JP4612280B2 - 自動作業装置及び自動作業装置制御プログラム - Google Patents

自動作業装置及び自動作業装置制御プログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮像装置を備えたロボットや自動車などの自動作業装置及び自動作業装置制御プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、種々の作業を行う自動作業装置が知られている。例えば、商品の生産工場内においては、組立ロボットを使用した部品の組み付けや溶接ロボットによる溶接作業を行っている。従来の組立ロボットなどにおいては、一定位置に流れてくる部品を決まったタイミングで掴み、決まった位置へ組み付けるように予め人が動作をティーチングし、同じ動作を繰り返させている。
しかし、前記した従来の組立ロボットなどは、予めティーチングした一定の動作しかできず、ラインや部品の設計に制限が生じるとともに、部品を一定位置にセットするための作業や自動整列装置などが必要とされる。また、一定の動作で移動している部品を掴むのは、困難であるため、部品を止めた状態で部品を掴む必要があった。
そのため、より高知能化した、移動している物体を自分で見つけ出すことができるとともに、移動している物体に対してタイミングを合わせて作業をすることができる装置が望まれる。
【0003】
一方で、画像処理の技術は、近年盛んに開発されており、移動している物体を捕捉し続ける技術が開示されている。例えば、監視カメラのように、魚眼レンズで撮像した画像から、目標物の3次元位置情報を測位して追尾する装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、魚眼レンズを使用した例ではないが、ボールをカメラで追い続けてその位置を認識して、ビーチボールを打ち返すロボットについても報告されている(例えば非特許文献1参照)
【0004】
【特許文献1】
特開平6−167564号公報
【非特許文献1】
辰野恭市,「人とビーチバレーボールを打ち合うロボット」,日本ロボット学会誌,第18巻,第5号,p.105−111
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、移動する対象物の位置検出のために一般的なステレオカメラシステムを用いた場合、取得する画像の全領域に亘ってほぼ一様な位置精度が得られる反面、視野角が水平方向で60度程度しか得られない。このような狭い視野角のステレオシステムでは、頻繁に様々な方向に移動する対象物を画像内に捉え続けられず、その位置を継続的に検出することは困難である。狭い視野角を補うために、非特許文献1に開示された発明のようにカメラの向きを高速で転回させて対象物を認識し続けようとすれば、高速のカメラ移動が必要であるとともに、複数の対象物を認識するなど、広い範囲の対象物を同時に捉えることが不可能になってしまう。特に、対象物を画像に捕捉し続けるだけでなく、対象物に対する正確な作業も要求される場合、その実現は困難である。
一方、広い視野角を得るために魚眼レンズを用いてステレオシステムを構築する方法もある。しかし、魚眼レンズは、レンズ特性に起因して、周辺視野における対象物の位置の認識精度が低くなってしまう。
このような背景に鑑み本発明がなされたもので、本発明は移動する物体に対する作業であっても正確に行うことができる自動作業装置を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記した課題を解決するため、本発明では、非中心射影レンズを備えた複数の左右に並設された撮像装置により撮像した画像に基づいて対象物の空間上の位置を認識し、所定の作業を行う自動作業装置であって、前記撮像装置の向きを変える撮像装置転回装置と、前記撮像装置で撮像した各画像から対象物を抽出する対象物抽出部と、前記対象物抽出部により認識された各画像における対象物の位置から、対象物の空間上の位置を求める位置認識部と、前記撮像装置で撮像された各画像に対し、周辺部の左右の領域、周辺部の上下の領域、周辺部を除く中央の領域の少なくとも3つの領域を設定し、前記対象物抽出部で認識した対象物が画像上の前記周辺部の左右または上下の領域にある場合には、前記中央の領域で対象物を撮像するように前記撮像装置転回装置で前記撮像装置の向きを変える転回制御部と、前記対象物との距離を変える移動装置とを備え、前記転回制御部が、前記対象物抽出部で抽出された対象物が前記した3つの領域のどこにあるか特定し、前記対象物が前記周辺部の左右の領域または上下の領域にあると認識された場合、前記対象物について位置認識の信頼性が低いと設定する対象物領域認識部を備え、前記対象物が画像上の前記周辺部の左右の領域にある場合には、当該画像における前記対象物の位置情報を所定の作業に利用せずに前記対象物がある方位情報だけを利用し、前記対象物が画像上の前記周辺部の上下の領域にある場合には、当該画像における前記対象物の位置情報を所定の作業に利用せずに前記対象物がある方位情報および前記対象物までの距離情報を利用し、前記中央の領域で対象物を撮像するように前記撮像装置転回装置で前記撮像装置の向きを変え、前記向きを変えた後の前記中央の領域に撮像された前記対象物までの距離、当該対象物の水平位置及び垂直位置を前記位置認識部により求めることで認識した当該対象物の3次元空間上の位置に基づき所定の作業を行い、この作業のために対象物との距離を調整する必要があるときには前記3次元空間上の位置に基づき前記移動装置によって前記対象物との距離を調整して、所定の作業を行うように構成されたことを特徴とする。
【0008】
このような自動作業装置によれば、まず、並設された複数の撮像装置により画像が撮像される。ここでの撮像装置は、中央視野よりも、周辺視野の方が、方位の精度が向上せず、従って周辺視野の方が対象物の位置認識精度が低いような撮像装置、すなわち、正射影型の魚眼レンズなどの非中心射影レンズを備えた撮像装置である。そして、本発明の自動作業装置においては、撮像した画像の周辺部においても方位だけは信頼できることを利用して、対象物が画像の周辺部に有って、その正確な位置は不明な場合でも転回制御部により早期に撮像装置転回装置を動作させ、撮像装置を対象物の方向に転回させることで、より早く対象物を視野の中央付近に捕捉することができる。
【0010】
また、このように、転回制御部は、対象物領域認識部を備えており、抽出された対象物が周辺部の左右の領域または上下の領域にある場合、この対象物領域認識部によって、当該対象物について位置認識の信頼性が低いと設定した上で、対象物が画像上の周辺部の上下の領域にある場合には、中央の領域で対象物を撮像するように撮像装置転回装置で撮像装置の向きを変えることができる。
また、このように構成することで、自動作業装置が対象物の空間上の位置を高い精度で認識するとともに、その対象物との距離を調整した上で自動作業を行うので、高度で正確な作業が可能になる。
また、このように、撮像装置を左右に並べた場合には、画像の周辺部でも、周辺部の上下では、対象物が画面より上下にはみ出している可能性があるため、垂直方向の位置(Z位置)の信頼性は低いものの、水平位置(Y位置)及び左右の画像から計算される対象物までの距離(X位置)は信頼できる。従って、各画像の所定範囲の周辺部の上下の領域では、対象物の水平平面上の位置(X−Y位置)を認識することができる。さらに、周辺部を除く中央の領域においては、X位置、Y位置、Z位置のそれぞれについて高い精度で認識できるため、この範囲に対象物があるときは、その空間上の位置(X位置、Y位置、Z位置)を認識する。
そして、認識した対象物の空間上の位置に基づき、作業のために対象物との距離を調整する必要がある場合には、移動装置により自動作業装置と対象物との距離を調整し、所定の作業を行う。
