JP4556560B2 - ブレ補正装置、およびカメラシステム - Google Patents

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Description

本発明は、撮像面における被写体像の像面ブレを光学的に補正するブレ補正装置、およびカメラシステムに関する。
従来、手振れなどによる被写体像の像面ブレを、撮影レンズ内のブレ補正光学系を使用して光学的に補正する技術が知られている。
この種の従来技術では、まず、カメラ(撮影レンズも含む)の振動を角速度センサによって検出する。カメラは、この角速度に基づいて、被写体像の像移動を打ち消すために必要なブレ補正光学系の位置(以下『目標駆動位置』という)を決定し、ブレ補正光学系をこの目標駆動位置に追従させる。
また、下記の特許文献1および特許文献2には、ビデオカメラにおいて像面ブレを抑制する技術が開示されている。このビデオカメラは、撮像画像から画像動き信号を検出する。次に、ビデオカメラは、この画像動き信号を補間してサンプリングレートを上げる。ビデオカメラは、補間した画像動き信号を、目標駆動位置にフィードバックすることにより、ブレ補正の防振性能を高めている。
特開平10−322585号公報(図1) 特開平10−145662号公報(図1,図3)
[従来技術の問題点]
ところで、ブレ補正では、角速度センサのセンサ出力に含まれるDCオフセットやドリフトが問題となる。被写体像の像面ブレを正確に追跡するには、角速度センサのセンサ出力から、これらの余分な成分を除かなければならない。
しかしながら、これらの成分は、角速度センサの温度や使用条件の影響を受けて敏感に変動する。そのため、工場出荷時におけるセンサ静止時の実測データを元にして、使用時のオフセットやドリフトを打ち消すことはできない。
そこで、角速度センサの使用時の出力から、DCオフセットやドリフトを分離抽出する方法が従来実施されていた。
すなわち、人間の手振れは、2〜7Hz程度の周波数成分が支配的である。一方、角速度センサの静止時出力は、およそ1Hz未満の周波数成分が支配的である。そこでローパスフィルタを使用して、角速度センサのセンサ出力から1Hz未満の低域成分を抽出することにより、DCオフセットおよびドリフトを推定できる。
このように推定されるDCオフセットおよびドリフトを、センサ出力の基準値として、センサ出力から除去(減算)することにより、真の振動成分を求めることができる。
しかしながら、この従来手法では、低域成分の抽出に種々の誤差が含まれる。例えば、センサ出力から1Hz未満の低域成分を抽出するためには、相当長期間にわたって過去のセンサ出力を平均化する必要があり、低域成分には大幅な時間遅れが発生する。そのため、現時点におけるDCオフセットおよびドリフトをリアルタイムに検出することが難しい。
また、抽出される低域成分には、完全に除去し切れない振動成分が誤差として残存する。このような誤差を含む低域成分を、センサ出力の基準値としてセンサ出力から減算した場合、得られる真の振動成分に誤差が混入してしまう。
この誤差の混入した振動成分を打ち消すようにブレ補正を行った場合、誤差分の蓄積などによって像面がドリフト移動したり、振動を生じるようになる。
以上説明した理由から、ブレ補正の防振性能は、センサ出力の基準値を如何に正確に求めるかにかかっている。
[特許文献1および特許文献2の問題点]
ところで、特許文献1および特許文献2に開示される関連技術では、画像動き信号を、光学系の目標駆動位置にフィードバックしている(これは、基準値に画像動き信号をフィートバックする本発明とは、フィードバック経路の構成が大きく異なる)。
このような特許文献1および特許文献2の制御方式を、電子スチルカメラに適用する場合、次のような問題[1][2]が具体的に生じる。
[1] まず、電子スチルカメラでは、レリーズ前の期間、モニタ表示用の撮像画像などから画像動き信号を得る。この場合の平均的な撮像間隔(例えば、30フレーム/秒)は、一般的なビデオカメラの撮像間隔(例えばNTSCでは60フィールド/秒)に比べて数倍〜数十倍も長い。すなわち、電子スチルカメラでは、画像動き信号のサンプル間隔がビデオカメラに比べて粗くなることが多い。この粗い画像動き信号を目標駆動位置にフィードバックする従来方式では、帰還経路に生じるむだ時間が無視できなくなり、目標駆動位置の追従性能や制御安定性が著しく低くなり、最悪の場合は発振してしまう。
[2] さらに、特許文献1および特許文献2では、目標駆動位置の更新間隔に合わせるため、画像動き信号を外延予測して補間値を生成している。
