JP4557772B2 - 光起電力装置 - Google Patents

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Description

本発明は、主面に光閉じ込めのためのテクスチャー構造の凹凸が形成された半導体基板を用いた光起電力装置に関するものである。
単結晶シリコン基板などの結晶系半導体基板を用いた光起電力装置は、光電変換効率が高く、既に太陽光発電システムとして広く一般に実用化されている。
これらの結晶系半導体基板を用いた光起電力装置においては、結晶系半導体基板の光入射側主面に、光閉じ込め構造により反射損失を低減するため、テクスチャー構造の凹凸が形成されている。表面にテクスチャー構造の凹凸を形成する方法としては、アルカリ性溶液を用いて結晶系半導体基板の表面をエッチングする方法が知られている(特許文献1など)。
このような結晶系半導体基板においては、光入射側主面のみにテクスチャー構造の凹凸を形成しており、高い光電変換効率を有する光起電力装置では、基板の主面と反対側の裏面は、従来から平坦な面となるように形成されている(特許文献2など)。
特開平11−233484号公報 特開平3−173481号公報
しかしながら、本発明者は、半導体基板の周辺からの入射光を考慮した場合、基板の側面及び裏面周辺部にもテクスチャー構造の凹凸を形成することにより、基板周辺からの光を効率的に吸収することができ、光電変換効率が向上することを見出した。
本発明の目的は、半導体基板を用いた光起電力装置において、光電変換効率に優れた光起電力装置を提供することにある。
本発明は、主面にテクスチャー構造の凹凸が形成された半導体基板を用いた光起電力セルを備える光起電力装置であり、半導体基板の側面及び裏面周辺部にもテクスチャー構造の凹凸が形成され、凹凸が形成される裏面周辺部が、基板周辺の側面端部から内側に2mm以下までの領域であることを特徴としている。
本発明に従い、半導体基板の側面及び裏面周辺部にもテクスチャー構造の凹凸を形成することにより、基板の側面及び裏面周辺部において光を効果的に吸収することができ、光電変換効率を高め、高い出力が得られる。
本発明において、凹凸が形成される裏面周辺部は、基板周辺の側面端部から内側に2mm以下までの領域であることが好ましい。凹凸を形成する裏面周辺部が、基板周辺の側面端部から内側に2mm以下までの領域を超えると、短絡電流が小さくなり、光電変換効率の向上が得られない場合がある。
本発明の光起電力装置は、上記半導体基板を用いた光起電力セルが複数並べて設けられており、これらが電気的に直列に接続されている太陽電池モジュールであることが好ましい。このような太陽電池モジュールにおいては、光起電力セルが所定間隔をあけて配置されている。本発明によれば、光起電力セル間の隙間を通り入射した光が、基板の側面及び裏面周辺部において吸収されるので、光電変換効率を高めることができる。従来の基板の側面及び裏面周辺部がフラットである光起電力装置においては、セル間の隙間から入射し散乱した光が十分に吸収されず反射されていた。本発明では、このような散乱光を効果的に吸収することができるため、高い光電変換効率が得られる。
本発明において、半導体基板は、結晶系半導体基板であることが好ましく、単結晶半導体基板であってもよいし、多結晶半導体基板であってもよい。また、結晶系半導体基板は、例えば、結晶系シリコン基板であり、最も一般的には、単結晶シリコン基板である。
本発明における光起電力セルとしては、単結晶系光起電力セル、多結晶系光起電力セル、単結晶と非晶質のハイブリッド型の光起電力セルなどが挙げられる。ハイブリッド型光起電力セルとしては、例えば、n型結晶系シリコン基板の主面上にi型非晶質シリコン層を形成し、この上にp型非晶質シリコン層を形成したものが挙げられる。i型非晶質シリコン層の厚みは、例えば、2〜10nmであり、p型非晶質シリコン層の厚みは、例えば、2〜10nmである。
