実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1におけるCDMA方式の無線基地局装置の構成を説明するブロック図である。図1において、増加不可移動局101は、CDMA方式の無線基地局装置200とアクセス中の既接続移動局とする。移動局101は無線基地局装置200がカバーするサービスエリアのエッジ付近に配置され、移動局101の送信電力の可変範囲に制約があるため、送信電力をさらに増加することができないものとする。減少不可移動局102は、無線基地局装置200とアクセスを開始する新規接続移動局とする。移動局102は無線基地局装置200の近傍に配置され、移動局102の送信電力の可変範囲に制約があるため、送信電力をさらに減少することができないものとする。移動局101は、移動局102のアクセス開始により通信断といった通信障害を受けるものとする。なお、図1では移動局101及び102のみを示すが、無線基地局装置200とアクセス中の他の移動局(図示せず。)があってもよい。
移動局101及び102では、各移動局から無線基地局装置200への上り回線の通信チャネルを識別するために、移動局101、102毎に固有の拡散符号を用いてCDMA方式で変調される無線信号が送信される。
移動局101及び102から送信される無線信号は無線基地局装置200の受信アンテナ201で受信され、受信信号として高周波部210の高周波受信部211へ出力される。ここで、各移動局から送信される無線信号は、それぞれ複数の経路(パス)を経由して無線基地局装置200の受信アンテナ201へ至る。複数の経路としては、各移動局のアンテナから無線基地局装置200の受信アンテナ201へ空間を直接伝搬する直接波の経路、ビルの壁面や地面などで反射する反射波の経路、ビルのエッジなどで回折する回折波の経路、反射と回折の両方を含む経路などがある。したがって、各移動局から送信される無線信号は、複数の経路をそれぞれ無線信号が伝搬するのに要する複数の伝搬遅延時間を伴って、受信アンテナ201で受信される。
高周波受信部211では、受信アンテナ201から出力される受信信号を用いて搬送波が再生され、この搬送波を用いて受信信号が同期検波されてベースバンド信号に変換される。AD変換器221では、高周波受信部211から出力されるアナログ信号であるベースバンド信号がデジタル信号へ変換される。AD変換器221で出力されるデジタル信号はパス検出部231及び逆拡散部232へ出力される。
パス検出部231では、AD変換器221から出力されるデジタル信号に対しそれぞれ移動局101、102毎に固有の拡散符号を同期させるタイミングが検出される。パス検出部231において検出されるタイミング情報は逆拡散部232及び遅延時間測定手段である遅延時間算出部250へ出力される。
遅延時間測定手段である遅延時間算出部250では、パス検出部231において検出されるタイミングに基づき、それぞれの移動局101、102から無線基地局装置200の受信アンテナ201までの無線信号の伝搬遅延時間が算出される。各移動局から受信アンテナ201に至る無線信号の伝搬する経路が複数存在する場合、それぞれ最も小さい伝搬遅延時間が直接波の伝搬遅延時間と識別される。遅延時間算出部250で算出される最も小さい伝搬遅延時間情報は、遅延比較手段であり、かつ、減少不可識別手段の一部を構成する距離判断部262へ出力される。
遅延比較手段であり、かつ、減少不可識別手段の一部を構成する距離判断部262は、呼制御部260の中の通信制御部261に設けられる。距離判断部262では、遅延時間算出部250で算出される最も小さい伝搬遅延時間情報に基づき、各移動局から無線基地局装置200の受信アンテナ201までの距離がそれぞれ算出される。さらに、距離判断部262では所定の距離の値が記憶され、算出される距離の値と記憶される所定の距離の値との大小関係が判別される。ここで、所定の距離とは、各移動局101、102の位置が無線基地局装置200の近傍か否かを判別する基準となる距離である。
逆拡散部232では、AD変換器221から出力されるデジタル信号が、パス検出部231で検出されるタイミングで拡散符号と同期がとられた状態で排他的論理和がとられることにより逆拡散復調される。逆拡散部232で逆拡散復調される逆拡散復調信号が希望波信号であり、RAKE受信部233及び移動局の送信電力を評価するSIR測定部251へ出力される。SIR測定部251及び後述するSIR判断部263が第2の送信電力評価手段を構成する。複数の経路を伝搬して受信される無線信号を復調して得られる逆拡散復調信号も複数あり、対応する複数の無線信号と同じ遅延時間を有する。
RAKE受信部233では、逆拡散部232から出力される複数の逆拡散復調信号に対しそれぞれの遅延時間が補正されて合成される。RAKE受信部233において合成される逆拡散復調信号は復号部241へ出力される。
復号部241では、RAKE受信部233から出力される逆拡散復調信号に対し、ターボ/ビダビ復号化処理、デインターリーブ処理、レートデマッチング処理、CRC(Cyclic Redundancy Check)処理などを行って必要な情報が抽出される。復号部241において抽出される情報は呼制御部260へ出力される。復号部241から出力される情報は、各移動局101、102の識別情報や移動局101が通信先に伝送する通信情報などである。移動局101の通信情報は、呼制御部260を介してコアネットワークに接続される無線ネットワーク制御装置(図示せず。)へ伝送される。このように、復号部241から出力される情報は、呼制御部260、無線ネットワーク制御装置及びコアネットワークを経由して移動局101が通信する相手局(図示せず。)へ伝送される。
第2の送信電力評価手段の一部を構成するSIR測定部251では、干渉波に対する希望波信号の電力比である希望波信号電力対干渉電力比(以下、SIRと記す。SIR:Signal-to-Interference power Ratio)が測定される。ここで、干渉波の電力は、逆拡散部232に入力される信号の電力から希望波信号の電力を差し引いた電力である。SIR測定部251において測定されるSIRは、SIR比較部253及びSIR判断部263へ出力される。
第2の送信電力評価手段の残りの部分を構成し、かつ、減少不可識別手段の残りの部分を構成するSIR判断部263は、呼制御部260の中の通信制御部261に設けられる。SIR判断部263では、SIR測定部251において測定されるSIRと、SIR判断部263において記憶される所定のSIRとの大小関係が判別される。ここで、SIR判断部263において記憶される所定のSIRとは、移動局の送信電力を評価するために用いる基準値である。移動局102が無線基地局装置200の近傍にあることを距離判断部262が判別し、かつ、SIR測定部251において測定されるSIRがこの基準値を上回ることをSIR判断部263が判別すると、移動局102が無線基地局装置200に近づきすぎて送信電力を減少できない状態にあると識別される。すなわち、減少不可識別手段を構成する距離判断部262及びSIR判断部263により、無線基地局装置200とアクセスする複数の移動局(図示せず。)の中から送信電力を減少できない減少不可移動局102が識別される。
SIR比較部253では、SIR測定部251において測定されるSIRと呼制御部260の中に設けられる目標SIR保持部252に保持されるSIRとが比較される。SIR比較部253から出力される両者の比較結果は、移動局の送信電力制御手段であるTPC生成部254へ出力される。ここで、目標SIR保持部252に保持されるSIRは、無線基地局装置200が受信する各移動局101、102の無線信号におけるSIRの共通の基準値であり、この基準値より小さいSIRとなる移動局に対してはその移動局の送信電力を増加させ、この基準値より大きいSIRとなる移動局に対してはその移動局の送信電力を減少させる制御が行われる。
移動局の送信電力制御手段であるTPC生成部254では、SIR比較部253から出力される比較結果に基づき、移動局の送信電力の増減を指令する送信電力制御信号である送信電力制御データ(以下、TPCデータと記す。TPC:Transmission Power Control)が生成される。すなわち、SIR測定部251で測定されるSIRが、目標SIR保持部252で保持される所定のSIRよりも小さいときは移動局101の送信電力の増加、大きいときは移動局101の送信電力の減少を指令するTPCデータが生成される。アクセスを開始する移動局102に対しては発呼の処理段階で送信電力制御が行われず、TPCデータは生成されない。TPC生成部254において生成されるTPCデータは、符号部242、及び、第1の送信電力評価手段を構成する送信電力制御信号履歴記憶部であり、かつ、増加不可識別手段を構成するTPC判断部264へ出力される。
第1の送信電力評価手段を構成する送信電力制御信号履歴記憶部であり、かつ、増加不可識別手段を構成するTPC判断部264は、呼制御部260の中の通信制御部261に設けられる。TPC判断部264では、TPC生成部254において生成されるTPCデータの生成履歴情報が記憶される。さらに、TPCデータの生成履歴情報から、移動局の送信電力を増加させる指令又は減少させる指令が所定の回数連続して生成されたか否かが識別される。後述するように、移動局101が送信電力を増加できない場合、TPC生成部254は移動局101の送信電力の増加を指令するTPCデータを連続して生成し、その生成履歴情報はTPC判断部264で記憶される。TPC判断部264は、送信電力の増加を指令するTPCデータが所定の回数以上連続して生成されていることを検出すると、TPCデータの制御対象となる移動局101が送信電力を増加できないものと判別する。すなわち、第1の送信電力評価手段であり、かつ、増加不可識別手段であるTPC判断部264により、無線基地局装置200とアクセスする複数の移動局(図示せず。)の中から送信電力を増加できない増加不可移動局101が識別される。
通信制御部261は、距離判断部262、SIR判断部263及びTPC判断部264から構成される。通信制御部261では、無線基地局装置200へ新規にアクセスする新規接続移動局102及びアクセス中の既接続移動局101が所定の条件を満足する場合に、移動局102に対し無線基地局装置200へのアクセスを制限するアクセス制御信号を生成する指令が、アクセス制御手段であるアクセス制御部266へ出力される。
