JP4556936B2 - 電極接続用接着剤 - Google Patents

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Description

本発明は、電極、回路等を設けた配線板や電子部品等を接着し、かつ電気的に接続するための電極接続用接着剤に関する。
近年の電子機器の小型化、高機能化の流れの中で、構成部品(例えば、液晶製品における電子部品)内の接続端子の微小化が進んでいる。このため、エレクトロニクス実装分野においては、そのような端子間の接続を容易に行える種々の電極接続用接着剤として、フィルム状の接着剤が広く使用されている。例えば、金メッキされた銅電極からなる金属電極が形成されたフレキシブルプリント配線板(FPC)と、ITO電極からなる配線電極が形成されたガラス基板等の配線基板の接合や、ICチップ等の電子部品と配線基板の接合に使用されている。
この電極接続用接着剤は、例えば、エポキシ樹脂等の絶縁性の樹脂組成物中に導電性粒子を分散させた接着剤であり、接続対象の間に挟まれ、加熱、加圧されて、接続対象を接着する。即ち、加熱、加圧により接着剤中の樹脂が流動し、例えば、フレキシブルプリント配線板の表面に形成された銅電極と、配線基板の表面に形成されたITO電極の隙間を封止すると同時に、導電性粒子の一部が対峙する銅電極とITO電極の間に噛み込まれて電気的接続が達成される。そして、電極接続用接着剤においては、当該電極接続用接着剤の厚み方向に相対峙する、接続された電極間の抵抗(接続抵抗、または導通抵抗)を低くするという導通性能と、電極接続用接着剤の面方向に隣り合う電極間の抵抗(絶縁抵抗)を高くするという絶縁性能が必要とされている。
また、電極接続用接着剤と電極間の接着力を向上させるために、カルボキシル基を有するアクリル樹脂を含有する電極接続用接着剤が提案されている。より具体的には、アクリル酸等のカルボキシル基を有するアクリル樹脂と、エポキシ樹脂等の反応性接着剤と、イミダゾール系等の潜在性硬化剤、及びニッケル等の導電性粒子を主成分とする電極接続用接着剤が開示されている。そして、このような接着剤を使用することにより、電極に使用される金属に対するアクリル樹脂中のカルボキシル基の親和性が高いため、接着剤を介して電極間を接続する際の接着力が向上すると記載されている。また、電極間を接続後は、アクリル樹脂が溶剤(トルエン、アセトン、アルコール等)に可溶であり、接着剤の溶剤による膨潤性が向上するため、接続される電極の位置ずれ等により、一度接続した電極間の破損または損傷を生じることなく剥離して、接着剤を溶剤等で除去した後、再度、接着剤を用いて、電極間を接続すること(以下、「リペア」という。)が容易にできると記載されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平5−21094号公報
ここで、上記従来の電極接続用接着剤においては、リペアを行う際に、カルボキシル基を含有するアクリル樹脂の溶剤による除去性を向上させるために、電極接続用接着剤の全体に対する、当該アクリル樹脂の含有量を増加させる必要がある。しかし、当該アクリル樹脂の含有量が多いと、アクリル樹脂が含有するカルボキシル基が、エポキシ樹脂が含有するエポキシ基と反応することになり、接着剤の保存安定性が低下するという不都合が生じていた。従って、接着剤のリペア性と保存安定性の向上を両立させることが困難になるという問題があった。
そこで、本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、リペア性と保存安定性を向上することができるとともに、例えば、フレキシブルプリント配線板と配線基板を、接着剤を介して接続する際に、フレキシブルプリント配線板と配線基板の接続信頼性を向上することができる電極接続用接着剤を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、エポキシ樹脂を主成分とし、フェノキシ樹脂、熱可塑性樹脂、導電性粒子、および潜在性硬化剤を含有するとともに、配線板の電極と電子部品の電極との電気的接続または配線板の電極間の電気的接続をするための接着剤である電極接続用接着剤において、熱可塑性樹脂が、カルボキシル基を含有しないアクリル樹脂と、ポリビニルブチラール樹脂を含有することを特徴とする。
同構成によれば、エポキシ樹脂を主成分とし、フェノキシ樹脂、熱可塑性樹脂、導電性粒子、および潜在性硬化剤を含有する電極接続用接着剤を介して、加熱加圧処理を行うことにより、例えば、フレキシブルプリント配線板の金属電極(例えば、金メッキが施された銅電極)を配線基板の配線電極(例えば、金メッキが施された銅電極)に接続する際に、エポキシ樹脂が含有するエポキシ基とカルボキシル基との反応を回避することができるため、電極接続用接着剤の保存安定性の低下を効果的に防止することが可能になる。また、カルボキシル基を含有しないアクリル樹脂とポリビニルブチラールの各々が、溶剤に可溶であり、電極接続用接着剤において、溶剤による膨潤性が向上するため、リペアを行う際の作業時間を短縮することが可能になる。その結果、電極接続用接着剤のリペア性と保存安定性を向上することができる。また、カルボキシル基を含有するアクリル樹脂を使用しない場合であっても、電極接続用接着剤と、配線電極、および金属電極の接着力を向上させることができるため、配線基板とフレキシブルプリント配線板の接続信頼性を向上させることが可能になる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電極接続用接着剤であって、電極接続用接着剤の全体に対する熱可塑性樹脂の配合量が、1.1重量%以上35重量%以下であることを特徴とする。
