JP4609363B2 - コンデンサ型マイクロホン及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体基板を加工して製造されるコンデンサ型マイクロホンに関する。
シリコン基板等の半導体基板を用いたコンデンサ型マイクロホンは、半導体基板上に形成した環状の絶縁層に平板状の固定電極の外周部が固定されることにより、該固定電極が絶縁層の内側に架け渡された状態に支持されるとともに、この固定電極との間に相互間隔をおいて平行にダイヤフラム電極が支持され、該ダイヤフラム電極が音響等によって振動する際の両電極間の相互間隔の変化を両電極間の静電容量変化として検出するものである。
この種のコンデンサ型マイクロホンは、半導体基板とダイヤフラム電極とは同電位とし、ダイヤフラム電極と固定電極との間の静電容量変化を検出するのであるが、固定電極の外周部と半導体基板とが絶縁層を介して対向配置されることになるため、これらの間に寄生容量(浮遊容量)が生じ、該寄生容量が両電極間の静電容量に対して並行に介在して感度低下の原因となることが考えられている。
非特許文献1記載のコンデンサ型マイクロホンでは、固定電極の外周部の一部を細幅に形成し、その細幅部分のみを絶縁層上に固定して、絶縁層上での固定電極の支持部分の面積を小さくすることにより、寄生容量を低減させており、ダイヤフラム電極中央部の振動幅が大きい部分に、固定電極の大部分を対向配置させている。
田島利文、江刺氏正喜ら、マイクロマシン・センサシステム研究会資料、MSS−01−34、「コンデンサ型シリコンマイクロホンの機械特性」、社団法人 電気学会
しかしながら、固定電極における絶縁層上の支持部分では依然として寄生容量が残留している。また、固定電極の支持部分が細幅となるため、その支持部分の剛性が低くなり、このため、両電極間の静電引力によって固定電極が撓み易くなって、いわゆるプルイン電圧が低くなる問題が生じる。このプルイン状態の発生を防止するため、印加されるバイアス電圧を小さくしておく必要が生じ、この制約上、高い感度のものを製作できない問題があった。
本発明は寄生容量を低減して感度を向上させることができるコンデンサ型マイクロホン及びその製造方法を提供する。
本発明のコンデンサ型マイクロホンは、半導体基板に空洞部が形成されるとともに、該空洞部の周囲を囲むように半導体基板上に形成した絶縁層に、その内側空間に架け渡された状態の平板状の固定電極と、該固定電極と相互間隔をおいて平行なダイヤフラム電極とが支持され、圧力変動に対応するダイヤフラム電極と固定電極との間の静電容量変化を検出するコンデンサ型マイクロホンであって、前記半導体基板と該半導体基板に対向状態とされる固定電極の外周部との間に、前記絶縁層の一部が除去されてなる空気層が介在していることを特徴とする。
すなわち、固定電極と半導体基板との間に絶縁物質のない空気層が介在した状態となることから、これら固定電極と半導体基板との間の寄生容量は、空気層の部分の容量が直列状態に介在されたものと等価となり、該空気層の部分の容量は極めて小さいから、結局、寄生容量全体としては小さいものとなる。
この発明の半導体装置において、前記ダイヤフラム電極は、前記絶縁層から内側に張り出す支持梁の内方端部に吊下げ状態に支持されるとともに、該ダイヤフラム電極の半径外方位置に、前記固定電極と半導体基板との間で固定電極の外周部に対向するリング状層が設けられ、該リング状層と半導体基板との間に前記空気層が形成されていることを特徴とする。
このような構成としたことにより、ダイヤフラム電極の外側位置に設けられたリング状層が、固定電極と半導体基板との間に介在して、これらの間を絶縁層の部分と空気層の部分との二つに分離した状態とすることができる。したがって、固定電極と半導体基板との間の寄生容量は、絶縁層の部分の容量と空気層の部分の容量とが直列に接続されたものと等価となり、空気層の部分の容量が小さいことから、全体の寄生容量も小さくなる。
