JP4508574B2 - 燃料電池用セパレータ、燃料電池用セパレータの製造方法 - Google Patents

燃料電池用セパレータ、燃料電池用セパレータの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、高分子電解質型燃料電池等の燃料電池において使用される燃料電池用セパレータ、及び、燃料電池用セパレータの製造方法に関する。
近年、クリーンで発電効率の高い次世代の発電装置が望まれており、酸素及び水素の持つ化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換する燃料電池に対する期待が次第に高まってきている。現状における燃料電池の種類としては、リン酸型、アルカリ型、溶融炭酸塩型、固体電解質型、高分子電解質型(固体高分子型、イオン交換膜型ともいう)等が知られている。なかでも、高分子電解質型燃料電池(Polymer Electrolyte Fuel Cell;以下、PEFCともいう)は、小規模かつポータブルな電源として、電気自動車用電源等の用途に適すると考えられ、その実用化に向けて、精力的に開発が進められている。
PEFCでは、プロトン導電性を有するイオン交換膜の1つである固体高分子膜(以下、プロトン交換膜ともいう)からなる電解質層の両側に、白金等の金属触媒を担持する一対の電極が配置されて膜・電極積層体が構成されており、膜・電極積層体の両側に、膜・電極積層体の外周部を挟持するように一対の燃料電池用セパレータが配置されて単電池が構成される。
プロトン交換膜は、分子中に水素イオンの交換基を持つため、飽和含水状態とすることによりイオン導電性電解質として機能することができる。一対の電極は、一方が水素極(陰極)と呼ばれ、他方が酸素極(陽極)と呼ばれ、水素極には、水素ガスが供給され、酸素極には、酸素ガスが供給される。一対の燃料電池用セパレータは、水素極側の面に水素極に供給される水素ガスの流路を有し、酸素極側の面に酸素極に供給される酸素ガスの流路を有する。
PEFCでは、水素極に供給された水素ガス(H)は、水素極における触媒反応により、水素イオン(H)と電子(e)とに解離する。水素イオンは、プロトン交換膜を通過して酸素極に移動し、電子は外部回路を通過して酸素極側へ移動する。一方、酸素極に供給された酸素ガス(O)は、酸素極における触媒反応により、水素極から移動してきた水素イオン及び電子と反応し、水(HO)を生じる。
従って、PEFCでは、酸素ガス及び水素ガスを燃料として、水の電気分解の逆反応を生じさせて起電力を得る構成となっており、水素極で生じた電子が、電流として外部回路を通過する際に、負荷に対して電力を供給することができる。
このようなPEFCにおいて使用される燃料電池用セパレータは、両面を流れる水素ガスと酸素ガスとが混合して反応を生じないように、気体不透過性に優れたものである必要がある。
また、PEFCでは、単電池から得られる電位差(電圧)が小さく、大きな電位差(電圧)を得るために単電池を複数積層してスタックを形成して使用するが、これにより電力の損失が発生してしまわないように、燃料電池用セパレータは、導電性に優れたものである必要がある。
さらに、燃料電池用セパレータは、ある程度の強度を有するとともに、外部から水素ガス、酸素ガス、冷却水等を供給するための溝を形成できるように形状加工性に優れたものである必要がある。
従来、燃料電池用セパレータとしては、熱硬化性樹脂及び炭素粉末をプレス成形して作製したもの等が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、これらの燃料電池用セパレータでは、気体不透過性を確保するために樹脂の含有量を低減することができないため、プレス成形により表面に絶縁性の樹脂膜が形成されてしまうことがあり、優れた導電性と気体不透過性とを両立させることは困難であった。
特開2002−352814号公報
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、導電性と気体不透過性とに優れた燃料電池用セパレータ、及び、燃料電池用セパレータの製造方法を提供することを目的とするものである。
第一の本発明の燃料電池用セパレータは、一方の面に第一の溝が設けられ、他方の面に第二の溝が設けられた板状の炭素及び樹脂を含有する燃料電池用セパレータであって、
上記一方の面側に設けられた第一の表層、上記他方の面側に設けられた第二の表層、及び、上記第一の表層と上記第二の表層との間に介在する中心層を含む3層構造からなり、
上記中心層における上記樹脂の含有量は、上記第一の表層における上記樹脂の含有量、及び、上記第二の表層における上記樹脂の含有量よりも多いことを特徴とする。
第一の本発明の燃料電池用セパレータでは、中心層における樹脂の含有量は、第一の表層における樹脂の含有量、及び、第二の表層における樹脂の含有量よりも3重量%以上多いことが望ましい。
第一の本発明の燃料電池用セパレータでは、中心層における樹脂の含有量は、15重量%以上であることが望ましい。
第一の本発明の燃料電池用セパレータでは、中心層の密度率は、80%以上であることが望ましい。
第一の本発明の燃料電池用セパレータでは、中心層に含有される炭素は、鱗片状黒鉛であることが望ましい。
第一の本発明の燃料電池用セパレータでは、第一の表層及び第二の表層に含有される炭素は、粒状黒鉛であることが望ましい。
第二の本発明の燃料電池用セパレータの製造方法は、第一の本発明の燃料電池用セパレータを製造する方法であって、
