JP4583246B2 - 冷菓 - Google Patents

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Description

本発明は、特定の澱粉分解物を特定の割合で含有する冷菓に関する。また、特定の澱粉分解物を特定の割合で含有し、なおかつ、ぶどう糖、果糖を特定の割合で含有する冷菓に関する。
冷菓中の水以外の全固形分には、脂肪分、無脂乳固形分、糖質、卵黄、乳化剤、安定剤、果汁等が含まれる。冷菓において全固形分の含量は、構成する成分の性質とは別に、冷菓の組織、風味、口融け、保存性等に大きく影響する。すなわち全固形分を増加させると冷菓の組織は滑らかで緻密になり、逆に低下させると口当たりが冷たくシャリシャリとした軽い組織となる。
従来、全固形分を増加させるには、水あめ、粉あめと称するDE20〜50の澱粉分解物が広く用いられてきた。他の原料に比べて比較的安価であり、他の糖質に比べで甘味度が低く水溶性で扱い易いためである。しかしながら、水あめ、粉あめは他の糖質に比べ甘味度は低いが、甘味の質において、食後の甘味の持続時間が長く、消滅まで時間がかかる傾向がある。口内で冷菓が融解され飲み込まれた後も、口内にて甘味が持続するという現象である。よって、冷菓の美味しさの一つの要素である清涼感が損なわれる問題、端的に言えば食した後に飲み物が欲しくなるという問題があった。
また、冷菓の全固形分を増加させる糖質として、水あめと併用してぶどう糖も用いられている。砂糖より甘味度が低く比較的安価なためである。ぶどう糖と果糖の混合物である異性化糖も頻繁に用いられているが、これは砂糖と同等の甘味度のため、固形分増量剤というよりは、砂糖の代わりに用いることで冷菓製品のコストダウン、甘味質の調整目的の要素が大きい。また、これら、ぶどう糖、果糖等の単糖類は、爽やかな甘味質を持ち清涼感を求める冷菓には適当であるが、分子量が低く冷菓の凍結温度を下げるため、多量に配合すれば、冷菓の保存中に氷結晶の粗大化、べたつき、収縮等の組織劣化の原因となる。よって配合に限界があり、冷菓中の単糖類の比率は3〜5%に抑えられている場合が多い(非特許文献1)。
澱粉分解物を冷菓に用いる発明として、DE36未満の澱粉分解物を6重量%以上含む冷菓(特許文献1)がある。DEを36未満と比較的低くすることで、冷菓の凍結点降下を抑えヒートショック耐性を向上させ、またDEを下げることで粘度を付与し、冷菓に適度なクリーミー感を与えている。しかしながら、甘味の質および、単糖類との併用については検討されていない。また、乳脂肪を約1重量%以上含有するアイスクリーム類の製造に際し、30重量%水溶液の粘度が約8〜35cpで且つ6糖類までの糖類含量が約30重量%以下である澱粉分解物をアイスクリーム類中に約15重量%を越えない割合で添加することを特徴とするアイスクリーム類の製造方法(特許文献2)が開示されている。しかしながら、この発明の目的とするところは、比較的乳脂肪が少ないか非常に少ないアイスミルクやラクトアイス等に対しては乳脂肪に由来するコク味や風味を増強し、比較的乳脂肪の多いアイスクリームに対しては高級感のあるコク味や風味を付与することであり、甘味の質および単糖類との併用については検討されていない。
このように、従来、水あめ、粉あめ等の澱粉分解物を、冷菓に用いた場合のヒートショック耐性や、クリーミーさやコク味、風味については検討がなされてきたが、甘味の質や、多量の単糖類の併用については検討されていない。これは冷菓の歴史の初期段階で、工業的に大量生産され調達が容易となった水あめ、粉あめを、固形分増量剤的に用いる方法が確立され普及したため、消費者は、砂糖と、水あめもしくは粉あめの組合せが呈する甘味質を、冷菓の当然の甘味質として受け入れてきたためである。しかしながら、近年の嗜好の多様化により、新しい甘味質の冷菓が望まれるようになってきた。