この場合、ダイヤフラム電極とリング状層とを同じ材料から構成することにすれば、半導体基板上に絶縁物質層、その上に導電層を順次積層する技術により、リング状層をダイヤフラム電極と同時に形成することができるとともに、絶縁物質層をウエットエッチングする際にリング状層をエッチングストッパ層として機能させることができ、そのエッチング処理によって効率的に空気層を形成することが可能となる。
つまり、前記空気層に相当する部分に絶縁物質層を形成するとともに、該絶縁物質層よりもエッチング液との親和性の低い材料により前記リング状層を形成しておき、これらをエッチング液に浸漬することにより、前記リング状層との界面まで前記絶縁物質層を除去して前記空気層を形成することができるのである。
本発明の製造方法を順に示すと、次のようになる。
(1) 半導体基板用平板の上に第1絶縁物質層を介してダイヤフラム電極と該ダイヤフラム電極の外側位置でダイヤフラム電極を間隔をおいて囲むリング状層とを形成するとともに、これらダイヤフラム電極及びリング状層の上に第2絶縁物質層を積層し、該第2絶縁物層の上にダイヤフラム電極及びリング状層の内周部に対向する平板状の固定電極とリング状層の内周部からダイヤフラム電極の外周部にかけて対向する支持梁とを形成する積層工程と、
(2) 前記半導体基板用平板の中央部を前記第1絶縁物質層との界面まで除去して前記リング状層の内径より大きい空洞部を有する半導体基板を形成する空洞部形成工程と、
(3) 前記固定電極の外周部から第2絶縁物質層の外周部にかけてこれらを覆うようにレジスト層をリング状に形成しておき、これらをエッチング液に浸漬して両絶縁物質層を部分的に除去するエッチング処理工程とを備え、
前記エッチング処理工程により、前記ダイヤフラム電極と固定電極との間に空隙層を形成するとともに、前記支持梁とダイヤフラム電極との間を連結する連結柱を形成し、一方、前記ダイヤフラム電極を前記空洞部に向けて露出状態とするとともに、前記半導体基板とリング状層との間に空気層を形成することを特徴とする。
本発明のコンデンサ型マイクロホン及びその製造方法によれば、半導体基板と固定電極の外周部との間に空気層を介在したことにより、半導体基板と固定電極との間の寄生容量が低減され、マイクロホンとしての感度を向上させることができる。その際、半導体基板と固定電極との間にリング状層を設けておくことにより、該リング状層をエッチングストッパ層として機能させることができ、空気層形成のための新たな設備導入等が不要で既存の半導体プロセスにより容易に製造することができる。
この発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
このコンデンサ型マイクロホンは、図1に示すように、中央部に空洞部1が形成されたブロック状の半導体基板2の上に、その空洞部1を囲むように環状の絶縁層3が設けられ、該絶縁層3の上面に平板状の固定電極4の外周部が固定され、該固定電極4との間に空隙層5を介して相互に平行にダイヤフラム電極6が支持され、該ダイヤフラム電極6の外側位置に、固定電極4の外周部と半導体基板2との間に配置するようにリング状層7が設けられ、該リング状層7と半導体基板2との間に空気層8が形成された構成とされている。
前記固定電極4は、全体として円形の平板状に形成され、その外周部の一部、図2の例では、周方向に120°ずつ間隔をおいた3箇所に凹部9が形成されるとともに、各凹部9内に固定電極4と若干間隙をあけて舌片状の支持梁11が配置されている。この支持梁11が固定電極4の凹部9内に配置されていることにより、支持梁11と固定電極4との間が屈曲状態のスリット12とされている。そして、前記絶縁層3には、この支持梁11を除く固定電極4の外周部と、支持梁11の外側端部とが固着され、該支持梁11の内方端部が絶縁層3から半径内方に張り出した状態とされている。
一方、各支持梁11の内方端部には、絶縁物質からなる連結柱13を介して前記ダイヤフラム電極6の外周部の3箇所が連結されている。このダイヤフラム電極6は全体として円形状に形成され、前記支持梁11に外周部の3箇所が固定されることにより、該支持梁11から空洞部1に向けて吊下げられた状態に支持されており、外周の一部には、図2及び図3に示すように、半径外方に突出するアーム部14が一体に形成され、該アーム部14の突出端部にランド部15が形成されている。
