JP4560882B2 - スイッチング電源回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種電子機器に電源として備えられるスイッチング電源回路に関わり、特にハーフブリッジ型電流共振型コンバータに適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から例えばテレビジョン受像機等の電子機器においては、スイッチング電源回路が備えられている。
図4は従来のスイッチング電源回路の構成を示した回路図の一例である。
この図に示す電源回路は、2石のスイッチング素子をハーフブリッジ結合した、ハーフブリッジ電流共振型スイッチングコンバータとされる。
この電流共振型スイッチングコンバータにおいては、図のように2つのスイッチング素子Q1,Q2をハーフブリッジ結合したうえで、平滑コンデンサCiの正極側の接続点とアース間に対して接続される。
そして、商用交流電源AC(交流入力電圧VAC)から直流出力電圧を得るための整流平滑回路として、ブリッジ整流回路DBR及び平滑コンデンサCiからなる全波整流回路が備えられ、この全波整流回路で平坦化された直流電圧が入力電圧としてスイッチング素子Q1のコレクタに供給されている。
【0003】
スイッチング素子Q1,Q2の各コレクタ−エミッタ間には、それぞれ共振電流を転流するための転流ダイオードD1,D2と、部分共振コンデンサC1,C2が並列に接続されている。
各転流ダイオードD1,D2のアノードは、図示するように、各スイッチング素子Q1,Q2のエミッタに接続され、そのカソードはコレクタに接続されている。
転流ダイオードD1,D2、及び部分共振コンデンサC1,C2は、スイッチング素子Q1,Q2が共にオフとなるデット期間中に共振電流を流し、少なくとも、各スイッチング素子Q1,Q2のターンオフ時における動作として、例えばZVS(Zero Voltage Switching)或いはZCS(Zero Current Switching)を実現している。
なお、この部分共振コンデンサC1,C2は、後述する直列共振コンデンサC3より十分小さいキャパシタンスとされる。
【0004】
スイッチング素子Q1,Q2はスイッチング制御部100により制御される。
スイッチング制御部100は、例えばIC等によって構成され、スイッチング素子Q1,Q2を所要のスイッチング周期でドライブするドライブ回路101や、発振器(OSC)102等を備える。
またスイッチング制御部100には、二次側から出力される二次側直流出力電圧の定電圧化を図るため、二次側直流出力電圧がフィードバックされ、図示していないが、その内部において二次側出力電圧のレベル検出が行われている。
そして、そのレベル検出結果が発振器102に出力され、発振器102において出力電圧レベルに応じた周波数の発振出力をドライブ回路101に出力するようにされる。
【0005】
この場合の定電圧制御方式としては、例えばスイッチング素子Q1,Q2のスイッチング動作が、後述する共振インダクタンスL1−コンバータトランス21−直列共振コンデンサC3からなる共振回路によって決定される直列共振周波数より高い周波数範囲で動作する、いわゆるアッパーサイド制御方式が採用されている。
【0006】
従って、発振器102は、二次側直流出力電圧レベルが、所定の電圧レベルより低い時は、二次側直流出力電圧のレベルを高くするために、その発振出力の周波数を共振周波数に近くなるように制御し、逆に直流出力電圧が所定電圧レベルより高い時は、二次側出力電圧を下げるために、その発振出力の周波数を共振周波数より離れる(高い)方向に制御する。
【0007】
コンバータトランス21は、スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング出力を二次側に伝送する。この場合、コンバータトランス21の一次巻線N1の一端は、共振インダクタンスL1を介してスイッチング素子Q1のエミッタとスイッチング素子Q2のコレクタの接点(スイッチング出力点)に接続され、他端は直列共振コンデンサC3及びインピーダンス素子20を介して一次側アースに接地されることで、スイッチング出力が得られるようにされる。
そして、このコンバータトランス21の一次巻線N1を流れるスイッチング出力によって、二次巻線N2に交番電圧が誘起され、この交番電圧が整流ダイオード及び平滑コンデンサからなる整流平滑回路22により整流・平滑されて負荷回路23に供給される。
【0008】
インピーダンス素子20は、コンバータトランス21の一次側を流れるスイッチング電流を電圧レベルとして検出する。そして、このインピーダンス素子20により検出される検出電圧Vaが、スイッチング制御部100内に設けられている破線で示した過電流検出保護回路103に供給される。