第一の表層を構成する第一の表層部材を仮成形する第一の仮成形工程、
中心層を構成する中心部材を仮成形する第二の仮成形工程、
第二の表層を構成する第二の表層部材を仮成形する第三の仮成形工程、並びに、
上記中心部材、上記第一の表層部材、及び、上記第二の表層部材を圧着する圧着工程を有することを特徴とする。
第三の本発明の燃料電池用セパレータの製造方法は、第一の本発明の燃料電池用セパレータを製造する方法であって、
第一の表層の構成材料、中心層の構成材料、及び、第二の表層の構成材料を順に成形型に投入した後、一体的に成形する成形工程を有することを特徴とする。
第一の本発明の燃料電池用セパレータによれば、第一の表層、第二の表層及び中心層を含む3層構造からなるため、燃料電池用セパレータとして必要な特性及び機能を各層に分担させることにより、単一の組成からなる燃料電池用セパレータでは両立し難い特性及び機能をセパレータ全体として備えることができる。具体的には、中心層における樹脂の含有量が、第一の表層における樹脂の含有量、及び、第二の表層における樹脂の含有量よりも多いため、中心層を第一の表層及び第二の表層よりも気体不透過性に優れたものとし、第一の表層及び第二の表層を中心層よりも導電性に優れたものとすることができ、導電性と気体不透過性とに優れた燃料電池用セパレータにすることができる。なかでも、中心層における樹脂の含有量を、第一の表層における樹脂の含有量、及び、第二の表層における樹脂の含有量よりも3重量%以上多くすると、導電性と気体不透過性とに特に優れた燃料電池用セパレータにすることができる。
第一の本発明の燃料電池用セパレータでは、中心層における樹脂の含有量を15重量%以上とすると、中心層の気体不透過性が充分なものとなり、セパレータ全体の気体不透過性を充分なものにすることができる。
第一の本発明の燃料電池用セパレータでは、中心層の密度率を80%以上とすると、中心層の気体不透過性が充分なものとなり、セパレータ全体の気体不透過性を充分なものにすることができる。
第一の本発明の燃料電池用セパレータでは、中心層に含有される炭素を鱗片状黒鉛とすると、中心層の導電性を確保しつつ、気体不透過性を優れたものにすることができ、セパレータ全体の導電性及び気体不透過性を優れたものにすることができる。
第一の本発明の燃料電池用セパレータでは、第一の表層及び第二の表層に含有される炭素を粒状黒鉛とすると、第一の表層及び第二の表層の導電性を優れたものにすることができ、セパレータ全体の導電性を優れたものにすることができる。
なお、本明細書において、鱗片状黒鉛とは、そのアスペクト比(最も長い部分の長さ/最も短い部分の長さ)が5を超える黒鉛を意味し、粒状黒鉛とは、上記アスペクト比が5以下の黒鉛を意味するものとする。
第二の本発明の燃料電池用セパレータの製造方法によれば、圧着時に中心部材から第一の表層部材及び第二の表層部材に樹脂を移動させ、樹脂を接着剤として機能させることができるので、第一の本発明の燃料電池用セパレータを簡便に作製することができる。
第三の本発明の燃料電池用セパレータの製造方法によれば、第一の本発明の燃料電池用セパレータを簡便に作製することができる。
第一の本発明の燃料電池用セパレータは、一方の面に第一の溝が設けられ、他方の面に第二の溝が設けられた板状の炭素及び樹脂を含有する燃料電池用セパレータであって、上記一方の面側に設けられた第一の表層、上記他方の面側に設けられた第二の表層、及び、上記第一の表層と上記第二の表層との間に介在する中心層を含む3層構造からなり、上記中心層における上記樹脂の含有量は、上記第一の表層における上記樹脂の含有量、及び、上記第二の表層における上記樹脂の含有量よりも多いことを特徴とする。
第一の本発明の燃料電池用セパレータの構造について、図1〜3を参照しながら説明する。
図1は、第一の本発明の燃料電池用セパレータを用いたPEFCの単電池の構造の一例を模式的に示した断面図である。図2は、第一の本発明の燃料電池用セパレータの水素極側の面の一例を模式的に示した平面図である。図3は、第一の本発明の燃料電池用セパレータの酸素極側の面の一例を模式的に示した平面図である。
図1に示したように、PEFCの単電池10では、プロトン交換膜11の両面に酸素極12(陽極)と水素極13(陰極)とがそれぞれ配置されて膜電極積層体(MEA)14を構成しており、酸素極12と水素極13の外側には、第一の本発明の燃料電池用セパレータ20がそれぞれ当接されている。なお、空気極12及び燃料極13は、触媒層12a、13aと、カーボンフェルトからなる拡散層12b、13bとの2層からなり、触媒層12a、13a側の面でプロトン交換膜11と接し、拡散層12b、13b側の面で燃料電池用セパレータ20と接する。
なお、このようなPEFCの単電池10から得られる電位差(電圧)は小さいため、実際に使用する場合は、PEFCの単電池10を複数積層してスタックを形成し、大きな電位差(電圧)が得られるようにする。
図1〜3に示したように、燃料電池用セパレータ20は、水素極12と接する側の面に第一の溝25が設けられ、酸素極13と接する側の面に第二の溝26が設けられた矩形状の板状体である。
燃料電池用セパレータ20では、第一の溝25は、水素ガスの流路となるものであり、また、第二の溝26は、酸素ガスの流路となるものである。
燃料電池用セパレータ20は、第一の表層21、第二の表層22、及び、中心層23を含む3層構造からなる。第一の表層21及び第二の表層22を高導電性、かつ、低接触抵抗の材料により形成し、中心層23を気体不透過性に優れた材料により形成することにより、単一の材料により形成したものと比べて、導電性と気体不透過性とに優れた燃料電池用セパレータにすることができる。
