JP4590237B2 - トナー像担持体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真感光体や中間転写体などのトナー像担持体の製造方法に関する。
電子写真方式を採用した画像形成装置、いわゆる電子写真装置には様々な方式のものがあり、例えば転写の方式でみてみると、トナー像を電子写真感光体から転写材(紙やOHTなど)へ直接転写する方式の電子写真装置や、トナー像を電子写真感光体から中間転写体へ一次転写し、その後中間転写体から転写材へ二次転写する方式(中間転写方式)の電子写真装置などがある。
電子写真装置においては、転写(一次転写や二次転写を含む)されきれずに電子写真感光体や中間転写体などのトナー像担持体の外周面に残留したトナー(以下「転写残トナー」という。)をいかに確実にクリーニング(除去)することができるかということが、大きな問題の1つである。
トナー像担持体の外周面の転写残トナーをクリーニングする方式の1つとして、トナー像担持体の外周面に当接配置したクリーニングブレードで該転写残トナーを掻きとって除去するという方式(以下「ブレードクリーニング方式」という。)が知られている。ブレードクリーニング方式のクリーニング性能を向上させる技術として、例えば、特許文献1には、中間転写体の表面の十点平均粗さを3.5μm以下にするという技術が開示されている。
特開平10−142956号公報
ところが、本発明者らが、最外層(最も外周面側の層)を浸漬塗布法により形成した、外周面の十点平均粗さが0.1μmの無端ベルト形状の中間転写体(中間転写ベルト)とブレードクリーニング方式とを組み合わせてクリーニング性能の試験を行ったところ、試験中にクリーニングブレードが中間転写ベルトの回転に巻き込まれて損傷してしまう場合があった。
つまり、中間転写体などのトナー像担持体の外周面の平滑性が高い場合、クリーニングブレードによる転写残トナーの除去には好適であるものの、反面、クリーニングブレードがトナー像担持体の回転に巻き込まれやすくなるという問題がある。特に、トナー像担持体の最外層を塗布層(塗布液の塗布によって形成された層)とする場合、塗布液の物性によっては最外層の表面、すなわちトナー像担持体の外周面が極めて平滑になることがあり、それだけクリーニングブレードの巻き込みが発生しやすくなる。
本発明の目的は、ブレードクリーニング方式を採用した電子写真装置に用いた場合に、高いクリーニング性能とクリーニングブレード巻き込みの抑制とを両立することのできるトナー像担持体の製造方法を提供することにある。
発明は、トナー像を担持するための無端ベルト形状のトナー像担持体の製造方法であって、
該製造方法は、硬化性の材料を含む塗布液を被塗布体の外周面に塗布する塗布工程と、該塗布工程により塗布された塗布液にエネルギーを付与して該塗布液を硬化させる硬化工程とを有し、
該硬化工程は、該エネルギーの密度の異なる領域を該塗布工程により塗布された塗布液の外周面に分布させて該塗布液を硬化させる工程であり、
該製造方法によって製造される該トナー像担持体の外周面には、該トナー像担持体の回転方向に沿った溝が複数形成され、かつ、該回転方向に直交する方向に複数の該溝が並んで形成されることによって、該トナー像担持体の外周面の該直交する方向の形状が周期的な凹凸形状とな
ことを特徴とするトナー像担持体の製造方法である。
本発明によれば、ブレードクリーニング方式を採用した電子写真装置に用いた場合に、高いクリーニング性能とクリーニングブレード巻き込みの抑制とを両立することのできるトナー像担持体の製造方法を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
上述のとおり、本発明のトナー像担持体は、その外周面にトナー像担持体の回転方向(以下「回転方向」という。)に沿った溝が複数形成されているものである。また、回転方向に直交する方向(以下「直交方向」という。)に複数の溝が並んでいることによって、トナー像担持体の外周面の直交方向の形状は周期的な凹凸形状となっている。
本発明のトナー像担持体の外周面の概略を図1および2に例示する。
