JP4497103B2 - ウェハ保持体およびそれを搭載したヒータユニット、ウェハプローバ - Google Patents

ウェハ保持体およびそれを搭載したヒータユニット、ウェハプローバ Download PDF

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Description

本発明は、均熱性、剛性に優れたウェハ保持体に関するものであり、特に、ウェハ載置面に半導体ウェハを載置し、プローブカードをウェハに押し当ててウェハの電気的特性を検査するためのウェハプローバに使用されるウェハ保持体およびヒータユニット、それらを搭載したウェハプローバに関するものである。
従来、半導体の検査工程では、被処理物である半導体基板(ウェハ)に対して加熱処理が行われる。すなわち、ウェハを通常の使用温度よりも高温に加熱して、不良になる可能性のある半導体チップを加速的に不良化させて取り除き、出荷後の不良の発生を予防するバーンインが行われている。バーンイン工程では、半導体ウェハに半導体回路を形成した後、個々のチップに切断する前に、ウェハを加熱しながら各チップの電気的な性能を測定して、不良品を取り除いている。このバーンイン工程において、スループットの向上のために、プロセス時間の短縮が強く求められている。
このようなバーンイン工程では、半導体基板を保持し、半導体基板を加熱するためのヒータが用いられている。従来のヒータは、ウェハの裏面全面をグランド電極に接触させる必要があるので、金属製のものが用いられていた。金属製の平板ヒータの上に、回路を形成したウェハを載置し、チップの電気的特性を測定する。測定時は、通電用の電極ピンを多数備えたプローブカードと呼ばれる測定子を、ウェハに数10kgfから数百kgfの力で押さえつけるため、ヒータが薄いと変形してしまい、ウェハとプローブピンとの間に隙間が生じ、接触不良が発生することがある。そのため、ヒータが変形しないように、ヒータの剛性を保つ目的で、厚さ15mm以上の厚い金属板を用いる必要があった。このため、ヒータの熱容量が比較的大きなものとなり、ヒータの昇降温に長時間を要し、スループット向上の大きな障害となっていた。
また、バーンイン工程では、チップに電気を流して電気的特性を測定するが、近年のチップの高出力化に伴い、電気的特性の測定時に、チップが大きく発熱し、場合によっては、チップが自己発熱によって、破壊することがあるので、測定後には、急速に冷却することが求められる。また、測定中は、できるだけ均熱であることが求められている。そこで、金属の材質を、熱伝導率が403W/mKと高い銅(Cu)が用いられていた。
そこで、特許文献1では、厚い金属板の代わりに、薄くても剛性が高く、変形しにくいセラミックス基板の表面に薄い金属層を形成することにより、変形しにくくかつ熱容量が小さいウェハプローバが提案されている。この文献によれば、剛性が高いので接触不良を起こすことがなく、熱容量が小さいので、短時間で昇温及び降温が可能であるとされている。そして、ウェハプローバを設置するための支持部材として、アルミニウム合金やステンレスなどを使用することができるとされている。
しかし、特許文献1に記載されているように、ウェハプローバをその最外周のみで支持すると、プローブカードの押圧によって、ウェハプローバが反ることがあるので、多数の支柱を設けるなどの工夫が必要であった。
更に、近年、半導体プロセスの微細化に伴い、プロービング時の単位面積あたりの荷重が増加するとともに、プローブカードとプローバとの位置合わせの精度も求められている。プローバは、通常、ウェハを所定の温度に加熱し、プロービング時に所定の位置に移動し、プローブカードを押し当てるという動作を繰り返す。このとき、プローバを所定の位置にまで動かすために、その駆動系に関しても高い位置精度が要求されている。
しかしながら、ウェハを所定の温度、すなわち100〜200℃程度の温度に加熱した際、その熱が駆動系に伝わり、駆動系の金属部品類が熱膨張し、これにより精度が損なわれるという問題点がある。更にはプロービング時の荷重の増加により、ウェハを載置するプローバ自体の剛性も要求されるようになってきた。すなわち、プローバ自体がプロービング時の荷重により変形すると、プローブカードのピンがウェハに均一に接触できなくなり、検査ができなくなる、あるいは最悪、ウェハが破損するという問題点がある。このため、プローバの変形を抑えるため、プローバが大型化してしまい、その重量が増加し、この重量増が駆動系の精度に影響を及ぼすという問題点があった。また更には、プローバの大型に伴い、プローバの昇温及び冷却時間が非常に長くなり、スループットが低下するという問題点も存在していた。