第一の表層21は、第一の溝25側に設けられた層であり、中心層23と比べて導電性に優れていることが望ましい。
第一の表層21は、炭素及び樹脂を含有する。炭素を含有させることにより導電性を得ることができ、また、炭素は、金属のようにプロトン交換膜11を被毒化させることがない。また、樹脂を含有させることにより気体不透過性を得ることができるとともに、成形性を向上させることができる。
第一の表層21を構成する炭素としては特に限定されないが、例えば、粒状黒鉛等が好適に用いられる。上記粒状黒鉛は、異方性が小さいため、層に対して垂直方向(以下、貫層方向ともいう)の導電性を充分に確保することができる。
第一の表層21を構成する粒状黒鉛の平均粒子直径の望ましい下限は10μmであり、望ましい上限は100μmである。10μm未満であると、粒状黒鉛の粒子同士の接触抵抗が大きくなり、導電性が低下することがある。100μmを超えると、粒状黒鉛の粒子間の空隙を充分に充填することができず、強度が不充分になることがある。
なお、粒状黒鉛の粒子直径とは、粒状黒鉛が微粒子の凝集体である場合には、上記凝集体の粒子直径を意味する。
第一の表層21を構成する樹脂としては特に限定されず、例えば、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。なかでも、フェノール樹脂が好適に用いられる。フェノール樹脂は、気体不透過性、成形性、耐酸性、耐熱性、コストにおいて優れている。
フェノール樹脂としては、例えば、ノボラック系フェノール樹脂、レゾール系フェノール樹脂、ノボラック系フェノール樹脂とレゾール系フェノール樹脂との混合物等が挙げられる。
これらの樹脂は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
第一の表層21における樹脂の含有量の望ましい下限は5重量%であり、望ましい上限は20重量%である。5重量%未満であると、炭素粒子間の空隙を充分に充填することができず、第一の表層21の強度が不充分となることがある。20重量%を超えると、炭素粒子同士の接触面積が不足して、第一の表層21の導電性や接触抵抗が低下してしまうことがある。
第一の表層21では、中心層23よりも樹脂の含有量を少なくすることにより、炭素粒子間に樹脂が入り込んで導電性が低下してしまうことを防止しており、中心層23よりも導電性を向上させることができる。
第一の表層21の密度率の望ましい下限は60%であり、望ましい上限は中心層23の密度率である。60%未満であると、第一の表層21の強度が不充分となることがある。中心層23の密度率を超えると、燃料電池用セパレータ20を3層構造としたことによる効果を得ることができないことがある。
なお、本明細書において、密度率とは、層又は部材等を構成する材料の真密度(理論密度)に対する層又は部材等の実際の密度の比(実際の密度/真密度)を意味する。なお、2種以上の材料からなる層又は部材等の真密度は、材料毎に、材料の真密度と層又は部材等における材料の体積比との積を算出した後、これらの積を全て足し合わせることにより求められる。例えば、第一の表層が樹脂と炭素とからなる場合には、樹脂の真密度と第一の表層における樹脂の体積比とを掛け合わせた値に、炭素の真密度と第一の表層における炭素の体積比とを掛け合わせた値を足し合わせることにより、第一の表層の真密度を算出することができる。
上記密度率を測定する方法としては特に限定されず、例えば、アルキメデス法、水銀圧入法等により測定することができる。
第一の表層21の層に対して平行方向(以下、層方向ともいう)における抵抗率の望ましい上限は、10mΩ・cmである。10mΩ・cmを超えると、第一の表層21を設けても燃料電池用セパレータ20の導電性が向上しないことがある。より望ましい上限は、5mΩ・cmである。
また、第一の表層21の貫層方向における抵抗率の望ましい上限は、10mΩ・cmである。10mΩ・cmを超えると、第一の表層21を設けても燃料電池用セパレータ20の導電性が向上しないことがある。より望ましい上限は、5mΩ・cmである。
なお、本明細書に記載の抵抗率は、JIS C 2525「金属抵抗材料の導体抵抗及び体積抵抗率試験方法」に準拠した測定方法により測定されたものである。また、上記抵抗率は、PEFCの使用温度領域全域(常温〜90℃程度)で満たされる必要があり、通常、温度20±10℃、湿度65±20%の常温常湿領域と、温度80±10℃、湿度65±20%の高温常湿領域とで測定を行って確認する。
なお、第一の表層21に形成されている第一の溝25については、後述する。
第二の表層22は、第二の溝26側に設けられた層であり、第一の表層21と同様に、中心層23と比べて導電性に優れていることが望ましい。
第二の表層22は、炭素及び樹脂を含有する。第二の表層22を構成する炭素及び樹脂としては、第一の表層21と同様のものが挙げられる。第二の表層22は、第一の表層21と同一の組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。
第二の表層22の密度率の好ましい下限は60%であり、望ましい上限は中心層23の密度率である。60%未満であると、第二の表層22の強度が不充分となることがある。中心層23の密度率を超えると、燃料電池用セパレータ20を3層構造としたことによる効果を得ることができないことがある。
