JP4571904B2 - コンクリートブロックによる耐震補強工法 - Google Patents

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本発明は、既存の建物に対する耐震補強として、コンクリートブロックによる耐震補強工法に関するものである。
従来、既存建物を耐震補強する工法としては、例えば、図16に示すように、鉄筋12を組んでこれをアンカー筋10やスパイラル筋11で柱4や梁5に固定してコンクリートを打設して補強する工法や、柱梁及び床に囲まれた面内に接着材で一体化しながらブロックを積んで壁を構築する工法が知られている(特許文献1参照)。また、鉄製の短い角筒体からなる多数のブロックを積み重ねて耐力壁を構築し、施工容易性を高めて重量増加が少ない補強方法知られている(特許文献2参照)。
特開平10−292639号公報 特開平11−071907号公報
しかし、従来のコンクリートブロックまたは鉄製ブロックの組積みによる耐震補強工法では、例えば、接着材によるブロックの組積みでは、接着材の施工による接着強度のバラツキや、接着材の取り扱いに熟練を要する。また、全てのブロックを接着するためコスト高となる。
一方、鉄製ブロックでは、角ブロックの接合にボルト及びナットを使用するので、その分手間が掛かる。更に、特定箇所のブロックにはその内部空間にモルタル・コンクリートなどの充填材を充填するので、手間と費用とが嵩むとともに、ブロック組積みにより不透明な壁ができて、室間の見通しが悪く通風や採光に劣ることになるとともに、細かく仕切られることで居住者や使用者にとって室内が狭く感じられ閉塞感を感じてしまう。
本発明に係るコンクリートブロックによる耐震補強工法は、このような課題を解決するために提案されたものである。
本発明に係る繊維補強コンクリートブロックによる耐震補強工法の上記課題を解決して目的を達成するための要旨は、矩形状の躯体と、該躯体の内部空間で対角線状に設けられた所望厚さの斜材と、前記躯体の四隅の円弧状の角部とからなる所望幅のコンクリートブロックと、梁若しくは柱から突出するコッターを差し入れると共にグラウト用の凹部が設けられる梁・柱用の接合ブロックと、柱若しくは床に敷設するものでグラウト注入用及びコッター差込用に上下に貫通する貫通孔を有した柱・床用接合ブロックとで、上下左右のいずれかに隣接するコンクリートブロックによる隅部の円形空間部若しくは半円形空間部に円柱状の接合ピンを介在させて組積みすることである。
また、前記コンクリートブロックは、地震力の伝達に対応させるべくV字型,ダブルX型,逆V字型のいずれか一つに配置されると共に、他の空所には矩形状の躯体と斜材のない枠体のみの簡易ユニットブロックを配置することを含むものである。
本発明の繊維補強コンクリートブロックによる耐震補強工法によれば、矩形状の躯体と、該躯体の内部空間で対角線状に設けられた所望厚さの斜材と、前記躯体の四隅の円弧状の角部とからなる所望幅のコンクリートブロックを組積みするだけなので、工期が短縮されるとともに、大がかりな工事用スペースを必要とせず、既存の建物を通常通りに使用しながら、作業時間などの制約もなく耐震補強工事ができる。
こうして、従来工法のような、コンクリートブロックへの型枠の取付けやその解体、モルタル等のポンプ車による充填作業など、大がかりな作業は本発明に工法では不要となって、騒音や振動及び塵埃の発生がない。よって、騒音や振動及び塵埃などを特に嫌う病院や医療施設、デパート、オフィスビル等において、安心して耐震補強工事ができる。
既存躯体がSRC(鉄骨鉄筋コンクリート構造)で鉄筋アンカーを打設できない場合でも、本補強工法ではコンクリートブロックを組積みするだけなので可能である。
更に、コンクリートブロックは、内部空間部が斜材部分を除いて貫通孔となっているので、通風及び採光が可能であり、意匠性にも優れている。
柱又は梁と、組積みされるコンクリートブロックとの間には、前記柱又は梁から突出するコッターを差し入れる凹部が設けられた接合ブロックが配設されるので、既存建物との一体化が容易となる。
前記コンクリートブロックは、高強度繊維補強コンクリートブロックなので、強度の点においても十分な補強効果が得られる。
本発明に係るコンクリートブロックによる耐震補強工法は、まず、コンクリートブロック(ユニットブロックと称する)1を用意する。このコンクリートブロック1は、図1(A),(B)に示すように、矩形状の躯体1aと、該躯体1aの内部空間で対角線状に設けられた所望厚さの斜材1bと、図1(C)に示すように、前記躯体1aの四隅の円弧状の角部1cとからなる。
