JP4632077B2 - エポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂の製造方法、新規エポキシ樹脂、及び新規フェノール樹脂 - Google Patents
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例えば、近年需要が伸びている半導体封止材料分野におけるアンダーフィル材や、電気積層板分野におけるフレキシブル配線基板用途においてはエポキシ樹脂硬化物が柔軟であって、尚かつ靭性に優れるものが要求されており、かかる要求特性を具備するエポキシ樹脂として液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂をダイマー酸やセバシン酸のような脂肪族ジカルボン酸を分子鎖延長剤として反応させた高分子量化エポキシ樹脂が知られている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら当該技術においても分子構造内にエステル結合が存在することから加水分解され易く耐水性に劣るものであった。
一方、半導体封止材料用途においてエポキシ樹脂の高分子量化を図ることで架橋密度を下げ誘電特性を改善した技術としては、誘電特性が改善された半導体封止材料用のエポキシ樹脂として、フェノールとジシクロペンタジエンとの重付加体であるフェノール樹脂をグリシジルエーテル化する技術が知られている(下記特許文献2参照)。
しかしかかるエポキシ樹脂は耐湿性及び誘電特性に優れ、とりわけ低誘電正接化を図ることができる点において有用な樹脂ではあるけれども、特に低誘電率化の効果は十分なものではなく、近年要求の高いギガヘルツ単位の高周波タイプの半導体への適用は困難なものであった。そこで、低誘電率及び低誘電正接といったエポキシ樹脂の誘電特性を更に改善すべく当該エポキシ樹脂にフェノールとジシクロペンタジエンとの重付加体であるフェノール樹脂で変性しようとしても粘度上昇を招く他、エポキシ基とフェノール性水酸基との反応によって生じる2級水酸基に原因して著しい耐湿性及び耐水性の低下を招き、耐ハンダクラック性を低下させる為、実用に供することは困難なものであった。
更に、本発明は、該新規エポキシ樹脂と硬化剤とを必須成分とすることを特徴とするエポキシ樹脂組成物に関する。
更に、本発明は下記一般式2
更に、本発明は、該新規エポキシ樹脂と硬化剤とを必須成分とすることを特徴とするエポキシ樹脂組成物に関する。
更に、本発明は下記一般式3
更に、本発明は、該新規エポキシ樹脂と硬化剤とを必須成分とすることを特徴とするエポキシ樹脂組成物に関する。
更に、本発明は下記一般式4
更に、本発明は下記一般式5
(式中、R1及びR2はそれぞれ水素原子又はメチル基を、R3〜R6はそれぞれ水素原子、メチル基、塩素原子、又は臭素原子を表す。Xはシクロアルカン骨格を有する炭素原子数6〜17の脂肪族炭化水素基、また、nは自然数でありその平均値は1.2〜5である。)で表されることを特徴とする新規フェノール樹脂に関する。
更に本発明は下記一般式6
(式中、R3〜R6はそれぞれ水素原子、メチル基、塩素原子、ハロゲン原子を表す。Xはそれぞれ独立的に、シクロアルカン骨格を有する炭素原子数6〜17の脂肪族炭化水素基、また、nは自然数でありその平均値は1.2〜5である。)で表されることを特徴とする新規フェノール樹脂に関する。
本発明で用いる2官能性エポキシ樹脂(A)は、芳香核に他の基との結合部位を有する芳香族炭化水素基(a1)と、エーテル結合を含む炭化水素基(a2)又はその他の炭化水素基(a3)とが、アセタール結合(a4)を介して結合した構造を有し、かつ、グリシジルオキシ基が前記芳香族炭化水素基(a1)に結合した構造を有するものであり、具体的には前記一般式1、前記一般式2、又は前記一般式3で表されるものを最も好ましいものとしている。
