JP4569332B2 - 画像形成装置およびその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、プリンタや複写機等の画像形成装置に関し、より詳しくは、レジストレーションコントロールを実施する画像形成装置に関する。
今日、プリンタや複写機等の画像形成装置において、カラーの画像を形成する装置が広く普及している。この種の一般的な画像形成装置として、例えばブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の色ごとに設けられた画像形成部が転写対象(中間転写体である転写ベルトや記録材である用紙等)に対向して並べて配置された、いわゆるタンデム型の画像形成装置が存在している。このタンデム型の画像形成装置では、各々の画像形成部で形成される色の異なる画像が、走行する転写対象に順次転写されて多重化され、カラー画像が形成される。
このタンデム型の画像形成装置では、色ごとに形成された画像を重ねてカラー画像を形成するため、画像形成部の各取り付け位置の誤差、各画像形成部の周速誤差、転写対象に対する露光位置の違い、転写対象の線速の変化等により、形成された画像において色ずれが発生する場合がある。すなわち、色ごとに設けられる画像形成部のアライメントや機械的誤差等がそのまま記録媒体(用紙等)上での色ずれとなる。したがって、この種の画像形成装置では、これらの色ずれ量を測定し、色ずれの発生を抑制するための色ずれ制御(レジストレーションコントロール)を行うことが不可欠となる。この色ずれ制御の一般的な方法として、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のマーク(パターン)を転写対象に描き、その位置をセンサで読み取り、その読み取り結果から色ずれを算出してフィードバックし、画像形成部を制御する方法がある。なお、タンデム型の画像形成装置の他に、例えば像担持体を複数回転させてカラー画像を形成するサイクル方式や、いわゆるインクジェット方式などの画像形成装置においても、色ずれ等に対して同様な問題がある。
ところで、レジストレーションコントロールの対象となる画像のずれの一種として、スキューによって生じるずれ(以下、スキューずれ)がある。すなわち、特定の色の走査光学系や感光体ドラムの傾きが他の色におけるそれらの傾きと異なっている場合に、その特定の色の画像と他の色の画像との間にずれが生じる。このスキューずれを補正するための従来技術としては、機構系や光学系におけるメカニズムにより修正を行うものや、ずれに応じて元の画像データを変形させる画像処理によって補正を行うものなど、種々の技術がある。機構系や光学系によるメカニカルな修正は非常に高い精度を要することから、微少な修正に関しては、画像処理による補正の方がコストを抑えることができ、利便性も高い。
画像データを修正して画像自身のスキューずれを補正する従来技術としては、例えば、転写ベルト上の主走査方向の異なる位置に2カ所以上にレジストマークを形成し、基準色と他の色とのずれ量を求め、このずれ量から補正近似関数を算出し、画像のアドレスを変更してスキューずれに対する補正(以下、スキュー補正)を行う技術が存在する(例えば、特許文献1参照)。また、画像の書き出しのアドレスを変え、段差を持たせて出力することにより、プリンタヘッドの間で発生するスキューずれをライン単位で補正する技術が開示されている(例えば、特許文献2および特許文献3参照)。
また、近年、複数の光源からの複数のレーザビームを回転多面鏡により一括走査する、いわゆるマルチビーム走査光学系を用いた画像形成装置が提案されている。そして、このマルチビーム走査光学系を用いて、同じ画像データを複数回、感光体面上に重ねて描画する、いわゆる多重露光を行う画像形成装置が存在する(例えば、特許文献4参照)。
特開2000−112206号公報 特開2001−80124号公報 特開平9−188000号公報 特開2004−109680号公報
図15(a)、(b)は、マルチビーム走査光学系(マルチビームROS)を用いた画像形成装置におけるスキュー補正について、従来から行われている処理の例を示す図である。
図15(a)、(b)では、横に主走査方向(A〜R)を示し、縦に副走査方向(1〜24)を示しており、4ドット幅の線を描画する場合が例示されている。ここで、主走査方向とは、印字源の走査方向であり、像担持体(用紙や中間転写体等)の移動方向と直交する方向である。また副走査方向は、主走査方向と直交し像担持体の移動方向と同一方向である。
画像処理によるスキュー補正では、図15(b)に示すように、図15(a)の主走査方向に対して段階的に、描画する画素の位置を変更(アドレス切り替え)することにより、出力画像データを副走査方向へシフトさせる。この画素位置の変更は、マルチビームの画像形成に用いられる画像データをシフトすることにより行われる。この出力画像データのシフトにより、スキューの歪みを補正することが可能となる。そして、例えば、基準色に対して傾いて描画される色に対して、良好なスキュー補正を施すことが可能となる。
図16(a)、(b)は、図15(a)、(b)と同様のマルチビーム走査光学系を用いた画像形成装置で多重露光(図示の例では二重露光)を行った場合のスキュー補正の様子を示す図である。多重露光では、上述した特許文献4に開示されているように、マルチビームを走査線数本(総ビーム数よりも少ない数)分ずつずらしながら走査することで、1走査線あたり複数回走査する。図16(a)、(b)には、16本ビームで走査線8本分ずつずらしながら走査する例が示されている。すなわち、この画像形成装置では、走査線8本を単位として2回ずつ露光されることとなる。図16(a)には、n回目の走査における露光の様子とn+1回目の走査における露光の様子が並べて示されており、図16(b)には、図16(a)の2回の走査における露光が合成された様子が示されている。
図16(a)において、n回目の走査では、主走査方向A〜Fの範囲で副走査方向9〜12に対応する4つのレーザが出力されている。また、主走査方向G〜Lの範囲でレーザの出力位置が走査線1本分シフトされ、副走査方向10〜13に対応する4つのレーザが出力されている。また、主走査方向M〜Rの範囲でレーザの出力位置がさらに走査線1本分シフトされ、副走査方向11〜14に対応する4つのレーザが出力されている。
同様に、n+1回目の走査では、主走査方向A〜Fの範囲で副走査方向1〜4に対応する4つのレーザが出力されている。また、主走査方向G〜Lの範囲でレーザの出力位置が走査線1本分シフトされ、副走査方向2〜5に対応する4つのレーザが出力されている。また、主走査方向M〜Rの範囲でレーザの出力位置がさらに走査線1本分シフトされ、副走査方向3〜6に対応する4つのレーザが出力されている。
