JP4513367B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、モータ又はモータ駆動回路の発熱体に対する温度推定機能を備えた電動パワーステアリング装置に関する。
自動車のステアリング装置をモータの回転力で操舵補助力を付与する電動パワーステアリング装置は、モータの駆動力を減速機を介してギア又はベルト等の伝達機構により、ステアリングシャフト或いはラック軸に操舵補助力を付与するようになっている。このような電動パワーステアリング装置の簡単な構成を図7に示し、説明する。操向ハンドル101の軸102は減速ギア103、ユニバーサルジョイント104a及び104b、ピニオンラック機構105を経て操向車輪のタイロッド106に結合されている。軸102には,操向ハンドル101の操舵トルクを検出するトルクセンサ110が設けられており、操向ハンドル101の操舵力を補助するモータ120が減速ギア103を介して軸102に連結されている。そして電動パワーステアリング装置のモータ制御はトルクセンサ110の検出したトルク値Tr、車速センサ112から検出された車速Velなどを入力値としてモータ120をコントロールユニット130が制御するようになっている。コントロールユニット130は主としてCPUで構成され、プログラムによってモータ制御が実行される。なお、コントロールユニット130には、バッテリ114からイグニッションスイッチ16及び接点113を介して電源が供給される。
このような電動パワーステアリング装置において、モータ120やモータ120を駆動するモータ駆動回路(例えば、インバータ)などに用いられるFETやIGBTなどの発熱体は、電流を通電することによって発熱し焼損に至る場合もあるので、モータやFETなどの温度を推定して、それらが焼損しないように、通電する電流を制限したり、或いは電源を遮断して保護している。
そのような温度推定及び保護に関する従来の技術について特許文献を用いて以下説明する。特許文献1では、温度センサで検出される周囲温度を初期値として、通電電流によって発生する発熱によるモータやFETの温度上昇分を初期値(周囲温度)に加算することによって、温度センサで検出できないモータの巻線やFETの接合部の絶対温度を推定し、それらを焼損などから保護している。一般的に、温度センサは温度推定するモータの巻線から離れた場所に設置されており、又、FETの場合は、FETが設置される同一基板上に設置される場合が多いが、FETには冷却フィンなどが取り付けられているので、通電された後に充分冷却時間を置かないと温度センサの検出温度と推定される部分の温度とには大きな温度差がある。
言い換えれば、充分冷却時間を置いた後の通電開始時は、温度センサの温度と温度推定されるモータやFETの温度が同じであるので、温度センサの検出温度を温度推定の初期値として使用しても良い。このような温度推定は、継続して温度推定をしている場合は正しい温度推定を期待できるが、温度推定を継続できない以下のような場合には正しい温度推定を期待できない。
例えば、車庫入れ時に長時間ハンドルの急な切り返しを繰り返し実行すると、大電流が相当時間通電されるために、モータやFETは激しく発熱し温度が著しく上昇する。車庫入れが終了するとイグニッションスイッチ(以下IGSWと記す)がOFFされ、その結果、温度推定も一時中断される。そして、短時間後、再びIGSWをONして車庫出しのためのハンドルの切替えし操作を再開すると、モータの巻線やFETの接合部の温度は、まだ十分冷却されていないにも拘わらず、温度センサが検出する周囲温度を初期値として温度推定を開始する。温度推定は基本的に通電電流による温度上昇分を初期値に加算して推定しているため、温度センサの検出温度である周囲温度をモータやFETの温度推定の初期値として推定したモータやFETの推定温度は実際のモータやFETの温度と比較して低い温度が推定される。その結果、モータやFETを焼損する恐れがある。
そこで、特許文献2では、電源を一時遮断しても、冷却されて推定温度が所定温度以下になるまで、或いは推定温度と温度センサの検出温度との温度差が所定値以下になるまで、温度推定を継続する温度推定方式をとっている。上述した車庫入れのような場合には、電源を一時遮断し再び電源を投入するようなIGSW操作を実行しても、モータやFETが十分冷却するまで温度推定は継続され、正しい温度推定ができる。