ここで、芳香核に結合部位を有する芳香族炭化水素基(a1)は、芳香族炭化水素化合物において、芳香核に他の構造単位との結合部位を有する炭化水素基である。かかる芳香族炭化水素基(a1)は、具体的には、(i)ベンゼン環を一つのみ有する構造からなる炭化水素基、(ii)ベンゼン環が単結合を介して結合した構造からなる炭化水素基、(iii)ベンゼン環が脂肪族炭素原子を介して結合した構造からなる炭化水素基、及び(iv)ベンゼン環が脂肪族環状炭化水素基を介して結合した構造からなる炭化水素基(v)複数のベンゼン環が縮合多環化した構造からなる炭化水素基(vi)ベンゼン環がアラルキル基を介して結合した構造からなる炭化水素基、が挙げられる。
前記(i)の芳香族炭化水素基は、o−、m−、p−にそれぞれ結合部位を有するフェニレン基が挙げられる。
前記(ii)の芳香族炭化水素基は、4,4’−ビフェニレン基、2,2’,6,6’−テトラメチル−4,4’−ビフェニル基が挙げられる。
前記(iii)の芳香族炭化水素基は、メチレンジフェニレン基、2,2−プロパン−ジフェニル基、その他下記構造式
本発明においては、前記アルキレンオキシアルキレン基(a2−1)や炭素原子数2〜15の直鎖状アルキレン基(a3−1)を適用することで、従来になく柔軟なエポキシ樹脂硬化物となる。例えば、前記した液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂をダイマー酸やセバシン酸のような脂肪族ジカルボン酸を分子鎖延長剤として反応させた高分子量化エポキシ樹脂は、柔軟な構造のエポキシ樹脂硬化物を与えるが、エステル基の凝集によりその効果は十分なものではない。
これに対して本発明では前記アルキレンオキシアルキレン基(a2−1)、又は前記炭素原子数2〜15の直鎖状アルキレン基(a3−1)は、2官能性エポキシ樹脂(A)に柔軟性を付与する、所謂ソフトセグメントとして機能し、当該2官能性エポキシ樹脂(A)を硬化させて得られる硬化物は極めて柔軟なものとなる。この場合、前記芳香族炭化水素基(a1)は、柔軟性2官能性エポキシ樹脂(A)に剛直性を付与する所謂ハードセグメントとして機能する為、当該柔軟性2官能性エポキシ樹脂(A)は、柔軟性と靭性とを兼備するエポキシ樹脂硬化物を与えることができる。
ここで、当該アルキレンオキシアルキレン基(a2−1)は、例えば、エチレンオキサイドの重付加反応して形成される、エチレンオキシエチル基、及びポリ(エチレンオキシ)エチル基、プロピレンオキサイドの重付加反応して形成される、プロピレンオキシプロピル基、及びポリ(プロピレンオキシ)プロピル基の他、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを共重付加反応させて得られるエチレンオキシ基とプロピレンオキシ基とが共存するものであってもよい。
アルキレンオキシアルキレン基(a2−1)は、アルキレン単位の単位数が多い程エポキシ樹脂の柔軟性は向上するものの架橋密度の低下を招くため靱性は低下する傾向を示す。よって、それらの性能バランスの点から当該アルキレンオキシアルキレン基(a2)中のアルキレン基の数は2〜4である。
一方、炭素原子数2〜15の直鎖状アルキレン基(a3−1)は、実質的に直鎖状の炭素原子鎖からなる。柔軟性に影響を与えない程度に部分的に分岐構造を採っていてもよいが、柔軟性の点からは分岐を有しない直鎖状のアルキレン基であることが好ましい。
ポリ(アルキレンオキシ)アルキル基と炭素原子数2〜15の直鎖状アルキレン基とでは前者の方が柔軟性が良好となり、エポキシ樹脂硬化物の基材への密着性や接着性が良好となるため好ましい。
尚、前記構造式a3−2−2、前記構造式a3−2−3、および前記構造式a3−2−5において脂肪族環状炭化水素基の結合位置は、環を形成するエチレン又はプロピレンの任意の2級炭素原子である。これらのなかでも、エポキシ樹脂自体の剛直性が高まり誘電特性に優れた2官能性エポキシ樹脂(A)となる点からは前記構造a3−2−2、前記構造a3−2−3、又は前記構造a3−2−5の構造が好ましく、一方、誘電特性と耐熱性、耐湿性、及び流動性との性能バランスに優れる点から前記構造a3−2−1、又は前記構造a3−2−4のものが好ましい。尚、前記構造a3−2−2、前記構造a3−2−3、又は前記構造a3−2−5において結合位置は、環を形成するエチレン又はプロピレンの任意の2級炭素原子である。