実際の画像形成では、n回目の走査とn+1回目の走査とが走査線8本分ずらして重畳されるので、2回の走査における副走査方向の走査線は、図16(b)に示すように全部で24本となる。そして、2回の走査における走査幅(走査線24本分)のうち、副走査方向9〜16が重複する。そして、主走査方向A〜Fの範囲で副走査方向9〜12の走査線が、主走査方向G〜Lの範囲で副走査方向10〜13の走査線が、主走査方向M〜Rの範囲で副走査方向11〜14の走査線が、それぞれ2回ずつ露光されることとなる。なお、ここでは簡単のため、2回の走査のみについて説明したが、n+1回目の走査における副走査方向9〜16の走査線は、n+2回目の走査における副走査方向1〜8の走査線と重複する。以下同様に、各回の走査が走査線8本分ずつ重複し、順次二重露光が実施されることとなる。
ところで、デジタル方式の画像形成装置では、一般に画素は二値ドットで形成されることが多い。そのため、中間調を表現する際には面積階調が行われる。面積階調では、画像データにおける中間調を表現しようとする箇所に、微細なパターン(ドットパターンやラインパターン)のスクリーンが描画される。スクリーンのパターンを任意に選択することで、そのスクリーンが張られた範囲で視覚的に認識される色の濃度が制御され、中間調が表現される。
従来、面積階調による中間調表現がなされた画像において、上述したスキュー補正が行われると、画像データに施されたスクリーンの形状やスクリーンの角度によっては、スキュー補正を行った箇所に筋状の画質ディフェクト(以下、筋状ディフェクトと称す)が生じる場合があった。
図17(a)〜(c)は、スキュー補正を行ったことにより生じる筋状ディフェクトを模式的に表した図である。
図17(b)、(c)は、それぞれ図17(a)のようにスクリーンが張られた白黒の原画像に対してスキュー補正(シフト)を行った状態を示す。図17(b)においては黒筋の筋状ディフェクトが現れ、図17(c)においては白筋の筋状ディフェクトが現れた様子が示されている。
本発明は、以上のような技術的課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、例えばマルチビーム走査光学系を用いた画像形成装置や複数の印字源を有するインクジェット方式を採用した画像形成装置において、スキュー補正等の画像を領域分割して各領域をシフトさせることで補正が行われた場合に生じる筋状ディフェクトを抑制し、画質の向上に寄与することにある。
かかる目的を達成するために、本発明は、マルチビーム走査光学系を用いて多重露光を行う画像形成装置として実現される。この装置は、画像データを入力する入力手段と、複数の印字源を有し、この印字源からのビームを一括走査して像担持体を印字する印字手段と、入力手段により入力された画像データを印字手段にて描画する際に、像担持体の移動方向である副走査方向へ段階的に画像をシフトさせる制御手段とを備える。そして、印字手段は、印字源からのビームを走査線数本分ずつずらしながら走査することで、1走査線あたり複数回走査し、制御手段は、1本の走査線に対する複数回の走査において、相異なる位置で画像をシフトさせる。より詳しくは、制御手段は、画像のスキューずれを補正するように基準となるシフト位置を特定し、1本の走査線に対する複数回の走査のうちの少なくとも一部において、基準となるシフト位置に対して1または数画素分ずらした位置で画像をシフトさせる。さらに詳しくは、制御手段は、n+奇数回目の走査では基準となるシフト位置に対して所定の方向に1または複数画素分ずらした位置で画像をシフトさせ、n回目およびn+偶数回目の走査では基準となるシフト位置またはn+奇数回目の走査とは反対方向に1または複数画素分ずらした位置で画像をシフトさせる。また、より好ましくは、制御手段は、基準となるシフト位置から何画素分ずらした位置で画像をシフトさせるかを、印字手段による描画内容に応じて決定する。
かかる本発明は、複数の印字源を有し、この印字源からのビームを走査線数本分ずつずらしながら走査することで、1走査線あたり複数回走査し、像担持体を印字する画像形成装置の制御方法としても把握することができる。この方法は、入力される画像データに対してスクリーン処理を施すステップと、1本の走査線に対する複数回の走査において、相異なる位置で画像をシフトさせるようにスキュー補正のための補正値を求めるステップと、得られた補正値に基づき、スクリーン処理の施された画像データを、像担持体の移動方向である副走査方向へ段階的にシフトさせてスキュー補正を施すステップとを含む。
また、本発明は、次のような画像形成装置としても実現される。この装置は、画像データを入力する入力手段と、複数の印字源を有し、この印字源または印字源からのビームを一括走査して像担持体を印字する印字手段と、入力手段により入力された画像データを像担持体の移動方向に直行する主走査方向に対して複数の部分に分割し、分割した部分を像担持体の移動方向である副走査方向へ段階的にシフトして印字手段に描画させる制御手段とを備える。そして、制御手段は、部分の境界線が副走査方向の直線以外の形状となるように前記画像データを分割する。この印字源の走査としては、インクジェット方式によるノズルの走査も含めて考えることも可能である。その場合には、像担持体としては搬送される用紙(シート)が該当する。また「印字」とは、テキスト等の文字の形成に限定されるものではなく、文字以外の各種画像の形成に際し、電子写真方式を採用した画像形成装置では露光機能、インクジェット方式を採用した画像形成装置ではプリントヘッドからのインク吐出機能等を広く意味するものである。以下、同様である。ここで、この印字手段の複数の印字源は、複数のレーザビーム光源であり、印字手段は、複数のレーザビーム光源からの複数本のレーザビームを回転多面鏡により一括走査するマルチビームを用いた露光手段であることを特徴とすることができる。
この画像形成装置において、制御手段は、画像データの部分をシフトさせた場合に生じる空画素および重複画素のデータを、空画素または重複画素の周囲の画素の情報に基づいて補正する。また、より好ましくは、制御手段は、印字手段により描画されるパターンと同期しない境界線形状で画像データを分割する。さらには、制御手段は、印字手段により描画される画像のエッジ部の一部に沿う形状の境界線で画像データを分割することもできる。
さらに本発明は、複数の印字源を有し、この印字源または印字源からのビームを一括走査して像担持体を印字する画像形成装置の制御方法としても把握される。この方法は、入力される画像データに対してスクリーン処理を施すステップと、画像データを像担持体の移動方向に直行する主走査方向に対して、かつ境界線が像担持体の移動方向である副走査方向の直線以外の形状となるようにして複数の部分に分割するステップと、分割した複数の部分を副走査方向へ段階的にシフトしてスキュー補正を施すステップとを含む。
