JP4507933B2 - 多気筒エンジンの制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は多気筒エンジンの制御装置に関し、特に、インパルス(気筒内に導入される高圧の圧力波)を生成するパルス発生装置を備えた多気筒エンジンの制御装置に関する。
従来より、インテークマニホールドのサージタンクと、サージタンクから分岐して各気筒の吸気ポートに接続された分岐管が設けられた多気筒エンジンの制御装置において、体積効率を高める技術が種々開発されている。
例えば、特許文献1には、吸気ポート毎に通路長の異なる複数の吸気通路を設け、これら吸気通路を切替弁によって択一的にサージタンクと連通する技術が開示されている。
他方、非特許文献1には、インパルスによる低運転領域のトルクアップを図る技術が開示されている。その構成では、インテークマニホールドの分岐管途中に、当該分岐管の経路方向にストロークする電磁弁を設け、吸気行程の途中までは、電磁弁を閉じて負圧を形成し、吸気行程の下死点近傍にて電磁弁を開放することによって、急激に気筒内に空気を供給する構成が開示されている。
また、特許文献2、非特許文献2には、インパルスを生成する装置として、フラップ弁を用いてパルスを発生させる装置が開示されている。
特開2003−41939号公報 特開2000−248946号公報 Impulse charging boosts torque at low speed , Findlay Publications社 「European Automotive Design」2004年2月号掲載 Development of an Actuator for a Fast Moving Flap for impulse Charging , Findlay Publications社 「European Automotive Design」2003年1月号掲載
エンジンの燃費を抑制しつつ出力性能を高めるためには、全ての運転領域にわたってポンピングロスを抑制しつつ充分な体積効率を確保する必要がある。
しかるに、上述したパルス発生装置においては、体積効率が高まるので、出力は向上するものの、当該パルス発生装置の開弁時に大きな負圧が生じるため、ポンピングロスも高くなり、燃費は低下する。そのため、単にパルス発生装置を用いただけでは、全ての運転領域に対応して燃費と出力とのバランスを取ることができなかった。
本発明は上述のような不具合に鑑みてなされたものであり、運転領域に応じて燃費と出力とをバランスさせることのできる多気筒エンジンの制御装置を提供することを課題としている。
前記課題を解決するために、本発明は、複数の気筒の各吸気ポートに空気を供給する吸気管と、各吸気管の上流端がそれぞれ開口する集合部と、各気筒の吸気行程に対応して、吸気ポートの開弁期間内の吸気行程途中で開弁して、気筒内に圧力波を生成するパルス発生装置とを備えた多気筒エンジンの制御装置において、エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、前記吸気管に連通する容積部と、容積部と吸気管との連通部分を開閉する容積部開閉機構と、前記エンジン回転数検出手段の検出に基づいてパルス発生装置の運転および容積部開閉機構の開閉動作を制御する制御手段とを設け、各吸気管の吸気ポート下流端から前記容積部までの吸気通路長は、第1の所定回転数以上の高速運転領域で動的過給できる長さに設定し、各吸気管の吸気ポート下流端から前記集合部までの吸気通路長は、前記第1の所定回転数よりも少ない第2の所定回転数以上の中速運転領域で動的過給できる長さに設定し、前記制御手段は、前記第1の所定回転数以上では、容積部を開くように容積部開閉機構を制御するとともに、前記第2の所定回転数に満たない運転領域では、パルス発生装置を作動させるものであることを特徴とする多気筒エンジンの制御装置である。
この態様では、エンジン回転数が第1の所定回転数以上の高速運転領域では、容積部が開くことにより、各吸気管の吸気ポート下流端から前記容積部までの間に動的過給を生じさせることが可能になる。このため、高速運転領域での体積効率が向上する。前記動的過給は、慣性過給であってもよいし、共鳴過給であってもよい。ここで、慣性過給とは、個々の気筒において吸気行程中に生じた圧力波がサージタンク等で反転して反射され、自気筒に対して吸気行程終期に作用することにより充填効率を高めるような動的効果をいう。また、共鳴過給とは、複数気筒において生じる吸気圧力振動が共鳴することによりに充填効率を高めるような動的効果をいう。尤も、動的過給として、慣性過給に対応して各吸気通路長を設定した場合には、共鳴過給に比べて距離を短くすることが可能になる。次に、この第1の所定回転数から第2の所定回転数までの中速運転領域では、容積部が閉じることにより、各吸気管の吸気ポート下流端から前記集合部までの間に動的過給を生じさせることが可能になる。このため、中速運転領域での体積効率が向上する。さらに、前記第2の所定回転数にも満たない低速運転領域では、容積部が閉じたままの状態でパルス発生装置が作動することにより、吸気管に圧力波を生成することができる。このため、低速運転領域での体積効率が向上する。
好ましい態様において、前記制御手段は、少なくとも第2の所定回転数から第1の所定回転数までの運転領域では、パルス発生装置の作動を停止するものである。この態様では、中高速運転領域においては、圧力波が生成されなくなり、容積部または集合部を設けたことによる吸気通路の動的過給を積極利用することが可能になる。
好ましい態様において、前記容積部は、各吸気管を連通する連通路で構成されている。この態様では、容積部の開閉動作によって吸気通路長を確実に切換えることができるので、中高速運転領域における吸気通路の動的過給を積極利用することが可能になる。
