般式(1)で表されるエポキシ樹脂の好ましい製造方法である。この製造方法は、上記一般式(2)で表されるエポキシ化合物と一般式(3)で表されるビスフェノール化合物を反応させる方法である。一般式(2)および一般式(3)において、R1およびR2は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1から8の炭化水素基を表わし、炭化水素基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、フェニル基、ベンジル基等が例示されるが、好ましくは水素原子またはメチル基である。より好ましくは、R1およびR2ともに水素原子である。
【0017】
反応させる際の両者のモル比は、通常、エポキシ化合物1モルに対して、ビスフェノール化合物が0.2から5.0モルの範囲であるが、好ましくは0.2から1.2モルの範囲であり、より好ましくは0.2から0.8モルの範囲である。モル比がこれより小さいと、低分子量成分の割合が多くなり、エポキシ樹脂組成物とした際の耐ブロッキング性が低下する。また、これより高いと粘度、および軟化点が高くなり、エポキシ樹脂組成物としての成形作業性が低下する。
【0018】
反応温度は、通常、80℃から200℃の範囲である。また、反応の際、触媒を用いてもよい。好ましい触媒としては、4級アンモニウム塩、有機ホスフィン類、有機ホスフォニウム塩、等が挙げられ、その使用量は、通常、0.1から2.0wt%の範囲である。反応に際しては、溶媒を用いてもよく、溶媒としては、トルエン、キシレン等の芳香族溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類等が好適に用いられる。
【0019】
また、本発明はエポキシ樹脂および硬化剤を含んでなるエポキシ樹脂組成物であり、このエポキシ樹脂組成物に配合されるエポキシ樹脂の少なくとも一部が、上記一般式(1)で表されるエポキシ樹脂である。このエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂や硬化剤のように硬化後において樹脂となる成分や充填剤等が含まれうるが、樹脂となる成分の主剤がエポキシ樹脂やその硬化剤であることがよい。
【0020】
本発明のエポキシ樹脂組成物に使用する硬化剤としては、一般にエポキシ樹脂の硬化剤として知られているものはすべて使用できる。例えば、ジシアンジアミド、多価フェノール類、酸無水物類、芳香族および脂肪族アミン類等がある。具体的に例示すれば、多価フェノール類としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール等の2価のフェノール類、あるいは、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノールノボラック、o−クレゾールノボラック、ナフトールノボラック、ポリビニルフェノール等に代表される3価以上のフェノール類、さらにはフェノール類、ナフトール類または、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール等の2価のフェノール類のホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−キシリレングリコール、p−キシリレングリコールジメチルエーテル、4,4’−ジメトキシメチルビフェニル、ジビニルビフェニル類、ジメトキシメチルナフタレン類、ジビニルナフタレン類等の架橋剤により合成される多価フェノール性化合物、等があり、酸無水物としては、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチル無水ハイミック酸、無水ナジック酸、無水トリメリット酸等がある。また、アミン類としては、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、m−フェニレンジアミン、p−キシリレンジアミン等の芳香族アミン類、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の脂肪族アミン類、あるいは一般式(3)で表される多価ヒドロキシ化合物がある。本発明の樹脂組成物には、これら硬化剤の1種または2種以上を混合して用いることができる。
【0021】
また、本発明のエポキシ樹脂組成物には、本発明の必須成分として使用されるエポキシ樹脂以外に、分子中にエポキシ基を2個以上有する通常のエポキシ樹脂を併用してもよい。例を挙げれば、ビスフェノールA、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン等の2価のフェノール類、あるいは、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノールノボラック、o−クレゾールノボラック等の3価以上のフェノール類、または、テトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェノール類から誘導されるグルシジルエーテル化物等がある。これらのエポキシ樹脂は、1種または2種以上を混合して用いることができるが、本発明に関わるエポキシ樹脂の配合量はエポキシ樹脂全体中、5〜100%の範囲であるが、好ましくは、20〜100%の範囲である。これより少ないと、流動性、速硬化性、耐熱性、機械的特性等の効果が低減する。
