JP4594540B2 - 非水系二次電池の充放電方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非水系二次電池の充放電方法に関し、特に、蓄電システム用非水系二次電池の充放電方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、省資源を目指したエネルギーの有効利用及び地球環境問題の観点から、深夜電力貯蔵及び太陽光発電の電力貯蔵を目的とした家庭用分散型蓄電システム、電気自動車のための蓄電システム等が注目を集めている。例えば、特開平6−86463号公報には、エネルギー需要者に最適条件でエネルギーを供給できるシステムとして、発電所から供給される電気、ガスコージェネレーション、燃料電池、蓄電池等を組み合わせたトータルシステムが提案されている。このような蓄電システムに用いられる二次電池は、エネルギー容量が10Wh以下の携帯機器用小型二次電池と異なり、容量が大きい大型のものが必要とされる。このため、上記の蓄電システムでは、複数の二次電池を直列に積層し、電圧が例えば50〜400Vの組電池として用いるのが常であり、ほとんどの場合、鉛電池を用いていた。
【0003】
一方、携帯機器用小型二次電池の分野では、小型及び高容量のニーズに応えるべく、新型電池としてニッケル水素電池、リチウム二次電池の開発が進展し、180Wh/l以上の体積エネルギー密度を有する電池が市販されている。特に、リチウムイオン電池は、350Wh/lを超える体積エネルギー密度の可能性を有すること、及び、安全性、サイクル特性等の信頼性が金属リチウムを負極に用いたリチウム二次電池に比べ優れることから、その市場を飛躍的に延ばしている。
【0004】
これを受け、蓄電システム用大型電池の分野においても、高エネルギー密度電池の候補として、リチウムイオン電池をターゲットとし、リチウム電池電力貯蔵技術研究組合(LIBES)等で精力的に開発が進められている。
【0005】
これら大型リチウムイオン電池のエネルギー容量は、100Whから400Wh程度であり、体積エネルギー密度は、200〜300Wh/lと携帯機器用小型二次電池並のレベルに達している。その形状は、直径50mm〜70mm、長さ250mm〜450mmの円筒型、厚さ35mm〜50mmの角形又は長円角形等の扁平角柱形が代表的なものである。
【0006】
しかし、これら大型リチウムイオン電池は、高エネルギー密度が得られるものの、その電池設計が携帯機器用小型電池の延長にあることから、直径又は厚さが携帯機器用小型電池の3倍以上の円筒型、角型等の電池形状とされる。この場合には、充放電時の電池の内部抵抗によるジュール発熱、或いはリチウムイオンの出入りによって活物質のエントロピーが変化することによる電池の内部発熱により、電池内部に熱が蓄積されやすい。このため、電池内部の温度と電池表面付近の温度差が大きく、これに伴って内部抵抗が異なる。その結果、充電量、電圧のバラツキを生じ易い。また、この種の電池は複数個を組電池にして用いるため、システム内での電池の設置位置によっても蓄熱されやすさが異なって各電池間のバラツキが生じ、組電池全体の正確な制御が困難になる。更には、高率充放電時等に放熱が不十分な為、電池温度が上昇し、電池にとって好ましくない状態におかれることから、電解液の分解等による寿命の低下、更には電池の熱暴走の誘起など信頼性、特に、安全性に問題が残されていた。
【0007】
上記問題を解決する目的でW099/60652号、特開2000-251940号、特開2000-251941号、特開2000-260478号、特開2000-260477号の各公報には、正極、負極、セパレータ、及びリチウム塩を含む非水系電解質を電池容器内に収容した扁平形状の非水系二次電池であって、前記非水系二次電池は、その厚さが12mm未満の扁平形状であり、そのエネルギー容量が30Wh以上且つ体積エネルギー密度が180Wh/l以上の非水系二次電池が開示されている。該電池は独特の電池形状(扁平形状)により、実用化の障壁となる上記蓄熱に起因する信頼性、安全性の問題点を解決することを提案している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
一般に蓄電システムにおいては、大型電池は小型二次電池と異なり、蓄えうる全容量すべてを充放電するのではなく、平均的に蓄えうる全容量の70%程度を充放電するように設計される。リチウム電池電力貯蔵技術研究組合(LIBES)においても、蓄電システム用大型電池のサイクル特性評価には放電深度70%でテストが行われている。しかし、蓄電システム用大型電池においては、例えば、3500サイクルを超える優れたサイクル寿命(小型二次電池の場合数百サイクル〜1000サイクル)、10年間相当の信頼性等小型二次電池を大きく上回る耐久性が要求されており、より長いサイクル寿命を有する大型二次電池が希求されている。