同構成によれば、リペアを行う際の作業性が低下するという不都合を回避することができる。また、フィルム形状を有する電極接続用接着剤を作製する際に、フィルム形成が困難になるという不都合を回避することができる。また、フレキシブルプリント配線板を配線基板に実装した後において、電極接続用接着剤の耐熱性の低下を回避することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の電極接続用接着剤であって、電極接続用接着剤の全体に対するポリビニルブチラールの配合量が、1重量%以上25重量%以下であるとともに、電極接続用接着剤の全体に対するカルボキシル基を含有しないアクリル樹脂の配合量が、0.1重量%以上10重量%以下であることを特徴とする。
同構成によれば、電極接続用接着剤と、配線電極、および金属電極の接着力の向上効果、およびリペア性の向上効果を十分に発揮させた状態で、配線基板とフレキシブルプリント配線板の接続信頼性を向上させることが可能になる。また、電極接続用接着剤の耐熱性の低下を防止することが可能になる。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電極接続用接着剤であって、カルボキシル基を含有しないアクリル樹脂が、平均粒径が1μm以下の樹脂微粒子であることを特徴とする。
同構成によれば、同一の配合重量において、電極接続用接着剤中に分散された粒子状のアクリル樹脂の数を向上させることができるようになるため、電極接続用接着剤の保存安定性およびリペア性の向上効果を、より一層、発揮させることが可能になる。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の電極接続用接着剤であって、導電性粒子が、微細な金属粒子が多数、直鎖状に繋がった形状、または針形状を有する金属粉末であることを特徴とする。
同構成によれば、電極接続用接着剤の面方向においては、隣り合う電極間の絶縁を維持して短絡を防止しつつ、電極接続用接着剤の厚み方向においては、多数の配線電極−金属電極を一度に、かつ各々を独立して導電接続して、低抵抗を得ることが可能になる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の電極接続用接着剤であって、導電性粒子のアスペクト比が5以上であることを特徴とする。同構成によれば、電極接続用接着剤を使用する場合に、導電性粒子間の接触確率が高くなる。その結果、導電性粒子の配合量を増やすことなく、配線電極と金属電極を電気的に接続することが可能になる。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の電極接続用接着剤であって、フィルム形状を有することを特徴とする。同構成によれば、電極接続用接着剤の取り扱いが容易になるとともに、例えば、電極接続用接着剤を介して、加熱加圧処理を行うことにより、配線電極と金属電極を接続する際の作業性が向上する。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の電極接続用接着剤であって、導電性粒子が、微細な金属粒子が多数、直鎖状に繋がった形状、または針形状を有する金属粉末であり、該導電性粒子の長径方向を、フィルム形状を有する接着剤の厚み方向に配向させたことを特徴とする。同構成によれば、隣り合う電極間の絶縁を維持して短絡を防止しつつ、多数の配線電極−金属電極間を一度に、かつ各々を独立して導電接続することが可能になるという効果が、より一層向上する。
本発明によれば、リペア性と保存安定性を向上することができるとともに、例えば、フレキシブルプリント配線板と配線基板を、接着剤を介して接続する際の、フレキシブルプリント配線板と配線基板の接続信頼性を向上させることが可能になる。
以下に、本発明の好適な実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る電極接続用接着剤により、フレキシブルプリント配線板を実装した配線基板を示す断面図である。本実施形態の電極接続用接着剤を用いたフレキシブルプリント配線板等の配線板の実装方法としては、例えば、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂を主成分とする電極接続用接着剤を介して、加熱加圧処理を行うことにより、当該エポキシ樹脂を硬化させ、フレキシブルプリント配線板の金属電極を配線基板の配線電極に接続する。
より具体的には、図1に示すように、ガラス基板等の配線基板1上に、絶縁性の熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂を主成分とし、熱可塑性樹脂と、潜在性硬化剤と、導電性粒子を含有する導電性の電極接続用接着剤2を載置し、当該電極接続用接着剤2を所定の温度に加熱した状態で、配線基板1の方向へ所定の圧力で加圧し、電極接続用接着剤2を配線基板1上に仮接着する。なお、電極接続用接着剤2は、ペースト状で使用することができるが、フィルム形状を有する電極接続用接着剤2も好適に使用できる。次いで、フレキシブルプリント配線板3を下向きにした状態で、配線基板1の表面に形成された配線電極4と、フレキシブルプリント配線板3の表面に形成された金属電極5との位置合わせをしながら、フレキシブルプリント配線板3を電極接続用接着剤2上に載置することにより、配線基板1とフレキシブルプリント配線板3との間に電極接続用接着剤2を介在させる。次いで、電極接続用接着剤2を所定の温度に加熱した状態で、フレキシブルプリント配線板3を介して、当該電極接続用接着剤2を配線基板1の方向へ所定の圧力で加圧することにより、電極接続用接着剤2を加熱溶融させる。なお、上述のごとく、電極接続用接着剤2は、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂を主成分としているため、当該電極接続用接着剤2は、上述の温度にて加熱をすると、一旦、軟化するが、当該加熱を継続することにより、硬化することになる。そして、予め設定した電極接続用接着剤2の硬化時間が経過すると、電極接続用接着剤2の硬化温度の維持状態、および加圧状態を開放し、冷却を開始することにより、導電性の電極接続用接着剤2を介して、配線電極4と金属電極5を接続し、フレキシブルプリント配線板3を配線基板1上に実装する。