特表平6−506825 特開平7−50994 「アイスクリームの製造」(監修 湯山荘平、発行所 光琳)第32ページ 平成8年4月30日発行
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、水あめ、粉あめ等の澱粉分解物に由来する冷菓の持続する甘味質を、キレの良いすっきりとした甘味質に改善し、なお且つ従来は配合量に制限があったぶどう糖、果糖等の単糖類を5〜10質量%と比較的多量に配合可能な冷菓を提供することにある。
本発明者らは、上記従来技術の問題点に鑑み、検討を行った結果、一般に冷菓に用いられる水あめ、粉あめの代わりに、特定の澱粉分解物、具体的には、数平均分子量が800〜3,000であり、分子量100,000を超える成分の割合が2質量%以下で、分子量10,000〜100,000の成分の分子量1,000〜10,000の成分に対する比で示される分子量特性値が0.1〜0.6である澱粉分解物を用いることで、水あめ、粉あめ由来の持続する甘味質がキレの良いすっきりとした甘味質に改善され、さらに冷菓に爽やかな甘味質を与えるぶどう糖、果糖等の単糖類を比較的多量に配合しても、保存中の氷結晶の粗大化、べたつき、収縮等の組織劣化が抑えられることを見出した。
すなわち、本発明は、数平均分子量が800〜3,000であり、分子量100,000を超える成分の割合が2質量%以下で、分子量10,000〜100,000の成分の分子量1,000〜10,000の成分に対する比で示される分子量特性値が0.1〜0.6である澱粉分解物を、2〜8質量%の割合で含有する冷菓である。
また、本発明の好ましい実施態様は、単糖類を5〜10質量%の割合で含有する前記冷菓である。
本発明の冷菓は特定の澱粉分解物を含有しているため、水あめ、粉あめ等の澱粉分解物に由来する持続する甘味質が少なく、キレの良いすっきりとした甘味質を有する。また、従来は配合量に制限があったぶどう糖、果糖等の単糖類を5〜10質量%と比較的多量に配合することができる。
本発明でいう冷菓とは、食品衛生法に基づく「乳等省令」で定めるアイスクリーム類(アイスクリーム、アイスミルク又はラクトアイス)、公正競争規約で定められているところの氷菓、又はフローズンヨーグルトのことをいう。
また、本発明で述べる特定の澱粉分解物とは、澱粉を酸または酵素によりあるいはその両者により加水分解し、中和または酵素失活によって加水分解を止めた後、精製、濃縮、必要に応じて乾燥し、最終的に数平均分子量が800〜3,000であり、分子量100,000を超える成分の割合が2質量%以下であり、分子量10,000〜100,000の成分の分子量1,000〜10,000の成分に対する比で示される分子量特性値が0.1〜0.6である澱粉分解物を示す。
このような澱粉分解物は、例えば、以下に示す方法により製造することができる。
原料澱粉としては、澱粉含量が、80質量%以上、好ましくは85質量%以上であり、たんぱく質含量が、0.2質量%以下、好ましくは0.15質量%以下、及び脂質含量が、0.2質量%以下、好ましくは0.18質量%以下のものが好ましい、特に原料澱粉の種類の制限はない。好ましい原料澱粉としては、非穀物澱粉、例えばタピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉を例示することができる。特にタピオカ澱粉が好適に用いられる。また、このような組成になるように、前処理として脱たんぱく、脱脂操作を行ってもよい。コーンスターチや小麦澱粉のように原料澱粉のたんぱく質、脂質が0.2質量%よりも多いと、澱粉分解物の精製時の効率に影響を及ぼす。
これらの原料澱粉は澱粉含量、たんぱく質含量及び脂質含量が上記範囲内となるものであれば混合して使用しても良い。