好ましい態様において、エンジン負荷を検出して制御手段に入力するエンジン負荷検出手段を設け、前記制御手段は、部分負荷領域では、第2の所定回転数以下でも容積部を開くものである。この態様では、エンジンが高負荷である全開運転領域では、パルス発生装置による過給効果によって、高い体積効率を得ることができる一方、それ以外の部分負荷領域では、容積部が開くことによって、パルス発生装置による圧力波生成効果を迅速に解除し、燃費の向上を図ることが可能になる。特に、容積部が各吸気管を連通する連通路で構成されていることと相俟って、パルス発生装置による筒内圧力を迅速に高めることが可能になる。このため、エンジン回転数が低い低速運転領域において、大きな出力を必要としない部分負荷領域では、パルス発生装置によるポンピングロスを低減し、燃費を向上することが可能になる。
好ましい態様において、前記パルス発生装置は、開弁タイミングを変更可能な可変開弁機構を有し、前記制御手段は、エンジン回転数が第2の所定回転数に近づくに連れてパルス発生装置の開弁タイミングを進角させるように可変開弁機構を制御するものである。この態様では、エンジン回転数が第2の所定回転数に上昇するに連れて、パルス発生装置の開弁タイミングが吸気弁の開弁タイミングに近づくので、生成される圧力波も弱まり、高速側におけるポンピングロスを低減し、燃費の向上を図ることができる。また、生成される圧力波が弱まることにより、相対的に吸気管内での動的過給(慣性過給または共鳴過給)を高めることになり、筒内の体積効率を高い状態に維持することが可能になる。
好ましい態様において、前記パルス発生装置は、前記集合部内に収容され、エンジンのクランクシャフトと同期して回転するロータリバルブである。この態様では、パルス発生装置として、クランクシャフトと同期して回転するロータリバルブを採用しているので、大きな吸気抵抗を受けることなく、周波数を確実に同調させて所望のタイミングで気筒内に圧力波を生成することが可能になる。集合部または容積部を設けることによる動的過給を阻害することなく、圧力波を生成するパルス発生装置を装備することが可能になる。
好ましい態様において、前記パルス発生装置は、クランクシャフトと同期して回転するロータリバルブであって、このロータリバルブの径を吸気管断面幅より大きく設定するとともに、各吸気管の上流端は、ロータリバルブの周面に形成された開口に臨んで、選択的に開閉されるように配置され、各気筒の単一の行程容積に対する吸気ポートの下流端からロータリバルブの前記開口までの単一の独立吸気通路容積の割合が70パーセントから130パーセントの範囲に設定されている。この態様においても、パルス発生装置として、クランクシャフトと同期して回転するロータリバルブを採用しているので、大きな吸気抵抗を受けることなく、周波数を確実に同調させて所望のタイミングで気筒内に圧力波を生成することが可能になる。また、ロータリバルブの径が吸気管断面幅よりも大きく設定されているので、吸気管に対して速い周速で開閉動作を行ない、強い圧力波を発生させることができる。さらに、このロータリバルブは、各気筒の単一の行程容積に対する吸気ポートの下流端からロータリバルブの前記開口までの単一の独立吸気通路容積の割合を70パーセントから130パーセントの範囲となる位置に設定されている。この設定範囲は、本件発明者が鋭意研究の結果、シミュレーションによって見出した範囲であり、詳しくは後述するように、中速運転領域での体積効率を約90%以上に向上することができる範囲である。なお、各気筒の単一の行程容積に対する吸気ポートの下流端からロータリバルブの前記開口までの単一の吸気通路容積の割合をこの明細書では「吸気通路/行程容積率」と呼称する。この吸気通路/行程容積率が130パーセントを超えたとしても、体積効率は、必ずしも低下しない。しかし、その場合には、吸気通路が長くなるため、トルク向上に対するレスポンスが低下する傾向を持つ。そのため、定常的な走行時のトルクを高くすることができたとしても、加速時の過渡的な状態では、必ずしもトルクを向上させることができなくなる恐れがある。他方、吸気通路/行程容積率が70パーセントを下回った場合、今度は、気筒に必要な空気量を確保することができなくなるため、レスポンスは高くなるものの、体積効率は低下する。そこで、本態様では、吸気通路/行程容積率を70パーセントから130パーセントに設定している。この結果、定常時のトルクはもちろん、加速時の過渡的な状態でのトルクも効率よく高めることが可能になる。なお「70パーセントから130パーセント」という限定は、発明を実施するに当たって不可避的な測定誤差や個体差によるばらつきをも排除する趣旨ではない。
好ましい態様において、各吸気管の吸気ポート下流端から前記容積部までの吸気通路長は、前記高速運転領域で慣性過給できる長さに設定されており、各吸気管の吸気ポート下流端から前記集合部までの吸気通路長は、前記中速運転領域で慣性過給できる長さに設定されているものである。この態様では、各吸気通路長を短く設定することができるので、吸気系のコンパクト化を図ることが可能になる。
以上説明したように、本発明によれば、全ての運転領域において、好適な過給効果を得られるので、運転領域に応じて燃費と出力とをバランスさせることができるという顕著な効果を奏する。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の一形態に係る4サイクル火花点火式多気筒エンジンの右側面図、図2は、図1のA−A断面略図である。また図3は、本実施形態の要部を簡略化して示す斜視図である。
各図を参照して、このエンジン10は、シリンダブロック11およびこのシリンダブロック11の上部に一体化されたシリンダヘッド12とを一体に有している。エンジン10には、第1〜第4気筒12A〜12Dが設けられるとともに、各気筒12A〜12Dの内部には、クランクシャフト3に連結されたピストン4が嵌挿されることにより、その上方に燃焼室15が形成されている。
