JP4626112B2 - ピエゾ素子の放電装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、温度によって容量負荷が変動する容量負荷変動体をなすピエゾ素子の放電装置に関するものであり、例えば、アクチュエータとして用いられるピエゾ素子の放電装置に用いて好適な技術である。
【0002】
【従来の技術】
ピエゾ素子は、温度等によって容量負荷が変動する。このため、ピエゾ素子を一定電流で一定時間充電しても、ピエゾ素子に蓄えられる充電エネルギーが温度によって変動してしまい、ピエゾ素子の出力(伸び等)が一定にならない。
そこで、ピエゾ素子に一定のエネルギーを充電させるには、温度補償を行う必要がある。
【0003】
温度特性を補償するマルチスイッチング方式と呼ばれる充電方法を、図7を参照して説明する。ピエゾ素子を充電する指示が与えられると(例えば充放電信号TQのON)、先ず、充電スイッチをONしてピエゾ素子を通電する。ピエゾ素子の通電電流Ipztが所定電流(例えば25A)に達したら、充電スイッチをOFF する。この1回目の充電スイッチのON時間を記憶しておく。充電スイッチのOFF 後、エネルギー蓄積コイルに蓄えられたエネルギーがダイオードを介してピエゾ素子に与えられ、ピエゾ素子の充電が継続する。
1回目の充電スイッチのOFF 後に電流Ipztが0Aまで低下すると、1回目で記憶されたON時間だけ充電スイッチをONし、その後に電流Ipztが0Aに低下すると再び1回目で記憶されたON時間だけ充電スイッチをONすることを複数回繰り返す。
このように、1回目で記憶したON時間で充電スイッチを繰り返してONすることにより、時間当たりの充電エネルギーが一定となり、ピエゾ素子の温度補償充電が可能となる。
【0004】
一方、放電も図7に示すようにマルチスイッチング方式によって実行される。この放電方法は、ピエゾ素子を放電する指示が与えられると(例えば充放電信号TQのOFF )、先ず、放電スイッチをONしてピエゾ素子に蓄えられた電気エネルギーをエネルギー蓄積コイルを介して放電させる。放電電流Ipztが所定の遮断電流(例えば20A)に達したら、放電スイッチをOFF する。すると、エネルギー蓄積コイルに蓄えられたエネルギーがダイオードを介して電源に回収される。
1回目の放電スイッチのOFF 後に放電電流Ipztが0Aまで低下すると、放電スイッチをONし、上記の作動を複数回繰り返す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記に示した放電方法では、ピエゾ素子の容量が温度によって変動するため、放電エネルギーが一定にならず、放電時間が変動してしまう不具合がある。
このため、例えば、ピエゾ素子を用いたインジェクタでは、放電開始から放電完了時の時間が変動することにより、インジェクタの噴射時間が変化し、噴射量が変化する不具合が発生してしまう。
【0006】
一方、従来の技術では、放電の最後は、負荷電圧が下がり、放電電流Ipztが遮断電流まで達しなくなる。このため、時間ガードを設けて放電スイッチをOFF させていた。放電の最後に放電電流Ipztが遮断電流まで達しない場合、最適なタイミングで放電スイッチをOFF しないとピエゾ素子を完全に放電することができず、ピエゾ素子に電圧が残ってしまう不具合がある。
このように、ピエゾ素子に電圧が残ってしまうと、次回の充電時間に影響がでてしまい、例えばピエゾ素子を用いたインジェクタでは、次回の充電開始から充電完了時の時間が変動することになり、インジェクタの噴射時間が変化し、噴射量が変化する不具合が発生してしまう。
【0007】
【発明の目的】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、第1の目的は、ピエゾ素子の放電エネルギーを一定にして放電時間の変動を抑えることのできるピエゾ素子の放電装置の提供にある。
また、本発明の第2の目的は、ピエゾ素子の放電の最後に放電電流が遮断電流まで達しない場合でも、最適なタイミングで放電スイッチをOFF し、ピエゾ素子をほぼ完全に放電することができるピエゾ素子の放電装置の提供にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
〔請求項1の手段〕
ピエゾ素子の放電時は、放電スイッチをOFF するための遮断電流を時間とともに上昇させるため、放電エネルギーを一定にすることができる。
つまり、ピエゾ素子の容量が放電とともに減少していくが、これに対して遮断電流が増加していくので、その積である放電エネルギーを一定にすることができる。