【0009】
本発明の目的は、30Wh以上の大容量且つ180Wh/l以上の体積エネルギー密度を有し、その厚さが12mm未満の扁平形状の非水系二次電池に適用し得るサイクル寿命に優れた充放電方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、正極、負極、セパレータ、およびリチウム塩を含む非水系電解質を電池容器内に収容し、厚さが12mm未満の扁平形状であり、エネルギー容量が30Wh以上および体積エネルギー密度が180Wh/l以上である非水系二次電池の充放電方法であって、前記非水系二次電池の最大作動電圧範囲をV2〜V1(V2>V1)とし、初期状態における前記最大作動電圧範囲で得られる放電容量をCとするとき、V1またはV1近くまで放電された前記非水系二次電池を、充電時に、前記放電容量Cに対して所定の容量C´(ただし、C´≦0.8C)が充電されるまで充電を行い、充電後、所定の容量C´の範囲で放電を行い、これを繰り返すことを特徴とする非水系二次電池の充放電方法を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態に係る非水系二次電池について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る扁平な矩形(ノート型)の蓄電システム用非水系二次電池の平面図及び側面図であり、図2は、図1に示す電池の内部に収納される電極積層体の構成を示す側面図である。
【0012】
図1及び図2に示すように、本実施形態の非水系二次電池は、上蓋1及び底容器2からなる電池容器と、該電池容器の中に収納されている複数の正極101a、負極101b、101c、及びセパレータ104からなる電極積層体とを備えている。本実施の形態のような扁平型非水系二次電池の場合、正極101a、負極101b(又は積層体の両外側に配置された負極101c)は、例えば、図2に示すように、セパレータ104を介して交互に配置されて積層されるが、本発明は、この配置に特に限定されず、積層数等は、必要とされる容量等に応じて種々の変更が可能である。また、図1及び図2に示す非水系二次電池の形状は、例えば縦300mm×横210mm×厚さ6mmであり、正極101aにLiMn24、負極101b、101cに炭素材料を用いるリチウム二次電池の場合、例えば、蓄電システムに用いることができる。
【0013】
各正極101aの正極集電体105aは、正極端子3に電気的に接続され、同様に、各負極101b、101cの負極集電体105bは、負極端子4に電気的に接続されている。正極端子3及び負極端子4は、電池容器すなわち上蓋1と絶縁された状態で取り付けられている。
【0014】
上蓋1及び底容器2は、図1中の拡大図に示したA点で全周を上蓋を溶かし込み、溶接されている。上蓋1には、電解液の注液口5が開けられており、電解液注液後、例えば、アルミニウム−変成ポリプロピレンラミネートフィルムからなる封口フィルム6を用いて封口される。最終封口工程は、少なくとも一回の充電操作の後に行うことがより好ましい。封口フィルム6による最終封口工程後の電池容器内の圧力は、大気圧未満であることが好ましく、更に好ましくは8.66×104Pa(650Torr)以下、特に好ましくは7.33×104(550Torr)以下である。これは、内圧が大気圧以上の場合、電池が設計厚みより大きくなり易く、或いは電池の厚みのばらつきが大きくなり易く、更には電池の内部抵抗及び容量がばらつきやすくなるからである。この圧力は、使用するセパレータ、電解液の種類、電池容器の材質及び厚み、電池の形状等を加味して決定されるものである。
【0015】
正極101aに用いられる正極活物質としては、リチウム系の正極材料であれば、特に限定されず、リチウム複合コバルト酸化物、リチウム複合ニッケル酸化物、リチウム複合マンガン酸化物、或いはこれらの混合物、更にはこれら複合酸化物に異種金属元素を一種以上添加した系等を用いることができ、高電圧、高容量の電池が得られることから、好ましい。また、大型リチウム系二次電池の実用化において最重点課題である安全性を重視する場合、熱分解温度が高いマンガン酸化物が好ましい。このマンガン酸化物としてはLiMn24に代表されるリチウム複合マンガン酸化物、更にはこれら複合酸化物に異種金属元素を一種以上添加した系、さらにはリチウムを量論比よりも過剰にしたLi1+xMn2-y4等が挙げられる。特に、本発明は上記マンガン酸化物を主体とする正極を用いる場合、その効果が大きい。