また、半導体基板の裏面には、裏面電極との間にBSF(back surface field)構造が形成されていてもよい。例えば、半導体基板がn型結晶系半導体基板である場合には、i型非晶質シリコン層を介してn型非晶質シリコン層を設けてもよい。
本発明における半導体基板は、例えば、結晶系半導体基板の裏面において、裏面周辺部以外の領域をレジスト膜やマスク等で覆い、この状態で基板をウェットエッチングすることにより得ることができる。従って、基板の主面、側面及び裏面周辺部に同時にテクスチャー構造の凹凸を形成した基板を用いることができる。
本発明における光起電力セルとしては、上記のような光起電力セルが挙げられるが、例えば、n型もしくはp型の結晶系シリコン基板の上に直接p型もしくはn型の非晶質シリコン層を形成した光起電力セルであってもよい。また、n型もしくはp型の結晶系シリコン基板の表面にp型もしくはn型のドーパントをドープすることによりpn接合を形成した光起電力セルであってもよい。
本発明によれば、基板の側面及び裏面周辺部における散乱光を効果的に吸収することができ、高い光電変換効率を得ることができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
図1は、本発明に従う一実施例の光起電力装置を示す模式的断面図である。本実施例の光起電力装置は太陽電池モジュールであり、複数の光起電力セル10が並べて設けられている。これらの光起電力セル10は、図示省略されているが、互いに電気的に直列に接続されている。
光起電力セル10は、単結晶シリコン基板1を用いて作製されており、単結晶シリコン基板1の光入射側の主面1aにはテクスチャー構造の凹凸が形成されている。また、側面1bにも同様にテクスチャー構造の凹凸が形成されている。また、単結晶基板1の裏面1dの周辺部1cにも、テクスチャー構造の凹凸が形成されている。
図1には、光起電力セル10における単結晶シリコン基板1のみが図示されているが、光起電力セル10は、図2に示すような構造を有している。すなわち、単結晶シリコン基板1はn型単結晶シリコン基板であり、その主面1aの上には、i型非晶質シリコン層2が形成されており、i型非晶質シリコン層2の上には、p型非晶質シリコン層3が形成されている。
p型非晶質シリコン層3の上には、ITO(インジュウム錫酸化物)などからなる透明電極4が形成されている。透明電極4の上には、集電極8が形成されている。
なお、i型非晶質シリコン層2、p型非晶質シリコン層3、及び透明電極4は、単結晶シリコン基板1の側面1b及び側面周辺部1cには形成されていない。側面1bの部分は、単結晶シリコン基板の面がそのまま露出した状態である。
また、単結晶シリコン基板1の裏面1dの上には、図2に示すように、i型非晶質シリコン層5を介してn型非晶質シリコン層6が形成されている。従って、BSF構造が形成されている。n型非晶質シリコン層6の上には透明電極7が形成されており、透明電極7の上には集電極9が形成されている。
図1に示すように、電気的に直列に接続された光起電力セル10は、EVA樹脂(エチレン酢酸ビニル共重合体)などからなる充填材13に埋め込まれた状態で、裏面保護フィルム12及び表面のガラス板11に挟まれた状態で、太陽電池モジュールが構成されている。図1に示すように、主面1a側から光14が入射し、単結晶シリコン基板1内で光が吸収され光電変換されて発電される。図1に示すように、光起電力セル10間には隙間が設けられており、この隙間に光14が入射する。隙間から入射した光14は、裏面保護フィルム12の表面で反射し散乱する。本発明においては、単結晶シリコン基板1の側面1b及び裏面周辺部1cに凹凸が形成されているので、このようにして裏面保護フィルム12で反射し散乱した光を効果的に吸収することができる。このため、従来から光電変換に利用することができなかった光を利用することができ、高い光電変換効率を得ることができる。裏面保護フィルム12として、光反射率が高いフィルム、例えば白色などのフィルムを用いることにより、裏面保護フィルム12の表面で反射する光が増えるため、より高い光電変換効率を得ることができる。