また、本発明の金属電極5としては、例えば、フレキシブルプリント配線板3の表面に、銅箔等の金属箔を積層し、当該金属箔を、常法により、露光、エッチング、メッキ処理することにより形成された金属製の金メッキが施された銅電極が使用される。また、配線電極4としては、例えば、上述の金属製の金メッキが施された銅電極や、配線基板1上に形成された金属製のITO電極が使用される。
ここで、本実施形態においては、電極接続用接着剤2の熱可塑性樹脂が、カルボキシル基を含有しないアクリル樹脂を含有する点に特徴がある。このようなアクリル樹脂を使用することにより、エポキシ樹脂を主成分とする電極接続用接着剤を使用する場合において、エポキシ樹脂が含有するエポキシ基とカルボキシル基との反応を回避することができるため、電極接続用接着剤2の保存安定性の低下を効果的に防止することが可能になる。また、アクリル樹脂は、溶剤(トルエン、アセトン、アルコール等)に可溶であり、電極接続用接着剤2の溶剤による膨潤性が向上するため、リペア性が向上することになる。
また、本実施形態においては、電極接続用接着剤2の熱可塑性樹脂が、ポリビニルブチラール樹脂を含有する点に特徴がある。このようなポリビニルブチラール樹脂を使用することにより、ポリブチルビにラール樹脂は水酸基を有しており、配線電極4、および金属電極5に対するポリビニルブチラール樹脂中の水酸基の親和性が高いため、電極接続用接着剤2を介して配線電極4−金属電極5間を接続する際の接着力が向上する。また、ポリビニルブチラール樹脂は、上述の溶剤に可溶であり、電極接続用接着剤2において、溶剤による膨潤性が向上するため、リペア性が向上することになる。
即ち、本実施形態の電極接続用接着剤2を使用することにより、上記従来技術において説明した、カルボキシル基を含有するアクリル樹脂を使用しない場合であっても、電極接続用接着剤2と、配線電極4、および金属電極5の接着力を向上させることができる。従って、配線基板1とフレキシブルプリント配線板3の接続信頼性を向上させることが可能になる。また、電極接続用接着剤2のリペア性と保存安定性を向上させることが可能になる。特に、カルボキシル基を含有しないアクリル樹脂とポリビニルブチラールの各々が、溶剤に可溶であり、電極接続用接着剤2において、溶剤による膨潤性が向上するため、リペアを行う際の作業時間を短縮することが可能になる。
本発明のカルボキシル基を含有しないアクリル樹脂としては、樹脂中にカルボキシル基を含有しないものであれば、特に限定されない。例えば、アクリル酸エステル重合体、メタクリル酸エステル重合体、及びその共重合体等が挙げられる。また、スチレン、アクリロニトリル等を共重合体内部に含有しても良い。
また、本発明のポリビニルブチラール樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコールとブチルアルデヒドを反応させたもの等を使用することができる。
なお、電極接続用接着剤2に含有される熱可塑性樹脂は、上述のカルボキシル基を含有しないアクリル樹脂、およびポリビニルブチラールを含有していれば良い。即ち、熱可塑性樹脂を、上述のカルボキシル基を含有しないアクリル樹脂、およびポリビニルブチラールのみで構成しても良く、これらの樹脂以外に、例えば、ポリウレタン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリシロキサン、ポリビニルアセタール等を含有する構成としても良い。
また、本実施形態においては、電極接続用接着剤2の全体に対する熱可塑性樹脂の配合量を、1.1重量%以上35重量%以下とすることが好ましい。これは、熱可塑性樹脂の配合量が、1.1重量%より小さい場合は、リペアを行う際の作業性が低下する場合があり、35重量%より大きい場合は、フィルム形状を有する電極接続用接着剤2を作製する際に、フィルム形成が困難になる場合があり、また、フレキシブルプリント配線板3を配線基板1に実装した後において、電極接続用接着剤2の耐熱性が低下して、電極接続用接着剤2の接着力が低下する場合があるためである。
また、電極接続用接着剤2の全体に対するポリビニルブチラールの配合量を、1重量%以上25重量%以下とすることが好ましい。これは、ポリビニルブチラールの配合量が、1重量%より小さい場合は、上述の、電極接続用接着剤2と、配線電極4、および金属電極5の接着力の向上効果、およびリペア性の向上効果が十分に発揮されない場合があるためである。また、ポリビニルブチラールの配合量が、25重量%より大きい場合は、主成分であるエポキシ樹脂のガラス転移温度が低下するため、上述の、電極接続用接着剤2の硬化温度の維持状態、および加圧状態を開放し、冷却を開始する際に、エポキシ樹脂の凝集力が十分に発現する前に、配線電極4と金属電極5が、当該樹脂からの反発力を受けることになり、結果として、電極間の接続信頼性が低下することになるからである。なお、上述の「ガラス転移温度」とは、動的粘弾性測定装置(DMA)を用いて測定された電極接続用接着剤2の物性値のことをいう。
また、電極接続用接着剤2の全体に対するカルボキシル基を含有しないアクリル樹脂の配合量を、0.1重量%以上10重量%以下とすることが好ましい。これは、当該アクリル樹脂の配合量が、0.1重量%より小さい場合は、上述のリペア性の向上効果が十分に発揮されない場合があり、また、10重量%より大きい場合は、電極接続用接着剤2の耐熱性が低下する場合があるからである。
また、本実施形態においては、カルボキシル基を含有しないアクリル樹脂として、平均粒径が1μm以下の樹脂微粒子を使用することが好ましい。これは、当該樹脂微粒子の平均粒径が小さくなるにつれて、同一の配合重量において、電極接続用接着剤2中に分散された粒子状のアクリル樹脂の数を向上させることができるようになるため、上述の保存安定性およびリペア性の向上効果を、より一層、発揮させることが可能になるためである。