【0009】
過電流検出保護回路103は、例えば負荷回路23が短絡等により過負荷状態となり、共振回路のインピーダンスが低下した時に、スイッチング動作が共振回路の共振周波数より低い周波数範囲で動作する、いわゆるローワーサイド動作に突入するのを防止して、ローワーサイド動作に流れる過電流から各回路部品を保護するために設けられている。
【0010】
過電流検出保護回路103は、インピーダンス素子20にて検出された検出電圧Vaを、+電位とされる基準電圧源112の基準電圧+Refと比較するコンパレータ111、−電位とされる基準電圧源114の基準電圧−Refと比較するコンパレータ113、及びオア回路115によって構成され、コンバータトランス21の一次側を流れるスイッチング電流が、所定の正負レベル以上となった時に検出信号Voを出力するものとされる。
【0011】
このような電源回路のスイッチング動作としては、先ずスイッチング素子Q1がオンとされ、スイッチング素子Q1が導通される導通期間では、スイッチング素子Q1を介して共振インダクタンスL1→一次巻線N1→直列共振コンデンサC3→インピーダンス素子20という経路で共振電流が流れる。
そして、スイッチング素子Q1が非導通になると、部分共振コンデンサC1,C2の充放電後、転流ダイオードD2を介して共振インダクタンスL1→一次巻線N1→直列共振コンデンサC3→インピーダンス素子20という経路で共振電流が流れ続けることになる。
【0012】
次に、スイッチング素子Q2が導通すると、これまで流れ続けていた共振電流が反転した時点で、スイッチング素子Q2を介してインピーダンス素子20→直列共振コンデンサC3→一次巻線N1→共振インダクタンスL1→スイッチング素子Q2という経路で共振電流が流れる。
そして、スイッチング素子Q2が非導通になると、上記同様、部分共振コンデンサC1,C2の充放電後、転流ダイオードD1を介してインピーダンス素子20→直列共振コンデンサC3→一次巻線N1→共振インダクタンスL1という経路で共振電流が流れ続けることになる。
【0013】
このような電源回路の定常時の動作波形としては、例えばスイッチング素子Q1がターンオフした直後の期間Taでは、部分共振コンデンサC1,C2の充放電動作に伴い、スイッチング素子Q2の両端電圧(コレクタ−エミッタ間電圧)V2が図5(a)に示すように変化する。
上記期間Taの経過後は、転流ダイオードD2を介して共振電流が流れる期間Tbとされ、上記転流ダイオードD2を介して共振インダクタンスL1→一次巻線N1→直列共振コンデンサC3→インピーダンス素子20という経路で共振電流が流れることになる。
次に、図5(b)に示すような駆動パルス(ベース電流)P2によりスイッチング素子Q2がオンとなるように制御する。すると、スイッチング素子Q2には、図5(c)に示すな正極性の電流I2が、上記インピーダンス素子20→直列共振コンデンサC3→一次巻線N1→共振インダクタンスL1→スイッチング素子Q2という経路で流れることになる。
上記期間Tbを含む期間Tcは、コンバータトランス21の二次側に電力が伝達される電力伝達期間とされ、コンバータトランス21の二次側に図5(d)に示すような電流I3が励起される。
そして、上記スイッチング素子Q2のオフ動作の直後には、今まで流れていたスイッチング素子Q2の電流が転流ダイオードD1を介して、上記インピーダンス素子20→直列共振コンデンサC3→一次巻線N1→共振インダクタンスL1という経路で流れる。そして、所定のデットタイム経過後は、図示していないが、スイッチング素子Q1がスイッチング動作を行うことになる。
【0014】
このようにスイッチング素子Q1,Q2を交互に断続するスイッチング動作を繰り返し、コンバータトランス21の一次巻線N1に流れるスイッチング電流を変化させることで、コンバータトランス21の二次巻線N2に交番電流が励起され、整流平滑回路22を介して負荷回路23に動作電圧が供給されることになる。
【0015】
ここで、例えばスイッチング素子Q1がオンとなっている時の過電流検出保護回路103の動作を考えた場合、インピーダンス素子20には、a方向に電流が流れ、インピーダンス素子は、このa方向の電流量に応じた正電圧を検出電圧Vaとして過電流検出保護回路103に出力する。
過電流検出保護回路103は、インピーダンス素子20からの検出電圧Vaを、各コンパレータ111,113において基準電圧+Ref,−Refと比較する。この場合、インピーダンス素子20からの検出電圧Vaは正電圧とされ、この検出電圧Vaはコンパレータ111において基準電圧+Refと比較される。