なお、撮像装置の転回は、対象物が、撮像された画像の周辺部の左右の領域に有ったときはもちろん、周辺部の上下の領域に有ったときに行ってもよい。
【0011】
また、前記対象物抽出部は、予め対象物の基準色を記憶しておき、前記各画像から、この基準色に対応する画素のみを抽出して、対象物を抽出するよう構成することもできる。
対象物の認識においては、前記抽出した画素に対し、連続している画素にそれぞれ同じラベルIDを付し、同じラベルIDを有する画素群を一つの物体と認識するようにしてもよい。
【0012】
また、前記対象物が球形の場合においては、対象物か否かを次のように判断するのが好ましい。すなわち、前記対象物抽出部は、前記各画像から抽出された基準色に対応する画素群の縦の視角と横の視角との比を計算し、この比が所定範囲内か否かで、前記画素群が対象物か否かを判断するのが好ましい。また、前記対象物抽出部は、前記各画像から抽出された基準色に相当する画素群の縦の視角と横の視角により区画された領域中の、前記画素群の充填率が所定範囲内か否かで、前記画素群が前記対象物か否かを判断するのが好ましい。
特に、球形の場合には、縦の視角と横の視角の比は、1に近い値になるので、対象物か否かを判断することができる。また、ここで画素数ではなく、視角を用いることで、画像フレームの隅の方に対象物が撮像されて、円形から歪んでいる場合でも、正しく対象物か否かを判断することができる。さらに、充填率、すなわち、縦の視角と横の視角で区画される矩形領域中の画素群の割合から判断することで、たまたま縦の視角と横の視角の比が1に近いだけの円形から外れた矩形や輪形の画素群を排除して、正確に対象物を把握することが可能になる。
【0013】
また、基準色を設定する際には、前記対象物を撮像してその色をサンプリングし、このサンプリングした色をCr−Cb空間上にプロットし、プロットされた空間上の領域のうち、ほぼ無彩色を示す原点に伸びる所定領域を除いて決定するのが好ましい。
このようにすることで、サンプリング時の照明の反射により発生した無彩色の成分を除去して、その対象物本来の色を基準色とすることができる。
【0016】
また、本発明の自動作業装置制御プログラムは、非中心射影レンズを備えた複数の左右に並設された撮像装置と、前記撮像装置の向きを変える撮像装置転回装置と、前記対象物との距離を変える移動装置とを備えて、前記撮像装置により撮像した画像に基づいて認識した対象物に対し所定の作業を行う自動作業装置を制御するためのコンピュータプログラムであって、前記撮像装置で撮像した各画像から対象物を抽出する対象物抽出手段と、前記対象物抽出手段により認識された各画像における対象物の位置から、対象物の空間上の位置を求める位置認識手段と、前記撮像装置で撮像された各画像に対し、周辺部の左右の領域、周辺部の上下の領域、周辺部を除く中央の領域の少なくとも3つの領域を設定し、前記対象物抽出手段で認識した対象物が画像上の前記周辺部の左右または上下の領域にある場合には、前記中央の領域で対象物を撮像するように前記撮像装置転回装置で前記撮像装置の向きを変える転回制御手段と、前記中央の領域に撮像された前記対象物までの距離、当該対象物の水平位置及び垂直位置を前記位置認識手段により求めることで認識した当該対象物の3次元空間上の位置に基づき、作業のために対象物との距離を調整する必要があるときに前記対象物との距離を調整する移動制御手段と、前記位置認識手段が認識した対象物に対し前記3次元空間上の位置に基づき所定の作業を行う作業制御手段として機能させると共に、前記転回制御手段が、前記対象物抽出手段で抽出された対象物が前記した3つの領域のどこにあるか特定し、前記対象物が前記周辺部の左右の領域または上下の領域にあると認識された場合、前記対象物について位置認識の信頼性が低いと設定する対象物領域認識手段として動作する機能を備えると共に、前記対象物が画像上の前記周辺部の左右の領域にある場合には、当該画像における前記対象物の位置情報を所定の作業に利用せずに前記対象物がある方位情報だけを利用し、前記対象物が画像上の前記周辺部の上下の領域にある場合には、当該画像における前記対象物の位置情報を所定の作業に利用せずに前記対象物がある方位情報および前記対象物までの距離情報を利用し、前記中央の領域で対象物を撮像するように前記撮像装置転回装置で前記撮像装置の向きを変えることを特徴とする。
【0017】
これらの本発明は、ボールを打つことや、組立ラインにおけるワークの取り扱い、操舵、減速及び加速を含む車両の運転などに応用することができる。これらの自動作業では、ボールが動いたり、ワークが組立ライン上を流れたり、並行して走っている車両や対向車両を認識したりした上で、何らかのアクションをする必要があるので、本願発明を好適に利用することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら説明する。
本実施形態では、自動作業装置として、人間型ロボットを取り上げ、作業の内容としては、手で風船を上に繰り返し打ち上げる場合(=バルーンプレー)で説明する。
図1は、本実施形態の人間型のロボットRの外観図である。図1に示すように、ロボットRは、人間と同じように2本の脚部R1により起立、歩行し、上体R2、腕部R3、頭部R4を有し、自律して歩行するロボットである。そして、ロボットRは、これらの脚部R1、上体R2、腕部R3、頭部R4の動作を制御する制御装置搭載部R5を背負う形で背中に備えている。頭部R4には、後記するCCD(Charge-Coupled Device)カメラ43が備えられている(図2,3参照)。
【0019】
図2は、ロボットRを動作させるための主な内部構造を示した斜視図である。
なお、図2においては、説明の便宜のためにすべての関節はそれを駆動する電動モータにより示してある。
図2に示すように、ロボットRは、左右の脚部R1にそれぞれ6個の関節11R(L)〜16R(L)を備えている。左右12個の関節は、股部に設けられた脚回旋用(Z軸まわり)の股関節11R,11L(右側をR、左側をLとする。以下同じ。)、股部のピッチ軸(Y軸)まわりの股関節12R,12L、股部のロール軸(X軸)まわりの股関節13R,13L、膝部のピッチ軸(Y軸)まわりの膝関節14R,14L、足首のピッチ軸(Y軸)まわりの足関節15R,15L、足首のロール軸(X軸)まわりの足関節16R,16Lから構成されている。そして、脚部R1の下には足部17R,17Lが取り付けられている。
【0020】
すなわち、脚部R1は、股関節11R(L),12R(L),13R(L)、膝関節14R(L)、足関節15R(L),16R(L)を備える。股関節11〜13R(L)と膝関節14R(L)は大腿リンク51R、51Lで、膝関節14R(L)と足関節15〜16R(L)は下腿リンク52R,52Lで連結されている。
【0021】
脚部R1は、股関節11R(L)〜13R(L)を介して上体R2に連結される。図2では、脚部R1と上体R2との連結部を上体リンク53として簡略化して示す。上体R2には腕部R3及び頭部R4が連結されると共に、上体R2を回旋させるための重力軸(Z軸)まわりの関節21も設けられている。なお、脚部R1及びこれを制御する制御ユニット100が、特許請求の範囲にいう移動装置に相当する。
【0022】
腕部R3は、肩部のピッチ軸(Y軸)まわりの肩関節31R,31L、肩部のロール軸(X軸)まわりの肩関節32R,32L、腕部R3を回旋させるための重力軸(Z軸)まわりの肩関節33R,33L、肘部のピッチ軸(Y軸)まわりの肘関節34R,34L、手首を回旋させるための重力軸(Z軸)まわりの腕関節35R,35L、手首のピッチ軸(Y軸)まわりの手首関節36R,36L、および同ロール軸(X軸)まわりの関節37R,37Lから構成される。手首の先にはハンド38R,38Lが取り付けられている。
【0023】
すなわち、腕部R3は、肩関節31R(L),32R(L),33R(L)、肘関節34R(L)、腕関節35R(L)、手首関節36R(L)を備えている。肩関節31〜33R(L)と肘関節34R(L)は、上腕リンク54R(L)で、肘関節34R(L)と手首関節36R(L)は下腕リンク55R(L)で連結されている。