シリンダヘッド12には、前記各気筒12A〜12Dの燃焼室15毎に点火プラグ16が固定されている。各点火プラグ16は、その先端が対応する燃焼室15の内部に頂部から臨むように設置されている。
また、シリンダヘッド12には、前記気筒12A〜12D毎に燃焼室15に向かって開口する吸気ポート17、排気ポート18がそれぞれ形成されているとともに、これらのポート17、18には、吸気弁19および排気弁20がそれぞれ装備されている。
各吸気ポート17には燃料噴射弁21が設けられている。この燃料噴射弁21は、ニードル弁およびソレノイドを内蔵している。
排気ポート18には、図略の排気マニホールドが接続されている。この排気マニホールドの集合部下流の排気通路には、排気ガス浄化触媒が設けられている。この排気ガス浄化触媒は、例えば、排気の空燃比状態が理論空燃比近傍にあるときにHC、COおよびNOxの浄化率が極めて高い、いわゆる三元触媒からなっている。この三元触媒からなる排気ガス浄化触媒は、一般に知られているように、排気ガスの空燃比が理論空燃比(つまり空気過剰率λ=1)付近にあるときにHC,CO及びNOxに対して高い浄化性能を示す触媒である。
吸気弁19および排気弁20は、エンジン10に支承された吸気弁用および排気弁用のカムシャフト22、23によって、所定位相差で同期して吸気ポート17、排気ポート18を開閉するように構成されている。前記カムシャフト22、23は、図略のカムスプロケットギヤに連結され、このカムスプロケットギヤは、カムプーリ30から図略のタイミングベルトを介して動力を受けている(図3参照)。カムプーリ30は、エンジン10の前面にクランクシャフト3と平行な軸線を中心に回転自在に取り付けられている。他方、クランクシャフト3にはエンジン10の前面側に取り付けられた出力プーリ32が固定されており、両プーリ30、32は、タイミングベルト34によって同期連動するように構成されている。
なお、各カムシャフト22、23に対し、その回転の位相を調節することにより、開閉タイミングを変更する可変バルブタイミング機構24、25が設けられている。この結果、吸気弁19は、クランク角に対する位相を変更することができるようになっている。
本実施形態に係る吸気装置40は、エンジン10の側部に固定されるインテークマニホールド41と、このインテークマニホールド41に内蔵されるパルス発生装置またはPGV(Pulse Generating Valve)としてのロータリバルブ50とを有している。
インテークマニホールド41は、図略の支持部材を介してエンジン10に固定されており、エンジン10の前後方向(各気筒12A〜12Dが並んでいる方向)に水平に延びる集合部としてのサージタンク42と、このサージタンク42に接続され、それぞれが分離した吸気通路PH11〜PH14を形成する吸気管としての第1〜第4分岐吸気管43A〜43Dとを一体に有している。サージタンク42の後端部には、スロットルボディ44が固定されており、このスロットルボディ44の内部には、図略のスロットルバルブが内蔵されている。
サージタンク42は、略円筒形部材であり、分岐吸気管43A〜43Dと連通することによって、各分岐吸気管43A〜43Dの差圧を吸収し、異音やセンサの誤作動を防止する機能を果たすものである。本実施形態において、このサージタンク42の気筒列方向の長さSLは、次に説明する各分岐吸気管43A〜43Dの気筒列方向における下流端側の間隔DLよりも短くなるように設定されている(図1参照)。
各分岐吸気管43A〜43Dは、気筒12A〜12D毎に設けられ、正面視略L字形に湾曲した状態で、それぞれ対応する気筒12A〜12Dをサージタンク42と連通させている。図示の実施形態において、各分岐吸気管43A〜43Dは、その吸気通路PH11〜PH14の通路長(本実施形態においては、吸気ポート17からサージタンク42内のロータリバルブ50の周面51までの長さ)が同じ長さに設定されている。各吸気通路PH11〜PH14の長さは、500mm以内に設定されており、これによって、後述するロータリバルブ50によるトルクへのレスポンスの向上を図っている。さらに、「吸気通路/行程容積率」(各気筒の単一の行程容積に対する吸気ポート17の下流端からロータリバルブ50の開口52、53までの単一の吸気通路容積の割合)は、70パーセント以上130パーセント以下(吸気通路の通路長が500mm以下)の範囲に設定されている。この容積は、エンジンの中速運転領域(3500rpm以上)R2において、吸気が同調共鳴する固有振動数に対応するように決定される。この結果、比較的中速領域で固有振動数が同調共鳴することになるので、その領域では、吸気弁19の開弁時間を確保することができ、エンジンの中速運転領域R2で通路長設定による慣性過給効果を発揮させ、体積効率を高めることが可能になる。
ロータリバルブ50は、円筒形部材であり、その外周面51がサージタンク42の内周面に摺接した状態で、回転自在に配置されている。
図3を参照して、ロータリバルブ50の前端部には、入力ギア54Aが同心に設けられている。入力ギア54Aは、前記カムプーリ30と同心に設けられた出力ギア54Bが噛合しており、この出力ギア54Bを介して、クランクシャフト3から1:0.5の比率で動力が伝達されるようになっている。換言すれば、ロータリバルブ50は、カムプーリ30と1:1の比率で同期している。このロータリバルブ50の周面には、サージタンク42の内部と分岐吸気管43A〜43Dとを連通する一対の開口52、53が形成されている。各開口52、53は、周方向に180°位相がずれており、軸方向において、前方の開口52が後方の開口53に対して、回転方向上流側にずれている。なお図において、55はアイドラである。