電子スチルカメラでは、サンプル間隔の粗い画像動き信号を扱うため、この種の外延予測では、非連続な補間誤差がビデオカメラよりも大きく生じる。この補間誤差は、目標駆動位置の制御誤差にそのまま反映されるため、防振性能が著しく低下する。
なお補足として、特許文献1および特許文献2では、画像動き信号のフィードバック経路にハイパスフィルタを設けている。そのため、ドリフトやオフセットに相当する低域成分は、このハイパスフィルタによってカットされる。そのため、特許文献1および特許文献2では、低域のドリフトやオフセットを現実的に修正することは不可能である。
[画像動き信号に関する問題点]
ところで、ブレ補正のかかっていない状態では、撮像画像は手振れの影響を受けて大きく揺れる。この状態では、画像動き信号の振幅は大きくなる。一方、ブレ補正がかかり始めると、撮像画像の揺れは急に小さくなる。そのため、ブレ補正の駆動前後において、画像動き信号の振幅は大きく変化する。
例えば、ブレ補正によってシャッタ速度3段分の余裕を生じるシステムでは、ブレ補正の前後で、(2の3乗)分の1、すなわち18dB程度の急激な振幅変化が画像動き信号に生じる。
この画像動き信号に急激な振幅変化により、ブレ補正の防振性能が低下したり、最悪の場合は発振してしまうなどの弊害が生じる。
そこで、本発明では、画像動き信号のフィードバックタイミングを工夫して、ブレ補正の防振性能を高めることを目的とする。
第1の発明のブレ補正装置は、カメラの撮像部における被写体像の像面ブレを補正するブレ補正装置であって、ブレ補正機構、振動検出部、基準値生成部、目標駆動位置演算部、および駆動部を備える。
ブレ補正機構は、撮像部と被写体像を形成する光束との相対位置を変更する。
振動検出部は、カメラの振動を検出して振動検出信号を出力する。
基準値生成部は、振動検出信号に基づいて、振動のない静止状態における振動検出部の出力である基準値を推定する。
目標駆動位置演算部は、振動検出信号と、推定された基準値との差から、像面ブレの原因となる振動成分を求め、振動成分に基づいてブレ補正機構の目標駆動位置を求める。
駆動部は、ブレ補正機構を目標駆動位置に追従制御する。
特に、上記の基準値生成部は、フィードバック経路、およびフィードバック抑制部を備える。
フィードバック経路は、カメラの撮像画像を解析して得られる画像動き信号を取得し、画像動き信号を基準値にフィードバックして、基準値を修正する。
フィードバック抑制部は、駆動部の駆動開始時、基準値に対する画像動き信号のフィードバック量を抑制する
第2の発明は、第1の発明において、前記フィードバック抑制部は、前記駆動開始後に撮像された撮像画像を元に解析した画像動き信号の取得時点以降に、前記フィードバック量の抑制を解除する。
第3の発明は、第1または第2の発明において、フィードバック抑制部は、駆動部の駆動開始時点から、少なくとも(DLY+2/FR)の期間、フィードバック量を抑制する。ただし、DLYは、撮像画像を取り込んでから画像動き信号が得られるまでの待ち時間である。FRは、撮像画像のフレームレートである。なお、フレームレートが一定しない場合は、2/FRは駆動開始直後における撮像間隔2つ分に該当する。
第4の発明は、第2の発明において、フィードバック抑制部は、駆動部の駆動開始時点から、少なくとも(T1+DLY+1/FR)の期間、フィードバック量を抑制する。ただし、T1は、前記駆動部の駆動開始時点から、駆動開始後に最初に撮像された撮像画像を得るまでのタイムラグである。FRは、撮像画像のフレームレートである。DLYは、撮像画像を取り込んでから画像動き信号が得られるまでの待ち時間である。なお、フレームレートが一定しない場合、1/FRは駆動開始後における撮像間隔1つ分に該当する。
第5の発明は、第1〜第4の発明のいずれかにおいて、フィードバック抑制部は、フィードバック量をゼロにする制御、フィードバックゲインを下げる制御、およびフィードバックする画像動き信号をリミット制限する制御のうち少なくとも1つを実施することにより、フィードバック量を抑制する。
また、第6の発明のカメラシステムは、第1〜第5の発明のいずれか1つのブレ補正装置と、ブレ補正装置を用いてブレ補正を実施するカメラとを備える。
[1]
本発明では、カメラの撮像画像を解析して得られる画像動き信号を用いて、振動検出信号の基準値を修正する。
一般に、この基準値に誤差があると、振動成分の検出誤差となって撮像画像に残存ブレを生じる。本発明では、この撮像画像の残存ブレを画像動き信号によって検出して、基準値を修正する。このようなフィードバック作用により、基準値の誤差を抑圧することができる。