以上のように構成された本発明によれば、元画像に対してスキュー補正を初めとして、画像を領域分割して各領域をシフトさせることで補正が行われた場合に生じる筋状ディフェクトを抑制し、もって画質の向上に寄与することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。
図1は、本実施形態が適用される画像形成装置を示した図である。この画像形成装置は、電子写真方式を採用した、いわゆるタンデム型のデジタルカラー機である。図1に示すように、この画像形成装置は、画像を形成する画像形成部10、印字機能(印字機能)として、画像形成部10の感光体ドラム11に対して静電潜像を形成する露光装置13、感光体ドラム11に担持されたトナー像を重畳して担持する中間転写体としての転写ベルト21を備えている。画像形成部10は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色に対応させて設けられている。以下、これらを区別する必要がある場合には、画像形成部10Y、10M、10C、10Kと表記するが、区別する必要がない場合には、単に画像形成部10と表記する。また、転写ベルト21の内側で、各画像形成部10の感光体ドラム11に対向する位置には、転写ベルト21上に画像を担持するための一次転写ロール23が設けられている。さらに、転写ベルト21に担持されたトナー像を用紙に転写するいわゆる二次転写位置には、二次転写ロール24と、転写ベルト21の内側に設けられる対向ロール25とが配置されている。さらに、記録媒体である用紙を収容する給紙カセット27と、転写された用紙を定着するための定着器28とを備えている。また、画像形成装置は、スキュー補正のための画像シフトを制御する制御部31、転写ベルト21の所定領域に形成された色ずれ制御用パターンを読み取る色ずれセンサ32を備えている。
制御部31は、画像読取装置(IIT:Image Input Terminal)等の画像データの入力手段から得られた画像のデジタル画像信号や色ずれ制御のためのパターン画像などの画像信号を生成して露光装置13に供給し、転写ベルト21への書き込みを行わせる。また制御部31は、色ずれセンサ32から色ずれ制御用パターンの検出結果を取得し、取得した情報に基づいて色のずれ量を解析し、必要な補正を行っている。制御部31におけるこれらの機能は、例えばプログラム制御されたCPU(Central Processing Unit)等で実現される。また制御部31は、メモリとして不揮発性のROM(Read Only Memory)や読み書き可能なRAM(Random Access Memory)を備えている。このROMには、コントローラが実行する画像形成動作や色ずれの検出および補正動作などを制御するためのソフトウェアプログラム、色ずれ制御用パターンの画像情報等が格納されている。RAMには、各種カウンタ値、ジョブの実行回数、前回の色ずれ検出処理の実行情報(時間情報等)といった、画像形成装置の動作に伴って取得される各種の情報が格納される。
各色別の露光装置13には、例えば画像読取装置(IIT)や外部のパーソナルコンピュータ装置(PC)等から得られ、画像処理装置(図示せず)によって変換されたデジタル画像信号が、制御部31を介して供給される。色ずれセンサ32は、転写ベルト21上に形成された色ずれ制御用パターン(ラダー状トナーパッチ、シェブロンパッチ)をPD(PhotoDiode)センサ等で構成される検出器上に結像し、パッチの重心線と検出器の中心線とが一致したときにパルスを出力する反射型センサである。この色ずれセンサ32は、各画像形成部10で形成されたパッチによる色ずれ制御用パターンの相対色ずれを検出するために、例えば、図1における最下流側の画像形成部10Kの下流側で、かつ主走査方向に沿って2個、配置されている。色ずれセンサ32の発光部は、例えば赤外LED(波長880nm)が2個用いられ、安定したパルス出力を確保するために、2個のLEDの発光光量を調整(例えば2段階)できるように構成されている。
上記4色の画像形成部10Y、10M、10C、10Kの各々には、像担持体である感光体ドラム11の周りに、画像形成のための各種ユニットが同様に形成されている。即ち、感光体ドラム11を帯電させる帯電装置、露光装置13により露光された感光体ドラム11にトナー像を現像する現像装置、転写ベルト21へのトナー像の転写後に感光体ドラム11に残る残留トナーを除去するクリーナ等の各種ユニットが備えられている。なお、画像形成部10の構成としては、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のいわゆる常用色の他、通常のカラー画像形成には用いられない、例えばコーポレートカラーなどの特殊な画形材に対応させた特定色画像形成部を設けることも可能である。また、上述したY、M、C、Kの4色の他に、ダークイエローなどを含めた5色以上を常用色として用いることもできる。なお、本実施形態では、像担持体である感光体ドラム11の軸方向を主走査方向、感光体ドラム11の回転による移動方向を副走査方向としている。
ここで、4色の画像形成部10Y、10M、10C、10Kの各々の感光体ドラム11を露光する露光装置13では、マルチビームROS(Raster Output Scanner)が用いられ、各々、複数個のレーザダイオード(LD)にて構成される複数の光源を有している。この複数の光源から発せられるレーザビームをコリメートレンズによりコリメートした後、回転多面鏡(ポリゴンミラー)の偏向反射面により走査し、結像レンズにより絞り込まれたレーザスポットにより感光体ドラム11を走査(主走査)露光している。感光体ドラム11は、駆動手段によって回転駆動し、露光装置13によって、レーザ走査(主走査)と直交する方向(副走査方向)に露光され、2次元の露光記録を実現することができる。