アクセス制御手段であるアクセス制御部266では、通信制御部261から出力される指令に基づき、移動局102に対し所定のアクセス制御を行うアクセス制御信号が生成される。アクセス制御部266において出力されるアクセス制御信号は、符号部242へ出力される。ここで所定のアクセス制御を行うアクセス制御信号とは、移動局102に対し、移動局102から無線基地局装置200へのアクセスを制限、すなわち異なる周波数へのハンドオーバ指令、あるいは、発呼、着呼、位置登録、通話状態の禁止・中断を行う指令であるとする。
送信データ生成部267は呼制御部260に設けられる。送信データ生成部267では、移動局101が無線基地局装置200を介して通信する相手局(図示せず。)からの音声信号、画像信号などのデジタルデータや、無線基地局装置200からすべての移動局に対する報知情報などのデジタルデータが生成される。送信データ生成部267において生成されるデジタルデータは符号部242へ出力される。
符号部242では、TPC生成部254から出力されるTPCデータ、アクセス制御部266から出力されるアクセス制御信号及び送信データ生成部267から出力されるデジタルデータに対し、CRC(Cyclic Redundancy Check)処理用の誤り訂正符号の付与処理、ターボ/ビダビ符号化処理、インターリーブ処理、レートマッチング処理などを行なって合成される。符号部242で合成された合成信号は拡散部234へ出力される。
拡散部234では、符号部242から出力される合成信号に対し、無線基地局200に固有の拡散符号及び通信相手である移動局101、102に固有の拡散符号の排他的論理和がとられて拡散変調される。拡散部234において拡散変調されたデジタル信号である拡散変調信号はDA変換器222へ出力される。
DA変換器222では、拡散部234から出力されるデジタル信号をアナログ信号に変換する。DA変換器222において変換されるアナログ信号は、高周波部210の高周波送信部212へ出力される。
高周波送信部212では、DA変換器222から出力されるアナログ信号を用いて搬送波が変調される。高周波送信部212において変調される変調信号は送信アンテナ202へ出力される。
送信アンテナ202では、高周波送信部212から出力される変調信号が送信信号として空間へ放射される。送信アンテナ202から放射される送信信号は移動局101、102へ伝送される。
次に、動作について説明する。
図2は、この発明の実施の形態1におけるCDMA方式の無線基地局装置の動作を説明するフローチャートである。
まず、無線基地局装置200とアクセス中の既接続移動局である移動局101に対する動作について説明する。
移動局101から送信される無線信号は、無線基地局装置200の受信アンテナ201で受信される。受信アンテナ201から出力される受信信号は高周波受信部211でベースバンド信号に変換される。高周波受信部211から出力されるアナログのベースバンド信号はAD変換器221でデジタル信号に変換される。AD変換器221から出力されるデジタル信号は、パス検出部231にて検出されたタイミングで拡散符号が逆拡散部232においてデジタル信号と同期がとられて逆拡散復調される。逆拡散部232から出力される逆拡散復調信号はRAKE受信部233で複数の希望波信号の遅延時間が補正されて合成される。RAKE受信部233から出力される合成信号は、復号部241で必要な情報が抽出される。復号部241で抽出された情報は、呼制御部260を介して通信先の相手局(図示せず。)へ伝送される。
逆拡散部232から出力される希望波信号に対し、SIR測定部251でSIRが測定される。SIR比較部253において、SIR測定部251で測定されるSIRと目標SIR保持部252で保持されるSIRの共通の基準値とが比較され、その比較結果に基づきTPC生成部254でTPCデータが生成される。移動局からの送信信号の受信品質は所要QoS(Quality of Service)毎に決定される。例えば、全移動局が音声を使用しているときは所要QoSが等しくなるので、移動局101の通信品質を確保するためには、無線基地局装置200において受信される複数の移動局の無線信号のSIRが均一となることが望ましい。この場合、各移動局の無線信号のSIRが均一となるように、TPCデータを用いて移動局101の送信電力が制御される。
移動局101は無線基地局200がカバーするサービスエリアのエッジ付近にあり、移動局101と無線基地局200との距離が大きい。ところで、自由空間における無線信号の伝搬損失は距離の自乗に比例する。市街地における伝搬損失はさらに大きくなる。したがって、無線基地局200で受信される移動局101からの無線信号は、伝搬損失により大きな減衰を受ける。その結果、SIR測定部251で測定されるSIRが、目標SIR保持部252で保持される基準値のSIRを下回るものとする。TPC生成部254は、移動局101の送信電力の増加を指令するTPCデータを生成し、送信データ生成部267が生成するデジタルデータともに符号部242へ出力される。符号部242へ出力されるデータは拡散部234、DA変換器222、高周波送信部212、及び送信アンテナ202を経て移動局101へ送信される。
移動局101は、送信電力の増加を指令するTPCデータを受信し、送信電力を増加させようとするが、送信電力の可変範囲に制約があるため送信電力を増加することができない。したがって、無線基地局200のTPC生成部254は、移動局101の送信電力の増加を指令するTPCデータを連続して生成する。ここで、TPCデータの生成履歴情報はTPC判断部264で記憶される。TPC判断部264は、送信電力の増加を指令するTPCデータが所定の回数以上連続して生成されていることを検出すると、TPCデータの制御対象となる移動局が送信電力を増加できないものと判別する。すなわち、第1の送信電力評価手段であり、かつ、増加不可識別手段であるTPC判断部264は、無線基地局装置200とアクセスする複数の移動局の中から、送信電力を増加することのできない増加不可移動局101を識別する。これは、図2のステップ40の処理に対応する。
なお、遅延時間算出部250では、パス検出部231において検出されるタイミングに基づき、移動局101から無線基地局装置200の受信アンテナ201までの伝搬遅延時間が算出される。距離判断部262では、遅延時間算出部250で算出される最も小さい伝搬遅延時間情報に基づき、移動局101から無線基地局装置200の受信アンテナ201までの距離が算出され、算出される距離の値と距離判断部262に記憶される所定の距離の値との大小関係が判別される。移動局101に対し算出される距離の値が距離判断部262に記憶される距離の値よりも大きく、移動局101が無線基地局装置200の近傍にないことが識別される。
また、SIR判断部263では、SIR測定部251において測定されるSIRと、SIR判断部263において記憶される所定のSIRとの大小関係が判別される。移動局101に対し測定されるSIRがSIR判断部263に記憶される所定のSIRよりも小さいことをSIR判断部263が判別する。距離判断部262の判別結果とあわせて、移動局101は送信電力を減少できない状態でないと識別される。すなわち、移動局101が減少不可移動局でないと識別される。
次に、無線基地局装置200とアクセスを開始する新規接続移動局である移動局102に対する動作について説明する。
ステップ10では、新規接続移動局である移動局102が無線基地局装置200に対しアクセスを開始する。移動局101と同様に、移動局102から送信される発呼要求を含む無線信号は、無線基地局装置200の受信アンテナ201で受信される。受信アンテナ201から出力される受信信号は高周波受信部211でベースバンド信号に変換される。高周波受信部211から出力されるアナログのベースバンド信号はAD変換器221でデジタル信号に変換される。AD変換器221から出力されるデジタル信号は、パス検出部231にて検出されたタイミングで拡散符号が逆拡散部232においてデジタル信号と同期がとられて逆拡散復調される。
ステップ20では、新規接続移動局である移動局102のSIRが所定値を上回るか否かを判別する。SIR判断部263では、SIR測定部251において測定されるSIRと、SIR判断部263において記憶される所定のSIRとの大小関係が判別される。移動局102に対し測定されるSIRがSIR判断部263に記憶される所定のSIRよりも大きいので、ステップ30へ進む。一方、測定されるSIRがSIR判断部263に記憶される所定のSIRよりも小さい場合、移動局102のアクセス開始により通信障害を受ける既接続移動局がないと判別され、ステップ60へ進む。
ステップ30では、無線基地局装置200から新規接続移動局である移動局102までの距離が所定の距離の値を下回るか否かを判別する。遅延時間算出部250では、パス検出部231において検出されるタイミングに基づき、移動局102から無線基地局装置200の受信アンテナ201までの伝搬遅延時間が算出される。距離判断部262では、遅延時間算出部250で算出される最も小さい伝搬遅延時間情報に基づき、移動局102から無線基地局装置200の受信アンテナ201までの距離が算出され、算出される距離の値と距離判断部262に記憶される距離の値との大小関係が判別される。移動局102に対し算出される距離の値が距離判断部262に記憶される所定の距離の値よりも小さいので、移動局102が無線基地局装置200の近傍にあることが識別され、ステップ40へ進む。このように、ステップ20におけるSIR判断部263の判別結果と、ステップ30における距離判断部262の判別結果とを用いて、移動局102が送信電力を減少できない減少不可移動局であると識別される。一方、算出される距離の値が距離判断部262に記憶される所定の距離の値よりも大きい場合、移動局102のアクセス開始により通信障害を受ける既接続移動局がないと判別され、ステップ60へ進む。
なお、移動局102は無線基地局装置200とアクセスを開始する発呼の処理段階にあるため送信電力制御が行われず、TPC生成部254においてTPCデータは生成されない。