次に、この原料澱粉に酸、好ましくは鉱酸、例えば、塩酸、硝酸、あるいは有機酸、例えば、シュウ酸等の酸を添加して加熱処理を行い、本発明に使用する白色デキストリンを製造する。例えば、原料澱粉100質量部に対して、1質量%の塩酸水溶液として3〜10質量部添加する。この時、水溶液を均一に混合するために、適当なミキサー中で攪拌、熟成させてから、好ましくは100〜120℃程度で予備乾燥して混合物中の水分を5〜8質量%、好ましくは6〜7質量%に減少させた後、120〜180℃未満、好ましくは130〜150℃で10分〜120分、好ましくは20分〜60分間加熱処理する。予備乾燥後の水分を通常の1〜5質量%よりも高めに設定することにより、原料澱粉の加水分解が促進されて低分子断片が多くなり、また、加熱温度を通常の95〜120℃よりも高めに設定することにより、加水分解で生成した低分子断片の再重合が促進されて分岐成分の含量が増加し、DE値も低下する。また、加熱時間が通常よりも短いので、白度の低下も最小限にとどめることができる。水分が8質量%を超えると昇温に要する時間がかかり、加水分解断片の再重合化が抑制される。逆に、水分5質量%未満では加水分解が抑制される。加熱時間を10分未満にするか、加熱温度が120℃未満では、デキストリンの分岐成分及び冷水可溶部の含量が低下し、澱粉分解物の老化安定性及び低粘度を実現することが困難となる。また、加熱時間が120分を超えるか、加熱温度が180℃以上では、デキストリンの白度が低下し、澱粉分解物の脱色が困難となる。
このようにして得られる白色デキストリンは、白度が80以上、DEが3〜6、分岐成分が30質量%〜45質量%、冷水可溶部が90質量%超、好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは100質量%、及びたんぱく質含量が0.1質量%以下である。
白度が80より低いと、澱粉分解物の精製工程で脱色に多大の労力を要し、また、着色度が高く焙焼臭を有する風味となるために好ましくない。冷水可溶部が90質量%以下であると、得られる澱粉分解物が老化による白濁を生じ易く、粘性が高く糊っぽい食感となるために好ましくない。また、DEが3〜6、及び分岐成分が30質量%〜45質量%の範囲を外れると、得られる澱粉分解物が老化による白濁を生じ易く、粘性が高く糊っぽい食感となるか、反対に、老化による白濁を起こさず粘性は低いが、着色度が高く焙焼臭を有する食感となるために好ましくない。さらに、たんぱく質含量が0.1質量%を超えると澱粉分解物の脱色が困難となる。
次いで上記本発明の白色デキストリンを水に溶解して20〜50質量%の濃度に調整して、炭酸カルシウムなどの中和剤を用いて、pHを5.5〜6.5、好ましくは6.0に調整し、120℃まで昇温して白色デキストリンを完全に溶解させる。95℃以下に冷却後、pHを5.5〜6.5、好ましくは6.0に再度調整し、適量のα−アミラーゼ、例えば、0.05〜0.2質量%の液化型α−アミラーゼを添加して、α−アミラーゼの作用温度である80〜95℃で30分〜60分間程度加水分解を行いDE6〜8とした後、温度を120℃まで上げるか、シュウ酸などの酸を用いてpHを3.5以下に調整してα−アミラーゼの酵素作用を終了させる。なお、白色デキストリンを完全溶解させるための前記昇温工程は省略することもできるが、この場合の酵素作用の終了は120℃までの昇温による方法に限定される。
この液化型α−アミラーゼとしては市販品がいずれも使用できるが、例えばクライスターゼKD(大和化成(株)社製)やターマミル120L(ノボザイムズジャパン社製)などがある。酵素の失活に酸を用いた場合は、炭酸カルシウムなどの中和剤でpHを5〜7に調整する。
以後は、精製工程として活性炭脱色、ろ過、イオン交換樹脂による脱塩、脱色を行うが、低DE画分を得るための分画操作は不要であり、作業効率は通常の原料澱粉から澱粉分解物を製造する場合とほとんど変わらない。その後、50質量%程度の濃度まで濃縮して噴霧乾燥などにより粉末品とするか、仕上げ濃縮として濃度を60〜70質量%に調整して液状品とする。