このため、ピエゾ素子の容量が温度によって変化しても、放電エネルギーが一定に保たれるため、放電時間の変動を抑えることができる。
【0009】
〔請求項2の手段〕
ピエゾ素子の放電時は、電圧モニタで検出される負荷電圧が予め設定された零付近の設定電圧に低下した時に放電スイッチがオフされるため、ピエゾ素子の放電の最後に放電電流が遮断電流まで達しない場合でも、最適なタイミングで放電スイッチをOFF することができ、ピエゾ素子をほぼ完全に放電することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、実施例および変形例を用いて説明する。
〔実施例〕
図1〜図6を参照して実施例を説明する。なお、この実施例では、ピエゾ素子1を燃料噴射システムにおけるインジェクタ2のアクチュエータとして用いる場合を例に示す。
【0012】
ピエゾ素子1は、図5、図6に示すように、各気筒に取り付けられるインジェクタ2に取り付けられて燃料の噴射と停止を切り替えるアクチュエータとして作動するものであり、複数の板状ピエゾが電極を介して多数積層された構造を呈する。このピエゾ素子1は、充電に応動して伸長し、放電に応動して収縮するものである。
【0013】
ピエゾ素子1が搭載されるインジェクタ2は、例えばコモンレール式のエンジン燃料噴射システムに適用される。
この燃料噴射システムの一例を図5を参照して説明する。
インジェクタ2は、エンジンの各気筒に対応して取り付けられている(図5ではインジェクタ2を1つのみ図示)。各インジェクタ2のピエゾ素子1の充放電を制御する充放電回路3は、エンジン制御装置(以下、ECU)4から与えられる信号(充放電信号TQ)によってピエゾ素子1の充放電を行うように設けられている。つまり、ECU4から与えられる信号によって充放電回路3がインジェクタ2内に搭載されたピエゾ素子1を充電すると、ピエゾ素子1が伸長してインジェクタ2が開いてコモンレール5に蓄えられた高圧燃料を各気筒の燃焼室内に噴射する。噴射後、ECU4から与えられる信号によって充放電回路3がインジェクタ2内に搭載されたピエゾ素子1を放電すると、ピエゾ素子1が収縮してインジェクタ2が閉じて燃料噴射が停止する。
【0014】
コモンレール5には、燃料タンク6の燃料が高圧サプライポンプ7により圧送されており、コモンレール5の内部に高圧燃料が蓄えられる。また、コモンレール5からインジェクタ2に供給される燃料は、燃焼室への噴射の他に、インジェクタ2の制御油圧としても用いられるものであり、インジェクタ2から低圧のドレーンライン8を経て燃料タンク6に還流するようになっている。
コモンレール5には、燃料圧力を検出するための圧力センサ9が取り付けられている。ECU4は、圧力センサ9の出力に基づいて調整弁10の開度を制御してコモンレール5への燃料の圧送量を調整し、コモンレール5の内圧を適正な圧力に保っている。
【0015】
インジェクタ2の構造を図6を参照して説明する。
インジェクタ2は、棒状体を呈するもので、図中下側がエンジンの燃焼室壁を貫通し、先端部が燃焼室内に突出するものである。インジェクタ2は、下側から上に向かって順に、ノズル部11、背圧制御部12、ピエゾ駆動部13となっている。
【0016】
ノズル部11は、ニードル14の大径部15がノズルホルダー16内に摺動自在に支持されるものであり、ニードル14の先端円錐部17がノズルホルダー16の先端部に形成された環状シート18に着座または離座する。ニードル14の先端側の外周空間19には、上述したコモンレール5から高圧通路20を介して高圧燃料が導入され、ニードル14の離座時に噴孔21から燃料が噴射される。ニードル14の先端側の外周空間19に供給される高圧燃料は、大径部15の段差面15aに作用して、ニードル14を上向き(離座方向)にリフトするように作用している。
【0017】
大径部15の上側の背圧室22には、高圧通路20からインオリフィス23を介して燃料が供給されており、背圧室22に供給される高圧燃料は大径部15の上面15bに作用して、スプリング24とともにニードル14を下向き(着座方向)に押しつけるように作用している。
背圧室22の背圧は、背圧制御部12で切り替えられるものであり、その背圧制御部12はピエゾ駆動部13によって駆動される。
【0018】
背圧室22は、アウトオリフィス25を介して、背圧制御部12の弁室26に連通している。
この弁室26は、天井面26aが上向きの円錐形状に形成されており、天井面26aの最上部で低圧室27とつながっている。この低圧室27は、低圧通路28を介して上述したドレーンライン8に通じている。