ステップ40では、所定回数以上連続して送信電力の増加指令が出ている既接続移動局があるか否かを判別する。既接続移動局である移動局101に対するTPC生成部254及びTPC判断部264の動作を説明したように、移動局101は送信電力を増加できず、TPC生成部254は移動局101の送信電力増加を指令するTPCデータを連続して生成する。そして、送信電力増加を指令するTPCデータの連続生成回数が所定の値を上回る。ここで、TPCデータの生成履歴情報はTPC判断部264で記憶される。TPC判断部264は、TPCデータの生成履歴情報に基づき送信電力増加を指令するTPCデータの連続生成回数が所定の値を上回ることを検出し、TPCデータの制御対象である移動局101が送信電力を増加できないものと判別し、ステップ50へ進む。このように、ステップ40におけるTPC判断部264の判別結果を用いて、移動局101が送信電力を増加できない増加不可移動局であると識別される。一方、連続生成回数が所定の値に達しないと、移動局102のアクセス開始により通信障害を受ける既接続移動局がないと判別され、ステップ60へ進む。
ステップ50では、無線基地局装置200が新規接続移動局である移動局102に対し発呼を禁止するデータを送信する。距離判断部262において、移動局102から無線基地局装置200の受信アンテナ201までの距離の値が所定の距離の値よりも小さいことが判別され、SIR判断部263において、SIR測定部で測定される移動局102のSIRが所定の値よりも大きいことが判別され、TPC判断部264において、移動局101の送信電力増加を指令するTPCデータが所定の回数以上連続して生成されていることが検出されると、移動局102に対し無線基地局装置200へのアクセスを制限するアクセス制御信号を生成する指令が、アクセス制御部266へ出力される。アクセス制御部266では、通信制御部261から出力される指令に基づき、移動局102に対し無線基地局装置200への発呼を禁止する指令であるアクセス制御信号が生成される。アクセス制御部266において生成されるアクセス制御信号は、符号部242、拡散部234、DA変換部222、高周波送信部212、送信アンテナ202を経由して空間へ放射され、移動局102へ伝送される。
ステップ60では、新規接続移動局である移動局102が無線基地局装置200と通信を開始する。
このように、無線基地局装置200が、無線基地局装置200からの距離が極端に小さい位置にあって送信電力を減少できない新規接続移動局である減少不可移動局102を識別し、送信電力を増加できない既接続移動局である増加不可移動局101を識別すると、移動局102に対し無線基地局装置200への発呼を禁止することにより、送信電力を増加できない移動局101が障害を受けることを防止できる。ここで、増加不可移動局101の送信電力を評価する第1の送信電力評価手段及び増加不可移動局101を識別する増加不可識別手段として、移動局に対し送信電力の増減を指示する送信電力制御信号の生成履歴情報を記憶する送信電力制御信号履歴記憶部であるTPC判断部264を用いる。また、減少不可移動局102の送信電力を評価する第2の送信電力評価手段として、干渉波に対する希望波信号の電力比であるSIRを測定するSIR測定部251及びSIR測定部251が測定するSIRと所定の値との大小関係を判別するSIR判断部263を用いる。さらに、減少不可移動局102を識別する減少不可識別手段として、距離判断部262及びSIR判断部263を用いる。
このように構成された実施の形態1によるCDMA方式の無線基地局装置は、移動局の送信電力を評価する第1の送信電力評価手段及び第2の送信電力評価手段と、移動局から受信する無線信号を復調して得られる希望波信号の伝搬遅延時間を測定する遅延時間測定手段と、この遅延時間測定手段が測定する伝搬遅延時間に基づき算出する移動局から無線基地局装置までの距離と所定の距離とを比較する遅延比較手段と、送信電力を増加できない増加不可移動局を第1の送信電力評価手段に基づき移動局の中から識別する増加不可識別手段と、送信電力を減少できず、かつ、移動局から無線基地局装置までの距離が所定の距離よりも小さい減少不可移動局をそれぞれ第2の送信電力評価手段及び遅延比較手段の出力に基づき移動局の中から識別する減少不可識別手段と、増加不可識別手段が増加不可移動局を識別し、かつ、減少不可識別手段が減少不可移動局を識別すると、減少不可移動局に対しこの移動局からのアクセスを制御するアクセス制御信号を生成するアクセス制御手段とを備えたので、送信電力を減少できない減少不可移動局が無線基地局装置とアクセスすると送信電力を増加できない増加不可移動局が障害を受けることを防止するCDMA方式の無線基地局装置を得ることができる。
実施の形態2.
図3は、この発明の実施の形態2におけるCDMA方式の無線基地局装置の構成を説明するブロック図である。図3では、実施の形態1の無線基地局装置の構成を示す図1において、第1の送信電力評価手段を構成する送信電力制御信号履歴記憶部であり、かつ、増加不可識別手段を構成するTPC判断部264の代わりに、送信電力情報取得部であるMS電力判断部265が設けられる。ここで、MSとは移動局(Mobile Station)を意味する。また、移動局101及び102は、それぞれ自局の送信電力情報を無線信号に含める手段(図示せず。)が設けられる。CDMA方式の無線基地局装置及び移動局のその他の構成は図1と同様である。
第1の送信電力評価手段を構成する送信電力情報取得部であり、かつ、増加不可識別手段を構成するMS電力判断部265は通信制御判断部261の中に設けられ、復号部241と接続される。移動局101及び102は、それぞれの移動局の送信電力情報を含む無線信号を送信する。MS電力判断部265では、移動局101及び102から送信される無線信号を復調して得られる希望波信号からそれぞれの移動局の送信電力情報を取得する。さらに、取得した送信電力情報とMS電力判断部265において記憶される所定の値との大小関係が判別される。ここで、所定の値とは、移動局の送信電力を評価するために用いる基準値である。すなわち、MS電力判断部265は、取得した移動局101の送信電力情報が所定の値よりも小さいことを判別することにより、移動局101が送信電力を増加できない増加不可移動局であることを識別する。なお、復号部241から出力される送信電力情報以外の情報は、実施の形態1と同様に、呼制御部260、無線ネットワーク制御装置及びコアネットワークを経由して移動局101が通信する相手局(図示せず。)へ伝送される。
通信制御部261は、距離判断部262、SIR判断部263及びMS電力判断部265から構成される。通信制御部261では、無線基地局装置200へ新規にアクセスする移動局102及びアクセス中の移動局101が所定の条件を満足する場合に、移動局102に対し無線基地局装置200へのアクセスを制限するアクセス制御信号を生成する指令が、アクセス制御手段であるアクセス制御部266へ出力される。
次に、動作について説明する。
図4は、この発明の実施の形態2におけるCDMA方式の無線基地局装置の動作を説明するフローチャートである。
まず、無線基地局装置200とアクセス中の既接続移動局である移動局101に対する動作について説明する。
移動局101は無線基地局200がカバーするサービスエリアのエッジ付近にあり、実施の形態1と同様に、無線基地局200で受信される移動局101からの無線信号は、伝搬損失により大きな減衰を受ける。その結果、SIR測定部251で測定されるSIRが、目標SIR保持部252で保持される基準値のSIRを下回るものとする。TPC生成部254は、移動局101の送信電力の増加を指令するTPCデータを生成し、送信データ生成部267が生成するデジタルデータともに符号部242へ出力される。符号部242へ出力されるデータは、拡散部234、DA変換器222、高周波送信部212、及び送信アンテナ202を経て移動局101へ送信される。
移動局101は、送信電力の増加を指令するTPCデータを受信し、送信電力を増加させようとするが、送信電力の可変範囲に制約があるため送信電力を増加することができない。すなわち、移動局101は最大出力の送信電力で無線信号を送信している状態である。MS電力判断部265において取得される移動局101の送信電力情報から、移動局101の送信電力値が識別され、最大出力である送信電力値がMS電力判断部265の記憶する所定の値を上回ることが判別される。これにより、MS電力判断部265の記憶する所定の値を上回る送信電力値で送信する移動局は送信電力を増加できないものと判別される。すなわち、第1の送信電力評価手段であり、かつ、増加不可識別手段であるMS電力判断部265は、無線基地局装置200とアクセスする複数の移動局の中から、送信電力を増加することのできない増加不可移動局101を識別する。これは、図4のステップ41の処理に対応する。
移動局101についてのその他の動作は、実施の形態1に記載の動作と同様である。
次に、無線基地局装置200とアクセスを開始する新規接続移動局である移動局102に対する動作について説明する。
ステップ10、ステップ20及びステップ30の動作は、実施の形態1の図2に記載の動作と同様である。
ステップ41では、所定値を上回る電力で送信する既接続移動局があるか否かを判別する。既接続移動局である移動局101に対するMS電力判断部265の動作を説明したように、移動局101は最大出力の電力で無線信号を送信している状態であり、送信電力を増加できない。MS電力判断部265において取得される移動局101の送信電力情報から、移動局101の送信電力値が識別され、最大出力である送信電力値がMS電力判断部265の記憶する所定の値を上回ることが判別されるので、新規接続移動局である移動局102のアクセス開始により、通信障害を受ける既接続移動局である移動局101が識別され、ステップ50へ進む。このように、ステップ41におけるMS電力判断部265の判別結果を用いて、移動局101が送信電力を増加できない増加不可移動局であると識別される。一方、移動局101の送信電力値がMS電力判断部265の記憶する所定の値を上回らないと、移動局102のアクセス開始により通信障害を受ける既接続移動局がないと判別され、ステップ60へ進む。