そして、この検出電圧Vaが、図6(b)に示すように、基準電圧+Refより高い電圧レベルになると、コンパレータ111の出力電圧S1がハイレベルとなり、この出力電圧がオア回路115を介して図6(c)に示すような検出信号Voとして出力される。
【0016】
また、例えばスイッチング素子Q2がオンとなっている期間では、インピーダンス素子20にはb方向に電流が流れることから、インピーダンス素子20では、負電圧の検出電圧Vaが得られ、この検出電圧Vaが過電流検出保護回路103に出力される。この場合、検出電圧Vaはコンパレータ113において基準電圧−Refと比較され、図6(b)に示すように、検出電圧Vaが基準電圧−Refより低い電圧レベルになると、コンパレータ113の出力電圧がハイレベルとなり、オア回路115から、図6(c)に示すようなハイレベルの電圧が検出信号Voが出力される。
【0017】
この検出信号Voは発振器102に入力される。
発振器102は、過電流検出保護回路103からの検出信号Voに基づいて、その発振条件を変化させ、その発振出力を強制的にオフし、スイッチング素子Q1又はQ2のスイッチング動作のオン期間を制限するようにしている。
例えばスイッチング素子Q1がオンの時に過電流検出保護回路103から検出信号Voが入力された時は、ドライブ回路101に供給する発振出力をオフするようにされる。これにより、図6(d)に示すように、ドライブ回路101から出力される駆動パルスP1が強制的にオフされて、スイッチング素子Q1の動作が停止することになる。
【0018】
同様に、スイッチング素子Q2がオンの時に検出信号Voが入力された時は、ドライブ回路101に供給する発振出力をオフして、図6(e)に示すように、ドライブ回路101から出力される駆動パルスP2が強制的にオフされて、スイッチング素子Q2の動作が停止することになる。
【0019】
このように過電流検出保護回路103は、インピーダンス素子20において、スイッチング素子Q1,Q2を流れる共振電流のピーク値を1パルスずつ検出し、この検出結果に基づいて発振器102から出力される発振出力のパルス幅を制限するようにしている。つまり、スイッチング制御部100は、過電流検出保護回路103において過電流を検出した時は、結果的には、発振器102から出力される発振出力の周波数を高くなるように制御することで、電源回路の回路部品を過電流から保護するようにしている。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したような電源回路においては、過電流検出保護回路103が過電流を検出してから、実際にスイッチング素子(Q1,Q2)をオフするまでには時間的な遅延が発生する。
例えば、図7(b)に示すように、インピーダンス素子20において検出される検出電圧Vaが基準電圧+Ref又は−Refを越えた時点で、過電流検出保護回路103から発振器102に対して、図7(c)に示すようなハイレベルの電圧が検出信号Voとして出力される。
ところが、この検出信号Voによってドライブ回路101から出力される駆動パルスP1(又はP2)がオフされるのは、図7(d)に示すように、検出信号Voの立ち上がり時点から時間T1だけ遅延する。
この結果、コンバータトランス21の一次側を流れる共振電流のピーク電流値、つまりインピーダンス素子20で検出される検出電圧Vaのピーク電圧値は、遅延時間T1分だけ高くなる。
【0021】
この場合において、ドライブ回路101からスイッチング素子Q1,Q2に対して出力される駆動パルスP1,P2は、例えば図7(b)に示す検出電圧Vaの正負レベルに応じて、図7(d)(e)に示すような動作となることが望ましい。
つまり、検出電圧Vaが+Refを越えた時にスイッチング素子Q1を駆動する駆動パルスP1がオフされ、検出電圧Vaが−Refを越えた時にスイッチング素子Q2を駆動する駆動パルスP2がオフされることが望ましい。
【0022】
しかしながら、実際のスイッチング動作は図8に示すようになる。
例えば図8(a)(b)に示すように、スイッチング素子Q1の駆動パルスP1がオフされるタイミングが検出信号Voの立ち上がりから時間T1だけ遅延すると、上記したように転流ダイオードD2を介して流れる共振電流が過電流閾値を越えたレベルで推移する期間が長くなるため、検出信号Voがハイレベルとなる期間が長くなる。
この場合、図8(c)に示すように、駆動パルスP1がオフした後、所定のデット期間TD経過後、スイッチング素子Q2の駆動パルスP2が出力されることになるが、この時点で転流ダイオードD2を介して流れている共振電流が過電流閾値を越えたレベルで推移していると、図8(a)に示すように検出信号Voがハイレベルを維持しているため、この検出信号Voによって発振器102から出力される発振出力が強制的にオフされる。即ち、図8(c)に示すように検出信号Voがハイレベルとなっている期間内において駆動パルスP2がオフされることがある。