そして、このダイヤフラム電極6の周囲に前記リング状層7が配置されている。このリング状層7は、ダイヤフラム電極6の前記アーム部14を避けるように一部に切欠き部16が形成されているとともに、ダイヤフラム電極6との間にリング状にスリット17を形成している。
前記固定電極4、ダイヤフラム電極6及びリング状層7は、多結晶シリコン(ポリシリコン)等の導電性の半導体膜によって構成されており、ダイヤフラム電極6は音波によって振動し得る薄膜に形成されるとともに、固定電極4には音波を通過させる複数の通孔18が外周部を除く中央側に均等に分散して形成されている。この場合、図1に示すように、固定電極4、ダイヤフラム電極6、リング状層7は、同一の軸心X上に配置されているとともに、ダイヤフラム電極6とリング状層7とは同一厚さで同一平面上に配置され、また、固定電極4と支持梁11とも同一厚さで同一平面上に配置されている。さらに、図1及び図2に示されるように、固定電極4の外径は、ダイヤフラム電極6の外径よりも大きく設定されるが、ダイヤフラム電極6の外側に配置されているリング状層7の外径よりは小さく設定されている。また、ダイヤフラム電極6の外径は半導体基板2の空洞部1の内径よりも小さく設定され、リング状層7の内径は空洞部1の内径よりも大きくされている。
前記絶縁層3は、半導体基板2の内周部側である空洞部1の周辺部付近を除く外周部側上に環状に積層されているとともに、そのほぼ上半分が下半分より半径内方に張り出しており、その張り出した内周部の上面に前記固定電極4及び支持梁11が固着され、下面に前記リング状層7が固着されている。すなわち、このリング状層7の下方部分が、半導体基板2との間に絶縁物質が介在しない空気層8とされているものである。また、この空気層8は、後述するエッチング処理の進行により、リング状層7の外周縁を超えて、その上側まで若干はみ出して形成されていることにより、リング状層7の外周縁付近にリング状にトンネル部19が形成される。なお、この絶縁層3及び前記連結柱13は同じ絶縁物質として例えば酸化シリコンから構成される。また、前記トンネル部19は必ずしも必要なものではなく、なくてもよい。
また、この絶縁層3には、図2から図4に示すように、ダイヤフラム電極6のアーム部14先端のランド部15に接続状態に外部接続用入力端子21が形成され、該ランド部15の裏面では、図4に示すようにランド部15と半導体基板2とを接続状態とする導通部22が形成されている。
なお、これらの構成は、ここに述べた構造のものに限られるものではない。
次に、このように構成されるコンデンサ型マイクロホンの製造方法について図5を参照しながら説明する。なお、この図5は、製造工程の各段階での断面構造の変遷を表しているが、図2のB−B線で示す支持梁11の部分で断面にした状態の変遷を示している。
(1)積層工程
まず、図5(a)に示すように、半導体基板2となる単結晶シリコン等の基板用平板31の表面にCVD(Chemical Vapor Deposition)等の薄膜形成技術により酸化シリコン(SiO2)等の絶縁物質を堆積して、第1絶縁物質層32を形成する。
次に、第1絶縁物質層32の上にポリシリコン等からなる導電層33をCVD法等により形成する。
そして、この導電層33上にレジストを塗布して露光現像処理を施すことにより、ダイヤフラム電極6及びリング状層7となる部分を覆うレジスト層34を形成し、RIE(Reactive Ion Etching)等でエッチング処理を施して、ダイヤフラム電極6とその周囲のリング状層7とを形成し、しかる後、レジスト剥離液を用いてレジスト層を除去する。この状態では、図5(b)で示すように、ダイヤフラム電極6とリング状層7とは、その間にほぼ環状のスリット17を介して分離された状態となる。