また、特許文献3では、電源を遮断した後、温度推定を継続するとバッテリ電源を消費するので、電源を遮断する直前の推定温度を電力の供給無しにデータ保持が可能な不揮発性記憶手段(例えば、EEPROM)に記憶させて後で電源遮断して温度推定は中断させる。そして、電源を再投入した場合は、EEPROMから電源遮断時の高温の推定温度を温度推定の初期値として読み出して温度推定を再開する方式をとっているので、モータやFETを焼損しないような温度推定になっている。
特開平11−286278号公報 特開2002−362393号公報 特開2001−138928号公報
上述したような電源を遮断することが予め判明している場合は、電源遮断の信号を用いて、温度推定を継続したり、或いはEEPROMなどの不揮発性記憶手段に推定温度を記録させるなどの温度の誤推定防止対策が可能である。しかし、エンジンストール(以下エンストと記す)が発生した後クランキングしたとき、バッテリの蓄電量が少ない場合、セルモータの始動時に大電流が流れることによって一瞬バッテリ電源の電圧が大きく低下して、CPUが一瞬の電圧低下のためにリセットされる。その結果、推定温度までリセットされてしまい、クランキングの後直ぐにバッテリ電圧は復帰するが、復帰した後に再開する温度推定に基準温度が必要となる。ところで、エンストが発生した場合、必ずしも電源を遮断し再び電源を投入する(IGSWをOFFした後にONする動作)とは限らないので、電源遮断することなくクランキングが発生するとEEPROMに記憶される前に推定温度がリセットされ基準温度としての推定温度が失われる。そこで、基準温度を温度センサの検出温度にすると、エンスト前のハンドル操作などでモータやFETの温度が上昇しており、クランキング程度の時間では十分冷却されていないのにも拘わらず、温度センサの検出する低い温度を基準温度として温度を推定すると温度的に余裕があると誤算してモータやFETを焼損させるなどの問題がある。
本発明は上述のような事情から成されたものであり、本発明の目的は、クランキングのような場合に発生する電源電圧低下時にも、基準温度を焼損などを防止できる安全な温度に設定して、モータやモータ駆動回路の発熱体の焼損を防止できる温度推定が可能な電動パワーステアリング装置を提供することにある。
本発明は、車輌の操舵系に操舵補助力を付与するモータと、前記モータ又はモータ駆動回路の発熱体の推定温度Tsを算出する温度推定手段と備えた電動パワーステアリング装置に関するものであり、本発明の上記目的は、電力供給が無くても記憶していることが可能な不揮発性記憶手段と、前記車輌のエンジン回転数Nを検出してトリガー信号を出力するエンジン回転数検出手段と、前記モータ又は前記発熱体の周囲温度Taを検出するための温度センサとを備え、前記エンジン回転数検出手段は、前記車輌のエンジン始動後において、イグニッションスイッチがオンしている状態で、前記エンジン回転数Nが予め設定された所定回転数Ns以下になった時に前記トリガー信号を発生し、前記周囲温度Taと前記不揮発性記憶手段が記憶している推定温度のうちの高い方を前記推定温度を算出するための初期値Tiとして前記温度推定手段に入力し、前記温度推定手段で推定された前記推定温度Tsを前記トリガー信号に基づいて前記不揮発性記憶手段に記録することによって達成される。また、本発明の上記目的は、電力供給がなくても記憶していることが可能な不揮発性記憶手段と、前記電動パワーステアリング装置の電源電圧値Vを検出してトリガー信号を出力する電圧検出手段と、前記モータ又は前記発熱体の周囲温度Taを検出するための温度センサとを備え、イグニッションスイッチがオンしている状態で、前記電圧検出手段は前記電源電圧値Vが予め設定された所定定電圧値Vs以下になった時に前記トリガー信号を発生し、前記周囲温度Taと前記不揮発性記憶手段が記憶している推定温度のうちの高い方を前記推定温度を算出するための初期値Tiとして前記温度推定手段に入力し、前記温度推定手段で推定された前記推定温度Tsを前記トリガー信号に基づいて前記不揮発性記憶手段に記録することによって達成される。また、本発明の上記目的は、前記温度推定手段が推定を終了する時の推定温度Tsを前記不揮発性記憶手段に記録することによって達成される。