すると、それから所定のデットタイムTD経過した後、発振器102から出力される発振出力によって駆動パルスP1が出力され、スイッチング素子Q1がオンすることになる。この時のスイッチング素子Q1,Q2、及び転流ダイオードD1,D2の各部を流れる電流は、例えば図8(d)〜(g)に示され、その合成電流IOは図8(h)に示される。
なお、図8(d)〜(g)に示す各部の電流は、スイッチング素子Q1,Q2をバイポーラトランジスタでなく、FETにより構成した場合のものとされ、スイッチング素子Q1,Q2をバイポーラトランジスタにより構成した場合は、スイッチング素子Q1,Q2に負電流が流れることはなく、負電流は並列に接続された転流ダイオードD1,D2を流れるものとなる。
【0023】
この時、共振電流が転流ダイオードD2を流れている期間とされると、スイッチング素子Q1がオンされることにより、図8(d)(g)(h)に示されるような、転流ダイオードD2のリカバリ特性に起因した貫通電流(スイッチング素子Q1→転流ダイオードD2)が流れ、この貫通電流によって、スイッチング素子Q1や転流ダイオードD2にストレスがかかるという欠点があった。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記した点を鑑みてなされたものであり、複数のスイッチング素子をブリッジに接続して形成されたスイッチング手段と、スイッチング素子に対して、それぞれ並列に接続された転流ダイオードと、スイッチング手段のスイッチング動作により得られる一次側出力を二次側に伝送するコンバータトランスと、コンバータトランスの二次側出力を直流出力電圧として出力する出力手段と、スイッチング手段の駆動を制御する駆動制御手段と、コンバータトランスの一次側に設けられたインピーダンス素子と、このインピーダンス素子により検出されるコンバータトランスの一次側を流れる共振電流の過電流検出を行う過電流検出回路とを備える。そして、過電流検出回路はスイッチング素子の何れか一方がオンとされると共に、インピーダンス素子を流れる共振電流の向きが、オンとされるスイッチング素子に対応し、且つ、インピーダンス素子を流れる共振電流が所定の電流値を越えた時に、駆動制御手段に対して検出信号を出力するように構成した。
【0025】
また本発明は、複数のスイッチング素子をブリッジに接続して形成されたスイッチング手段と、スイッチング素子に対して、それぞれ並列に接続された転流ダイオードと、スイッチング手段のスイッチング動作により得られる一次側出力を二次側に伝送するコンバータトランスと、コンバータトランスの二次側出力を直流出力電圧として出力する出力手段と、スイッチング手段の駆動を制御する駆動制御手段と、コンバータトランスの一次側に設けられたインピーダンス素子と、このインピーダンス素子により検出されるコンバータトランスの一次側を流れる共振電流の過電流検出を行う過電流検出回路とを備える。そして、駆動制御手段は、過電流検出回路から供給される検出信号の立ち上がりエッジによりスイッチング手段の駆動制御を行うようにした。
【0026】
即ち、本発明のスイッチング電源回路は、各スイッチング素子に対して並列に接続された転流ダイオードを流れる共振電流が、所定の電流値を越えている期間は、過電流検出回路の検出結果に基づく過電流保護動作を行わないようにしている。これにより、転流ダイオードとスイッチング素子を介して流れる貫通電流を防止することが可能になる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明のスイッチング電源回路の構成を示した回路図である。
なお、上記図4に示した電源回路と同一部品には同一番号を付し、詳細な説明は省略するこことする。
この図に示す電源回路もまた、上記図4に示した電源回路と同様、2石のスイッチング素子をハーフブリッジ結合したハーフブリッジ電流共振型スイッチングコンバータとされる。このため、図のように2つのスイッチング素子Q1,Q2をハーフブリッジ結合したうえで、平滑コンデンサCiの正極側の接続点とアース間に対して接続される。
そして、ブリッジ整流回路DBR及び平滑コンデンサCiからなる全波整流回路が備えられ、この全波整流回路で平坦化された直流電圧が入力電圧としてスイッチング素子Q1のコレクタに供給されている。
【0028】
スイッチング素子Q1,Q2の各コレクタ−エミッタ間には、転流ダイオードD1,D2、及び部分共振コンデンサC1,C2がそれぞれ並列に接続されている。
