JP4606576B2 - 塗布液供給装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗布液供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、塗布膜厚に対して非常に高い精度を要求される場合、塗布手段としてダイコータが使用されている。
【0003】
そして、従来、前記ダイコータへの塗布液供給手段として一般にはモーノポンプ等の定量供給ポンプが使用されているが、塗布膜厚に対してより高い精度が求められる際には、流量制御精度のよいシリンジポンプが使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ダイコータを用いた塗工装置においてシリンジポンプを用いた塗布液の供給系は、図5、図6に示すように、塗布液Wを貯留した塗布液タンクTと、切換手段3と、ダイコータ1とで構成され、塗布液タンクTから切換手段3を介して一旦シリンジポンプ2に塗布液Wを吸引保持し、切換手段3を切換えてシリンジポンプ2からダイコータ1へ塗布液Wを一定量正確に供給している。
【0005】
前記切換手段3として、(1)ボール弁2個を1組とし、その弁体の開閉により塗布液Wの供給方向を切換える方式と、(2)三方弁を使用して塗布液Wの供給方向を切換える方式とがある。
【0006】
これらの弁は、図7に示すように、いずれも本体4と球状の弁体5とで構成され、本体4と弁体5との間にシール部材6を設けた構造となっている。なお、8,9は流路である(三方弁の場合、流路8がT字となり、本体4に流路9が1つ追加されるだけで、基本的な構成はボール弁と同じである。)。
【0007】
しかしながら、弁体にボールを採用した弁は、弁を全開(図7A)あるいは全閉にした状態における気密性の点で問題がないが、弁を全開状態から全閉状態(あるいは、全閉状態から全開状態)に切換える場合、その途中段階において図7Bに示すように本体4と弁体5とがシールされない状態が形成され、塗布液W内に本体4と弁体5との間に形成される空間7から空気が混入し、気泡の混入した塗布液Wがダイコータ1に送られ塗工不良の原因になるという問題を有していた。
【0008】
また、塗布液W中に固形物が存在するもの(たとえば、PDP用ガラスペースト)では、この固形物が前記空間7に滞留して塊状物を形成し、その一部が流出してダイコータ1のリップ部に引っかかることにより塗布膜にスジ・ムラ等が発生するという問題があった。
【0009】
さらに、いずれの弁においても摺動部を有するため、弁体5の回動によりシール部材6が摩耗し、隙間が生じて気密性が保持できなくなるという問題を有していた。
【0010】
したがって、本発明は前記課題を解決すべくなされたもので、シリンジポンプに切換手段の一部を組込んで、弁の本体と弁体との間に空間が存在せず、かつ、シール部材の摩耗が殆ど生じない塗布液供給装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するために、シリンダと、このシリンダ内を進退するピストンとで構成されるシリンジポンプの前記シリンダのヘッド部に、塗布液を貯留する塗布液タンクに配管を介して連通する塗布液吸引口と、塗工機に配管を介して連通する塗布液供給口とを同一円周上に設ける一方、前記ヘッド部の前記同一円の中心を貫通する切換ロッドを配設し、この切換ロッドの前記シリンダ内に突出する一端部に弁板を設けるとともに、この弁板の前記同一円に対応する円周上に貫通孔を少なくとも1つ設け、前記切換ロッドの他端部にこの切換ロッドを進退および回動させる駆動手段を設けた。
【0012】
また、前記シリンダのヘッド部内面に、前記塗布液吸引口と塗布液供給口とに対応する貫通孔を設けた耐摩耗性部材からなる固定板を設けてもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態を図1および図2にしたがって説明する。
本発明の塗布液供給装置Aは、大略、シリンジポンプ10と切換装置15とからなる。
【0014】
前記シリンジポンプ10は、ヘッド部12を有するシリンダ11と、このシリンダ11内を進退するピストン13とからなる。