図示の実施形態においては、ロータリバルブ50と入力ギア54Aとの間にロータリバルブ進角機構56が設けられている。このロータリバルブ進角機構56は、基本的には、本件出願人が先に提案している回転位相制御装置(特開平11−107718号公報参照)等を用いることにより、入力ギア54Aとロータリバルブ50との間に位相差を形成し、当該ロータリバルブ50の開弁タイミングを変更するための機構である。ロータリバルブ進角機構56は、図1に示すように、OCV(Oil Control Valve)システム57によって駆動制御されるようになっている。さらに、図1に示すように、ロータリバルブ50の位相を検出するために、ロータリバルブ進角機構56には、PGV角度センサ58が付設されている。
図示のエンジンは、直列4気筒エンジンであって、エンジン10の前方から順に各気筒を第1〜第4気筒12A〜12Dとするとき、吸気行程を迎える順番は、第1気筒12A、第3気筒12C、第4気筒12D、第2気筒12Bとなるように設定されている。この結果、第1気筒12Aが吸気行程を迎える時点を起点とすると、各気筒と行程の関係は、表1の通りとなる。
Figure 0004507933
そこで、本実施形態では、ロータリバルブ50の開口52に対して、第1分岐吸気管43Aを回転方向下流側、第2分岐吸気管43Bを回転方向上流側に位相をずらせて対向可能に配置するとともに、開口53に対して第3分岐吸気管43Cを回転方向上流側、第4分岐吸気管43Dを回転方向下流側に位相をずらせて対向可能に配置している。
より詳細に説明すると、第2気筒12Bに接続される第2分岐吸気管43Bと第1気筒12Aに接続される第1分岐吸気管43Aとが、前方の開口52に対向可能な位置に、上流側から順に90°位相をずらした状態でサージタンク42に固定されているとともに、第3気筒12Cに接続される第3分岐吸気管43Cと第4気筒12Dに接続される第4分岐吸気管43Dとが、後方の開口53に対向可能な位置に、上流側から順に90°位相をずらした状態でサージタンク42に固定されている。さらに、第1分岐吸気管43Aと第4分岐吸気管43D(従って、第2分岐吸気管43Bと第3分岐吸気管43C)がサージタンク42の周方向において同一位相に配置されている。従って、この構成では、エンジンの回転数に拘わらず、所定のタイミングで分岐吸気管43A〜43Dを開閉することが可能になっているとともに、各分岐吸気管43A〜43Dの等長化並びにコンパクト化に寄与することになる。この結果、吸気通路PH11〜PH14を可及的に短縮化し、トルク向上に対するレスポンスの高い吸気構造を構成することが可能になる。また、上述したように、サージタンク42の気筒列方向の長さSLは、次に説明する各分岐吸気管43A〜43Dの気筒列方向における下流端側の間隔DLよりも短くなるように設定されている(図1参照)ことと相俟って、各分岐吸気管43A〜43Dの上流端は、下流端に比べて気筒列方向に集束している。このため、本実施形態においては、極めてトルク向上に対するレスポンスが高くなる構造になっている。
図4は図2の要部を拡大した断面図である。
同図を参照して、ロータリバルブ50の直径Dは、各分岐吸気管43A〜43Dの断面幅よりも大きく設定されている。このロータリバルブ50をクランクシャフト3と同期させて回転させることにより、各開口52、53が対応する分岐吸気管43A〜43Dを開く時間も短くなる。またロータリバルブ50が回転によって、周面に形成された開口52、53によって、当該周面に臨む分岐吸気管43A〜43Dに空気を供給するものであるので、空気の脈動を抑制することができ、異音の発生も少なくなる。
さらに、ロータリバルブ50に形成された各開口52、53間の閉弁角度θは、例えば120°に設定されており、開弁開始タイミングを吸気行程の前半部分とすることにより、吸気弁19が吸気ポート17を開いてもロータリバルブ50がサージタンク42を遮蔽した状態になるので、ロータリバルブ50が開くまでの間、吸気行程によって、対応する分岐吸気管43A(〜43D)内に負圧が生じることになる。
図5は図1の要部を拡大して示す部分拡大図である。
図4および図5を参照して、各分岐吸気管43A〜43Dには、VIS(Valuable Induction System)60が設けられている。
VIS60は、クランクシャフト3と平行に延びる容積部としての容積管61と、この容積管61と各分岐吸気管43A〜43Dとを接続する連通管62と、連通管62を開閉する開閉機構としてのVISバルブ63とを有している。図示の例において、容積管61は、各分岐吸気通路43A〜43Dを連通する連通路としても機能する部材である。各VISバルブ63は、同一の駆動軸64に連結されており、駆動軸64を駆動するVISバルブアクチュエータ65によって、一斉に開閉駆動されるように構成されている。図示の実施形態において、各吸気ポート17の下流端から前記容積管61までの吸気通路長Lfは、第1の所定回転数(例えば4500rpm)Nf以上の高速運転領域R3で動的過給(この実施形態では、慣性過給)できる長さに設定されている。他方、各吸気ポート17の下流端からロータリバルブ50までの吸気通路長Lsは、第1の所定回転数Nfよりも少ない第2の所定回転数(例えば3800rpm)Ns以上の中速運転領域R2で動的過給(この実施形態では、慣性過給)できる長さに設定されている。この結果、各分岐吸気管43A〜43Dは、VISバルブアクチュエータ65がVISバルブ63を開いた状態では、第1の所定回転数Nfで吸気が同調共鳴する固有振動数に対応し、高速運転領域R3での慣性過給効果を高めることができるとともに、VISバルブアクチュエータ65がVISバルブ63を閉じた状態では、第2の所定回転数Nsで吸気が同調共鳴する固有振動数に対応し、中速運転領域R2での慣性過給効果を高めることができるようになっている。