前記ユニットブロック1の大きさは、例えば、縦・横が400×400mm、幅が160mmである。斜材1bの板厚が30mmで、躯体の枠材1aが20mmである。また、このコンクリートブロック1は、高強度繊維補強コンクリートブロックである。
次に、図2(A),(B)に示すように、柱又は梁と、組積みされるユニットブロック1との間に配設されるもので、前記柱又は梁から突出するコッターを差し入れる凹部が設けられた接合ブロック2を用意する。この接合ブロック2は、例えば、柱用若しくは床に敷設するものである場合には、同図2(A)に示すように、グラウト注入用で上下に貫通する貫通孔2cを有した接合ブロック2aであり、梁若しくは柱用には、同図2(B)に示すように、グラウト用の凹部2dを有した梁用接合ブロック2bである。また、この接合ブロック2の高さhは、既存躯体の高さやグラウト代を考慮して、例えば、120,180,240,300(mm)などの複数のパターンを用意する。
また、前記ユニットブロック1の幅は、前記ユニットブロック1と同じで160mmである。更に、この接合ブロック2も高強度繊維補強コンクリートブロックである。角部2bは、前記角部1cと同様である。
図3乃至図4に示すように、前記ユニットブロック1を組積みした際には、その上下左右のいずれかに隣接する前記ユニットブロック1による隅部の円形空間部若しくは半円形空間部に、中実で円柱状の接合ピン3が介在される。この接合ピン3は、金属製若しくは高強度繊維補強コンクリートブロックであり、長さは前記ユニットブロック1の幅に合わせて160mmであり、その直径は、前記角部1cで形成される円形空間にちょうど収まる寸法である。また、この接合ピン3は、接着材で前記ユニットブロック1に接合される。
前記接合ブロック2a,2bの固定のために、図3に示すように、柱4,梁5,床7から空間部に突出させた鋼管コッター6がある。これによって、ユニットブロック1,接合ブロック2と、既存躯体(柱4・梁5,床7)との接合を行う。
上記ユニットブロック1,接合ブロック2によって、本発明に係る耐震補強工法について説明する。まず、図4に示すように、既存躯体の柱4と梁5及び床7にそれぞれ必要な鋼管コッター6を設置する。
次に、図5乃至図6に示すように、床7の上に、レベル調節用の敷モルタル13を敷設して、その上に接合ブロック2aを接着材により接着しながら水平方向に設置する。そして、図7に示すように、前記接合ブロック2aの貫通孔2cからグラウトモルタル14を注入する。なお、前記接合ブロック2a,2bと、ユニットブロック1との組積みにおいて、コンクリートブロック同士の接合には、接着材による場合もあるし、接着材を使用しない場合もある。
その後、図8に示すように、左端からスペーサ15に沿わせて、調整ブロックとして前記接合ブロック2bを載置し、それを接着材で固定しながら、前記床7に敷設した接合ブロック2aの上に、図中の施工方向に沿ってユニットブロック1を組積みする。角部1cには接合ピン3が接着材で隣接するユニットブロック1と接合される。
次に、ユニットブロック1の施工が右端にきた場合には、鋼管コッター6に、調整ブロックとしての接合ブロック2aを先にはめ込む。そして、右端のユニットブロック1を挿入後に、前記接合ブロック2aを左方向に移動させて押さえつける。これを繰り返して、図9に示すように、最上段の1つ手前まで遂行する。
図9に示すように、最上段では、左側において、梁5の鋼管コッター6に調整ブロックとしての接合ブロック2bを先行して配設し、ユニットブロック1を挿入し、その後に、前記接合ブロック2bを落とし込む。これらを接着材で固定する。前記接合ブロック2bの先行配設とユニットブロック1との配設を、施工方向に沿って繰り返していく。
図10に示すように、ユニットブロック1の施工が右端にきた場合には、柱4の鋼管コッター6に接合ブロック2aを先行させ、次に、梁5の鋼管コッター6に接合ブロック2bを配設して、ユニットブロック1を挿入する。そして、前記接合ブロック2aを左方向に押しつけ、前記接合ブロック2bを落とし込む。
次に、図11に示すように、左右両端部に、上下方向に側面型枠16を設ける。そして、調整代と接合ブロック2a,2bの凹部や貫通孔に、グラウトモルタル14を下から最上段まで圧入する。
更に、図12に示すように、梁下型枠17を設けて、この中に、グラウトモルタル14を圧入する。これにより、上段の左右角部の空間と、調整代と、接合ブロック2bの凹部2dとにそれぞれグラウトモルタル14が充填されるものである。
このようなユニットブロック1と接合ブロック2a,2bと、接合ピン3とにより、既存建物を耐震補強することで、図13に示すように、補強強度が十分であるとともに、通風が良く、採光にも優れた補強工法となる。