【0016】
負極101b、101cに用いられる負極活物質としては、リチウム系の負極材料であれば、特に限定されず、リチウムをドープ及び脱ドープ可能な材料であることが、安全性、サイクル寿命などの信頼性が向上し好ましい。リチウムをドープ及び脱ドープ可能な材料としては、公知のリチウムイオン電池の負極材として使用されている黒鉛系物質、炭素系物質、錫酸化物系、ケイ素酸化物系等の金属酸化物、或いはポリアセン系有機半導体に代表される導電性高分子等が挙げられる。
【0017】
セパレータ104の構成は、特に限定されるものではないが、単層又は複層のセパレータを用いることができ、少なくとも1枚は不織布を用いることが好ましく、この場合、サイクル特性が向上する。また、セパレータ104の材質も、特に限定されるものではないが、例えばポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリアミド、クラフト紙、ガラス、セルロース系材料等が挙げられ、電池の耐熱性、安全性設計に応じ適宜決定される。
【0018】
本実施形態の非水系二次電池の電解質としては、公知のリチウム塩を含む非水系電解質を使用することができ、正極材料、負極材料、充電電圧等の使用条件により適宜決定され、より具体的にはLiPF6、LiBF4、LiClO4等のリチウム塩を、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジメトキシエタン、γ−ブチロラクトン、酢酸メチル、蟻酸メチル、或いはこれら2種以上の混合溶媒等の有機溶媒に溶解したもの等が例示される。また、電解液の濃度は特に限定されるものではないが、一般的に0.5mol/lから2mol/lが実用的であり、該電解液は当然のことながら、水分が100ppm以下のものを用いることが好ましい。なお、本明細書で使用する非水系電解質とは、非水系電解液、有機電解液を含む概念を意味するものであり、また、ゲル状又は固体の電解質も含む概念を意味するものである。
【0019】
上記のように構成された非水系二次電池は、家庭用蓄電システム(夜間電力貯蔵、コージェネレ-ション、太陽光発電等)、電気自動車等の蓄電システム等に用いることができ、大容量且つ高エネルギー密度を有することができる。この場合、エネルギー容量は、好ましくは30Wh以上、より好ましくは50Wh以上であり、且つエネルギー密度は、好ましくは180Wh/l以上、より好ましくは200Wh/lである。エネルギー容量が30Wh未満の場合、或いは、体積エネルギー密度が180Wh/l未満の場合は、蓄電システムに用いるには容量が小さく、充分なシステム容量を得るために電池の直並列数を増やす必要があること、また、コンパクトな設計が困難となることから蓄電システム用としては好ましくない。
【0020】
本実施形態の非水系二次電池は、扁平形状をしており、その厚さは12mm未満、より好ましくは10mm未満である。厚さの下限については電極の充填率、電池サイズ(薄くなれば同容量を得るためには面積が大きくなる)を考慮した場合、2mm以上が実用的である。電池の厚さが12mm以上になると、電池内部の発熱を充分に外部に放熱することが難しくなり、或いは電池内部と電池表面付近での温度差が大きくなり、内部抵抗が異なる結果、電池内での充電量、電圧のバラツキが大きくなる。なお、具体的な厚さは、電池容量、エネルギー密度に応じて適宜決定されるが、期待する放熱特性が得られる最大厚さで設計するのが、好ましい。
【0021】
また、本実施形態の非水系二次電池の形状としては、例えば、扁平形状の表裏面が角形、円形、長円形等の種々の形状とすることができ、角形の場合は、一般に矩形であるが、三角形、六角形等の多角形とすることもできる。さらに、肉厚の薄い円筒等の筒形にすることもできる。筒形の場合は、筒の肉厚がここでいう厚さとなる。また、製造の容易性の観点から、電池の扁平形状の表裏面が矩形であり、図1に示すようなノート型の形状が好ましい。
【0022】
電池容器となる上蓋1及び底容器2に用いられる材質は、電池の用途、形状により適宜選択され、特に限定されるものではなく、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム等が一般的であり、実用的である。また、電池容器の厚さも電池の用途、形状或いは電池ケースの材質により適宜決定され、特に限定されるものではない。好ましくは、その電池表面積の80%以上の部分の厚さ(電池容器を構成する一番面積が広い部分の厚さ)が0.2mm以上である。上記厚さが0.2mm未満では、電池の製造に必要な強度が得られないことから望ましくなく、この観点から、より好ましくは0.3mm以上である。また、同部分の厚さは、1mm以下であることが望ましい。この厚さが1mmを超えると、電極面を押さえ込む力は大きくなるが、電池の内容積が減少し充分な容量が得られないこと、或いは、重量が重くなることから望ましくなく、この観点からより好ましくは0.7mm以下である。