本発明に使用される電極接続用接着剤2としては、従来、配線基板1とフレキシブルプリント配線板3の接続に使用されてきた、絶縁性の熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂を主成分とし、当該樹脂中に導電性粒子が分散されたものが使用できる。例えば、エポキシ樹脂に、ニッケル、銅、銀、金あるいは黒鉛等の導電性粒子の粉末が分散されたものが挙げられる。熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を使用することにより、電極接続用接着剤2のフィルム形成性、耐熱性、および接着力を向上させることが可能になる。
なお、使用するエポキシ樹脂は、特に制限はないが、例えば、ビスフェノールA型、F型、S型、AD型、またはビスフェノールA型とビスフェノールF型との共重合型のエポキシ樹脂や、ナフタレン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂等を使用することができる。また、高分子量エポキシ樹脂であるフェノキシ樹脂を用いることもできる。
また、エポキシ樹脂の分子量は、電極接続用接着剤2に要求される性能を考慮して、適宜選択することができる。高分子量のエポキシ樹脂(即ち、上述のフェノキシ樹脂)を使用すると、フィルム形成性が高く、また、接続温度における樹脂の溶解粘度を高くでき、後述の導電性粒子の配向を乱すことなく接続できる効果がある。一方、低分子量のエポキシ樹脂を使用すると、架橋密度が高まって耐熱性が向上するという効果が得られる。また、加熱時に、上述の硬化剤と速やかに反応し、接着性能を高めるという効果が得られる。従って、分子量が15000以上の高分子量エポキシ樹脂と分子量が2000以下の低分子量エポキシ樹脂とを組み合わせて使用することにより、性能のバランスが取れるため、好ましい。なお、高分子量エポキシ樹脂と低分子量エポキシ樹脂の配合量は、適宜、選択することができる。また、ここでいう「平均分子量」とは、THF展開のゲルパーミッションクロマトグラフィー(GPC)から求められたポリスチレン換算の重量平均分子量のことをいう。
また、本発明に使用される電極接続用接着剤2として、潜在性硬化剤を含有する接着剤が使用できる。この潜在性硬化剤は、低温での貯蔵安定性に優れ、室温では殆ど硬化反応を起こさないが、熱や光等により、速やかに硬化反応を行う硬化剤である。この潜在性硬化剤としては、イミダゾール系、ヒドラジド系、三フッ化ホウ素−アミン錯体、アミンイミド、ポリアミン系、第3級アミン、アルキル尿素系等のアミン系、ジシアンジアミド系、酸無水物系、フェノール系、および、これらの変性物が例示され、これらは単独または2種以上の混合物として使用できる。
また、これらの潜在性硬化剤中でも、低温での貯蔵安定性、および速硬化性に優れているとの観点から、イミダゾール系潜在性硬化剤が好ましく使用される。イミダゾール系潜在性硬化剤としては、公知のイミダゾール系潜在性硬化剤を使用することができる。より具体的には、イミダゾール化合物のエポキシ樹脂との付加物が例示される。イミダゾール化合物としては、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−プロピルイミダゾール、2−ドデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾールが例示される。
また、特に、これらの潜在性硬化剤を、ポリウレタン系、ポリエステル系等の高分子物質や、ニッケル、銅等の金属薄膜およびケイ酸カルシウム等の無機物で被覆してマイクロカプセル化したものは、長期保存性と速硬化性という矛盾した特性の両立を図ることができるため、好ましい。従って、マイクロカプセル型イミダゾール系潜在性硬化剤が、特に好ましい。
また、電極接続用接着剤2として、図2に示すように、導電性粒子6を含む異方導電性接着剤も使用することができる。より具体的には、当該異方導電性接着剤として、例えば、上述のエポキシ樹脂を主成分とし、当該樹脂中に、微細な金属粒子(例えば、球状の金属微粒子や金属でメッキされた球状の樹脂粒子からなる金属微粒子)が多数、直鎖状に繋がった形状、または針形状を有する、所謂アスペクト比が大きい形状を有する金属粉末により形成された導電性粒子6が分散されたものを使用することができる。なお、ここで言うアスペクト比とは、図3に示す、導電性粒子6の短径(導電性粒子6の断面の長さ)Rと長径(導電性粒子6の長さ)Lの比のことを言う。
このような導電性粒子6を使用することにより、異方導電性接着剤として、電極接続用接着剤2の面方向(厚み方向Xに直交する方向であって、図2の矢印Yの方向)においては、隣り合う電極間の絶縁を維持して短絡を防止しつつ、厚み方向Xにおいては、多数の配線電極4−金属電極5間を、一度にかつ各々を独立して接続し、低抵抗を得ることが可能になる。
また、導電性粒子6のアスペクト比が5以上であることが好ましい。このような導電性粒子6を使用することにより、電極接続用接着剤2として、異方導電性接着剤を使用する場合に、導電性粒子6間の接触確率が高くなる。従って、導電性粒子6の配合量を増やすことなく、配線電極4と金属電極5を電気的に接続することが可能になる。
また、この異方導電性接着剤において、導電性粒子6の長径Lの方向を、フィルム状の異方導電性接着剤を形成する時点で、異方導電性接着剤の厚み方向Xにかけた磁場の中を通過させることにより、当該厚み方向Xに配向させて用いるのが好ましい。このような配向にすることにより、上述の、隣り合う電極間の絶縁を維持して短絡を防止しつつ、多数の配線電極4−金属電極5間を一度に、かつ各々を独立して導電接続することが可能になるという効果が、より一層向上する。