なお、ダイヤフラム電極6のアーム部14においては、ランド部15となる位置の第1絶縁物質層32にスルーホールを形成しておき、このスルーホールを埋めるように導電層33を形成することにより、ランド部15と一体に導通部22が形成される。
次いで、ダイヤフラム電極6及びリング状層7の全体を覆うように酸化シリコン等からなる絶縁物質をCVD法等により堆積して、第2絶縁物質層35を形成する。
さらに、この第2絶縁物質層35の上にポリシリコン等からなる導電層をCVD法等により形成し、この導電層上に固定電極4及び支持梁11となる部分を覆うレジスト層を形成して、RIE等のエッチング処理により通孔18を有する固定電極4及び支持梁11を形成する。これら固定電極4及び支持梁11を形成した後、これらの上に積層されているレジスト層を除去すると図5(c)に示す状態となる。この状態で固定電極4と支持梁11とは、その間に屈曲したスリット12を介して分離された状態となる。
なお、ダイヤフラム電極6のランド部15上では、第2絶縁物質層35にスルーホールを形成し、その上からアルミニウム等のスルーホールメッキによる外部接続用入力端子21を形成する。
(2)空洞部形成工程
次に、図5(c)に鎖線で示すように基板用平板31の裏面側に空洞部1となる中央部を残してレジスト層36を形成し、いわゆる深堀エッチング(Deep RIE)により、第1絶縁物質層32との界面に到達するまで基板用平板31の中央部を除去して、図5(d)に示すように空洞部1を有する半導体基板2を形成する。この空洞部1を形成した後、半導体基板2上のレジスト層36を除去する。
(3)ウエットエッチング処理工程
次いで、図5(e)に示すように、固定電極4の通孔18が形成されている中央部分を除いて、固定電極4の外周部及び支持梁11の外側端部を覆うようにリング状にレジスト層37を形成し、全体をフッ酸等のエッチング液に浸漬してウェットエッチングを施す。
このエッチング処理により、半導体基板2の空洞部1でエッチング液に接触する第1絶縁物質層32が中央部から溶解され、ダイヤフラム電極6が露出してくると、該ダイヤフラム電極6とリング状層7との間のリング状のスリット17からエッチング液が浸入して該スリット17の部分の第2絶縁物質層35を溶解し、反対側では、固定電極4の通孔18及び支持梁11との間のスリット12を介してエッチング液に接触している第2絶縁物質層35がこれら通孔18及びスリット12の部分から溶解する。これら絶縁物質層32、35の溶解は厚さ方向だけでなく、いわゆるサイドエッチングと称される面方向のエッチングも進行する。そして、このエッチング時間を適切に設定することにより、固定電極4とダイヤフラム電極6との間の絶縁物質が除去されて両電極4,6間に空隙層5が形成されるとともに、各支持梁11とダイヤフラム電極6との間に連結柱13が形成され、また、リング状層7の下方に空気層8が形成されるものである。
このように構成されるコンデンサ型マイクロホンは、固定電極4の通孔18を経由して伝達される音圧によりダイヤフラム電極6に振動が生じると、固定電極4とダイヤフラム電極6との間の距離が変化し、その変化に伴う両電極4、6間の静電容量の変化を検出するものである。その際、両電極4、6間の容量に対して、固定電極4と半導体基板2との間の寄生容量も並列に介在し、これらの合成容量に対応する出力となる。
しかしながら、固定電極4と半導体基板2との間にはリング状層7が介在されているため、該リング状層7によって固定電極4と半導体基板2との間が二つに分離した状態となっており、したがって、これら半導体基板2と固定電極4との間の容量は、固定電極4とリング状層7との間の容量と、リング状層7と半導体基板2との間の容量とが直列に接続されたものと等価となる。そのうちリング状層7と半導体基板2との間は空気層8とされていることから、この間の容量は極めて小さいものとなり、結局、固定電極4と半導体基板2との間に生じる寄生容量の総容量は小さいものとなる。
