JP4532010B2 - 水分硬化性一液型塗料の塗布方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に厚塗り弾性塗膜の形成に適した水分硬化性一液型塗料の塗布方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
水分硬化型のポリウレタン樹脂組成物や架橋性シリル基含有樹脂組成物からなる水分硬化性一液型塗料は、硬化物がゴム弾性に優れているため、建築物、鉄道車両など構造物の屋根や、屋上、壁などの防水用弾性塗料として、また屋内、屋外の弾性塗り床材や弾性舗装材として使用されている。
これらを施工する方法として、従来、コテ塗りが一般的に行われているが、最近は作業能率向上のため、噴霧機を用いて塗布する方法も行われている。
水分硬化型厚塗り塗料組成物のみを噴霧機を使用して、建築物の屋上や屋内の床に噴霧塗布した場合は、塗膜の硬化が大気中の湿気(水分)に触れる表面から硬化してゆくため、特に冬場の内部硬化が遅くなり、翌日には塗膜の上を歩けるようにという要求には応えられない。
その解決策として、特開平03−56179号公報には、スプレーガンの一方のノズル出口から塗料本体を噴霧し、同時に別のノズル出口から硬化促進触媒又は硬化剤としてアミンなどの活性水素含有化合物を噴霧し混合して吹き付ける方法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来公知の方法では塗料の硬化時間は早くなるが、塗料、硬化促進触媒及び活性水素含有化合物が周囲に飛散して環境を汚染する。
また、前記方法は塗料と硬化促進触媒及び活性水素含有化合物とを大気中で混合するため、塗料が空気を多く含み、塗膜には発泡が多く生成して外観が悪くなり、また、切断時強度、伸びなどの物性も悪くなる。特に厚塗り塗布の場合、これらは大きな欠点となる。
更に、ポリウレタン樹脂組成物については活性水素含有化合物としてポリオールやポリアミンなどを使用した場合、硬化剤を多く混入した箇所は硬化不良をおこし、必要な物性が発現しないという不具合が生じる。
【0004】
本発明の目的は、水分硬化性一液型塗料を使用して、冬場でも硬化速度が速く、得られる塗膜に発泡がなく、その外観や物性の良好な塗布方法を提供することである。本発明の他の目的は、塗布の際に水分硬化性一液型塗料が周囲に飛散せず、環境を汚染しない塗布方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明は、被塗物に向って水分硬化性一液型塗料を噴出させると同時に、水分硬化性一液型塗料の噴出流を周囲から規制するように被塗物に向って水を噴霧させる、水分硬化性一液型塗料の塗布方法であって、前記水分硬化性一液型塗料が、硬化成分としてイソシアネート基含有プレポリマーを含有すること、を特徴とする前記の水分硬化性一液型塗料の塗布方法である。
【0006】
また本発明は、被塗物に向って水分硬化性一液型塗料を噴出させると同時に、水分硬化性一液型塗料の噴出流を周囲から規制するように被塗物に向って硬化触媒の水溶液を噴霧させる、水分硬化性一液型塗料の塗布方法であって、前記水分硬化性一液型塗料が、硬化成分としてイソシアネート基含有プレポリマーを含有すること、を特徴とする前記の水分硬化性一液型塗料の塗布方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳しく説明する。
本発明における水分硬化性一液型塗料は、硬化成分(水分硬化性一液型樹脂)として、イソシアネート基含有プレポリマーを含有するものである。
【0008】
イソシアネート基含有プレポリマーは、有機ポリイソシアネートと活性水素化合物とを活性水素(基)に対してイソシアネート基過剰、好ましくはイソシアネート基/活性水素(基)(当量比)が1.2〜4.0、更には1.3〜3.0、特に1.3〜2.0となるような割合で反応させて得られるものが好ましい。
【0009】