図2を参照して、エンジン10には、一対のエンジンクランク角度センサ66が設けられている。各エンジンクランク角度センサ66は、所定の位相差をもってクランクシャフト3の周囲に配置されており、一方のエンジンクランク角度センサ66から出力される検出信号に基づいてエンジンの回転数が検出されるとともに、両エンジンクランク角度センサ66から出力される検出信号に基づいてクランクシャフト3の回転方向および回転角度が検出されるようになっている。さらに、エンジン10の運転状態を検出するために、エンジン10の冷却水の温度を検出するエンジン水温センサ67、エンジン負荷検出手段としてのアクセル開度センサ68、および排気ポート18から排出された排気ガスの酸素量を検出するOセンサ69が設けられている。
また、排気ポート18に排出された既燃ガスの一部を吸気ポート17に還流するためのEGRシステム70が設けられている。
図6は本実施形態に係るブロック図である。
同図を参照して、エンジン10を駆動制御するためのECU100は、マイクロプロセッサ、メモリ、入力部および出力部を有しているユニットである。このECU100の入力部には、ロータリバルブ50の位相を検出するPGV角度センサ58、エンジンクランク角度センサ66、エンジン水温センサ67、アクセル開度センサ68、Oセンサ69が入力要素として接続されている。また、ECU100の出力部には、点火プラグ16、燃料噴射弁21、吸気弁19および排気弁20の可変バルブタイミング機構24、25、ロータリバルブ進角機構56(具体的にはOCVシステム57)、およびVISバルブアクチュエータ65が出力要素として接続されている。
次に、ECU100のメモリに記憶されている制御マップについて説明する。
図7はエンジン回転数Nに対するトルク、ロータリバルブ50の位相、およびVISバルブ63の開閉動作を示すグラフである。
図7を参照して、エンジンの出力特性は、ロータリバルブ50を用いた場合、トルクの特性は、曲線C1のようになる。また、VISバルブ63を閉じたときのトルクの特性、すなわち、各分岐吸気管43A〜43Dの吸気通路長がLsのときは、曲線C2のようになる。さらに、VISバルブ63を開いたときのトルクの特性、すなわち、各分岐吸気管43A〜43Dの吸気通路長がLfのときは、曲線C3のようになる。そこで、運転領域をロータリバルブ50によって過給する低速運転領域をR1、吸気通路長をLsとして慣性過給を生じさせる中速運転領域をR2、吸気通路長をLfとして慣性過給を生じさせる高速運転領域をR3と設定し、予め実験等でVISバルブ63を閉じるときのエンジン回転数を第1の所定回転数Nfとし、これよりも低いエンジン回転数を第2の所定回転数Nsとして、図7に基づく制御マップを作成し、ECU100のメモリに記憶させている。
ところで、低速運転領域R1においても、必ずしもロータリバルブ50を作動させることが得策でない場合もある。
図8はトルクと燃費の関係を示すグラフである。
図8を参照して、ロータリバルブ50が作動している場合、ポンピングロスが増加することに伴い、ロータリバルブ50が作動していない場合よりも燃費は悪くなる。このため、エンジン10の部分負荷領域においては、低速運転領域R1であってもVISバルブ63を開いて、燃費の向上を図り、高負荷領域(エンジン全開領域)でのみロータリバルブ50による過給効果が得られるようにECU100が設定されている。
次に、上述した実施形態の動作について、図9以下のフローチャートを参照しながら説明する。
図9を参照して、以上の構成では、まず、エンジン10が始動を開始した後(ステップS1)、ECU100は、入力部に接続された入力要素から各検出値を読み込む(ステップS2)。
次いで、これらの検出値に基づき、PGVとしてのロータリバルブ50の目標値を設定する(ステップS3)。図示の実施形態において、エンジン始動時のロータリバルブ50の位相は、最進角した状態(すなわちOFFの状態)に設定されている。この状態でECU100は、ロータリバルブ進角機構56のOCVシステム57を制御し、ロータリバルブ50の開弁タイミングを決定する。図7に示されているように、ロータリバルブ50は、低速側では、遅角(吸気弁19の開弁タイミングに対して最も開弁タイミングが遅れる状態)に設定されている一方、エンジン回転数Nが上昇するに連れて進角(吸気弁19の開弁タイミングに対して開弁タイミングが近づく状態)するように構成されている。
次に、ECU100は、エンジン回転数Nが第2の所定回転数Nsに到達しているか否かを検出する(ステップS4)。仮にエンジン回転数Nが第2の所定回転数Nsに満たない場合、ECU100は、低速運転領域R1にてエンジン10が運転しているものと判定し、さらにアクセル開度から部分負荷領域であるか否かを判定する(ステップS5)。仮に運転状態が部分負荷領域である場合、ECU100は、VISバルブ63を作動させるためのフラグFを参照する(ステップS6)。フラグFのドメインは、VISバルブ63を閉じる値を0、開く値を1として二者択一的に設定されている。ステップS6において、フラグFの値が0の場合、ECU100は、VISバルブ63を開く(ステップS7)。ここで、ロータリバルブ50の運転を停止するための手段として、本実施形態のステップS7では、ロータリバルブ進角機構56を直接制御するのではなく、VISバルブ63を開いて、容積管61を介し各分岐吸気管43A〜43Dを連通させる方法を採用しているので、イナーシャや空気抵抗の大きいロータリバルブ50を直接駆動する場合に比べて、高い応答性を発揮することが可能になる。これにより、ロータリバルブ50によるインパルス生成による過給効果が解除され、燃費の向上を図ることが可能になる。