第二の表層22の層方向における抵抗率の望ましい上限は、10mΩ・cmである。10mΩ・cmを超えると、第二の表層22を設けても燃料電池用セパレータ20の導電性が向上しないことがある。より望ましい上限は、5mΩ・cmである。
また、第二の表層22の貫層方向における抵抗率の望ましい上限は、10mΩ・cmである。10mΩ・cmを超えると、第二の表層22を設けても燃料電池用セパレータ20の導電性が向上しないことがある。より望ましい上限は、5mΩ・cmである。
なお、第二の表層22により構成される第二の溝26については、後述する。
中心層23は、第一の表層21と第二の表層22との間に介在する層であり、第一の表層21及び第二の表層22と比べて気体不透過性が高いことが望ましい。
中心層23は、炭素及び樹脂を含有する。
中心層23を構成する炭素としては特に限定されないが、例えば、鱗片状黒鉛等が好適に用いられる。上記鱗片状黒鉛は、異方性が大きいため、層方向に押出成形することにより、長径の向きを層方向に配向させることができ、これにより、貫層方向の気体不透過性を充分に向上させることができる。
中心層23を構成する鱗片状黒鉛の平均粒子長径の望ましい下限は5μmであり、望ましい上限は100μmである。5μm未満であると、鱗片状黒鉛の粒子同士の接触抵抗が大きくなり、導電性が低下することがある。100μmを超えると、樹脂粉末と混合させる際に、均一に混合することが困難となり、燃料電池用セパレータ20の性能の低下を引き起こすことがある。
なお、鱗片状黒鉛の粒子長径とは、鱗片状黒鉛が微粒子の凝集体である場合には、上記凝集体の粒子長径を意味する。
中心層23を構成する炭素は、第一の表層21を構成する炭素、及び、第二の表層22を構成する炭素と異なる種類の炭素であることが望ましい。中心層23により気体不透過性を確保し、第一の表層21及び第二の表層22により導電性を確保するという機能の分担を明確にするためである。
また、中心層23を構成する炭素と、第一の表層21を構成する炭素、及び、第二の表層22を構成する炭素とが異なる種類の炭素である場合、各層における樹脂の含有量が同じであれば、中心層23と第一の表層21及び第二の表層22とは、各層の熱膨張の違いにより層の界面で剥離を生じやすいが、第一の本発明の燃料電池用セパレータでは、中心層23における樹脂の含有量が、第一の表層21及び第二の表層22における樹脂の含有量よりも多いので、層の界面で剥離が生じにくい。
中心層23を構成する樹脂としては特に限定されず、例えば、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。なかでも、フェノール樹脂が好適に用いられる。
これらの樹脂は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
中心層23では、第一の表層21及び第二の表層22よりも樹脂の含有量を多くすることにより、気体不透過性を向上させることができる。
中心層23における樹脂の含有量は、15重量%以上であることが望ましい。15重量%未満であると、基材の空隙を充分に充填することができず、中心層23の気体不透過性が不充分となることがある。望ましい上限は30重量%である。30重量%を超えると、炭素粒子同士の接触面積が不足して、中心層23の導電性や接触抵抗が大きく低下してしまうことがある。
また、中心層23における樹脂の含有量は、第一の表層21における樹脂の含有量、及び、第二の表層22における樹脂の含有量よりも多く、3重量%以上多いことが望ましい。これにより、中心層は、第一の表層及び第二の表層よりも気体不透過性に優れたものとすることができ、第一の表層及び第二の表層は、炭素粒子間に樹脂が入り込んで導電性が低下してしまうことを防止して、中心層よりも導電性の優れたものとすることができるので、導電性と気体不透過性とに優れた燃料電池用セパレータにすることができる。
中心層23の密度率は、80%以上であることが望ましい。80%未満であると、中心層23の気体不透過性が不充分となることがある。
中心層23における気体透過係数の望ましい上限は、1.0×10−10mol/m・s・Paである。1.0×10−10mol/m・s・Paを超えると、第一の溝25を流れる水素ガスが第二の溝26側に透過したり、第二の溝26を流れる酸素ガスが第一の溝25側に透過したりしてしまい、燃料電池の発電効率を低下させてしまうことがある。
なお、上記気体透過係数は、JIS K 7126「プラスチックフィルム及びシートの気体透過度試験方法」のA法(差圧法)に準拠した測定方法により測定する。
また、中心層23の貫層方向における抵抗率の望ましい上限は、10mΩ・cmである。10mΩ・cmを超えると、第一の表層21及び第二の表層22を設けても燃料電池用セパレータ20の導電性が向上しないことがある。より望ましい上限は、5mΩ・cmである。
第一の表層21及び第二の表層22と中心層23との境界は、肉眼で確認することができなくてもよい。例えば、第一の表層21及び第二の表層22と中心層23とが、含有する炭素の結晶構造が異なるほかは同一の材料からなる層である場合等には、肉眼で境界を確認することができない場合があるが、偏光顕微鏡で観察すれば、図6に示したように、含有する炭素の結晶構造の違いに応じて第一の表層21及び第二の表層22と中心層23とが異なる色の層として観察され、その境界を確認することができる。また、第一の表層21及び第二の表層22と中心層23とは、電気伝導率及び気体不透過性等の特性の違いによりその境界を確認してもよい。