本発明の電動パワーステアリング装置によれば、エンストなどの場合、エンジンの回転数が低下するのでエンジン回転数が所定回転数以下になった場合は、推定温度を電力供給が無くても記憶していることが可能な記憶手段に記録させ、エンストの後に発生することが多いクランキングが発生してCPUがリセットされても、温度推定の基準値を温度センサの検出温度ではなく、検出温度より高温である前記記憶手段に記録された推定温度を読み出して温度推定を継続できるので、モータやモータ駆動回路の発熱体を焼損等から保護できる又、モータトルク定数の推定温度による補正も可能となり最適なアシストトルクを提供できる効果がある。
本発明の実施例を図を参照しながら以下説明する。図1は、本発明に係る制御ブロック図で、コントロールユニット130の内部を中心に描かれている。まず、電動パワーステアリング装置の基本制御を最初に説明して、その後で本発明の要部である温度推定に関する説明を行なう。
トルクセンサ110によって検出されたトルク値Trと車速センサ112で検出された車速Velとが電流指令値演算部200に入力され、電流指令値Irefが算出される。一方、モータ電流検出回路210によってモータ電流Imが検出され、減算部202において、電流指令値Irefとモータ電流Imとの偏差ΔIが算出され、比例積分部204に入力される。比例積分部204から出力される電圧指令値Vref(デューティ比)は、PWM制御部206に入力されて、PWM信号が出力される。モータ駆動回路208として、一例としてFETなどのスイッチング素子から構成されるインバータなどが用いられる。インバータはPWM信号に基きPWM制御され、モータ120へモータ電流Imがモータ駆動回路208から供給され、操行ハンドル101が所望した操舵補助力がモータ120によって付与される。なお、バッテリ114から接点113を介してコントロールユニット130に電源が供給され、モータ駆動回路208の電源でもあり、コントロールユニットの制御電源でもある。以上が電動パワーステアリング装置の基本制御である。
しかし、上述したように、モータ120の巻線やコア磁性体、或いはモータ駆動回路のFETなどは過熱によって特性が変化したり、焼損したりするので温度を推定して過熱保護する必要がある。過熱保護の一例として、過熱保護手段224が設けられ、過熱保護手段224は温度推定手段10が出力した推定温度Tsを受けて、その推定温度Tsに応じて電流指令値演算部200の出力する電流指令値Irefに制限を課するなどの過熱保護を実施する。また、過熱保護を行なうために温度センサ12がモータ駆動回路208としてのインバータを構成するFETが取り付けられている基板上に取り付けられ、コントロールユニット130の周囲温度Taとして検出している。
本実施例では、モータ120の周囲温度も温度センサ12の検出する周囲温度Taと同一温度として温度推定を行なう場合について説明するが、モータ120の周囲温度を別に検出するためモータ120に温度センサを別に取り付けて、例えば、モータ120の内部に温度センサを別に取り付けて、その温度センサの検出温度をモータ120の周囲温度としてモータ120の温度推定を行なえば、本実施例より精度の良いモータの温度推定ができる。
まず、車輌状態を検出してトリガー信号を出力する車輌状態検出手段が、エンジン回転数を検出して所定回転数より遅いか否かを判定してトリガー信号を出力する実施例について説明する。
エンジン回転数検出手段14で検出されるエンジン回転数Nと、イグニッションスイッチ(以下IGSWと記す)16からIGSW16のON或いはOFFを示すIG信号とが、温度センサ12で検出された周囲温度Taとともに温度推定手段である温度推定部10に入力される。また、電力供給が無くても記憶していることが可能な不揮発性記憶手段としてのEEPROM18がコントロールユニット130内に配され、EEPROM18へ温度推定部10が推定した推定温度Tsが書き込まれたり、書き込んだ推定温度TsがEEPROM18から読み出される。
