JP4524748B2 - 光モニタならびにそれを用いた光モニタアレイおよび光システム - Google Patents

光モニタならびにそれを用いた光モニタアレイおよび光システム Download PDF

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Description

本発明は、光通信システムや光パワー伝送システムにおいて、光信号若しくは光パワーの監視に用いられる光モニタに関する。
光通信システムや光パワー伝送システムにおいては、それらのシステムの動作状況を監視する必要がある。より具体的には、光アンプ(増幅器)、光アッテネータ(減衰器)、光ゲインイコライザ(増幅・減衰器)等の光信号処理機における光パワーの大きさの監視や、光切替装置における切替経路を確認する必要がある。
このような要求を実現する単純な構成は、入射通信光を光ファイバカプラ等の光合分波器で出射通信光とモニタ光に分岐した後、モニタ光を伝搬する光ファイバの先に受光素子を配置することで通信光をモニタする構成である。しかしながら、このような構成では、光モニタの小型集積化への要求に答えることが難しい。
小型集積化への要求に対しては、例えば特許文献1には以下のような光導波路デバイスが開示されている。光導波路が形成された光導波路プラットフォームの上部に、光導波路方向と直角方向に切り欠き(溝)等による不連続部分を設け、前記溝を覆うように光検出器を実装する。光導波路の光不連続部分から取り出される信号光の一部が光検出器の受光素子で検出される。光導波路の光不連続部分から信号光を取り出す方法の一例として、クラッド層に溝を形成しコア層を露出したり、その溝に高屈折率の誘電体を装荷して信号光の一部を漏れ波として取り出す方法が示されている。
光ファイバデバイスに関しては、特許文献2に以下のような構成が開示されている。基板の一方の面からクラッドの一部がはみ出た状態で、湾曲保持した光ファイバのクラッドはみ出し部分を削り、除去し、光学的結合平面を形成する。この光学的結合平面上に、高屈折率層を配置することでコアを伝搬する光信号の一部を光検出器へ漏洩させてモニタする。
特開2001−13339号公報 米国特許第6744948号明細書
光通信網は光ファイバで構成されているので、光導波路デバイスは、光ファイバデバイスに比べ、光通信網と接続した時の損失が大きくなり易い。また、上記従来例において、取り出された光は必ずしも効率的に受光されているとは言えなかった。例えば、受光素子の手前に空隙層が存在する構成では、コアから取り出された光が伝搬し難いので効率よく受光し難いという問題がある。また、コア層自体に溝を設けた構成では、損失が大きくなる。
また、特許文献2に開示された構成においては、湾曲させた光ファイバの一部を削り除去することで光学的結合平面を形成するので、光信号の取り出し量を決める光学的結合平面の形成自由度は、光ファイバの湾曲のさせ方で制限される。そのため、最適形状の加工が出来ない場合がある。具体的には、光ファイバを深さ方向にはコア近辺まで深く、長さ方向に短く加工する場合、光ファイバの曲げ半径を小さくする必要があり加工が難しい。その結果、光モニタ作製時に低挿入損失化や高受光効率化などが不十分となることが懸念される。さらに光ファイバに一定の湾曲を要求するので、小型化に不利である。また、光ファイバあるいは光ファイバを固定している基板と受光素子が一定の傾きをもった立体的構成は、傾きの制御の困難さが特性を悪化させる可能性があった。
本発明は、上記の課題に鑑み、光ファイバで構成した小型でかつ低挿入損失でかつ高受光効率の光モニタ並びにこれを用いた光モニタアレイ及び光システムを提供することを目的とする。
[1]本発明は、光ファイバのコアを伝搬する光の一部を光検出器で受光する光モニタにおいて、光ファイバのクラッドの一部がコアの屈折率以上の屈折率を有する置換材料で、光ファイバの中心軸に対し平行な底部と光ファイバの長手方向において当該底部の両端から光ファイバの外周面に向かい伸びた面状の端部とを有する切り欠き状に置換された置換領域を有し、前記光ファイバの中心軸に対し受光面がほぼ平行に配置された前記光検出器の受光素子の中心は、前記置換領域の光ファイバ長手方向の端部よりもコア伝搬光の進行方向前方側に位置するとともに前記光検出器の受光素子と前記光ファイバの外周面との間隙にはクラッドの屈折率以上の屈折率を有する充填材料が充填され、前記置換材料の屈折率n o と前記コアの屈折率n c に対して、