上記各構造においてnは自然数であってその平均値は1.2〜5である。また、上記各構造式で表される化合物はそれぞれ芳香核にメチル基、ハロゲン原子等を置換基として有する樹脂も挙げられる。尚、前記構造式Ea−16において脂肪族環状炭化水素基の結合位置は、環を形成するエチレン又はプロピレンの任意の2級炭素原子である。
当該新規エポキシ樹脂の具体例としては前掲のEa−1〜Ea−14のエポキシ樹脂が挙げられる。
上記各構造においてnは自然数でありその平均値は1.2〜5である。また、上記各構造式で表される化合物はそれぞれ芳香核にメチル基、ハロゲン原子等を置換基として有する樹脂も挙げられる。尚、前記構造式Ea−5〜12、Ea−14、およびEa−15において脂肪族環状炭化水素基の結合位置は、環を形成するエチレン又はプロピレンの任意の2級炭素原子である。
当該新規エポキシ樹脂の具体例としては前掲のEb−1〜Eb−8のエポキシ樹脂が挙げられる。
(式中、R3〜R6はそれぞれ水素原子、メチル基、塩素原子、ハロゲン原子を表す。Xはそれぞれ独立的に炭素原子数6〜15の脂肪族環状炭化水素基を表す。また、nは自然数でありその平均値は1.2〜5である。)で表される本発明の新規エポキシ樹脂に関する。
当該新規エポキシ樹脂の具体例としては前掲のEb−9〜Eb−12のエポキシ樹脂が挙げられる。
ここで、2官能性エポキシ樹脂(A’)の具体例としては、前掲のEa−1〜Ea−17の構造式においてn=0のものが挙げられる。従って、上記構造式Ea−1〜Ea−17を当該混合物として表す場合、nの平均値は1〜3の範囲であることが好ましい。
一方前記2官能性エポキシ樹脂(A’)が下記一般式9
(式中、R1及びR2はそれぞれ水素原子又はメチル基を、R3〜R6はそれぞれ水素原子、メチル基、塩素原子、又は臭素原子を表す。Xはシクロアルカン骨格を有する炭素原子数6〜17の脂肪族炭化水素基を表す。)
で表される構造である場合には、耐熱性及び耐水性と、誘電特性とのバランスが良好なものとなる。
ここで、2官能性エポキシ樹脂(A’)の具体例としては、例えば前記一般式8に該当するものは前掲のEb−1〜Eb−8の構造式においてn=0のものが挙げられる。また、前記一般式9で該当するものは前掲のEb−9〜Eb−12の構造式においてn=0のものが挙げられる。同様に前掲のE−13〜E−15の構造式においてn=0の化合物のものも2官能性エポキシ樹脂(A’)に含まれる。従って、上記構造式Eb−1〜Eb−15を当該混合物として表す場合、nの平均値は0.5〜4.5の範囲となる。
しかし、以下の本発明の製造方法によって製造することが工業的に生産性が良好な点から好ましい。
2官能性フェノール化合物(a1’)と、エーテル結合を含む炭化水素化合物のジビニルエーテル(a2’)又はその他の炭化水素化合物のジビニルエーテル(a3’)とを反応させ(以下、この工程を「工程1」と略記する。)、
次いで得られた2官能性フェノール樹脂にエピハロヒドリンを反応させる(以下、この工程を「工程2」と略記する。)
ことにより製造することが望ましい。尚、この方法によって製造される反応生成物は、通常、2官能性エポキシ樹脂(A)と、2官能性エポキシ樹脂(A’)との混合物として得られる為、本発明では該混合物をそのままエポキシ樹脂成分として用いることができる。
一般式10中、R8は水素原子又はメチル基であり、mは0又は1〜4の自然数である。ここでR8が水素原子の場合は、ポリエチレングリコール骨格を有することになり、メチル基の場合は、ポリプロピレングリコール骨格を有することなる。
尚、本発明は、一般式10中のR8として水素原子とメチル基とがランダムに存在する構造、即ちエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドとの共重縮合した構造を有するものであってもよい。
具体的には、2官能性フェノール化合物(a1’)と、エーテル結合を含む炭化水素化合物のジビニルエーテル(a2’)又はその他の炭化水素化合物のジビニルエーテル(a3’)とを反応容器に仕込み、撹拌混合しながら加熱することによって目的とする2官能性フェノール樹脂を得ることができる。
具体的は2官能性フェノール化合物(a1’)中のフェノール性水酸基に対する、