更に、スループットを向上するために、プローバの昇降温速度を向上するために、冷却機構が設けられていることが多い。しかしながら、従来は冷却機構が例えば特許文献1のように空冷であったり、金属製ヒータの直下に冷却板を設けたりしていた。前者の場合、空冷であるがために、冷却速度が遅いという問題点があった。また後者の場合でも、冷却板が金属であり、プロービング時に、この冷却板に直接プローブカードの圧力がかかるため、変形しやすいという問題点があった。
また、半導体の生産において、半導体基板などの加熱に利用されるヒータユニットは、例えばリソグラフ工程において基板上に塗布されたレジスト液を加熱乾燥するために用いられている。このような半導体の生産では、連続操業による大量生産によって製品の低価格化が競われており、このため製造装置ではタクトタイムの短縮化が要望されている。1台の装置で高いスループットを得るには、温度維持時間中の被処理材の処理時間はもちろんのこと、処理条件の変更に伴うヒータ温度変更に要する時間(昇温時間、冷却時間)を短くしていく必要がある。このため、特許文献2のように加熱されたヒータ基板に、所望の熱容量を有する冷却ブロックを当接することによって、ヒータ基板およびこのヒータ基板に載置した被処理物の温度を短時間で下げることを可能とし、その結果、熱処理工程の所要時間を短縮することが提案されている。しかし、この発明では、冷却ブロックとヒータとの間に界面が存在するため、接触抵抗が生じ、冷却速度をある程度以上速くすることはできないという問題があった。
特開2001−033484号公報 特開2004−014655号公報
各部材を剛性の高い材料で構成すれば、高性能なウェハプローバを提供することができる。しかし、剛性の高い材料は、加工しにくい材料が多く、その加工コストは比較的高くなることが多い。本発明は、このような問題を解決したものである。すなわち、本発明は、高剛性であり、断熱効果を高めたウェハ保持体において、軽量であり、製造コストの低減が可能なウェハ保持体およびそれを搭載したウェハプローバ装置を提供することを目的とする。
本発明においては、均熱性が要求される部分には、熱伝導率の高い材料を使用し、剛性が必要な部分には、ヤング率の高い材料を使用することにより、上記課題を解決する。すなわち、本発明のウェハ保持体は、ウェハを載置するチャックトップと、前記チャックトップを支持する支持部材と、前記支持部材を支持する台座とからなり、前記支持部材はチャックトップと略同径の円板状からなる金属あるいは金属とセラミックスとの複合体で形成され、その表面に設けられた複数の突起部で前記チャックトップを支持する断熱構造を有しており、前記チャックトップの熱伝導率をK1、ヤング率をY1、前記支持部材の熱伝導率をK2、ヤング率をY2、前記台座の熱伝導率をK3、ヤング率をY3としたとき、K1>K2、K1>K3かつY3>Y1、Y3>Y2であることを特徴とする。このようにすることによって、チャックトップの変形を抑えるとともに、チャックトップを加熱した際の熱が、駆動系に伝わらないようにする断熱効果を高めることができる。
また、支持部材の表面全面ではなく、支持部材が有する複数の突起部でチャックトップを支持することにより、支持部材とチャックトップとの接触面積を減らすことで、断熱効果をさらに高めるとともに、支持部材のチャックトップと接触していない部分を除去することができるため、ウェハ保持体を軽量化することができる。
前記チャックトップの熱伝導率は、100W/mK以上であることが好ましい。また、前記台座のヤング率は、200GPa以上であることが好ましい。
前記支持部材は金属製であり、鋳込みにより形成されていることが好ましい。
このようなウェハ保持体を備えたヒータユニット、および該ヒータユニットを備えたウェハプローバは、高剛性で軽量であり、断熱効果を高めることにより、位置精度を向上や、均熱性の向上、更にはチップの急速な昇温と冷却ができる。
本発明によれば、断熱構造に優れ、軽量化と低コスト化を図ることのできるプローバを提供することができる。また、冷却モジュールを搭載することで、ウェハ保持体の降温速度を向上させることができる。更に、ウェハ保持体の製造コストの低減や均熱性の向上も図ることができる。
本発明の実施の形態を、図1を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態の一例である。本発明のウェハ保持体は、ウェハを載置するチャックトップ1と、該チャックトップを支持する支持部材2と、該支持部材を支持する台座3とから構成される。このとき、チャックトップの常温における熱伝導率をK1、ヤング率をY1、支持部材の常温における熱伝導率をK2、ヤング率をY2、台座の常温における熱伝導率をK3、ヤング率をY3としたとき、K1>K2、K1>K3であり、かつY3>Y1、Y3>Y2とする。