Δn=(n o −n c )/n c ×100[%]
で定義される屈折率差比Δnが0.65%以上であり、
さらに、前記置換領域はコアと最も近接している部分としてコアとの間隔が1μm以上かつ2μm以下である底部を有し、前記Δn、前記底部の光ファイバ長手方向の長さL0および前記受光素子の光ファイバの長手方向の長さLaとが、
0.024×Δn+0.21≦L0/La≦0.081×Δn+0.29
の関係を有し、
加えて、前記光ファイバから前記置換領域へ漏れ、前記置換領域の端部と前記光ファイバのクラッドとの界面を透過し、当該クラッドを伝搬した漏洩光を前記光検出器で受光することを特徴とする光モニタである。かかる構成によって、光ファイバのクラッドの置換領域で漏洩させた光を受光素子で効率よく検出することができるため、光ファイバで構成した小型、低挿入損失かつ高受光効率の光モニタが実現でき、さらに、光ファイバのクラッドの置換領域で漏洩させた光を受光素子で効率よく検出することができるため、光ファイバで構成した小型、低挿入損失かつ高受光効率の光モニタが実現できる。
[2]また本発明は、前記底部の光ファイバ長手方向の中心と前記いずれかの光検出器の受光素子の光ファイバ長手方向の中心を結ぶ直線と前記コアの延設方向がなす角度θ[°]が、前記置換材料の屈折率noと前記コアの屈折率ncに対して、
Δn=(no−nc)/nc×100[%]
で定義される屈折率差比Δnに対し
1.13×Δn+5.5≦θ≦1.13×Δn+11
であることを特徴とする前記[1]に記載の光モニタである。かかる構成によって、受光効率に優れた、小型、低挿入損失かつ高受光効率の光モニタが実現できる。
[3]また本発明は、前記[1]〜[2]のいずれかに記載の光モニタを2個以上用いたことを特徴とする光モニタアレイである。かかる構成によって、光ファイバで構成した小型、低挿入損失かつ
高受光効率の光モニタアレイを提供することが可能となる。
[4]また本発明は、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の光モニタを光伝送用の光ファイバに接続し、前記光ファイバで伝搬される光信号の強度を検知することを特徴とする光システムである。かかる構成によって、光システム全体の小型化、低損失化を図ることができる。
本発明によれば、光ファイバで構成した小型でかつ低挿入損失でかつ高受光効率の光モニタ並びにこれを用いた光モニタアレイ及び光システムを実現できる。
以下、本発明の実施の形態を、図を参照しつつ説明する。なお、これら実施例により本発明が限定されるものではない。
図1は本発明の光モニタの第1の構成例を示す概略図である。図1(a)は光モニタ側面の断面図に相当する。図1(b)は図1(a)におけるA-A´断面の断面図に相当する。本発明の光モニタ100は光ファイバ101と光検出器102を有する。光ファイバ101は直線配置されている。直線配置することが、光モニタの小型化に有利である。光検出器102は該検出器の受光素子109の受光面の法線が光ファイバ101の軸と直交するように、すなわち受光素子の受光面が光ファイバの軸と平行に配置されている。受光素子の受光面と光ファイバの軸との角度が大きくなると、検出器高が高くなってしまう。例えば長さ1mmの受光素子を用いた場合に、受光素子の傾きによる高さの増加を0.2mm未満に抑えるためには、受光面と光ファイバとの角度は10°未満とすることが好ましい。受光素子の受光面と光ファイバの軸とは平行であることがより好ましい。かかる構成とすることで、光モニタの低背化・小型化が図られるとともに組み立てが簡略化される。ここで光ファイバ101はシングルモード対応の光ファイバでも、マルチモード対応の光ファイバでも良い。あるいはガラス製光ファイバであってもプラスチックファイバであっても良い。光検出器102は裏面、即ち受光素子109が配置されていない面、に受光した光を電気信号として検出するための電気信号用端子を有する。ただしこの端子は図示していない。光ファイバは基板上に配置されていることが望ましい。ただし、該基板の図示は省略した。該基板には光ファイバを整列させる溝が形成されていることが望ましい。該基板と前記光検出器とで、前記光ファイバを挟み込む構成とすることは、光モニタの小型化において望ましい。図示した光モニタを内包するパッケージ部材についても図示を省略した。