図5は、従来の比較例の光起電力装置を示す模式的断面図である。図5に示すように、従来の光起電力装置においては、単結晶シリコン基板1の側面1c及び裏面周辺部1dに凹凸が形成されていない。従って、光起電力セル10間の隙間に入射した光14は、裏面保護フィルム12で反射して散乱するが、基板1の側面及び裏面周辺部1cがフラットな面であるので、この散乱光を反射してしまい、効果的に吸収することができない。従って、従来は、このような散乱光を利用することができず、本発明のように高い光電変換効率を得ることができなかった。
図1に示す光起電力装置を以下のようにして製造し、光電変換特性を評価した。
主面の面方位が(100)であるn型単結晶シリコンウェハを、70℃の5重量%NaOH水溶液に5分間浸漬し、その表面をエッチングした。
なお、エッチングの際には、図3に示すように、単結晶シリコンウェハ1の裏面1dの部分にレジスト膜20を形成した。図3に示すように、ウェハ1の側面1bの端部から内側に幅Wまでの領域にはレジスト膜20が設けられないように形成した。ここでは、幅Wを1mmとした。従って、基板の側面1bの端部から内側に1mmまでの領域1cにレジスト膜が設けられないようにレジスト膜20を形成した。レジスト膜20としては、アルカリエッチング耐性の樹脂膜を用いることができる。また、酸化シリコン膜等からなるマスクを用いてもよい。
以上のようにしてレジスト膜を形成したシリコンウェハを、3重量%のカプリル酸を含有した2重量%NaOHからなる水溶液に浸漬し、レジスト膜が設けられていないシリコンウェハの表面に(111)面からなるテクスチャー構造の凹凸を形成した。
次に、硫酸過水(硫酸:純水=1:1、120℃)や、酸素プラズマによるアッシングにより、レジスト膜20を除去した。レジスト膜が酸化シリコン膜である場合には、2重量%HF水溶液を用いて除去することができる。
水洗した後、2重量%HF水溶液を用いて、シリコンウェハの表面の酸化膜を除去し、次に超純水で水洗した。
以上のようにして主面、側面及び裏面周辺部にテクスチャー構造の凹凸を形成した単結晶シリコンウェハの上に、プラズマCVD装置を用いて非晶質シリコン薄膜を形成した。まず、シリコンウェハの裏面(フラット面)に水素プラズマ処理(圧力80Pa、RF出力20W)を行い、続けてi型非晶質シリコン薄膜(厚み5nm)を圧力80Pa、RF出力30Wで形成した。次に、n型非晶質シリコン薄膜(厚み30nm)を圧力80Pa、RF出力30Wで連続して形成した。
次に、シリコンウェハの主面に対し、水素プラズマ処理(圧力80Pa、RF出力20W)を行い、この上にi型非晶質シリコン薄膜(厚み5nm)を圧力80Pa、RF出力30Wで形成した。さらに、この上にp型非晶質シリコン薄膜(厚み5nm)を圧力80Pa、RF出力30Wで連続して形成した。
なお、裏面に形成したn型非晶質シリコン薄膜及びn型非晶質シリコン薄膜は、凹凸が形成されている裏面周辺部の領域にも形成した。
以上のようにして形成した主面上のp型非晶質シリコン薄膜及び裏面上のn型非晶質シリコン薄膜の上に、スパッタリング法により透明電極としてITOをそれぞれ100nmの厚みとなるように形成した。次に、透明電極の上に、銀ペーストをスクリーン印刷し、櫛形電極を形成し、集電極とした。
以上のようにして作製した光起電力セルを複数個接続した後、充填材としてのEVA樹脂、保護基板としてのガラス板、裏面保護フィルムとしてのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムをラミネートし、太陽電池モジュールとした。
比較として、図4に示すように、単結晶シリコンウェハ1の側面1c及び裏面1dの全面にレジスト膜20を形成してエッチングする以外は、上記実施例と同様にして太陽電池モジュールを作製し、比較例の太陽電池モジュールとした。