このようにして基準値が正確になることで、振動検出部から振動成分の値を正確に求めることが可能になり、ブレ補正の防振性能を一段と高めることができる。
特に、本発明がフィードバック先として選んだ基準値は、更新間隔の短い目標駆動位置に比べて、はるかに低域中心の信号である。そのため、サンプリング間隔の粗い画像動き信号をフィードバックしても、制御系に過度な行き過ぎが生じるおそれは少なく、安定かつ適正な制御応答が実現できる。
(フィードバック抑制の効果)
本願発明者は、駆動部の駆動開始時に画像動き信号を直ちにフィードバックすると、ブレ補正動作の引き込み時間が逆に長くかかることに気が付いた。
この駆動開始時の画像動き信号は、ブレ補正の実施前の撮像画像を動き解析した信号である。したがって、駆動開始時の画像動き信号には、ブレ補正をかける前の大きな像面揺れが現れる。そのため、駆動開始時の画像動き信号を基準値にそのままフィードバックすると、基準値の残存ブレを除去できないどころか、基準値の値自体が大きく乱れてしまう。その結果、基準値はとんでもない値を一時的に出力し、基準値を基準にして算出される振動成分さらには目標駆動位置まで大きく乱れてしまう。この状態では、ブレ補正は正常に機能せず、一旦乱れてしまった基準値の値が正しい値に引き込まれるまでの期間、ブレ補正動作が混乱してしまう。
そこで、本発明では、駆動部の駆動開始時、基準値に対する画像動き信号のフィードバック量を抑制しておく。この抑制の解除時点は、駆動部の駆動開始後に撮像画像が撮像され、その撮像画像を元に解析した画像動き信号が取得されるようになった時点以降とする。
この動作により、画像動き信号が基準値誤差を反映した微妙な残存ブレを示すまでの期間、フィードバック量は抑制される。その結果、駆動開始直後に起こる基準値の乱れを防止し、ブレ補正の引き込み時間を短縮することができる。
[2]
次に、2フレームの撮像画像の画像比較から画像動き信号を得ることを前提として、具体的な抑制期間を考える。
まず、駆動部が駆動開始して防振動作がかかり始めてから、2フレーム分の撮像画像を得る必要がある。まず、駆動部の駆動開始直前に撮像画像が出力されるケースを考えると、1フレーム目の撮像画像が出力されるまでにかかる最大の所要時間は、フレームレートをFRとすると『1/FR』となる。それに続いて2フレーム目の撮像画像が出力されるには、さらに『1/FR』の時間が必要となる。したがって、駆動部の駆動開始から2フレーム分の撮像画像を得るまでの最大所要時間は『2/FR』となる。
次に、これら2フレーム分の撮像画像を得てから画像動き信号を作成するまでに、演算処理の待ち時間『DLY』を必要とする。
すなわち、駆動部の駆動開始時点から(DLY+2/FR)の期間を待てば、基準値誤差による残存ブレを反映した画像動き信号を確実に得ることが可能になる。そこで、本発明では、駆動部の駆動開始時点から少なくとも(DLY+2/FR)の期間、フィードバック量を抑制することが好ましい。
このような最大所要時間を考慮した動作により、撮影画像の取得タイミングが変化しても、基準値の乱れを確実に防止することが可能となる。
[3]
次に、上述した抑制期間の短縮の可能性について考える。
まず、駆動部が駆動開始して防振動作がかかり始めてから、1フレーム目の撮像画像が出力されるまでの時間『T1』は、カメラ側などからタイミング取得することが可能である。それに続いて2フレーム目の撮像画像が出力されるには、さらに『1/FR』の時間が必要となる。したがって、駆動部の駆動開始から2フレーム分の撮像画像を得るまでの所要時間は『T1+1/FR』となる。
次に、これら2フレーム分の撮像画像を得てから画像動き信号を作成するまでに、演算処理の待ち時間『DLY』を必要とする。
すなわち、駆動部の駆動開始時点から正確に(T1+DLY+1/FR)の期間を待てば、基準値誤差による残存ブレを反映した画像動き信号を得ることが可能になる。そこで、本発明では、駆動部の駆動開始時点から少なくとも(T1+DLY+1/FR)の期間、フィードバック量を抑制することが好ましい。
このような正確な所要時間を考慮した動作により、フィードバック量の抑制をなるべく早く解除することが可能になる。
[4]
また、本発明では、次のいずれかの手段によって、フィードバック量を抑制することが好ましい。
1:『フィードバック量を(実質的に)ゼロにする』、
2:『フィードバックゲインを下げる』、
3:『フィードバックする画像動き信号をリミット制限する』
このような抑制手段により、基準値の乱れを確実に防止することが可能となる。
[5]