ステップ50では、無線基地局装置200が新規接続移動局である移動局102に対し発呼を禁止するデータを送信する。距離判断部262において、移動局102から無線基地局装置200の受信アンテナ201までの距離の値が所定の距離の値よりも小さいことが判別され、SIR判断部263において、SIR測定部で測定される移動局102のSIRが所定の値よりも大きいことが判別され、MS電力判断部265において、移動局102の送信電力値がMS電力判断部265の記憶する所定の値を上回ることが判別されると、移動局102に対し無線基地局装置200へのアクセスを制限するアクセス制御信号を生成する指令が、アクセス制御部266へ出力される。アクセス制御部266では、通信制御部261から出力される指令に基づき、移動局102に対し無線基地局装置200への発呼を禁止する指令であるアクセス制御信号が生成される。アクセス制御部266において生成されるアクセス制御信号は、符号部242、拡散部234、DA変換部222、高周波送信部212、送信アンテナ202を経由して空間へ放射され、移動局102へ伝送される。
無線基地局装置200の移動局102に対するその他の動作は、実施の形態1の図2に記載の動作と同様である。
また、移動局102の動作も実施の形態1で説明した動作と同様である。
このように、無線基地局装置200が、無線基地局装置200からの距離が極端に小さい位置にあって送信電力を減少できない新規接続移動局である減少不可移動局102を識別し、送信電力を増加できない既接続移動局である増加不可移動局101を識別すると、移動局102に対し無線基地局装置200への発呼を禁止することにより、送信電力を増加できない移動局101が障害を受けることを防止できる。ここで、増加不可移動局101の送信電力を評価する第1の送信電力評価手段及び増加不可移動局101を識別する増加不可識別手段として、移動局の送信する送信電力情報を含む無線信号を復調して得られる希望波信号から送信電力情報を取得する送信電力情報取得部であるMS電力判断部265を用いる。また、また、減少不可移動局102の送信電力を評価する第2の送信電力評価手段として、干渉波に対する希望波信号の電力比であるSIRを測定するSIR測定部251及びSIR測定部251が測定するSIRと所定の値との大小関係を判別するSIR判断部263を用いる。さらに、減少不可移動局102を識別する減少不可識別手段として、距離判断部262及びSIR判断部263を用いる。
このように構成された実施の形態2によるCDMA方式の無線基地局装置は、移動局の送信電力を評価する第1の送信電力評価手段及び第2の送信電力評価手段と、移動局から受信する無線信号を復調して得られる希望波信号の伝搬遅延時間を測定する遅延時間測定手段と、この遅延時間測定手段が測定する伝搬遅延時間に基づき算出する移動局から無線基地局装置までの距離と所定の距離とを比較する遅延比較手段と、送信電力を増加できない増加不可移動局を第1の送信電力評価手段に基づき移動局の中から識別する増加不可識別手段と、送信電力を減少できず、かつ、移動局から無線基地局装置までの距離が所定の距離よりも小さい減少不可移動局をそれぞれ第2の送信電力評価手段及び遅延比較手段の出力に基づき移動局の中から識別する減少不可識別手段と、増加不可識別手段が増加不可移動局を識別し、かつ、減少不可識別手段が減少不可移動局を識別すると、減少不可移動局に対しこの移動局からのアクセスを制御するアクセス制御信号を生成するアクセス制御手段とを備えたので、送信電力を減少できない減少不可移動局が無線基地局装置とアクセスすると送信電力を増加できない増加不可移動局が障害を受けることを防止するCDMA方式の無線基地局装置を得ることができる。
実施の形態3.
図5は、この発明の実施の形態3におけるCDMA方式の無線基地局装置の構成を説明するブロック図である。図5における無線基地局装置200の構成は、実施の形態1の図1における無線基地局装置200からSIR判断部263を削除したものであり、その他の構成は図1と同様である。また、図5における移動局は、無線基地局装置200とアクセスを開始する新規接続移動局である減少不可移動局102の代わりに、無線基地局装置200とアクセス中であり、無線基地局装置200の近傍に近づく既接続移動局である減少不可移動局103とする。移動局103は無線基地局装置200の近傍に近づくために伝搬損失が減少し、無線基地局装置200で測定されるSIRが増加して、送信電力の減少を指令される。無線基地局装置200に近づきすぎると、移動局103の送信電力の可変範囲に制約があるため、送信電力をさらに減少することができないものとする。なお、各移動局101、103の構成も実施の形態1の図1と同様である。
減少不可移動局の送信電力を評価する第2の送信電力評価手段として、実施の形態1ではSIR測定部251及びSIR判断部263を用いたが、実施の形態3では移動局に対し送信電力の増減を指示する送信電力制御信号の生成履歴情報を記憶する送信電力制御信号履歴記憶部であるTPC判断部264を用いる。また、TPC判断部264は、実施の形態1と同様に第1の送信電力評価手段であり、増加不可識別手段を構成する。さらに、TPC判断部264及び距離判断部262は減少不可識別手段を構成する。
通信制御部261は、距離判断部262及びTPC判断部264から構成される。通信制御部261では、無線基地局装置200の近傍に近づくアクセス中の既接続移動局103及び既接続移動局101が所定の条件を満足する場合に、移動局103に対し無線基地局装置200へのアクセスを制限するアクセス制御信号を生成する指令が、アクセス制御手段であるアクセス制御部266へ出力される。
アクセス制御手段であるアクセス制御部266では、通信制御部261から出力される指令に基づき、移動局103に対し所定のアクセス制御を行うアクセス制御信号が生成される。アクセス制御部266において出力されるアクセス制御信号は、符号部242へ出力される。ここで所定のアクセス制御を行うアクセス制御信号とは、移動局103に対し、移動局103から無線基地局装置200へのアクセスを禁止、すなわち接続を中止する指令であるとする。
次に、動作について説明する。
図6は、この発明の実施の形態3におけるCDMA方式の無線基地局装置の動作を説明するフローチャートである。
無線基地局装置200とアクセス中の既接続移動局である移動局101に対する動作は実施の形態1における動作と同様である。
次に、無線基地局装置200の近傍に近づくアクセス中の既規接続移動局である移動局103に対する動作について説明する。
ステップ11では、無線基地局装置200とアクセス中で、無線基地局装置200の近傍に近づく既接続移動局の状態の監視を開始する。
ステップ21では、所定回数以上連続して電力減少指令が出ている既接続移動局があるか否かを判別する。移動局103は無線基地局装置200に近づきすぎると送信電力を減少できず、TPC生成部254は移動局103の送信電力減少を指令するTPCデータを連続して生成する。送信電力減少を指令するTPCデータの連続生成回数が所定の値を上回るので、送信電力を減少できない移動局103が識別され、ステップ30へ進む。連続生成回数が所定の値に達しないと、ステップ61へ進む。
ステップ30及びステップ40の動作は、実施の形態1の図2における動作と同様である。
ステップ51では、無線基地局装置200が既接続移動局である移動局103に対し接続を中止するデータを送信する。距離判断部262において、移動局103から無線基地局装置200の受信アンテナ201までの距離が所定の値よりも小さいことが判別され、TPC判断部264において移動局103の送信電力減少を指令するTPCデータが所定の回数以上連続して生成されていることが検出され、TPC判断部264において移動局101の送信電力増加を指令するTPCデータが所定の回数以上連続して生成されていることが検出されると、移動局103に対し無線基地局装置200へのアクセスを制限するアクセス制御信号を生成する指令が、アクセス制御部266へ出力される。アクセス制御部266では、通信制御部261から出力される指令に基づき、移動局103に対し無線基地局装置200への接続を中止する指令であるアクセス制御信号が生成される。アクセス制御部266において生成されるアクセス制御信号は、符号部242、拡散部234、DA変換部222、高周波送信部212、送信アンテナ202を経由して移動局103へ伝送される。
ステップ61では、既接続移動局である移動局103が無線基地局装置200との接続を継続する。
このように、無線基地局装置200が、無線基地局装置200からの距離が極端に小さい位置にあって送信電力を減少できない既接続移動局である減少不可移動局103を識別し、送信電力を増加できない他の既接続移動局である増加不可移動局101を識別すると、移動局103に対し無線基地局装置200への接続を中止することにより、送信電力を増加できない移動局101が障害を受けることを防止できる。ここで、増加不可移動局101の送信電力を評価する第1の送信電力評価手段及び減少不可移動局103の送信電力を評価する第2の送信電力評価手段として、移動局に対し送信電力の増減を指示する送信電力制御信号の生成履歴情報を記憶する送信電力制御信号履歴記憶部であるTPC判断部264を用いる。また、TPC判断部264は増加不可識別手段を構成する。さらに、TPC判断部264及び距離判断部262は減少不可識別手段を構成する。
このように構成された実施の形態3によるCDMA方式の無線基地局装置は、移動局の送信電力を評価する第1の送信電力評価手段及び第2の送信電力評価手段と、移動局から受信する無線信号を復調して得られる希望波信号の伝搬遅延時間を測定する遅延時間測定手段と、この遅延時間測定手段が測定する伝搬遅延時間に基づき算出する移動局から無線基地局装置までの距離と所定の距離とを比較する遅延比較手段と、送信電力を増加できない増加不可移動局を第1の送信電力評価手段に基づき移動局の中から識別する増加不可識別手段と、送信電力を減少できず、かつ、移動局から無線基地局装置までの距離が所定の距離よりも小さい減少不可移動局をそれぞれ第2の送信電力評価手段及び遅延比較手段の出力に基づき移動局の中から識別する減少不可識別手段と、増加不可識別手段が増加不可移動局を識別し、かつ、減少不可識別手段が減少不可移動局を識別すると、減少不可移動局に対しこの移動局からのアクセスを制御するアクセス制御信号を生成するアクセス制御手段とを備えたので、送信電力を減少できない減少不可移動局が無線基地局装置とアクセスすると送信電力を増加できない増加不可移動局が障害を受けることを防止するCDMA方式の無線基地局装置を得ることができる。
実施の形態4.