エーテル結合を含む炭化水素化合物のジビニルエーテル(a2’)又はその他の炭化水素化合物のジビニルエーテル(a3’)中のビニルエーテル基の割合、〔フェノール性水酸基〕/〔ビニルエーテル基〕=80/20〜50/50(モル比)となるような割合が好ましい。また、副反応の影響などによりエーテル結合を含む炭化水素化合物のジビニルエーテル(a2’)又はその他の炭化水素化合物のジビニルエーテル(a3’)の転化率が低い場合には、ビニルエーテル基の割合を上記範囲よりも高めてもよい。
一方、硬化性、耐熱性等の他物性バランスを重視したい場合は、〔フェノール性水酸基〕/〔ビニルエーテル基〕=95/5〜80/20(モル比)となる範囲であることが好ましい。
一方、低誘電性2官能性エポキシ樹脂(A)を製造する場合、最終的に得られる2官能性エポキシ樹脂の柔軟性、耐湿性、誘電特性などの効果を高めたい場合は、当該その他の炭化水素化合物のジビニルエーテル化合物(a3’)の量を多くすればよい。
具体的は2官能性フェノール化合物(a1’)中のフェノール性水酸基に対する、その他の炭化水素化合物のジビニルエーテル化合物(a3’)中のビニルエーテル基の割合、〔フェノール性水酸基〕/〔ビニルエーテル基〕=80/20〜50/50(モル比)となるような割合が好ましい。
また、副反応の影響などにその他の炭化水素化合物のジビニルエーテル化合物(a3’)のビニルエーテル基の転化率が低い場合には、ビニルエーテル基の割合を上記範囲よりも高めてもよい。一方、硬化性、耐熱性等の他物性バランスを重視する場合は、〔フェノール性水酸基〕/〔ビニルエーテル基〕=95/5〜80/20(モル比)となる範囲であることが好ましい。
上記各構造においてnは自然数であり、その平均は1.2〜5である。また、上記各構造式で表される化合物はそれぞれ芳香核にメチル基、ハロゲン原子等を置換基として有する樹脂も挙げられる。尚、前記構造式Pa−16において脂肪族環状炭化水素基の結合位置は、環を形成するエチレン又はプロピレンの任意の2級炭素原子である。
上記2官能性フェノール樹脂の中でも特にエポキシ樹脂硬化物にした際の柔軟性と靱性とのバランスに優れ、尚かつ、耐水性も優れたものとなる点から下記一般式4
当該新規フェノール樹脂の具体例としては前掲のPa−1〜Pa−14の化合物が挙げられる。
上記各構造においてnは自然数でありその平均値は1.2〜5である。また、上記各構造式で表される化合物はそれぞれ芳香核にメチル基、ハロゲン原子等を置換基として有する樹脂も挙げられる。尚、前記構造式Pa−5〜12、Pa−14、およびPa−15において脂肪族環状炭化水素基の結合位置は、環を形成するエチレン又はプロピレンの任意の2級炭素原子である。
上記2官能性フェノール樹脂の中でも特にエポキシ樹脂硬化物にした際の
優れた誘電特性を有しながらもエポキシ樹脂硬化物に適度な柔軟性が付与され靱性も良好となる点から下記一般式5
この際、アルカリ金属水酸化物の使用量は粗エポキシ樹脂中に残存する加水分解性塩素1モルに対して、通常0.5〜10モル、好ましくは1.2〜5.0モルである。反応温度は通常50〜120℃、反応時間は通常0.5〜3時間である。反応速度の向上を目的として、4級アンモニウム塩やクラウンエーテル等の相関移動触媒を存在させてもよい。相関移動触媒を使用する場合のその使用量は、粗エポキシ樹脂に対して0.1〜3.0質量%の範囲が好ましい。
その他フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール付加反応型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂型エポキシ樹脂、ビフェニル変性ノボラック型エポキシ樹脂などの剛直なエポキシ樹脂に対して柔軟性付与を目的として前記柔軟性2官能性エポキシ樹脂(A)を一部併用してもよい。
また、低誘電性2官能性エポキシ樹脂(A)を用いる場合において電機積層板用途の場合は、前記液状エポキシ樹脂に加え、ブロム化フェノールノボラック型エポキシ樹脂等の臭素化エポキシ樹脂、固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂等を併用することができる。これらの併用し得る他のエポキシ樹脂は、本発明のエポキシ樹脂組成物中、70質量%未満、特に60質量%未満であることが好ましい。尚、これらのエポキシ樹脂は2種以上を併用してもよい。