このように構成された実施例の動作を図2から図5のフローチャートを参照して説明する。
図2のフローチャートは温度推定の基本フローチャートである。まず、IGSW16がONするとIGのON信号が読み込まれ(S11),CPUがイニシャライズされる(S12)。次に、温度推定演算が初期化される(S13)。この温度推定演算の初期化をする温度推定初期化処理は図3を用いて後で詳細に説明する。次に、電動パワーステアリング装置のアシスト制御が実行される(S14)。次に、温度を推定して推定温度Tsを算出する温度推定演算が実行される(S15)。この温度推定演算処理は図4を用いて後で詳細に説明する。
次に、算出された推定温度Tsに基いて過熱保護の処理を実行する(S16)。過熱保護の方法の一例として、推定温度Tsが過熱保護の保護温度、例えば180℃より高温であるか否かを判定し、推定温度Tsが保護温度180℃より高温であれば、電流指令値Irefを制限して、モータやFETに流す電流を制限する、或いは、FETを全てOFFにしてモータへの電流を遮断する方法もある。
次に、IGSW16がOFFか否かを判定する(S17)。IGSWがONであれば、アシスト制御(S16)の前に戻って、S14,S15,S16の各ステップを繰り返す。IGSW16がOFFであれば、温度推定終了処理を実行する(S18)。
まず、上述した温度推定初期化処理を図3を参照して説明する。温度センサ12が検出した周囲温度Taを読み込む(S131)。次のEEPROM18が記憶している記録温度Tepを読み込む(S132)。周囲温度TaとEEPROM18の記録温度Tepのどちらが高温かを判定する(S133)。周囲温度Taが記録温度Tepより高温であれば、温度推定の初期値Tiとして周囲温度Taを使用する(S134)。記録温度Tepが周囲温度Taより高温であれば、温度推定の初期値Tiとして記録温度Tepを使用する(S135)。このように、記録温度Tepが周囲温度Taのうち高温の方を初期値として使用することにより、後述する温度推定の原理によりモータやFETの焼損などを防止できる。
図4を参照して、温度推定演算処理について説明する。まず、温度推定値Tsを算出する(S151)。この温度推定方法の一例として、初期値Tiを基準として、通電電流によって発熱した温度上昇分ΔTを初期値に加算する方式でモータやFETの絶対温度を推定する。初期値Tiに温度上昇分ΔTを加算する演算方法は色々あり、例えば、特許文献(特開平10−100913)などで開示されている。
次に、エンジン回転数検出手段14が検出したエンジン回転数Nを読み込む(S152)。次に、このエンジン回転数Nと予め設定された所定回転数Ns、例えば、500rpm以下になったを判定する(エンジン回転数Nが、500rpmを高速回転側から低速回転側へ横切ったかを判定する)(S153)。エンジン回転数Nが所定回転数Nsより高速の場合は、そのまま温度推定演算処理を終了する。しかし、エンジン回転数Nsが所定回転数Nsより低速回転になった場合には、車輌状態検出手段のトリガー信号が出力されたとして、前記推定温度TsをEEPROM18に記録温度Tepとして書き込む(S154)。
このエンジン回転数が所定回転数より低速回転になったときに、EEPROMに推定温度Tsを書き込むことが本発明の重要なポイントである。つまり、エンスト後のクランキングによる電源電圧低下が発生しても、すでに推定温度TsはEEPROMに記録温度Tepとして書き込まれているので、電源電圧低下によってCPUがリセットされても、推定温度Tsが失われることはない。さらに、モータやFETが充分冷却されないうちにIGSWを再びONして温度推定を再開したとしても、周囲温度Taより記録温度Tepが高温であれば、温度推定の初期値Tiとして高温の記録温度Tepを用いるので、モータやFETの温度を正しく推定でき、モータやFETを焼損から保護することが可能となる。