図7は、この発明の実施の形態4におけるCDMA方式の無線基地局装置の構成を説明するブロック図である。図7における無線基地局装置200の構成は、実施の形態2の図3における無線基地局装置200からSIR判断部263を削除したものであり、その他の構成は図3と同様である。また、図7における移動局は、無線基地局装置200とアクセスを開始する新規接続移動局である減少不可移動局102の代わりに、無線基地局装置200とアクセス中であり、無線基地局装置200の近傍に近づく既接続移動局である減少不可移動局103とする。移動局103は無線基地局装置200に近づくために伝搬損失が減少し、無線基地局装置200で測定されるSIRが増加して、送信電力の減少を指令される。無線基地局装置200に近づきすぎると、移動局103の送信電力の可変範囲に制約があるため、送信電力をさらに減少することができないものとする。なお、各移動局101、103の構成も実施の形態2の図3と同様である。
減少不可移動局103の送信電力を評価する第2の送信電力評価手段として、実施の形態2ではSIR測定部251及びSIR判断部263を用いたが、実施の形態4では移動局の送信する送信電力情報を含む無線信号を復調して得られる希望波信号から送信電力情報を取得する送信電力情報取得部であるMS電力判断部265を用いる。また、MS電力判断部265は増加不可識別手段を構成する。さらに、MS電力判断部265及び距離判断部262は減少不可識別手段を構成する。
通信制御部261は、距離判断部262及びMS電力判断部265から構成される。通信制御部261では、無線基地局装置200の近傍に近づくアクセス中の既接続移動局103及び既接続移動局101が所定の条件を満足する場合に、移動局103に対し無線基地局装置200へのアクセスを制限するアクセス制御信号を生成する指令が、アクセス制御手段であるアクセス制御部266へ出力される。
アクセス制御手段であるアクセス制御部266では、通信制御部261から出力される指令に基づき、移動局103に対し所定のアクセス制御を行うアクセス制御信号が生成される。アクセス制御部266において出力されるアクセス制御信号は、符号部242へ出力される。ここで所定のアクセス制御を行うアクセス制御信号とは、移動局103に対し、移動局103から無線基地局装置200へのアクセスを禁止、すなわち接続を中止する指令であるとする。
次に、動作について説明する。
図8は、この発明の実施の形態4におけるCDMA方式の無線基地局装置の動作を説明するフローチャートである。
無線基地局装置200とアクセス中の既接続移動局である移動局101に対する動作は実施の形態2における動作と同様である。
次に、無線基地局装置200の近傍に近づくアクセス中の既規接続移動局である移動局103に対する動作について説明する。
ステップ11の動作は実施の形態3の図6における動作と同様である。
ステップ22では、所定値を下回る電力で送信する既接続移動局があるか否かを判別する。移動局103は無線基地局装置200に近づきすぎると送信電力を減少できず、すなわち、移動局103は最小出力の電力で無線信号を送信している状態である。MS電力判断部265において取得された移動局103の送信電力情報から、移動局103の送信電力値が識別され、最小出力である送信電力値がMS電力判断部265の記憶する所定の値を下回る。したがって、送信電力を減少できない移動局103が識別され、ステップ30へ進む。移動局103の送信電力値がMS電力判断部265の記憶する所定の値を下回らなければ、ステップ61へ進む。
ステップ30及びステップ41の動作は、実施の形態2の図4における動作と同様である。
ステップ51及びステップ61の動作は、実施の形態3の図6における動作と同様である。
このように、無線基地局装置200が、無線基地局装置200からの距離が極端に小さい位置にあって送信電力を減少できない既接続移動局である減少不可移動局103を識別し、送信電力を増加できない他の既接続移動局である増加不可移動局101を識別すると、移動局103に対し無線基地局装置200への接続を中止することにより、送信電力を増加できない移動局101が障害を受けることを防止できる。ここで、増加不可移動局101の送信電力を評価する第1の送信電力評価手段及び減少不可移動局103の送信電力を評価する第2の送信電力評価手段として、移動局の送信する送信電力情報を含む無線信号を復調して得られる希望波信号から送信電力情報を取得する送信電力情報取得部であるMS電力判断部265を用いる。また、MS電力判断部265は増加不可識別手段を構成する。さらに、MS電力判断部265及び距離判断部262は減少不可識別手段を構成する。
このように構成された実施の形態4によるCDMA方式の無線基地局装置は、移動局の送信電力を評価する第1の送信電力評価手段及び第2の送信電力評価手段と、移動局から受信する無線信号を復調して得られる希望波信号の伝搬遅延時間を測定する遅延時間測定手段と、この遅延時間測定手段が測定する伝搬遅延時間に基づき算出する移動局から無線基地局装置までの距離と所定の距離とを比較する遅延比較手段と、送信電力を増加できない増加不可移動局を第1の送信電力評価手段に基づき移動局の中から識別する増加不可識別手段と、送信電力を減少できず、かつ、移動局から無線基地局装置までの距離が所定の距離よりも小さい減少不可移動局をそれぞれ第2の送信電力評価手段及び遅延比較手段の出力に基づき移動局の中から識別する減少不可識別手段と、増加不可識別手段が増加不可移動局を識別し、かつ、減少不可識別手段が減少不可移動局を識別すると、減少不可移動局に対しこの移動局からのアクセスを制御するアクセス制御信号を生成するアクセス制御手段とを備えたので、送信電力を減少できない減少不可移動局が無線基地局装置とアクセスすると送信電力を増加できない増加不可移動局が障害を受けることを防止するCDMA方式の無線基地局装置を得ることができる。
上記の実施の形態1乃至実施の形態4の説明において、第1の送信電力評価手段として、移動局に対し送信電力の増減を指示する送信電力制御信号の生成履歴情報を記憶する送信電力制御信号履歴記憶部であるTPC判断部264、または、移動局の送信する送信電力情報を含む無線信号を復調して得られる希望波信号から送信電力情報を取得する送信電力情報取得部であるMS電力判断部265を用いたが、干渉波に対する希望波信号の電力比であるSIRを測定するSIR測定部251と、このSIR測定部が測定するSIRと所定の値との大小関係を判別するSIR判断部263を用いてもよい。さらに、第1の送信電力評価手段または第2の送信電力評価手段として、TPC判断部264、MS電力判断部265、SIR測定部251及びSIR判断部263をセットで使用する、の3つの構成があり、これらの構成の組み合わせは実施の形態1乃至実施の形態4に説明された組み合わせに限らず、自由に組み合わせて用いてよい。
また、無線基地局装置200のアクセス制御部266から出力されるアクセス制御信号が、移動局102又は103に対し、無線基地局装置200へのアクセスを禁止する指令である構成を示したが、アクセス制御信号が、移動局102、103に対し、移動局102、103の送信周波数を変更する指令であるように構成してもよい。移動局102、103の送信周波数を変更することにより、送信電力を増加できない既接続移動局である移動局101が障害を受けることを防止するCDMA方式の無線基地局装置を得ることができる。
また、距離判断部262は、遅延時間算出部250で算出される最も小さい伝搬遅延時間情報に基づき、移動局から無線基地局装置200の受信アンテナ201までの距離を算出し、この算出される距離の値と距離判断部262に記憶される所定の距離の値との大小関係を判別したが、距離判断部262に所定の遅延時間の値を記憶し、遅延時間算出部250で算出される最も小さい伝搬遅延時間の値と、距離判断部262に記憶される所定の伝搬遅延時間の値との大小関係を判別してもよい。ここで、所定の遅延時間とは、移動局の位置が無線基地局装置200の近傍か否かを判別する基準となる遅延時間である。
また、移動局101は無線基地局装置200がカバーするサービスエリアのエッジ付近に配置され、伝搬損失により大きな減衰を受けるため、目標SIR保持部252で保持される基準値のSIRに達するように移動局101の送信電力の増加を指令されるとしたが、移動局101はもっと無線基地局装置200に近い位置にあり、建物の中などに入っているため無線信号が減衰を受けて移動局101の送信電力の増加を指令される場合であってもよい。
