JP4632496B2 - 靴底 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、靴底、特に動的な歩行ないし走行において、滑り止め効果を発揮できる靴底に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、靴底接地面に円錐台状、四角柱状、山状或いは波状突起を配置した数々の靴底が知られている。しかしながら、歩行ないし走行の際の足の動的作用に対応して、充分に滑り止め効果を発揮できなかった。
【0003】
近年、人間の歩行ないし走行における動的な研究が確立され、正常な成人の歩行ないし走行においては、足の長手軸方向に沿った内外側の2つの縦アーチ、即ち踵骨から第1中足骨の頭部へかけての内側アーチと踵骨から第5中足骨頭部へかけての外側の縦アーチと、足の短手方向への2つの横アーチ、即ち第1楔骨から立方骨の先端にかけての第1の横アーチと、第1中足骨の頭部から第5中足骨の頭部にかけてのボール部の第2の横アーチで体重負荷による着地衝撃圧を吸収しながら歩行するものである。そして歩行工程において体重負荷は、まず踵部外側から内側にかけて回内(プロネーション)しながら踵部裏面に負荷され、次に踵部裏面から足の長手方向における外踏まず部裏面に沿って徐々に前方へ向けて回外しながら移動され、第5指のボール部裏面、即ち第5中足骨と第5基節骨との関節部裏面で足を回外(スピネーション)して強く地面を踏みつけてから第1指のボールジョイント部裏面、即ち第1中足骨と第1基節骨との関節部裏面へとローリングしながら地面を踏みつけて移動され、次に第1基節骨と第1末節骨を反らせてピッチングさせながら第1末節骨(第1指)裏面で地面を強力に把持して第1〜第5指、特に第1.2.3指で地面を蹴って前進する工程を繰り返しながら歩行、所謂「あおり歩行ないし走行」するものと言われている。そしてこのような動的歩行ないし走行において、踵部でのプロネーション、第5指のボール部でのスピネーション、ボールジョイントに沿った踏み付け部でのローリング、第1.2.3指部での蹴りの工程で滑り易いと考えられる。
【0004】
又人間の脚の膝部は、老化によって外側に湾曲(O脚)し、立脚時における体重の重心線が膝の内側に位置し,歩行時に体重負荷が足裏の外側に集中して負荷されるようになり、これが老化による足の筋肉や靭帯の機能低下による2つの縦アーチ、と2つの横アーチの低平化とあいまって煽り歩行ができなくなり、歩行の際の体重負荷は踵部外側から爪先部外側へと直線的に移動される様になり歩行の際、バランスを失って、躓ずいたり、踏みつけ部が過度に回外(オーバースピネーション)して外側前方向へ倒れたり、滑ったりし易いと言われている。
【0005】
【発明の課題】
この発明は、一連の動的な歩行ないし走行において滑り止め効果を発揮して、歩行ないし走行バランスをコントロールし、煽り歩行ないし走行を促進できる靴底を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は、請求項1の発明は、四角柱状突起の頂点aとbを結ぶ一方の対角線上に形成される底辺111に向かって、他の頂点Cとdとを頂点として斜めに切欠して構成された対向する斜面112.112’を有する一対の突起11.11’...を、靴底0の接地面に多数配列することにより、突起11.11’...の頂点a.bからその底辺111にたいする直角方向Fを中心に、突起11.11’に圧縮応力と伸張応力が負荷され、一対の突起11.11’の対向する斜面112.112’で地面を挟むようにグリップし、動的な歩行走行工程において、底辺111とほぼ直交する方向Fへの滑りが阻止され、さらには底辺111と略直交する方向Fへの動的な体重負荷の外れがコントロールできることが判明した。
【0007】
請求項1の発明は、老人用の踏み付け部等において、突起11.11’...の底辺111を同一方向に指向させて複数行列させて行列突起群Mを構成し、この行列突起群M.M...を、その底辺111.111...を同一方向に指向させて多数列配列したものであり、この底辺と直交する方向Fへの滑り、と動的体重負荷の外れを防止したものである。
【0008】
請求項2の発明は、踵部、踏まず部等において、突起11.11’...の底面111を同一方向に指向させて複数行列させた行列突起群Mとし、複数の行列突起群M.M...を底辺111.111...を同一方向に指向させて多数列配置したものであり、行列突起群Mの底辺111と直交する方向F’−F’と行列突起群Nの底辺111と直交する方向F’−F’とをクロスさせて、クロス方向への滑り防止と動的体重負荷の外れを防止し、横振れすることなく安定的な着地を可能にしたものである。
【0009】
請求項3の発明は、靴底の中心軸Lの外側踏み付け部01接地面において、一対の突起11.11の底辺111を、中心軸Lに対して斜め前方方向に指向させて多数配列させることにより、足の第5指のボール部に対応する外側踏み付け部01接地面で、動的な体重負荷が突起11.11’の底辺111と直交する斜め前方外側方向F方向に外れようとする、即ちオーバースピレーションするのを防止し、踏み付け部でのローリングを促進させたものである。
【0010】