転写ベルト21としては、例えば、可撓性を有するポリイミド等の合成樹脂フィルムを帯状に形成し、その両端を溶着等の手段によって接続することによって、無端ベルト状に形成したものが用いられる。この転写ベルト21は、駆動ロールとバックアップロールとによって、少なくとも一部を略直線的にしたループ状に張られる。そして、この転写ベルト21の略直線的な部分に対して、略水平方向に一定間隔を隔てて、4色の画像形成部10Y、10M、10C、10Kおよび対向する一次転写ロール23が配列されている。図1に示す例では、転写作業を行う際の転写ベルト21の移動方向に対して上流側から下流方向に順に、イエローの画像形成部10Y、マゼンタの画像形成部10M、シアンの画像形成部10C、黒の画像形成部10Kが配列されている。画像形成部10によって形成された各色の画像が、転写ベルト21の動きにしたがってベルト上で順に重ね合わされることにより、転写ベルト21上にカラートナー画像が形成される。そして、転写ベルト21の移動と用紙搬送とのタイミングが合わされ、二次転写ロール24と対向ロール25を含む位置で、転写ベルト21上に形成されたカラートナー画像が用紙に転写される。この後、カラートナー画像が転写された用紙は、定着器28に搬送され、定着器28においてカラートナー画像が用紙に定着されて、画像形成装置の筐体外部に設けられた排出トレイに排出される。
図2は、露光装置13に用いられるレーザデバイスの一例を示した図である。本実施形態では露光装置13に、図2に示すような面発光レーザデバイス40が設けられている。この面発光レーザデバイス40は、1つのデバイスに、印字源として、4×4の配列(配置形状)でLD1〜LD16の計16個のレーザダイオード(LD)41が設けられている。そして、この16個のレーザダイオード41によって、16本のビームにより16ラインを同時に走査することができる。この16本のマルチビームは、1つのデバイスである面発光レーザデバイス40から射出されることから、16本の相対的な位置関係はある程度の精度で維持される。しかしながら、デバイスの取り付け不良や温度変化などにより、各色の露光装置13における面発光レーザデバイス40の間で相対的に異なる傾きが生じると、各色の走査位置がずれてスキューずれが生じる。
図3は、画像処理によるスキュー補正の様子を示す図である。
上述したスキューずれに対し、画像処理により、各色の画像データにスキューを相殺するような変形を施すことで、補正することができる。各色の画像データは、図3に示すように、主走査方向に対して複数の短冊状に分割され、分割された各部が副走査方向へ段階的にシフトされる。主走査方向に対する分割数および分割位置(すなわち理論的なシフト位置)は、スキューずれの量(補正量)に応じて調整される。これにより、描画される際のスキューずれが相殺されることとなる。
一方、このような画像処理を行うと、描画される画像(パターン)によっては、筋状ディフェクトが発生してしまう。典型的には、画像の中間調を面積階調によって表す場合、中間調を表現する箇所には微細なパターンのスクリーンが描画されるが、このスクリーンが描画される部分においてスキュー補正のための画像シフトが施されると、筋状ディフェクトが発生する。筋状ディフェクトが発生する根本的な原因は明らかになっていないが、例えば次のようなことが考えられる。すなわち、スキュー補正によってスクリーンのパターンがシフトした境界部分では、それ以外の場所と比較して、二値ドットの比率が変わるために濃度変化が生じる。そのため、黒いドットが多くなった場合(例えば図17(b)の場合)には、巨視的に黒い筋が認知され、反対に白いドットが多くなった場合(例えば図17(c)の場合)には、巨視的に白い筋が認知されるという考えである。しかしながら、筋状ディフェクトが発生する根本的な原因が何であるかに関わらず、スキュー補正によってシフトされた画素が直線上に一列に並ぶために画像上で巨視的に無視できない構造となり、視覚的に認められる程の画質ディフェクトになるものと考えられる。
そこで本実施形態では、スキュー補正のためにシフトされた画素が直線上に一列に並ばないようにすることで、筋状ディフェクトの発生を抑制する。そのための具体的な手法として、本実施形態では、多重露光を利用した手法(第1の手法)と、画像データを分割する際の境界線を非直線状とする手法(第2の手法)とを示す。以下、各手法について詳細に説明する。
<第1の手法>
多重露光では、マルチビームを走査線数本分ずつずらしながら走査することで、1走査線あたり複数回走査する。そこで、第1の手法では、画像データの同じ要素に対する各回の走査において、スキュー補正のために画素をシフトする位置を変える。以下では簡単のため、16本ビームで走査線8本分ずつずらしながら1走査線あたり2回走査(二重露光)する場合を例として説明する。
図4(a)、(b)は、第1の手法を説明する図である。図4(a)には、n回目の走査における露光の様子とn+1回目の走査における露光の様子が並べて示されており、図4(b)には、図4(a)の2回の走査における露光が合成された様子が示されている。図4に示す例において、スキュー補正のために設定された画素の副走査方向のシフト位置(画像データの分割位置)は、主走査方向G、Mとする。
図4(a)を参照すると、n回目の走査では、主走査方向G、Mの位置でレーザの出力位置が走査線1本分、副走査方向へシフトされている。一方、n+1回目の走査では、主走査方向H、Nの位置でレーザの出力位置がシフトされており、シフトの位置が主走査方向の順方向(図の右方向)に画素1つ分移動している。すなわち、スキュー補正のためにシフトされた画素が、2回の走査によって、直線ではあるが画素1つ分の幅で2列に並ぶこととなる。
この2回の走査が重ね合わされるため、主走査方向Gの位置では、1回目の走査で副走査方向9〜12に対応するレーザが出力されて露光され、2回目の走査で副走査方向10〜13に対応するレーザが出力されて露光される。同様に、主走査方向Mの位置では、1回目の走査で副走査方向10〜13の位置が露光され、2回目の走査で副走査方向11〜14の位置が露光される。したがって、図4(b)に示すように、主走査方向G、Mの位置では、それぞれ5つの画素が露光される。このうち両端部の画素、すなわち主走査方向Gの位置では副走査方向9、13の画素、主走査方向Mの位置では副走査方向10、14の画素は、それぞれ1回ずつしか露光されないため、他の部分と比べて画像において濃度が低くなる。
これによって、図4(b)において、副走査方向9〜12の走査線が露光される領域と副走査方向10〜13の走査線が露光される領域の境界が曖昧になる(スムージング)。同様に、副走査方向10〜13の走査線が露光される領域と副走査方向11〜14の走査線が露光される領域の境界が曖昧になる。このように、スキュー補正による画素のシフト位置の境界が曖昧になることによって、画素のシフト位置の境界線に沿って現れる筋状ディフェクトの視認性が抑制される(認識されにくくなる)こととなる。