有機ポリイソシアネートとしては、具体的には例えば、フェニレンジイソシアネート、ジフェニルジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルエーテルジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香脂肪族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート、およびこれらジイソシアネートのカルボジイミド変性体、ビウレット変性体、アロファネート変性体、二量体、三量体、または、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(クルードMDI、ポリメリックMDI)などが挙げられる。これらのうち、芳香族ジイソシアネートが好ましく、MDIとTDIが更に好ましい。
【0010】
活性水素化合物としては、ポリオール、アミノアルコール、ポリアミンなどが挙げられる。これらの化合物のうち、高分子のポリオールが好適である。
【0011】
高分子のポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリエステルアミドポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエーテル・エステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、炭化水素系ポリオール等が挙げられ、数平均分子量500以上のものである。このうち、ポリエーテルポリオールが特に好ましい。
ポリエステルポリオール、ポリエステルアミドポリオールとしては、例えば、公知のコハク酸、アジピン酸、テレフタル酸等のジカルボン酸、それらの酸エステル、酸無水物等と、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、クオドロールあるいはビスフェノールAのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加物等の低分子ポリオール、あるいはエチレンジアミン、ジエチレントリアミン等の低分子ポリアミン、モノエタノールアミン等のアミノアルコール等の単独、又はこれらの混合物との脱水縮合反応で得られる化合物が挙げられる。さらに、ε−カプロラクトン等の環状エステル(すなわちラクトン)モノマーの開裂重合により得られるラクトン系ポリエステルポリオール等が挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリオキシエチレンポリオール、ポリオキシプロピレンポリオール等が挙げられる。
ポリエーテル・エステルポリオールとしては、例えば、前記のポリエーテルポリオールと前記のジカルボン酸、酸無水物等とから製造される化合物が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、前記のポリエステルポリオールの製造に用いる低分子ポリオールとジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート等との反応から得られる化合物が挙げられる。
ポリオールとしては更に、前記ポリエステルポリオールの製造原料として挙げた数平均分子量500未満の低分子ポリオールが挙げられる。
【0012】
ポリアミンとしては、ポリプロピレングリコールの末端ジアミノ化物などの、数平均分子量500以上でポリエーテルポリオールの末端がアミノ基となったポリエーテルポリアミン等の高分子ポリアミンが挙げられる。
ポリアミンとしては更に、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン等の数平均分子量500未満の低分子ポリアミンが挙げられる。
【0013】
アミノアルコールとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−メチルジプロパノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン等が挙げられる。
【0014】
また、一般にポリウレタン工業において公知の活性水素基を含有する、数平均分子量500以上の、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂等も挙げられる。
【0015】
イソシアネート基含有プレポリマーのイソシアネート基(NCO)含量は、0.3〜35重量%であることが好ましく、更には0.3〜10重量%、特に0.3〜5重量%であることが好ましい。
【0016】