なお、図示の便宜上、図2において右の腕部R3は、肘関節34Rで約90度回転させている。
【0024】
そして、頭部R4は、頭部R4のチルト角を変更する首関節41と、パンを変更する首関節42とを有している。そして、頭部R4には、魚眼レンズ43a,43aを備えたCCDカメラ43,43が左右に並んで設けられている。CCDカメラ43,43は、魚眼レンズ43a,43aにより、水平方向に約180度の広い視野で頭部R4前方の外界を撮像することができる。また、CCDカメラ43,43は、首関節41,42の回動により、撮像する向きを転回することが可能である。すなわち、CCDカメラ43,43は、特許請求の範囲にいう撮像装置に相当し、首関節41及び首関節42が撮像装置転回装置に相当する。
【0025】
このような構成により、脚部R1は左右の足について合計12の自由度を与えられ、歩行中にこれらの6*2=12個の関節を適宜な角度で駆動することで、足全体に所望の動きを与えることができ、任意に3次元空間を歩行させることができる(この明細書で「*」は乗算を示す)。また、腕部R3も左右の腕についてそれぞれ7つの自由度を与えられ、これらの関節を適宜な角度で駆動することで所望の作業を行わせることができる。
【0026】
尚、図2に示す如く、足関節の下方の足部17R(L)には公知の6軸力センサ61が設けられ、ロボットに作用する外力のうち、床面からロボットに作用する床反力の3方向成分Fx,Fy,Fzとモーメントの3方向成分Mx,My,Mzとを検出する。
【0027】
さらに、手首関節とハンド38R(L)の間には同種の6軸力センサ62が設けられ、ロボットに作用するそれ以外の外力、特に作業対象物から受ける前記した対象物反力の3方向成分Fx,Fy,Fzとモーメントの3方向成分Mx,My,Mzとを検出する。
【0028】
また、上体R2には傾斜センサ63が設置され、重力軸に対する傾きとその角速度を検出する。また各関節の電動モータは、その出力を減速・増力する減速機(図示せず)を介して前記した大腿リンク51R(L)、下腿リンク52R(L)などを相対変位させると共に、その回転量はロータリエンコーダ(図示せず)によって検出される。
【0029】
図1に示した制御装置搭載部R5には、制御ユニット100などが収納され、制御ユニット100には、CCDカメラ43,43が撮像した画像のデータ、及び前記した各センサ61〜63などの出力(図示の便宜のためロボットRの右側についてのみ破線で図示)が送られる。また、各電動モータは制御ユニット100からの駆動指示信号により駆動される。
【0030】
次に、図3を参照しながらロボットRの構成を説明する。図3は、ロボットRのブロック図を示す。図3に示すように、ロボットRは、制御装置搭載部R5に収納された制御ユニット100が制御の中心をなす。制御ユニット100は、各部に配置されたセンサから信号が入力され、入力された検出値に基づいてロボットRの行動を決定した上で、各関節などの駆動制御値を算出し、各関節などを動作させる。
【0031】
制御ユニット100は、中央制御装置(CPU)101、記憶装置102、入出力インタフェース(I/F)103を有するコンピュータであり、記憶装置102に格納されたプログラムに沿って入力された情報を処理することにより、後記する各機能を実行する。
【0032】
脚部R1には、前記した各関節11R(L)〜15R(L)と、6軸力センサ61が備えられ、6軸力センサ61の検出信号は、制御ユニット100に入力され、各関節11R(L)〜15R(L)は、制御ユニット100により駆動される。
【0033】
上体R2には、前記した関節21、傾斜センサ63に加え、バッテリ25が備えられている。バッテリ25の電力は、制御ユニット100を介して各関節に供給されている。また、傾斜センサ63の検出信号は、制御ユニット100に入力され、関節21は、制御ユニット100により駆動される。
【0034】
腕部R3には、前記した関節31R(L)〜37R(L)、ハンド38R(L)、6軸力センサ62が備えられている。6軸力センサ62の検出信号は、制御ユニット100に入力され、関節31R(L)〜37R(L)、ハンド38R(L)は、制御ユニット100により駆動される。
【0035】
頭部R4には、前記した首関節41,42に加え、センサとしてのCCDカメラ43、ジャイロセンサ44などが備えられている。ジャイロセンサ44は、姿勢の制御などに利用される。
これらのセンサ情報に基づき、ロボットRは3次元空間における自己位置を認識することができる。このため、ロボットRでは画像上の座標とロボットR自身が持つ3次元上の座標とがリンクされる。なお、制御ユニット100によるロボットRの歩行制御は、例えば、本出願人が出願した特開平10−217161号公報に開示された技術を用いて実現される。
【0036】
図4は、本発明の要部に相当するハードウェア構成を示したブロック図である。制御ユニット100は、大きく画像処理用コンピュータ100aと、行動制御用コンピュータ100bとに分かれており、これらの間が、通信用の光ケーブル107で通信可能に接続されている。
画像処理用コンピュータ100aは、動画像取り込み装置であるフレームグラバ105と、画像CPU101aと、通信ボード109aを有し、これらがバスラインBL1に接続されている。
また、行動制御用コンピュータ100bは、通信ボード109bと、制御CPU101bとを有し、これらがバスラインBL2に接続されている。
前記したCCDカメラ43,43は、右CCDカメラ43Rと、左CCDカメラ43Lとからなり、これらがそれぞれフレームグラバ105に接続されている。フレームグラバ105は、右CCDカメラ43R及び左CCDカメラ43Lで撮像した画像をディジタル化して取り込み、画像CPU101aに画像データを渡し、画像CPU101aで処理された処理後の画像データが通信ボード109a、光ケーブル107を介して行動制御用コンピュータ100bに送信される。
行動制御用コンピュータ100bは、通信ボード109bから前記処理後の画像データが入力され、制御CPU101bにおいて、この処理後の画像データに基づき、移動、風船打ち上げなどの行動を決定し、サーボアンプ108・・・を介して各関節21,31・・・の電動モータを駆動する。
【0037】
図5は、ロボットRを機能的に示したブロック図である。
図5に示すように、ロボットRの制御ユニット100は、CCDカメラ43,43で撮像した画像から対象物の位置を認識する画像処理部110と、画像処理部110が出力した対象物の位置に基づき、次の行動を決定する主制御部120と、主制御部120が決定した行動に基づき、実際に脚部R1を動かす移動制御部131と、上体R2及び腕部R3を動かす作業制御部132と、頭部R4を動かす頭部制御部133とを備えている。
【0038】
そして、画像処理部110は、画像入力部111と、対象物抽出部112と、距離演算部113と、水平位置演算部114と、垂直位置演算部115と、対象物領域認識部116とを有する。
ここで、本実施形態での画像処理の概略を説明する。
図6は、画像処理の概略を示したフローチャートである。図6において、フローチャートの左側及び右側には、処理されている左画像及び右画像の例を示している。
図6に示すように、まず、右CCDカメラ43Rと、左CCDカメラ43Lでそれぞれ右画像と左画像を撮像する(S101)。左画像L101、右画像R101には、それぞれ中央付近に風船BLが大きく撮像され、風船BLのまわりに、背景が撮像されている。背景は、室内であり、天井Cには、3列の照明(蛍光灯)LTが配列されており、左前方には四角い柱PLが立っている。左画像L101と、右画像R101とでは、視差が生じるため、左画像L101では、風船BLの位置が右画像R101に比較して右側に寄って撮像されている。