ここで、n+2回目以降の走査について考える。上記の動作では、n回目の走査に対してn+1回目の走査では、スキュー補正による画素のシフト位置を主走査方向の順方向に画素1つ分移動させた。これをn+2回目以降の走査についてもそのまま適用すると、画素のシフト位置が次第に主走査方向に沿って移動してしまうため、スキューずれの量に応じて設定されたシフト位置から大きく外れてしまう。これを回避するため、n+2回目の走査では、n回目の走査と同様に、スキュー補正による本来のシフト位置で画素をシフトさせる。すなわち一般化すれば、n回目およびn+偶数回目の走査では本来のシフト位置で画素をシフトさせ、n+奇数回目の走査では本来のシフト位置よりも主走査方向の順方向に画素1つ分移動した位置で画素をシフトさせることとなる。
図4に示した第1の手法の拡張として、n回目およびn+偶数回目の走査でも画素のシフト位置を移動させることが考えられる。図5(a)、(b)は、この場合の第1の手法の動作を示す図である。図4の場合と同様に、図5(a)には、n回目の走査における露光の様子とn+1回目の走査における露光の様子が並べて示されており、図5(b)には、図5(a)の2回の走査における露光が合成された様子が示されている。なお、図5の例でも、図4の例と同様に、スキュー補正のために設定された画素の副走査方向のシフト位置(画像データの分割位置)は、主走査方向G、Mとする。
図5(a)を参照すると、n回目の走査では、主走査方向F、Lの位置でレーザの出力位置が走査線1本分、副走査方向へシフトされている。すなわち、スキュー補正のために設定された本来のシフト位置に対して、実際のシフトの位置が主走査方向逆向き(図の左方向)に画素1つ分移動している。一方、n+1回目の走査では、主走査方向H、Nの位置でレーザの出力位置がシフトされており、図4(a)の場合と同様に、シフトの位置が主走査方向の順方向(図の右方向)に画素1つ分移動している。したがって、図5に示す例では、スキュー補正のためにシフトされた画素が、2回の走査によって、画素2つ分の幅で2列に並ぶこととなる。
この2回の走査が重ね合わされるため、主走査方向FおよびGの位置では、1回目の走査で副走査方向9〜12に対応するレーザが出力されて露光され、2回目の走査で副走査方向10〜13に対応するレーザが出力されて露光される。同様に、主走査方向LおよびMの位置では、1回目の走査で副走査方向10〜13の位置が露光され、2回目の走査で副走査方向11〜14の位置が露光される。したがって、図5(b)に示すように、主走査方向F、G、LおよびMの位置では、それぞれ5つの画素が露光される。そして、図4の場合と同様に、両端部の画素、すなわち主走査方向F、Gの位置では副走査方向9、13の画素、主走査方向L、Mの位置では副走査方向10、14の画素は、それぞれ1回ずつしか露光されないため、他の部分と比べて画像において濃度が低くなる。
これによって、図5(b)において、スキュー補正による画素のシフト位置の境界が曖昧になり、画素のシフト位置の境界線上に現れる筋状ディフェクトが抑制されることとなる。なお、n+2回目以降の走査については、図4の場合と同様に考えることができる。すなわち、一般化して、n回目およびn+偶数回目の走査ではスキュー補正のために設定された本来のシフト位置よりも主走査方向逆向きに画素1つ分移動した位置で画素をシフトさせ、n+奇数回目の走査では本来のシフト位置よりも主走査方向の順方向に画素1つ分移動した位置で画素をシフトさせることとなる。
<第2の手法>
上述したように、筋状ディフェクトは、スキュー補正によってシフトされた画素が直線上に一列に並ぶために、視覚的に認められる程の画質ディフェクトになると考えられる。そこで、第2の手法では、画像データにスキュー補正のための変形を施す際に、画素のシフト位置の境界が直線上に一列に並ばないように画像処理を行う。言い換えれば、画像データを主走査方向に対して複数の短冊状に分割する際に、各短冊の境界線が副走査方向に一直線とならないように画像データを整形する。
図6(a)、(b)は、第2の手法を説明する図である。図6(a)は画像データを短冊状に分割した様子を示し、図6(b)は分割された画像データを短冊ごとに段階的にシフトした様子を示す。図6(a)、(b)に示す例では、画像データの境界線(図中破線で記載)を一定の長さごとに主走査方向へ屈曲させ、矩形波状の境界線としている。このように、画像データを分割する際に境界線を複雑な形状とすることにより、シフトされた画素が直線上に一列に並ぶことを避けることができる。この結果、スキュー補正による画素のシフト位置での濃度変化が主走査方向へ分散させられるため、画素のシフト位置の境界線に沿って現れる筋状ディフェクトの視認性が抑制されることとなる。
ところで、矩形波状の境界線を持つ短冊を副走査方向へシフトさせると、図6(b)に示すように、境界線が主走査方向に屈曲した箇所で、隙間(空画素)ができたり、隣り合う二つの短冊が重複する部分(重複画素)ができたりする。具体的には、図7に示すように、隣り合う二つの短冊A、Bに着目して、短冊Aが短冊B側へ突出している部分を考えると、短冊Aを基準として短冊Bがシフトされる方向の下流側では空画素が発生し、上流側では重複画素が発生する。
これらの空画素および重複画素は、そのままでは周囲の他の画素と大きく異なってしまう。そこで、これらの空画素および重複画素に対して、周囲の画素をコピーして置き換えたり、周囲の画素の情報に基づいて画素のデータを補正したりすることで、周囲の他の画素との乖離を抑制する。具体的な処理方法としては、
1.主走査方向に並んだ二つの領域のうちの一方の画素をコピーする。
2.シフト前の主走査方向の座標に基づいて隣接する画素を特定し、その画素をコピーする。
3.シフト後の空画素および重複画素の周辺画素における画素データの平均値を計算し、得られた平均値をこれらの空画素および重複画素の画素データとする。
等の方法が考えられる。
図6に示したように画像データを分割した短冊の境界線を矩形波状にする場合、矩形波状の境界線における主走査方向に屈曲した部分の長さを長くすると、主走査方向の境界部分に別のディフェクトが発生する可能性がある。したがって、境界線の矩形波形状において主走査方向の長さよりも副走査方向の長さが大きくなるようにすることが望ましい。また、図8(a)、(b)に示すように、境界線の形状を主走査方向に伸びる部分においても凹凸を形成することによっても、主走査方向のディフェクトを押さえることができる。
第2の手法は、画像処理において画像データを分割した短冊の境界線を複雑な形状にすることで筋状ディフェクトの視認性を抑制するものである。したがって、境界線の形状は単純な直線でなければ良く、上述した矩形波形状には限定されない。図9(a)〜(c)は、複雑な境界線の例を示す図である。図9(a)は、主走査方向に複数回屈曲させて階段状のパターンを繰り返す境界線を示す。図9(b)は、短冊の領域内に隣り合う他の短冊と共にシフトされる領域を配列して飛び地のような形状をなす境界線を示す。図9(c)は、副走査方向や主走査方向に直線的に伸びる部分をなくして全体として曲線状となるように形成された境界線を示す。このように、画像データを分割した短冊の境界線は任意に形成することが可能である。