すなわち、図6(a)に示すように、固定電極4とダイヤフラム電極6との間の可変容量をCm、固定電極4の外周部とリング状層7との間の容量をCs1、リング状層7と半導体基板2との間の容量をCs2とすると、これら全体の合成容量Cは、図6(b)にその等価回路を示したように、直列状態のCs1とCs2とが可変容量Cmに並列に存在しているから、C=Cm+Cs1*Cs2/(Cs1+Cs2)で表される。そのうち、空気層8の容量Cs2は、固定電極4とリング状層7との間の絶縁層3の容量Cs1に比べて極めて小さいことから、Cs1*Cs2/(Cs1+Cs2)≒Cs2とすることができ、したがって、合成容量はC≒Cm+Cs2となり、Cs2が極めて小さいことから実質的にCs2の影響を無視することができる。
一方、図7(a)に示すように固定電極4の外周部と半導体基板2との間にリング状層及び空気層を有しない構造の場合は、その間の寄生容量をCsとすると、図7(b)に等価回路を示したように、合成容量C0は、C0=Cm+Csとなって、Csの大きさに左右されることになる。
例えば、図6(a)の固定電極4とリング状層7との間の絶縁層3の厚さをd1、絶縁層3上に固定されている部分の固定電極4の面積をS1、リング状層7と半導体基板2との間の空気層8の厚さをd2、リング状層7のうち半導体基板2上に重なる投影面積をS2とし、図7(a)の固定電極4と半導体基板2との間の絶縁層3の厚さをd0、絶縁層3上に固定されている部分の固定電極4の面積をS0とし、
d1=(1/2)*d0、
d2=(1/2)*d0、
S1=S2=S0とすると、
Cs1=2*Cs、
Cs2=2*(1/3.9)*Cs≒(1/2)*Csとなるから、
合成容量C≒Cm+(1/2)*Csとなって、寄生容量を低減させることができる。
なお、図6(b)及び図7(b)において、符号41は固定電極4からの出力を増幅するインピーダンス変換器、符号42は出力端子を示している。インピーダンス変換器41は、マイクロホンチップとは別の半導体チップに形成してもよいし、マイクロホンチップを搭載する回路基板に組み込んでおいてもよい。
このコンデンサ型マイクロホンは、半導体基板2上に積層されている絶縁層3の一部分に基板の面方向に延びるように空気層8を介在させた特殊な構造であるが、リング状層7を設けたことにより、前述したように、積層工程、ドライエッチング工程、ウエットエッチング工程等、通常の半導体製造プロセス技術で一連の加工をすることができ、特別の設備等を用いることなく容易に製造することができる。
そして、前記空気層8によって寄生容量を低減したことにより、マイクロホンとしての感度を高めることができるのはもちろん、絶縁層3上における固定電極4の外周部の面積を大きくとることができることから、固定電極4の剛性が高くなり、いわゆるプルイン電圧が大きくなる。このため、バイアス電圧を大きくしておくことが可能になり、寄生容量低減との相乗作用により、高い感度のマイクロホンとすることができるのである。
また、ダイヤフラム電極6を支持梁11によって吊下げ状態に支持したことにより、固定電極4とダイヤフラム電極6との間の寄生容量も除外され、より高感度にすることができる。つまり、固定電極と同様にダイヤフラム電極も絶縁層に支持する構造とすると、両電極の外周部間に寄生容量が生じることになって感度低下の一因となるのであるが、ダイヤフラム電極6を絶縁層3から離間させて支持梁11によって吊下げ状態としたことにより、固定電極4との間の寄生容量の問題は生じなくなるのである。このダイヤフラム電極6を吊下げ状態に支持している支持梁11は3箇所以上でもよい。
なお、前記実施形態では、リング状層7をダイヤフラム電極6と同一材料(ポリシリコン)で構成したが、エッチングストッパ層として機能し得るものであれば、ポリシリコン膜でなくとも、フッ酸等のエッチング液に対する親和性が、絶縁層3を構成する絶縁物質(SiO2)よりも低い材料であればよく、窒化膜等も適用可能である。この場合、絶縁層3を構成しているSiO2の誘電率より小さい材料の方が好ましい。
また、リング状層7の位置は、前記実施形態ではダイヤフラム電極6と同一平面上に形成したが、異なる層上に形成してもよい。