【0015】
そして、前記ヘッド部12には塗布液吸引口12aと塗布液供給口12bとが同一円周上に設けられ、前記塗布液吸引口12aは塗布液タンクTに配管P1を介して連通し、他方の塗布液供給口12bはダイコータ1等の塗工機に配管P2を介して連通する。
【0016】
前記切換装置15は、前記ヘッド部12に連結部材14を介して一体に取り付けた駆動手段20と、この駆動手段20の駆動により進退ならびに回動を行う切換弁16とからなる。
【0017】
前記切換弁16は、前記ヘッド部12に設けた塗布液吸引口12aおよび塗布液供給口12bそれぞれの中心を通る円の中心を貫通する切換ロッド17と、このロッド17のシリンダ11内に突出する一端部に固定した弁板18と、この弁板18の前記円に対応する円周上に設けた貫通孔18aとで構成してある。
【0018】
なお、前記ヘッド部12の内面には、塗布液吸引口12aと塗布液供給口12bとに対応する貫通孔19a,19bを有する耐摩耗性部材(たとえばセラミック)からなる固定板19が取り付けてある。
【0019】
また、前記駆動手段20は、図1に示すように、連結部材14を介して前記ヘッド部12に固定した回動手段24と、この回動手段24に一体的に取り付けたシリンダ21とからなり、前記シリンダ21のロッド22は前記回動手段24を貫通して前記切換ロッド17に連結してある。
【0020】
前記回動手段24は、図2、図3に示すように、貫通孔25aを有する本体25の両端面に前記シリンダ21のロッド22が貫通する貫通孔26aを有する蓋体26を配設して前記貫通孔25aを閉塞するとともに、前記本体25の貫通孔25aの所定位置に前記ロッド22を摺動自在で、かつ、回動自在に支持する支持板27を所定間隔で配設してある。なお、前記蓋体26に設けた貫通孔26aとロッド22との間にはシール部材を介在させて、後述する空気の漏れを防止している。
【0021】
また、前記ロッド22に所定長さの溝22aを形成し、この溝22aの軸方向長さより短いはめ込み部23aならびに前記貫通孔25aとロッド22aとの間に形成された環状路をほぼ閉塞する区画部23bを有するT字状のガイド板23を前記溝22aにはめ込んで前記支持板27,27で区画された室をさらに2分している。
【0022】
前記構成を有する駆動手段20のシリンダ21を駆動すると、ロッド22は前記ガイド板23のはめ込み部23aに沿って進退可能となり、また、前記環状路に形成された一方の室にたとえば、所定圧力の空気を供給して他方の室から空気を排出することにより前記ロッド22は回動し、他方の室に空気を供給し、一方の室から空気を排出することで、前記ロッド22は前記説明とは逆方向に回動する。
【0023】
なお、前記駆動手段20は、前記構成のものに限らず、たとえば、市販のロータリシリンダであってもよく、その他、ロッド22を所定量進退,回動させる構成のものであれば前述の駆動手段20や前記ロータリシリンダに限定するものではない。
【0024】
つぎに、前記構成の塗布液供給装置Aの使用方法を説明する。
まず、図1に示すように、回動手段24により弁板18に設けた貫通孔18aがシリンジポンプ10のヘッド部12に設けた塗布液吸引口12aと固定板19の貫通孔19aを介して連通状態となるように回動したのち、シリンダ21の駆動により前記弁板18を固定板19に圧着させてヘッド部12と弁板18とのシール性を高める。
【0025】
その後、シリンジポンプ10のピストン13を後退させて塗布液タンクTから塗布液Wをシリンダ11内に吸引して貯留する。
【0026】
つぎに、シリンダ21を駆動して弁板18の固定板19への圧着を緩めたのち、回動手段24を駆動することによりロッド22を介して切換ロッド17を回動させ、弁板18に設けた貫通孔18aを、前記ヘッド部12に設けた塗布液供給口12bと固定板19の貫通孔19bを介して連通状態とし、再度、弁板18を固定板19に圧着させたのち、塗工条件に応じてピストン13を前進させてシリンダ11内の塗布液Wをダイコータ1に供給するものである。
【0027】