【0019】
また、弁室26の底面26bには、高圧通路20と分岐する高圧制御通路29が開口している。
さらに、弁室26内には、下面が水平にカットされたボール弁30が配置されている。このボール弁30は、上下動可能な弁体であり、下降時にはカット面が弁室26の底面26bに着座して弁室26と高圧制御通路29の連通を閉じ、上昇時には上の球面で弁室26の天井面26aに着座して弁室26と低圧室27の連通を閉じる。
【0020】
このように、ボール弁30が下降して弁室26と高圧制御通路29の連通が閉じられると、背圧室22が弁室26、低圧室27、低圧通路28を介してドレーンライン8に連通し、結果的に背圧室22の圧力が下がり、ニードル14が離座する。
逆に、ボール弁30が上昇して弁室26と低圧室27の連通が閉じられると、背圧室22と低圧室27の連通が遮断されて、背圧室22が高圧通路20のみと連通し、ニードル14の背圧が高まり、ニードル14が着座する。
【0021】
ピエゾ駆動部13は、ピエゾ素子1の伸長によってボール弁30を押し下げるものであり、低圧室27の上方に形成された変位拡大室31の上側に大径ピストン32、変位拡大室31の下側に小径ピストン33を備え、大径ピストン32の上側に多数積層されたピエゾ素子1が配置されている。
大径ピストン32は、その下方に配置したスプリング34によってピエゾ素子1に押しつけられており、積層されたピエゾ素子1の伸縮量と同じだけ上下方向に変位する。
【0022】
変位拡大室31には、燃料が充填されており、ピエゾ素子1の伸長によって上側の大径ピストン32が下降し、変位拡大室31の燃料が加圧されると、その加圧力によって下側の小径ピストン33が下方へ押し下げられる。この時、小径ピストン33は大径ピストン32よりも小径となっているため、ピエゾ素子1の伸長量が拡大されて小径ピストン33に伝えられる。
【0023】
噴射時は、先ず、ピエゾ素子1が充電されてピエゾ素子1が伸長する。すると、大径ピストン32および小径ピストン33が下降してボール弁30が押し下げられ、背圧室22の背圧が低下する。これにより、ニードル14が離座して燃料の噴射が開始される。
噴射停止時は、先ず、ピエゾ素子1が放電されてピエゾ素子1が収縮する。すると、大径ピストン32および小径ピストン33が上昇してボール弁30の押し下げを解除する。ボール弁30には、高圧制御通路29から高圧燃料が作用しているため、ボール弁30が上昇して、弁室26と低圧室27の連通を遮断する。すると、背圧室22の背圧が上昇し、ニードル14が着座して燃料の噴射が停止する。
【0024】
図3に本発明を適用したピエゾ素子1の充放電回路3を示す。
充放電回路3は、直流電源40と、ピエゾ素子1を充電させるための充電スイッチ41と、ピエゾ素子1を放電させるための放電スイッチ42と、充放電されるピエゾ素子1を選択するための選択スイッチ43と、エネルギー蓄積コイル44と、複数のダイオード45とから構成されている。
【0025】
直流電源40は、車載のバッテリ46から数十〜数百Vの直流電圧を発生させるDC/DCコンバータ47、このDC/DCコンバータ47に並列接続されたバッファコンデンサ48を備える。このバッファコンデンサ48は、比較的静電容量の大きなもので、ピエゾ素子1の充電作動時にも一定の電圧を保つようになっている。
【0026】
充電スイッチ41、放電スイッチ42および選択スイッチ43は、充放電コントローラ(図示しない)によってON-OFF制御されるものであり、MOSFET等の半導体スイッチング素子でも良いし、機械的なリレースイッチであっても良い。
エネルギー蓄積コイル44は、直流電源40と各ピエゾ素子1を電気的に接続するための通電経路に介在されて、通電経路を流れる電気エネルギーを蓄えるものである。
【0027】
次に、充電スイッチ41および放電スイッチ41を制御してピエゾ素子1を充放電させる充放電コントローラについて説明する。
充放電コントローラは、ECU4から与えられる充放電信号TQがONすると充電スイッチ41をON-OFF制御してピエゾ素子1の充電を行い、充放電信号TQがOFF すると放電スイッチ42をON-OFF制御してピエゾ素子1の放電を行うように設けられている。
【0028】
先ず、充放電コントローラによるピエゾ素子1の充電について説明する。
この実施例の充電方法は、従来技術で説明したものと同じマルチスイッチング方式であり、充放電コントローラは、充電スイッチ41をONしてからピエゾ素子1の通電電流が所定電流(例えば25A)に達するまでの時間を記憶する記憶手段(図示しない)を備える。