図1および2において、101はトナー像担持体であり、101aは回転方向(トナー像担持体101の回転方向)であり、101bは直交方向(トナー像担持体101の回転方向101aに直交する方向)であり、102はトナー像担持体101の回転方向101aに沿って形成された溝である。溝102は直交方向101bに複数並んでいる。図1および2は、溝102の本数など、説明のために一部簡略化してあり、図1および2に示される形態に本発明が限定されるわけではない。
本発明において、溝102は直交方向101bに複数並んでいればよく、例えば、図1に示されるように溝102が回転方向101aに途切れることなく形成されていてもよいし、図2に示されるように溝102のあるところとないところとが交互になるように溝102が形成されていてもよい。また、本発明においては、図1に示されるように直交方向101bの単位長さあたりの溝数(凹凸の周期)がどの位置で数えても同じになるように溝を形成してもよいし、図2に示されるように直交方向101bの単位長さあたりの溝数(凹凸の周期)が数える位置によって異なるように溝を形成してもよい。
この直交方向101bの単位長さあたりの溝数(凹凸の周期)は、トナー像担持体の外周面のクリーニングブレードが当接する領域において、50〜5000cm−1の範囲にあることが好ましく、特には100〜200cm−1の範囲にあることがより好ましい。
トナー像担持体の外周面の直交方向の凹凸形状には特に制限はない。図3および4に、凹凸が繰り返し現れる形状の例を示す。図3および4中、301、401はトナー像担持体の外周面の直交方向の形状であり、Hは溝の深さ(凹凸の振幅)である。また、Dは凸部間距離であり、溝間距離に等しい。図4に示すように凹凸形状が一定でない場合、凸部
の最も高い部位と凹部の最も深い部位との差をもって溝の深さ(凹凸の振幅)Hとする。また、凸部の中でも最も高い凸部同士の距離をDとし、これを溝間距離とする。
トナー像担持体の外周面に上述のとおりの溝・形状を有させることで、トナー像担持体とクリーニングブレードとの接触面積を小さくすることができる上、トナー像担持体を回転駆動させてもトナー像担持体とクリーニングブレードとの接触面積を略一定に保つことができるため、トナー像担持体に対するクリーニングブレードの当接状態および摺動状態を安定化させることができ、よって、クリーニングブレードがトナー像担持体の回転に巻き込まれてしまうことを抑制することができる。
トナー像担持体の外周面のトナーを安定して十分にクリーニング(除去)するという観点から、トナー像担持体の外周面の凹凸形状の凹凸の振幅(溝の深さ)および溝間距離は、使用するトナーの平均粒径よりも小さいことが好ましく、具体的には、通常使用するトナーの平均粒径は数μmであるから、凹凸の振幅(溝の深さ)は0.2〜1.0μmの範囲にあることが好ましく、特には0.6μm以下であることがより好ましい。また、溝間距離は50〜100μmの範囲にあることが好ましい。凹凸の振幅(溝の深さ)や溝間距離が上記範囲にあれば、クリーニングブレードの当接状態および摺動状態の安定化にも効果がある。
本発明のトナー像担持体の形状としては、例えば、ベルト形状やドラム形状などが挙げられるが、電子写真装置内に配置する際の自由度が増し、スペースの有効利用による電子写真装置本体の小型化やコストダウンを図ることができるという点で、ベルト形状が好ましい。
また、トナー像担持体の外周面に上述のとおりの溝・形状を有させるためには、外周面形状の制御のしやすさの観点から、トナー像担持体の最外層を塗布によって形成することが好ましい。具体的には、塗布液を被塗布体(トナー像担持体の最外層を形成する直前のもの)に塗布し、湿潤状態の膜を形成した後、該塗布液(湿潤状態の膜)を硬化させるためのエネルギーを該塗布液に付与する際に、凹部にしたい部位に付与するエネルギーの密度(単位面積あたりのエネルギー量のこと。)と凸部にしたい部位に付与するエネルギーの密度とを異ならせることで、すなわち、エネルギーの密度の異なる領域を分布させて塗布液を硬化させることで、トナー像担持体の外周面に上述のとおりの溝・形状を有させることができる。