例えばアミン系化合物としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ペンタエチレンヘキサミン、トリエチレンテトラミンなどの脂肪族ポリアミン類や、分子量200〜500のポリプロピレングリコールジアミンなどの高分子量アミン、メタキシリレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、フェニレンジアミンなどの芳香族ポリアミン類や、1、3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、イソホロンジアミン、ノルボルナンジアミンなどの脂環族ポリアミン類等や、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンとより合成されるポリアミド樹脂が挙げられる。
温度計、撹拌機を取り付けたフラスコにビスフェノールA228g(1.00モル)とトリエチレングリコールジビニルエーテル(ISP社製:商品名Rapi−Cure DVE−3)172g(0.85モル)を仕込み、120℃まで1時間要して昇温した後、さらに120℃で6時間反応させて透明半固形の変性多価フェノール類(ph−1a)400gを得た。
得られた変性多価フェノール類(ph−1a)は、図1のNMRスペクトル(13C)から、またマススペクトルでn=1、n=2の理論構造に相当するM+=658,M+=1088のピークが得られたことから前記一般式Pa−1で表される構造をもつであることが確認された。これの水酸基当量は364g/eq.、粘度は40mPa・s(150℃,ICI粘度計)、水酸基当量より算出される前記構造式P−1中のnの平均値は、n≧1の成分で3.21、及びn≧0の成分で1.16であった。
温度計、滴下ロート、冷却管、撹拌機を取り付けたフラスコに実施例1で得られた変性多価フェノール類(ph−1a)400g(水酸基当量364g/eq.)、エピクロルヒドリン925g(10モル)、n-ブタノール185gを仕込み溶解させた。その後、窒素ガスパージを施しながら、65℃に昇温した後に、共沸する圧力までに減圧して、49%水酸化ナトリウム水溶液122g(1.5モル)を5時間かけて滴下した。次いでこの条件下で0.5時間撹拌を続けた。この間、共沸で留出してきた留出分をディーンスタークトラップで分離して、水層を除去し、有機層を反応系内に戻しながら反応した。その後,未反応のエピクロルヒドリンを減圧蒸留して留去させた。それで得られた粗エポキシ樹脂にメチルイソブチルケトン1000gとn−ブタノール100gを加え溶解した。更にこの溶液に10%水酸化ナトリウム水溶液20gを添加して80℃で2時間反応させた後に洗浄液のPHが中性となるまで水300gで水洗を3回繰り返した。次いで共沸によって系内を脱水し精密濾過を経た後に溶媒を減圧下で留去して透明液体のエポキシ樹脂(ep−1a)457gを得た。そのエポキシ樹脂(ep−1a)は、図2のNMRスペクトル(13C)から、またマススペクトルでn=1、n=2の理論構造に相当するM+=770,M+=1200のピークが得られたことから前記構造式Ea−1で表される構造のエポキシ樹脂を含有することが確認された。
得られたエポキシ樹脂(ep−1a)は、前記構造式Ea−1においてn=0の化合物と、n=1以上の化合物との混合物であり、GPCで確認したところ該混合物中n=0の化合物を20質量%の割合で含有するものであった。また、このエポキシ樹脂(ep−1a)のエポキシ当量は462g/eq.、粘度は12000mPa・s(25℃,キャノンフェンスケ法)、エポキシ当量から算出される前記構造式Ea−1中のnの平均値は、n≧1の成分で2.97、及びn≧0の成分で1.35であった。
トリエチレングリコールジビニルエーテル(DVE−3)の量を101gに変更した以外は実施例1と同様にして変性多価フェノール類(ph−2a)を得た。この変性多価フェノール類(ph−2a)の水酸基当量は262g/eq.、粘度は60mPa・s(150℃,ICI粘度計)、水酸基当量より算出される前記構造式Pa−1中のnのnの平均値は、n≧1の成分で2.21、及びn≧0の成分で0.69であった。