なお、例えばスイッチング素子Q1,Q2をMOS型のFETにより構成すると、FETの寄生ダイオードを転流ダイオードD1,D2として機能させることができるため、転流ダイオードD1,D2を削除することが可能とされる。
【0029】
この場合もスイッチング制御部1は、例えばIC等によって構成され、スイッチング素子Q1,Q2を所要のスイッチング周期でドライブするためのドライブ回路2や発振器(OSC)5、及びスイッチング素子等を過電流から保護する過電流検出保護回路6等が設けられている。
【0030】
この場合、ドライブ回路2はレベルシフト3とディバイダ4によって構成される。ディバイダ4は、例えば発振器5の発振出力を波形整形した後、駆動パルスP1又は駆動パルスP2への振り分けを行う。
レベルシフト3は、スイッチング素子Q1に振り分けられた駆動パルスP11のレベルをスイッチング素子Q1に対応するレベルにシフトするために設けられている。これはスイッチング素子Q1とQ2が直列に接続されていることからスイッチング素子Q1のベース電圧がスイッチング素子Q2のベース電圧より高くなることによる。
【0031】
破線で囲って示した過電流検出保護回路6には、インピーダンス素子20にて検出された検出電圧Vaを、+電位とされる基準電圧源8の基準電圧値+Refと比較するコンパレータ7及び−電位とされる基準電圧源10の基準電圧−Refと比較するコンパレータ9が設けられている。
そして、コンパレータ7の出力電圧S1と、スイッチング素子Q1の駆動パルスP1の周期に対応したディバイダ4から出力される駆動パルスP11が入力されるアンド回路11、コンパレータ9の出力電圧S2とスイッチング素子Q2の駆動パルスP2が入力されるアンド回路12、及びアンド回路11,12の出力電圧S3,S4が入力されるオア回路13によって構成される。
【0032】
このような本実施の形態とされる電源回路のスイッチング動作は、上記図4に示した電源回路と同様、スイッチング素子Q1が導通している期間では、スイッチング素子Q1を介して共振インダクタンスL1→一次巻線N1→直列共振コンデンサC3→インピーダンス素子20という経路で、インピーダンス素子20にはa方向の共振電流が流れる。そして、スイッチング素子Q1が非導通になると、部分共振コンデンサC1,C2の充放電後、転流ダイオードD2を介して共振インダクタンスL1→一次巻線N1→直列共振コンデンサC3→インピーダンス素子20という経路で共振電流が流れ続けるものとされる。
【0033】
一方、スイッチング素子Qが導通する期間では、スイッチング素子Q2を介してインピーダンス素子20→直列共振コンデンサC3→一次巻線N1→共振インダクタンスL1という、上記スイッチング素子Q1がオンとされる経路とは逆の経路で共振電流が流れ、従ってインピーダンス素子20にはb方向に共振電流が流れる。そして、スイッチング素子Q2が非導通になると、部分共振コンデンサC1,C2の充放電後、転流ダイオードD1を介してインピーダンス素子20→直列共振コンデンサC3→一次巻線N1→共振インダクタンスL1という経路で共振電流が流れ続けることになる。
【0034】
このようにスイッチング素子Q1,Q2を交互にスイッチングすることで、コンバータトランス21の一次巻線N1に流れるスイッチング電流を変化させることで、コンバータトランス21の二次巻線N2に交番電圧が励起され、負荷回路23に対して駆動電圧が供給されることになる。
【0035】
なお、コンバータトランス21の一次巻線N1,N2の結合状態を疎結合とすれば、コンバータトランス21のリーケージインダクタンスを共振インダクタンスL1として利用することができるため、その場合は共振インダクタンスL1を削除することが可能とされる。
【0036】
次に、本実施の形態とされる過電流検出保護回路6の動作を図2に示すタイミングを参照しながら説明する。
この場合もスイッチング素子Q1がオンとなっている期間では、インピーダンス素子20にはa方向に電流が流れることから、インピーダンス素子20では、図2(b)に示すような共振電流量に応じた正レベルの検出電圧Vaが検出され、過電流検出保護回路6ではインピーダンス素子20からの検出電圧Vaを各コンパレータ7,9において基準電圧+Ref、−Refと比較することになる。
【0037】
この場合、検出電圧Vaは正レベルであるため、この検出電圧Vaはコンパレータ7において正の基準電圧+Refと比較される。
ここで、検出電圧Vaが基準電圧+Refより高い電圧レベルとすると、図2(c)に示すようにコンパレータ7からハイレベルの出力電圧S1が出力されてアンド回路11に入力される。
【0038】
アンド回路11には、上記コンパレータ7の出力電圧S1と、図2(d)に示すドライブ回路2からの駆動パルスP11が入力されるため、その出力電圧S3がハイレベルとなり、この出力電圧S3がオア回路13から検出信号Voとして発振器5に出力され、発振器5からの発振出力を強制的にオフするようにされる。