チャックトップの熱伝導率を支持部材の熱伝導率よりも高くすることにより、チャックトップのウェハ載置面の均熱性を向上させることができる。支持部材と台座は、チャックトップからの熱を遮断して、ウェハ保持体の位置精度が狂うことを防止するために、熱伝導率は低い方がよい。例えば、ウェハを加熱するための発熱体が、前記チャックトップの下部に設置されている場合、発熱体で発生した熱は、チャックトップを伝わり、ウェハを加熱する。支持部材の表面(チャックトップ側)まで伝わった熱を、チャックトップの熱伝導率を高くすることで載置面全体に行渡らせ、均熱性を高くすることができる。また、支持部材の熱伝導率をチャックトップより低くすることで、チャックトップから支持部材に伝わる熱量を小さくすることができる。すなわち、支持部材はチャックトップよりも熱伝導率が低いため、チャックトップとの接触部においてもチャックトップから支持部材への熱の逃げによって部分的に温度が低下するクールスポットの発生を抑えることができ、均熱性に優れたチャックトップとすることができる。
また、チャックトップ部は、図2に示すように、載置するウェハを真空吸着するために、真空吸着用の溝や穴などを精密に機械加工する必要がある。このため、チャックトップを剛性の高い材料にすると、プロービング性能は向上するが、剛性の高い材料は相対的に機械加工が困難であるため、加工コストが高くなってしまう。従って、チャックトップは、熱伝導率が高く、剛性(ヤング率)の低い材料を使用することが好ましい。
また、台座は、チャックトップからの熱を遮断する役割があるため、熱伝導率の相対的に低い材料を使用することが好ましい。そしてチャックトップ部に比較して高い剛性を有する材料を使用することで、プロービング時の圧力によって撓みや変形の発生を抑えることができる。このため、台座については、ヤング率が高い材料を使用するため、複雑な形状にすると加工コストが高くなってしまう。そのため、台座の形状に関しては比較的簡単な構造とすることが望ましく、逆にヤング率の低い、すなわち加工コストの安い支持部材を断熱効果の高い比較的複雑な構造とすることで全体のコストを低減することができる。
また、支持部材は、ヤング率の低いチャックトップの撓み量を低減すると共に、台座への熱伝導を遮断する必要がある。このため、チャックトップに比較して熱伝導率の低い材料を用いる。また、図3に示すように、チャックトップとの接触面を加工して、チャックトップと支持部材が、支持部材表面全面でチャックトップと接触するのではなく、突起部21のみでチャックトップと接触するようにする。このような断熱構造にすることによって、チャックトップと支持部材の接触面積を小さくして熱伝導を抑えることができる。
また、断熱構造としては、支持部材に切り欠き溝を形成してもよい。また、チャックトップに切り欠き溝を形成し、断熱構造を形成することも可能である。切り欠きの形状としては同心円状の溝を形成したものや、放射線状に溝を形成したもの、あるいは、突起を多数形成したものなど、形状には特に制約はない。但し、いずれの形状においても対称な形状にする必要がある。形状が対称でない場合は、チャックトップに掛かる圧力を均一に分散することができなくなり、チャックトップの変形や、破損に影響するため好ましくない。
また、断熱構造の形態として、チャックトップと支持部材の間に、複数の柱状部材を設置することが好ましい。配置は同心円状に均等あるいはそれに類似した配置で8個以上あることが好ましい。特に近年ではウェハの大きさが8〜12インチと大型化しているため、これよりも少ない数量では、柱状部材間の距離が長くなり、プローブカードのピンをチャックトップに載置されているウェハに押し当てた際、柱状部材間で撓みが発生しやすくなるため、好ましくない。一体型である場合に比べ、チャックトップとの接触面積が同一の場合、チャックトップと柱状部材、柱状部材と支持部材の2つの界面を形成することができるため、その界面が熱抵抗層となり、熱抵抗層を2倍に増加できるため、チャックトップで発生した熱を効果的に断熱することが可能となる。この柱状部材の形状としては円柱状であっても良いし、三角柱、四角柱、さらにはどのような多角形あるいはパイプ形状であっても良く、その形状に対しては特に制約はない。いずれにしろ、このように柱状部材を挿入することによってチャックトップから支持部材への熱を遮断することができる。