光ファイバ101のクラッド105の一部を切り欠き状に除去し置換領域106とする。前記切り欠き状とは、光モニタを構成した状態で切り欠き形状を有していることを意味し、置換領域を切り欠き状とすることで、光の漏洩を該部分に集中させ、それ以外の部分からの無駄な漏洩を防ぐことができる。該置換領域106はコア103よりも大きな屈折率を持つ置換材料で充填する。ここで、光ファイバは、クラッドの屈折率がコアの屈折率よりも若干低いので、コア内に光信号を閉じ込め伝搬させることができる。ただし、光信号はコア内だけに閉じ込められているのではなく、一部がコア周辺のクラッドへ、エバネッセント光としてしみ出している。そのためエバネッセント光がしみ出しているコア周辺のクラッドを、コアの屈折率以上の屈折率を有する置換材料で置換することで、光ファイバを伝搬するの伝搬光104を、光ファイバ外部へ漏洩光108として取り出すことができる。前記コアに近接する置換領域の底部の光ファイバ長手方向の中心を、置換領域の光ファイバ長手方向の中心とする。
切り欠き状の置換領域106はコア103を伝搬する伝搬光104のエバネッセント光部分と相互作用して、漏洩光108を発生させる。置換材料は、硬化性の材料でも、非硬化性の材料でも良い。例えばガラスや樹脂やオイルなど、あるいはそれらを複合した材料などを用いることが可能である。置換材料を樹脂またはオイルなどの液体とすることは、置換領域106への充填を容易とし、検出部以外への光の漏洩や光の伝搬の妨げの原因となる空隙を生じ難くするので望ましい。また、熱あるいは紫外線等に対し硬化性を持つ樹脂を使用することは、クラッド内の置換領域を該樹脂で置換した後、硬化させることで、所望の形状を維持させることが可能である点で有利である。
置換領域106の光ファイバ軸方向の断面形状の例として以下に定義するかまぼこ型、または疑かまぼこ型などがある。かまぼこ型とは、円柱を、円の中心軸に平行かつ円の中心を通らない平面で切断したときの円の中心軸を含まない方の形状と定義した。図1(b)で示した置換領域106はかまぼこ型の一例である。このとき、かまぼこ型の平面部分がコア103に近接する配置となる。また、このとき、かまぼこ型の平面部分の光ファイバ長手方向の中心を、置換領域106の中心とする。また、疑かまぼこ型とは、円柱を円の中心軸に平行かつ円の中心を通らない曲面で切断したときの円の中心軸を含まない方の形状と定義した。このとき、疑かまぼこ状型は、かまぼこ型の平面が曲面である形状となる。図2で示した置換領域106は疑かまぼこ型の一例である。
置換領域のクラッドの除去には例えば各種ウェットエッチング工程やドライエッチング工程が利用できる。ウェットエッチングにおけるエッチャントの一例としてはフッ化アンモニウム(NH4F)、ドライエッチングにおけるエッチャントの一例としてはCF4やSF4が考えられる。いずれの場合も、エッチングしたくない部分を保護材料でマスキングして、必要な部分だけをエッチングによって除去加工する。適正な条件下で実施するエッチングにより、優れた寸法精度の加工が実現できる。あるいは、ダイシング等の精密機械加工で置換領域のクラッドを除去しても良い。
受光素子109には、できるだけ多くの漏洩光108を受光させることが好ましく、もれなく受光することが望ましい。現実的には、受光素子109の表面積を大きくすることで、受光可能な漏洩光108を増大させることはできる。しかしながら、受光素子109の面積を大きくすると、該受光素子109の暗電流が増加する。暗電流の増大は、受光パワーの測定精度に悪影響を及ぼすので望ましくない。このため、受光素子109の面積はできるだけ小さい方が良い。