そして、基準となる色空間に含まれる画素のみを抽出することで対象物領域の抽出を行う(S102)。次に、一つのかたまりとして認識される部分を検出し、それぞれのかたまり部分にラベル付け(ラベリング処理)する(S103)。次に、ラベリングされたそれぞれの認識物体の形状が風船のものか否かを判定する形状判定を行い、本実施例の作業対象物である風船BLを特定する(S104)。最後に、右画像、左画像のそれぞれから認識された風船BLの画像中の位置から、風船BLの3次元位置を計算する(S105)。
【0039】
図5の画像入力部111は、前記したフレームグラバ105に相当し、左右に並んだ右CCDカメラ43Rと、左CCDカメラ43Lから動画像をフレーム単位(画像)で取り込み、対象物抽出部112へ出力する機能を有する。
【0040】
対象物抽出部112は、画像入力部111から出力された画像から、作業の対象物である風船BLの画像を抽出する。本実施の形態においては、風船BLの色に基づき風船BLを特定するため、自動作業をする前の準備処理として、作業対象である風船BLの色を予め覚えさせておく。
【0041】
(色の記憶)
風船BLの色を覚えさせる方法は次のようにして行う。
まず、図7に示すように、風船BLの全体が撮像できるように、CCDカメラ43の視野の中心付近で風船BLを撮像する。そして、風船BL以外の部分を含まないように風船BLの中央付近の矩形領域Sでサンプリングする。矩形領域Sの面積や形状、サンプリング位置は、風船BLのサイズや色、作業空間の照明LTなどの条件に応じて、ロボットRが高速かつ詳細に風船BLを検出できるように適宜設定される。サンプリングしてYCrCb空間で得た各画素の色情報を、Cr−Cb空間上にプロットすると、図8の標本風船色領域CSのようになる。なお、図8の例では、水色の風船BLの場合について示している。図8のようなCr−Cb空間上では、原点に近付くほど無彩色になる。そして、CCDカメラ43の特性上、明るい画素ほど、色が薄くなるので、風船BL上で照明LTの光が映っている画素部分は、薄い色となり、図8のCr−Cb空間上では原点に近い位置にプロットされる(図8の領域CN)。つまり、標本風船色領域CSのうち、原点に近付くように伸びている領域CNは、照明を反射している画素部分であり、作業対象である風船BLの基準色としては採用しない方が良い。仮に領域CNを含めて風船の基準色空間を設定すると、自動作業中、画像フレーム内において領域CNと同等の色を有する、風船以外のノイズ部分が大量に抽出されてしまう。また、風船BLは、照明LTとの関係上、その位置により色が微妙に変化する。さらに、風船BLは、半透明であり、透けて見える向こう側の物体の色も混じるため、無彩色方向以外の色については、基準色空間として若干広めに採用する方がよい。従って、図8の基準風船色領域CBのように、標本風船色領域CSに対し、無彩色方向は捨て、その他の方向は広めに採取した領域の色分布を風船BLの色として記憶させる。
なお、基準風船色領域CBは、標本風船色領域Csや作業空間の状況などに応じて、ロボットRが高速かつ高詳細に風船BLを検出できるように適宜設定される。また、予め覚えさせておく対象物(風船BL)の色は、1色に限らず、様々な色の風船の色を覚えさせておき、複数の風船を自動的にロボットRが打ち上げられるようにしてもよい。
【0042】
(対象物領域の抽出)
図6のステップS102に示すように、自動作業時に対象物領域を抽出するときは、入力された画像から記憶した基準風船色領域 の色と同じ色(これを、「基準風船色」(特許請求の範囲の基準色に相当)とする。)を有する画素のみを抽出する。基準風船色を有する画素を抽出した例が図9である。図9に示すように、ほぼ円形の風船BLの形状が抽出されるが、風船BLに照明LTが映り込んだ部分(図8の領域CNに相当)は切欠状に欠けて抽出されている。また、風船BL以外の部分でも、基準風船色領域 の色と同じ色に撮像された部分(蛍光灯上、基準風船色に相当する画素が得られた部分)がノイズとして抽出されている。
【0043】
(ラベリング処理)
次に、基準風船色に従って、抽出された(ここでは、「色がある」という)画素について、互いに連結した画素を一領域としてラベルIDをつける。この処理は、注目する画素に色がある場合で、隣接する8画素(左上、上、右上、左、右、左下、下、右下)に色が無い場合には、その注目画素に新しいラベルIDをつける。そして、注目する画素に色があり、隣接する8画素にも色がある場合には、その注目画素に隣接する画素が有するラベルIDと同じラベルIDをつける。また、注目する画素に色があり、隣接する8画素のうち、2つ以上の画素に色があり、その隣接する画素に付けられたラベルIDが互いに異なっている場合には、注目画素と、前記隣接する画素のすべてに同じラベルIDをつける。
【0044】
このラベリング処理を、具体的に図10を参照しながら説明する。図10においては、四角形で画素を示し、色がある画素を斜線で示す。画素は、縦横のマトリックスに配置されており、画面の左上に位置する画素から順にラベリング処理を行っていく。図10(a)に示すように、注目画素(0,0)だけに色があり、注目画素の周囲(上、左)の画素に色がない場合には、その画素に新たなラベルIDをつける。
図10(b)に示すように、注目画素(0,0)に色があり、注目画素の上の(−1,−1)、(0,−1)、(1,−1)のいずれかに色があって左隣(−1,0)に色がない場合には、上の色がある画素のラベルIDと同じラベルIDを注目画素につける。
図10(c)に示すように、注目画素(0,0)の上の(−1,−1)、(0,−1)、(1,−1)のいずれにも色がなく、左隣(−1,0)に色がある場合には、左隣のラベルIDと同じラベルIDを注目画素につける
図10(d)に示すように、注目画素(0,0)の上の(−1,−1)、(0,−1)、(1,−1)のいずれかと、左隣(−1,0)に色があり、それぞれのラベルIDが同じ場合には、それらと同じラベルIDを注目画素につける。
図10(e)に示すように、注目画素(0,0)の上の(1,−1)に色があり、それぞれのラベルIDが異なる場合は、(1,−1)と同じラベルIDが付いている画素は、すべて左隣のラベルIDと同じラベルIDにつけ直す。この図10(e)の場合の処理により、例えばU字型の領域のように、上で二手に分かれている1つの領域について、同じラベルIDを付すことができる。なお、画像フレーム内においていずれかの領域にも属さない画素には画素値「0」が付与される。
こうした処理を全画素について行うことにより、互いに連結した画素は一領域として同じラベルIDがつけられる。
【0045】
(形状判定)
次に、ラベルIDがつけられた領域について、およその形状を判定し、風船BLとして不適切な領域を取り除く。風船BLは一般に円形をしていることから、判定には「縦の視角と横の視角の比」及び「縦と横の矩形領域に対する色のある画素の充填率」を利用する。
すなわち、同じラベルIDがつけられた領域の縦方向の大きさ(視角)と、横方向の大きさ(視角)の比をとり、この比が1に近い所定の範囲内、例えば、0.8以上、1.2以下であれば、風船BLの可能性があると判定し、所定の範囲外であれば、風船BLの可能性はないと判定して、ラベルIDを抹消する。例えば、図11(a)に示すように、縦長の楕円であれば、視角の比が1から大きく外れるので、風船BLではないと判定され、ラベルIDが抹消される。ただし、大きさは画素数ではなく、視角により認識されるので、画像フレームの隅の方に寄って風船BLが撮像された場合には、画像上ではつぶれて楕円に見えるが、視角により認識した大きさからは、正しく縦横の比が1に近く認識される。
そして、前記した縦方向の大きさと、横方向の大きさで形成される矩形領域内の画素数に対する、ラベルIDがつけられた領域の画素数の割合を求め、この割合が所定範囲内、例えば0.68以上、0.88以下であれば、風船BLであると判定し、所定範囲外であれば、風船BLでないと判定してラベルIDを抹消する。このような処理をすることで、例えば、図11(b)に示した、長軸が斜め45度傾いた楕円や、(c)に示したリング状の円は、縦横比は1であるが、風船BL以外の物として除去され、風船BLの領域だけが抽出される。