前記断熱構造に使用する柱状部材の材質は、熱伝導率が30W/mK以下であることが好ましい。これよりも熱伝導率が高い場合、断熱効果が低下するため、好ましくない。柱状部材の材質としてはSi、ムライト、ムライト−アルミナ複合体、ステアタイト、コージライト、ステンレス、ガラス(繊維)、ポリイミドやエポキシ、フェノールなどの耐熱樹脂やこれらの複合体を使用することができる。
前記支持部材と、チャックトップもしくは柱状部材との接触部分の表面粗さはRa0.1μm以上であることが好ましい。表面粗さがRa0.1μm未満である場合、支持部材と、チャックトップもしくは柱状部材との接触面積が増加すると共に、両者の間の隙間が相対に小さくなるため、Ra0.1μm以上の場合に比較して熱の伝達量が大きくなるため好ましくない。また、表面粗さの上限は特にはない。但し、表面粗さRaが5μm以上の場合、その表面を処理するためのコストが高くなることがある。表面粗さをRa0.1μm以上にするための手法としては、研磨加工や、サンドブラスト等による処理を行うと良い。但しこの場合においては、その研磨条件やブラスト条件を適切化し、Ra0.1μm以上に制御する必要がある。また、前記断熱構造を、支持部材と台座の間に形成することも可能である。いずれにしろ、このような構造をとることで、効果的な断熱構造とすることができる。
以上のような構造にすることで、高均熱且つ高剛性、しかも安価なウェハ保持体を提供することができる。
チャックトップの材料としては、特に制約はないが、ウェハ載置面の均熱性を向上させるために、熱伝導率の高いものが好ましく、好適には100W/mK以上であることが好ましい。また、チャックトップは、ウェハを真空チャックによって保持するため、ウェハ載置面に溝加工や平面度、あるいは表面粗さなどを制御した加工を行う必要がある。平面度は50μm以下が好ましく、表面粗さはRaで0.1μm以下が好ましい。これらを満たす材料としては、銅、アルミニウムなどの金属を主成分とするものや、これらの金属に炭化ケイ素や窒化アルミニウムを加えた金属とセラミックスの複合体を挙げることができる。また、チャックトップのウェハ載置面には、金属層を形成する必要がある場合、ニッケルや金等のメッキや、蒸着、スパッタなどの方法で、金属層を形成することができる。
また、支持部材の材料としては、特に制約はないが、熱伝導率がチャックトップより低いことが必要である。これは、ウェハを加熱する際に、熱ができるだけ台座側へ伝わらないようにするためである。例えばアルミナやムライト、及びその複合体や、コージェライト、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、あるいは炭化珪素などのセラミックスを挙げることができる。また、金属としては、比較的熱伝導率の低い材料、例えばステンレスなどの合金類や、ニッケルやクロム、チタンなどの合金類を挙げることができる。また、金属とセラミックスの複合体についても適用は可能である。
上記に述べたように、支持部材は複数の箇所(突起部)によってチャックトップを支持することで、チャックトップの変形を防ぐことができる。一般に多数(複数)の箇所でチャックトップを支持すると、構造は複雑になりやすい。このため、この部分においては、比較的成形、加工を行いやすい金属を使用することが好ましい。特に鋳込みなどの成形で作製すれば、機械加工する量を減らすことができ、更に安価に支持部材を形成することができるため好ましい。また、鋳込みなどの成形方法を用いることにより、支持部材に切り欠きや貫通孔などを比較的容易に形成することができ、使用する材料も少なくすることができるとともに、支持部材自身を軽量化することができるので好ましい。
台座は、上記チャックトップや、支持部材に比較してヤング率が高い材料を使用する必要がある。これは前記に記載したように、チャックトップ自身が比較的ヤング率の低い材料を使用した場合、その変形を抑えるために、台座はヤング率の高い材料を使用する必要がある。台座のヤング率は、チャックトップのヤング率にもよるが、チャックトップのヤング率が高ければある程度全体の変形を押さえることができるものの、200GPa以上であることが好ましい。台座のヤング率が200GPa未満である場合には、台座自体が変形することがあるため好ましくない。また、より好ましいヤング率は300GPa以上である。300GPa以上のヤング率を有する材料を用いれば、台座の変形も大幅に低減することができるため、より小型化、軽量化できるため特に好ましい。