第一の本発明の燃料電池用セパレータの層方向における抵抗率の望ましい上限は10mΩ・cmである。10mΩ・cmを超えると、燃料電池用セパレータ20の導電性が不充分なことがある。より望ましい上限は5mΩ・cmである。
また、第一の本発明の燃料電池用セパレータの貫層方向における抵抗率の望ましい上限は10mΩ・cmである。10mΩ・cmを超えると、燃料電池用セパレータ20の導電性が不充分なことがある。より望ましい上限は5mΩ・cmである。
第一の本発明の燃料電池用セパレータの接触抵抗の望ましい上限は10mΩ・cmである。10mΩ・cmを超えると、燃料電池用セパレータ20の導電性が不充分なことがある。より望ましい上限は5mΩ・cmである。
なお、上記接触抵抗は、試験片(燃料電池用セパレータ)を2枚重ね合わせ、荷重を加えた状態で、直流電流を貫層方向に流し、電流値と試験片間の電圧値とを測定し、これらの値から抵抗値を算出することにより求めることができる。また、上記接触抵抗は、PEFCの使用温度領域全域(常温〜90℃程度)で満たされる必要があり、通常、温度20±10℃、湿度65±20%の常温常湿領域と、温度80±10℃、湿度65±20%の高温常湿領域とで測定を行って確認する。
第一の本発明の燃料電池用セパレータにおける気体透過係数の望ましい上限は1.0×10−10mol/m・s・Paである。1.0×10−10mol/m・s・Paを超えると、第一の溝25を流れる水素ガスが第二の溝26側に透過したり、第二の溝26を流れる酸素ガスが第一の溝25側に透過したりしてしまい、燃料電池の発電効率を低下させてしまうことがある。
第一の本発明の燃料電池用セパレータにおける曲げ強度の望ましい下限は40MPaである。40MPa未満であると、強度が低過ぎて、単電池を複数積層したスタック構造とした際に、変形や破損を生じてしまうことがある。
なお、上記曲げ強度は、JIS R 1601「ファインセラミックスの曲げ強さ試験方法」に準拠した測定方法により測定する。
また、第一の本発明の燃料電池用セパレータとしては、図1に示した燃料電池用セパレータ20のように、第一の表層21及び第二の表層22により第一の溝25及び第二の溝26の底面及び側面が構成されたものであってもよく、図4に示した燃料電池用セパレータ50のように、第一の表層51及び第二の表層52により第一の溝55及び第二の溝56の側面のみが構成され、中心層53により第一の溝55及び第二の溝56の底面が構成されたものであってもよく、図5に示した燃料電池用セパレータ60のように、第一の表層61及び第二の表層62により第一の溝65及び第二の溝66の側面の上部のみが構成され、中心層63により第一の溝65及び第二の溝66の側面の下部及び底面が構成されたものであってもよい。
次に、水素ガスの流路となる第一の溝25、及び、酸素ガスの流路となる第二の溝26について説明する。
図2に示したように、燃料電池用セパレータ20の水素極12側の面には、第一の溝25が設けられている。
第一の溝25は、燃料電池用セパレータ20の中央部全体に設けられており、図2の横方向に設けられた2本の横溝25aと、図2の縦方向に設けられ、両端が2本の横溝25aに繋がった多数の平行な縦溝25bとからなる。第一の溝25の両端には、水素ガスを各セルの第一の溝25に供給するための水素ガス孔27と、水素ガスを各セルの第一の溝25から排出させるための水素ガス孔28とが設けられている。
また、図2では示していないが、燃料電池用セパレータ20の外周部の第一の溝25以外の部分には、酸素ガスを各セルの第二の溝26に供給するための酸素ガス孔29と、酸素ガスを各セルの第二の溝26から排出させるための酸素ガス孔30とが設けられている。
図3に示したように、燃料電池用セパレータ20の酸素極13側の面には、第二の溝26が設けられている。
第二の溝26は、燃料電池用セパレータ20の中央部全体を蛇行する1本の溝からなる。第二の溝26の両端には、酸素ガス孔29と酸素ガス孔30とが設けられている。
また、図3では示していないが、燃料電池用セパレータ20の外周部の第二の溝26以外の部分には、水素ガス孔27と水素ガス孔28とが設けられている。
なお、第一の溝25と第二の溝26とは、互いに直交している。燃料電池用セパレータ20の強度を確保するうえで効果的であるとともに、単電池を複数積層したスタック構造とした際に、水素ガス孔27、28及び酸素ガス孔29、30に接続されるパイプを配設しやすくなるからである。
第一の溝25及び第二の溝26の断面形状としては特に限定されず、例えば、凹形等が挙げられる。
第一の溝25及び第二の溝26の深さとしては特に限定されないが、燃料電池用セパレータ20の厚さの半分以下であることが望ましい。燃料電池用セパレータ20の強度を、単電池を複数積層したスタック構造としても変形や破損を生じないものとするためである。
このような燃料電池用セパレータ20では、外部より水素ガス及び酸素ガスが水素ガス孔27及び酸素ガス孔29を通じて第一の溝25及び第二の溝26に連続的に供給され、使用後の水素ガス及び酸素ガスが水素ガス孔28及び酸素ガス孔30を通じて連続的に排出される。
第一の本発明の燃料電池用セパレータに設けられる第一の溝及び第二の溝は、水素ガスの流路及び酸素ガスの流路に限定されず、例えば、燃料電池を冷却するための冷却水の流路であってもよい。
なお、上記第一の溝又は上記第二の溝が冷却水の流路とされる場合には、2枚の燃料電池用セパレータを重ね合わせて使用し、冷却水が電極と接することがないように、2枚の燃料電池用セパレータ同士が接する面に冷却水を流し、それぞれの電極と接する反対面に水素ガス及び酸素ガスを流すことになる。このとき、上記2枚の燃料電池用セパレータのうち、両方が第一の本発明の燃料電池用セパレータであってもよいし、一方のみが第一の本発明の燃料電池用セパレータであってもよい。