本発明のカメラシステムは、上述したブレ補正装置を備える。このブレ補正装置は、駆動開始直後に起こる基準値の乱れを防止することができるため、良好なブレ補正効果を発揮するカメラシステムが実現する。
[実施形態の構成説明]
図1は、ブレ補正の機構を有するカメラシステム190(ブレ補正装置を含む)を示す図である。なお、実際のカメラシステム190は、水平および垂直の2軸方向について像面ブレを補正する。しかしながら、図1では、説明を簡明にするため、ブレ補正の機構を1軸分のみ記載している。
以下、図1を参照して、各部の構成について説明する。
角速度センサ10は、カメラシステム190の振動を、コリオリ力などにより角速度として検出する。増幅部20は、角速度センサ10の出力を増幅する。A/D変換部30は、増幅部20の出力をデジタルの角速度データに変換する。
基準値演算部40は、A/D変換部30から出力される角速度データから低域成分を抽出して、角速度の基準値(振動のない静止状態における角速度データ)を推定する。さらに、基準値演算部40は、後述する画像動きベクトルのフィードバック経路を用いて、この基準値を修正する。
目標駆動位置演算部50は、角速度データから基準値を減算することにより、像面ブレの原因となる真の角速度を求める。目標駆動位置演算部50は、この真の角速度を積分することによって、撮影レンズ190aの光軸角度を求める。目標駆動位置演算部50は、この光軸角度に基づいて、目標駆動位置を決定する。この目標駆動位置は、この光軸角度による被写体像の像面変位を打ち消すブレ補正光学系100の位置である。
なお、目標駆動位置演算部50は、この目標駆動位置の決定に、焦点距離情報120、撮影倍率情報130、およびブレ補正光学系100の光学情報140を使用する。この焦点距離情報120は、撮影レンズ190aのズーム環のエンコーダ出力などから随時に得られる情報である。撮影倍率情報130は、撮影レンズ190aのレンズ位置やAF駆動機構から随時に得られる情報である。また、ブレ補正光学系100の光学情報140は、ブレ補正係数(ブレ補正係数=レンズ移動量に対する像移動量/レンズ移動量)であり、予め撮影レンズ190a内に格納されるデータである。
さらに、撮影レンズ190aには位置検出部90が設けられ、ブレ補正光学系100の位置検出を行う。この位置検出部90は、赤外線LED92、PSD(位置検出素子)98、およびスリット板94を備える。赤外線LED92の光は、ブレ補正光学系100の鏡筒102に設けられたスリット板94のスリット穴96を通過して細い光束となる。この光束は、PSD98に到達する。PSD98は、この光束の受光位置を信号出力する。この信号出力をA/D変換部110を介してデジタル変換することにより、ブレ補正光学系100の位置データが得られる。
駆動信号演算部60は、この位置データと目標駆動位置との偏差を求め、この偏差に応じて駆動信号を算出する。例えば、この駆動信号の演算は、偏差の比例項、積分項、および微分項を所定比率で足し合わせるPID制御が実施される。
ドライバ70は、求めた駆動信号(デジタル信号)に応じて、駆動電流を駆動機構80に流す。
駆動機構80は、ヨーク82、マグネット84、コイル86から構成される。コイル86は、ブレ補正光学系100の鏡筒102に固定された状態で、ヨーク82とマグネット84からなる形成される磁気回路内に配置される。ドライバ70の駆動電流をこのコイル86に流すことにより、ブレ補正光学系100を光軸と直交する向きに動かすことができる。
ブレ補正光学系100は、撮影レンズ190aの結像光学系の一部である。このブレ補正光学系100を目標駆動位置まで動かして、被写体像の結像位置をシフトさせることにより、被写体像の像面ブレを抑制できる。
一方、この撮影レンズ190aの像空間には、撮像素子150の撮像面が設けられる。この撮像素子150は、撮像面に形成される被写体像を撮像する。撮像画像は、不図示のモニタ画面に表示される他、動きベクトル検出部160へ出力される。
動きベクトル検出部160は、撮像画像の時間軸方向の動きを検出することにより、残存ブレを含む画像動きベクトルを検出する。動きベクトル変換部170は、焦点距離情報120および撮影倍率情報130を用いて、この画像動きベクトルを基準値と同一スケールに換算する。この画像動きベクトルは、フィードバック抑制部220を介して、前述した基準値演算部40の基準値にフィードバックされる。
また、カメラシステム190には、制御部320が設けられる。この制御部320は、撮像素子150やフィードバック抑制部220などの動作を制御する。
なお、本実施形態におけるブレ補正に関する演算機能および制御機能は、図1に点線で示すマイクロプロセッサ500によって主として実現される。