また、本発明に使用される金属粉末は、その一部に強磁性体が含まれるものが良く、強磁性を有する金属単体、強磁性を有する2種類以上の合金、強磁性を有する金属と他の金属との合金、および強磁性を有する金属を含む複合体のいずれかであることが好ましい。これは、強磁性を有する金属を使用することにより、金属自体が有する磁性により、磁場を用いて導電性粒子6を配向させることが可能になるからである。例えば、ニッケル、鉄、コバルトおよびこれらを含む2種類以上の合金等を挙げることができる。
なお、導電性粒子6のアスペクト比は、CCD顕微鏡観察等の方法により直接測定するが、断面が円でない導電性粒子6の場合は、断面の最大長さを短径としてアスペクト比を求める。また、導電性粒子6は、必ずしもまっすぐな形状を有している必要はなく、多少の曲がりや枝分かれがあっても、問題なく使用できる。この場合、導電性粒子6の最大長さを長径としてアスペクト比を求める。
以上に説明した本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)本実施形態においては、絶縁性の熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂を主成分とし、フェノキシ樹脂、熱可塑性樹脂、導電性粒子、および潜在性硬化剤を含有するとともに、配線板の電極と電子部品の電極との電気的接続または配線板の電極間の電気的接続をするための接着剤である電極接続用接着剤2において、熱可塑性樹脂が、カルボキシル基を含有しないアクリル樹脂と、ポリビニルブチラール樹脂を含有する構成としている。従って、エポキシ樹脂を主成分とする電極接続用接着剤2を使用する場合において、エポキシ樹脂が含有するエポキシ基とカルボキシル基との反応を回避することができるため、電極接続用接着剤2の保存安定性の低下を効果的に防止することが可能になる。また、カルボキシル基を含有しないアクリル樹脂とポリビニルブチラールの各々が、溶剤に可溶であり、電極接続用接着剤2において、溶剤による膨潤性が向上するため、リペアを行う際の作業時間を短縮することが可能になる。その結果、電極接続用接着剤2のリペア性と保存安定性を向上することができる。また、カルボキシル基を含有するアクリル樹脂を使用しない場合であっても、電極接続用接着剤2と、配線電極4、および金属電極5の接着力を向上させることができるため、配線基板1とフレキシブルプリント配線板3の接続信頼性を向上させることが可能になる。
(2)本実施形態においては、電極接続用接着剤2の全体に対する熱可塑性樹脂の配合量を、1.1重量%以上35重量%以下とする構成としている。従って、リペアを行う際の作業性が低下するという不都合を回避することができる。また、フィルム形状を有する電極接続用接着剤2を作製する際に、フィルム形成が困難になるという不都合を回避することができる。さらに、フレキシブルプリント配線板3を配線基板1に実装した後において、電極接続用接着剤2の耐熱性の低下を回避することができる。
(3)本実施形態においては、電極接続用接着剤2の全体に対するポリビニルブチラールの配合量を、1重量%以上25重量%以下とするとともに、電極接続用接着剤2の全体に対するカルボキシル基を含有しないアクリル樹脂の配合量を、0.1重量%以上10重量%以下とする構成としている。従って、電極接続用接着剤2と、配線電極4、および金属電極5の接着力の向上効果、およびリペア性の向上効果を十分に発揮させた状態で、配線基板1とフレキシブルプリント配線板3の接続信頼性を向上させることが可能になる。また、電極接続用接着剤2の耐熱性の低下を防止することが可能になる。
(4)本実施形態においては、カルボキシル基を含有しないアクリル樹脂として、平均粒径が1μm以下の樹脂微粒子を使用する構成としている。従って、同一の配合重量において、電極接続用接着剤2中に分散された粒子状のアクリル樹脂の数を向上させることができるようになるため、電極接続用接着剤2の保存安定性およびリペア性の向上効果を、より一層、発揮させることが可能になる。
(5)本実施形態においては、導電性粒子6として、微細な金属粒子が多数、直鎖状に繋がった形状、または針形状を有する金属粉末を使用する構成としている。従って、電極接続用接着剤2の面方向Yにおいては、隣り合う電極間の絶縁を維持して短絡を防止しつつ、電極接続用接着剤2の厚み方向Xにおいては、多数の配線電極4−金属電極5間を一度に、かつ各々を独立して接続し、低抵抗を得ることが可能になる。
(6)本実施形態においては、導電性粒子6のアスペクト比が5以上である構成としている。従って、電極接続用接着剤2として、異方導電性接着剤を使用する場合に、導電性粒子6間の接触確率が高くなる。その結果、導電性粒子6の配合量を増やすことなく、配線電極4と金属電極5を電気的に接続することが可能になる。
(7)本実施形態においては、フィルム形状を有する電極接続用接着剤2を使用する構成としている。従って、電極接続用接着剤2の取り扱いが容易になるとともに、電極接続用接着剤2により、配線電極4と金属電極5を接続する際の作業性が向上する。
(8)本実施形態においては、導電性粒子6の長径Lの方向を、フィルム形状を有する電極接続用接着剤2の厚み方向Xに配向させる構成としている。従って、上述の、隣り合う電極間の絶縁を維持して短絡を防止しつつ、多数の配線電極4−金属電極5間を一度に、かつ各々を独立して導電接続することが可能になるという効果が、より一層向上する。
なお、上記実施形態は以下のように変更しても良い。
・上記実施形態においては、電極接続用接着剤2を介して、フレキシブルプリント配線板3の金属電極5を配線基板1の配線電極4に接続する構成としたが、本発明の電極接続用接着剤2を、例えば、ICチップ等の電子部品の突起電極(または、バンプ)と配線基板1の配線電極4との接続に使用する構成としても良い。