【0023】
上記のように、非水系二次電池の厚さを12mm未満に設計することにより、例えば、該電池が30Wh以上の大容量且つ180Wh/lの高エネルギー密度を有する場合、高率充放電時等においても、優れた放熱特性を実現し、電池温度の上昇を抑制することができる。従って、内部発熱による電池の蓄熱が低減され、結果として電池の熱暴走も抑止することが可能となり信頼性、安全性に優れた非水系二次電池を提供することができる。
【0024】
以下に、本発明に係る非水系二次電池の充放電方法について説明する。上記非水系二次電池は、最大作動電圧範囲をV2〜V1(V2>V1)とし、初期状態におけるこの最大作動電圧範囲で得られる放電容量をCとするとき、V1を基準とし0.8C以下の容量範囲で充放電を行うことによりサイクル寿命を改善することが可能である。作動上限電圧V2は、正極材料、負極材料、電解液等の電池設計、電池の使用環境等を考慮し決定されるものであり、一般に、技術資料、カタログ等において定格充電電圧、標準充電電圧等と称されるものである。例えば、正極にLiMn24、LiCoO2等のリチウム複合酸化物、負極に黒鉛系材料を用いた場合、V2は4.3V〜4.0Vとなる。また、作動下限電圧V1は、一般に放電終止電圧と呼ばれる電圧であり、例えば、正極にLiMn24、LiCoO2等のリチウム複合酸化物、負極に黒鉛系材料を用いた場合、V1は3.3V〜2.5Vとなる。最大作動電圧範囲V2〜V1(V2>V1)は、一般に繰り返し充放電を行なっても顕著な電池劣化が引き起こされないとされている最大電圧範囲である。上記最大作動電圧範囲で得られる最大容量Cは、作動上限電圧で電圧(例えば、定電圧)を印可し、充電電流が充分に小さくなるまで充電した後、例えば8時間率以上の低レートで作動下限電圧V1まで放電するときに得られる容量である。この最大容量Cについては、極度に内部抵抗の大きい電池を除き、0.2C(5時間率)程度の電流値で測定することにより、実用的な値を求めることができる。
【0025】
本発明に係る非水系二次電池の充放電方法は、最大作動電圧範囲をV2〜V1(V2>V1)とし、初期状態におけるこの電圧範囲で得られる最大容量をCとするとき、V1を基準とし0.8C以下の容量範囲で充放電を行うことを特徴とする。
【0026】
一般に電池の充放電は作動上限電圧V2を基準に行われる。すなわち、電池は充電を途中で終了しない限り、作動上限電圧V2にて満充電され、V2を基準に最大容量Cの100%あるいはそれ以下での容量が放電により取り出される。蓄電システム用の電池の場合、定格容量を保証する為、電池のサイクル劣化を見込んだ電池選定を行う。すなわち、通常は、作動上限電圧V2を基準に、0.7C以下程度の容量範囲で充放電されることになる。しかし、本発明においては作動下限電圧V1を基準とし0.8C以下の容量範囲で充放電するのであり、これにより、上記従来の作動上限電圧V2を基準に充放電する場合に比べサイクル寿命が改善されることを見出した。作動下限電圧V1を基準に充放電する容量は0.8C以下であり、好ましくは0.7C以下である。この充放電容量は電池のサイクル劣化率、使用環境等を考慮して決定されるものであり、0.8C以下であれば特に限定されない。充放電する容量が0.8Cを超える場合は、従来のV2を基準とした充放電に比べ、大幅なサイクル寿命の改善は見られない。但し、本発明の充放電方法においては、基本的な充放電動作が、作動下限電圧V1を基準に0.8C以下の容量で行なわれればよく、サイクル寿命に大きな影響のない程度であれば充放電容量が0.8Cを超えてもよい。充放電容量が0.8Cを超える割合が、例えば1000サイクルの内200回以下、好ましくは100回以下程度であれば、サイクル寿命に大きな影響を与えない。また、かならずしも基準となる最小放電電圧(作動下限電圧)V1まで放電する必要はなく、上記容量範囲内で作動していることが重要である。
【0027】
【実施例】
以下、本発明の実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