本発明の水分硬化性一液型塗料には、硬化触媒、酸化防止剤、カップリング剤、可塑剤、充填剤、揺変剤、保存安定性改良剤(脱水剤)、着色剤などの添加剤を併用することができる。これらのうち、硬化触媒は、イソシアネート基含有プレポリマーの硬化速度を実用に合わせて調節するため、本発明において水に混入して使用するのが特に望ましい。酸化防止剤は、硬化塗膜の耐候性を改善するため、本発明において併用するのが望ましく、カップリング剤、可塑剤、充填剤、揺変剤及び/又は保存安定性改良剤(脱水剤)は、接着性向上、ベースポリマーの増量、補強、だれ防止等のために、本発明において一般に併用することができる。
【0017】
硬化触媒は、イソシアネート基含有プレポリマーの水分による硬化(架橋)を促進させるための触媒である。
このような触媒としては有機金属化合物、アミン類等が挙げられるが、架橋速度にすぐれた有機錫化合物が好ましい。この有機錫化合物は、具体的には例えば、スタナスオクトエート、ジブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジステアレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジバーサテートであるが、このうち高い架橋速度、毒性及び輝発性の比較的低い液体である点から、ジブチル錫ジアセチルアセトナートとジブチル錫ジラウレートが最も好ましい。
【0018】
酸化防止剤は、硬化塗膜の酸化を防止して、耐候性を改善するために使用されるものであり、具体的には、ヒンダードアミン系やヒンダードフェノール系の酸化防止剤等が挙げられる。
ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、例えば、[デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1(オクチルオキシ)−4−ピペリジル)エステル、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケ−ト、1−[2−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンが挙げられる。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、例えば、ペンタエリストール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N′−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオアミド]、ベンゼンプロパン酸3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシC7−C9側鎖アルキルエステル、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノールが挙げられる。
【0019】
カップリング剤としては、シラン系、アルミニウム系、ジルコアルミネート系などのものを挙げることができ、このうちシラン系カップリング剤が接着性に優れているので好ましい。
このシラン系カップリング剤としては、具体的には、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルメトキシシランなどのアルコキシシリル基を含有する分子量500以下、好ましくは400以下の低分子化合物が挙げられる。
【0020】
可塑剤としては、ジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート、ブチルベンジルフタレートなどのフタル酸エステル類が好ましく、そのほか、脂肪族二塩基酸エステル類、グリコールエステル類、脂肪族エステル類、リン酸エステル類、エポキシ可塑剤類、ポリエステル系可塑剤、ポリエーテル類、ポリスチレン類などが挙げられる。
【0021】
充填剤としては、炭酸カルシウム、クレー、タルク、スレート粉、マイカ、カオリン、ゼオライト、珪藻土、有機、無機のバルーン等が挙げられ、粒径1〜100μmのものが好ましく、このうち炭酸カルシウムが更に好ましい。
【0022】
揺変剤としては、コロイダルシリカ、石綿粉等の無機揺変剤、有機ベントナイト、変性ポリエステルポリオール、脂肪酸アマイド等の有機揺変剤が挙げられ、揺変剤兼充填剤として脂肪酸処理炭酸カルシウム等が挙げられ、このうち脂肪酸処理炭酸カルシウムとコロイダルシリカが好ましい。