以下に、本発明を実施例、比較例に基づいて説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されるものではなく、これらの実施例を本発明の趣旨に基づいて変形、変更することが可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
(実施例1)
(接着剤の作製)
導電性粒子として、長径Lの分布が1μmから8μm、短径Rの分布が0.1μmから0.4μmである直鎖状ニッケル微粒子を用いた。また、エポキシ樹脂としては、(1)フェノキシ樹脂〔ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名エピコート1256〕、(2)ビスフェノールA型の固形エポキシ樹脂〔ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名エピコート1004〕、および(3)ナフタレン型エポキシ樹脂〔大日本インキ化学工業(株)製、商品名エピクロン4032D〕を使用した。また、熱可塑性樹脂としては、(4)ポリビニルブチラール樹脂〔積水化学工業(株)製、商品名エスレックBM−1〕、および(5)カルボキシル基を含有しないアクリル樹脂の微粒子〔日本ペイント(株)製、商品名MG−151、平均粒径:0.1μm〕を使用し、潜在性硬化剤としては、(6)マイクロカプセル型イミダゾール系硬化剤〔旭化成エポキシ(株)製、商品名ノバキュアHX3941〕を使用し、これら(1)〜(6)を重量比で(1)30/(2)40/(3)20/(4)10/(5)5/(6)35の割合で配合した。なお、熱硬化性樹脂の配合量は、10.7重量%(ポリビニルブチラールの配合量が7.1重量%、カルボキシル基を含有しないアクリル樹脂の配合量が3.6重量%)である。
これらのエポキシ樹脂、熱可塑性樹脂、および潜在性硬化剤を、2−エトキシエチルアセタート(沸点:156℃)に溶解して、分散させた後、三本ロールによる混練を行い、固形分が40重量%である溶液を作製した。この溶液に、固形分の総量(Ni粉末+樹脂)に占める割合で表される金属充填率が、0.2体積%となるように上記Ni粉末を添加した後、遠心攪拌ミキサーを用いて攪拌することによりNi粉末を均一に分散し、接着剤用の複合材料を作製した。次いで、この複合材料を離型処理したPETフィルム上にドクターナイフを用いて塗布した後、磁束密度100mTの磁場中、60℃で30分間、乾燥、固化させることにより、膜中の直鎖状粒子が磁場方向に配向した、厚さ35μmのフィルム形状の異方導電性をもつ電極接続用接着剤を作製した。
(リペア性評価)
幅100μm、高さ18μmの、金メッキが施された銅電極が100μm間隔で、50個配列されたフレキシブルプリント配線板と、幅100μm、高さ35μmの、金メッキが施された銅電極が100μm間隔で50個配列されたリジッド配線板(ガラスクロスエポキシ基板)とを用意した。次いで、このフレキシブルプリント配線板とガラス基板の間に作製した接着剤を挟み、200℃に加熱しながら、4MPaの圧力で15秒間加圧して接着させ、フレキシブルプリント配線板とガラス基板の接合体を得た。次いで、当該接合体を200℃に加熱した状態で、ガラス基板からフレキシブルプリント配線板を剥離し、ガラス基板の銅電極上に残存している接着剤を、メチルエチルケトンとエタノールの混合溶媒(混合比率は70/30)を浸漬させた綿棒で拭き取り、ガラス基板の銅電極上に残存している接着剤を除去した。次いで、上述のフレキシブルプリント配線板と、接着剤を除去したガラス基板の間に、上述の、作製した接着剤を、再度、挟み、200℃に加熱しながら、4MPaの圧力で15秒間加圧して接着させ、フレキシブルプリント配線板とガラス基板の接合体を得た。次いで、この接合体において、1mAの定電流を印加した場合の、接着剤、および銅電極を介して接続された連続する10箇所の抵抗値を四端子法により求め、求めた値を10で除することにより、接続された1箇所あたりの接続抵抗(以下、「初期接続抵抗」という。)を求めた。そして、この評価を10回繰り返し、初期接続抵抗の平均値を求めた。そして、当該初期接続抵抗が1Ω以下の場合を、リペア性が良好なものとして判断した。また、上述の混合溶媒を浸漬させた綿棒で拭き取る際の拭き取り回数(即ち、ガラス基板の銅電極上に残存している接着剤に対する擦過回数)を、リペアに必要な時間の指標として使用し、リペアを行う際の作業時間を評価した。なお、上記拭き取り回数が、50回以下の場合を、リペアを行う際の作業時間が短く、良好なものとして判定した。以上の結果を表1に示す。
(接続信頼性評価)
また、接続信頼性評価として、まず、上記の接合体(ガラス基板からフレキシブルプリント配線板を剥離する前のもの)を用意し、温度を85℃、湿度を85%に設定した恒温恒湿槽中に500時間放置した後、接合体を恒温恒湿槽から取り出し、再び、上記と同様にして、接続抵抗の平均値を求めた。そして、当該接続抵抗が3Ω以下の場合を、電極間の接続信頼性が良好なものとして判断した。その結果を表1に示す。
(保存安定性評価)
まず、上記の接合体(ガラス基板からフレキシブルプリント配線板を剥離する前のもの)を用意し、当該接合体を4℃で冷蔵して、3ヶ月保存した後、上述と同一条件により、リペア性評価および接続安定性評価を行うことにより、保存安定性評価を行った。以上の結果を表1に示す。
(実施例2)
