JP4508103B2 - 位置検出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光学系レンズの合焦等に適用する磁気抵抗素子(以下「MR素子」という)の出力信号を使った位置検出方法に関する。
ビデオカメラの光学系のレンズ位置を検出する位置検出器として、出力の位相が90度ずれた正弦波信号となるように配置された2つのMR素子を備えたものが知られている。この位置検出器では、2つのMR素子からそれぞれ出力される正弦波信号がアナログ−デジタル変換され、得られた一対のデジタル・データからアークタンジェント演算、または、その位置で直線性が良い方のデータを用いた線形演算によってレンズの位置が算出される。
ここで、2つのMR素子の出力をそれぞれサンプリングする場合に、サンプリングのタイミングのズレがレンズの位置の誤差となるため、サンプリングのタイミングは同時刻であることが求められる。そのため、この処理には2チャンネルのアナログ−デジタル変換器(以下「A/D変換器」という)を使用するか、または特許文献1に示されるように、1チャンネルのA/D変換器に一対のサンプルホールド回路とマルチプレクサを組み合わせた構成が必要になる。
特許第3173531号
近年は、制御回路にマイコン(マイクロコンピュータ)を用いる場合が多くなってきている。多くのマイコンは多チャンネルのアナログ入力を切替によって1つのA/D変換器に入力し、デジタル・デ−タ変換を行っている。この場合も制御対象によっては切替えによるサンプリングのタイミングのズレが問題となる。また、サンプリングのタイミングのズレによる検出位置の誤差を先行するデータとの演算によって補正する場合も、演算時間が問題となる場合がある。一方、並列に動作するA/D変換器を複数ユニット装備する(あるいは外付けで配置する)マイコンの場合には機器の特性のバラツキによる誤差の発生、コスト、消費電力などが問題となっている。
本発明はこの点に着目してなされたものであり、1つのA/D変換器を使用して、正確な位置検出を行うことができる位置検出方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、複数の磁気抵抗素子が、サイン波信号とコサイン波信号とを出力するように配置された、撮像装置の光学系の位置検出系に適用され、前記磁気抵抗素子から出力されるサイン波信号及びコサイン波信号に基づいて、対象物の位置を求める位置検出方法において、前記サイン波信号及びコサイン波信号を所定サンプリング周期で交互にサンプリングし、前記サイン波信号及びコサイン波信号のうちの一方の信号の2サンプリング周期前のサンプリングデータ及び他方の信号の1サンプリング周期前のサンプリングデータから、前記一方の信号の1サンプリング周期前のデータに対応する推定値を算出し、該算出された推定値及び前記他方の信号の1サンプリング周期前のサンプリングデータから、前記サイン波信号及びコサイン波信号の振幅を算出し、該算出した振幅及び前記一方の信号の今回のサンプリングデータを、対応する逆三角関数に適用することにより、前記対象物の位置を求めることを特徴とする位置検出方法を提供する。
請求項1に記載の発明によれば、サイン波信号とコサイン波信号を出力するように配置された複数の磁気抵抗素子からの出力が所定サンプリング周期で交互にサンプリングされ、一方の信号の2サンプリング周期前のサンプリングデータと他方の1サンプリング周期前のサンプリングデータから一方の信号の1サンプリング周期前のデータに対応する推定値が算出される。この推定値と他方の信号の1サンプリング周期前のサンプリングデータからサイン波とコサイン波の振幅が算出され、この振幅と一方の信号の今回のサンプリングデータが対応する逆三角関数に適用され対象物の位置が求められる。これにより、1つのA/D変換器を使用して対象物の正確な位置を検出することができる。
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかる位置検出方法を適用した、ビデオカメラの駆動装置の構成を示すブロック図である。この装置は、レンズ10を含む光学系1を備えており、光学系1は、レンズ10を駆動するリニアモータ3と、レンズ10の位置を検出するための2つのMR素子を有する位置検出ユニット2とを備えている。位置検出ユニット2からは、2つのMR素子の出力信号SA及びSBが出力され、それぞれ増幅器4、5により増幅されて、制御ユニット6及びコンパレータ15、16に供給される。コンパレータ15、16は、それぞれ増幅器4、5から出力される信号の符号(正負)の判定を行い、判定結果を示す信号をCPU14に供給する。