その後、ECU100はフラグFの値を1に更新する(ステップS8)。また、ステップS6において、フラグFの値が1の場合には、そのまま次のステップに進む。
ステップS4において、エンジン回転数が第2の所定回転数Ns以上であった場合、ECU100は、ロータリバルブ50の停止設定を行う(ステップ9)。つまり、図7にも示すように、第2の所定回転数Ns以上では、吸気行程期間中にロータリバルブ50が開くようにロータリバルブ50の開弁タイミングを進角させる。
次いで、ECU100は、エンジン回転数Nが第1の所定回転数Nf未満であるか否かを判別する(ステップS10)。仮にエンジン回転数Nが第1の所定回転数Nf以上であった場合、ECU100は、エンジン10が高速運転領域R3で運転しているものと判定し、ステップS6に移行する。このため、高速運転領域R3では、VISバルブ63が開くことに伴い、各分岐吸気管43A〜43Dでは、高速運転領域R3に適した短い吸気通路長Lfで動的過給(慣性過給)効果を得ることができる。
他方、ステップS5において、運転状態が全負荷領域であった場合、またはステップS10において、エンジン回転数Nが第1の所定回転数Nfに満たない場合、ECU100はフラグFの値が1であるか否かを参照し(ステップS11)、フラグFの値が1である場合には、VISバルブ63を閉じて(ステップS12)、フラグFの値を0に更新する(ステップS13)。また、フラグFの値が0である場合には、そのまま次のステップに移行する。
図10を参照して、図9のフローが終了した後、ECU100は、当該フローのステップS3またはステップS9における設定に基づいて、ロータリバルブ50を運転する(ステップS14)。この場合、ステップS9の設定に基づく運転状態では、ロータリバルブ50は実質的に停止していることになる。また、エンジン回転数Nが第1の所定回転数Nf以上のときは、VISバルブ63が開いており、ロータリバルブ50は、その開閉タイミングに拘わらず実質的に停止している。その後は、所定時期で設定期間、燃料噴射弁21を駆動して、燃料を噴射し(ステップS15)、さらに所定時期で点火プラグ16を駆動して燃焼室15内の混合気を燃焼させる(ステップS16)。その後、ECU100は、エンジン10が運転を停止した場合には、処理を終了し、運転を継続している場合には、ステップS2に戻る(ステップS17)。
以上説明したように、本実施形態においては、エンジン回転数Nが第1の所定回転数Nf以上の高速運転領域R3では、VISバルブ63が開いて容積管61を分岐吸気管43A〜43Dと連通することにより、各分岐吸気管43A〜43Dにおける吸気ポート17の下流端から前記容積管61までの間に慣性過給を生じさせることが可能になる。このため、高速運転領域R3での体積効率が向上する。次に、この第1の所定回転数Nfから第2の所定回転数Nsまでの中速運転領域R2では、VISバルブ63が容積管61を閉じることにより、各分岐吸気管43A〜43Dの吸気ポート17下流端から前記サージタンク42までの間に慣性過給を生じさせることが可能になる。このため、中速回転域での体積効率が向上する。さらに、前記第2の所定回転数Nsにも満たない低速運転領域R1では、容積管61が閉じたままの状態でロータリバルブ50が作動することにより、分岐吸気管43A〜43Dにインパルスを生成することができる。このため、低速運転領域R1での体積効率が向上する。
また、本実施形態において、前記ECU100は、少なくとも第2の所定回転数Nsから第1の所定回転数Nfまでの中速運転領域R2では、ロータリバルブ50の作動を停止するものである。このため本実施形態では、中高速運転領域R2、R3においては、インパルスが生成されなくなり、容積管61またはサージタンク42を設けたことによる吸気通路の慣性過給を積極利用することが可能になる。
また、本実施形態において、前記容積管61は、各分岐吸気管43A〜43Dを連通する連通路で構成されている。このため本実施形態では、容積管61を開閉するVISバルブ63の開閉動作によって吸気通路長を確実に切換えることができるので、中高速運転領域R2、R3における各分岐吸気管43A〜43Dによる慣性過給を積極利用することが可能になる。
また、本実施形態では、エンジン負荷を検出してECU100に入力するエンジン負荷検出手段としてのアクセル開度センサ68を設け、前記ECU100は、部分負荷領域では、第2の所定回転数Ns以下でも容積管61を開くものである。このため本実施形態では、エンジン10が高負荷である全開運転領域では、ロータリバルブ50による過給効果によって、高い体積効率を得ることができる一方、それ以外の部分負荷領域では、容積管61が開くことによって、ロータリバルブ50によるインパルス生成効果を迅速に解除し、燃費の向上を図ることが可能になる。特に、容積管61が各分岐吸気管43A〜43Dを連通する連通路で構成されていることと相俟って、ロータリバルブ50による筒内圧力を迅速に高めることが可能になる。このため、エンジン回転数Nが低い低速運転領域R1において、大きな出力を必要としない部分負荷領域では、ロータリバルブ50によるポンピングロスを低減し、燃費を向上することが可能になる。
また、本実施形態において、前記ロータリバルブ50は、開弁タイミングを変更可能な可変開弁機構としてのロータリバルブ進角機構56を有し、前記ECU100は、エンジン回転数Nが第2の所定回転数Nsに近づくに連れてロータリバルブ50の開弁タイミングを進角させる(吸気弁19の開弁タイミングに近づける)ようにロータリバルブ進角機構56を制御するものである。このため本実施形態では、エンジン回転数Nが第2の所定回転数Nsに上昇するに連れて、ロータリバルブ50の開弁タイミングが吸気弁19の開弁タイミングに近づくので、生成されるインパルスも弱まり、高速側におけるポンピングロスを低減し、燃費の向上を図ることができる。また、生成されるインパルスが弱まることにより、相対的に分岐吸気管43A〜43D内での慣性過給を高めることになり、筒内の体積効率を高い状態に維持することが可能になる。