このようにして得られた澱粉分解物は、粘度200mPa・s以下、分子量100,000を超える成分の割合が2質量%以下で、分子量10,000〜100,000成分の1,000〜10,000成分に対する比が0.4〜0.6で、DE6〜8、数平均分子量1800〜2800、及び4糖類以上の含量が90質量%以上であり、低甘味、低粘度で老化による白濁を生じないといった特性を有している。
このような澱粉分解物の市販品としては、TK−16及びBD−1(いずれも松谷化学工業(株)製)を例示することができる。
本発明において、数平均分子量および分子量分布はゲルろ過クロマトグラフィーにより測定することができ、例えば分析装置として東ソー株式会社製のマルチステーションGPC−8020を用い、以下の条件により測定する。
カラム:TSKgelG2500PWXL、G3000PWXL、G6000PWXL(東ソー(株)製)、カラム温度:80℃、移動相:蒸留水、流速:0.5ml/min、検出器:示差屈折率計、サンプル注入量:1質量%溶液100μl、検量線:プルラン標準品(分子量788,800〜5,900の間の8種類)、及びマルトトリオース(分子量504)、グルコース(分子量180)
数平均分子量は次式により計算する。
数平均分子量(Mn)=ΣHi/Σ(Hi/Mi)
(Hi:ピーク高さ、Mi:分子量)
分子量分布は、積分分子量分布曲線から求めるべき分子量の積分分布値(%)を読み取ることにより、また、分子量特性値は、一方の分子量分布値と他方の分子量分布値の比を計算することにより、それぞれ求める。本発明で使用する分子量特性値は、分子量10,000から100,000の成分の、分子量1,000〜10,000の成分に対する比であり、分子量1,000〜10,000の成分の分散の指標となる。好ましい特性値は0.1〜0.6である。
本発明において、甘味質の改善や、単糖類の比較的多量な配合を可能にする目的で用いられる特定の澱粉分解物は、数平均分子量が800〜3,000であり、分子量100,000を超える成分の割合が2質量%以下で、分子量10,000〜100,000の成分の分子量1,000〜10,000の成分に対する比で示される分子量特性値が0.1〜0.6であることが重要である。単糖類を多量に配合すると、冷菓中の糖質全体の数平均分子量が低くなってしまい、これが冷菓の保存性を低下させることから、単糖類を多量に配合するには、水あめ、粉あめの代わりに用いる澱粉分解物の数平均分子量は出来るだけ大きくすることが必要である。しかしながら極端に大きくすると冷菓に糊感が出現してしまい食感を損なうため、分子量100,000を超える成分の割合を2質量%以下に抑え、なお且つ数平均分子量の上限を3000とした。さらに、水あめ、粉あめのような比較的数平均分子量が低い澱粉分解物に特有の、持続する甘味質を抑えるためには、数平均分子量の下限を800とし、さらに分子量100,000を超える成分の割合が2質量%以下で、分子量10,000〜100,000の成分の、分子量1,000〜10,000の成分に対する比で示される分子量特性値が0.1〜0.6であることが重要であることが判った。
本発明は、上記特定の澱粉分解物を用いることを除いて、他は一般的な冷菓の製造と同様にして実施できる。詳しくは、従来の製造工程に従って、例えば、水に牛乳、生クリーム、バター、脱脂粉乳といった乳製品、必要に応じて添加される植物性脂肪、乳化剤、安定剤、糖質として砂糖、上記特定の澱粉分解物、必要に応じて、ぶどう糖、果糖、もしくはそれらの混合物である異性化糖とを混合させ、加熱溶解後、ホモジナイザー(均質機)にかけてアイスクリームミックスを調製し、エージング後、バニラ等のフレーバーを添加し、フリージング、硬化工程を経て所望の冷菓を製造できる。