[発明との対応関係]
以下、発明と本実施形態との対応関係について説明する。なお、ここでの対応関係は、参考のために一解釈を例示するものであり、本発明を徒らに限定するものではない。
請求項記載のブレ補正機構は、ブレ補正光学系100に対応する。
請求項記載の振動検出部は、角速度センサ10に対応する。
請求項記載の基準値生成部は、基準値演算部40、フィードバック抑制部220および動きベクトル変換部170に対応する。
請求項記載の目標駆動位置演算部は、目標駆動位置演算部50に対応する。
請求項記載の駆動部は、駆動信号演算部60、ドライバ70、駆動機構80、および位置検出部90に対応する。
請求項記載のフィードバック経路は、動きベクトル検出部160、動きベクトル変換部170、フィードバック抑制部220を経由して、画像動きベクトルを基準値にフィードバックする経路に対応する。
請求項記載のフィードバック抑制部は、フィードバック抑制部220に対応する。
請求項記載のカメラシステムは、カメラシステム190に対応する。
請求項記載の画像動き信号は、画像動きベクトルの成分に対応する。
[本実施形態の動作説明]
図2は、ブレ補正の制御動作を示す流れ図である。
図3は、画像動きベクトルのフィードバック動作のタイミングを説明する図である。
以下、図2に示すステップ番号の順に、ブレ補正の動作を説明する。
ステップS1: 制御部320は、カメラシステム190のメインスイッチ(不図示)の状態を判定する。
オフ状態であれば、制御部320はステップS2に動作を移行する。
オン状態であれは、制御部320はステップS3に動作を移行する。
ステップS2: 制御部320は、ブレ補正系の駆動停止を下記の順に実行する。
(1)ブレ補正レンズの駆動を停止する。
(2)駆動信号の演算を停止する。
(3)目標駆動位置の演算を停止する。
(4)角速度データを基準値で修正する演算を停止する。
(5)画像動きベクトルの演算および更新を停止する。
(6)基準値の生成演算を停止する。
(7)角速度センサ10への電源供給を停止する。
このような順番を経て駆動停止した後、制御部320は、ステップS1に動作を戻す。
ステップS3: 制御部320は、メインスイッチのオン動作を検出すると、角速度センサ10などへの電源供給を開始する。この角速度センサ10の角速度信号は、A/D変換部30によって、所定のサンプリング間隔でデジタル化される。
ステップS4: 制御部320は、カメラシステム190の半押しスイッチ(不図示)の状態を判定する。
オフ状態であれば、制御部320はステップS1に動作を移行する。
オン状態であれは、制御部320はステップS5に動作を移行する。
ステップS5: 基準値演算部40は、A/D変換後の角速度データに対して移動平均やローパスフィルタ処理を施し、角速度データの基準値Woを推定する。
ステップS6: ここでは、動きベクトル検出部160が新しい画像動きベクトルを算出するたびに割り込みが発生し、画像動きベクトルの値を更新する。
なお、動きベクトル検出部160は、次の手順で画像動きベクトルを算出する。
(1)撮像素子150は、読み出しラインの数を間引くことにより、撮像画像を繰り返し読み出す。これらの撮像画像は、モニタ表示用や、露出や焦点制御やホワイトバランス調整の制御用、動画記録用といった用途に使用される。
(2)動きベクトル検出部160は、撮像画像の前後フレームについて画像相関などを検出し、画像動きベクトルを算出する。このような画像動きベクトルの検出方法としては、時空間勾配法やブロックマッチング法などの方法がある。
(3)動きベクトル変換部170は、撮影レンズ190aの焦点距離情報120、撮影倍率情報130を情報取得する。これらの情報を用いて、動きベクトル変換部170は、画面上の変位の単位である画像動きベクトルを、基準値と同じ角速度の単位に換算する。
ステップS7: 制御部320は、ブレ補正が駆動中か、あるいは一時停止中かを判断する。
後述するパンニング判定などによってブレ補正を一時停止している場合、制御部320は、ステップS11に動作を移行する。
一方、ブレ補正の駆動中であれば、制御部320はステップS8に動作を移行する。
ステップS8: 制御部320は、ブレ補正の駆動開始の時点から時間経過を計測し、所定の抑制期間が経過したか否かを判定する。
ここで抑制期間中の場合、制御部320はステップS9に動作を移行する。
一方、抑制期間を既に経過している場合、制御部320はステップS10に動作を移行する。