なお、アンド回路12にはコンパレータ9からローレベルの出力電圧S2とドライブ回路2からローレベルの駆動パルスP2が入力されるので、その出力電圧S4はローレベルのままになっている。
【0039】
ここで、先にも説明したように、過電流検出保護回路6により過電流が検出されてから、実際にスイッチング素子Q1がオフされるまでには、遅延時間が発生するため、検出信号Voにより、発振器5から出力される発振出力のパルス幅を強制的に制限したとしても、転流ダイオードD2を介して流れる共振電流はしばらくの期間、過電流閾値を越えたレベルを保持することになる。即ち、検出電圧Vaの電圧レベルが基準電圧+Refを越えたレベルで推移することになる。
【0040】
この場合、従来の電源回路ではスイッチング素子Q1をオフしたから、所定のデットタイムTD経過後に、スイッチング素子Q2をオンとし、さらにこの時点で転流ダイオードD2を介して流れている共振電流が、まだ過電流閾値を越えていると、過電流検出保護回路103から出力される検出信号Voがハイレベルを維持しているので、発振器102は、その発振出力を強制的にオフするようにしていた。
【0041】
これに対して、本実施の形態の過電流検出保護回路6は、上記同様、図2(d)に示すスイッチング素子Q1がオフした後、所定のデットタイムTD経過後、図2(f)に示すスイッチング素子Q2をオンするための駆動パルスP2を出力することになるが、この時点で転流ダイオードD2を介して流れている共振電流が過電流閾値を越えている時は、図2(b)に示すように、インピーダンス素子20の検出電圧Vaに+Refを越えているので、コンパレータ7の出力電圧S1はハイレベルのままとなっている。
しかし、この時はドライブ回路2からアンド回路11に入力される駆動パルスP11はローレベルとなっているため、アンド回路11の出力電圧S3はローレベルとなる。
またアンド回路12には、ドライブ回路2からハイレベルの駆動パルスP2が入力されるが、コンパレータ9の出力電圧S2はローレベルとされるのでアンド回路12の出力電圧S4はローレベルとなる。
【0042】
同様に、例えばスイッチング素子Q2がオンとなっている期間では、インピーダンス素子20にはb方向に大電流が流れるから、過電流検出保護回路6ではインピーダンス素子20の検出電圧Vaをコンパレータ9において基準電圧−Refと比較し、コンパレータ9からハイレベルの出力電圧S2がアンド回路12に出力される。
この時、アンド回路12には上記コンパレータ9の出力電圧S2と、図2(f)に示すドライブ回路2からの駆動パルスP2の電圧レベルによって出力電圧S4がハイレベルとなるため、この出力電圧S4がオア回路13から検出信号Voとして発振器5に出力され、発振器5からの発振出力を強制的にオフするようにされる。
なお、この時アンド回路11にはコンパレータ7からローレベルの出力電圧S1とドライブ回路2からローレベルの駆動パルスP11が入力されるので、その出力電圧S3はローレベルとなる。
【0043】
ここで、上記同様、過電流検出保護回路6によってスイッチング素子Q2を強制的にオフした後も、転流ダイオードD1を介して流れる共振電流は過電流閾値を越えたレベルで推移すると、インピーダンス素子20にb方向の大電流が流れ続けることから、図2(b)に示すインピーダンス素子20の検出電圧Vaは−Refをまだ越えたままとなっている。
この場合、コンパレータ9の出力電圧S2は、ハイレベルを維持するが、スイッチング素子Q2の駆動パルスP2の電圧レベルはローレベルとなるので、アンド回路12の出力電圧S4はローレベルとなる。
【0044】
またアンド回路11には、スイッチング素子Q1の駆動パルスP11が入力されるが、この時はコンパレータ7の出力電圧S1がローレベルとされるので、アンド回路11の出力電圧S3はローレベルで推移することになる。
【0045】
このように本実施の形態の過電流検出保護回路6は、コンパレータ7の出力電圧S1とスイッチング素子Q1の駆動パルスP11の電圧レベルがともにハイレベル、又はコンパレータ9の出力電圧S2とスイッチング素子Q2の駆動パルスP2の電圧レベルがともにハイレベルのときのみ動作するようになっている。
【0046】
従って、本実施の形態の過電流検出保護回路6によれば、例えばスイッチング素子Q2がオンしている期間に、転流ダイオードD2を流れる共振電流が閾値電流を越えていたとしても、従来の過電流検出保護回路103のように、スイッチング素子Q1が再びオンされることがなく、スイッチング素子Q1→転流ダイオードD2という経路で貫通電流が流れることを防止することができるようになる。