また、第一の本発明の燃料電池用セパレータに設けられる第一の溝及び第二の溝のパターンとしては、図2に示した第一の溝25や図3に示した第二の溝26に限定されないが、第一の本発明の燃料電池用セパレータの中央部に均一に設けられることが望ましい。上記第一の溝及び上記第二の溝を流れる水素ガス、酸素ガス、冷却水等の流体を、電極等に充分な接触面積で均一に接触させるためである。
第一の本発明の燃料電池用セパレータは、第一の溝及び第二の溝を水素ガスの流路及び酸素ガスの流路とし、セパレータ内部に冷却水の流路を設けたものであってもよい。
なお、セパレータ内部に冷却水の流路を設ける際には、第一の表面層、第二の表面層及び中心層のいずれに設けてもよい。
第一の本発明の燃料電池用セパレータによれば、第一の表層、第二の表層及び中心層を含む3層構造からなるため、燃料電池用セパレータとして必要な特性及び機能を各層に分担させることにより、単一の組成からなる燃料電池用セパレータでは両立し難い特性及び機能をセパレータ全体として備えることができる。なかでも、第一の表層及び第二の表層を導電性に優れたものとし、中心層を気体不透過性に優れたものとすることにより、導電性と気体不透過性とに優れた燃料電池用セパレータにすることができる。
次に、第一の本発明の燃料電池用セパレータを製造する方法について説明する。
第一の本発明の燃料電池用セパレータを製造する方法としては特に限定されないが、例えば、第一の表層を構成する第一の表層部材を仮成形する第一の仮成形工程、中心層を構成する中心部材を仮成形する第二の仮成形工程、第二の表層を構成する第二の表層部材を仮成形する第三の仮成形工程、並びに、上記中心部材、上記第一の表層部材、及び、上記第二の表層部材を圧着する圧着工程を有する方法や、第一の表層の構成材料、中心層の構成材料、及び、第二の表層の構成材料を順に成形型に投入した後、一体的に成形する成形工程を有する方法等が好適に用いられる。
第二の本発明の燃料電池用セパレータの製造方法は、第一の本発明の燃料電池用セパレータを製造する方法であって、第一の表層を構成する第一の表層部材を仮成形する第一の仮成形工程、中心層を構成する中心部材を仮成形する第二の仮成形工程、第二の表層を構成する第二の表層部材を仮成形する第三の仮成形工程、並びに、上記中心部材、上記第一の表層部材、及び、上記第二の表層部材を圧着する圧着工程を有することを特徴とする。
図7(a)〜(d)は、第二の本発明の燃料電池用セパレータの製造方法を模式的に示す断面図である。
図7(a)に示したように、上記第一の仮成形工程では、上述した第一の表層の構成材料を用いて、第一の表層を構成する第一の表層部材111を仮成形する。上記仮成形により作製される第一の表層部材111は、一体として取扱うことができる程度の強度でよく、含有される樹脂は完全に硬化しきっていない半硬化の状態とする。
上記第一の表層部材111を仮成形する方法としては特に限定されず、例えば、射出成形、プレス成形等の公知の成形方法を用いることができる。なかでも、成形圧力5〜15MPa、成形温度80〜110℃、成形時間10〜20分の条件でプレス成形する方法等が好適に用いられる。
上記第一の表層部材111の形状は、仮成形する際の成形型101、102の形状を調整し、必要に応じて、更に切削加工、穴あけ加工、レーザー加工等を行うことにより調整することができる。
図7(b)に示したように、上記第二の仮成形工程では、上述した中心層の構成材料を用いて、中心層を構成する中心部材112を仮成形する。上記仮成形により作製される中心部材112は、一体として取扱うことができる程度の強度でよく、含有される樹脂は完全に硬化しきっていない半硬化の状態とする。
上記中心部材112を仮成形する方法としては特に限定されず、例えば、射出成形、プレス成形等の公知の成形方法を用いることができる。なかでも、成形圧力5〜15MPa、成形温度80〜110℃、成形時間10〜20分の条件でプレス成形する方法等が好適に用いられる。
上記中心部材112の形状は、仮成形する際の成形型103、104の形状を調整し、必要に応じて、更に切削加工、穴あけ加工、レーザー加工等を行うことにより調整することができる。
図7(c)に示したように、上記第三の仮成形工程では、上述した第二の表層の構成材料を用いて、第二の表層を構成する第二の表層部材113を仮成形する。上記仮成形により作製される第二の表層部材113は、一体として取扱うことができる程度の強度でよく、含有される樹脂は完全に硬化しきっていない半硬化の状態とする。
上記第二の表層部材113を仮成形する方法としては特に限定されず、例えば、射出成形、プレス成形等の公知の成形方法を用いることができる。なかでも、成形圧力5〜15MPa、成形温度80〜110℃、成形時間10〜20分の条件でプレス成形する方法等が好適に用いられる。
上記第二の表層部材113の形状は、仮成形する際の成形型105、106の形状を調整し、必要に応じて、更に切削加工、穴あけ加工、レーザー加工等を行うことにより調整することができる。
図7(d)に示したように、上記圧着工程では、第一の表層部材111、中心部材112、及び、第二の表層部材113を成形型107、108で挟み込むことにより圧着する。