この補強工事においては、ユニットブロック1を組積みした後、簡易な設備で高強度グラウトを流し込むだけなので、狭い作業スペースでの施工が可能となる。よって、補強工事のために機器・家財の移動や養生を最小限に抑えることができる。また、既存建物を使用しながら補強工事が容易にできるので、作業時間の制約が少なくなり、工期も従来工法鉄筋コンクリート耐震壁の場合に比べて約2/3程度に短縮され、安全性も向上する。
前記ユニットブロック1の強度は、図14に示すように、例えば、K型ブレースの強度曲線aに対して、枠体の大きさが400mmで、斜材板厚40mm,枠体板厚20mmの場合が強度曲線b、斜材板厚60mm,枠体板厚30mmの場合が強度曲線cである。かかる強度で、例えば、変形角1/250で見ると、K型ブレースと同等かそれ以上の耐力を前記ユニットブロック1が有しているのが判る。
また、コンクリートブロックの積み方においては、図15に示すように、基本的なタイプとしては、図15(A)に示すように、前記ユニットブロック1を縦・横に積むものであるが、これに限らす、同図15(B)に示すように、地震時の力の伝達を考慮して無駄を省くために、ユニットブロック1をV字型に配置するもの、同図15(C)に示すように、ダブルX型にするもの、同図15(D)に示すように、逆V字型にする組積みの場合も提案される。そして、他の空所には、斜材のない枠体のみの簡易ユニットブロック8にするものである。このようにすることで、コンクリートブロックの製造費としてのコストが低減されるとともに、十分な耐震性も確保されるものである。
本発明におけるコンクリートブロック(ユニットブロック)1の正面図、側面図(B)、一部拡大図(C)である。 同本発明における接合ブロック2の正面図である。 本発明に係るユニットブロック1による補強工法の説明図である。 同本発明に係るユニットブロック1による補強工法を説明する説明図である。 同本発明に係るユニットブロック1による補強工法を説明する説明図である。 同本発明に係るユニットブロック1による補強工法を説明する説明図である。 同本発明に係るユニットブロック1による補強工法を説明する説明図である。 同本発明に係るユニットブロック1による補強工法を説明する説明図である。 同本発明に係るユニットブロック1による補強工法を説明する説明図である。 同本発明に係るユニットブロック1による補強工法を説明する説明図である。 同本発明に係るユニットブロック1による補強工法を説明する説明図である。 同本発明に係るユニットブロック1による補強工法を説明する説明図である。 同本発明に係るコンクリートブロックによる補強工法の説明図である。 ユニットブロック1の強度を示す荷重と変形の比較用曲線図である ユニットブロック1の組積みを示す説明図(A)と、他の実施例を示す説明図(B),(C),(D)である。 従来例に係る耐震補強工法であって、鉄筋12で壁を構築する一例を示す説明図である。
符号の説明
1 コンクリートブロック(ユニットブロック)、
1a 枠体、
1b 斜材、
1c 角部、
2 接合ブロック、
2a 床用の接合ブロック、
2b 梁用の接合ブロック、
2c 貫通孔、
2d 凹部、
3 接合ピン、
4 柱、
5 梁、
6 鋼管コッター、
7 床、
8 簡易ユニットブロック、
10 アンカー筋、
11 スパイラル筋、
12 鉄筋、
13 敷モルタル、
14 グラウトモルタル、
15 スペーサ、
16 側面型枠、
17 梁下型枠。

Claims (2)

  1. 矩形状の躯体と、該躯体の内部空間で対角線状に設けられた所望厚さの斜材と、前記躯体の四隅の円弧状の角部とからなる所望幅のコンクリートブロックと、
    梁若しくは柱から突出するコッターを差し入れると共にグラウト用の凹部が設けられる梁・柱用の接合ブロックと、
    柱若しくは床に敷設するものでグラウト注入用及びコッター差込用に上下に貫通する貫通孔を有した柱・床用接合ブロックとで、
    上下左右のいずれかに隣接するコンクリートブロックによる隅部の円形空間部若しくは半円形空間部に円柱状の接合ピンを介在させて組積みすること、
    を特徴とするコンクリートブロックによる耐震補強工法。
  2. コンクリートブロックは、地震力の伝達に対応させるべくV字型,ダブルX型,逆V字型のいずれか一つに配置されると共に、他の空所には矩形状の躯体と斜材のない枠体のみの簡易ユニットブロックを配置すること、
    を特徴とする請求項1に記載のコンクリートブロックによる耐震補強工法。
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