【0047】
次に、本発明の第2の実施の形態とされるスイッチング制御部の構成を図3を用いて説明する。
なお、この図3に示すスイッチング制御部31が適用される電源回路の構成は、上記図1、図4に示したハーフブリッジ電流共振型コンバータと同一回路とされるため、図示は省略する。
この図3に示されているスイッチング制御部31の過電流検出保護回路32の構成は、上記図4に示した従来の過電流検出保護回路103と同様の構成とされるが、発振器33が異なるものとされる。
【0048】
つまり、過電流検出保護回路32は、インピーダンス素子20にて検出された検出電圧Vaを基準電圧+Refとする比較するコンパレータ7と、検出電圧Vaを基準電圧ーRefと比較するコンパレータ9、及びオア回路13により構成される。
発振器33は、過電流検出保護回路32からの検出信号Voの立ち上がりエッジのタイミングにおいてのみ、ドライブ回路2に出力する発振出力を強制的にオフするようにしている。
【0049】
従って、このようにスイッチング制御部31を構成した場合でも、過電流検出保護回路32によって過電流検出が行われ、例えばスイッチング素子Q1がオフした後、スイッチング素子Q2がオンするタイミングにおいて、転流ダイオードD2を介して流れている共振電流が過電流閾値を越えていたとしても、過電流検出保護回路32の検出信号Voはハイレベルを維持したままとなっているので、発振器33が検出電圧Vaの立ち上がりエッジを検出することがない。
これにより、スイッチング素子Q2がオンしている期間に、転流ダイオードD2を流れる共振電流が閾値電流を越えていたとしても、スイッチング素子Q2をオフした後、再びスイッチング素子Q1をオンすることがなく、スイッチング素子Q1→転流ダイオードD2という経路で貫通電流が流れることを防止することができるようになる。
【0050】
また、例えばコンバータトランス22の二次側に接続されている負荷回路23が短絡した場合でも、共振回路の一次側には共振インダクタンスL1があるため、共振電流が正のピーク電流値から負のピーク電流値まで移行する移行時間は、ダイオード素子を介して流れる共振電流が過電流閾値を越えている時間より長くなる。
【0051】
そこで、例えば図3に示す過電流検出保護回路32のコンパレータ7,9の出力電圧がハイレベルになった時点で、発振器33からドライブ回路2に出力される発振出力をオフすると共に、その時点から、少なくともダイオード素子を流れる共振電流が過電流閾値以下となるまでの期間をデットタイムとなるように発振器33を構成しても、上記図3と同様の動作状態を得えることができる。
【0052】
なお、本実施の形態では、ハーフブリッジ型の電流共振コンバータ方式を適用した電源回路を例に挙げて説明したが、本発明としては、例えばフルブリッジ型の電流共振コンバータ方式を適用した電源回路に適用することも可能である。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のスイッチング電源回路は、各スイッチング素子に対して並列に接続された転流ダイオードを流れる共振電流が、所定の電流値を越えている期間は、過電流検出回路の検出結果に基づく過電流保護動作を行わないようにすることで、転流ダイオードとスイッチング素子を介して流れる貫通電流を防止することが可能になる。
これにより、負荷回路への過剰な電力が供給されるのを防止できると共に、電源回路を構成する各回路部品にかかるストレスを抑制することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態とされる電源回路の構成を示した回路図である。
【図2】図1に示した電源回路の動作タイミング図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態としてスイッチング制御部の構成を示した図である。
【図4】従来の電源回路の構成を示した回路図である。
【図5】図4に示した電源回路の定常動作時における動作タイミング図である。
【図6】図4に示した電源回路の過電流検出保護回路の理想的な動作タイミング図である。
【図7】図4に示した電源回路の過電流検出保護回路の遅延動作時の理想的な動作タイミング図である。
【図8】図4に示した電源回路の過電流検出保護回路の遅延動作時の実際の動作タイミング図である。
【符号の説明】
1 31 スイッチング制御部、2 ドライブ回路、3 レベルシフト、4 ディバイダ、5 33 発振器、6 31 過電流検出保護回路、7 コンパレータ、8 10 基準電圧源、9 コンパレータ、11 12 アンド回路、13 オア回路、20 インピーダンス素子、21 コンバータトランス、22 整流平滑回路、23 負荷回路、24 コンパレータ、C3 直列共振コンデンサ、D1 D2 転流ダイオード、L1 共振インダクタンス、N1 一次巻線、N2 二次巻線、Q1 Q2 スイッチング素子、