上記圧着方法としては特に限定されず、例えば、加圧のみを用いる方法、加圧と加熱とを併用する方法等が挙げられる。なかでも、圧着圧力10〜30MPa、圧着温度150〜200℃、圧着時間15〜30分の条件で圧着する方法等が好適に用いられる。
なお、上記第一〜第三の仮成形工程において、樹脂を完全に硬化させておらず、中心部材112における樹脂の含有量を、第一の表層部材111及び第二の表層部材113における樹脂の含有量よりも多くしていることにより、圧着時に中心部材112の内部から第一の表層部材111及び第二の表層部材113の内部に樹脂を移動させ、樹脂を接着剤として機能させることができる。
第二の本発明の燃料電池用セパレータの製造方法によれば、第一の本発明の燃料電池用セパレータを簡便に作製することができる。
第三の本発明の燃料電池用セパレータの製造方法は、第一の本発明の燃料電池用セパレータを製造する方法であって、第一の表層の構成材料、中心層の構成材料、及び、第二の表層の構成材料を順に成形型に投入した後、一体的に成形する成形工程を有することを特徴とする。
図8(a)〜(b)は、第三の本発明の燃料電池用セパレータの製造方法を模式的に示す断面図である。
上記成形工程では、図8(a)に示したように、第一の表層の構成材料151、中心層の構成材料152、及び、第二の表層の構成材料153を順に成形型161、162に投入した後、図8(b)に示したように、一体的に成形する。
上記成形の方法としては特に限定されず、例えば、射出成形、プレス成形等の公知の成形方法を用いることができる。なかでも、成形圧力10〜30MPa、成形温度150〜200℃、成形時間15〜30分の条件でプレス成形する方法等が好適に用いられる。
第三の本発明の燃料電池用セパレータの形状は、上記成形型161、162の形状を調整し、必要に応じて、更に切削加工、穴あけ加工、レーザー加工等を行うことにより調整することができる。
なお、第一の表層の構成材料151、中心層の構成材料152、及び、第二の表層の構成材料153の成形型161、162への投入順は、中心層の構成材料152が第一の表層の構成材料151と第二の表層の構成材料153との間に投入されれば特に限定されない。
第三の本発明の燃料電池用セパレータの製造方法によれば、第一の本発明の燃料電池用セパレータを簡便に作製することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(1)第一の溝のパターンが形成され、第一の表層部材の形状に対応した成形型に、粒状黒鉛(エスイーシー社製、商品名;SGL、平均粒子直径25μm):レゾール系フェノール樹脂=87重量%:13重量%の割合で乾式混合された第一の表層の構成材料を所定量投入し、成形圧力9.8MPa、成形温度90℃、成形時間15分の条件でプレス成形を行い、密度率が75%の第一の表層部材を作製した。
(2)中心部材の形状に対応した成形型に、鱗片状黒鉛(エスイーシー社製、商品名;SNO、平均粒子長径30μm):レゾール系フェノール樹脂=80重量%:20重量%の割合で乾式混合された中心層の構成材料を所定量投入し、成形圧力9.8MPa、成形温度90℃、成形時間15分の条件でプレス成形を行い、密度率が90%の中心部材を作製した。
(3)第二の溝のパターンが形成され、第二の表層部材の形状に対応した成形型に、粒状黒鉛(エスイーシー社製、商品名;SGL、平均粒子直径25μm):レゾール系フェノール樹脂=87重量%:13重量%の割合で乾式混合された第二の表層の構成材料を所定量投入し、成形圧力9.8MPa、成形温度90℃、成形時間15分の条件でプレス成形を行い、密度率が75%の第二の表層部材を作製した。
(4)得られた第一の表層部材、中心部材、及び、第二の表層部材を、圧力19.6MPa、温度160℃、時間30分の条件で圧着し、両面に溝が設けられた燃料電池用セパレータを製造した。
(実施例2)
第一の溝のパターンが形成され、燃料電池用セパレータの形状に対応した成形型(下パンチ)に、粒状黒鉛(エスイーシー社製、商品名;SGL、平均粒子直径25μm):レゾール系フェノール樹脂=87重量%:13重量%の割合で乾式混合された第一の表層の構成材料を所定量投入し、すり切りを行い、表面をならした。
次いで、すり切りを行った第一の表層の構成材料の上に、鱗片状黒鉛(エスイーシー社製、商品名;SNO、平均粒子長径30μm):レゾール系フェノール樹脂=80重量%:20重量%の割合で乾式混合された中心層の構成材料を所定量投入し、すり切りを行い、表面をならした。
次に、すり切りを行った中心層の構成材料の上に、粒状黒鉛(エスイーシー社製、商品名;SGL、平均粒子直径25μm):レゾール系フェノール樹脂=87重量%:13重量%の割合で乾式混合された第二の表層の構成材料を所定量投入し、すり切りを行い、表面をならした。
最後に、第二の溝のパターンが形成され、燃料電池用セパレータの形状に対応した成形型(上パンチ)を、すり切りを行った第二の表層の構成材料の上にかぶせた後、成形圧力19.6MPa、成形温度160℃、成形時間30分の条件でプレス成形を行い、両面に溝が設けられた燃料電池用セパレータを製造した。なお、密度率は、第一の表層が75%、中心層が90%、第二の表層が75%であった。
(実施例3〜5、比較例1〜3)
表1に示したように、第一の表層部材、中心部材、及び、第二の表層部材の構成材料の配合比、及び、密度率を変更したこと以外は、実施例1と同様にして、両面に溝が設けられた燃料電池用セパレータを製造した。なお、上記密度率は、成形型への燃料電池用セパレータの構成材料の投入量を変更することにより調整した。
(導電性評価1)