なお、縦横比や充填率のしきい値は、作業対象物の形状や作業空間の状況などに応じて適宜設定される。
【0046】
図5に示す距離演算部113、水平位置演算部114、及び垂直位置演算部115は、それぞれ、対象物とCCDカメラ43(ロボットR)との距離、CCDカメラ43(ロボットR)から対象物を見た水平位置、及び垂直位置を求める部分であり、これらの演算部113〜115が、特許請求の範囲にいう位置認識部に相当する。
【0047】
(対象物位置の計算)
そのため、まず、抽出された風船BLの領域の画像上の中心位置を求める。中心位置は、形状判定により得られた風船領域の上端と下端の平均、及び左端と右端の平均の座標とする。次に、中心位置により特定されるCCDカメラ43から風船(中心位置)の方向(中心方向)を求める。中心方向は、図12に示すように、右CCDカメラ43Rについては、光軸MRからの水平方向の角度αと、光軸MRからの垂直方向の角度γにより定義される(ベクトルD)。また、左CCDカメラ43Lについては、光軸MLからの水平方向の角度αと角度γにより定義される(ベクトルD)。但し、予め画像フレーム上の各画素の位置と、CCDカメラ43の光軸からの角度の対応関係をテーブル(これを「キャリブレーションデータ」という。)にして記憶しておく。
そして、自動作業時には、右CCDカメラ43Rと、左CCDカメラ43Lのそれぞれで撮像した画像上の中心位置から前記キャリブレーションデータを参照して、ベクトルD,Dを特定する。
この中心の方向は、図で示すと図12のベクトルD,Dのようになる。
そして、図12に示すように、次の式(1)〜(3)により風船位置(Px,Py,Pz)を求める。
Px=(xtanα−y−xtanα+y)/(tanα−tanα) ・・・(1)
Py=(Px−X)tanα+y ・・・(2)
Pz=(Px−X)tanγ+z ・・・(3)
但し、
(x,y,z):右CCDカメラ43Rの位置
(x,y,z):左CCDカメラ43Lの位置
α:ベクトルDの右CCDカメラ43Rの光軸MRからの水平方向の角度
γ :ベクトルD終点とX座標およびZ座標の値が同じであってY座標の値がy である点を終点として右CCDカメラ43Rの位置を始点とするベクトルの右CCDカメラ43Rの光軸MRからの垂直方向の角度
α:ベクトルDの左CCDカメラ43Lの光軸MLからの水平方向の角度
とする。
【0048】
なお、風船BLの候補として抽出される領域は必ずしも一つとは限らないため、同じ色で複数の風船BLの候補領域が抽出された場合には、すべての領域について中心方向のベクトルを求め、左右の画像のすべての中心方向のベクトルについて組合せを作り、そのベクトル方向の直線間の距離を求める。そして、直線間の距離が所定の誤差範囲内にある組合せを選択する。例えば、右画像でRA,RBの2つの候補領域があり、左画像でLA,LBの2つの候補領域があった場合、RA−LA,RA−LB,RB−LA,RB−LBの組合せを作り、この組合せの候補領域について、左右の各CCDカメラ43,43から各領域へ向かう直線間の距離を求める。そして、その結果が、それぞれ0.5m,0.01m,0.01m,0.5mだったとすると、正しい組合せとして、RA−LBと,RB−LAが選択される。
この処理によっても、風船BLが一つに決まらない場合には、さらに、前記した形状判定の条件を円形に近いもののみにするように厳しくして絞り込むと良い。
【0049】
本実施の形態では、以上のような方法により図5に示すような距離演算部113、水平位置演算部及び垂直位置演算部115を実現しているが、他の方法によりこれらの機能部を実現することもできる。たとえば、風船BLの抽出画像について、画像の歪み補正を行い、各画素の座標の算術平均をとって重心座標を求め、これを風船BLの中心位置とすることもできる。
そして、風船BLの距離(X位置)を、右画像と左画像で認識した風船BLの視差から求めることもできる。
【0050】
図5に示す対象物領域認識部116は、画像フレームを周辺部の左右の領域(「左右領域」とする)、周辺部の上下の領域(「上下領域」とする)、及びこれらの周辺部を除く中央の領域(「中央領域」とする)の3つに分け、対象物である風船BLが、前記3つの領域のどの領域に位置するかを特定する。
このように、対象物の位置する領域を特定するのは、魚眼レンズが、周辺視野に行くほど、対象物の位置の認識精度が落ちるからである。図13は、これを説明する図である。図13のグラフは、横軸にカメラの光軸からの角度をとり、縦軸に2つのカメラで撮像した画像から、対象物までの距離を計算したときの画像一画素分の違いによって生じる算出距離の誤差をプロットしたものである。図13に示すように、中心射影広角レンズの場合には、光軸からの角度が大きくなっても、距離の誤差には影響しないが、本実施形態で使用しているような正射影魚眼レンズの場合には、光軸からの角度が40度を超えた辺りから急激に誤差が大きくなる。そのため、本実施形態の自動作業装置では、画像の周辺部では、その対象物が光軸に対し、上にあるとか、右にあるなどという意味での方位は信頼できるが、空間上の位置(X位置、Y位置、Z位置)は、相対的に信頼性が低い。そこで、本発明では、画像フレーム内の領域に応じて、撮像された対象物の空間位置まで算出し、その情報を自動作業に利用するか、方位情報だけを利用するかを使い分けている。
【0051】
より具体的には、次のように位置認識精度の信頼性に応じた領域設定をしている。図14に示すように、魚眼レンズ(CCDカメラ43)で撮像した画像は、もともと円形の画像領域で、画像フレーム上はその上下が欠けた範囲で取り込んでいる。そして、左右領域AHにおいては、対象物がある方位だけを信頼して、対象物までの距離については信頼しない。
また、上下領域AVにおいては、対象物がある方位と、対象物までの距離を信頼し、垂直位置(Z位置)については信頼しない。ここで、対象物までの距離を信頼するのは、CCDカメラ43が左右に並んで2つ配置されており、距離は両カメラの水平角により捉えられるものであり、かつ、水平角を求める元になる対象物の水平位置については信頼できるからである。
そして、中央領域ACにおいては、対象物がある空間上の位置(X位置、Y位置、Z位置)を信頼する。なお、前記した3つの領域に加えて、対象物の位置特定には使えない最も外側の周辺視野部を視野外部ANとする。
中央領域ACと上下領域AV若しくは左右領域AHとの境界は、CCDカメラ43の光軸から25度〜35度の範囲に設定するのが望ましい。なぜなら、本実施形態の作業において必要な距離精度は、サブピクセルの処理をしたときに1cmであり、1画素当たりでは約5cmに相当するからである(図13の角度30度付近を参照のこと)。なお、本発明で使用する魚眼レンズに関し、図14に示す各領域(イメージサークル)は、その大きさと位置を変更できる。
ここで、図14の領域ACを広くして領域ANが外側に位置しすぎると、魚眼レンズの周辺部、特に上下方向にある風船BLの探知が困難になる。一方、領域AC,AH,AV,ANを小さくしすぎて魚眼レンズによる視野が図14の矩形画像フレームに略円形に収まるようにしてしまうと、上下の視野角は広がるが、位置精度が高い領域ACの面積が小さくなってしまう。従って、領域AC,AH,AV,ANの設定態様は、魚眼レンズの特性、要求される作業精度、作業対象の動作特性などに応じて適宜設定される。
本実施形態では、図14に示すように下方への視野を広く設定している、これは、照明LTによる悪影響の除去、落下している風船の不必要な探索の防止、ロボットRに非常に接近した風船に対する正確な打ち上げ作業の実現などのためである。
【0052】
(対象物領域の認識方法)