制御ユニット6は、マルチプレクサ11と、サンプルホールド回路12と、A/D変換器13と、CPU(Central Processing Unit)14とを備えている。信号SA、SBは、マルチプレクサ11により交互に選択されて、サンプルホールド回路12に入力される。A/D変換器13は、サンプルホールド回路12の出力信号レベルをデジタル値(以下「MR素子出力値」という)MRA及びMRBに変換し、CPU14に入力する。CPU14は、MR素子出力値MRA、MRBを用いて、光学系1のレンズ位置を検出しつつ、駆動回路7を介してリニアモータ3を駆動し、レンズ10の位置制御を行う。CPU14はさらにマルチプレクサ11、サンプルホールド回路12、及びA/D変換器13の制御を行う。またCPU14は2チャンネルのD/A変換器17を介して増幅器4、5それぞれの直流オフセット電圧の調整を行う。
図2は、レンズ10を一定速度vで駆動したときに、2つのMR素子から出力される信号SA、SBの例を示す波形図である。MR素子は信号SA、SBが、位相が90度ずれた正弦波信号、すなわちサイン波信号とコサイン波信号になるように配置されている。信号SA、SBは、直流オフセット電圧に正弦波信号が重畳された信号である。
ここで、信号レベル、すなわちMR素子出力値MRA、MRBが、それぞれ下記式(1)、(2)で表されるものとする。
Figure 0004508103
式(1)、(2)、(3)において、Aは振幅値、λは図2の波形1周期に対応する距離(波長)、Xはレンズ10の位置座標、xは周期内のレンズの相対位置座標、P及びQはオフセット値、mは「0」以上の整数である。
ビデオカメラが起動またはリセットされると、MR素子の直流オフセット電圧の測定が行われ、次いでリニアモータ3の駆動コイルが端部まで移動して静止し、2つのMR素子のそれぞれの出力値MRA0及びMRB0が実測される。実測された出力値MRA0及びMRB0はA/D変換器13によってデジタル値に変換され、CPU14に入力される。
以下の説明では下記式(1a)及び(2a)で示される直流オフセット電圧P、Qを補正した出力MRA’及びMRB’に基づいて位置検出する手法を説明する。直流オフセット電圧P、QはCPU14によりA/D変換器13の中点電圧レベルに調整される。
Figure 0004508103
図3は、式(1a)及び(2a)により算出される出力MRA’及びMRB’の波形を示す。実測した端部における出力値MRA0及びMRB0は、図3ではMRA’0及びMRB’0として示されている。実際の端部の座標はX=0と必ずしも一致しないためMRA’0からΔXを算出し、位置座標の補正を行う。
従来は、同時に実測されたMRA’及びMRB’を使い、周期内のレンズの相対位置座標xを下記式(4)によって算出していた。
Figure 0004508103
しかし、上述したような課題があるため、本実施形態ではMRA’及びMRB’を同時ではなく交互に実測し、下記式(5)、(6)に示すようにMRA’についてはアークサイン演算、MRB’についてはアークコサイン演算を適用し周期内のレンズの相対位置座標xを算出する。
Figure 0004508103
ここで振幅値Aはリニアモータ3の位置によって変動するため、振幅値Aはあらかじめ実測した値を使わず、サンプリングしたMRA’、MRB’を基にして算出した値を使う。今、MR素子出力値MRA[n](nはサンプリング時刻を示す離散化時刻)をA/D変換してオフセット補正したMRA’[n]と、1サンプル前に算出された振幅値A[n−1]を用いて、x[n]を表すと下記式(7)となる。
Figure 0004508103
振幅値A[n−1]を算出するに当たり、サンプリングされていないMRA’[n−1]を下記式(8)により推定する。ただし、レンズが等速で移動し、サンプリング位相間隔θは一定と仮定している。
Figure 0004508103
式(8)のMRA’[n−2]はサンプリングされているので、以下サンプリングされていないMRB’[n−2]の算出手法を説明する。サンプリングされているMRB’[n−1]は下記式(9)で与えられるので、これからMRB’[n−2]は下記式(10)で与えられる。
Figure 0004508103
式(10)の関係を式(8)に適用すると、下記式(11)が得られる。
Figure 0004508103
式(11)の右辺のMRA’[n−2]、MRB’[n−1]はサンプリングされた実測値であり、また等位相間隔θの値は等速変位の速度とサンプリング時刻の間隔から得られるので、推定値MRA’[n−1]を算出することができる。