さて、第2の手法では、上記のように画像データを分割した短冊の境界線を複雑な形状に形成する。しかし、全く任意に境界線の形状を決めると、面積階調により中間調を表現する際に描画されるスクリーンによっては、境界線の形状とスクリーンのパターンが同期してしまう場合がある。
図10(a)、(b)は、境界線の形状とスクリーンのパターンにおける同期の例を示す図である。図10(a)の例は、矩形波状の境界線(破線で記載)の主走査方向に屈曲する周期とスクリーンパターンの周期とが同期している。また、図10(b)の例は、境界線の形状の一部とスクリーンパターンの角度とが同期している。
短冊の境界線の形状とスクリーンのパターンが同期する場合、短冊のシフトによる濃度変化の発生箇所が、境界線の形状とスクリーンパターンの同期にしたがって特定の方向に直線的に並んでしまうために、筋状ディフェクトが現れる可能性がある。そこで、スクリーンパターンの周期と異なる周期を持つ形状とすること、およびスクリーンパターンの角度と同じ角度となる部分を持たない形状とすることに留意して、境界線の形状を選択することが必要となる。具体的には、面積階調のためのスクリーンパターンが予め決まっているならば、全てのスクリーンパターンと同期しない境界線形状を設定しておくか、または数種類の境界線形状を用意して画像データにおいて使用されているスクリーンパターンに応じて選択的に適用すれば良い。これに対し、面積階調のためのスクリーンパターンがユーザによって作成され追加される場合は、画像解析を行って、追加されたスクリーンパターンに同期しない境界線形状を作成することが必要となる。
また、筋状ディフェクトは、スキュー補正のための画像データのシフトと面積階調のためのスクリーンパターンとの組合せによって生じることから、何らかの画像が存在する場所で発生しやすいと考えられる。そこで、画像データを分割する境界線の近傍に所定の画像のエッジ部が存在する場合、図11に示すように、境界線(図中太線で記載)形状を画像のエッジ部に沿った形状に設定することで、境界線が画像を横切ることを避け、筋状ディフェクトを発生させにくくすることができる。
以上、本実施形態による、スキュー補正における筋状ディフェクトを抑制する手法として、多重露光を利用した手法(第1の手法)と、画像データを分割する際の境界線を非直線状とする手法(第2の手法)の2種類の手法を説明した。
次に、上述した筋状ディフェクト抑制方法を実現するための構成について説明する。
図12は、上述した筋状ディフェクト抑制方法を適用してスキュー補正を実行する制御部31の機能構成を示す図である。
図12を参照すると、制御部31は、入力画像を画像データに変換する画像データ生成部51と、画像データ生成部51から出力された画像にスクリーン処理を施すスクリーン処理部52と、スキュー補正を実行するスキュー補正処理部53とを備える。また、制御部31は、Y、M、C、Kの各色の画像を形成する画像形成部10Y、10M、10C、10Kに対応する露光装置13のROS(Y用ROS、M用ROS、C用ROS、K用ROS)に対して画像情報を出力する画像形成指示部54を備える。さらに、制御部31は、Y、M、C、Kの色ごとや、オブジェクトごとに適したパターン情報が格納されるパターン格納部55を備えている。またさらに、制御部31は、例えば色ずれセンサ32を用いて、黒(K)を基準とした各色のスキューを検出するスキュー検出処理部56と、スキュー補正において画像の書き出しのアドレスを変えて出力する場合に補正値の演算処理を行う補正値演算処理部57とを備える。
画像データ生成部51は、例えばページ記述言語やビットマップデータなどの、PCやIITから出力された画像データを画像形成装置特有の画像データに変換する。この画像データ生成部51により生成される画像データは、例えば多値データとして、600dpi(8ビット)+Tag(4ビット)などで表現される場合や、2値データとして、600dpi(1ビット)や1200dpi(1ビット)などで表現される場合がある。なお、画像データ生成部51は、画像形成装置の内部のコントローラに設けられる他、画像形成装置とは別個の筐体に設けられる外部コントローラによって構成される場合もある。
スクリーン処理部52は、特定の色、特定のオブジェクト(例えば写真、文字などの別)ごとに好ましいスクリーン処理を施し、例えば2400dpi(1ビット)の画像データが出力される。また、スクリーン処理部52では、テキスト/イメージ分離(T/I分離)処理が実行され、スクリーン処理を施すのに好ましいパターンがパターン格納部55から読み出されて用いられる。
スキュー検出処理部56は、スクリーン処理の施された画像データに対してスキュー補正が必要であるか否かを判断する。スキュー補正が必要であるか否かは、例えば、色ずれセンサ32から取得される色ずれ制御用パターンの検出結果に基づいて判断することができる。また、カラーレジストレーション合わせに際してスキュー補正を行う場合がある。この場合、より具体的には、例えば黒(K)などの1色を基準として固定し、他の色についてスキュー補正を施すことによりカラーのレジストレーションを合わせる。
補正値演算処理部57は、上述した筋状ディフェクトの抑制方法を実施するための演算処理を行う。具体的には、例えば、上述した第1の手法の場合、各走査における画素のシフト位置を演算する。また、第2の手法の場合、画像データを、副操作方向に沿った直線以外の形状の境界線で短冊状に分割するための画素のシフト位置を演算し、空画素および重複画素を補正するための演算を行う。
スキュー補正処理部53は、補正値演算処理部57により演算された補正値を用いて、上述した筋状ディフェクトの抑制方法を実施するための処理、すなわち画素のシフト位置の変更や画像データを分割した境界線の変形を行う。
次に、制御部31にて実行される処理について説明する。
図13は、図12に示す制御部31による処理を説明するフローチャートである。
図13に示すように、制御部31が画像出力要求を受け付けると(ステップ131)、スクリーン処理部52は、画像データ生成部51から出力される画像データに対し、例えば、文字/イメージの認識などのオブジェクト判断を実行する(ステップ132)。
また、スクリーン処理部52は、画像データの色とオブジェクト判断とに基づき、パターン格納部55から所定のパターンを読み出し(ステップ133)、スクリーン処理を実行する(ステップ134)。