次に、対象物である風船BLがどの領域にあるかの認識方法について説明する。
まず、風船として抽出された領域を構成する各画素について、各領域ごとの画素数を数える。例えば、
1)視野外部AN 2画素
2)左右領域AH 10画素
3)上下領域AV 20画素
4)中央領域AC 100画素
であったとする。この時1)〜3)で最大の画素数を有している領域を仮の風船存在領域にする。この例の場合、3)の上下領域AVが仮の風船存在領域となる。
次に、仮の風船存在領域内の画素数を風船全体の画素数で割った値を求める。
この例の場合、
20/(2+10+20+100)=0.15
で0.15を得る。
さらに、この値が、各領域で予め決められた所定値以下の場合には、中央領域ACを風船存在領域とし、所定値以上の場合には、仮の風船存在領域を真の風船存在領域とする。この所定値としては、例えば、1)で0.1、2)で0.2、3)で0.4という値を利用できる。本実施形態の場合、3)で0.15なので、0.15<0.4より、風船BLが中央領域ACにあると特定できる。なお、この所定値は、検出位置精度や検出限界距離等に応じて適宜設定される。
そして、対象物領域認識部116(図5参照)で特定された領域を領域特定信号ASとして、主制御部120へ出力する。
【0053】
なお、この対象物領域の特定方法は、このような方法に限らず、例えば、抽出された画像上の対象物の重心が、どの領域に有るかで特定することもできる。
【0054】
図5に示す主制御部120は、信号選択部121と、行動決定部122とを有する。
【0055】
信号選択部121は、前記した対象物領域認識部116で特定された領域特定信号ASに基づき、距離演算部113、水平位置演算部114、及び垂直位置演算部115から入力されたX位置、Y位置、Z位置のうち、位置の特定に使用する信号のみを選択する。
すなわち、領域特定信号ASが視野外部ANを示すものであれば、X位置、Y位置、Z位置のいずれも選択しない。そして、領域特定信号ASが左右領域AHを示すものであれば、X,Y位置から方向を出力する(すなわち、図10の角度α1を出力する)。また、領域特定信号ASが上下領域AVを示すものであれば、X位置とY位置を選択する(すなわち、信頼性の低い位置情報は使わない)。さらに、領域特定信号ASが中央領域ACを示すものであれば、X位置、Y位置、Z位置のすべてを選択する。
【0056】
行動決定部122は、前記した対象物領域認識部116で特定された領域特定信号AS、及び信号選択部121から出力された位置のデータに基づき、ロボットRの次の行動を決定し、移動制御部131、作業制御部132、及び頭部制御部133に行動の指令を出力する。なお、行動決定部122は、特許請求の範囲にいう転回制御部の機能を含む。
【0057】
ロボットRに風船BLを打ち上げる作業をより確実に行わせるために、本実施形態では、前提として、次の1)〜3)のことを行動決定部122が行うようにした。
1)ロボットRは常に足踏みをさせておく。これは、風船BLとの距離を合わせるために移動するときに、すぐに移動できるようにするためであり、行動決定部122は、常に、移動制御部131に足踏みの制御を行わせる。
2)風船BLを打つとき以外は、ロボットRの腕部R3のハンド38R(L)は一定の高さに保持させておく。これは、いわば風船BLを打つためのテイクバックであり、位置を固定しておくことで、風船BLとハンド38R(L)の距離の認識を容易にしている。
3)現在の風船BLの位置を認識するだけでなく、次の風船BLの位置を予測しておく。これは、風船BLの挙動に対する反応を良くするためであり、具体的には、等速度運動により風船BLが落下すると仮定して次の処理タイミングにおける風船位置を計算すれば良い。また、水平方向の移動についても等速直線運動をすると仮定して、直前に認識した風船BLの速度に応じて次の処理タイミングにおける風船位置を計算すれば良い。なお、実際には重力加速度や風、風船重心の偏心等の影響を受けて風船は等速直線運動しないが、処理周期が短いために風船BLが等速直線運動すると仮定して次ぎの位置を予測しても十分に正確な打ち上げ作業が継続できる。本発明は、複雑な位置予測のための計算量の増加を抑制しつつ正確な自動作業の継続を実現している。
このように、ロボットRは、所定時間前の風船BLの時間と位置を記憶しておき、さらに所定時間先までの風船BLの位置を予測計算している。いわば、風船BLモデルを有しており、この風船BLモデルに基づいて行動している。
【0058】
そして、予測した風船BLの位置に応じて、次のような1)〜)の各処理を決定する。
1)風船BLが、左右領域AH又は上下領域AVにある場合には、風船BLが視野の中央部に来るように頭部制御部133に頭部を転回させて、CCDカメラ43,43の向きを変える(視線変更)よう指示する。この結果、ロボットRが風船BLの3次元位置を詳細に算出できるようになり、正確な風船打ち上げ作業が実現する。
2)風船BLが見つからなかった場合、例えば、基準風船色が見つからなかった場合や、基準風船色は見つかったが、形状判定の結果風船に相当する部分が無かった場合には、風船を探すように視線変更する。この際、例えば、60fpsの画像処理速度時において、風船BLを続けて見つけられなかったフレーム数が2フレーム以下である場合には、前回のルーチンにおける風船モデルを参照して、風船が現在あると予測される方向に視線変更する。風船BLが連続3フレーム以上続けて見つけられなかった場合には、風船BLを見失っているので、サーチモードとなり、ランダムに視線変更して、風船を探す。
3)風船BLが、遠すぎたり、近すぎたり、左右にずれすぎて手で打てるような距離に無い場合には、ロボットRと風船BLの位置関係が手で風船BLを打ち上げる上で適切になるように、移動制御部131に、移動を指示する。
4)風船BLの位置がハンド38R(L)の上からずれていても、腕部3の調整により風船BLの下へ合わせられる範囲であれば、ハンド38R(L)の位置を調整するように作業制御部132に腕部3を動かすよう指示する。この時、上体Rを変位させるようにしてもよい。
5)風船BLが、ハンド38R(L)の高さから所定距離だけ上の位置に来ると判断したときには、ハンド38R(L)を上に上げるように作業制御部132に指示をする。
本発明では、次のタイミングの風船位置を予測しているので、上記の各動作の始動を早めることができる。なお、上述のロボットRの足踏みやハンド38R(L)の高さ保持は必ずしも必要な要件ではないことはいうまでもない。
【0059】
移動制御部131は、行動決定部122の指示に基づいて、脚部R1内の関節を動かして足踏み、移動の動作を行わせる。
【0060】
作業制御部132は、行動決定部122の指示に基づいて、上体R2及び腕部R3内の関節を動かしてハンド38R(L)を上方へ移動させ、風船BLの打ち上げ動作を行う。
【0061】
頭部制御部133は、行動決定部122の指示に基づいて、関節41,42を動かして頭部R4を動かし、よってCCDカメラ43を転回させる。
【0062】
なお、実際には、画像処理部110の処理は、図5の画像CPU101aにより実行され、主制御部120、移動制御部131、作業制御部132、及び頭部制御部133の処理は、図5の制御CPU101bにより実行される。
【0063】
以上のように構成されたロボットRの動作について、図15のフローチャートを参照しながら説明する。
まず、ロボットRは、左右のCCDカメラ43R,43Lで風船BLを撮像し、フレームグラバ105(画像入力部111)により画像を画像CPU101aの処理領域へ取り込む(S201)。そして、対象物抽出部112において、予め記憶していたCr−Cb空間上の特定領域に相当する基準風船色を左右の各画像から抽出する(S202)。
【0064】