【0022】
また、本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて、無機充填剤を使用する。無機充填剤としては、例えば、球状あるいは破砕状の溶融シリカ、結晶シリカ等のシリカ粉末、アルミナ粉末、ガラス粉末等が挙げられる。半導体封止材に応用する場合、無機充填剤の使用量は、通常、75wt%以上であるが、低吸湿性、高半田耐熱性の点からは、80wt%以上であることが好ましい。
【0023】
本発明のエポキシ樹脂組成物には必要に応じて、従来より公知の硬化促進剤を用いることができる。例を挙げれば、アミン類、イミダゾール類、有機ホスフィン類、ルイス酸等がある。添加量としては、通常、エポキシ樹脂100重量部に対して、0.2〜5重量部の範囲である。
【0024】
さらに必要に応じて、本発明のエポキシ樹脂組成物には、カルナバワックス、OPワックス等の離型剤、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のカップリング剤、カーボンブラック等の着色剤、三酸化アンチモン等の難燃剤、シリコンオイル等の低応力化剤、ステアリン酸カルシウム等の滑剤等を使用できる。
【0025】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、加熱することにより硬化させることができる。加熱条件は、通常、40〜280℃であり、好ましくは、80〜200℃の範囲である。これより低いと硬化させるのに長時間を要し、これより高いと成形性が低下する。また、硬化に際しては、トランスファー成形、圧縮成形等の方法が取られるが、特に制限はない。
【0026】
【実施例】
以下実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
参考例
4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル1,010gをエピクロルヒドリン7,000gに溶解し、減圧下(約120mmHg)、60℃にて48%水酸化ナトリウム水溶液808gを4時間かけて滴下した。この間、生成する水はエピクロルヒドリンとの共沸により系外に除き、溜出したエピクロルヒドリンは系内に戻した。滴下終了後、さらに1時間反応を継続した。その後、濾過により生成した塩を除き、さらに水洗したのち、エピクロルヒドリンを留去し、淡黄色液状の粗製エポキシ樹脂1,515gを得た。エポキシ当量は171であり、加水分解性塩素は4500ppmであった。得られたエポキシ樹脂1,500gをメチルイソブチルケトン6000mlに溶解し、20%水酸化ナトリウム水溶液76.5gを加え、80℃で2時間反応させた。反応後、濾過、水洗を行った後、溶媒であるメチルイソブチルケトンを減圧留去し、淡黄色液状のエポキシ樹脂1,380gを得た。得られたエポキシ化合物のエポキシ当量は163、加水分解性塩素は280ppm、融点は78から84℃、150℃での粘度は0.062ポイズであった。また、得られた樹脂のGPC測定より求められた一般式(1)における各成分比は、n=0が94%、n=2が6%であった。
【0027】
ここで、粘度はコントラバス社製レオマット115で測定し、軟化点はJIS K-6911に従い環球法で測定した。また、GPC測定は、装置;HLC-82A(東ソー(株)製)、カラム;TSK-GEL2000×3本およびTSK-GEL4000×1本(いずれも東ソー(株)製)、溶媒;テトラヒドロフラン、流量;1 ml/min、温度;38℃、検出器;RIの条件に従った。加水分解性塩素とは、試料0.5gをジオキサン30mlに溶解後、1N−KOH、10mlを加え30分間煮沸還流した後、室温まで冷却し、さらに80%アセトン水100mlを加えたものを、0.002N−AgNO3水溶液で電位差滴定を行うことにより測定された値である。また、融点とは、キャピラリー法により昇温速度2℃/分で得られる値である。
【0028】
実施例1
参考例で合成したエポキシ化合物163gと4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル25.3gを150℃にて溶融混合した後、トリフェニルホスフィン0.075gを加え、窒素気流下、2時間反応を行った。反応後、室温に放冷することにより、得られた樹脂は結晶性を示し固化した。得られた樹脂のエポキシ当量は261、融点は100から122℃、軟化点は127℃、150℃での粘度は0.37ポイズであった。また、得られた樹脂のGPC測定より求められた一般式(1)における各成分比は、n=0が42.5%、n=2が29.2%、n=4が17.6%、n≧6が10.7%であった。
【0029】
実施例2