受光素子109を大きくすることなく、受光パワーを増大させるには、漏洩光108の伝搬位置に受光素子109を配置すればよい。検討の結果、漏洩光108は、図1(a)に示すように、コア103から徐々に遠ざかるように伝搬していくことが判った。また、図示していないが、漏洩光108が置換領域106とクラッド105との界面に達した場合、伝搬方向をほとんど変えることなく該界面を透過し、伝搬し続けることが判った。従って、漏洩光108の光ファイバ外部での伝搬位置は、置換領域の光ファイバ長手方向の中心位置よりも前方であり、置換領域106の端部よりも前方に位置する場合もある。これに合わせて、受光素子109の中心は、置換領域の光ファイバ長手方向の中心位置よりも前方、場合によっては、伝搬領域106の端部よりも前方とすることで、効率良く漏洩光108を受光することができる。
光検出器102の受光素子109はなるべく光ファイバ101に近接して設置することが好ましく、より好ましくは光ファイバ101または置換領域に接して設置する。光検出器102の受光素子109と光ファイバ101との間隙は、クラッド105の屈折率以上の屈折率を有する充填材料114で充填することが好ましい。漏洩光108が屈折率の高い材料から、屈折率の低い材料へと伝搬するとき、大きな反射を伴うので、受光素子で受光される光パワーが低下する。しかしながら、光検出器102の受光素子109と光ファイバ101との間隙をクラッド105の屈折率以上の屈折率を有する充填材料114で充填することで、漏洩光108の伝搬経路には空隙あるいは極端に屈折率が小さい材料が存在せず、受光素子109で高い受光効率が得られる。
充填材料114は前記置換材料と同一の材料を用いることが望ましい。充填材料114と置換材料を同一とすることで、材料数の削減や工程の簡略化が可能となる。別の望ましい形態として、充填材料114を用いて、光ファイバ101と光検出器102を接着固定することは、工程の簡略化に有利である。さらに望ましくは、充填材料114を前記置換材料と同一の材料とし、かつ、該充填材料を用いて光ファイバ101と光検出器102を接着固定することが望ましい。これにより不要な反射や散乱を防止するとともに、材料数の削減や更なる工程の簡略化が可能となる。
受光効率の向上には、光ファイバ101と光検出器の受光素子109との間隙に充填した材料114の厚さを薄くして、光検出器102をできる限り光ファイバ101に近接させることが望ましい。充填材料114を薄くすれば、充填材料114で吸収・散乱等による漏洩光108の損失を抑制でき、より強い漏洩光を受光素子109で受光できる。このとき、光検出器102と光ファイバ101が接触しても良い。
以下、光モニタの好適な寸法について説明する。光モニタはコアを伝搬する信号光にできるだけ影響を与えず、かつ信号光を精度良くモニタすることが要求される。この要求は挿入損失ILと受光効率Rで表現できる。挿入損失ILとは伝搬光104の損失を表すパラメータであり、一般に漏洩光108が大きいほど、挿入損失ILは大きい。受光効率Rは漏洩光がどれだけ効率良く受光素子109で受光できたかを表すパラメータであり、1に近いほど高効率である。デバイスへの入力光パワーをPin、デバイスからの出力光パワーをPout、漏洩光パワーをPleak、受光パワーをPrecとすると、両者はそれぞれ次式で表される。
IL=−10log(Pout/Pin)=−10log((Pin−Pleak)/Pin)
R=Prec/Pleak
挿入損失ILが大きいとコア103を伝搬する伝搬光104の損失が大きいので望ましくない。一方で挿入損失ILが小さ過ぎると、漏洩光108も小さくなり受光素子109での受光パワーが低下し、モニタ精度が低下するので望ましくない。受光効率Rは極力大きくすることが望ましい。定量的に表現すると
0.3≦IL≦1.0dB かつ 0.8≦R
とすることが望ましい。