また台座は、発熱体で発生した熱を駆動部に伝えないこと、すなわち位置精度を保持する役割がある。このため台座の熱伝導率は、チャックトップの熱伝導率よりも低いことが必要である。チャックトップの熱伝導率よりも高い場合は、チャックトップでウェハを加熱する際に、台座まで到達した熱が、その下の駆動部に伝わりやすくなり、位置精度を維持することができなくなる。そのため、台座の熱伝導率は、40W/mK以下であることが好ましい。台座の熱伝導率が40W/mKを超えると、チャックトップに加えられた熱が、容易に台座に伝わり、駆動系の精度に影響を及ぼすため好ましくない。近年ではプロービング時の温度として150℃以上という高温が要求されるため、台座の熱伝導率は10W/mK以下であることが特に好ましい。またより好ましい熱伝導率は5W/mK以下である。この程度の熱伝導率になると、台座から駆動系への熱の伝達量が大幅に低下するためである。
このため、これらの特性を満たす材料としては、チャックトップの材質にもよるが、アルミナやムライト及びこれらの複合体や、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、コージェライトなどのセラミックスや、タングステンやモリブデンといった高融点金属や、これらを含む複合体、あるいはシリコンと炭化ケイ素、あるいはアルミニウムと炭化ケイ素などの複合体がヤング率の面から挙げられる。また熱伝導面も考慮した場合、具体的な材料としては、ムライトもしくはアルミナ、ムライトとアルミナの複合体(ムライト−アルミナ複合体)、コージェライトがあげられる。ムライトは熱伝導率が小さく断熱効果が大きい点が、アルミナはヤング率が大きく、剛性が高い点で好ましい。ムライト−アルミナ複合体は熱伝導率がアルミナより小さく且つヤング率がムライトより大きく、総合的に好ましい。
このように、台座は比較的ヤング率の高い材料を使用するため、所定の形状に加工する際にはどうしても加工費がかかる。このため形状としては比較的単純な構造とする必要がある。例えば、外形と上下面の平面度、平行度、面粗度に関する加工以外は、電極などを取り出す部分や、支持部材やチャックトップを固定するための穴や座繰り、ねじ加工など最小限にすることがコスト低減に繋がるため好ましい。
このため、最良の形態としては、チャックトップに熱伝導率が高い物質として、銅や銅合金を使用し、支持部材としては比較的熱伝導率が低く、成形や機械加工が容易なステンレスやコバールなどを使用し、台座には剛性の高いムライトとアルミナの複合体などを使用することができる。またウェハ保持体をより軽量化するためには、チャックトップにアルミニウムやその合金を使用することも可能である。
チャックトップのウェハ載置面には、導体層を形成することができる。導体層を形成する目的としては半導体製造工程で通常使用される腐食性のガス、酸、アルカリの薬液、有機溶剤、水などから載置台を保護し、且つ載置台に載置するウェハとの間に載置台より下部からの電磁ノイズを遮断するため、アースに落とす役割がある。
前記導体層の形成方法としては、特に制約はなく、導体ペーストをスクリーン印刷によって塗布した後焼成する、あるいは蒸着やスパッタ等の手法、あるいは溶射やメッキ等の手法が挙げられる。これらのうちでも、特に溶射法とメッキ法が好ましい。これらの手法においては、導体層を形成する際に、熱処理を伴わないため、載置台自体に、熱処理による反りが発生しないこと、またコストが比較的安価であるために特性の優れた安価な導体層を形成することができる。特にメッキ膜は、溶射膜に比較して緻密で電気伝導率の高い膜が得られやすいため特に好ましい。これらメッキや溶射に使用する材料としては、ニッケルや金が上げられる。これらの材料は比較的熱伝導率も高く、耐酸化性にも優れているため好ましい。
前記導体層の表面粗さはRaで0.5μm以下であることが好ましい。面粗さが0.5μmを超えると、発熱量の大きな素子の測定をする場合、プロービング時に素子自身の自己発熱により発生する熱を導体層及び載置台から放熱することができず素子自身が昇温されて熱破壊してしまうことがある。面粗さはRaで0.02μm以下であるとより効率よく放熱できるため好ましい。
チャックトップの下部にはヒータや冷却モジュールなどの温度制御機構を設置することができる。冷却モジュールは、ウェハやチャックトップを冷却する場合や、常温以下の温度で使用する場合に用いるものである。