次に、スキュー検出処理部56が、当該画像データに対してスキュー補正が必要であるか否かを判断する(ステップ135)。そして、スキュー補正が必要ないと判断される場合には、ステップ138へ移行する。一方、スキュー補正が必要であると判断される場合には、補正値演算処理部57が、上述した筋状ディフェクトの抑制方法に基づく補正値の演算を行う(ステップ136)。そして、スキュー補正処理部53が、補正値演算処理部57により演算された補正値に基づいてスキュー補正を実行する(ステップ137)。
この後、画像形成指示部54からIOT(Image Output Terminal)へ画像データが出力される(ステップ138)。この画像データは、ステップ137でスキュー補正が施された画像データ、または、ステップ135でスキュー補正が必要ないと判断された場合は、ステップ134でスクリーン処理が施された状態(スキュー補正前の状態)の画像データである。
ところで、筋状ディフェクトは、ラインタイプのスクリーンが描画された場所に対してスキュー補正のための画像シフトを施した場合に発生しやすく、他のタイプ(例えばドットタイプ)のスクリーンが描画された場所では発生しにくい。また、ラインタイプのスクリーンであっても、ラインの角度が画像のシフト方向に対して45度である場合に筋状ディフェクトが視認されやすく、ラインの角度が45度から離れるに従って筋状ディフェクトの認識性が低くなる(認識されにくくなる)ことが経験的にわかっている。したがって、上述した本実施形態の筋状ディフェクトを抑制する手法は、面積階調のためのスクリーンのパターンに応じて実施するか否かを判断する必要がある。
例えば、第1の手法の場合、ラインタイプ以外のスクリーン(ドットタイプのスクリーン等)では、筋状ディフェクトを抑制する処理(シフト位置の移動)を実施しない方が画質レベルが低下しない場合がある。
図14(a)〜(c)は、様々な角度のラインタイプのスクリーンの例を示す図である。スキュー補正のための画像のシフトは副走査方向に沿って行われるので、ここでは、画像のシフト方向に直行する主走査方向に対する角度でラインの角度を表現する。図14(a)はラインの角度が45.0度、図14(b)はラインの角度が69.4度、図14(c)はラインの角度が25.0度のスクリーン(いずれも40%相当の階調)である。これらのスクリーンにおいて、図14(a)に示す45.0度のラインのスクリーンが最もディフェクトのレベルが高く(認識されやすく)、図14(b)、(c)に示す他のスクリーンはディフェクトレベルが低い(認識されにくい)。
これに対し、次のように第1の手法を適用することで対応することができる。スキュー補正における画像シフトの位置に、図14(a)に示すような(すなわち45.0度あるいはそれに近い角度(例えば±数度)の)ディフェクトのレベルが高いラインタイプのスクリーンが描画されている場合には、複数回の走査における画素の副走査方向のシフト位置を大きくずらす(図5参照)。一方、スキュー補正における画像シフトの位置に、図14(b)、(c)に示すような(すなわち45.0度とは大きく異なる角度の)ディフェクトのレベルが低いラインタイプのスクリーンが描画されている場合には、複数回の走査における画素の副走査方向のシフト位置のずれを少なくする(図4参照)か、あるいはシフト位置をずらさない(第1の手法を適用しない)。
どのタイプのスクリーンに対して、複数回の走査でシフト位置をどれだけずらすかについては、任意に設定することができる。ただし、シフト位置のずれ量を大きく取ると、スムージングの効果は大きくなるが、ラインのエッジのシャープさといった他の画質要素を低下させる恐れがある。したがって、シフト位置のずれ量は、可能な限り小さくすべきである。また、画像形成装置のIOT(Image Output Terminal)の個体差やユーザの主観にも影響されることを考慮すれば、実際にスクリーンを描画して個別に設定するようにしても良い。なお、IOTでスクリーンを生成する場合、パターンのタイプやラインの角度といったスクリーン情報は、制御部31が把握可能である。
以上の説明はラインタイプのスクリーンを描画する場合について説明したが、他のタイプのスクリーン(例えばドットタイプのスクリーン)であっても、階調が高くなった場合にライン形状のパターンとなる場合には、筋状ディフェクトが発生する可能性があるので、本実施形態による抑制方法を適用することが有効である。
以上、詳述したように、本実施形態によれば、元画像に対してスキュー補正を行った場合に生じる筋状ディフェクトを抑制し、画質の向上に寄与することができる。
なお、本実施形態では、電子写真方式による画像形成装置を用いて説明したが、本実施形態における画質欠陥補正方法をインクジェット方式やサーマル方式による画像形成装置に適用することも可能である。例えば、インクジェット方式の場合、上述したマルチビームの走査に代わって、印字源であるノズルを複数、備えている場合に、この複数のノズルを一括走査して像担持体(用紙など)に印字する印字手段を対象とし、像担持体(用紙など)の移動方向である副走査方向に対して、画像シフト処理を施す。これによって、電子写真方式と同様な効果を得ることができる。また、本実施形態では、スキュー補正において生じる筋状ディフェクトの抑制について説明したが、同様の手法をボウによる位置ずれ等のように、画像を領域分割して各領域をシフトさせることで各色間の位置ずれを低減できる場合(例えば、ベルトの蛇行)ならば、本実施形態の手法を適用することにより画質の向上が期待できる。
さらに本実施形態では、カラープリンタやカラー複写機等の画像形成装置における色ずれを防止するために施すスキュー補正について説明したが、同様の手法を黒単色の白黒プリンタや複写機での単色出力画像の形状補正(用紙に対するスキュー補正)に適用できることは言うまでもない。
本実施形態が適用される画像形成装置を示した図である。 露光装置に用いられるレーザデバイスの一例を示した図である。 画像処理によるスキュー補正の様子を示す図である。 本実施形態における筋状ディフェクトを抑制する第1の手法を説明する図である。 本実施形態における筋状ディフェクトを抑制する第1の手法の他の実施例を説明する図である。 本実施形態における筋状ディフェクトを抑制する第2の手法を説明する図である。 本実施形態における筋状ディフェクトを抑制する第2の手法で生じる空画素および重複画素を説明する図である。 本実施形態における筋状ディフェクトを抑制する第2の手法の他の実施例を説明する図である。 本実施形態における筋状ディフェクトを抑制する第2の手法のさらに他の実施例を説明する図である。 画像を分割する境界線の形状とスクリーンのパターンにおける同期の例を示す図である。 本実施形態における筋状ディフェクトを抑制する第2の手法のさらに他の実施例を説明する図である。 本実施形態の制御部の機能構成を示す図である。 本実施形態の制御部による処理を説明するフローチャートである。 様々な角度のラインタイプのスクリーンの例を示す図である。 マルチビーム走査光学系を用いた画像形成装置におけるスキュー補正について、従来から行われている処理の例を示す図である。 図15と同様のマルチビーム走査光学系を用いた画像形成装置で多重露光を行った場合のスキュー補正の様子を示す図である。 スキュー補正を行ったことにより生じる筋状ディフェクトを模式的に表した図である。