実施例1〜5及び比較例1〜3で作製した燃料電池用セパレータについて、JIS C 2525「金属抵抗材料の導体抵抗及び体積抵抗率試験方法」に準拠した測定方法により層方向及び貫層方向の抵抗率を測定した。なお、上記抵抗率は、温度20±10℃、湿度65±20%の常温常湿領域で測定された。
結果を表1に示した。
(導電性評価2)
実施例1〜5及び比較例1〜3で作製した燃料電池用セパレータについて、上述した方法により接触抵抗を求めた。また、上記接触抵抗は、温度20±10℃、湿度65±20%の常温常湿領域で測定された。
結果を表1に示した。
(気体不透過性評価)
実施例1〜5及び比較例1〜3で作製した燃料電池用セパレータについて、JIS K 7126「プラスチックフィルム及びシートの気体透過度試験方法」のA法(差圧法)に準拠した測定方法により気体透過係数を測定した。なお、試験気体としては、水素ガス(H)を使用した。
結果を表1に示した。
Figure 0004508574
表1に示したように、実施例1〜5に係る燃料電池用セパレータは、全体的に樹脂の含有量の多い構成材料からなる比較例1〜2に係る燃料電池用セパレータと比べて、抵抗率及び接触抵抗が低く、導電性に優れており、全体的に樹脂の含有量の少ない構成材料からなる比較例3に係る燃料電池用セパレータと比べて、気体透過係数が小さく、気体不透過性に優れていた。
第一の本発明の燃料電池用セパレータを用いたPEFCの単電池の構造の一例を模式的に示した断面図である。 第一の本発明の燃料電池用セパレータの水素極側の面の一例を模式的に示した平面図である。 第一の本発明の燃料電池用セパレータの酸素極側の面の一例を模式的に示した平面図である。 第一の本発明の燃料電池用セパレータの一例を模式的に示した断面図である。 第一の本発明の燃料電池用セパレータの別の一例を模式的に示した断面図である。 第一の本発明の燃料電池用セパレータの断面の偏光顕微鏡による観察写真の一例である。 (a)〜(d)は、第二の本発明の燃料電池用セパレータの製造方法を模式的に示す断面図である。 (a)〜(b)は、第二の本発明の燃料電池用セパレータの製造方法を模式的に示す断面図である。
符号の説明
10 単電池
11 プロトン交換膜
12 酸素極
13 水素極
14 膜電極積層体(MEA)
20、50、60 燃料電池用セパレータ
21、51、61 第一の表層
22、52、62 第二の表層
23、53、63 中心層
25、55、65 第一の溝
26、56、66 第二の溝
27、28 水素ガス孔
29、30 酸素ガス孔

Claims (7)

  1. 一方の面に第一の溝が設けられ、他方の面に第二の溝が設けられた炭素及び樹脂を含有する板状の燃料電池用セパレータであって、
    前記一方の面側に設けられた第一の表層、前記他方の面側に設けられた第二の表層、及び、前記第一の表層と前記第二の表層との間に介在する中心層を含む3層構造からなり、
    前記第一の表層と前記第二の表層とは、粒状黒鉛を含有するとともに、前記中心層は、鱗片状黒鉛を含有し、
    前記第一の表層、前記第二の表層及び前記中心層は、樹脂として、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂又はエポキシ樹脂を含有し、
    前記中心層における前記樹脂の含有量は、前記第一の表層における前記樹脂の含有量、及び、前記第二の表層における前記樹脂の含有量よりも多く、
    前記中心層における前記樹脂の含有量は、15〜30質量%であることを特徴とする燃料電池用セパレータ。
  2. 中心層における前記樹脂の含有量は、第一の表層における前記樹脂の含有量、及び、第二の表層における前記樹脂の含有量よりも3質量%以上多い請求項1に記載の燃料電池用セパレータ。
  3. 中心層を構成する材料及びその割合に基づいた中心層の理論密度に対する前記中心層の実際の密度の比の百分率は、80%以上である請求項1又は2に記載の燃料電池用セパレータ。
  4. 中心層に含有される鱗片状黒鉛は、平均粒子径が5〜100μm、アスペクト比が5を超える請求項1〜3のいずれかに記載の燃料電池用セパレータ。
  5. 第一の表層及び第二の表層に含有される粒状黒鉛は、平均粒子径が10〜100μm、アスペクト比が5以下である請求項1〜4のいずれか1に記載の燃料電池用セパレータ。
  6. 請求項1〜5のいずれか1に記載の燃料電池用セパレータを製造する方法であって、
    第一の表層を構成する第一の表層部材を仮成形し、前記第一の表層部材に含まれる前記樹脂を半硬化させる第一の仮成形工程、
    中心層を構成する中心部材を仮成形し、前記中心部材に含まれる前記樹脂を半硬化させる第二の仮成形工程、
    第二の表層を構成する第二の表層部材を仮成形し、前記第二の表層部材に含まれる前記樹脂を半硬化させる第三の仮成形工程、並びに、
    前記中心部材、前記第一の表層部材、及び、前記第二の表層部材を圧着し、前記中心部材の内部から前記第一の表層部材及び前記第二の表層部材の内部に前記樹脂を移動させ、前記樹脂を接着剤として機能させる圧着工程を有することを特徴とする燃料電池用セパレータの製造方法。
  7. 請求項1〜5のいずれか1に記載の燃料電池用セパレータを製造する方法であって、
    第一の表層の構成材料、中心層の構成材料、及び、第二の表層の構成材料を順に成形型に投入した後、一体的に成形する成形工程を有することを特徴とする燃料電池用セパレータの製造方法。
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