冷却モジュールは、可動式であってもよいし、チャックトップに固定されていてもよい。可動式の場合は、加熱する際は、冷却モジュールをチャックトップから離間させることで、効率よく短時間で昇温することができ、冷却する際にチャックトップに当接させることで急速に冷却することができる。冷却モジュールを可動式にする手法としては、エアシリンダーや油圧装置などの昇降手段を用いればよく、特に制約はない。このようにすることで、ウェハやチャックトップの昇温速度を遅くさせずに、冷却速度を大幅に向上させ、スループットを増加させることができるため好ましい。またこの手法においては、冷却モジュールに、プロービング時のプローブカードの圧力が全くかからないため、冷却モジュールの圧力による変形もなく、更には、チャックトップに冷気を吹き付ける空冷に比べ冷却能力も高いため好ましい。
また、ウェハやチャックトップの冷却速度を優先する場合は、冷却モジュールをチャックトップに固定しても良い。また、ウェハ保持体を常温より低い温度で使用する場合は、冷却モジュールをチャックトップに固定した方が効果的に冷却できるので好ましい。この時、チャックトップと冷却モジュールの間に、変形能と耐熱性を有し、かつ熱伝導率の高い軟性材を挿入することもできる。チャックトップと冷却モジュールの間に互いの平面度や反りを緩和できる軟性材を備えることで、接触面積をより広くすることができ、本来備える冷却モジュールの冷却能力をより発揮することが出来るので、冷却速度を高めることができる。軟性材としては、耐熱性を有するもの、例えば、シリコン樹脂やエポキシ、フェノール、ポリイミドなどの耐熱製樹脂や、これらの樹脂に熱伝導性を向上させるためにBNやシリカ、あるいはAlNなどのフィラーを分散させたものや、発泡金属などを例示することができる。
固定方法については特に制約はないが、例えばネジ止めや、クランプといった機械的な手法で固定することができる。またネジ止めでチャックトップと冷却モジュールを固定する場合、ネジの個数を3個以上、更には6個以上とすることで両者の密着性が高まり、冷却能力がより向上するため好ましい。また、本構造の場合においては、保持部材と冷却モジュールが固定されているため、冷却速度を可動式の場合に比較して、速くすることができる。
更に、チャックトップと冷却モジュールを一体化することも可能である。この場合、一体化する際に使用する保持部材および冷却モジュールの材質としては、特に制約はないが、冷却モジュール内に冷媒を流すための流路を形成する必要があることから、チャックトップと、冷却モジュール部との熱膨張係数差は小さい方が好ましく、当然のことながら、同材質であることが好ましい。
チャックトップと冷却モジュールを一体化する場合、使用する材質としては、上記の保持部材の材質として記載したセラミックスや、セラミックスと金属の複合体、銅やアルミニウムなどの金属やその合金を使用することができる。チャックトップのウェハ載置面の反対面側には、冷却するための流路を形成し、更に該チャックトップと同材質の基板を、例えば、ロウ付けや、ガラス付けなどの手法で一体化することで、冷却モジュールが一体化されたチャックトップを作製することができる。また当然のことながら、貼り付ける側の基板側に流路を形成しても良いし、両方の基板に流路を形成しても良い。また、ネジ止めにより一体化することも可能である。この場合、形成した流路から、O−リングなどを用いて、冷媒等が流れ出さないように工夫する必要がある。
このように、チャックトップと冷却モジュールを一体化させることによって、上記に記載したようにチャックトップに冷却モジュールを固定した場合よりも更に素早くウェハや載置台、保持部材を冷却することができる。
また、チャックトップの材質が金属である場合、表面の酸化や変質が発生しやすい場合、または、電気導電性が高くない場合には、ウェハ載置面の表面に改めて導体層を形成することができる。この手法に関しては、上記に記載したように、ニッケル等の耐酸化性を有するメッキを施したり、溶射との組合せによって導体層を形成することができる。
冷却モジュールの材質としては特に制約はないが、アルミニウムや銅及びその合金は、熱伝導率が比較的高いため、急速にチャックトップの熱を奪うことができるため、好ましく用いられる。またステンレスやマグネシウム合金、ニッケル、その他の金属材料を使用することもできる。又、この冷却モジュールに、耐酸化性を付与するために、ニッケルや金、銀といった耐酸化性を有する金属膜をメッキや溶射等の手法を用いて形成することができる。
また冷却モジュールの材質としてセラミックスを使用することもできる。この場合の材質としては、特に制約はないが、窒化アルミニウムや炭化珪素は熱伝導率が比較的高いため、チャックトップから素早く熱を奪うことができるため好ましい。また窒化珪素や酸窒化アルミニウムにおいては、機械的強度が高く、耐久性に優れているため好ましい。またアルミナやコージェライト、ステアタイトなどの酸化物セラミックスは比較的安価であるため好ましい。以上のように冷却モジュールの材質は、種々選択できるため、用途によって材質を選択すればよい。これらの中では、アルミニウムにニッケルメッキを施したものや、銅にニッケルメッキを施したものが耐酸化性にも優れ、また熱伝導率も高く、価格的も比較的安価であるため、好ましい。