【0029】
充放電コントローラは、ECU4から与えられる充放電信号TQがONすると、充電スイッチ41をONする。そして、ピエゾ素子1の通電電流が所定電流(例えば25A)に達したら充電スイッチ41をOFF し、この1回目の充電スイッチ41のON時間を記憶する。1回目の充電スイッチ41のOFF 後にピエゾ素子1の電流が0Aまで低下すると、1回目で記憶されたON時間だけ充電スイッチ41をONし、その後電流が0Aに低下すると再び1回目で記憶されたON時間だけ充電スイッチ41をONすることを複数回繰り返す。この充電方法によって、時間当たりの充電エネルギーが一定となり、温度が変動してピエゾ素子1の容量が変化しても、ピエゾ素子1に一定の電気エネルギーを蓄えることができる。
【0030】
この充電作動を図4を用いて説明する。
ECU4から与えられる充放電信号TQがONすると、先ず、充電スイッチ41をONする。すると、図4の実線A1 に示すように、バッファコンデンサ48に蓄えられた高電圧が充電スイッチ41、エネルギー蓄積コイル44を介してピエゾ素子1に与えられる。この時、ピエゾ素子1が充電されるとともに、エネルギー蓄積コイル44にエネルギーが蓄積される。ピエゾ素子1の通電電流はモニタされており、ピエゾ素子1の通電電流が所定電流(例えば25A)に上昇したら、充電スイッチ41がOFF される。
【0031】
充電スイッチ41がOFF されると、図4中の実線A2 に示す状態が生じる。即ち、エネルギー蓄積コイル44に蓄えられたエネルギーがダイオード45を介してピエゾ素子1に与えられる状態が続き、ピエゾ素子1の充電が継続される。モニタされるピエゾ素子1の通電電流が所定電流(例えば0A)に低下したら、再び1回目で記憶されたON時間だけ充電スイッチ41がONされ、図4中の実線A1 の状態に戻される。以下、充電スイッチ41のON-OFFを繰り返す。
【0032】
次に、充放電コントローラによるピエゾ素子1の放電について、図1、図2を参照して説明する。
ピエゾ素子1を放電する放電スイッチ42は、充放電コントローラに設けられた放電スイッチ制御手段50によってON-OFF制御される。
【0033】
放電スイッチ制御手段50は、充放電信号TQがONからOFF に反転すると、電流モニタ51で検出される放電電流▲1▼が遮断電流▲2▼に達すると放電スイッチ42をOFF させるものであり、遮断電流▲2▼は図2に示すように時間とともに上昇するように設けられている。
遮断電流▲2▼を上昇させる回路は、図1に示すようにリファレンスコンデンサ52と第1コンパレータ53を用いたものであり、充放電信号スイッチ54がOFF (充放電信号TQのOFF に相当する)すると、リファレンスコンデンサ52の充電が開始されて第1コンパレータ53の基準電圧が上昇し、結果的に遮断電流▲2▼が時間とともに上昇する。
なお、図2の実線▲3▼は第1コンパレータ53の出力を示すものであり、実線▲4▼は放電スイッチ42のON-OFFの切替状態を示すものである。
【0034】
一方、放電スイッチ制御手段50には、ピエゾ素子1の放電の最後に放電電流▲1▼が遮断電流▲2▼まで達しない場合でも、電圧モニタ55で検出されるピエゾ素子1の負荷電圧▲5▼が、予め設定された零付近の設定電圧に低下すると放電スイッチ42をOFF し、放電スイッチ42を最適なタイミングでOFF するように設けられている。
放電スイッチ42を適切なタイミングでOFF させる回路は、第2コンパレータ56と設定電圧57を用いたものであり、ピエゾ素子1の負荷電圧▲5▼と約0Vの設定電圧57とを比較し、ピエゾ素子1の負荷電圧▲5▼が約0Vの設定電圧57より下回ると、第2コンパレータ56がLo信号を出力して、図2の実線▲4▼に示すように放電スイッチ42を最適なタイミングでOFF する。
【0035】
第1、第2コンパレータ53、56の出力は、アンド回路58に入力されており、両方の出力がHi信号の場合だけ放電スイッチ42をONするように設けられている。つまり、少なくとも第1、第2コンパレータ53、56の一方がLo信号を出力する時は、放電スイッチ42をOFF するように設けられている。
【0036】
次に、放電作動を図4を用いて説明する。
ECU4から与えられる充放電信号TQがONからOFF に反転すると、先ず、放電スイッチ42がONする。すると、図4中の破線B1 に示すように、ピエゾ素子1に蓄えられていた電圧がエネルギー蓄積コイル44、放電スイッチ42を介して流れ、ピエゾ素子1に蓄積されていた電気エネルギーがエネルギー蓄積コイル44に転送され、ピエゾ素子1の放電が進む。ピエゾ素子1の電流はモニタされており、ピエゾ素子1の電流が時間の経過とともに上昇する遮断電流に達したら、放電スイッチ42をOFF する。