置換領域がコアと最も近接している部分を底部とし、底部の光ファイバ長手方向の長さを底部長さL0とする。始めに、底部とコアとの間隔gについて説明する。図3に底部とコア103との間隔gをパラメータとしたときの、底部長さL0と挿入損失ILとの関係を示す。ここで、底部長さL0は50μm未満であると加工精度の確保が困難であり、400μm超であると加工時の強度確保に問題が生じる可能性がある。そこで、底部長さL0は50〜400μmとすることが好ましい。この範囲の底部長さL0に対し、底部とコアとの間隔gを0μm超かつ3μm以下とすることで、受光能の確保と低挿入損失を実現する条件である0.3≦IL≦1.0[dB]が得られる。さらに望ましくは、底部とコアとの間隔gを1μm以上かつ2μm以下とする。
次に受光素子109の光ファイバ長手方向の長さLaに対する底部長さL0の比L0/Laと、前記置換材料とコアとの屈折率差比Δnについて説明する。ここで屈折率差比Δnは置換領域の屈折率をno、コアの屈折率をncとして次式で定義する。
Δn=(no−nc)/nc×100[%]
図4に底部とコアとの間隔gが1μmと2μmの場合において、挿入損失ILと受光効率Rについて0.3≦IL≦1.0 dBかつ0.8≦R を実現する受光素子109の長さLaに対する底部長さLoの比L0/Laと屈折率差比Δnの関係を示す。図中○で示した点においては、底部とコアとの間隔gが1μmと2μmの場合の両方において低挿入損失と高受光効率を両立する。図中×で示した領域においては、底部とコアとの間隔gが1μmと2μmの場合の少なくとも一方において低挿入損失と高受光効率が両立しない。各点の詳細な値は表1に示した。
Figure 0004524748
挿入損失ILと受光効率Rについての望ましい関係である0.3≦IL≦1.0dBかつ0.8≦Rを両立する領域は次式(1)および(2)で表すことができる。
0.024×Δn+0.21≦L0/La≦0.081×Δn+0.29――――(1)
0.65≦Δn ――――――――――――――――――――――――――(2)
従って、ΔnとL0/Laを(1)および(2)式の関係を満たす範囲で選択することで、低挿入損失、高受光効率の光モニタが実現できる。Δnの上限について特に限定しないが、現実的な材料選択をした場合、Δnは17%以下である。
ところでΔnが0%に近い正の値をとるとき、漏洩光108がコア103から遠ざかるときの角度は小さくなる。このため、漏洩光108の伝搬方向と、受光素子109の受光面の法線方向とのずれ角が大きくなる。これは、受光素子109にとっては漏洩光108が拡がったことに相当する。このため、Δnが0%に近い正の値をとるときは、具体的には図4に示した通りΔnが0.65%未満のときは、高受光効率が実現困難となる。このとき、漏洩光108を十分に受光するために、受光素子109を大きくすると、暗電流が増加し受光パワーの測定精度に悪影響を及ぼす。また、高受光効率が実現困難となる別の要因としては、漏洩光108がコア103から遠ざかるときの角度が小さいと、該漏洩光は置換領域106を伝搬後、該置換領域前方のクラッド105を伝搬し、さらにその後充填材料114を通過して受光素子109へと向かう。このとき漏洩光108がクラッド105から充填材料114へと伝搬するときの入射角も小さくなるので、漏洩光108がクラッド105と充填材料114の界面で一部反射されることが挙げられる。
これに対し、置換領域の形状に変更を加えることで、受光効率を改善することが可能であることを見出した。すなわち、置換領域のコア伝搬光の進行方向前方側に、コア延設方向に対して傾斜した傾斜面設けた構造とし、該傾斜面で漏洩光を反射させることで漏洩光を収束させ、受光効率を改善することができる。図5にかまぼこ型の置換領域の前方に傾斜面を設けた構造の一例を示す。傾斜面216はコア伝搬光の進行方向前方側に行くに従ってコア103との間隔が次第に大きくなっていく。このとき漏洩光108の一部は傾斜面216で反射された後、受光素子109で受光される。図6に傾斜面216とコア103とのなす角度θ2と挿入損失ILおよび受光効率Rとの関係を示す。これはΔn=0.27%、L0/La=1/3、g=1μmとしたときの例である。傾斜面とコア103とのなす角度θ2を適切に選択することで、挿入損失の大きな低下を伴うことなく、受光効率を向上させることができる。傾斜面とコア103とのなす角度θ2を3°以上かつ8°以下の範囲とした場合、傾斜部を設けない場合に比べて1.6倍以上の受光効率を得ることができる。
