JP4589084B2 - 複数の通水路からなる通水筒を内蔵した土留壁及び該土留壁を用いた地下水の流動確保方法 - Google Patents
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Description
<1>未固化のソイルセメントに注水チューブを挿入し、同チューブを拡張し、ソイルセメントを押し出すことで通水空間を確保する方法。
<2>未固化のソイルセメントにフィルター材を装着した2つ割構造のスクリーンを挿入し、拡張ジャッキでスクリーンを地山に押し付け通水空間を確保する方法。
<3>ソイルセメント壁硬化後、ソイルセメントを削孔し、通水空間を確保する方法。
<4>未固化のソイルセメントにピストン(円管の先に鋼製のカバーを取り付けた部材)を配置した通水装置付特殊芯材を建て込み、ソイルセメント硬化後にピストンを背面地山に挿入しピストン先端の鋼製カバーを電食にて溶解し通水機能を発揮する方法。
<1>通水部のソイルセメントを完全に除去することは困難であり、またソイルセメントの押し出し状況によっては十分なフィルター材の投入空間を確保できないこともあることから、通水機能の低下が問題となるおそれがある。さらに、土留壁構築に長時間を要する大規模開削工事では、土留壁構築時の地下水流動保全を目的に別途対策を講じる必要がある。
<2>通水部のソイルセメントを完全に除去することは困難であり、通水機能の低下が問題となる恐れがある。また芯材は特殊な形状であることから、ソイルセメントの造成深度および造成状況によっては芯材が建て込み困難となる恐れがある。
<3>SMW壁の背面に通水構築用地が必要となる。また、ソイルセメントの削孔に当たっては全周回転開削機等の建設重機が別途必要となり、工期及び工費の面で負担が大きくなる。更に、土留壁構築に長期間を要する大規模開削工事では、土留壁構築時の地下水流動保全を目的に別途対策を講じる必要がある。
<4>通水能力は、ピストンの挿入状況に依存するため信頼性が低い。また、ピストンの背面地山の間にある硬化したソイルセメントは除去できないため、通水機能の低下が問題となる恐れがある。さらに、土留壁構築に長期間を要する大規模開削工事では、土留壁の構築時の地下水流動保全を目的に別途対策を講じる必要がある。
<1>土留壁を構築しても、その構築によって地下水の流れを遮断することがなく、かつ高い通水能力を確保することができる。
<2>止水栓による止水は、確実かつ簡便に通水機能を停止することができる。
<3>各通水筒にポンプを設置して、土留壁により仕切られた前面地盤と背面地盤に異なる水圧を付加することができる。
<4>土留壁構築過程でソイルセメント等の固化材を井戸周辺に注入しないため目詰まりなど起因した通水能力の低下に対して信頼性が高い。
<5>土留壁構築時から内部開削・躯体構築時の全施工過程において通水能力を確保することができる。
本発明の土留壁の構造は、遮水部である土留壁の一部に、通水筒2を設けて構成する。鋼矢板23は、隣接する鋼矢板11を介して連結し、止水壁として遮水性を確保する(図3、図4)。
以下に通水部の構造について説明する。
土留壁は地盤を開削する前に、開削する範囲の外側に、事前に地下に構築しておく連続した壁体である。
この土留壁は水を通さない遮水性の機能を備えていて、開削側へは水を通さないことが要求される。
この非通水性の土留壁は、例えばシートパイルなどの名称で知られる公知の各種の工法によって構築する。
土留壁は、シートパイルや鋼管矢板のように圧入あるいは打撃による土留壁だけではなく、SMW工法などの名称で知られる地中に柱状の止水柱を連続して形成する構造やRC地中連続壁にも利用することもできる。
いずれの工法によっても一連の土留壁は複数のユニットごとに構築してゆくから、そのユニットとユニットの間に、本発明の構造を形成するための通水縦坑10を削孔する。
したがって、この通水縦坑10は土留壁の線上に、土留壁の一部として構築されることになる。
図1のように、通水筒2は、互いに並行する内側通水路21と外側通水路22と、嵌合継手となる鋼矢板23からなる。
内側通水路21と外側通水路22の形状及び、面積は任意に設定できる。例えば、図5のように、各通水路に角パイプなどを用いてもよい。
内側通水路21は、隣接する止水壁で仕切られた開削側の通水材251に接する側壁部分に開口した切り欠き部211と、隣接する通水路間の側壁部分に開口した内側開口部212と、前記切り欠き部211と開口部212の間に設けた止水栓装着部213とからなる。
切り欠き部211は、通水可能なようにスクリーンを設け、止水栓装着部213に止水栓214が装着されると、切り欠き部211と内側開口部212との間の通水が遮断されるように構成する。
外側通水路22は、隣接する止水壁で仕切られた土留壁背面側の通水材252に接する側壁部分に開口した開口部221を設ける。開口部221には通水可能なようにスクリーンを設ける。
通水縦坑10の内部に上記通水筒2を挿入して設置する。
図3のように、通水筒2と通水縦坑10との間にある空隙に通水材251、252を充填する。
この通水材は硅砂など通常の井戸で用いられるフィルター材を利用できる。
通水材の充填によって、通水縦坑10の背面から流れていた地下水は、通水縦坑10に入り、通水材及び通水筒を経由して下流側へ流出する。
このように、地中に通水縦坑を構築しても、地下水の流れを遮断する現象は発生しない。
通水筒2に取付けた止水継手と隣接する土留壁を連結することによって、通水性を維持する通水縦坑10と、非通水性の土留壁とは一体となる。