図5を参照して、温度推定終了処理について説明する。IGSW16がOFFされた後に直ちに温度推定を終了すると、IGSW16をOFFした後に、モータやFETが充分冷却されないうちにIGSW16をONさせ温度推定を再開したとき、初期値Tiが温度センサの検出した周囲温度Taを使用してモータやFETを焼損させる恐れがあるからである。IGSW16がOFFされた後に(S17)、温度推定の継続を終了できる判定条件として、例えば、推定温度Tsと温度センサの検出した周囲温度Taとの温度差が10℃(ΔT10と記す)以下になるまで温度推定を継続する。
よって、温度推定値の算出をする(S191)。推定温度Tsと温度センサの検出した周囲温度Taとの温度差がΔT10以下であるか否かを判定する(S192)。温度差ΔTがΔT10以上であれば(YES)、温度推定を継続する。一方、温度差ΔTがΔT10以下であれば、温度推定を終了して、温度推定演算の初期値として用いる所定初期温度、例えば、−40℃(温度センサが検出できる最低温度である。以下、T(−40)と記す)をEEPROMに記録温度Tepとして書き込み(S193)終了する。このステップは、モータやFETが充分冷却されてからIGSWがONされる通常の温度推定において、ステップS133の温度推定の初期値として温度センサが検出した周囲温度Taを初期値Tiとして使用するための処置である。
このように温度推定終了処理をすれば、IGSWがOFFされた後で、モータやFETが充分冷却されないうちにIGSWがONされてもモータやFETを焼損から保護できる。
次に、車輌状態を検出してトリガー信号を出力する車輌状態検出手段が、電源電圧値を検出して所定電圧値より低いか否かを判定してトリガー信号を出力する実施例について説明する。
バッテリ114の電圧を入力とする電圧検出手段20が設けられ、電圧検出手段20は検出した電源電圧値Vを温度推定部10へ入力する。
車輌状態を検出してトリガー信号として電源電圧値Vを利用した場合の温度推定演算のフローチャートを図6に示す。なお、実施例2においても、図2に示す温度推定基本、図3に示す温度推定初期化のフロー、図5に示す温度推定終了処理のフローは実施例1と共通である。つまり、実施例1の図4のエンジン回転数を利用した場合の温度推定演算に代わって、図6に示す電源電圧値を利用した場合の温度推定演算が実行される。
まず、温度推定算出をして推定温度Tsを算出する(S151A)。次に、電圧検出手段20の検出する電源電圧値Vと予め設定された所定電圧値Vs、例えば、7Vと比較する(S153A)。電源電圧値Vが7Vより高ければ温度推定演算処理を終了する。しかし、電源電圧値Vが7Vより低い場合は、車輌状態検出手段のトリガー信号が出力されたとして、推定温度TsをEEPROMに記録温度Tepとして書き込む(S154A)。
上述したように、推定温度TsをEEPROMに記録しておけば、クランキングによる電源電圧の低下によってCPUがリセットされる場合でも、CPUがリセットされる前に、推定温度TsをEEPROMに記録できるので、クランキング後直ちにIGSWをONしても、十分冷却されていないモータやFETの温度を正しく検出できモータやFETを焼損から防止できる。
なお、電源電圧低下で推定温度をEEPROMに書き込む場合は、CPUがリセットされる前に正常に書込みを終了できるように、所定電圧値Vsを充分高めに設定する、或いはCPUとEEPROMの電源を書込みできるだけ電源強化しておくことは言うまでもない。
以上説明したように、本発明を用いれば、エンスト後のクランキングによる電源電圧低下によるCPUリセットが発生しても、エンジン回転数を検出してエンジンが所定回転数以下になれば、或いは、電源電圧が所定電圧値以下になれば、温度推定していた推定温度Tsが電力が供給されなくても記憶可能なEEPROMに記録され、再びIGSW16がONになった時に、EEPROMから読み出された温度Tepと温度センサが検出する周囲温度Taとで高温の方を温度推定演算の初期値として使用するので、モータやFETが高温であるにも拘わらず低温と誤算して焼損することのない安全な電動パワーステアリング装置を提供できる。特に、エンスト後にIGSW16をOFFさせなくても、本発明では、エンジン回転数を検出して、或いは電源電圧値を検出して、EEPROMの書込みをするので、確実に演算中の推定温度Tsを記録することができる効果がある。