上記の実施例及び比較例の太陽電池モジュールについて、ソーラーシミュレータにより出力を測定したところ、本実施例の太陽電池モジュールは、比較例の太陽電池モジュールに比べ、短絡電流が1.8%増加した。この結果、本実施例の太陽電池モジュールは、比較例の太陽電池モジュールに比べ、出力Pmaxが1.8%向上した。
<凹凸を形成する裏面周辺部の領域についての検討>
図3に示す裏面周辺部1cの領域の幅Wを、表1に示すように変化させて上記実施例と同様にして太陽電池モジュールを作製し、光電変換特性を評価した。なお、上記と同様に、W=0の比較例の太陽電池モジュールを基準にして評価した。すなわち、比較例の太陽電池モジュールの短絡電流(Isc)、開放電圧(Voc)、フィルファクタ(F.F.)、出力(Pmax)を1として、それぞれを評価した。評価結果を表1に示す。
また、裏面周辺部の幅Wと短絡電流の相対値との関係を図6に示す。表1及び図6に示す結果から明らかなように、裏面周辺部の幅Wが2mm以下であれば、短絡電流が比較例のものより高くなり、高い出力が得られている。従って、基板の裏面周辺部の幅Wとしては2mm以下が好ましいことがわかる。
本発明は上記実施例のセルに限定されるものではなく、半導体基板を用いた光起電力セルであれば適用することができるものである。
本発明に従う一実施例の光起電力装置を示す模式的断面図。 図1に示す実施例における光起電力セルの構造を示す拡大断面図。 本発明に従う実施例において用いる単結晶シリコンウェハをエッチングするときの状態を示す断面図。 従来の比較例の単結晶シリコンウェハをエッチングするときの状態を示す断面図。 従来の比較例の光起電力装置を示す模式的断面図。 単結晶シリコンウェハの裏面周辺部の幅Wと短絡電流の相対値との関係を示す図。
符号の説明
1…単結晶シリコン基板
1a…単結晶シリコン基板の主面
1b…単結晶シリコン基板の側面
1c…単結晶シリコン基板の裏面周辺部
1d…単結晶シリコン基板の裏面
2…i型非晶質シリコン層
3…p型非晶質シリコン層
4…透明電極
5…i型非晶質シリコン層
6…n型非晶質シリコン層
7…透明電極
8,9…集電極
10…光起電力セル
11…ガラス板
12…裏面保護フィルム
13…充填材
14…入射光
20…レジスト膜

Claims (7)

  1. 主面にテクスチャー構造の凹凸が形成された半導体基板を用いた光起電力セルを備える光起電力装置において、
    前記半導体基板の側面及び裏面周辺部にもテクスチャー構造の凹凸が形成され
    前記凹凸が形成されている裏面周辺部が、前記半導体基板周辺の側面端部から内側に2mm以下までの領域であることを特徴とする光起電力装置。
  2. 前記光起電力セルが複数並べて設けられ、これらを電気的に直列に接続することによって太陽電池モジュールが構成されていることを特徴とする請求項1に記載の光起電力装置。
  3. 前記半導体基板が結晶系半導体基板であることを特徴とする請求項1または2に記載の光起電力装置。
  4. 前記結晶系半導体基板が、n型もしくはp型結晶系シリコン基板であることを特徴とする請求項3に記載の光起電力装置。
  5. 前記n型もしくはp型結晶系シリコン基板の主面上に、i型非晶質シリコン層を介してp型もしくはn型非晶質シリコン層が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の光起電力装置。
  6. 前記n型もしくはp型結晶系シリコン基板の裏面上に、i型非晶質シリコン層を介してn型もしくはp型非晶質シリコン層が設けられていることを特徴とする請求項4または5に記載の光起電力装置。
  7. 前記半導体基板の裏面において周辺部以外の領域を覆った状態で前記基板をウェットエッチングすることにより、前記凹凸が形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の光起電力装置。
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