上述の実施例1において説明した、(1)フェノキシ樹脂〔ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名エピコート1256〕、(2)ビスフェノールA型の固形エポキシ樹脂〔ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名エピコート1004〕、(3)ナフタレン型エポキシ樹脂〔大日本インキ化学工業(株)製、商品名エピクロン4032D〕、(4)ポリビニルブチラール樹脂〔積水化学工業(株)製、商品名エスレックBM−1〕、(5)カルボキシル基を含有しないアクリル樹脂の微粒子〔日本ペイント(株)製、商品名MG−151、平均粒径:0.1μm〕、および(6)マイクロカプセル型イミダゾール系硬化剤〔旭化成エポキシ(株)製、商品名ノバキュアHX3941〕の配合量を、重量比で(1)30/(2)40/(3)20/(4)2/(5)5/(6)35の割合に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、厚さが35μmであるフィルム状の異方導電性をもつ電極接続用接着剤を作製し、フレキシブルプリント配線板とガラス基板の接合体を得た。その後、上述の実施例1と同一条件により、リペア性評価、接続信頼性評価および保存安定性評価を行った。以上の結果を表1に示す。なお、熱硬化性樹脂の配合量は、5.3重量%(ポリビニルブチラールの配合量が1.5重量%、カルボキシル基を含有しないアクリル樹脂の配合量が3.8重量%)である。
(実施例3)
上述の実施例1において説明した、(1)フェノキシ樹脂〔ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名エピコート1256〕、(2)ビスフェノールA型の固形エポキシ樹脂〔ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名エピコート1004〕、(3)ナフタレン型エポキシ樹脂〔大日本インキ化学工業(株)製、商品名エピクロン4032D〕、(4)ポリビニルブチラール樹脂〔積水化学工業(株)製、商品名エスレックBM−1〕、(5)カルボキシル基を含有しないアクリル樹脂の微粒子〔日本ペイント(株)製、商品名MG−151、平均粒径:0.1μm〕、および(6)マイクロカプセル型イミダゾール系硬化剤〔旭化成エポキシ(株)製、商品名ノバキュアHX3941〕の配合量を、重量比で(1)30/(2)40/(3)20/(4)40/(5)5/(6)35の割合に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、厚さが35μmであるフィルム状の異方導電性をもつ電極接続用接着剤を作製し、フレキシブルプリント配線板とガラス基板の接合体を得た。その後、上述の実施例1と同一条件により、リペア性評価、接続信頼性評価および保存安定性評価を行った。以上の結果を表1に示す。なお、熱硬化性樹脂の配合量は、26.4重量%(ポリビニルブチラールの配合量が23.5重量%、カルボキシル基を含有しないアクリル樹脂の配合量が2.9重量%)である。
(実施例4)
上述の実施例1において説明した、(1)フェノキシ樹脂〔ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名エピコート1256〕、(2)ビスフェノールA型の固形エポキシ樹脂〔ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名エピコート1004〕、(3)ナフタレン型エポキシ樹脂〔大日本インキ化学工業(株)製、商品名エピクロン4032D〕、(4)ポリビニルブチラール樹脂〔積水化学工業(株)製、商品名エスレックBM−1〕、(5)カルボキシル基を含有しないアクリル樹脂の微粒子〔日本ペイント(株)製、商品名MG−151、平均粒径:0.1μm〕、および(6)マイクロカプセル型イミダゾール系硬化剤〔旭化成エポキシ(株)製、商品名ノバキュアHX3941〕の配合量を、重量比で(1)30/(2)40/(3)20/(4)2/(5)0.2/(6)35の割合に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、厚さが35μmであるフィルム状の異方導電性をもつ電極接続用接着剤を作製し、フレキシブルプリント配線板とガラス基板の接合体を得た。その後、上述の実施例1と同一条件により、リペア性評価、接続信頼性評価および保存安定性評価を行った。以上の結果を表1に示す。なお、熱硬化性樹脂の配合量は、1.8重量%(ポリビニルブチラールの配合量が1.6重量%、カルボキシル基を含有しないアクリル樹脂の配合量が0.2重量%)である。
(実施例5)
上述の実施例1において説明した、(1)フェノキシ樹脂〔ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名エピコート1256〕、(2)ビスフェノールA型の固形エポキシ樹脂〔ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名エピコート1004〕、(3)ナフタレン型エポキシ樹脂〔大日本インキ化学工業(株)製、商品名エピクロン4032D〕、(4)ポリビニルブチラール樹脂〔積水化学工業(株)製、商品名エスレックBM−1〕、(5)カルボキシル基を含有しないアクリル樹脂の微粒子〔日本ペイント(株)製、商品名MG−151、平均粒径:0.1μm〕、および(6)マイクロカプセル型イミダゾール系硬化剤〔旭化成エポキシ(株)製、商品名ノバキュアHX3941〕の配合量を、重量比で(1)30/(2)40/(3)20/(4)42/(5)18/(6)35の割合に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、厚さが35μmであるフィルム状の異方導電性をもつ電極接続用接着剤を作製し、フレキシブルプリント配線板とガラス基板の接合体を得た。その後、上述の実施例1と同一条件により、リペア性評価、接続信頼性評価および保存安定性評価を行った。以上の結果を表1に示す。なお、熱硬化性樹脂の配合量は、32.4重量%(ポリビニルブチラールの配合量が22.7重量%、カルボキシル基を含有しないアクリル樹脂の配合量が9.7重量%)である。
(比較例1)