エネルギーの密度の異なる領域は、例えば、適当な幅および間隔で形成されておりかつ適当な配置で形成されている細長の開口部(スリット)を有するマスク(スリットを有するマスク)を介して、上記硬化させるためのエネルギーを上記塗布液に付与することによって形成することができる。マスクは、そのスリットの長手方向がトナー像担持体の回転方向になるよう、塗布液の上に配置する。
塗布液に付与するエネルギーとしては、塗布液(湿潤状態の膜)に含まれる結着材料(樹脂など)の種類によって適宜選択することができ、例えば、塗布液に光硬化性の結着材料が含まれている場合は、エネルギーとして光エネルギーを用いることができ、塗布液に熱硬化性の結着材料が含まれている場合は、エネルギーとして熱エネルギーを用いることができる。
その他にも、トナー像担持体の外周面に上述のとおりの溝・形状を有させる方法として、トナー像担持体の最外層用塗布液に微粒子を混在させる方法や、トナー像担持体の外周面を機械加工する方法や、最外層用塗布液を被塗布体に塗布し、湿潤状態の膜を形成した後、これに周期性を有する鋸刃状の工具を当てて、この鋸刃状を湿潤状態の膜の表面(外
周面)に転写する方法なども挙げられる。
ただし、最外層用塗布液に微粒子を混在させる方法の場合、トナー像担持体の外周面の直交方向に周期的な凹凸形状を形成することは容易であるものの、回転方向に沿った溝を複数形成することは難しい。また、外周面を機械加工する方法の場合、機械加工で得られる面形状は機械加工用工具の先端形状を反映した形状となるため、トナー像担持体の外周面に回転方向に沿った溝を複数形成することは容易であるものの、直交方向に周期的な凹凸形状を形成することは難しい。また、鋸刃状を湿潤状態の膜の表面(外周面)に転写する方法の場合、鋸刃状を転写した後に塗布液(湿潤状態の膜)を硬化する際に、転写された鋸刃状を維持することができるか否か、塗布液の物性に大きく依存するため、汎用性に欠ける。
また、本発明のトナー像担持体の最外層の極表面には、最外層用塗布液に含まれる添加剤がトナー像担持体の外周面側に偏在してなるスキン層(薄い膜)が形成されていてもよい。塗布液中の添加剤は塗布液中の結着材料などとの相互作用によって偏在することがある。添加剤の種類によっては、電子写真特性の向上が図られることがある。
また、本発明のトナー像担持体の外周面は、クリーニング性向上およびクリーニングブレードの滑り性向上の観点から、撥水性(離型性)が高いことが好ましく、具体的には、トナー像担持体の外周面の純水に対する接触角は90°以上であることが好ましく、特には95°以上であることがより好ましい。
図5に、本発明のトナー像担持体であって無端ベルト形状のものを中間転写ベルト(無端ベルト形状の中間転写体)として用いた電子写真装置の概略構成の一例を示す。
図5において、1は円筒状の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。
回転駆動される電子写真感光体1の外周面は、帯電手段(一次帯電手段:帯電ローラーなど)3により、正または負の所定電位に均一に帯電され、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)から出力される露光光(画像露光光)4を受ける。この際の露光光は、目的のカラー画像の第1色成分像(例えばイエロー成分像)に対応した露光光である。こうして電子写真感光体1の外周面に、目的のカラー画像の第1色成分像に対応した第1色成分静電潜像(イエロー成分静電潜像)が順次形成されていく。
張架ローラー12および二次転写対向ローラー13によって張架された中間転写ベルト11は、矢印方向に電子写真感光体1とほぼ同じ周速度(例えば電子写真感光体1の周速度に対して97〜103%)で回転駆動される。
電子写真感光体1の外周面に形成された第1色成分静電潜像は、第1色用現像手段(イエロー用現像手段)5Yの現像剤に含まれる第1色トナー(イエロートナー)により現像されて第1色トナー像(イエロートナー像)となる。次いで、電子写真感光体1の外周面に形成担持されている第1色トナー像が、一次転写部材6pからの一次転写バイアスによって、電子写真感光体1と一次転写部材(一次転写ローラー)6pとの間を通過する中間転写ベルト11の外周面に順次一次転写されていく。