本実施形態において、前記パルス発生装置は、前記サージタンク42内に収容され、エンジン10のクランクシャフト3と同期して回転するロータリバルブ50である。このため本実施形態では、大きな吸気抵抗を受けることなく、周波数を確実に同調させて所望のタイミングで気筒内にインパルスを生成することが可能になる。サージタンク42または容積管61を設けることによる慣性過給を阻害することなく、インパルスを生成するロータリバルブ50を装備することが可能になる。
また、本実施形態においては、前記ロータリバルブ50の径を分岐吸気管43A〜43D断面幅より大きく設定するとともに、各分岐吸気管43A〜43Dの上流端は、ロータリバルブ50の周面に形成された開口52、53に臨んで、選択的に開閉されるように配置され、各気筒12A〜12Dの単一の行程容積に対する吸気ポート17の下流端からロータリバルブ50の前記開口52、53までの単一の独立吸気通路容積の割合が70パーセントから130パーセントの範囲に設定されている。このため本実施形態では、分岐吸気管43A〜43Dに対して速い周速で開閉動作を行ない、強いインパルスを発生させることができる。さらに、このロータリバルブ50は、各気筒12A〜12Dの単一の行程容積に対する吸気ポート17の下流端からロータリバルブ50の前記開口までの単一の独立吸気通路容積の割合を70パーセントから130パーセントの範囲となる位置に設定されている。この設定範囲は、本件発明者が鋭意研究の結果、シミュレーションによって見出した範囲であり、後述するように、例えば3500rpmでの体積効率を約90%以上に向上することができる範囲である。
各気筒12A〜12Dの単一の行程容積に対する吸気ポート17の下流端からロータリバルブ50の前記開口までの単一の吸気通路容積の割合、すなわち吸気通路/行程容積率が130パーセントを超えたとしても、体積効率は、必ずしも低下しない。しかし、その場合には、吸気通路が長くなるため、トルク向上に対するレスポンスが低下する傾向を持つ。そのため、定常的な走行時のトルクを高くすることができたとしても、加速時の過渡的な状態では、必ずしもトルクを向上させることができなくなる恐れがある。他方、吸気通路/行程容積率が70パーセントを下回った場合、今度は、気筒に必要な空気量を確保することができなくなるため、レスポンスは高くなるものの、体積効率は低下する。そこで、本実施形態では、吸気通路/行程容積率を70パーセントから130パーセントに設定している。この結果、定常時のトルクはもちろん、加速時の過渡的な状態でのトルクも効率よく高めることが可能になる。
この点に関し、行程容積と吸気通路容積との関係について説明する。
本件発明者は、上述した実施形態の吸気装置40を構成するに当たり、表2の仕様のシリンダで当該シリンダの行程容積と分岐管の容積との関係についてシミュレーションを行った。
Figure 0004507933
表2において、吸気通路長は、吸気ポート17と分岐管(分岐吸気管43A〜43D)の通路長さの和であり、具体的には、吸気ポート17の燃焼室5に対する開口端(下流端)からロータリバルブ50の開口52(53)までの長さである(図2参照)。行程容積Vhは、シリンダ14のピストン上死点からピストン下死点までの容積であり、吸気通路容積Vは、シリンダヘッド12に形成された吸気ポート17の容積と分岐管(分岐吸気管43A〜43D)の容積の和である。
図11は、本仕様で体積効率ηvと回転数Nの関係を示したグラフである。
図11の測定結果は、吸気通路長が250mmの場合(T3の場合)をベースとして、ロータリバルブ50を115°CAで開いたときの吸気弁19の開閉範囲が50°CA/30°CAから10°CA/70°CAのときの最高値を示したものである。
同図に示すように、吸気通路/行程容積率が低い場合、吸気通路/行程容積率が70パーセントを下回ると、図のT1で示すように、全体的に体積効率ηvが低くなり、特に3500rpmの体積効率ηvが大きく落ち込んでしまう。これは、吸気通路容積Vが小さすぎるため、ロータリバルブによるパルス発生作用によっても充分な空気量を確保することができないこと、並びにパルス発生時に低速運転領域(2500rpmの範囲)R1と高速運転領域(4500rpm〜5500rpm)R3がピーキーになり、3500rpmのところで谷ができてしまうことによるものと考えられる。他方、吸気通路長がベース長さよりも長い場合(吸気通路/行程容積率が96パーセント以上の場合)には、高速運転領域R3でのピークが緩和される結果、低速運転領域R1での体積効率ηvが高くなっても、3500rpmの谷が小さくなる傾向となることがわかった。尤も、吸気通路長が長くなると、吸気のレスポンスも悪くなる結果、加速時の過渡的なトルクが小さくなる恐れがある。これらの観点から、吸気通路/行程容積率が70パーセント以上130パーセント以下(吸気通路長さが500mm以下)である場合には、定常時、過渡時の双方において高トルクを得ることができ、しかも、レスポンスも向上することがわかった。
さらに本実施形態において、前記吸気通路長Lfは、前記高速運転領域R3で慣性過給できる長さに設定されており、前記吸気通路長Lsは、前記中速運転領域R2で慣性過給できる長さに設定されている。このため本実施形態では、各吸気通路長Lf、Lsを短く設定することができるので、吸気系のコンパクト化を図ることが可能になる。
このように本実施形態によれば、全ての運転領域R1〜R3において、好適な過給効果を得られるので、運転領域R1〜R3に応じて燃費と出力とをバランスさせることができるという顕著な効果を奏する。