Claims (2)
- 第1のスイッチング素子と第2のスイッチング素子とを直列に接続した第1の直列回路と、第1のコンデンサと第2のコンデンサとを直列に接続した第2の直列回路とを有し、該第1の直列回路と該第2の直列回路とを並列接続するようにして、ブリッジに接続して形成されたスイッチング手段と、
上記第1のスイッチング素子と上記第2のスイッチング素子とに対して、それぞれ並列に接続された転流ダイオードと、
上記スイッチング手段のスイッチング動作により得られる一次側出力を二次側に伝送するコンバータトランスと、
上記コンバータトランスの二次側出力を直流出力電圧として出力する出力手段と、
上記スイッチング手段の駆動を制御するための、レベルシフト回路とディバイダとを有してなる駆動制御手段と、
上記駆動制御手段に接続される発振器と、
上記コンバータトランスの一次側に設けられたインピーダンス素子と、該インピーダンス素子により検出される、上記コンバータトランスの一次側を流れる共振電流の過電流検出を行う過電流検出回路とを備え、
上記過電流検出回路は、
上記スイッチング素子の何れか一方がオンとされると共に、上記インピーダンス素子を流れる共振電流の向きが、上記オンとされるスイッチング素子に対応し、且つ、上記インピーダンス素子により検出される検出電圧と正基準電圧が入力される第1のコンパレータと、
上記第1のコンパレータの出力電圧と上記駆動制御手段の出力する第1の駆動パルスが入力される第1のアンド回路と、
上記インピーダンス素子により検出される検出電圧と負基準電圧が入力される第2のコンパレータと、
上記第2のコンパレータの出力電圧と上記駆動制御手段の出力する第2の駆動パルスが入力される第2のアンド回路と、
上記第1のアンド回路の出力と上記第2のアンド回路の出力が入力されるオア回路と、を具備し、
上記オア回路の出力が上記発振器に入力され、該発振器の出力が上記駆動制御手段に入力され、上記レベルシフト回路で上記第1のスイッチング素子に供給するための第1の駆動パルスを発生させ、上記ディバイダで上記第2のスイッチング素子に供給するための第2の駆動パルスを発生させて、該第1の駆動パルスと該第2の駆動パルスとの振り分けを行い、上記過電流検出回路の出力がハイレベルになったら、上記発振器の出力が強制的にオフされ、上記第1の駆動パルスまたは上記第2のパルスが強制的にオフされるように構成されていることを特徴とするスイッチング電源回路。 - 第1のスイッチング素子と第2のスイッチング素子とを直列に接続した第1の直列回路と、第1のコンデンサと第2のコンデンサとを直列に接続した第2の直列回路とを有し、該第1の直列回路と該第2の直列回路とを並列接続するようにして、ブリッジに接続して形成されたスイッチング手段と、
上記第1のスイッチング素子と上記第2のスイッチング素子とに対して、それぞれ並列に接続された転流ダイオードと、
上記スイッチング手段のスイッチング動作により得られる一次側出力を二次側に伝送するコンバータトランスと、
上記コンバータトランスの二次側出力を直流出力電圧として出力する出力手段と、
上記スイッチング手段の駆動を制御するための、レベルシフト回路とディバイダとを有してなる駆動制御手段と、
上記駆動制御手段に接続される発振器と、
上記コンバータトランスの一次側に設けられたインピーダンス素子と、該インピーダンス素子により検出される、上記コンバータトランスの一次側を流れる共振電流の過電流検出を行う過電流検出回路と、を備え、
上記過電流検出回路は、
上記インピーダンス素子により検出される検出電圧と正基準電圧が入力される第1のコンパレータと、
上記インピーダンス素子により検出される検出電圧と負基準電圧が入力される第2のコンパレータと、
上記第1のコンパレータの出力と上記第2のコンパレータの出力が入力されるオア回路と、を具備し、
上記オア回路の出力が上記発振器に入力され、該発振器の出力が上記駆動制御手段に入力され、上記レベルシフト回路で上記第1のスイッチング素子に供給するための第1の駆動パルスを発生させ、上記ディバイダで上記第2のスイッチング素子に供給するための第2の駆動パルスを発生させて、該第1の駆動パルスと該第2の駆動パルスとの振り分けを行い、上記過電流検出回路から供給される検出信号の立ち上がりエッジにより、上記発振器の出力が強制的にオフされ、上記第1の駆動パルスまたは上記第2のパルスが強制的にオフされるように構成されていることを特徴とするスイッチング電源回路。
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