導電性粒子として、長径Lの分布が1μmから8μm、短径Rの分布が0.1μmから0.4μmである直鎖状ニッケル微粒子を用いた。また、エポキシ樹脂としては、(1)フェノキシ樹脂〔ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名エピコート1256〕、(2)ビスフェノールA型の固形エポキシ樹脂〔ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名エピコート1004〕、および(3)ナフタレン型エポキシ樹脂〔大日本インキ化学工業(株)製、商品名エピクロン4032D〕を使用した。また、熱可塑性樹脂(カルボキシル基を含有するアクリル樹脂)としては、(4)アクリル酸エステル共重合体〔ナガセケムテックス(株)製、商品名テイサンレジンL−3S〕を使用し、潜在性硬化剤としては、(5)マイクロカプセル型イミダゾール系硬化剤〔旭化成エポキシ(株)製、商品名ノバキュアHX3941〕を使用し、これら(1)〜(5)を重量比で(1)30/(2)40/(3)20/(4)15/(5)35の割合で配合した。次いで、上述の実施例1と同様にして、厚さが35μmであるフィルム状の異方導電性をもつ電極接続用接着剤を作製し、フレキシブルプリント配線板とガラス基板の接合体を得た。その後、上述の実施例1と同一条件により、リペア性評価、接続信頼性評価および保存安定性評価を行った、以上の結果を表1に示す。
Figure 0004556936
表1に示すように、実施例1〜5においては、初期接続抵抗が1Ω以下であり、リペア性が良好であることが判る。また、ガラス基板の銅電極上に残存している接着剤の拭き取り回数が50回以下であり、リペアを行う際の作業時間が短いことが判る。また、500時間後の接続抵抗が3Ω以下であり、接続信頼性が良好であることが判る。更に、4℃で冷蔵して、3ヶ月保存した後においても、初期接続抵抗、接着剤の拭き取り回数、および500時間後の接続抵抗の値に変化が見られず、保存安定性が極めて良好であることが判る。
一方、比較例1においては、表1に示すように、実施例1〜実施例5と同様に、リペア性、接続信頼性は良好ではあるものの、4℃で冷蔵して、3ヶ月保存した後の、初期接続抵抗、接着剤の拭き取り回数、および500時間後の接続抵抗の値の全てが変化しており、保存安定性が低下していることが判る。
これは、比較例1においては、カルボキシル基を含有するアクリル樹脂を使用したため、当該カルボキシル基が、エポキシ樹脂が含有するエポキシ基と反応し、実施例1においては、カルボキシル基を含有しないアクリル樹脂を使用したため、カルボキシル基とエポキシ基と反応を回避することができたためであると考えられる。
本発明の活用例としては、電極、回路等を設けた配線板や電子部品等を接着し、かつ電気的に接続するための電極接続用接着剤が挙げられる。
本実施形態に係る電極接続用接着剤により、フレキシブルプリント配線板を実装した配線基板を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る電極接続用接着剤として、導電性粒子を含有する異方導電性接着剤を使用し、異方導電性接着剤を介して、フレキシブルプリント配線板を配線基板に実装した状態を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る電極接続用接着剤において使用される導電性粒子を説明するための図である。
符号の説明
1…配線基板、2…電極接続用接着剤、3…フレキシブルプリント配線板、4…配線電極(ITO電極)、5…金属電極(銅電極)、6…導電性粒子、L…導電性粒子の長径、R…導電性粒子の短径、X…フィルム形状を有する電極接続用接着剤の厚み方向、Y…フィルム形状を有する電極接続用接着剤の面方向

Claims (8)

  1. エポキシ樹脂を主成分とし、フェノキシ樹脂、熱可塑性樹脂、導電性粒子、および潜在性硬化剤を含有するとともに、配線板の電極と電子部品の電極との電気的接続または配線板の電極間の電気的接続をするための接着剤である電極接続用接着剤において、
    前記熱可塑性樹脂が、カルボキシル基を含有しないアクリル樹脂と、ポリビニルブチラール樹脂を含有することを特徴とする電極接続用接着剤。
  2. 前記電極接続用接着剤の全体に対する熱可塑性樹脂の配合量が、1.1重量%以上35重量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の電極接続用接着剤。
  3. 前記電極接続用接着剤の全体に対する前記ポリビニルブチラールの配合量が、1重量%以上25重量%以下であるとともに、前記電極接続用接着剤の全体に対する前記カルボキシル基を含有しないアクリル樹脂の配合量が、0.1重量%以上10重量%以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電極接続用接着剤。
  4. 前記カルボキシル基を含有しないアクリル樹脂が、平均粒径が1μm以下の樹脂微粒子であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電極接続用接着剤。
  5. 前記導電性粒子が、微細な金属粒子が多数、直鎖状に繋がった形状、または針形状を有する金属粉末であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の電極接続用接着剤。
  6. 前記導電性粒子のアスペクト比が5以上であることを特徴とする請求項5に記載の電極接続用接着剤。
  7. フィルム形状を有することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の電極接続用接着剤。
  8. 前記導電性粒子が、微細な金属粒子が多数、直鎖状に繋がった形状、または針形状を有する金属粉末であり、該導電性粒子の長径方向を、前記フィルム形状を有する接着剤の厚み方向に配向させたことを特徴とする請求項7に記載の電極接続用接着剤。
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