尚、糖質としては上記特定の澱粉分解物を含む以外に、砂糖、ぶどう糖、果糖、異性化糖、水あめ、粉あめ等、冷菓に一般に用いられているものを併用することが出来る。前述の通り、冷菓の組織に必要とされる全固形分、適度な甘味度、調達、扱い易さといった点から、冷菓に用いる糖質としては、砂糖、水あめもしくは粉あめ、及び少量のぶどう糖もしくは異性化糖等の単糖類から選択される2者もしくは3者の組合せが広く用いられているが、本発明は、この3者の組合せ中の、水あめもしくは粉あめの全量もしくは一部を、上記特定の澱粉分解物で代替することで、水あめ、粉あめに特有の持続する甘味の質を抑えることが可能である。また、上記特定の澱粉分解物の配合量が増えることで、砂糖を部分的にぶどう糖、果糖、異性化糖等の単糖に置換えることが可能になる。
上記において添加利用される特定の澱粉分解物の添加量は、目的とする冷菓の甘味度、甘味の質が多種多様であるため一概にはいえないが、一般的には特定の澱粉分解物を冷菓の構成成分中2〜8質量%、より好ましくは3〜6質量%の範囲であるのが適当である。これが2質量%より少なければ、本発明の効果は乏しくなり、8質量%を超えると、冷菓に含まれる分子量100,000を超える澱粉分解物の成分も増え、冷菓に糊感が出現して食感を損なうためである。また、一般的に冷菓への単糖類の配合比率の上限は保存性の低下を考慮し、5質量%程度の場合が多く、上記特定の澱粉分解物を用いることで配合量を増やすことが可能となるが、それでも10質量%以下が望ましい。10質量%を超えると、上記特定の澱粉分解物を多量に用いても、冷菓中の糖質の数平均分子量が著しく低下し、保存性の低化が避けられなくなってしまうためである。
以下に本発明の詳細を参考例及び実施例をあげて示す。本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
表1の処方の通り、糖質試料と他の原料を秤量し、混合、85℃で加熱溶解後、「TKミキサー」(8000rpm、5分間)で前乳化、高圧ホモジナイザー(150kgf/cm2、1 pass)で均質化し、5℃で12時間エージングしたミックスにバニラフレーバーを添加し、アイスクリームフリーザーに投入してフリージングし、紙製のカップに充填、−30℃の急速冷凍庫中に1時間静置して硬化後、−18℃の冷凍庫に保存し、無脂乳固形分7.6%、植物性脂肪分7.0%、全固形分33.7%のラクトアイスを調製し、比較例1〜4と実施例1〜2の製品試料を得た。処方中の糖質試料の詳細は、表2の通り調製した。




Figure 0004583246
*1:固形分換算
Figure 0004583246
*1:固形分換算、質量%
*2:数平均分子量が500、分子量100,000を超える成分の割合が0.0質量%、分子量10,000〜100,000成分の1,000〜10,000成分に対する比で示される分子量特性値が0.11である、松谷化学工業(株)製パインデックス#6。
*3:数平均分子量が680、分子量100,000を超える成分の割合が0.3質量%、分子量10,000〜100,000成分の1,000〜10,000成分に対する比で示される分子量特性値が0.08である、松谷化学工業(株)製パインデックス#3。
*4:数平均分子量が910、分子量100,000を超える成分の割合が0.0質量%、分子量10,000〜100,000成分の1,000〜10,000成分に対する比で示される分子量特性値が0.12である、松谷化学工業(株)製TK−16。
*5:数平均分子量が1700、分子量100,000を超える成分の割合が3.2質量%、分子量10,000〜100,000成分の1,000〜10,000成分に対する比で示される分子量特性値が0.70である、松谷化学工業(株)製マックス2000。
*6:数平均分子量が2300、分子量100,000を超える成分の割合が1.9質量%、分子量10,000〜100,000成分の1,000〜10,000成分に対する比で示される分子量特性値が0.55である、松谷化学工業(株)製BD−1。