【0023】
保存安定性改良剤としては、シーリング材中に存在する水分と反応する、ビニルトリメトキシシランなどの低分子の架橋性シリル基含有化合物、パラトルエンスルホニルイソシアネート、酸化カルシウムなどが挙げられる。
【0024】
着色剤としては、一般に塗料などの着色に使用される酸化チタン、フタロシアニンブルー、カーボンブラックなどが挙げられる。
【0025】
本発明における水分硬化性一液型塗料には、必要に応じて、酢酸エチルなどのエステル系溶剤、メチルエチルケトンなどのケトン系溶剤、n−ヘキサンなどの脂肪族系溶剤、シクロヘキサンなどの脂環族系溶剤、トルエンやキシレンなどの芳香族系溶剤など従来公知の有機溶剤でイソシアネート基と反応しないものであればどのようなものでも併用することができる。その種類と使用量は塗布装置の種類、作業条件、被塗物の種類などに応じて適宜決定すれば良い。
【0026】
これらの添加剤の配合量は、イソシアネート基含有プレポリマー100重量部に対して0〜800重量部、特に0〜400重量部の範囲が好ましい。添加剤のうち架橋触媒は、架橋速度、硬化物の物性などの点から、イソシアネート基含有プレポリマー100重量部に対して、0.1〜10重量部、特に0.2〜5重量部使用するのが好ましい。酸化防止剤は、硬化塗膜の耐候性の改善のためには、イソシアネート基含有プレポリマー100重量部に対して、0.1〜10重量部、特に0.5〜5重量部使用するのが好ましい。カップリング剤、可塑剤、揺変剤、充填剤及び/又は保存安定性改良剤は、イソシアネート基含有プレポリマー100重量部に対して0〜800重量部、特に50〜300重量部の範囲が好ましい。
【0027】
本発明の水分硬化性一液型塗料において、前記各成分はそれぞれ1種類又は2種以上を混合して併用することができる。
【0028】
【実施例】
以下、本発明について実施例等により更に詳細に説明する。
合成例1(イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの合成)
攪拌機、温度計、窒素シール管及び冷却器の付いた加温反応容器に、ポリオキシプロピレングリコール(三洋化成工業社製、PP−3000、官能基数=2.0、数平均分子量=3000)600gと、ポリオキシプロピレントリオール(GP−4000、三洋化成工業社製、官能基数=3.0、数平均分子量=4000)250gと、ジフェニルメタンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業社製、ミリオネートMT)120gと、ジブチル錫ジラウレート0.1gを加え、窒素雰囲気下、80℃で4時間撹拌して反応させた。反応途中のイソシアネート基(NCO)含量を滴定により測定し、NCO含量の減少が止まった時点で反応を終了して、NCO含量1.3重量%、粘稠なイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを合成した。
【0029】
合成例2(水分硬化性一液型塗料Aの調製)
減圧装置付き混練容器に、ジオクチルフタレート8gとキシレン100gと合成例1で得たイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー100gとを仕込み、攪拌しながら乾燥した重質炭酸カルシウム(三共精粉社製、エスカロン#200)120gと乾燥した酸化チタン(石原産業社製、タイペークR−830)12gを仕込み、均一になるまで混練りした。更に、コロイダルシリカ(日本アエロジル社製、AEROSIL 200)7gを仕込み、均一になるまで混練りした後、13kPaで1時間減圧脱泡して、粘度が40,000mPa・s/25℃で揺変性のある泡の無い水分硬化性一液型塗料Aを調製した。
【0030】
実施例1
図1は、本発明の一実施例において使用する塗布装置の一部想像部分を含む中央部断面図である。図2の(c)は、図1の塗布装置のノズルの出口の形状などを示す図面であり、図2の(a)、(b)、(d)及び(e)は図1の塗布装置に使用することができるノズルの出口の形状などを示す図面である。
図1に示す本発明の一実施例において使用する水分硬化性一液型塗料の塗布装置は、水分含有加圧空気50を噴霧機1に供給する装置と、水分硬化性一液型塗料51を噴霧機1に供給する装置と、水分含有加圧空気50のための第1の通路8と水分硬化性一液型塗料51のための第2の通路9を備えた噴霧機1とからなる。第1の通路8の出口12は第2の通路9の出口13に近接してその周囲に設けられており、更に、噴霧機1には第1の通路8と第2の通路9の解放又は閉鎖を同時に行うためのハンドル10が設けられている。