(1)LiMn24100重量部、アセチレンブラック8重量部、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)3重量部をN−メチルピロリドン(NMP)100重量部と混合し正極合材スラリーを得た。該スラリーを集電体となる厚さ20μmのアルミ箔の両面に塗布、乾燥した後、プレスを行い、正極を得た。図3の(a)は正極の説明図である。本実施例において正極101aの塗布面積(W1×W2)は、262.5×192mm2であり、20μmの集電体の両面に110μmの厚さで塗布されている。その結果、電極厚さtは240μmとなっている。また、電極の短辺側には電極が塗布されていない正極集電片106aが設けられ、その中央にφ3の穴が開けられている。
【0028】
(2)黒鉛化メソカーボンマイクロビーズ(MCMB、大阪ガスケミカル製、品番6−28)100重量部、PVDF10重量部をNMP90重量部と混合し、負極合材スラリーを得た。該スラリーを集電体となる厚さ14μmの銅箔の両面に塗布、乾燥した後、プレスを行い、負極を得た。図3の(b)は負極の説明図である。負極101bの塗布面積(W1×W2)は、267×195mm2であり、14μmの集電体の両面に90μmの厚さで塗布されている。その結果、電極厚さtは194μmとなっている。また、電極の短辺側には電極が塗布されていない負極集電片106bが設けられ、その中央にφ3の穴が開けられている。更に、同様の手法で片面だけに塗布し、それ以外は同様の方法で厚さ104μmの片面電極を作成した。片面電極は(3)項の電極積層体において外側に配置される(図2中101c)。
【0029】
(3)図2に示すように、上記(1)項で得られた正極8枚、負極9枚(内片面2枚)をセパレータA(レーヨン系、目付12.6g/m2)とセパレータB(ポリエチレン製微孔膜;目付13.3g/m2)とを合わせたセパレータ104を介して交互に積層し、さらに、電池容器との絶縁のために外側の負極101cの更に外側にセパレーターBを配置し、電極積層体を作成した。なお、セパレータ104は、セパレータAが正極側に、セパレータBが負極側になるように配置した。
【0030】
(4)図4に示すように、厚さ0.5mmのSUS304製薄板を深さ5mmに絞り、底容器2を作成し、上蓋1も厚さ0.5mmのSUS304製薄板で作成した。次に、上蓋1に、アルミニウム製の正極端子3及び銅製の負極端子4(頭部6mmφ、先端M3のねじ部)を取り付けた。正極及び負極端子3、4は、ポリプロピレン製ガスケットで上蓋1と絶縁した。
【0031】
(5)上記(3)項で作成した電極積層体の各正極集電片106aの穴に正極端子3のねじ部を挿通するとともに、各負極集電片106bの穴に負極端子4のねじ部を挿通し、それぞれ、アルミニウム製及び銅製のナットを締結した。接続された電極積層体を絶縁テープで固定し、図1の角部Aを全周に亘りレーザー溶接した。その後、注液口5(6mmφ)から電解液としてエチレンカーボネートとジエチルカーボネートを1:1重量比で混合した溶媒に1mol/lの濃度にLiPF6を溶解した溶液を注液した。次に、大気圧下で、仮止め用のボルトを用いて注液口5を一旦封口した。
【0032】
(6)この電池を5Aの電流で4.2Vまで充電し、その後4.2Vの定電圧を印可する定電流定電圧充電を12時間行い、続いて、5Aの定電流で2.5Vまで放電した。
【0033】
(7)該電池の仮止め用ボルトをはずし、再度、4.00×104Pa(300Torr)の減圧下で、12mmφに打ち抜いた厚さ0.08mmのアルミ箔−変性ポリプロピレンラミネートフィルムからなる封口フィルム6を、温度250〜350℃、圧力1〜3kg/cm2、加圧時間5〜10秒の条件で熱融着することにより、注液口5を最終封口し、厚さ6mmの扁平形状のノート型電池を得た。
【0034】
該電池を5Aの電流で4.2V(最大充電電圧V2)まで充電し、その後4.2Vの定電圧を印可する定電流定電圧充電を12時間行い、続いて、5Aの定電流で2.5V(最小放電電圧V1)まで放電し、最大容量Cを確認した。放電容量は27Ah(最大容量C)であった。この電池の容量は100Wh、体積エネルギー密度は265Wh/lであった。
【0035】
(8)上記2.5Vまで放電された電池を5Aで、0.75C、0.70C,0.65Cの容量を充電、5Aで2.5Vまで放電を行うサイクルを100回行った。充電時所定の容量が充電されるまでに最大電圧4.2Vに達した場合、4.2Vの定電圧を印可し充電を行った。100サイクル経過後5Aの電流で4.2Vまで充電し、その後4.2Vの定電圧を印可する定電流定電圧充電を12時間行い、続いて、5Aの定電流で2.5Vまで放電し、電池の容量を確認した。その結果を表1に示す。
【0036】
(比較例1)