原料の変性多価フェノール類を(ph−1a)から(ph−2a)の329gに変更する以外は,実施例2と同様にしてエポキシ樹脂(ep−2a)395gを得た。得られたエポキシ樹脂(ep−2a)は、前記構造式Ea−1においてn=0の化合物と、n=1以上の化合物との混合物であり、GPCで確認したところ該混合物中n=0の化合物を30質量%の割合で含有するものであった。このエポキシ樹脂(ep−2a)のエポキシ当量は350g/eq.、粘度は90000mPa・s(25℃,E型粘度計)、エポキシ当量から算出される前記構造式E−1中のnの平均値は、n≧1の成分で2.18、及びn≧0の成分で0.84であった。
トリエチレングリコールジビニルエーテル(DVE−3)の量を192gに変更した以外は実施例1と同様にして変性多価フェノール類(ph−3a)を得た。この変性多価フェノール類の水酸基当量は423g/eq.、粘度は30mPa・s(150℃,ICI粘度計)、水酸基当量より算出される構造式P−1中のnの平均値は、n≧1の成分で3.23、及びn≧0の成分で1.43であった。
原料の2官能性エポキシ樹脂をph−1aからph−3aの420gに変更する以外は,実施例2と同様にして,目的の2官能性エポキシ樹脂(ep−3a)471gを得た。得られたエポキシ樹脂(ep−3a)は、前記構造式E−1においてn=0の化合物と、n=1以上の化合物との混合物であり、GPCで確認したところ該混合物中n=0の化合物を15質量%の割合で含有するものであった。またこのエポキシ樹脂(ep−3a)のエポキシ当量は526g/eq.、粘度は4700mPa・s(25℃,キャノンフェンスケ法)、エポキシ当量から算出される前記構造式E−1中のnの平均値は、n≧1の成分で3.08、及びn≧0の成分で最大値は、1.65であった。
温度計、冷却管、撹拌機を取り付けたフラスコにビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製:商品名EPICLON 850S、エポキシ当量185g/eq.)457gとダイマー酸(築野食品工業製:商品名「Tsunodyme216」)243gを仕込み、窒素ガスパージを施しながら80℃まで昇温し、トリフェニルホスフィン(触媒)0.14gを添加して140℃で2時間反応させ半固形のエポキシ樹脂(ep−4a)700gを得た。このエポキシ樹脂(ep−4a)はダイマー酸のカルボン酸とエポキシ基を反応させることによりエステル結合によって、分子鎖延長された構造を有するものであり、エポキシ当量は451g/eq.、粘度は170mPa・s(150℃,ICI粘度計)であった。
ダイマー酸をセバシン酸(試薬)119gに変更した以外は合成比較例1と同様にして、半固形のエポキシ樹脂(ep−5b)576gを得た。このエポキシ樹脂はセバシン酸のカルボン酸とエポキシ基を反応させることにより、エステル結合によって分子鎖延長された構造を有し、エポキシ当量は488g/eq.、粘度は290mPa・s(150℃,ICI粘度計)であった。
上記のようにして合成された3種類のエポキシ樹脂(ep−1a)〜(ep−3a)、及び比較用に合成例1、2で得られたダイマー酸変性エポキシ樹脂(ep−4a)、セバシン酸変性エポキシ樹脂(ep−5a)、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加体(6モル付加)のグリジシルエーテルである6EO変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ep−6a、新日本理化株式会社製:商品名 「リカレジン BEO−60E」、エポキシ当量358g/eq.)を用いて性能評価を行った。また、エポキシ樹脂(ep−1a)及び(ep−2a)に併用するエポキシ樹脂としてビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(ep−7a、大日本インキ化学工業株式会社製:商品名 EPICLON 850S、エポキシ当量188g/eq.)を用いた。