第1色トナー像転写後の電子写真感光体1の外周面は、電子写真感光体用クリーニング手段7p(7pbはクリーニングブレード)によって一次転写残りの現像剤(トナー)の除去を受けて清浄面化された後、次色の画像形成に使用される。
第2色トナー像(マゼンタトナー像)、第3色トナー像(シアントナー像)、ならびに、第4色トナー像(ブラックトナー像)も、第1色トナー像と同様にして、それぞれ、帯電手段3、露光光4(第2色成分像に対応した露光光)および第2色用現像手段5M、帯電手段3、露光光4(第3色成分像に対応した露光光)および第3色用現像手段5C、ならびに、帯電手段3、露光光4(第4色成分像に対応した露光光)および第4色用現像手段5Kによって、電子写真感光体1の外周面に形成され、中間転写ベルト11の外周面に順次転写される。こうして中間転写ベルト11の外周面に目的のカラー画像に対応した合成トナー像が形成される。第1色〜第4色の一次転写の間は、二次転写部材(二次転写ローラー)6s、中間転写ベルト用クリーニング手段7iのクリーニングブレード7ibは中間転写ベルト11の外周面から離れている。
中間転写ベルト11の外周面に形成された合成トナー像は、二次転写部材6sからの二次転写バイアスによって、転写材供給手段(不図示)から二次転写対向ローラー13・中間転写ベルト11と二次転写部材6sとの間(当接部)に中間転写ベルト11の回転と同期して取り出されて給送された転写材(紙など)Pに順次二次転写されていく。
合成トナー像の転写を受けた転写材Pは、中間転写ベルト11の外周面から分離されて定着手段8へ導入されて像定着を受けることによりカラー画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
合成トナー像転写後の中間転写ベルト11の外周面には、中間転写ベルト用クリーニング手段7iのクリーニングブレード7ibが当接され、クリーニングブレード7ibによって二次転写残りの現像剤(トナー)の除去を受けて清浄面化される。
また、電子写真感光体用クリーニング手段7pによる転写残りの現像剤(トナー)除去後の電子写真感光体1の外周面を、前露光手段からの前露光光により除電処理してもよいが、図5に示すように、帯電手段3が帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
なお、本発明のトナー像担持体は、上述のように中間転写体として用いてもよいし、それ以外の、クリーニングブレードによるトナーのクリーニング(除去)が必要なトナー像の担持体(例えば、転写材搬送部材や電子写真感光体など)に用いてもよい。
また、本発明における「トナー像」には、最終的にプリント、コピーとして出力されるトナーの画像に限られず、例えば、転写材搬送部材などの外周面に形成されるトナーパッチなども含まれる。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下に記載する手順によって、無端ベルト1〜12を作製した。
(実施例1)
・無端ベルト1の作製
カーボンブラックを分散したポリフッ化ビニリデン(呉羽化学工業(株)製)製の厚さ50μmシートをアルミニウム製円筒の外周に2周巻きつけ、わずかな隙間(約100μm)を有して嵌合しうるSUS製円筒で嵌合させた後、該シートを内側のアルミニウム製円筒と外側のSUS製円筒とで挟み込むようにした。
次に、アルミニウム製円筒とSUS製円筒とで挟み込んだまま、ポリフッ化ビニリデンの溶融温度まで均一加熱して冷却した後、厚さ100μmの無端ベルト基体を得た。なお、SUS製円筒の内周面は、切削加工によって、円筒幅方向(SUS製円筒の軸に平行な方向)に周期が20μmで振幅が1μmの鋸刃形状となるように仕上げられており、無端ベルト基体の外周面には、このSUS製円筒の内周面の形状が転写されていた。
この無端ベルト基体の外周面に、ポリマーの官能基としてフッ素原子が配されたアクリル樹脂(大日本インキ化学工業(株)製)の溶液を浸漬塗布した後、80℃に保温した電気炉に10分間放置して、平均膜厚1μmの表面層を有する無端ベルト1を得た。無端ベルト1は、基体と表面層との2層構造である。