また、モータの推定温度Tsは、過熱保護に利用するだけでなく、トルク定数(Kt)の補正にも利用して最適なアシストトルクの発生を可能にすることができる。具体的には、図1において、温度推定手段10で推定された推定温度Tsがモータ120のトルク定数(Kt)補正手段226に入力されて、トルク定数補正手段226において、トルク定数は推定温度Tsを用いて補正され、補正されたトルク定数は電流指令値演算部200に入力される。その結果、最適なアシストトルクを発生するための電流指令値Irefが電流指令値演算部200で算出される。以上説明したように、モータの推定温度Tsを用いてトルク定数の補正を実施して最適なアシストトルクを提供することができる。
なお、以上の実施例では、モータ駆動回路の発熱体として、FETを例にとって説明したが、FETでなくてIGBTであっても良いし、また、スイッチング素子より高温になる部品や部分があれば、その部品や部分を保護対象とすることは言うまでもない。
本発明に係る制御ブロック図である。 本発明に係る基本フローチャートである。 温度推定初期化のフローチャートである。 エンジン回転数を使用した場合の温度推定演算のフローチャートである。 温度推定終了処理のフローチャートである。 電源電圧値を使用した場合の温度推定演算のフローチャートである。 電動パワーステアリング装置の構成図である。
符号の説明
10 温度推定手段
12 温度センサ
14 エンジン回転数検出手段
16 イグニッションスイッチ
18 EEPROM
20 電圧検出手段
224 過熱保護手段
226 トルク定数補正手段

Claims (4)

  1. 車輌の操舵系に操舵補助力を付与するモータと、前記モータ又はモータ駆動回路の発熱体の推定温度Tsを算出する温度推定手段とを備えた電動パワーステアリング装置において、
    電力供給が無くても記憶していることが可能な不揮発性記憶手段と、前記車輌のエンジン回転数Nを検出してトリガー信号を出力するエンジン回転数検出手段と、前記モータ又は前記発熱体の周囲温度Taを検出するための温度センサとを備え、
    前記エンジン回転数検出手段は、前記車輌のエンジン始動後において、イグニッションスイッチがオンしている状態で、前記エンジン回転数Nが予め設定された所定回転数Ns以下になった時に前記トリガー信号を発生し、前記周囲温度Taと前記不揮発性記憶手段が記憶している推定温度のうちの高い方を前記推定温度を算出するための初期値Tiとして前記温度推定手段に入力し、前記温度推定手段で推定された前記推定温度Tsを前記トリガー信号に基いて前記不揮発性記憶手段に記録することを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記温度推定手段が推定を終了する時の推定温度Tsを前記不揮発性記憶手段に記録するようになっている請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 車輌の操舵系に操舵補助力を付与するモータと、前記モータ又はモータ駆動回路の発熱体の推定温度Tsを算出する温度推定手段とを備えた電動パワーステアリング装置において、
    電力供給がなくても記憶していることが可能な不揮発性記憶手段と、前記電動パワーステアリング装置の電源電圧値Vを検出してトリガー信号を出力する電圧検出手段と、前記モータ又は前記発熱体の周囲温度Taを検出するための温度センサとを備え
    イグニッションスイッチがオンしている状態で、前記電圧検出手段は前記電源電圧値Vが予め設定された所定定電圧値Vs以下になった時に前記トリガー信号を発生し、前記周囲温度Taと前記不揮発性記憶手段が記憶している推定温度のうちの高い方を前記推定温度を算出するための初期値Tiとして前記温度推定手段に入力し、前記温度推定手段で推定された前記推定温度Tsを前記トリガー信号に基いて前記不揮発性記憶手段に記録することを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  4. 前記温度推定手段が推定を終了する時の推定温度Tsを前記不揮発性記憶手段に記録するようになっている請求項3に記載の電動パワーステアリング装置。
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