なお、ここでの『ブレ補正の駆動開始』には、半押しスイッチオンによる駆動開始(図3に示す時点t1)に加えて、ブレ補正の一時停止状態(パンニング判定など)からの駆動再開(図3に示す時点t4)も含めることが好ましい。
また、この抑制期間としては、下記のような期間を採用することが好ましい。
(ケース1)ブレ補正の駆動開始後に光電蓄積を開始した撮像画像が、撮像素子150から出力され始め、それらの撮像画像を元にした画像動きベクトルが取得できるようになるまでの期間。
(ケース2)ブレ補正の駆動開始時点から、少なくとも(DLY+2/FR)が経過するまでの期間(図4参照)。ただし、FRは、撮像素子150のフレームレートに相当する。DLYは、撮像画像を取り込んでから、画像動きベクトルの演算を完了するまでの待ち時間に該当する。
(ケース3)ブレ補正の駆動開始時点から、少なくとも(T1+DLY+2/FR)が経過するまでの期間。ただし、T1は、ブレ補正の駆動開始後に光電蓄積を開始した撮像画像が最初に出力されるまでのタイムラグに該当する(図4参照)。
ステップS9: 制御部320は、抑制期間中、画像動きベクトルのフィードバック量を抑制する。
ここでの抑制方法としては、例えば下記の処理1〜3のいずれかが好ましい。
(処理1)フィードバック量を実質的にゼロにする。
(処理2)基準値の乱れが問題とならない程度にフィードバックゲインを下げる(単位時間当たりのフィードバック回数を減らす場合も含む)。
(処理3)基準値の乱れが問題とならない程度にフィードバックする画像動き信号をリミット制限する
ステップS10: 基準値演算部40は、フィードバック抑制部220を経由した画像動きベクトルBを、基準値Woにフィードバックする。
例えば、下式に従ってフィードバックを行う。
Wo′=Wo−b ・・・(2)
ただし、bは、画像動きベクトルBのブレ補正の方向に一致するベクトル成分である。
ステップS11: 目標駆動位置演算部50は、A/D変換部30から出力される角速度データから、修正後の基準値Wo′を減算し、像面ブレの原因となる真の角速度データを求める。
ステップS12: ここで、目標駆動位置演算部50は、パンニング判定を実施する。このパンニング判定では、角速度データに基づいて、カメラシステム190が一定方向に継続的に移動中か否かを判定する。なお、この判定方法に限らず、例えば、画像動きベクトルなどから、パンニングを判定してもよい。
もしパンニングと判定された場合、ステップS13に動作が移行する。
一方、パンニングではない場合、ステップS14に動作が移行する。
ステップS13: このステップでは、カメラシステム190がパンニング中である。そこで、目標駆動位置演算部50は、目標駆動位置を一定値に保つことで、パンニング方向に対するブレ補正光学系の駆動を停止する。この停止状態のままで、ステップS16に動作が移行する。
ステップS14: このステップでは、カメラシステム190はパンニング状態にない為、以下のブレ補正動作を実行する。
まず、目標駆動位置演算部50は、真の角速度データを積分することにより、撮影レンズ190aの光軸角度の傾きを求める。目標駆動位置演算部50は、この光軸角度から、被写体像の結像位置の変位を打ち消すために必要なブレ補正光学系100の位置(いわゆる目標駆動位置)を求める。
ステップS15: 駆動信号演算部60は、目標駆動位置演算部50から目標駆動位置を情報取得し、位置検出部90から得たブレ補正光学系100の現在位置との偏差を求める。駆動信号演算部60は、この偏差をうち消すための駆動信号を出力する。ドライバ70は、この駆動信号から駆動電流を生成して、駆動機構80に流す。この駆動制御によって、ブレ補正光学系100は目標駆動位置に追従移動する。
ステップS16: ここで、制御部320は、カメラシステム190の全押しスイッチ(不図示)の状態を判定する。
オフ状態であれば、制御部320はステップS1に動作を戻す。
オン状態であれは、制御部320はステップS17に動作を移行する。
ステップS17: 制御部320は、上述したブレ補正を継続しながら、撮像素子150を駆動して静止画像を撮像する。この撮像動作の完了後、制御部320は、ステップS1に動作を戻す。
[本実施形態の効果など]
図4は、抑止期間と画像動きベクトルとの関係を示すタイミングチャートである。
撮像素子150は、撮像間隔1/FRで、撮像画像Im1〜Im8を順次出力する。動きベクトル検出部160は、直前の撮像画像2フレームを取り込み、演算処理の待ち時間DLYを経て、画像動きベクトルV1〜V7を順次出力する。ところで、図4の例では、撮像画像Im2の出力後に、ブレ補正が駆動開始する。このブレ補正の駆動開始時点から時間T1を経ることよって、ブレ補正後の撮像画像Im3が出力される。