前述の通り、受光素子109の中心は、置換領域の光ファイバ長手方向の中心位置よりも前方とすることで、効率良く漏洩光108を受光することができる。さらに望ましくは、受光効率Rが極大となる位置に受光素子109を配置する。このときの受光素子の位置を最適位置と定義する。図7(a)に屈折率差比Δnと、最適位置に受光素子109を配置したときの、底部の光ファイバ長手方向の中心と該受光素子の中心112とを結ぶ直線とコア103がなす角θ(θはコア延設方向のうち光伝播方向からの角度とする)との関係を示す。同図から屈折率差比Δnと最適受光素子位置の角度θ[°]との間に
θ=1.13×Δn+6.5
の関係があることがわかった。
図7(b)に最適受光素子位置の角度θからのずれΔθ[°]に対する受光パワーを、最適受光素子位置の角度での受光パワーで規格化して示す。高い受光効率を維持するには、図7(b)に示した規格化受光パワーは0.9以上であることが望ましい。さらに望ましくは0.95以上である。Δθを−1°以上かつ+4.5°以下の範囲の値とすることで、規格化受光パワーについて0.9以上が実現できる。さらに望ましくは、Δθを−1°以上かつ+3°以下の範囲の値とすることで、規格化受光パワーについて0.95以上が実現できる。すなわち図7(a)、(b)から、底部の光ファイバ長手方向の中心と受光素子の中心112とを結ぶ直線とコア103がなす角θ[°]は、屈折率差比Δnに対して
1.13×Δn+5.5≦θ≦1.13×Δn+11
とすることが望ましい。θがこの範囲の値となる位置に受光素子を設置することで、規格化受光パワーについて0.9以上が実現できる。さらに望ましくは、角θ[°]を、屈折率差比Δnに対して
1.13×Δn+5.5≦θ≦1.13×Δn+9.5
の範囲の値とすることで、規格化受光パワーについて0.95以上が実現できる。
図8は本発明の光モニタの第2の構成例を示す概略図である。図8は光モニタ側面の断面図に相当する。本発明の光モニタは、図1に記載した第1の構成例の光モニタに対して、第2の受光素子109Bを設けたことを特徴とする。従って、図8に記載した構成例の光モニタは、一本の光ファイバ101を双方向に伝搬する伝搬光104A、104Bからそれぞれ独立に漏洩光108Aと108Bを発生させ、それぞれ独立に受光素子109A、109Bで受光する構成となっている。図8におけるその他の各記号は、図1と同じ内容を示す。また、図8においては、図1同様に、光検出器102の裏面、即ち受光素子109が配置されていない面、に存在する受光した光を電気信号として検出するための電気信号用端子は図示していない。また図示した光モニタを内包するパッケージ部材等についても図示を省略した。
本構成の光モニタを構成する各要素間、即ち底部とコア103との間隔g、受光素子の長さLaに対する底部長さL0の比、置換材料とコア103との屈折率差比Δn、及び受光素子の中心と底部の中心112とを結んだ線とコア103がなす角度θ[°]、の関係は、第1の構成例で説明した関係と同じ関係であることが望ましい。すなわち、底部の光ファイバ長手方向の中心と第2の受光素子109Bの中心とを結ぶ直線とコアとがなす角度は、第1の受光素子の場合とは逆のコア延設方向からの角度である。さらに材料例、作製方法例についても第1の構成例と同様として良い。第2の構成例においては、第1の構成例に対し第2の受光素子を与えた構成とすることで、小型、低挿入損失かつ高受光効率の双方向性光モニタが実現できる。本構成の光モニタは傾斜面216を有する光モニタで構成することも可能である。この場合、置換領域106の前方と後方にそれぞれ傾斜面を構成する。
本発明の光モニタアレイは、本発明の光モニタを2個以上用いることで構成される。本発明に使用する光モニタは低損失なので、それを多数個使用しても光の強度を検知することによる損失が少ないことから低損失のモニタアレイを提供することが可能となる。また、構成する光モニタは、光ファイバの湾曲を必要とせず小型化が実現できるので、それを複数用いてアレイ化することによって全体として小型のアレイを構成することができる。例えば、波長多重信号を分波器によって分波し、それぞれの波長の信号に対して光モニタを設ける場合、複数の光モニタをお互いの長手方向がほぼ平行になるように並列配置してパッケージに収めることで複数組の入出力を有する光モニタとしてもよい。また、前記並列配列については、隣合う光モニタの向きが同じ向きとなるように並列させてもよいし、交互に逆向きとなるように並列させることもできる。