温度計、撹拌機を取り付けたフラスコにビスフェノールA228g(1.00モル)と1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル(日本カーバイト工業社製:商品名CHDVE)144gを仕込み、120℃まで1時間要して昇温した後、さらに120℃で6時間反応させて透明固形のフェノール樹脂(ph−1b)372gを得た。その樹脂は、図3のNMRスペクトル(13C)から,またマススペクトルでn=1、n=2の理論構造に相当するM+=652,M+=1076のピークが得られたことから前記構造式P−1で表される構造をもつ目的の2官能性フェノール樹脂であることが確認された。これの水酸基当量は389g/eq.、150℃における溶融粘度は140mPa・s(ICI粘度計)、水酸基当量より算出される前記構造式Pb−1のnの平均値は、n≧1の成分で2.66、及びn≧0の成分で1.30であった。
温度計、滴下ロート、冷却管、撹拌機を取り付けたフラスコに実施例1で得られた変性多価フェノール類(ph−1b)372g、エピクロルヒドリン925g(10モル)、n-ブタノール185gを仕込み溶解させた。その後、窒素ガスパージを施しながら、65℃に昇温した後に、共沸する圧力までに減圧して、49%水酸化ナトリウム水溶液122g(1.5モル)を5時間かけて滴下した。次いでこの条件下で0.5時間撹拌を続けた。この間,共沸で留出してきた留出分をディーンスタークトラップで分離して、水層を除去し、有機層を反応系内に戻しながら反応した。その後、未反応のエピクロルヒドリンを減圧蒸留して留去させた。それで得られた粗エポキシ樹脂にメチルイソブチルケトン1000gとn−ブタノール100gを加え溶解した。更にこの溶液に10%水酸化ナトリウム水溶液20gを添加して80℃で2時間反応させた後に洗浄液のPHが中性となるまで水300gで水洗を3回繰り返した。次いで共沸によって系内を脱水し精密濾過を経た後に溶媒を減圧下で留去して透明液体のエポキシ樹脂(ep−1b)422gを得た。
そのエポキシ樹脂(ep−1b)は、図2のNMRスペクトル(13C)からマススペクトルでn=1、n=2の理論構造に相当するM+=764,M+=1188のピークが得られたことか前記構造式Eb−1で表される構造のエポキシ樹脂を含有することが確認された。
得られたエポキシ樹脂(ep−1b)は、前記構造式E−1においてn=0の化合物と、n=1以上の化合物との混合物であり、GPCで確認したところ該混合物中n=0の化合物を15質量%の割合で含有するものであった。また、このエポキシ樹脂(ep−1b)のエポキシ当量は490g/eq.、150℃における溶融粘度は130mPa・s(ICI粘度計)、エポキシ当量から算出される前記構造式Eb−1中のnの平均値は、n≧1の成分で2.66及びn≧0の成分で1.51であった。
原料のビスフェノールAをジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂(新日石化学株式会社製:商品名日石特殊フェノール樹脂DPP-6085)294gに,前記DVE−3を前記CHDVE64gに変更した以外は、実施例1と同様にして,褐色固形の2官能性フェノール樹脂(ph−2b)358gを得た。その樹脂は、図5のNMRスペクトル(13C)から,またマススペクトルでn=1、n=2の理論構造に相当するM+=836,M+=1352のピークが得られたことから上記前記構造式Pb−9で表される構造をもつ目的の2官能性フェノール樹脂であることが確認された。これの水酸基当量は265g/eq.、150℃における溶融粘度は710mPa・s(ICI粘度計)、水酸基当量より算出される前記構造式Pb−9中のnの平均値は、n≧1の成分で1.37、及びn≧0の成分で0.41であった。
原料の変性多価フェノール類を(ph−1b)から(ph−2b)358gに変更した以外は、実施例2と同様にして、褐色固形の2官能性エポキシ樹脂(ep−2b)429gを得た。その樹脂は,図6のNMRスペクトル(13C)から,またマススペクトルでn=1、n=2の理論構造に相当するM+=948,M+=1464のピークが得られたことから前記構造式Eb−9で表される構造をもつ目的のエポキシ樹脂であることが確認された。得られたエポキシ樹脂は前記構造式Eb−9におけるn=0の化合物と、n=1以上の化合物との混合物であり、GPCで確認したところ該混合物中n=0の化合物を35質量%の割合で含有するものであった。