無端ベルト1の外周面は、概略、図1および図4に例示した形状を有していた。無端ベルト基体の外周面は不連続な鋸刃形状であったが、表面層形成後の無端ベルト1の外周面は滑らかに連続する凹凸形状であった。
(比較例1)
・無端ベルト2の作製
無端ベルト1の表面層を形成する際に用いたポリマーの官能基としてフッ素原子が配されたアクリル樹脂を無機微粒子を分散含有させたアクリル樹脂(JSR(株)製)に変更した以外は、無端ベルト1と同様にして無端ベルトを作製し、これを無端ベルト2とした。
無端ベルト2の外周面は比較的平滑となり周期性は確認されなかった。
(比較例2)
・無端ベルト3の作製
無端ベルト1の表面層を形成する際に用いたポリマーの官能基としてフッ素原子が配されたアクリル樹脂を微粒子を分散含有させたアクリル樹脂(住友大阪セメント(株)製)に変更した以外は、無端ベルト1と同様にして無端ベルトを作製し、これを無端ベルト3とした。
無端ベルト3の外周面は比較的平滑となり周期性は確認されなかった。
(比較例3)
・無端ベルト4の作製
無端ベルト1の表面層を形成する際に用いたポリマーの官能基としてフッ素原子が配されたアクリル樹脂をアクリル樹脂(信越シリコーン製)に変更した以外は、無端ベルト1と同様にして無端ベルトを作製し、これを無端ベルト4とした。
無端ベルト4の外周面は比較的平滑となり周期性は確認されなかった。
(実施例2)
・無端ベルト5の作製
カーボンブラックを分散したポリフッ化ビニリデン(呉羽化学工業(株)製)製の厚さ50μmシートをアルミニウム製円筒の外周に2周巻きつけ、わずかな隙間を有して嵌合しうるSUS製円筒で嵌合させた後、該シートを内側のアルミニウム製円筒と外側のSUS製円筒とで挟み込むようにした。
次に、アルミニウム製円筒とSUS製円筒とで挟み込んだまま、ポリフッ化ビニリデンの溶融温度まで均一加熱して冷却した後、厚さ100μmの無端ベルト基体を得た。なお、SUS製円筒の内周面は、バフ研磨によって、円筒幅方向が平滑な鏡面状態となるように仕上げられていた。
この無端ベルト基体の外周面に、撥水性シリコーン樹脂を添加したアクリル樹脂(JSR(株)製)の溶液を浸漬塗布して湿潤状態の膜を形成した後、この湿潤状態の膜(塗布液)の上に、無端ベルトの周方向(回転方向)に沿って、並列して配置された複数のスリットを有するマスク(以下、単に「スリットを有するマスク」という。)を配置し、該マスクを介して照度100mJ/cmの紫外線を該湿潤状態の膜に照射して無端ベルト5を得た。なお、マスクは、そのスリットの長手方向がトナー像担持体の回転方向になるように配置した。無端ベルト5の極表面には、撥水性シリコーン樹脂が偏在してなるスキン層が形成されていた。無端ベルト5は、基体と表面層との2層構造(スキン層をカウントすれば、表面層はスキン層とスキン層でない部分とに分けられるから、合計3層構造)である。
マスクのスリットのピッチは200μmであり、スリットの幅とスリットでない部分の幅との比は1:1であった。
無端ベルト5の外周面は、概略、図1および図4に例示した形状を有していた。
(実施例3)
・無端ベルト6の作製
スリットを有するマスクをスリットのピッチが100μm(スリットの幅とスリットでない部分の幅との比は1:1)のものに変更した以外は、無端ベルト5と同様にして無端ベルトを作製し、これを無端ベルト6とした。
無端ベルト6の外周面は、概略、図1および図4に例示した形状を有していた。
(実施例4)
・無端ベルト7の作製
スリットを有するマスクをスリットとスリットでない部分とが無端ベルトの回転方向において交互になるようにスリットが配置されたもの(マスクのスリットのピッチは100μm、スリットの幅とスリットでない部分の幅との比は1:1)に変更した以外は、無端ベルト5と同様にして無端ベルトを作製し、これを無端ベルト7とした。
無端ベルト7の外周面は、概略、図2および図4に例示した形状を有していた。
(実施例5)
・無端ベルト8の作製
スリットを有するマスクをスリットとスリットでない部分とが無端ベルトの回転方向において交互になるようにスリットが配置されたもの(マスクのスリットのピッチは50μm、スリットの幅とスリットでない部分の幅との比は1:1)に変更した以外は、無端ベルト5と同様にして無端ベルトを作製し、これを無端ベルト8とした。