この場合、画像動きベクトルV1は、ブレ補正前の撮像画像Im1,Im2から算出されるため、ブレ補正のかかる前の手ブレなどを反映した画像動きベクトルとなる。
また、画像動きベクトルV2は、ブレ補正前の撮像画像Im2とブレ補正後の撮像画像Im3とから算出されるため、ブレ補正の停止から駆動にまたがるブレの過渡変化を反映した画像動きベクトルとなる。
一方、画像動きベクトルV3以降は、ブレ補正後の撮像画像Im3,Im4などから算出されるため、ブレ補正状態における残存ブレを反映した画像動きベクトルとなる。
このブレ補正の駆動開始の時点t1(t4)から、この残存ブレを反映した画像動きベクトルV3を取得するまでの期間は、(T1+DLY+1/FR)に等しくなる。
したがって、少なくともこの期間(T1+DLY+1/FR)については、画像動きベクトルのフィードバック量を抑制することにより、ブレ補正前の大きな画像動きが基準値に混入することが無くなり、基準値の乱れを抑止することができる。
さらに、この期間(T1+DLY+1/FR)の経過以降に、上記の抑制を解除することにより、残存ブレを反映した画像動きベクトルを用いて、基準値を正しく修正することができる。
なお、上記の時間T1は、ブレ補正の駆動タイミングによって毎回変化する。そこで、時間T1に代えて、時間T1の取りうる最大値1/FRを安全値として使用してもよい。この場合、一定期間(DLY+2/FR)の経過を待つことにより、残存ブレを反映した画像動きベクトルV4を確実に得ることができる。
図5[A]〜[C]は、基準値の引き込み動作の様子をコンピュータシミュレーションで求めた図である。この図5[A]〜[C]を用いて、抑制期間の具体的効果を説明する。
図5[A]は、抑制期間を特に設けなかったケースである。すなわち、ブレ補正の駆動開始の直後から、画像動きベクトルのフィードバックを開始する。この場合、ブレ補正前の画像動きベクトルによって、基準値の値が瞬間的に大きくずれてしまう。そのため、基準値の引き込みに期間がかかる。この基準値の引き込みにかかる期間、ブレ補正の効果は得られず、逆にブレが悪化してしまう。
また、図5[B]では、ブレ補正の駆動開始から待ち時間DLYが経過するまでの期間、フィードバック量を抑制している。この待ち時間DLYの終了時点では、画像動きベクトルは、ブレ補正前後の過渡的な変化を示す。そのため、この場合も基準値がずれてしまい、基準値の引き込みに時間がかかる。この引き込み期間中、ブレ補正の効果は得られず、逆にブレが悪化してしまう。
一方、図5[C]は、抑制期間を(DLY+2/FR)に設定したケースである。この抑制期間の終了時点において、画像動きベクトルはブレ補正後の残存ブレを反映した小さな値となる。その結果、基準値が大きくずれることはなく、基準値の引き込みにかかる時間を顕著に短縮することが可能になる。その結果、ブレ補正の効果を素早く得ることができる。
[実施形態の補足事項]
なお、上述した実施形態において、撮影レンズ190aとカメラシステム190とを一体に構成してもよい。また、撮影レンズ190aとカメラシステム190とを着脱自在に構成してもよい。なお、撮影レンズ190aとカメラシステム190とを着脱する場合は、画像動き信号を生成するブロックを、撮影レンズ190aおよびカメラシステム190のどちらに設置してもよい。例えば、画像動き信号を生成するブロックをカメラシステム190側に設置し、画像動き信号を基準値と同一スケールに換算するブロックを撮影レンズ190a側に設置するなどの態様が可能である。
また、上述した実施形態では、振動検出信号として角速度を検出している。しかしながら、本発明は、角速度の検出に限定されず、被写体像の結像位置の変位を推定可能な振動成分を検出すればよい。例えば、カメラシステムに作用する加速度や、角加速度や、遠心力や、慣性力などを振動検出信号として検出すればよい。
なお、上述した実施形態では、撮影レンズ190aの光像をシフトまたはチルトしてブレ補正を実施している。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、撮像素子を移動することでブレ補正を実施してもよい。
また、上述した実施形態において、抑制期間の経過後であれば、フィードバック量の抑制をいつ解除してよい。しかしながら、基準値をなるべく早く修正するためには、抑制期間の終了直後にフィードバック量の抑制を即座に解除することが好ましい。
なお、上述した実施形態では、撮像画像2フレームから画像動きベクトルを検出している。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。1フレームの像流れから画像動きベクトルを検出してもよい。また、3フレーム以上の撮像画像を比較して画像動きベクトルを検出してもよい。