前記実施の形態では、シリンジポンプ10のヘッド部12に耐摩耗性部材であるセラミック製の固定板19を設け、弁板18と圧接する面の平面度を保つようにするとともに、弁板18の回動に際してはシリンダ21を駆動して弁板18と固定板19とを非接触状態にし、ヘッド部12内面が摩耗するのを防止したので、長時間にわたりシール性を維持できる。なお、ヘッド部12の内面の平面度が充分に出ているものであれば、固定板19を省略し、ヘッド部12の内面と弁板18とが直接接触するようにしてもよい。
【0028】
また、前述の説明では、弁板18に貫通孔18aだけを設け、この唯一の貫通孔18aで塗布液吸引口12aと塗布液供給口12bとに対応するものとして説明したが、弁板18の貫通孔は1つに限るものではなく、図4に示すように、たとえば、2つの貫通孔18a、18bを設け、それぞれの貫通孔で塗布液吸引口12aと塗布液供給口12bとへ個別に対応してもよい。これにより、弁板18の回動量を少なくできるので、固定板19あるいは弁板18の摩耗をさらに抑制することができる。
【0029】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、従来の切換手段(ボール弁等)に相当する部分は、弁板とシリンジポンプのヘッド部あるいはヘッド部と一体となった固定板で構成でき、かつ、弁板はヘッド部に平面摺動で、しかも片側押し付け方式であるため、摩耗は少なく、仮に摩耗しても切換板とヘッド部に隙間が生じない。
【0030】
また、前記構成であるため、エアポケット、エアー溜り、塗布液中の固形物等が分離して残留する個所がなく、塗布液の性状が変化することはない。
【0031】
さらに、切換装置は部品数が少なく、構造が簡単なため、分解、組立、部品洗浄を容易に行うことができる。
【0032】
なお、シリンジポンプのヘッド部にセラミック板等の耐摩耗性部材からなる固定板を設ければ、切換板との密着性がよく、シール性が向上し、かつ、塗布液に固形物を含有する場合であっても耐摩耗性が高くなり長期間使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる塗布液供給装置の概略断面図。
【図2】 図1のII−II線断面図。
【図3】 図2のIII−III線断面図。
【図4】 図1のIV−IV線拡大断面図で(a)は中立位置、(b)は塗布液吸引時、(c)は塗布液供給時を示す。
【図5】 従来のシリンジポンプにおける弁装置の概略図。
【図6】 従来のシリンジポンプにおける弁装置の概略図。
【図7】 (A)はボール弁の全開状態の断面図、(B)は半開状態の断面図。
【符号の説明】
1〜ダイコータ、2,10〜シリンジポンプ、11,21〜シリンダ、12〜ヘッド部、12a〜塗布液吸引口、12b〜塗布液供給口、13〜ピストン、14〜連結部材、15〜切換装置、16〜切換弁、17〜切換ロッド、18〜弁板、18a〜貫通孔、19〜固定板、19a,19b〜貫通孔、20〜駆動手段、22〜ロッド、24〜回動手段、W〜塗布液、T〜塗布液タンク、A〜塗布液供給装置、P1,P2〜配管。
Claims (2)
- シリンダと、このシリンダ内を進退するピストンとで構成されるシリンジポンプの前記シリンダのヘッド部に、塗布液を貯留する塗布液タンクに配管を介して連通する塗布液吸引口と、塗工機に配管を介して連通する塗布液供給口とを同一円周上に設ける一方、前記ヘッド部の前記同一円の中心を貫通する切換ロッドを配設し、この切換ロッドの前記シリンダ内に突出する一端部に弁板を設けるとともに、この弁板の前記同一円に対応する円周上に貫通孔を少なくとも1つ設け、前記切換ロッドの他端部にこの切換ロッドを進退および回動させる駆動手段を設けたことを特徴とする塗布液供給装置。
- 前記シリンダのヘッド部内面に、前記塗布液吸引口と塗布液供給口とに対応する貫通孔を有する耐摩耗性部材からなる固定板を設けたことを特徴とする前記請求項1に記載の塗布液供給装置。
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| JP2000401194A JP4606576B2 (ja) | 2000-12-28 | 2000-12-28 | 塗布液供給装置 |
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