本発明の光モニタを用いた光システムは、本発明の光モニタを光伝搬用の光ファイバに接続して構成され、前記光ファイバで伝搬される光信号の強度をモニタする。本発明によれば、前記光モニタを用いることによって小型、低挿入損失かつ高受光効率の光システムを提供することができる。例えば、光アンプ(増幅器)、光アッテネータ(減衰器)、光ゲインイコライザ(増幅・減衰器)等の光信号処理機においては、該光信号処理機の出力側に、場合によっては入力側にも、光モニタを設置し、該光信号処理機の動作、例えば増幅率や減衰量を確認し、該信号処理機にフィードバックさせる光システムとして構成する。
別の光システム例として、例えば、光切替装置においては、該光切替え装置の出力側経路に、場合によっては入力側経路にも、光モニタを設置し、該光切替装置の動作、例えば切替た経路や適正な経路切替状態の維持を確認し、該光切替装置にフィードバックさせる光システムとして構成する。
本発明の光モニタをこれら、あるいはその他の光信号処理機や光切替装置と組み合わせることで、光システムの光モニタ部分を小型化できるので、光システム全体としての小型化が実現できる。同時に、該システムにおいて、低挿入損失でかつ高受光効率の光モニタ機能を付与することができる。
(実施例1)
本発明の具体的な構成例を以下に示す。基本的な構成は前記図1と同様であるので図1を参照しつつ説明する。光ファイバ101は、クラッド105の直径が125μm、コア103の直径が9μmのシングルモード対応の光ファイバである。光検出器102は受光素子109が直径300μmで、受光感度が1000mA/Wのフォトダイオードを用いる。置換領域106はフッ化アンモニウム(NH4F)をエッチャントとしたウェットエッチングでクラッドを除去して形成し、その底部長さL0は150μm、即ち受光素子長さLaの0.5倍とし、コアと底部との間隔gは2μmである。置換領域106は、コアとの屈折率差比Δnが5.08%の紫外線硬化性樹脂を置換材料として置換する。なお、前記樹脂の屈折率差比Δnは樹脂硬化後の屈折率差比である。前記樹脂の塗布後、受光素子中心110が、底部の中心から233μm前方に位置するように、光検出器102を配置する。このとき底部の中心と受光素子の中心110を結ぶ直線と前記コアがなす角度θは13.5°である。受光素子109と光ファイバ101は、前記樹脂を介して接触させる。このとき、受光素子109と光ファイバ101は幾何学的に線接触するが、図1(b)および図2に示した様に、線接触しない部分にも前記樹脂が行き渡るように、樹脂を塗布し、その後、前記樹脂を硬化させる。本構成例の光モニタ100においては波長1550nmの光に対し、挿入損失0.4dBとなり、受光効率はR=0.85であり、光検出器の出力は69mA/Wであった。
(実施例2)
本発明の別の具体的な構成例を以下に示す。基本的な構成は前記図8と同様であるので図8を参照しつつ説明する。光ファイバ、受光素子は実施例1のものと同様である。置換領域106はCF4をエッチャントとしたドライエッチングでクラッドを除去して形成し、その底部長さL0は170μm、即ち受光素子長さLaの0.57倍とし、コアと底部との間隔gは1.5μmである。置換領域106は、コアとの屈折率差比Δnが4.40%の紫外線硬化性樹脂を置換材料として置換する。前記樹脂の塗布後、2つの受光素子の中心110A、110Bが、底部の中心からそれぞれ231μm前方および後方に位置するように、光検出器102を配置する。このとき底部の中心と受光素子の中心110A、110Bとを結ぶそれぞれの直線と前記コアがなす角度θはともに13.7°である。受光素子109と光ファイバ101は、前記樹脂を介して接触させる。このとき、受光素子109と光ファイバ101は幾何学的に線接触するが、実施例1と同様に、線接触しない部分にも前記樹脂が行き渡るように樹脂を塗布し、その後前記樹脂を硬化させる。本構成例の光モニタにおいては波長1550nmの光に対し、挿入損失0.6dBとなり、受光効率はR=0.85であり、光検出器の出力は110mA/Wであった。また、逆方向に伝搬する波長1300nmの光に対しては、挿入損失0.4dBとなり、受光効率はR=0.9であり、光検出器の出力は74mA/Wであった。