【0037】
放電スイッチ42がOFF すると、図4の破線B2 に示す状態が生じる。即ち、エネルギー蓄積コイル44に蓄えられたエネルギーがダイオード45を介してバッファコンデンサ48に回生される。そして、ピエゾ素子1の電流が0Aに低下したら、再び放電スイッチ42をONし、図4中の破線B1 の状態に戻す。以下、放電スイッチ42のON-OFFを繰り返す。
以上の作動によってピエゾ素子1に蓄積された電気エネルギーが放電される。
【0038】
〔実施例の効果〕
上述したように、ピエゾ素子1の放電時は、放電スイッチ42をOFF するための遮断電流を時間とともに上昇させている。これによって、ピエゾ素子1の容量が放電とともに減少していくが、これに対して遮断電流が増加していくので、その積である放電エネルギーが一定になる。つまり、ピエゾ素子1の容量が温度によって変化しても、放電エネルギーが一定に保たれる。
この結果、ピエゾ素子1の容量が温度によって変化しても、放電時間の変動を抑えることができる。このため、ピエゾ素子1の容量が温度によって変化しても、放電開始から放電完了までの時間が変動しなくなり、インジェクタ2の噴射時間が変化せず、噴射量が変化する不具合がない。
【0039】
一方、ピエゾ素子1の放電時は、ピエゾ素子1の負荷電圧が予め設定された約0Vに低下した時に放電スイッチ42をOFF しているため、ピエゾ素子1の放電の最後に放電電流が遮断電流まで達しない場合でも、最適なタイミングで放電スイッチ42をOFF することができ、ピエゾ素子1をほぼ完全に放電することができる。
この結果、放電時にピエゾ素子1に電圧が残る不具合がなく、次回の充電時間等に影響を与えない。このように、次回の充電時間が変動しなくなるため、インジェクタ2の噴射時間が変化しなくなり、噴射量が変化する不具合がない。
【0040】
〔変形例〕
上記の実施例では、ピエゾ素子1を用いたアクチュエータを、燃料噴射システムにおけるインジェクタ2に適用した例を示したが、ピエゾ素子1を他のアクチュエータ(例えば、光学系計測装置における光軸可変用のアクチュエータ)に適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】放電スイッチ制御手段の電気回路図である。
【図2】放電時の作動を示すタイムチャートである。
【図3】充放電回路の電気回路図である。
【図4】充放電回路の作動説明図である。
【図5】燃料噴射システムの概略図である。
【図6】インジェクタの断面図である。
【図7】ピエゾ素子を流れる電流の説明図である。
【符号の説明】
1 ピエゾ素子(容量負荷変動体)
40 直流電源
41 充電スイッチ
42 放電スイッチ
44 エネルギー蓄積コイル
50 放電スイッチ制御手段
51 電流モニタ
52 リファレンスコンデンサ
53 第1コンパレータ
54 充放電信号スイッチ
55 電圧モニタ
56 第2コンパレータ
57 設定電圧
58 アンド回路

Claims (2)

  1. 温度によって容量負荷が変動する容量負荷変動体として印加電圧によって変位するピエゾ素子を用い、このピエゾ素子に蓄えられた電気エネルギーを放電させるピエゾ素子の放電装置であって、
    前記ピエゾ素子に蓄えられた電気エネルギーを放電させるための放電スイッチと、
    前記ピエゾ素子から放電される放電電流をモニタする電流モニタと、
    前記ピエゾ素子の放電時に、前記電流モニタで検出される放電電流が遮断電流に達すると前記放電スイッチをオフさせる放電スイッチ制御手段とを具備し、
    前記放電スイッチ制御手段は、前記ピエゾ素子の放電時に、前記遮断電流を時間とともに上昇するように設けられていて、前記ピエゾ素子の放電時の放電エネルギーを一定に保つことを特徴とするピエゾ素子の放電装置。
  2. 請求項1に記載のピエゾ素子の放電装置において、
    前記ピエゾ素子の負荷電圧をモニタする電圧モニタを備えるとともに、
    前記放電スイッチ制御手段として、前記ピエゾ素子の放電時に、前記電流モニタで検出される放電電流が遮断電流に達すると前記放電スイッチをオフさせるとともに、前記電圧モニタで検出される負荷電圧が予め設定された零付近の設定電圧に低下すると前記放電スイッチをオフさせる放電スイッチ制御手段を具備することを特徴とするピエゾ素子の放電装置。
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