実施例1と同様にし電池を組立、最大容量を確認した。その後、2.5Vまで放電された電池を0.2Cに相当する電流で、0.9Cの容量を充電し、0.2Cに相当する電流で2.5Vまで放電を行うサイクルを100回行った。充電時所定の容量が充電されるまでに最大電圧4.2Vに達した場合、4.2Vの定電圧を印可し充電を行った。また、定電圧を12時間以上印可しても所定の容量が充電できない場合、そこで充電を終了し、放電した。100サイクル経過後5Aの電流で4.2Vまで充電し、その後4.2Vの定電圧を印可する定電流定電圧充電を12時間行い、続いて、5Aの定電流で2.5Vまで放電し、電池の容量を確認した。その結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1と同様にし電池を組立、最大容量を確認した。その後、2.5Vまで放電された電池を5Aの電流で4.2V(最大充電電圧V2)まで充電し、その後4.2Vの定電圧を印可する定電流定電圧充電を8時間行い、5Aで容量0.75C、0.70C,0.65Cの容量の放電を行うサイクルを100回行った。放電時所定の容量が放電されるまでに最小電圧2.5Vに達した場合、そこで放電を終了した。100サイクル経過後5Aの電流で4.2Vまで充電し、その後4.2Vの定電圧を印可する定電流定電圧充電を12時間行い、続いて、5Aの定電流で2.5Vまで放電し、電池の容量を確認した。その結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
Figure 0004594540
【0038】
【発明の効果】
以上の通り、本発明に係る充放電方法においては、正極、負極、セパレータ、及びリチウム塩を含む非水系電解質を電池容器内に収容し、厚さが12mm未満の扁平形状であり、エネルギー容量が30Wh以上且つ体積エネルギー密度が180Wh/l以上である非水系二次電池の充放電を行なう際に、前記非水系二次電池の最大作動電圧範囲をV2〜V1(V2>V1)とし、初期状態における前記最大作動電圧範囲で得られる放電容量をCとするとき、V1を基準とし0.8C以下の容量範囲で充放電を行なう。これにより、二次電池のサイクル寿命を大きく延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る蓄電システム用非水系二次電池の平面図及び側面図である。
【図2】図1に示す電池の内部に収納される電極積層体の構成を示す側面図である。
【図3】図2の積層体を構成する正極、負極、及びセパレータの平面図である。
【図4】図1に示す電池の上蓋及び底容器の縦断面図である。
【符号の説明】
1 上蓋
2 底容器
3 正極端子
4 負極端子
5 注液口
6 封口フィルム
101a 正極(両面)
101b 負極(両面)
101c 負極(片面)
104 セパレータ
105a 正極集電体
105b 負極集電体
106a 正極集電片
106b 負極集電片

Claims (6)

  1. 正極、負極、セパレータ、およびリチウム塩を含む非水系電解質を電池容器内に収容し、厚さが12mm未満の扁平形状であり、エネルギー容量が30Wh以上および体積エネルギー密度が180Wh/l以上である非水系二次電池の充放電方法であって、
    前記非水系二次電池の最大作動電圧範囲をV2〜V1(V2>V1)とし、初期状態における前記最大作動電圧範囲で得られる放電容量をCとするとき、V1またはV1近くまで放電された前記非水系二次電池を、充電時に、前記放電容量Cに対して所定の容量C´(ただし、C´≦0.8C)が充電されるまで充電を行い、充電後、所定の容量C´の範囲で放電を行い、これを繰り返すことを特徴とする非水系二次電池の充放電方法。
  2. 前記正極がマンガン系酸化物を主体とすることを特徴とする請求項1に記載の非水系二次電池の充放電方法。
  3. 前記負極は、リチウムをドープおよび脱ドープ可能な物質を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の非水系二次電池の充放電方法。
  4. 前記負極は、黒鉛系材料を主体とすることを特徴とする請求項3に記載の非水系二次電池の充放電方法。
  5. 前記扁平形状の表裏面の形状は、矩形であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の非水系二次電池の充放電方法。
  6. 前記電池容器の板厚は、0.2mm以上1mm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の非水系二次電池の充放電方法。
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