請求項4の発明は、靴底の中心軸Lの内側踏み付け部02接地面において、隣接する一対の突起11.11’の底辺111を、中心軸Lに対して斜め前方方向に指向させて多数配列したものであり、足の第1指のボール部に対応する内側踏み付け部02接地面で、動的な体重負荷がローリングに伴って突起11.11’の底辺111と直交する斜め前方外側方向F’’’方向へ外れるのを防止し、第1指のボール部での踏み付け部を確実なものとし、第1指、第2指、第3指での蹴り動作を促進することができる。
【0011】
請求項5の発明は、靴底の外周縁部011.011に配置された一対の突起11.11’のうち外縁側に位置する突起11を内縁側に位置する突起11’より高く形成したものであり、一対の突起11.11’の高低差によって動的体重負荷が踏み付け部の内外側部で靴底の外側方向F’’’’へ外れようとするのを、より効果的に予防できるものである。
【0012】
請求項6の発明は、外周縁部011.011を中央部012より漸次厚肉に形成した踏み付け部接地面に一対の突起11.11’を多数配列したものであり、請求項3又は4の発明において、さらに足の第5指のボール部に対応する外側踏み付け部01接地面で体重負荷が、その外側方向F’’’’へ逃げる、即ち、オーバースピネーションするのを予防し、踏み付け部でのローリングを促進させ、踏み付け部でのローリングの際、さらに体重負荷が内側踏み付け部02で、その外側方向F’’’’方向に逃げるのを予防し、第1指のボール部での踏み付け確実なものとすることが出来、第1指、第2指、第3指での蹴りを安定的に促進させるようにしたものである。
【0013】
この発明において四角柱状突起とはその頂辺が四角形状ないし平行4辺形状、台形状、帯状等の四つの辺によって構成され、各辺から70〜110度の略垂直な側壁が垂下したものを意味するものである。そしてこの発明において頂点c、d部辺、斜辺c-aとc-b、斜辺d−aとd-b部の縁部を若干平坦面又は湾曲面に形成しておけばこの部分で接地する際、着地が滑らかになり好都合である、この発明において四角柱状突起とは完全な四角柱だけではなくこのように変形したものも含むものである。
【0014】
この発明において突起11.11’は、好ましくはJIS硬度が35〜65度の天然ゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム,EVA,EPT,EPDM等オレフィン系ゴム等の合成ゴム、又はこれらの2種以上の混合物を主成分としたゴム、または塩化ビニール、ポリウレタン等通常靴底に使用される素材で靴底本体0と一体に形成されてされていても良いし、異質な素材で形成され靴底0本体に突起11.11’を接着、溶着、焼き付け等によって一体化されていても良い。突起11.11’の硬度がそれ以下となれば、突起11.11’の、反発弾性、耐摩耗性が低下し、耐久性に欠ける嫌いがあり、また硬度がそれ以上になれば頂辺部c,d部での圧縮応力と傾斜面112.112’伸張応力が低下し、引き戻し力と滑り止め効果が低下する嫌いがある。
【0015】
この発明における突起11.11’は以上のように形成されているので、突起11.11’の頂点c、d部辺に歩行ないし走行の際、体重負荷によって着地圧が負荷された場合、これに隣接した側壁113(113’).114(114’)が略垂直壁で構成され、対向する面112.112’が斜面で構成されているので、c,d部を中心に突起11.11’に圧縮応力が負荷され,斜面112.112’には伸張応力が負荷されて地面がグリップされる、そしてその反発力によってc、dから対角線方向、即ち底辺111に対して、略垂直方向へ引き戻そうとするベクトルが作用する。従って動的歩行ないし走行において、まずd部が着地する際、F方向へ倒れたり、滑ろうとする場合、突起11.11’の反発力によって引き戻される。
【0016】
【実施例】
以下この発明を歩行機能の低下したO脚の老人用靴の靴底に実施した図面によって説明すると、JISk6301による硬度が55度のゴムによって、図2に示すように長手方向13mm、短手方向5mmで、対向する頂点c.d部並びに斜辺c-aとc-b、斜辺d−aとd-b部の縁部を2Rの湾曲面110.110’を形成した略長方形状の頂辺から、高さ2mmの垂直壁を形成した四角柱状突起を、頂点aとbを結ぶ一方の対角線の底部に形成される底辺111に向かって他の頂点c.dをそれぞれ頂点として斜めに切欠して、対向する斜面112.112’を有する一対の単位突起11.11’を構成した。
【0017】
前記の一対の単位突起11.11’を図1に示すように、靴底踵部03接地面、踏み付け部後方04接地面において、その底辺111、111...が基準線xに平行な線x’に対して交差角度αが21度となるように短手方向に、平行に行列配列し突起群Mと、その底辺111、111...が基準線xに対して交差角βが21度となるように短手方向に平行に行列配列し突起群Nとを交互に配列し、靴底の中心軸Lの外側踏み付け部01接地面において、一対の突起11.11’...の底辺111、111...を靴底の中心軸Lに対して斜め前方方向に指向させるとともに、その底辺111.111...を足のボールジョイントに沿った基準線Aと交差する角度α’が外側部では60度、中心軸L部では30度となるように漸次傾きを緩めて弧状列に複列配列し、靴底の中心軸Lの内側踏み付け部02接地面において、一対の突起11.11’...の底辺111.111...を靴底の中心軸Lに対して斜め前方方向に指向させるとともに、その底辺111.111...をボールジョイントに沿った基準Aと交差する角度β’が外側部では30度、中心軸L部では20度となるように漸次傾きを緩めて弧状列に複列並列配列した。そして踏み付け部の外周縁部011.011を中央部012より0.5mmだけ漸次厚肉に形成した。