無端ベルト8の外周面は、概略、図2および図3に例示した形状を有していた。
(実施例6)
・無端ベルト9の作製
スリットを有するマスクをスリットとスリットでない部分とが無端ベルトの回転方向において交互になるようにスリットが配置されたもの(マスクのスリットのピッチは50μm、スリットの幅とスリットでない部分の幅との比は1:1)に変更し、さらに、表面層を形成する際に用いたアクリル樹脂(JSR(株)製)に撥水性シリコーン樹脂を添加しなかった以外は、無端ベルト5と同様にして無端ベルトを作製し、これを無端ベルト9とした。
無端ベルト9の外周面は、概略、図2および図3に例示した形状を有していた。
(実施例7)
・無端ベルト10の作製
スリットを有するマスクをスリットのピッチが20μm(スリットの幅とスリットでない部分の幅との比は1:1)のものに変更した以外は、無端ベルト5と同様にして無端ベルトを作製し、これを無端ベルト10とした。
無端ベルト10の外周面は、概略、図1および図3に例示した形状を有していた。
(比較例4)
・無端ベルト11の作製
カーボンブラックを分散したポリフッ化ビニリデン(呉羽化学工業(株)製)製の厚さ50μmシートをアルミニウム製円筒の外周に2周巻きつけ、わずかな隙間を有して嵌合しうるSUS製円筒で嵌合させた後、該シートを内側のアルミニウム製円筒と外側のSUS製円筒とで挟み込むようにした。
次に、アルミニウム製円筒とSUS製円筒とで挟み込んだまま、ポリフッ化ビニリデンの溶融温度まで均一加熱して冷却した後、厚さ100μmの無端ベルト基体を得た。なお、SUS製円筒の内周面は、バフ研磨によって、円筒幅方向が平滑な鏡面状態となるように仕上げられていた。
この無端ベルト基体の外周面に、撥水性シリコーン樹脂を添加したアクリル樹脂(JSR(株)製)の溶液を浸漬塗布して湿潤状態の膜を形成した後、照度100mJ/cmの紫外線を該湿潤状態の膜に照射して無端ベルト11を得た。無端ベルト11の極表面には、撥水性シリコーン樹脂が偏在してなるスキン層が形成されていた。無端ベルト11は、基体と表面層との2層構造(スキン層をカウントすれば、表面層はスキン層とスキン層でない部分とに分けられるから、合計3層構造)である。
(比較例5)
・無端ベルト12の作製
表面層を形成する際に用いたアクリル樹脂(JSR(株)製)に撥水性シリコーン樹脂を添加しなかった以外は、無端ベルト11と同様にして無端ベルトを作製し、これを無端ベルト12とした。
(評価)
・無端ベルト1〜12の外周面の形状の測定
測定器には、触針式表面粗さ計(商品名:SE−3400、(株)小坂研究所製)を用い、測定長0.8mm、スキャン速度0.1mm/sの条件で測定した。無端ベルトの外周面の直交方向(回転方向に直交する方向)の形状とは、該直交方向に走査させて得られた曲線(粗さ曲線)で表されるものである。この粗さ曲線から周期性の有無を判断し、周期を上記「D」、振幅を上記「H」として測定した。周期性が確認されない場合は十点平均粗さをHの代用とした。
・無端ベルト1〜12の外周面の純水に対する接触角の測定
具体的には、純水を満たした注射器から針先端に水滴を作り、この水滴を無端ベルトの外周面に静かに載せ、注射針を水滴から遠ざけた後、無端ベルトの外周面と水滴とのなす角を測定した。5箇所同様に測定して平均をとって無端ベルトの外周面の純水に対する接触角とした。
・クリーニングブレードの巻き込み特性の評価
無端ベルト1〜12を中間転写ベルトとして概略図6に示す構成の電子写真装置にそれぞれ搭載し、中間転写ベルト用クリーニングブレードの巻き込み特性を評価した。
具体的には、無端ベルト(中間転写ベルト)に10mm幅の帯状にトナーを1回だけ転
写させた後、中間転写ベルト用クリーニングブレードを当接させ、搭載した無端ベルト(中間転写ベルト)を50回自転させ、中間転写ベルト用クリーニングブレードが無端ベルト(中間転写ベルト)に巻き込まれるまでの無端ベルト(中間転写ベルト)の自転回数を測定した。測定結果を以下の3つのグレードに分類した。
A:30回転以上
B:10回転以上30回転未満