ハンドル10は、枢支ピンで噴霧機本体に枢支されており、また、開閉操作杆20、21に連結されており、これらを同時に作動させる。21は第2の通路9のための開閉操作杆であり、20は第1の通路のための開閉操作杆である。ハンドル10を解放(放置)した状態では、バネ機構により、開閉操作杆20、21は第1の通路8と第2の通路9を閉鎖している。ハンドル10を引くと、開閉操作杆20、21がずれて、第1の通路8と第2の通路9が同時に開通(開放)状態となる。
水分含有加圧空気50を噴霧機1に供給する装置は、第1の通路8に連結する水分含有空気供給配管4と水供給装置3と空気圧縮機2とからなる。水供給装置3は、水貯留槽16と水吸上げ管18と水量調節弁17と水滴下管19とからなる。空気圧縮機2と水供給装置3との間には、空気圧を測定し表示する圧力計14が設けられている。水分含有空気供給配管4の途中には逆止弁構造のバルブ15が設けられている。
水分硬化性一液型塗料51を噴霧機1に供給する装置は、第2の通路9に連結する水分硬化性一液型塗料供給配管5とエアレスポンプ6と水分硬化性一液型塗料貯留槽7とからなる。
【0031】
次に、前記塗布装置の使用方法について説明する。
空気圧縮機2とエアレスポンプ6のスイッチを入れて噴霧機1のハンドル10を引くと、開閉操作杆20と21がずれて第1の通路8と第2の通路9が同時に開く。第2の通路9が開くと、塗料貯留槽7からエアレスポンプ6により水分硬化性一液型塗料51が吸い上げられ、塗料供給配管5を経て第2の通路9の出口13に送出される。第1の通路8が開くと、空気圧縮機2から(加圧)空気が送り出され、水供給装置3を通り、この中を(加圧)空気が通ると内部が減圧になるため、水貯留槽16から水吸上げ管18を通って吸い上げられた水は水滴下管19から(加圧)空気流に滴下、供給される。水供給装置3から出た水分含有加圧空気50は、その供給配管4を経て、第1の通路8の出口12に送出される。 次いで、噴霧機1のノズル11(ノズル出口12、13)から被塗物に向って、水分硬化性一液型塗料51が空気を混入させないで噴出されると同時に水分硬化性一液型塗料51の噴出流を周囲から水分含有空気50がカーテン状に噴霧されて、水分硬化性一液型塗料51の噴出流が周囲に飛散しないようにその周囲から水の噴霧流が規制しながら噴霧されて、被塗物に水分硬化性一液型塗料51が厚塗りでき、しかもこの塗料に水分が充分に供給される。
【0032】
前記塗布装置を用いて、噴霧機先端中央のノズル出口13に合成例2で得た水分硬化性一液型塗料A51をグラコエアレスポンプ6により圧送し、1300〜1500N/cm2 の塗布圧力で広さ90cm×90cm、厚さ5mmのスレート板表面に向って、スレート板の表面から約50cm離れた距離から(エアレスで)吹付けると同時に、中央のノズル出口13の近接する周囲に設けたノズル出口12から水分含有空気を水分硬化性一液型塗料A51を囲むように(カーテン状に)噴出させ、塗布面上を上下左右に数回なぞりながら塗布した。このとき、空気を供給する空気圧縮機2と水分含有空気用の第1の通路8に連結する水分含有空気供給配管4の途中の水供給装置3から、水分硬化性一液型塗料A100gに対して水を0.1gの割合で供給した。またこのとき、塗料の塗膜厚みが約2mmになるように吹付けし、吹付けの終了したスレート板を直ちに5℃、40%相対湿度の環境室で12時間養生させて硬化させた後、環境室から取り出して性能試験を行った。
【0033】
実施例2
実施例1において、水分硬化性一液型塗料A100gに対して水の供給量を1.0gとした以外は同様にして塗布し試験した。
【0034】
実施例3
実施例1において、水分硬化性一液型塗料A100gに対して水0.1gと硬化触媒としてジブチル錫ジラウレート0.15gとを混合したものを使用した以外は同様にして塗布し試験した。
【0035】
比較例1