上記の実施の形態1乃至実施の形態4の説明において、CDMA方式の無線基地局装置について説明したが、CDMA方式の無線基地局装置に限るものでなく、移動局の送信電力制御を行う他のアクセス方式の無線基地局装置についても同様である。
また、減少不可識別手段を、送信電力を減少できず、かつ、移動局から無線基地局装置までの距離が所定の距離よりも小さい減少不可移動局をそれぞれ第2の送信電力評価手段及び遅延比較手段の出力に基づき移動局の中から識別するように構成したが、第2の送信電力評価手段の出力のみに基づき移動局の中から識別するように構成してもよい。すなわち、減少不可識別手段を、送信電力評価手段の出力する移動局の送信電力の評価に基づいて減少不可移動局を移動局の中から識別するように構成してもよい。
そして、無線基地局装置を、移動局の送信電力を制御する送信電力制御信号を生成する送信電力制御手段と、この送信電力制御手段を用いて移動局に対し送信電力の増加を指令しても送信電力を増加できない増加不可移動局を移動局の中から識別する増加不可識別手段と、送信電力制御手段を用いて移動局に対し送信電力の減少を指令しても送信電力を減少できない減少不可移動局を移動局の中から識別する減少不可識別手段と、増加不可識別手段が増加不可移動局を識別し、かつ、減少不可識別手段が減少不可移動局を識別すると、減少不可移動局に無線基地局装置へのアクセスを制御するアクセス制御信号を生成するアクセス制御手段とを備えるように構成してもよい。
また、アクセス制御手段を、増加不可識別手段が増加不可移動局を識別し、かつ、減少不可識別手段が減少不可移動局を識別すると、減少不可移動局に無線基地局装置へのアクセスを制御するアクセス制御信号を生成するように構成したが、増加不可移動局の識別は行わずに、減少不可移動局を識別すると減少不可移動局に無線基地局装置へのアクセスを制御するアクセス制御信号を生成するように構成してもよい。すなわち、無線基地局装置を、移動局の送信電力を制御する送信電力制御信号を生成する送信電力制御手段と、この送信電力制御手段を用いて移動局に対し送信電力の減少を指令しても送信電力を減少できない減少不可移動局を移動局の中から識別する減少不可識別手段と、減少不可移動局に無線基地局装置へのアクセスを制御するアクセス制御信号を生成するアクセス制御手段とを備えるように構成してもよい。
また、第1の送信電力評価手段または第2の送信電力評価手段を、移動局に対し送信電力の増減を指示する送信電力制御信号の生成履歴情報を記憶する送信電力制御信号履歴記憶部であるTPC判断部264とし、TPCデータの生成履歴情報から、移動局の送信電力を増加させる指令又は減少させる指令が所定の回数連続して生成されたか否かを識別し、送信電力の増加を指令するTPCデータが所定の回数以上連続して生成されていることを検出すると、TPCデータの制御対象となる移動局101が送信電力を増加できないものと判別するように構成した。すなわち、送信電力評価手段を、移動局に対し送信電力の増減を指示する送信電力制御信号の生成履歴情報を記憶する送信電力制御信号履歴記憶手段と、この送信電力制御信号履歴記憶手段が記憶する生成履歴情報における送信電力の増加のみを連続して指示した回数、または、生成履歴情報における送信電力の減少のみを連続して指示した回数と所定の値との大小関係を判別する送信電力制御信号履歴判別手段とを備えるように構成したが、TPCデータの生成履歴情報から、移動局の送信電力の増加を指令した回数と減少を指令した回数との差を両者の回数の和で除した平均値と、所定の値との大小関係を識別するようにし、TPC判断部264において、移動局の送信電力の増加を指令した回数と減少を指令した回数との差を両者の回数の和で除した平均値が、所定の値以上であることを検出すると、TPCデータの制御対象となる移動局101が送信電力を増加できないものと判別するようにしてもよい。すなわち、送信電力評価手段である第1の送信電力評価手段または第2の送信電力評価手段を、移動局に対し送信電力の増減を指示する送信電力制御信号の生成履歴情報を記憶する送信電力制御信号履歴記憶手段と、この送信電力制御信号履歴記憶手段が記憶する生成履歴情報における送信電力の増加を指示した回数と送信電力の減少を指示した回数との差を両者の回数の和で除した平均値と、所定の値との大小関係を判別する送信電力制御信号履歴判別手段とを備えるように構成してもよい。
また、第1の送信電力評価手段または第2の送信電力評価手段として、無線基地局装置が受信する移動局のCDMA方式の無線信号の受信品質の一つであるSIRを用いた例を示した。すなわち、送信電力評価手段を、移動局からの受信信号品質を測定する受信信号品質測定手段と、この受信信号品質測定手段が測定する受信信号品質と所定の値との大小関係を判別する受信信号品質判別手段とを備えた構成とした。受信品質としてはSIRに限るものでなく、移動局の受信品質を測定するパラメータは適用するシステムの前提に応じて全て適用可能である。例えば、熱雑音が無視できないシステムではSINR(Signal to Interference and Noise Ratio)の使用が適切である。拡散率=1で使用することが明らかである場合、簡易にSN(Signal to Noise Ratio)、あるいは、RSSI(Radio Signal Strength Intensity)を適用することも有効である。また、ゆっくりとした送信電力制御で十分な品質を確保できるシステムでは、BER(Bit Error Ratio:既知信号と比較して誤っている数に対する全既知信号数の割合)、あるいは、BLER(BLock Error Ratio:誤り訂正後のCRCがOKになる数に対するCRCを備えた全データ数の割合)、あるいは、再符号化誤り率(誤り訂正後の信号を再度符号化して誤り訂正したビット数に対する誤り訂正前の総ビット数の割合)が有効である。さらに、移動局の送信電力制御に用いるパラメータと、送信電力評価手段に用いるパラメータが異なるものでもよい。
また、第1の送信電力評価手段または第2の送信電力評価手段として、移動局の送信する送信電力情報を含むCDMA方式の無線信号を復調して得られる希望波信号から送信電力情報を取得する送信電力情報取得部であるMS電力判断部265を用いる例を示したが、これに限るものでなく、移動局がこの移動局の送信電力情報を無線基地局装置へ送信する送信電力送信手段を備え、送信電力送信手段の送信する移動局の送信電力情報に基づき減少不可識別手段が減少不可移動局を移動局の中から識別するように構成してもよい。
また、移動局が無線基地局装置に備えられる送信電力制御手段により送信電力の減少を指令されても送信電力を減少できないときに送信電力減少不可情報を無線基地局装置へ送信する送信電力減少不可情報送信手段を備え、この送信電力減少不可情報送信手段の送信する移動局の送信電力減少不可情報に基づき減少不可識別手段が減少不可移動局を移動局の中から識別するように構成してもよい。
また、増加不可識別手段が前記増加不可移動局を識別し、減少不可識別手段が、送信電力を減少できず、かつ、移動局から無線基地局装置までの距離が所定の距離よりも小さい減少不可移動局をそれぞれ第2の送信電力評価手段及び遅延比較手段の出力に基づき移動局の中から識別すると、アクセス制御手段が減少不可移動局に対し該移動局からのアクセスを制御するアクセス制御信号を生成するように構成した。すなわち、アクセス制御手段は、無線基地局装置とこの無線基地局装置とアクセスするそれぞれの移動局との距離に基づき移動局に対しアクセス制御信号を選択的に生成するように構成した。ここで、遅延時間測定手段が測定する遅延時間から無線基地局装置と移動局との距離を算出したが、これに限るものでなく、例えば移動局にGPS機能を持たせ、そのGPS機能を用いて得られた移動局の位置情報を無線基地局装置に送信し、移動局より送信された移動局の位置情報と無線基地局の位置情報とを用いて、無線基地局装置と移動局との距離を算出するようにしてもよい。
また、アクセス制御信号が、CDMA方式の無線基地局装置と通信する移動局からのアクセスを禁止する指令である例を示したが、これに限らず、他のアクセス方式の無線基地局装置と通信する移動局からのアクセスを禁止する指令であってもよい。
また、アクセス制御信号が、CDMA方式の無線基地局装置と通信する移動局の送信周波数を変更する指令である例を示したが、これに限らず、他のアクセス方式の無線基地局装置と通信する移動局の送信周波数を変更する指令であってもよい。
実施の形態5.