符号の説明
10…画像形成部、11…感光体ドラム、13…露光装置、21…転写ベルト、31…制御部、32…色ずれセンサ、40…面発光レーザデバイス、41…レーザダイオード(LD)、51…画像データ生成部、52…スクリーン処理部、53…スキュー補正処理部、54…画像形成指示部、55…パターン格納部、56…スキュー検出処理部、57…補正値演算処理部

Claims (12)

  1. 画像データを入力する入力手段と、
    複数の印字源を有し、当該複数の印字源からの複数のビームを、当該複数のビームのうち一部が重複するように走査線数本分ずつずらしながら一括走査することで、1走査線あたり複数回走査して像担持体を印字する印字手段と、
    スクリーン処理が施された前記画像データを前記印字手段にて描画する際に、前記像担持体の移動方向である副走査方向へ段階的に画像をシフトさせる制御手段とを備え、
    前記制御手段は、画像のスキューずれを補正するように当該画像における基準となるシフト位置を特定し、1本の走査線に対する複数回の走査のうちの少なくとも一部において、当該基準となるシフト位置に対して1または数画素分ずらした位置で画像をシフトさせることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記制御手段は、n+奇数回目の走査では前記基準となるシフト位置に対して所定の方向に1または複数画素分ずらした位置で画像をシフトさせ、n回目およびn+偶数回目の走査では前記基準となるシフト位置またはn+奇数回目の走査とは反対方向に1または複数画素分ずらした位置で画像をシフトさせることを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  3. 前記制御手段は、前記基準となるシフト位置から何画素分ずらした位置で画像をシフトさせるかを、前記スクリーン処理により施されるスクリーンのパターンのラインの角度に応じて決定することを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  4. 画像データを入力する入力手段と、
    複数の印字源を有し、当該印字源または当該印字源からのビームを一括走査して像担持体を印字する印字手段と、
    スクリーン処理が施された前記画像データを前記像担持体の移動方向に直交する主走査方向に対して複数の部分に分割し、分割した複数の当該部分を前記像担持体の移動方向である副走査方向へ段階的にシフトして前記印字手段に描画させる制御手段とを備え、
    前記制御手段は、前記部分の境界線が前記副走査方向の直線以外の形状となるように前記画像データを分割することを特徴とする画像形成装置。
  5. 前記制御手段は、前記画像データの前記部分をシフトさせた場合に生じる空画素および重複画素のデータを、当該空画素または重複画素の周囲の画素の情報に基づいて補正することを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  6. 前記制御手段は、前記印字手段により描画されるパターンと同期しない境界線形状で前記画像データを分割することを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  7. 前記制御手段は、前記印字手段により描画される画像のエッジ部の一部に沿う形状の境界線で前記画像データを分割することを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  8. 前記印字手段の前記複数の印字源は、複数のレーザビーム光源であり、当該印字手段は、当該複数のレーザビーム光源からの複数本のレーザビームを回転多面鏡により一括走査するマルチビームを用いた露光手段であることを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  9. 複数の印字源を有し、当該複数の印字源からの複数のビームを、当該複数のビームのうち一部が重複するように走査線数本分ずつずらしながら一括走査することで、1走査線あたり複数回走査して像担持体を印字する画像形成装置の制御方法であって、
    入力される画像データに対してスクリーン処理を施すステップと、
    画像のスキューずれを補正するように当該画像における基準となるシフト位置を特定し、1本の走査線に対する複数回の走査のうちの少なくとも一部において、前記基準となるシフト位置に対して1または数画素分ずらした位置で画像をシフトさせるように補正値を求めるステップと、
    得られた前記補正値に基づき、スクリーン処理の施された前記画像データを、前記像担持体の移動方向である副走査方向へ段階的にシフトさせてスキュー補正を施すステップと
    を含むことを特徴とする画像形成装置の制御方法。
  10. 前記基準となるシフト位置から何画素分ずらした位置で画像をシフトさせるかを、前記スクリーン処理により施されるスクリーンのパターンのラインの角度に応じて決定することを特徴とする請求項に記載の画像形成装置の制御方法。
  11. 複数の印字源を有し、当該印字源または当該印字源からのビームを一括走査して像担持体を印字する画像形成装置の制御方法であって、
    入力される画像データに対してスクリーン処理を施すステップと、
    前記画像データを前記像担持体の移動方向に直交する主走査方向に対して、かつ境界線が前記像担持体の移動方向である副走査方向の直線以外の形状となるようにして複数の部分に分割するステップと、
    分割した複数の前記部分を前記副走査方向へ段階的に画像をシフトさせてスキュー補正を施すステップと
    を含むことを特徴とする画像形成装置の制御方法。
  12. 前記画像データの前記部分をシフトさせた場合に生じる空画素および重複画素のデータを、当該空画素または重複画素の周囲の画素の情報に基づいて補正するステップをさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置の制御方法。
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