本発明の実施形態のコンデンサ型マイクロホンにおける縦断面図であり、図2のB−B線に沿う矢視図である。 図1における固定電極及び支持梁の平面図である。 図1のA−A線に沿う絶縁層部分の平断面図である。 図2のC−C線に沿う外部接続端子部分の矢視断面図である。 この実施形態のコンデンサ型マイクロホンの製造工程を順に示す縦断面図である。 この実施形態のコンデンサ型マイクロホンにおける静電容量を説明するための(a)が縦断面図、(b)が等価回路図である。 比較例として空気層等を有しないコンデンサ型マイクロホンにおける静電容量を説明するための(a)が縦断面図、(b)が等価回路図である。
符号の説明
1…空洞部、2…半導体基板、3…絶縁層、4…固定電極、5…空隙層、6…ダイヤフラム電極、7…リング状層、8…空気層、11…支持梁、12…スリット、13…連結柱、14…アーム部、15…ランド部、16…切欠き部、17…スリット、18…通孔、21…入力端子、22…導通部、31…半導体基板用平板、32…第1絶縁物質層、33…導電層、34…レジスト層、35…第2絶縁物質層、36…レジスト層、37…レジスト層。

Claims (4)

  1. 半導体基板に空洞部が形成されるとともに、該空洞部の周囲を囲むように半導体基板上に形成した絶縁層に、その内側空間に架け渡された状態の平板状の固定電極と、該固定電極と相互間隔をおいて平行なダイヤフラム電極とが支持され、圧力変動に対応するダイヤフラム電極と固定電極との間の静電容量変化を検出するコンデンサ型マイクロホンであって、
    前記半導体基板と該半導体基板に対向状態とされる固定電極の外周部との間に、前記絶縁層の一部が除去されてなる空気層が介在し、
    前記ダイヤフラム電極は、前記絶縁層から内側に張り出す支持梁の内方端部に吊下げ状態に支持されるとともに、該ダイヤフラム電極の半径外方位置に、前記固定電極と半導体基板との間で固定電極の外周部に対向するリング状層が設けられ、該リング状層と半導体基板との間に前記空気層が形成されていることを特徴とするコンデンサ型マイクロホン。
  2. 前記ダイヤフラム電極とリング状層とは同じ材料から構成されていることを特徴とする請求項記載のコンデンサ型マイクロホン。
  3. 請求項又は記載のコンデンサ型マイクロホンを製造する方法であって、
    前記空気層に相当する部分に絶縁物質層を形成するとともに、該絶縁物質層よりもエッチング液との親和性の低い材料により前記リング状層を形成しておき、これらをエッチング液に浸漬することにより、前記半導体基板とリング状層との間の前記絶縁物質層を除去して前記空気層を形成することを特徴とするコンデンサ型マイクロホンの製造方法。
  4. 半導体基板用平板の上に第1絶縁物質層を介してダイヤフラム電極と該ダイヤフラム電極の外側位置でダイヤフラム電極を間隔をおいて囲むリング状層とを形成するとともに、これらダイヤフラム電極及びリング状層の上に第2絶縁物質層を積層し、該第2絶縁物層の上にダイヤフラム電極及びリング状層の内周部に対向する平板状の固定電極とリング状層の内周部からダイヤフラム電極の外周部にかけて対向する支持梁とを形成する積層工程と、
    前記半導体基板用平板の中央部を前記第1絶縁物質層との界面まで除去して前記リング状層の内径より大きい空洞部を有する半導体基板を形成する空洞部形成工程と、
    前記固定電極の外周部から前記第2絶縁物質層の外周部にかけてこれらを覆うようにレジスト層をリング状に形成しておき、これらをエッチング液に浸漬して両絶縁物質層を部分的に除去するエッチング処理工程とを備え、
    前記エッチング処理工程により、前記ダイヤフラム電極と固定電極との間に空隙層を形成するとともに、前記支持梁とダイヤフラム電極との間を連結する連結柱を形成し、一方、前記ダイヤフラム電極を前記空洞部に向けて露出状態とするとともに、前記半導体基板とリング状層との間に空気層を形成することを特徴とするコンデンサ型マイクロホンの製造方法。
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