実施の形態1乃至4では、呼制御部260を全て無線基地局装置200に搭載した例を示したが、ある無線基地局装置200と、この無線基地局装置200が移動局との通信サービスをカバーするサービスエリアと隣接する別のサービスエリアをカバーする別の無線基地局とのハンドオーバ処理を行うための無線基地局制御装置(図示せず。)を設け、無線基地局装置200における呼制御部260の機能の一部または全てを無線基地局制御装置が備えるように構成する。その他の構成は実施の形態1乃至4と同様である。
無線基地局制御装置に、通信制限判断部261、アクセス制御部266、送信データ生成部267を搭載し、目標SIR保持部252を無線基地局装置200に搭載する。その際、SIR判断部263の機能の一部を無線基地局装置200にもたせて、無線基地局制御装置間の通信量を低減することは有効である。例えば、無線基地局装置200側においてSIR判断部263で記憶される所定のSIRとの大小関係の判別のみを行い、連続検出の有無を含む総合判別を無線基地局制御装置側で行う。TPC判断部264、距離判断部262も同様である。
また、例えば、通信制限判断部261の一部を無線基地局制御装置に搭載する方法も有効である。無線基地局装置200からの指令があっても送信電力を上げられない移動局、下げられない移動局の有無を検出し、その結果を無線基地局制御装置へ伝送する。
また、例えば、目標SIR保持部252の機能を分割する方法も有効である。いわゆるアウターループ処理であり、移動局の移動状況に応じて目標SIRの補正を行う機能を無線基地局制御装置側に搭載し、補正後の目標SIRを保持する機能を無線基地局装置200に搭載する方法でもよい。
また、移動局の送信電力制御手段であるTPC生成部254を無線基地局制御装置に搭載してもよい。すなわち、無線基地局装置は、移動局から送信される無線信号を受信、復調及び復号化、移動局へ送信される無線信号を符号化、変調及び送信し、無線基地局装置は呼制御及び送信電力制御を行うように構成してもよい。
このように構成された実施の形態5による無線基地局制御装置は、複数の無線基地局装置を制御する無線基地局制御装置であって、無線基地局と通信する移動局に対しこの移動局の送信電力を制御する送信電力制御信号を生成する送信電力制御手段と、この送信電力制御手段を用いて移動局に対し送信電力の減少を指令しても送信電力を減少できない減少不可移動局を移動局の中から識別する減少不可識別手段と、減少不可移動局に前記無線基地局装置へのアクセスを制御するアクセス制御信号を生成するアクセス制御手段と、を備えたので、送信電力を減少できない減少不可移動局が無線基地局装置とアクセスすると送信電力を増加できない増加不可移動局が障害を受けることを防止する無線基地局制御装置を得ることができる。
また、無線基地局と通信する移動局に対しこの移動局の送信電力を制御する送信電力制御信号を生成する送信電力制御手段と、この送信電力制御手段を用いて移動局に対し送信電力の増加を指令しても送信電力を増加できない増加不可移動局を移動局の中から識別する増加不可識別手段と、送信電力制御手段を用いて移動局に対し送信電力の減少を指令しても送信電力を減少できない減少不可移動局を移動局の中から識別する減少不可識別手段と、増加不可識別手段が増加不可移動局を識別し、かつ、減少不可識別手段が減少不可移動局を識別すると、減少不可移動局に無線基地局装置へのアクセスを制御するアクセス制御信号を生成するアクセス制御手段と、を備えたので、送信電力を減少できない減少不可移動局が無線基地局装置とアクセスすると送信電力を増加できない増加不可移動局が障害を受けることを防止する無線基地局制御装置を得ることができる。
上記の実施の形態5の説明において、CDMA方式の複数の無線基地局装置を制御する無線基地局装置について説明したが、これに限るものでなく、移動局の送信電力制御を行う他のアクセス方式の複数の無線基地局装置を制御する無線基地局装置についても同様である。
実施の形態6.
図9は、この発明の実施の形態6におけるCDMA方式の無線基地局装置と通信する移動局の構成を説明するブロック図である。図9において、移動局100は、送受信アンテナ110、共用器111、受信部120、アクセス処理手段であるアクセス処理部130、送信部140、スイッチ150、音声出力部160、表示部161、入力キー162、音声入力部163、及び制御部170を備える。移動局100の各部に電力を供給する電源(図示せず。)や、移動局100の外部に設けられる機器とデータを入出力するデータ入出力部(図示せず。)も備える。
送受信アンテナ110では、無線基地局装置200から送信される無線信号が受信される。送受信アンテナ110で受信される受信信号は共用器111を経由して受信部120へ出力される。また、送信部140から出力される送信信号は、共用器111及び送受信アンテナ110を経由して無線基地局装置200へ送信される。
共用器111は方向性結合器とフィルタから構成され、無線基地局装置200から送信される無線信号の所定の周波数成分を受信部120へ伝送し、送信部140には伝送しない。また、送信部140から出力される送信信号の所定の周波数成分を送受信アンテナ110へ伝送し、受信部120へは伝送しない。
受信部120は、無線基地局装置200における高周波受信部211、AD変換器221、パス検出部231、逆拡散部232、RAKE受信部233、及び復号部241と同様に構成される。受信部120では、無線基地局装置200から受信される無線信号がベースバンド信号へ変換される。受信部120で変換されるベースバンド信号はアクセス処理部130及び音声出力部160へ出力される。
送信部140は、無線基地局装置200における高周波送信部212、DA変換器222、拡散部234、及び符号部242と同様に構成される。送信部140では、後述する音声入力部163から出力されるベースバンドのデジタル音声信号、あるいは、ベースバンドのデジタル音声信号および移動局の送信電力情報(送信電力値)に対し、符号化、拡散変調、アナログ変換、及び高周波変調の各処理が施された送信信号が後述するスイッチ150へ出力される。
また、あるいは、送信部140内に、送信電力低減不可、あるいは、増加不可を検出する機能を設け、所定の回数連続したか否か、あるいは、所定の回数の平均値が所定の値以上、あるいは、以下であることを識別する。この際には、送信部140では、後述する音声入力部163から出力されるベースバンドのデジタル音声信号、移動局の送信電力情報(送信電力値)および送信電力増減不可情報に対し、符号化、拡散変調、アナログ変換、及び高周波変調の各処理が施された送信信号が後述するスイッチ150へ出力される。
アクセス処理部130では、無線基地局装置200から受信される無線信号に含まれるアクセス制御信号が入力され、アクセス制御信号の指令に基づき移動局100の無線基地局装置200に対するアクセスが制御される。ここでは、アクセス制御信号が、移動局100に対し無線基地局装置200へのアクセスを禁止する指令であり、アクセス制御信号を受信した移動局100のアクセス処理部130が、無線基地局装置200へのアクセスを中止する処理を行うものとする。移動局100が無線基地局装置200に対しアクセスを開始する発呼時の場合、アクセス制御信号は無線基地局装置200への発呼を禁止する指令であり、アクセス処理部130は、無線基地局装置200への発呼を禁止する処理を行う。また、移動局100が無線基地局装置200とアクセス中の場合、アクセス制御信号は無線基地局装置200への接続を中止する指令であり、アクセス処理部130は、無線基地局装置200への接続を中止する処理を行う。アクセス処理部130から出力されるアクセス処理信号はスイッチ150へ出力される。
スイッチ150では、送信部140から出力される送信信号をオン/オフする。送信部150から出力される送信信号をオフすることにより、無線基地局装置200への送信が中止される。
音声出力部160はスピーカを備える。受信部120から出力されるベースバンド信号の中の音声信号である電気信号が音に変換されて出力される。
表示部161は液晶ディスプレイなどにより構成される。受信部120から出力されるベースバンド信号の中の画像信号や、後述するアクセス処理部130からの制御信号の情報などが表示される。
入力キー162は、キー入力操作により移動局100へ数字や指令を入力する入力装置である。
音声入力部163はマイクを備え、音声信号がベースバンドのデジタル電気信号に変換されて送信部140へ出力される。
制御部170は、移動局100の各部の制御を行う。
次に、動作について説明する。
無線基地局200から受信された無線信号は、入出力アンテナ110、共用器111を経由して、受信信号として受信部120へ入力される。受信部120では入力された受信信号をベースバンド信号へ変換する。受信部120で変換されたベースバンド信号に、無線基地局200のアクセス制御部266から出力されるアクセス制御信号が含まれていると、アクセス制御信号がアクセス処理部130へ出力される。アクセス制御信号は、移動局100に対し無線基地局装置200へのアクセスを禁止する指令であり、アクセス制御信号を受信した移動局100のアクセス処理部130が、無線基地局装置200へのアクセスを中止する処理を行なう。すなわち、スイッチ150をオフすることにより、送信部140から出力される送信信号を遮断し、無線基地局装置200への送信を中止する。また、表示部161では、無線基地局装置200からのアクセス制御信号に基づき無線基地局装置200への接続が中止された旨の情報が表示される。
このように構成された実施の形態6によるCDMA方式の無線基地局装置と通信を行う移動局は、無線基地局装置に備えられる増加不可識別手段が、送信電力を増加できない増加不可移動局を無線基地局装置に備えられる移動局の送信電力を評価する第1の送信電力評価手段に基づき移動局の中から識別し、かつ、無線基地局装置に備えられる減少不可識別手段が、送信電力を減少できないとともに移動局から無線基地局装置までの距離が所定の距離よりも小さい減少不可移動局を、それぞれ無線基地局装置に備えられる移動局の送信電力を評価する第2の送信電力評価手段と、無線基地局装置に備えられる遅延時間測定手段が測定する移動局から受信する無線信号の伝搬遅延時間に基づき算出される移動局から無線基地局装置までの距離と所定の距離とを比較し無線基地局装置に備えられる遅延比較手段の出力とに基づき移動局の中から識別すると、無線基地局装置に備えられるアクセス制御手段により生成され減少不可移動局からのアクセスを制御するアクセス制御信号を受信し、このアクセス制御信号に基づき所定の処理を行なうアクセス処理手段を備えたので、送信電力を減少できない減少不可移動局が無線基地局装置とアクセスすると送信電力を増加できない増加不可移動局が障害を受けることを防止する移動局を得ることができる。
実施の形態7.