そのために地盤の開削前には、地下水は土留壁の位置ではその流れを遮断されるが、通水筒2を設置した位置では、内側通水路21と外側通水路22を経由し、地下水の流動を確保することができる(図6)。
土留壁に囲まれた開削工事が開始してからは、開削部への地下水の流入は阻止しなければならない。
そのために、開削工事に先立って通水筒2の内側通水路21を閉塞する。
具体的には、内側通水路の内部に設けられた止水栓装着部213に止水栓214を装着する(図10)。
本実施例では、止水栓214は棒状体挿入方式を用いているが、従来あるその他の方式、たとえば、球体埋設方式(図13)などを用いてもよい。
止水栓装着部213は、図11や、図12、図13、図14のようにゴムパッキンや、ゴム止水板を設置し、止水栓214の挿入後の止水性を確実にする。
なお,開削工事期間中は開削内の地下水位は土留壁背面側地下水位より低くなるため,止水栓装着後の内側通水路内の水圧は外側通水路内の水圧より小さくなり,この水圧差により止水栓の押し込み効果が得られ止水性は向上する。また、内側通水路21の止水栓装着部213より上方は、止水栓214、筒状止水栓215、鋼球の設置時のガイドとしての機能を持つ。
以上のように、内側通水路21に止水栓214を装着すると、地下水は開削側へ流れることができず、そこで遮断されてしまう(図15)。
そのため、図10のように、外側通水路22内に集まった地下水をポンプ31でくみ上げる。そして開削場所を越えた位置の外側通水路22から地中に注水する。
こうして開削工事中にも、地下水の流動を確保することができる。
開削工事を進めていくうちに、開削内部の地下水位を低下させたい場合は、内側通水路21に筒状止水栓215を装着する(図16)。筒状止水栓215によって、内側通水路21の内側開口部212は閉塞され、外側通水路22から地下水の流入が遮断される(図17)。その後、地上から筒状止水栓215の内部を通過して、内側通水路21の切り欠き部211にポンプ32を設置し、開削内部の地下水を汲み上げる。
なお、内側通水路21及び外側通水路22の両方にポンプ31,32を設置することにより、土留壁により仕切られた開削内部と、その他の地盤に異なる水圧を付加させることもできる。
開削が完了して開削底部に至ったら、その開削底部に水路6を設ける(図18)。
この水路6はコンクリートの管体など公知のものを利用できる。
そしてポンプ31,32による汲み上げを停止すれば、通水筒2内に溜まった地下水は、開削底部に設けた水路6を通して流動する。
開削が予定深さまで完了したら、その後に地下構築物7の構築を行う。
その場合に、開削底部に水路6が配置してあれば、構築物7の下面の水路6はそのまま地下水の流路として永久的に利用できる。
なお、水路6を設置する位置は、開削部の底部に限らず、地下水の水位以下の深さであれば、開削部の内部のどこへでも設置することができる。
11・・鋼矢板
12・・SMW壁
121・芯材
122・ソイルセメント
2・・・通水筒
21・・内側通水路
211・切り欠き部
212・内側開口部
213・止水栓装着部
214・止水栓
215・筒状止水栓
22・・外側通水路
221・外側開口部
23・・鋼矢板
251・開削側通水材
252・非開削側通水材
31・・ポンプ
32・・ポンプ
6・・・水路
7・・・地下構造物
Claims (4)
- 止水壁間に設けて、該止水壁により仕切られた地盤間の水の流動を制御するための通水土留壁であって、
地中に掘削した通水縦坑と、
前記縦坑の内部に設置した、互いに並行する複数の通水路からなる通水筒と、
通水縦坑と通水筒との間に充填した通水材と、
前記通水筒の側部に設けて、前記止水壁と接続する止水継手とより構成し、
前記通水筒は、互いに隣接して設けた外側通水路と内側通水路とにより構成し、
外側通水路は、止水壁で仕切られた土留壁背面側に外側開口部を備え、
内側通水路は、開削側に開口した切り欠き部と、隣接する外側通水路との間の側壁部分に開口した内側開口部と、切欠き部と内側開口部との間に位置する止水栓装着部とを備え、
内側通水路の止水栓装着部に止水栓を装着して、内側通水路の内側開口部と、切欠き部との間を遮水し得るように構成した、通水土留壁。 - 請求項1に記載の通水土留壁の構造であって、
前記止水栓を内側通水路の止水栓装着部に装着することにより、
内側通水路の断面を閉塞することを特徴とする、
通水土留壁。 - 請求項1に記載の通水土留壁の構造であって、
前記止水栓が筒状部材であり、
前記止水栓を内側通水路の止水栓装着部へと装着することにより、
前記内側通水路を閉塞することを特徴とする、
通水土留壁。 - 地盤開削前後において地下水の流動を確保する方法であって、
開削位置の両側に止水壁をそれぞれ設置し、
前記止水壁間に請求項1乃至3の何れか1項に記載の通水土留壁を設置し、
開削工事の開始前には、
通水材と外側通水路の外側開口部、内側通水路の内側開口部、内側通水路の切欠き部を通して地下水の流動を確保し、
開削工事中には、
内側通水路の止水栓装着部に止水栓を挿入して、内側通水路内の断面を遮断し、
外側通水路の外側開口部を介して外側通水路内に集まった地下水を、
外側通水路からポンプでくみ上げて開削場所を越えた場所において地中に注水することで、地下水の流動を確保し、
開削の完了時には、
開削部の内部に、相対する位置にある土留壁内の通水筒を連結するように水路を構築して、地下水の流動を確保する方法。
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