本発明の光モニタの第1の構成例を示す概略図である。 本発明の光モニタの置換領域の断面形状の第2の例を示す概略図である。 底部とコアとの間隔gをパラメータとしたときの、底部長さL0と挿入損失ILとの関係を示した図である。 受光素子の長さLaに対する底部長さL0の比L0/Laと屈折率差比Δnの関係を示した図である。 本発明において切り欠き形状を変更した例である。 切り欠き形状を変更した本発明において、傾斜部の角度θ2と挿入損失ILとの関係を示す図である。 本発明において、屈折率差比Δnと最適受光素子位置の角度θとの関係(a)、最適受光素子位置からのずれΔθと規格化受光パワーとの関係(b)を示す図である。 本発明の光モニタの第2の構成例を示す概略図である。
符号の説明
100,200:光モニタ、
101:光ファイバ、
102:光検出器、
103:コア、
104、104A,104B:伝搬光、
105:クラッド、
106:置換領域、
g:コアと底部との間隔
108,108A,108B:漏洩光、
109,109A,109B:受光素子、
110,110A,110B:受光素子の中心、
L0:底部長さ、
112:底部の中心、
La,LaA,LaB:受光素子の長さ、
114:充填材料、
216:傾斜面

Claims (4)

  1. 光ファイバのコアを伝搬する光の一部を光検出器で受光する光モニタにおいて、光ファイバのクラッドの一部がコアの屈折率以上の屈折率を有する置換材料で、光ファイバの中心軸に対し平行な底部と光ファイバの長手方向において当該底部の両端から光ファイバの外周面に向かい伸びた面状の端部とを有する切り欠き状に置換された置換領域を有し、前記光ファイバの中心軸に対し受光面がほぼ平行に配置された前記光検出器の受光素子の中心は、前記置換領域の光ファイバ長手方向の端部よりもコア伝搬光の進行方向前方側に位置するとともに前記光検出器の受光素子と前記光ファイバの外周面との間隙にはクラッドの屈折率以上の屈折率を有する充填材料が充填され、前記置換材料の屈折率n o と前記コアの屈折率n c に対して、
    Δn=(n o −n c )/n c ×100[%]
    で定義される屈折率差比Δnが0.65%以上であり、
    さらに、前記置換領域はコアと最も近接している部分としてコアとの間隔が1μm以上かつ2μm以下である底部を有し、前記Δn、前記底部の光ファイバ長手方向の長さL0および前記受光素子の光ファイバの長手方向の長さLaとが、
    0.024×Δn+0.21≦L0/La≦0.081×Δn+0.29
    の関係を有し、
    加えて、前記光ファイバから前記置換領域へ漏れ、前記置換領域の端部と前記光ファイバのクラッドとの界面を透過し、当該クラッドを伝搬した漏洩光を前記光検出器で受光することを特徴とする光モニタ。
  2. 前記底部の光ファイバ長手方向の中心と前記受光素子の光ファイバ長手方向の中心を結ぶ直線と前記コアの延設方向がなす角度θ[°]が、前記置換材料の屈折率noと前記コアの屈折率ncに対して、
    Δn=(no−nc)/nc×100[%]
    で定義される屈折率差比Δnに対し
    1.13×Δn+5.5≦θ≦1.13×Δn+11
    であることを特徴とする請求項1に記載の光モニタ。
  3. 請求項1または2のいずれかに記載の光モニタを2個以上用いたことを特徴とする光モニタアレイ。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の光モニタを光伝送用の光ファイバに接続し、前記光ファイバで伝搬される光信号の強度を検知することを特徴とする光システム。
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