【0018】
【発明の作用】
この発明の実施例における靴底は以上のように構成されているので、O脚の人がこの靴底を装着した靴を履いて歩行した場合、歩行工程において、先ず踵部03から踏み付け部後方にかけて着地した際、行列突起群Mと行列突起群Nの底辺111と111の指向方向をクロスしているので、これらの底辺111.111と略直交する滑り止め方向F’−F’とF’’―F’’線もクロスして、クロス方向への滑り防止と動的体重負荷の外れが予防され、踵部において横振れやオーバープロネーションすることなく安定的な着地が可能である。 次に足裏に負荷される動的体重負荷は、踵部から外踏まず部を通って第5指のボールジョイント部裏面へと、足を回外して移動される。靴底の中心軸Lの外側踏み付け部01接地面において、一対の突起11.11’の底辺111が、中心軸Lに対して斜め前方方向に指向させて多数配列されているので、底辺111と略直交する方向F−F方向への滑りが阻止されるとともに足の第5指のボール部に対応する外側踏み付け部01接地面で動的な体重負荷が斜め外側前方向、即ち底辺111と直交する方向F方向へ外れようとする、即ちオーバースピネーションしようとするのが阻止され、踏み付け部でのローリングが促進される。そして第5指のボールジョイント部裏面へ達した足裏の動的体重負荷は、第1指のボールジョイント部裏面へとローリングしながら移動される。そして靴底の中心軸Lの内側踏み付け部02接地面において隣接する一対の突起11.11’の底辺111を、中心軸Lに対して斜め前方方向に指向させて多数配列したので、足の第1指のボール部に対応する内側踏み付け部02接地面で、突起11.11’の底辺111と略直交する方向F’’’−F’’’への滑りが阻止されるとともに動的な体重負荷がローリングに伴って内側踏み付け部02接地面の外側前方方向、即ち底辺111と直交する方向F’’’方向へ外れるのが防止され、第1指のボール部での踏み付けが確実なものとなり、第1指、第2指、第3指での蹴りが促進される。したがつて安定した煽り歩行が促進される。また実施例において踏み付け部01.02に配列された一対の突起11.11’...は弧状に多数列並列されているので、列間に形成される溝2.2...も弧状に多数並列され、踏み付け部01.02における靴底0の屈曲性も極めて良好で、煽り歩行が一層促進される。
【0019】
【発明の効果】
この発明は、一対の突起11.11’...を、歩行ないし走行における動的な体重の移動に対応して色々な方向に方向性をもたせて、靴底0の接地面に配列することにより、動的な歩行ないし走行工程において滑り止め効果を発揮出来るとともに動的な歩行ないし走行バランスをコントロールして煽り歩行ないし走行を促進できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 靴底の平面図である。
【図2】 一対の突起の見取り図である
【図3】 足のボールジョイントに対応した図1の靴底の突起のY-Y列における断面図である。
【図4】 図1の踏み付け部外側部における部分拡大図である。
【図5】 図1の踏み付け部内側部における部分拡大図である。
【図6】 図1の踵部における部分拡大図である。
Claims (6)
- 四角柱状突起の頂点aとbを結ぶ一方の対角線上に形成される底辺111に向かって、他の頂点cとdとを頂点として斜めに切欠して構成された対向する斜面112.112’を有する一対の突起11.11’...を、靴底0の接地面に多数配列すると共に、突起11.11’...の底辺111を同一方向に指向させて複数行列させて行列突起群Mを構成し、この行列突起群M.M...を、その底辺111.111...を同一方向に指向させて多数列配列したことを特徴とする靴底。
- 突起11.11’...の底辺111を同一方向に指向させて複数行列させた行列突起群Mと、突起11.11’...の底辺111を同一方向に指向させて複数行列させた行列突起群Nとを交互に異方向に配列したことを特徴とする請求項1記載の靴底。
- 靴底の中心軸Lの外側踏み付け部01接地面において、一対の突起11.11’の底辺111を、中心軸Lに対して斜め前方方向に指向させて多数配列したことを特徴とする請求項1記載の靴底。
- 靴底の中心軸Lの内側踏み付け部02接地面において、一対の突起11.11’の底面111を、中心軸Lに対して斜め前方方向に指向させて多数配列したことを特徴とする請求項1記載の靴底。
- 靴底の外周縁部011.011に配列された一対の突起11.11’のうち外縁側に位置する突起11を内縁側に位置する突起11’より高く形成したことを特徴とする請求項3又は4記載の靴底。
- 外周縁部011.011を中央部012より漸次厚肉に形成した踏み付け部接地面に一対の突起11.11’を多数配列したことを特徴とする請求項3又は4記載の靴底。
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