またこれのエポキシ当量は353g/eq.、150℃における溶融粘度は190mPa・s(ICI粘度計)、エポキシ当量から算出される前記構造式Eb−9中のnの平均値は、n≧1の成分で1.44、及びn≧0の成分で0.53であることが確認された。
表2にしたがった配合で、エポキシ樹脂とフェノールノボラック樹脂硬化剤(大日本インキ化学工業株式会社製:商品名フェノライト TD−2131、水酸基当量104g/eq.)とトリフェニルホスフィン(促進剤)を120℃で均一混合し、それを150℃の温度で10分間プレス成形した。その後、175℃で5時間の後硬化を実施して硬化物を得た。その硬化物から所定のサイズの試験片を切り出し、それを用いて、耐熱性、耐湿性、誘電特性を評価した。耐熱性はガラス転移温度を動的粘弾性試験器で測定し、耐湿性はプレッシャークッカーテスト(121℃、100%RH、2気圧×2時間)で処理した後の、重量増加率を吸湿率とした。また誘電特性は、誘電率測定装置(ジャパン・イー・エム社製、DPMS1000)を用いて、1MHz/25℃の条件下で測定した。
尚、比較に用いたエポキシ樹脂は、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(ep−3b、大日本インキ化学工業株式会社製:商品名 EPICLON 850S、エポキシ当量188g/eq.)、ビスフェノールA型固形エポキシ樹脂(ep−4b、大日本インキ化学工業株式会社製:商品名 「EPICLON 1055」、エポキシ当量477g/eq.)、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(ep−5b、大日本インキ化学工業株式会社製:商品名「EPICLON N−665−EXP」、エポキシ当量203g/eq.)、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(ep−6b、大日本インキ化学工業株式会社製:商品名「EPICLON HP−7200H」、エポキシ当量279g/eq.)である。
一方、低誘電性2官能性エポキシ樹脂(A)を用いる場合は高周波機器に対応できる低誘電率、低誘電正接材料として、半導体封止材料、プリント配線基板材料及びビルドアップ用相関絶縁材料に適用できる。
Claims (15)
- 請求項1記載のエポキシ樹脂(A)、及び硬化剤(B)を必須成分とすることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
- 請求項1に記載された一般式1においてn=0の2官能性エポキシ樹脂(A’)を含む請求項4記載のエポキシ樹脂組成物。
- 請求項2記載のエポキシ樹脂(A)、及び硬化剤(B)を必須成分とすることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
- 請求項3記載のエポキシ樹脂(A)、及び硬化剤(B)を必須成分とすることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
- 前記2官能性エポキシ樹脂(A)と前記2官能性エポキシ樹脂(A’)との存在比が、質量基準で(A)/(A’)=90/10〜60/40である請求項5又は7記載の組成物。
- 前記2官能性エポキシ樹脂(A)及び前記硬化剤(B)に加え、前記2官能性エポキシ樹脂(A’)を含み、前記2官能性エポキシ樹脂(A)と前記2官能性エポキシ樹脂(A’)とを両者の混合物として用い、かつ、該混合物のエポキシ当量が250〜1000g/当量、25℃における粘度が2000〜150000mPa・sである請求項5又は7記載の組成物。
- 前記2官能性エポキシ樹脂(A)及び前記硬化剤(B)に加え、前記2官能性エポキシ樹脂(A’)を含み、前記2官能性エポキシ樹脂(A)と前記2官能性エポキシ樹脂(A’)とを両者の混合物として用い、かつ、該混合物のエポキシ当量が300〜1000g/当量、150℃における溶融粘度が0.1〜1.0Pa・sである請求項9記載の組成物。
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