また、この冷却モジュールの内部に、冷媒を流すことも可能である。このようにすることで冷却モジュールに伝達された熱を素早く冷却モジュールから取り除くことができるため、更にウェハ保持体の冷却速度を向上できるため好ましい。冷却モジュール内に流す冷媒としては、水や、フロリナートなどが選択でき、特に制約はないが、比熱の大きさ、価格を考慮すると水が最も好ましい。また上記冷媒が液体の場合は、万が一装置から漏れることがありうるため、窒素や大気などの気体を流すことも可能である。
好適な例としては、2枚のアルミニウム板を用意し、その一方のアルミニウム板に水を流す流路を機械加工等によって形成する。アルミニウム板の耐食性、耐酸化性を向上させるために、ニッケルメッキを全面に施す。そして、もう一方のニッケルメッキを施したアルミニウム板を張り合わせる。このとき流路の周囲には水が漏れないように例えばO−リング等を挿入し、ネジ止めや溶接によって2枚のアルミニウム板を張り合わせる。
あるいは2枚の銅(無酸素銅)板を用意し、その一方の銅板に水を流す流路を機械加工等によって形成する。もう一方の銅板と、冷媒出入り口のステンレス製のパイプとを同時にロウ付け接合する。接合した冷却版を耐食性、耐酸化性を向上させるために、ニッケルメッキを全面に施す。また、別の形態としては、アルミニウム板もしくは銅板等の冷却板に冷媒を流すパイプを取り付けることで冷却モジュールとすることができる。この場合パイプの断面形状に近い形状のザグリ溝を冷却板に形成しパイプを密着させることで更に冷却効率を上げることができる。また、冷却パイプと冷却板の密着性を向上させるために介在層として熱伝導性の樹脂やセラミックス等を挿入してもよい。
また、アルミニウムや銅などの熱伝導率の高いプレートに、銅などの金属パイプを取り付け、そのパイプ内に冷媒を流すことも可能である。この場合、プレートにパイプを取り付ける方法に制約はないが、ロウ付けや、金属バンドによるネジ止めなどの手法をあげることができる。またプレートに座繰り加工を施し、その中にパイプを取り付けることで、パイプとプレートの接触面積を増加させ、冷却効率を向上させることができる。また、パイプとプレートの間に熱伝導性のシートを挿入させることで冷却効率を向上させることもできる。
また本発明においては、発熱体(ヒータ)などの温度制御機構を取り付けることができる。取り付け位置に関しては特に制約はないが、冷却機能と、加熱機能の両方を兼ね備える必要がある場合には、チャックトップの下に冷却モジュール、ヒータの順番で取り付けることが好ましい。また冷却モジュールとヒータの順番を入れ替えてもかまわない。
発熱体の構成としては、種々の構造をとることができる。例えば、抵抗発熱体を例えばマイカなどの絶縁体で挟み込んだものが発熱体の構造として簡便であるので好ましい。抵抗発熱体は、金属材料を使用することができる。例えば、ニッケルやステンレス、銀、タングステン、モリブデン、クロムおよびこれらの金属の合金の、例えば金属箔を用いることができる。これらの金属の中では、ステンレスとニクロムが好ましい。ステンレスあるいはニクロムは、発熱体の形状に加工する時、エッチングなどの手法により、抵抗発熱体回路パターンを比較的に精度良く形成することができる。また、安価であり、耐酸化性を有するので、使用温度が高温であっても長期間の使用に耐えることができるので好ましい。
また発熱体を挟み込む絶縁体としては、耐熱性を有する絶縁体であれば特に制約はない。例えば上記のようにマイカや、シリコン樹脂やエポキシ樹脂、フェノール樹脂など特に制約はない。またこのような絶縁性の樹脂で発熱体を挟み込む場合、発熱体で発生した熱をよりスムーズにチャックトップに伝えるために、樹脂中にフィラーを分散させることができる。樹脂中に分散するフィラーの役割は、シリコン樹脂等の熱伝導を高める役割があり、材質としては、樹脂との反応性が無ければ特に制約はなく、例えば窒化硼素や、窒化アルミニウム、アルミナ、シリカなどの物質を上げることができる。発熱体は、搭載部にネジ止め等の機械的手法で固定することができる。
また、抵抗発熱体を、スクリーン印刷などの手法でチャックトップ上や冷却モジュール上に形成してもかまわない。この場合、チャックトップや冷却モジュールが絶縁体でない場合には、発熱体を形成する面にガラスなどの絶縁層を形成した後、発熱体を形成すればよい。発熱体の材質としては特に制約はないが、銀や白金、パラジウムおよびこれらの合金や混合物などが上げられる。