以上説明したように、本発明は、光学的ブレ補正機能を有する光学機器などに利用可能な技術である。
ブレ補正の機構を有するカメラシステム190(ブレ補正装置を含む)を示す図である。 ブレ補正の制御動作を示す流れ図である。 画像動きベクトルのフィードバック動作のタイミングを説明する図である。 抑止期間と画像動きベクトルとの関係を示すタイミングチャートである。 基準値の引き込み高速化の効果を示す図である。
符号の説明
10 角速度センサ
20 増幅部
30 A/D変換部
40 基準値演算部
50 目標駆動位置演算部
60 駆動信号演算部
70 ドライバ
80 駆動機構
82 ヨーク
84 マグネット
86 コイル
90 位置検出部
92 赤外線LED
94 スリット板
98 PSD(位置検出素子)
100 ブレ補正光学系
102 鏡筒
120 焦点距離情報
130 撮影倍率情報
140 光学情報
150 撮像素子
160 動きベクトル検出部
170 動きベクトル変換部
190 カメラシステム
190a 撮影レンズ
220 フィードバック抑制部
320 制御部

Claims (6)

  1. カメラの撮像部における被写体像の像面ブレを補正するブレ補正装置であって、
    前記撮像部と前記被写体像を形成する光束との相対位置を変更するブレ補正機構と、
    前記カメラの振動を検出して振動検出信号を出力する振動検出部と、
    前記振動検出信号に基づいて、前記振動のない静止状態における前記振動検出部の出力である基準値を推定する基準値生成部と、
    前記振動検出信号と、推定された前記基準値との差から、前記像面ブレの原因となる振動成分を求め、前記振動成分に基づいて前記ブレ補正機構の目標駆動位置を求める目標駆動位置演算部と、
    前記ブレ補正機構を前記目標駆動位置に追従制御する駆動部とを備え、
    前記基準値生成部は、
    前記カメラの撮像画像を解析して得られる画像動き信号を取得し、前記画像動き信号を前記基準値にフィードバックして、前記基準値を修正するフィードバック経路と、
    前記駆動部の駆動開始時は、前記基準値に対する前記画像動き信号のフィードバック量を抑制するフィードバック抑制部を備えた
    ことを特徴とするブレ補正装置。
  2. 請求項1に記載のブレ補正装置において、
    前記フィードバック抑制部は、
    前記駆動開始後に撮像された撮像画像を元に解析した画像動き信号の取得時点以降に、前記フィードバック量の抑制を解除する
    ことを特徴とするブレ補正装置。
  3. 請求項1又は2に記載のブレ補正装置において、
    前記フィードバック抑制部は、
    前記撮像画像のフレームレートをFRとし、
    前記撮像画像を取り込んでから前記画像動き信号が得られるまでの待ち時間をDLYとして、
    前記駆動部の駆動開始時点から、少なくとも(DLY+2/FR)の期間、前記フィードバック量を抑制する
    ことを特徴とするブレ補正装置。
  4. 請求項に記載のブレ補正装置において、
    前記フィードバック抑制部は、
    前記駆動部の駆動開始時点から、駆動開始後に最初に撮像された撮像画像を得るまでのタイムラグをT1とし、
    前記撮像画像のフレームレートをFRとし、
    前記撮像画像を取り込んでから前記画像動き信号が得られるまでの待ち時間をDLYとして、
    前記駆動部の駆動開始時点から、少なくとも(T1+DLY+1/FR)の期間、前記フィードバック量を抑制する
    ことを特徴とするブレ補正装置。
  5. 請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載のブレ補正装置において、
    前記フィードバック抑制部は、
    フィードバック量をゼロにする制御、フィードバックゲインを下げる制御、およびフィードバックする前記画像動き信号をリミット制限する制御のうち少なくとも1つを実施することにより、フィードバック量を抑制する
    ことを特徴とするブレ補正装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のブレ補正装置と、
    前記ブレ補正装置を用いて、ブレ補正を実施するカメラと
    を備えたことを特徴とするカメラシステム。
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