ここで、求められた推定値MRA’[n−1]及び実測値MRB’[n−1]と、振幅値A[n−1]とは、下記式(12)の関係を有するので、下記式(13)により振幅値A[n−1]が得られる。
Figure 0004508103
式(13)により求められた振幅値A[n−1]と実測値であるMRA’[n]を式(7)に適用し、周期内の相対位置座標x[n]が求められる。
MRB’についても振幅値A[n−1]を求めたときと同じ方法で2つの実測値から必要とする振幅値を求めることができ、周期内の相対位置座標を求めることができる。
次に、1周期内に2つ存在する逆三角関数の解のうちどちらを選択するかについてはMRA’とMRB’の符号の組合せによって判定する。MRA’とMRB’の符号はコンパレータ15、16の出力をCPU14で読みとり、判定する。今、逆三角関数の演算結果をφとし、求めるべき周期内の相対位置座標をxとすると、MRA’≧0且つMRB’≧0のときアークサイン演算結果及びアークコサイン演算結果は共にx=λφ/2πとする。MRA’≧0且つMRB’<0のときアークサイン演算結果はx=λ(π−φ)/2πとし、アークコサイン演算結果はx=λφ/2πとする。MRA’<0且つMRB’<0のときアークサイン演算結果はx=λφ/2πとし、アークコサイン演算結果はx=λ(2π−φ)/2πとする。MRA’<0且つMRB’≧0のときアークサイン演算結果はx=λ(3π−φ)/2πとし、アークコサイン演算結果はx=λ(2π−φ)/2πとする。
以上のように、本実施形態では、2つのMR素子から出力される正弦波信号が交互に所定のサンプリング周期でA/D変換(サンプリング)され、逆三角関数によって位置座標が算出されるので、サンプリングのタイミングのズレを考慮する必要が無く、1つのA/D変換器を使用して正確な位置検出を行うことができる。
次に、算出される位置座標の精度を高めるための他の検出手法を説明する。正弦波を例にとると、90度付近と270度付近では変化率が小さく逆三角関数演算の精度が低下する。そこで本手法では位相角0度〜45度、135度〜225度、315度〜360度に対応する区間ではMRA’をサンプリングし、位相角45度〜135度、225度〜315度に対応する区間ではMRB’をサンプリングする。具体的には|MRA’|≦|MRB’|となる区間でMRA’をサンプリングし、|MRA’|>|MRB’|となる区間でMRB’をサンプリングする。
この手法を採用すると、前記式(8)のMRB’[n−2]が実測値でMRA’[n−2]を求めることが必要となる場合がある。この場合には前記式(9)を変形すると下記式(14)が得られるので、2つの実測値MRB’[n−2]及びMRB’[n−1]からMRA’[n−2]を算出することができる。
Figure 0004508103
この手法により、逆三角関数演算の精度が低下する位相角に対応する区間のサンプリングデータを使用しなくても位置座標を算出することができ、算出する位置座標の精度を高めることができる。
本発明の一実施形態にかかる位置検出方法を適用した、ビデオカメラのレンズ駆動装置の構成を示すブロック図である。 MR素子から出力される信号の波形図である。 直流オフセット成分を補正した後のMR素子出力信号の波形図である。
符号の説明
1 光学系
2 MR素子ユニット
3 リニアモータ
6 制御ユニット
10 レンズ
14 CPU

Claims (1)

  1. 複数の磁気抵抗素子が、サイン波信号とコサイン波信号とを出力するように配置された、撮像装置の光学系の位置検出系に適用され、前記磁気抵抗素子から出力されるサイン波信号及びコサイン波信号に基づいて、対象物の位置を求める位置検出方法において、
    前記サイン波信号及びコサイン波信号を所定サンプリング周期で交互にサンプリングし、
    前記サイン波信号及びコサイン波信号のうちの一方の信号の2サンプリング周期前のサンプリングデータ及び他方の信号の1サンプリング周期前のサンプリングデータから、前記一方の信号の1サンプリング周期前のデータに対応する推定値を算出し、
    該算出された推定値及び前記他方の信号の1サンプリング周期前のサンプリングデータから、前記サイン波信号及びコサイン波信号の振幅を算出し、
    該算出した振幅及び前記一方の信号の今回のサンプリングデータを、対応する逆三角関数に適用することにより、前記対象物の位置を求めることを特徴とする位置検出方法。
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