*7:数平均分子量が8500、分子量100,000を超える成分の割合が41.5質量%、分子量10,000〜100,000成分の1,000〜10,000成分に対する比で示される分子量特性値が2.37である、松谷化学工業(株)製パインデックス#100。
得られた比較例1〜4と実施例1〜2の製品試料につき官能試験を行った。その結果を表3に示す。
Figure 0004583246
甘味の質
◎ すっきりきれる
○ ややきれる
× だらだらと持続する
糊感
◎ 無い
○ 冷菓としての食感を損なわない程度に感じる
× 糊っぽい
表3より、本発明の方法に従って得られたラクトアイス試料(実施例1〜2)は、いずれも比較例1〜4より、甘味が持続せず、すっきりきれる甘味の質を呈することが判る。また、実施例1〜2は特定の澱粉分解物を用いることで、糊感が増すものの、冷菓としての食感を損なわない程度であることが判る。
実施例2
実施例1のラクトアイス処方および製法に準じて、無脂乳固形分7.6質量%、植物性脂肪分7.0質量%、全固形分33.7質量%のラクトアイスを調製した。ただし、糖質試料*1は表4のとおり、砂糖と、実施例1で用いた水あめもしくは特定の澱粉分解物Bと、異性化糖(果糖:42質量%、ぶどう糖:58質量%)を組み合わせて用い、比較例5〜7と実施例3〜4を得た。
Figure 0004583246
*1:固形分換算、質量%
*2:数平均分子量が500、分子量100,000を超える成分の割合が0.0質量%、分子量10,000〜100,000成分の1,000〜10,000成分に対する比で示される分子量特性値が0.11である、松谷化学工業(株)製パインデックス#6。
*3:数平均分子量が2300、分子量100,000を超える成分の割合が1.9質量%、分子量10,000〜100,000成分の1,000〜10,000成分に対する比で示される分子量特性値が0.55である、松谷化学工業(株)製BD−1。
得られた比較例5〜7と実施例3〜4の製品試料について、保存性試験を行った。保存性試験は、通常は−18℃で、8時間毎に自動的に+2℃まで上昇する自動霜取り機能がある冷凍庫に保管し、調製から35日目の製品試料について、試食により、氷結晶の大きさと、表面のべたつきの状態を確認し、目視により収縮の状態を確認した(物性評価)。同時に甘味の質を官能評価した。なお、物性評価は実施例1で調製した比較例1(異性化糖を用いていないもの)を基準とした。試験結果を表5に示す。
Figure 0004583246
氷結晶の大きさ
◎:ざらつかない
○:微妙にざらつく
×:かなりざらつく
表面のべたつき
◎:べたつかない
○:微妙にべたつく
×:かなりべたつく
収縮
◎:見られない
○:わずかに見られる
×:大きく縮んでいる
表5より、本発明方法に従って得られたラクトアイス試作品(実施例3〜4)は、いずれも比較例5〜7と同等か、優れていることが判る。すなわち、砂糖と水あめと異性化糖の組合せにおいては、冷菓の保存性の点で、単糖の配合量は5質量%程度が限界であったが、水あめの代わりに本発明の特定の澱粉分解物を用いることで、単糖は10質量%程度まで配合出来るようになり、保存性に優れ、且つ単糖由来の爽やかな甘味の質を強調した冷菓が製造可能となった。

Claims (4)

  1. 数平均分子量が800〜3,000であり、分子量100,000を超える成分の割合が2質量%以下であり、分子量10,000〜100,000の成分の分子量1,000〜10,000の成分に対する比で示される分子量特性値が0.1〜0.6である澱粉分解物を、2〜8質量%の割合で含有する冷菓。
  2. 単糖類を5〜10質量%の割合で含有する請求項1記載の冷菓。
  3. アイスクリームである請求項1又は2記載の冷菓。
  4. ラクトアイスである請求項3記載の冷菓。
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