従来公知の主剤用のノズルと硬化剤用のノズルが出口で先端八の字の形に突き合わされた構造の2液混合噴霧機を用いて、主剤用のノズルに連結した主剤供給管に合成例2で得た水分硬化性一液型塗料Aをグラコエアレスポンプにより圧送すると同時に、硬化剤用のノズルに連結した空気供給管に空気圧縮機から空気を供給した。このとき空気供給管の途中に水の供給口を設け、ここから水分硬化性一液型塗料A100gに対して水を0.1gの割合で供給した。水分硬化性一液型塗料Aと水を混合した空気とを同時に噴出させ、ノズル出口から出た直後に大気中で衝突、混合させながら、1300〜1500N/cm2 の塗布圧力で広さ1m×1m、厚さ5mmのスレート板表面に対し、スレート板の表面から約50cm離れた距離から吹付けた。またこのとき、塗料の塗膜厚みが約2mmになるように吹付けを行い、吹付けの終了したスレート板を直ちに5℃、40%相対湿度の環境室で12時間養生させて硬化させた後、環境室から取り出し試験した。
【0036】
比較例2
比較例1において、空気に水を供給しない以外は同様にして塗布し試験した。このときは大気中の湿気(水分)のみによる硬化となる。
【0037】
〔性能試験〕
(1)周囲汚染性
スレート板に対して水分硬化性一液型塗料をスプレー塗布したとき、スレート板からの塗料のはみ出し幅が2m以内のものを○と評価し、塗料のはみ出し幅が2mを超えたものを×と評価した。
(2)塗膜の硬化性
養生12時間後の塗膜をカッターで切り、塗膜の硬化状態を指触により測定した。
塗膜が内部まで硬化していると判断したものを○と評価し、内部が未硬化と判断したものを×と評価した。
(3)塗膜の外観
養生12時間後、更に23℃、50%相対湿度で14日間後養生した後、塗膜の表面を目視により観測した。
塗膜の表面に気泡混入による膨れがほとんど無く滑らかな状態のものを○、表面に膨れが多数あって凹凸の多い状態のものを×と評価した。
(4)物性
水分硬化性一液型塗料をスレート板に対して吹付けをする際に、予めスレート板表面の隅の20cm×30cmの部分に離型紙を貼付けておき、塗料を吹付け塗布したのち前記の条件で硬化養生し、前記の周囲汚染性、塗膜の硬化性及び塗膜の外観の各試験を実施した。その後、更に23℃、50%相対湿度で14日間、後養生硬化させた後、離型紙上の塗膜を20cm×30cmの大きさで切取り、約2mm厚みのゴムシートを得た。このゴムシートから、JIS K 6251:1993に準拠してダンベル状3号形に試験片を打ち抜き、23℃、50%相対湿度、引張速度500mm/minの条件でゴム引張試験を行った。
切断時伸びが300%以上のものを○、切断時伸びが300%未満のものを×と評価した。
以上の試験結果を表1にまとめて示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明においては、水分硬化性一液型塗料を水分(湿気を含む)のみにより硬化させるため、ポリオールやポリアミンなどを使用する場合とは異なり、水の供給が過剰となっても硬化が進行し、冬場でも硬化速度が速く、得られる塗膜に発泡がなく、その外観や物性が良好な塗布方法を提供することができる。また、塗布の際に水分硬化性一液型塗料が周囲に飛散せず、環境を汚染しない塗布方法を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例において使用する塗布装置の一部想像部分を含む中央部断面図である。
【図2】 図1の塗布装置のノズルの出口の形状などを示す図面である。
【符号の説明】
1 噴霧機
2 空気圧縮機
3 水供給装置
4 水分含有空気供給配管
5 水分硬化性一液型塗料供給配管
6 エアレスポンプ
7 塗料貯留槽
8 第1の通路
9 第2の通路
11 ノズル
Claims (2)
- 被塗物に向って水分硬化性一液型塗料を噴出させると同時に、水分硬化性一液型塗料の噴出流を周囲から規制するように被塗物に向って水を噴霧させる、水分硬化性一液型塗料の塗布方法であって、
前記水分硬化性一液型塗料が、硬化成分としてイソシアネート基含有プレポリマーを含有すること、を特徴とする前記の水分硬化性一液型塗料の塗布方法。 - 被塗物に向って水分硬化性一液型塗料を噴出させると同時に、水分硬化性一液型塗料の噴出流を周囲から規制するように被塗物に向って硬化触媒の水溶液を噴霧させる、水分硬化性一液型塗料の塗布方法であって、
前記水分硬化性一液型塗料が、硬化成分としてイソシアネート基含有プレポリマーを含有すること、を特徴とする前記の水分硬化性一液型塗料の塗布方法。
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