上述した実施形態は、本発明の好ましい具体例に過ぎず、本発明は上述した実施形態に限定されない。
本発明の特許請求の範囲内で種々の変更が可能であることはいうまでもない。
本発明の実施の一形態に係る4サイクル火花点火式多気筒エンジンの右側面図である。 図1のA−A断面略図である。 本実施形態の要部を簡略化して示す斜視図である。 図2の要部を拡大した断面図である。 図1の要部を拡大して示す部分拡大図である。 本実施形態に係るブロック図である。 エンジン回転数に対するトルク、ロータリバルブの位相、およびVISバルブの開閉動作を示すグラフである。 トルクと燃費の関係を示すグラフである。 本実施形態に係るフローチャートである。 本実施形態に係るフローチャートである。 本仕様で体積効率と回転数の関係を示したグラフである。
符号の説明
10 エンジン
12A〜12D 気筒
15 燃焼室
16 点火プラグ
17 吸気ポート
19 吸気弁
21 燃料噴射弁
40 吸気装置
41 インテークマニホールド
42 サージタンク(集合部)
43A〜43D 分岐吸気管
50 ロータリバルブ(PGV:パルス発生装置)
52 開口
53 開口
56 ロータリバルブ進角機構(可変開弁機構)
57 OCVシステム(可変開弁機構)
58 PGV角度センサ
61 容積管(容積部)
63 VISバルブ(容積部開閉機構)
65 バルブアクチュエータ(容積部開閉機構)
66 エンジンクランク角度センサ
68 アクセル開度センサ
69 Oセンサ
Lf 吸気通路長
Ls 吸気通路長
N エンジン回転数
Nf 第1の所定回転数
Ns 第2の所定回転数
PH11〜PH14 吸気通路
R1 低速運転領域
R2 中速運転領域
R3 高速運転領域
θ 開口角度

Claims (8)

  1. 複数の気筒の各吸気ポートに空気を供給する吸気管と、各吸気管の上流端がそれぞれ開口する集合部と、
    各気筒の吸気行程に対応して、吸気ポートの開弁期間内の吸気行程途中で開弁して、気筒内に圧力波を生成するパルス発生装置と
    を備えた多気筒エンジンの制御装置において、
    エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、
    前記吸気管に連通する容積部と、
    容積部と吸気管との連通部分を開閉する容積部開閉機構と、
    前記エンジン回転数検出手段の検出に基づいてパルス発生装置の運転および容積部開閉機構の開閉動作を制御する制御手段と
    を設け、
    各吸気管の吸気ポート下流端から前記容積部までの吸気通路長は、第1の所定回転数以上の高速運転領域で動的過給できる長さに設定し、
    各吸気管の吸気ポート下流端から前記集合部までの吸気通路長は、前記第1の所定回転数よりも少ない第2の所定回転数以上の中速運転領域で動的過給できる長さに設定し、
    前記制御手段は、前記第1の所定回転数以上では、容積部を開くように容積部開閉機構を制御するとともに、前記第2の所定回転数に満たない運転領域では、パルス発生装置を作動させるものであることを特徴とする多気筒エンジンの制御装置。
  2. 請求項1記載の多気筒エンジンの制御装置において、
    前記制御手段は、少なくとも第2の所定回転数から第1の所定回転数までの運転領域では、パルス発生装置の作動を停止するものであることを特徴とする多気筒エンジンの制御装置。
  3. 請求項2記載の多気筒エンジンの制御装置において、
    前記容積部は、各吸気管を連通する連通路で構成されていることを特徴とする多気筒エンジンの制御装置。
  4. 請求項3記載の多気筒エンジンの制御装置において、
    エンジン負荷を検出して制御手段に入力するエンジン負荷検出手段を設け、前記制御手段は、部分負荷領域では、第2の所定回転数以下でも容積部を開くものであることを特徴とする多気筒エンジンの制御装置。
  5. 請求項1から4の何れか1項に記載の多気筒エンジンの制御装置において、
    前記パルス発生装置は、開弁タイミングを変更可能な可変開弁機構を有し、前記制御手段は、エンジン回転数が第2の所定回転数に近づくに連れてパルス発生装置の開弁タイミングを進角させるように可変開弁機構を制御するものであることを特徴とする多気筒エンジンの制御装置。
  6. 請求項1から5の何れか1項に記載の多気筒エンジンの制御装置において、
    前記パルス発生装置は、前記集合部内に収容され、エンジンのクランクシャフトと同期して回転するロータリバルブであることを特徴とする多気筒エンジンの制御装置。
  7. 請求項1から6の何れか1項に記載の多気筒エンジンの制御装置において、
    前記パルス発生装置は、クランクシャフトと同期して回転するロータリバルブであって、このロータリバルブの径を吸気管断面幅より大きく設定するとともに、各吸気管の上流端は、ロータリバルブの周面に形成された開口に臨んで、選択的に開閉されるように配置され、各気筒の単一の行程容積に対する吸気ポートの下流端からロータリバルブの前記開口までの単一の独立吸気通路容積の割合が70パーセントから130パーセントの範囲に設定されていることを特徴とする多気筒エンジンの制御装置。
  8. 請求項1から7の何れか1項に記載の多気筒エンジンの制御装置において、
    各吸気管の吸気ポート下流端から前記容積部までの吸気通路長は、前記高速運転領域で慣性過給できる長さに設定されており、各吸気管の吸気ポート下流端から前記集合部までの吸気通路長は、前記中速運転領域で慣性過給できる長さに設定されているものであることを特徴とする多気筒エンジンの制御装置。
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