C:10回転未満
・クリーニングブレードのクリーニング特性の評価
無端ベルト1〜12を中間転写ベルトとして概略図6に示す構成の電子写真装置にそれぞれ搭載し、中間転写ベルト用クリーニングブレードのクリーニング特性を評価した。
具体的には、無端ベルト(中間転写ベルト)に10mm幅の帯状にトナーを2回転写させ、トナー全量をクリーニングブレードで除去できるかを確認した。測定結果を以下の4つのグレードに分類した。
AA:100%トナーを除去でき、かつ、10万回繰り返し後も同様だった。
A:100%トナーを除去できた。
B:95%以上トナーを除去できたが、一部除去できずに残った。
C:90%未満しかトナーを除去できず、大半は除去できずに残った。
評価結果を表1に示す。表1中、「接触角」とは上記「外周面の純水に対する接触角」を意味し、「巻き込み特性」とは上記「クリーニングブレードの巻き込み特性」を意味し、「クリーニング特性」とは上記「クリーニングブレードのクリーニング特性」を意味する。
Figure 0004590237
また、上記の無端ベルト7および8と同じように作製した無端ベルトを無端ベルト形状
の電子写真感光体(感光ベルト)や転写材搬送部材(転写材搬送ベルト)として用いて評価したところ、巻き込み特性およびクリーニング特性ともに良好な結果が得られた。
本発明によれば、ブレードクリーニング方式を採用した電子写真装置に用いた場合に、高いクリーニング性能とクリーニングブレード巻き込みの抑制とを両立することのできるトナー像担持体の製造方法を提供することができる。
トナー像担持体の外周面の概略を示す図である。 トナー像担持体の外周面の別の概略を示す図である。 凹凸が繰り返し現れる形状の例を示す図である。 凹凸が繰り返し現れる形状の別の例を示す図である。 本発明のトナー像担持体であって無端ベルト形状のものを中間転写ベルトとして用いた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。
符号の説明
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5Y 第1色用現像手段
5M 第2色用現像手段
5C 第3色用現像手段
5K 第4色用現像手段
6p 一次転写部材
6s 二次転写部材
7i 中間転写ベルト用クリーニング手段
7ib、7pb クリーニングブレード
7p 電子写真感光体用クリーニング手段
8 定着手段
11 中間転写ベルト
12 張架ローラー
13 二次転写対向ローラー
101 トナー像担持体
101a 回転方向(トナー像担持体101の回転方向)
101b 直交方向(トナー像担持体101の回転方向101aに直交する方向)
102 トナー像担持体101の回転方向101aに沿って形成された溝
301、401 トナー像担持体の外周面の直交方向の形状
D 凸部間距離
H 溝の深さ(凹凸の振幅)
P 転写材

Claims (2)

  1. トナー像を担持するための無端ベルト形状のトナー像担持体の製造方法であって、
    該製造方法は、硬化性の材料を含む塗布液を被塗布体の外周面に塗布する塗布工程と、該塗布工程により塗布された塗布液にエネルギーを付与して該塗布液を硬化させる硬化工程とを有し、
    該硬化工程は、該エネルギーの密度の異なる領域を該塗布工程により塗布された塗布液の外周面に分布させて該塗布液を硬化させる工程であり、
    該製造方法によって製造される該トナー像担持体の外周面には、該トナー像担持体の回転方向に沿った溝が複数形成され、かつ、該回転方向に直交する方向に複数の該溝が並んで形成されることによって、該トナー像担持体の外周面の該直交する方向の形状が周期的な凹凸形状とな
    ことを特徴とするトナー像担持体の製造方法。
  2. 前記硬化工程が、前記塗布工程により塗布された塗布液の上に前記トナー像担持体の回転方向に沿ってスリットを有するマスクを配置した後、該マスクを介してエネルギーを該塗布液に付与することによって該塗布液を硬化させる工程である請求項に記載のトナー像担持体の製造方法。
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