次に、基準風船色が抽出できたかどうか判断し(S203)、抽出できなかったときは(S203,No)、視野に風船が無いということなので、風船を探すように視線を変更する(S204)。基準風船色の抽出が成功した場合には(S203,Yes)、領域抽出後の左右各画像について、連結されたひとまとまりの領域ごとにラベルIDをつける処理を行う(S205)。次に、形状判定を行って、円形に近い領域だけに絞り込む(S206)。形状判定の結果、風船が無かった場合には(S207,No)、視線変更をして、風船BLを探す(S204)。
【0065】
一方、風船BLが見つかった場合には(S207,Yes)、距離演算部113、水平位置演算部114、垂直位置演算部115により、風船BLの中心位置を求めてその方向のベクトルD1,D2を求める(S208)。これにより、風船BLの中心位置を推定し、角度情報(α1、α2、γ)を得る。そして、この角度情報に基づいて、風船が存在する領域が、左右領域AH、上下領域AV、中央領域ACのいずれであるかを特定する(S209)。
領域の特定の結果、風船BLが中央領域ACに存在していない場合には(S210,No)、風船BLの空間上の位置を求めても信頼できないため、中央領域ACで風船BLを捉えられるように視線変更する(S204)。
風船BLが中央領域ACに存在していた場合には(S210,Yes)、風船BLの空間上の位置を正確に求められるため、ベクトルD1,D2から風船BLの空間上の座標(X,Y,Z)を求める(S211)。このとき、風船BLの直径も算出しておく。
【0066】
次に、求めた風船BLの位置を元にして、風船モデルを更新する(S212)。すなわち、風船BLの過去の移動軌跡、速度、及び現在位置から、所定時間後までの風船BLの位置を予測する。なお、風船BLの現在位置が信頼できない場合には、過去の移動軌跡などから風船モデルを更新すればよい。そして、風船モデルを記憶装置102に記憶させる(S213)。
【0067】
次に、制御CPU101bが、記憶した風船モデル内の風船位置を参照し(S214)、行動の決定と行動の指示を行う。制御CPU101bは、風船BLの空間上の座標から、ロボットRと風船BLの距離が適切になるように足踏みを行い、又は脚部R1を踏み出して調整する(S215)。
そして、風船BLを打てるタイミングで無かったときには(S216,No)、打てるタイミングになるまで、以上のステップS201〜S216の処理を繰り返して、風船BLを常にCCDカメラ43で捉えつつ、風船BLとの距離を調整する。なお、本実施形態では、CPUを2つ使用しているので、実際には画像CPU101aがステップS201〜S203を繰り返し、制御CPU101bがステップS214〜S216を繰り返す。
風船BLを打てるタイミングだったときには(S216,Yes)、行動決定部122が、ハンド38R(L)を上げるように作業制御部132に指示する(S217)。このとき、風船の中心位置と直径が分かっているので、風船の下端をたたくように最適タイミングでハンド38R(L)を振り上げる。このように本発明では、画像処理と制御処理を同期させている点にも特徴がある。
【0068】
以上のように、本実施形態のロボットRによれば、移動する風船BLを常にCCDカメラ43で追跡するとともに、風船BLと自分との距離を調整し、打ち上げ可能な条件になったときに、ハンドを上げることで風船BLを打ち上げるという作業を行うことができる。本発明者らの実験では、10回〜15回程度なら確実に風船打ち上げ作業を繰り返すことができた。
このバルーンプレイの様子を図示したのが図16である。図16では、左上のフレームM1から右下のフレームM10までロボットRを撮影したコマを時間経過に沿って図示している。なお、頭部R4のカバーは外されて、CCDカメラ43が露出している。図16に示すように、フレームM1からフレームM5にかけて、ロボットRは、自分と風船BLの距離(相対位置)を調整するため、脚部R1を動かして移動している。そして、フレームM6からフレームM10でも、脚部R1を動かし続けて風船BLの落下点にハンド(図では腕部R3で図示)38Lが位置するように調整を図っている。また、CCDカメラ43は、風船BLを追いかけるように注視しており、風船BLを中央領域ACで撮像していることがわかる。
【0069】
このように、本実施形態のロボットRによれば、魚眼レンズ43a,43aを使用していることで広い視野を確保でき、そのために近くの物も広く認識できる。また、画像(視野)の周辺部で、対象物を捉えたときには、その方位を信頼してCCDカメラ43を転回させることで対象物を捉え続けることができる。なお、風船BLを捉え続ける作業は、作業に必要なレベルで続ければ良く、例えば、本実施形態では、視野の下の方へ風船BLが外れかかっているときでも、風船モデルにより所定時間後の風船BLの位置が十分な精度で予測できることが分かっていれば、それ以上、CCDカメラ43を下に向けることなく作業をすることもできる。
また、画像の周辺部であっても、上下領域AVに風船BLが有る場合には、左右にCCDカメラ43が並んでいることから、距離(X位置)についても信頼でき、X位置の情報を利用することで、風船モデルの精度を高い状態に保つことができる。従って、作業を正確に行うことができる。
【0070】
また、実施の形態においては、CCDカメラ43を左右に並べたが、縦に並べてもよいし、3つ以上並べて設けても構わない。さらに、撮像画像中で、4つの領域に分割して、対象物が存在する領域ごとの処理を変えたが、領域は、中央部と周辺部の2つに分割する等、他の分割方法によるものでも構わない。本発明によれば、上記実施例で説明したような処理方法を利用して、複数の対象物の画像が得られ、それぞれの形状や色が異なっていても自動作業が行える自動作業装置を提供することも可能である。
【0071】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記した実施形態に限定されることなく広く応用することが可能である。
例えば、魚眼レンズを使った人間型ロボットがする作業としては、
1)左右に人がいると推定される場合、カメラを回転させることで特定人物を視野中心部で認識して、距離を検出し、その人に近付いていく。
2)接近に伴って徐々に大きくなる物体を見つけて、カメラを回転後その接近速度を算出し、その物体を避ける。
3)左右に映る柱の角度を利用して、自分の傾斜角を補正する。
などが考えられる。
また、人間型ロボット以外で想定されるものとしては、
1)工場の組立ラインにおいて、ライン上や、パレット上に用意された部品を組み立てる作業。この場合に、用意する部品を複雑に移動させながらでも作業させられるし、止まっている場合も、位置決めが不要である。
2)自動車の運転支援装置で、対向して走行してくる自動車や、並行して隣接車線を走行している自動車の位置を認識し、操舵、減速、加速などを行うことで、それらとの距離を調整したり、自動車の速度を調整したりする。
などへの適用が考えられる。以上のごとく、本発明は正射影型の魚眼レンズのように、画像周辺の角度分解能が中心部の角度分解能より劣る代わりに視野角が非常に広いレンズを用いた場合に特に効果的である。
【0072】
【発明の効果】
以上詳述したとおり、本発明によれば、撮像装置が撮像した画像中の対象物の位置を認識するとともに、対象物が撮像画像中の周辺部にある場合には、中央部で対象物を撮像するように撮像装置を転回するので、対象物を中央部で捉えて正確に位置認識し、正確な作業を行うことができる。また、認識した位置に応じて、対象物との相対位置を調整して作業を行うので、高度で正確な作業を行うことができる。さらに、本発明では、対象物が画像フレームの周辺部に来た場合であっても単にその情報を無視するのではなく、「X,Y位置」や「方位」のみでも情報として使用できるものは相応の方法で使用することで、早期に、かつ、効果的にタスクが達成される。具体例としては、対象物が画像フレームのどこにあるかによって、本発明による装置がとる行動を変えるようにしておくことで、画像フレームの横端部に風船がある場合、精度よく風船の空間位置を算出する前に移動や姿勢変位が開始され、風船への接近の早期化が図られる。この結果、確実に風船を打ち上げられる位置において高精度に風船位置認識を行う時間的余裕を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係るロボットの外観図である。