参考例で合成したエポキシ化合物163gおよび4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル33.7gを用い、実施例1と同様に反応を行った。反応後、室温に放冷することにより、得られた樹脂は結晶性を示し固化した。得られた樹脂のエポキシ当量は324、融点は120から140℃、軟化点は137℃、150℃での粘度は0.99ポイズであった。また、得られた樹脂のGPC測定より求められた一般式(1)における各成分比は、n=0が29.7%、n=2が31.6%、n=4が20.2%、n≧6が18.5%であった。
【0030】
実施例3
参考例で合成したエポキシ化合物163gおよび4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル50.5gを用い、実施例1と同様に反応を行った。反応後、室温に放冷することにより、得られた樹脂は結晶性を示し固化した。得られた樹脂のエポキシ当量は482、融点は145から165℃、軟化点は163℃あった。また、得られた樹脂のGPC測定より求められた一般式(1)における各成分比は、n=0が16.7%、n=2が22.1%、n=4が32.1%、n≧6が29.1%であった。
【0031】
実施例4〜6および比較例1
エポキシ樹脂成分として実施例1〜3および参考例で得られたエポキシ樹脂を用い、硬化剤としてフェノールノボラック樹脂(群栄化学製、PSF−4300)、充填剤として球状シリカ(平均粒径、22μm)、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン、シランカップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、およびその他の表1に示す添加剤を用い、表1に示す配合で混練しエポキシ樹脂組成物を得た。このエポキシ樹脂組成物を用いて175℃にて成形し、175℃にて12時間ポストキュアを行い、硬化物試験片を得た後、各種物性測定に供した。さらに、本エポキシ樹脂組成物を用いて84ピンICを成形し、ポストキュア後85℃、85%RHの条件で24時間、48時間および72時間吸湿させ、260℃の半田浴に10秒間浸漬させパッケージのクラックを観察した。結果を表2に示す。また、本エポキシ樹脂組成物を粒径1mm以下に粉砕したものを23℃で1日放置した後、凝集したもののの重量割合をブロッキング率とした。
【0032】
比較例2
エポキシ樹脂成分としてo−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量198、軟化点64℃、150℃での粘度4.7ポイズ)を用い、実施例1と同様にエポキシ樹脂組成物を得た後、成形を行い評価した。結果を表2に示す。
【0033】
【表1】
Figure 0004493748
【0034】
【表2】
Figure 0004493748
【0035】
【発明の効果】
本発明のエポキシ樹脂は高反応性であるとともに、オリゴマー化した状態においても結晶性を示すことから、常温では固体で存在する一方、溶融状態においては低粘度であるため充填材の高充填化が可能であり、半導体封止材に応用した場合、優れた取扱い作業性および成形性を有するとともに、耐クラック性を大幅に向上させることができる。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 0004493748
    (但し、R1およびR2は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1から8の炭化水素基を表す。GPC測定により求められたnは平均値として0.5以上の有理数を示す。)で表され、エポキシ当量が220以上であり、結晶性を有し、さらに軟化点が90〜250℃であることを特徴とするエポキシ樹脂。
  2. エポキシ樹脂の数平均分子量が400〜2,000の範囲であり、エポキシ当量が220〜1,000の範囲である請求項1に記載のエポキシ樹脂。
  3. 下記一般式(2)
    Figure 0004493748
    (但し、R 1 およびR 2 は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1から8の炭化水素基を表す。)で表されるエポキシ化合物と、下記一般式(3)
    Figure 0004493748
    (但し、R 1 およびR 2 は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1から8の炭化水素基を表す。)で表されるビスフェノール化合物を反応させることを特徴とする請求項1または2に記載のエポキシ樹脂の製造方法。
  4. エポキシ樹脂および硬化剤を含んでなるエポキシ樹脂組成物であって、請求項1または2に記載のエポキシ樹脂を該エポキシ樹脂の少なくとも一部として含んでなるエポキシ樹脂組成物。
  5. 請求項4に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物。
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