また、上記のようなウェハ保持体を、ウェハ検査に使用するウェハ保持体に搭載すると、均熱性、断熱性に優れた装置とすることができ、更にコストも安価であるため、好ましい。
厚み12mm、直径310mmの表1に示す材料を用意した。これらに図1に示すような溝加工を施し、更にこれらを連結させる穴を機械加工した。更に表面にニッケルメッキを施し、ウェハ載置面側を鏡面研磨加工し、平面度を5μm、表面粗さをRa=0.1μm以下に仕上げ、チャックトップとした。
Figure 0004497103
支持部材として、厚さ15mm、直径310mmの表2に示す材料を準備した。これらの材料の上下面を研磨し、平面度、平行度をそれぞれ10μm以下に加工して、更に深さ5mmの座グリ加工を施し、図3、図4に示すような形状とし、支持部材とした。なお、金属材料は、鋳込み成形した後、仕上加工を施した。
Figure 0004497103
更に、台座として、表3に示す材料を直径310mm、厚み20mmに加工した。
Figure 0004497103
各チャックトップにそれぞれ発熱体を取り付けた。発熱体は厚み50μmのニクロム箔をBN粉末を分散させたシリコン樹脂で挟み込み、更にステンレス板を用いてチャックトップにネジ止めした。チャックトップ、支持部材、台座の組合せと、150℃に昇温しプロービングを実施した結果を表4に示す。プロービングの結果は、問題なくプロービングできたものを◎、多少問題はあったが一応プロービングができたものを○、チャックトップの変形が大きくプロービングできなかったものを×で示す。また、均熱性は、150℃でのウェハの温度バラツキを測定した結果である。
Figure 0004497103
以上の結果から、チャックトップは、銅あるいはアルミニウム、支持部材は、ステンレス、台座は、ムライト−アルミナ複合体あるいはアルミナである組合せがよいことが判る。チャックトップを窒化ケイ素、支持部材をステンレス、ムライト−アルミナ複合体を銅にした試料Iは、均熱性が悪く、コストも高かった。また、台座を剛性の低い銅にした試料Jは、プロービング時の変形が大きくなり、プロービングに支障が生じた。また、試料Kの支持部材は、ステンレス板を機械工により加工したものであるが、鋳込み成形したステンレスを用いた試料Aに比べてコストは高かったが、均熱性とプロービング結果は、同じであった。
本発明によれば、断熱構造に優れ、軽量化、低コスト化を図ることのできるウェハ保持体を提供することができる。また、冷却モジュールを搭載することで、ウェハ保持体の降温速度を向上させることができる。更に、ウェハ保持体の製造コストの低減や均熱性の向上も図ることができる。
本発明のウェハ保持体の断面構造の一例を示す。 本発明のチャックトップの断面構造の一例を示す。 本発明の支持部材の平面構造の一例を示す。 図4のa−a断面構造を示す。
符号の説明
1 チャックトップ
2 支持部材
3 台座
21 突起部


Claims (6)

  1. ウェハを載置するチャックトップと、前記チャックトップを支持する支持部材と、前記支持部材を支持する台座とからなり、前記支持部材はチャックトップと略同径の円板状からなる金属あるいは金属とセラミックスとの複合体で形成され、その表面に設けられた複数の突起部で前記チャックトップを支持する断熱構造を有しており、前記チャックトップの熱伝導率をK1、ヤング率をY1、前記支持部材の熱伝導率をK2、ヤング率をY2、前記台座の熱伝導率をK3、ヤング率をY3としたとき、
    K1>K2、K1>K3かつY3>Y1、Y3>Y2であることを特徴とするウェハ保持体。
  2. 前記チャックトップの熱伝導率が100W/mK以上であることを特徴とする請求項1に記載のウェハ保持体。
  3. 前記台座のヤング率が200GPa以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のウェハ保持体。
  4. 前記支持部材が鋳込みにより形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のウェハ保持体。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載したウェハ保持体を備えたことを特徴とするウェハプローバ用のヒータユニット。
  6. 請求項5に記載のヒータユニットを備えたウェハプローバ。
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