【図2】実施形態に係るロボットを動作させるための主な内部構造を示した斜視図である。
【図3】実施形態に係るロボットのブロック図である。
【図4】本発明の要部に相当するハードウェア構成を示したブロック図である。
【図5】実施形態に係るロボットを機能的に示したブロック図である。
【図6】画像処理の概略を示したフローチャートである。
【図7】画像からの色のサンプリングを説明する図である。
【図8】Cr−Cb空間上での風船色のサンプリングを説明する図である。
【図9】基準風船色を有する画素を抽出した例を示す図である。
【図10】ラベリング処理を説明する図である。
【図11】形状判定を説明する図である。
【図12】風船の位置座標の計算方法を説明する図である。
【図13】正射影魚眼レンズと中心射影広角レンズの距離認識特性のグラフである。
【図14】撮像した画像の領域分けを説明する図である。
【図15】実施形態に係るロボットの動作を説明するフローチャートである。
【図16】バルーンプレイを行った様子を示す図である。
【符号の説明】
41,42 関節
43 CCDカメラ
110 画像処理部
112 対象物抽出部
113 距離演算部
114 水平位置演算部
115 垂直位置演算部
116 対象物領域認識部
120 主制御部
122 行動決定部
R ロボット
R1 脚部
R2 上体
R3 腕部
R4 頭部

Claims (7)

  1. 非中心射影レンズを備えた複数の左右に並設された撮像装置により撮像した画像に基づいて対象物の空間上の位置を認識し、所定の作業を行う自動作業装置であって、
    前記撮像装置の向きを変える撮像装置転回装置と、
    前記撮像装置で撮像した各画像から対象物を抽出する対象物抽出部と、
    前記対象物抽出部により認識された各画像における対象物の位置から、対象物の空間上の位置を求める位置認識部と、
    前記撮像装置で撮像された各画像に対し、周辺部の左右の領域、周辺部の上下の領域、周辺部を除く中央の領域の少なくとも3つの領域を設定し、前記対象物抽出部で認識した対象物が画像上の前記周辺部の左右または上下の領域にある場合には、前記中央の領域で対象物を撮像するように前記撮像装置転回装置で前記撮像装置の向きを変える転回制御部と、
    前記対象物との距離を変える移動装置とを備え、
    前記転回制御部は、
    前記対象物抽出部で抽出された対象物が前記した3つの領域のどこにあるか特定し、前記対象物が前記周辺部の左右の領域または上下の領域にあると認識された場合、前記対象物について位置認識の信頼性が低いと設定する対象物領域認識部を備え、
    前記対象物が画像上の前記周辺部の左右の領域にある場合には、当該画像における前記対象物の位置情報を所定の作業に利用せずに前記対象物がある方位情報だけを利用し、
    前記対象物が画像上の前記周辺部の上下の領域にある場合には、当該画像における前記対象物の位置情報を所定の作業に利用せずに前記対象物がある方位情報および前記対象物までの距離情報を利用し、前記中央の領域で対象物を撮像するように前記撮像装置転回装置で前記撮像装置の向きを変え、前記向きを変えた後の前記中央の領域に撮像された前記対象物までの距離、当該対象物の水平位置及び垂直位置を前記位置認識部により求めることで認識した当該対象物の3次元空間上の位置に基づき所定の作業を行い、この作業のために対象物との距離を調整する必要があるときには前記3次元空間上の位置に基づき前記移動装置によって前記対象物との距離を調整して、所定の作業を行うように構成されたことを特徴とする自動作業装置。
  2. 前記対象物抽出部は、予め対象物の基準色を記憶しておき、前記各画像から、この基準色に対応する画素のみを抽出して、対象物を抽出するよう構成されたことを特徴とする請求項1に記載の自動作業装置。
  3. 前記抽出した画素に対し、連続している画素にそれぞれ同じラベルIDを付し、同じラベルIDを有する画素群を一つの物体と認識するよう構成したことを特徴とする請求項2に記載の自動作業装置。
  4. 前記対象物が球形の場合において、前記対象物抽出部は、前記各画像から抽出された基準色に対応する画素群の縦の視角と横の視角との比を計算し、この比が所定範囲内か否かで、前記画素群が対象物か否かを判断するよう構成したことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の自動作業装置。
  5. 前記対象物抽出部は、前記各画像から抽出された基準色に相当する画素群の縦の視角と横の視角により区画された領域中の、前記画素群の充填率が所定範囲内か否かで、前記画素群が前記対象物か否かを判断するよう構成したことを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の自動作業装置。
  6. 前記対象物を撮像してその色をサンプリングし、このサンプリングした色をCr−Cb空間上にプロットし、プロットされた空間上の領域のうち、原点に伸びる所定領域を除いて前記基準色が決定されたことを特徴とする請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の自動作業装置。
  7. 非中心射影レンズを備えた複数の左右に並設された撮像装置と、前記撮像装置の向きを変える撮像装置転回装置と、前記対象物との距離を変える移動装置とを備えて、前記撮像装置により撮像した画像に基づいて認識した対象物に対し所定の作業を行う自動作業装置を制御するためのコンピュータプログラムであって
    前記撮像装置で撮像した各画像から対象物を抽出する対象物抽出手段と、
    前記対象物抽出手段により認識された各画像における対象物の位置から、対象物の空間上の位置を求める位置認識手段と、
    前記撮像装置で撮像された各画像に対し、周辺部の左右の領域、周辺部の上下の領域、周辺部を除く中央の領域の少なくとも3つの領域を設定し、前記対象物抽出手段で認識した対象物が画像上の前記周辺部の左右または上下の領域にある場合には、前記中央の領域で対象物を撮像するように前記撮像装置転回装置で前記撮像装置の向きを変える転回制御手段と、
    前記中央の領域に撮像された前記対象物までの距離、当該対象物の水平位置及び垂直位置を前記位置認識手段により求めることで認識した当該対象物の3次元空間上の位置に基づき、作業のために対象物との距離を調整する必要があるときに前記対象物との距離を調整する移動制御手段と、
    前記位置認識手段が認識した対象物に対し前記3次元空間上の位置に基づき所定の作業を行う作業制御手段として機能させると共に、
    前記転回制御手段は、
    前記対象物抽出手段で抽出された対象物が前記した3つの領域のどこにあるか特定し、前記対象物が前記周辺部の左右の領域または上下の領域にあると認識された場合、前記対象物について位置認識の信頼性が低いと設定する対象物領域認識手段として動作する機能を備えると共に、前記対象物が画像上の前記周辺部の左右の領域にある場合には、当該画像における前記対象物の位置情報を所定の作業に利用せずに前記対象物がある方位情報だけを利用し、前記対象物が画像上の前記周辺部の上下の領域にある場合には、当該画像における前記対象物の位置情報を所定の作業に利用せずに前記対象物がある方位情報および前記対象物までの距離情報を利用し、前記中央の領域で対象物を撮像するように前記撮像装置転回装置で前記撮像装置の向きを変えることを特徴とする自動作業装置制御プログラム。
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