図10は、この発明の実施の形態7におけるCDMA方式の無線基地局装置と通信する移動局の構成を説明するブロック図である。図10において、図9におけるスイッチ150の代わりに、アクセス処理手段であるアクセス処理部130が送信部140の一部を構成する局部発振器143を制御する構成となっている。その他の構成は図9と同様である。
アクセス処理部130では、無線基地局装置200から送信される無線信号に含まれるアクセス制御信号が入力され、アクセス制御信号の指令に基づき移動局100の無線基地局装置200に対するアクセスが制御される。ここで、アクセス制御信号は移動局100の送信周波数を変更する指令であり、アクセス制御信号を受信した移動局100のアクセス処理部130が、局部発振器143の発振周波数を変更する処理を行うものとする。局部発振器143の発振周波数が変更されることにより、移動局100の送信周波数が変更される。
次に、動作について説明する。
無線基地局200から受信された無線信号は、入出力アンテナ110、共用器111を経由して、受信信号として受信部120へ入力される。受信部120では入力された受信信号をベースバンド信号へ変換する。受信部120で変換されたベースバンド信号に、無線基地局200のアクセス制御部266から出力されるアクセス制御信号が含まれていると、アクセス制御信号がアクセス処理部130へ出力される。アクセス制御信号は移動局100の送信周波数を変更する指令であり、アクセス制御信号を受信した移動局100のアクセス処理部が、局部発振器143の発振周波数を変更する処理を行う。局部発振器143の発振周波数が変更されることにより、移動局100の送信周波数が変更される。また、表示部161では、無線基地局装置200からのアクセス制御信号に基づき送信周波数が変更された旨の情報が表示される。
このように構成された実施の形態7によるCDMA方式の無線基地局装置と通信を行う移動局は、無線基地局装置に備えられる増加不可識別手段が、送信電力を増加できない増加不可移動局を無線基地局装置に備えられる移動局の送信電力を評価する第1の送信電力評価手段に基づき移動局の中から識別し、かつ、無線基地局装置に備えられる減少不可識別手段が、送信電力を減少できないとともに移動局から無線基地局装置までの距離が所定の距離よりも小さい減少不可移動局を、それぞれ無線基地局装置に備えられる移動局の送信電力を評価する第2の送信電力評価手段と、無線基地局装置に備えられる遅延時間測定手段が測定する移動局から受信する無線信号の伝搬遅延時間に基づき算出される移動局から無線基地局装置までの距離と所定の距離とを比較し無線基地局装置に備えられる遅延比較手段の出力とに基づき移動局の中から識別すると、無線基地局装置に備えられるアクセス制御手段により生成され減少不可移動局からのアクセスを制御するアクセス制御信号を受信し、このアクセス制御信号に基づき所定の処理を行なうアクセス処理手段を備えたので、送信電力を減少できない減少不可移動局が無線基地局装置とアクセスすると送信電力を増加できない増加不可移動局が障害を受けることを防止する移動局を得ることができる。
上記の実施の形態6及び実施の形態7の説明において、CDMA方式の無線基地局装置と通信を行う移動局について説明したが、これに限るものでなく、送信電力制御を行う他のアクセス方式の無線基地局装置と通信を行う移動局についても同様である。
また、移動局を、無線基地局装置側に備えられる増加不可識別手段が、送信電力を増加できない増加不可移動局を移動局の中から識別し、かつ、無線基地局装置側に備えられる減少不可識別手段が、送信電力を減少できない減少不可移動局を移動局の中から識別すると、無線基地局装置に備えられるアクセス制御手段により生成され減少不可移動局からのアクセスを制御するアクセス制御信号を受信し、このアクセス制御信号に基づき所定の処理を行うアクセス処理手段を備えるように構成してもよい。
また、移動局を、無線基地局装置側に備えられる減少不可識別手段が、送信電力を減少できない減少不可移動局を移動局の中から識別すると、無線基地局装置側に備えられるアクセス制御手段により生成され減少不可移動局からのアクセスを制御するアクセス制御信号を受信し、このアクセス制御信号に基づき所定の処理を行うアクセス処理手段を備えるように構成してもよい。
上記の実施の形態1乃至実施の形態7の説明において、無線基地局装置、無線基地局制御装置、移動局について説明したが、これらを有する無線通信システムとして構成してもよい。
すなわち、無線基地局装置と、複数の移動局とを有する無線通信システムであって、無線基地局装置が、移動局に対しこの移動局の送信電力を制御する送信電力制御信号を生成する送信電力制御手段と、この送信電力制御手段を用いて移動局に対し送信電力の減少を指令しても送信電力を減少できない減少不可移動局を移動局の中から識別する減少不可識別手段と、減少不可移動局に無線基地局装置へのアクセスを制御するアクセス制御信号を生成するアクセス制御手段と、を備えるように構成してもよい。
また、無線基地局装置と、複数の移動局とを有する無線通信システムであって、無線基地局装置が、移動局に対しこの移動局の送信電力を制御する送信電力制御信号を生成する送信電力制御手段と、この送信電力制御手段を用いて移動局に対し送信電力の増加を指令しても送信電力を増加できない増加不可移動局を移動局の中から識別する増加不可識別手段と、送信電力制御手段を用いて移動局に対し送信電力の減少を指令しても送信電力を減少できない減少不可移動局を移動局の中から識別する減少不可識別手段と、増加不可識別手段が増加不可移動局を識別し、かつ、減少不可識別手段が減少不可移動局を識別すると、減少不可移動局に無線基地局装置へのアクセスを制御するアクセス制御信号を生成するアクセス制御手段と、を備えるように構成してもよい。
また、複数の無線基地局装置と、これらの無線基地局装置を制御する無線基地局制御装置と、無線基地局装置と通信を行う複数の移動局とを有する無線通信システムであって、無線基地局制御装置が、移動局に対しこの移動局の送信電力を制御する送信電力制御信号を生成する送信電力制御手段と、この送信電力制御手段を用いて移動局に対し送信電力の減少を指令しても送信電力を減少できない減少不可移動局を移動局の中から識別する減少不可識別手段と、減少不可移動局に無線基地局装置へのアクセスを制御するアクセス制御信号を生成するアクセス制御手段と、を備えるように構成してもよい。
さらに、複数の無線基地局装置と、これらの無線基地局装置を制御する無線基地局制御装置と、無線基地局装置と通信を行う複数の移動局とを有する無線通信システムであって、無線基地局制御装置が、移動局に対しこの移動局の送信電力を制御する送信電力制御信号を生成する送信電力制御手段と、この送信電力制御手段を用いて移動局に対し送信電力の増加を指令しても送信電力を増加できない増加不可移動局を移動局の中から識別する増加不可識別手段と、送信電力制御手段を用いて移動局に対し送信電力の減少を指令しても送信電力を減少できない減少不可移動局を移動局の中から識別する減少不可識別手段と、増加不可識別手段が増加不可移動局を識別し、かつ、減少不可識別手段が減少不可移動局を識別すると、減少不可移動局に無線基地局装置へのアクセスを制御するアクセス制御信号を生成するアクセス制御手段と、を備えるように構成してもよい。