JP4632955B2 - 回転電機及び電動車両 - Google Patents

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Description

本発明は、出力特性を自由に調整できる回転電機及び電動車両に関する。
従来、車両用発電機の制御装置に関するものとして特許文献1がある。この発明では、ラジアルギャップモータにおいて、ステータとロータの間のギャップを調整する軸方向変位機構を備えている。この軸方向変位機構は、ソレノイドを備え、ソレノイドが励磁されると、ロータないしステータを軸方向に変位させてギャップを調整することで発電特性を変えている。
しかし、特許文献1では、ソレノイドによってロータを変位させているため精密な制御ができない。このため、駆動力や車両速度によって精密な制御を必要とする電動車両のモータに応用することは難しい。また、特許文献1の実施例として、ステータをモータと螺子によって動かす例が示されているが、この構成では回転しているロータを動かすことはできない。
よって、車両用発電機としては、特許文献1で用いたラジアルギャップモータに対して、より安価で、薄くすることができ、且つ、ギャップ調整の点で、ラジアルギャップモータより発電特性の変化が顕著なアキシャルギャップモータを用いることが望ましい。
アキシャルギャップモータにおいて、ステータのティースとロータのマグネットの間隙(ギャップ)を調整する技術としては、例えば、特許文献2に開示の技術が知られている。
図1は、特許文献2に開示のギャップ調整可能な従来のモータを示す要部断面図である。
図1に示すモータ1では、回転ドラム2を内蔵するドラム固定部3上面の中央部に開口部4が形成され、この開口部4の周囲にコイルを有するモータ固定子5が配置されている。
このモータ固定子5に対向して、マグネット6が配置され、このマグネット6は、ドラム固定部3上方に配置されたモータ回転子7に設けられている。
モータ回転子7は、ドラム固定部3の開口部4に配置された締結及び調整部材8を介して、回転ドラム2に接続されている。
締結及び調整部材8は、先端部9に雄ねじ部が形成されたネジ状のものであり、上方からモータ回転子7に挿入され、頭部10が、モータ回転子7の上面に係止されている。また、軸部11はモータ回転子7および圧縮コイルバネ12に挿通されて、先端部9を、回転ドラム2上面の雌ねじ溝に螺合している。圧縮コイルバネ12は、モータ回転子7と回転ドラム2との間に配置され、回転ドラム2上面と、モータ回転子7とを離間させる方向に付勢している。
この構成により、締結及び調整部材8の頭部10に対する操作により締結及び調節部材8が解ける場合、圧縮コイルバネ12の復元力によりモータ回転子7と回転ドラム2が相対的に遠ざかる。その結果、モータ回転子7のマグネット6とモータ固定子5との間隙Gは大きくなる。また、締結及び調節部材8が締められる場合、ブッシュ13と回転ドラム2が相対的に近くなり、よって間隙Gは小さくなる。
特開平9−37598号公報 特許第2749560号公報
しかしながら、上記従来のギャップ調整可能なアキシャルギャップモータの構成は、製品の仕様変更に対応するために考えられた構成である。つまり、アキシアルギャップモータに関するロータとステータのギャップを調整する手段は、手動で行うため、特許文献2では、製品へ取り付け前のみギャップ調整が可能な実施形態が開示されている。
つまり、製品を電動車両に適用して、最適な条件で運転するためにギャップ調整を運転中に行う形態は開示されていない。また、この特許文献2において、電磁的操作と手動操作のことが記述されているが、具体的な実施形態を開示していない。これは、電動車両の駆動源のように製品運転中にアクティブにモータ特性を変更する課題の解決、たとえばギャップ調整変更を自由に行う手段を検討する必然性が存在しなかったことに起因する。
また、特許文献1の構成をアキシアルギャップモータに適用することが考えられるが、アキシアルギャップモータは、わずかなギャップ変位で特性が大きく変化するため、上記特許文献1の構成では実現できない。
このため、車両用発電機としては、車両の運転中にでも出力特性を容易に自由に調節変更できるものが必要である。
本発明の目的は、運転中でも出力特性を容易に自由に調節変更できる回転電機及び電動車両を提供することである。
本発明の回転電機は、回転軸と、前記回転軸に接続されたロータと、前記ロータに対向して配置されたステータと、前記ロータと前記ステータの前記回転軸方向の相対位置を調整する調整手段とを備え、前記調整手段は、調整用モータと、前記調整用モータに接続され、前記調整用モータの回転により前記回転軸まわりに回転する回転部材と、前記回転部材の回転により前記回転軸方向に移動して、前記ロータを前記回転軸方向に移動させる可動部材と、前記ロータと前記ステータの間に生じるマグネット吸引力により前記可動部材にかかる前記回転軸方向の力を打ち消す方向に、前記可動部材を付勢する付勢手段とを有し、前記可動部材は、前記ロータを回転自在に接続する接続部と、前記接続部と一体的に設けられ、且つ、前記回転部材に対して、前記回転軸方向に相対移動可能に螺旋状に係合する係合部とを備え、前記係合部を介して前記回転部材の回転を前記回転軸方向に変位し、前記接続部を介して前記ロータを前記回転軸方向に移動し、前記付勢手段は、前記可動部材を付勢することによって前記接続部を介して、前記ロータを前記ステータから離間する方向に付勢する構成を採る。
上記構成によれば、調整用モータの回転によって回転部材が回転軸まわりに回転し、この回転部材の回転により可動部材が、回転軸方向に移動し、ロータを移動させて、ステータとの相対位置(ギャップ)を変化させる。このため、ロータが回転した状態でも、ロータとステータ間のギャップを調整して、別言すれば、これらロータとステータ間の相対位置をアクティブに調整して、高トルクが必要なときには両者の間に生じる吸引力、反発力を大きくし、高回転が必要なときには両者の間に生じる吸引力、反発力を小さくして、出力特性を自由に変えることができる。
また、上記構成の回転電機が、例えば、アキシャルギャップ型回転電機であればロータとステータ間のギャップ間隔を調整することができる。さらに、上記構成の回転電機が、アキシャルギャップ型以外の回転電機、例えば、ロータとステータの対向面積を、円錐型のギャップをもつ回転電機であるラジアルギャップ型の回転電機等であればロータとステータのギャップおよび対向面積をそれぞれ調整して同様の効果を有することができる。
また、上記構成の回転電機は、調整用モータの回転によって回転部材を回転させるだけでよいため、ロータとステータ間のギャップ間隔を調整する調整用モータとして、その種類、形状、配置に制限がないためコストの安いモータを選択できる。よって、上記構成の回転電機では、調整用モータのレイアウトもプーリ等を用いて離して配置することも可能であり、全体の構成をコンパクトにできる。
さらに、上記構成の回転電機は、可動部材によりステータに対してロータを移動するため、鉄芯と銅線からなる重いステータを動かすより、トルクの小さな調整用モータを用いることができる。
ところで、一般的に回転電機を電動車両等に用いる場合、回転電機自体には大きな振動や衝撃荷重がかかるため、回転電機が重いステータを有する場合、重いステータは大きな荷重に耐える構成にする必要が生じる。この構成において、ステータを動かす場合、ケース等にボルトでしっかりと固定しにくい。加えて、ステータの回転を防止するとともに軸方向に移動できる機構が必要となり、さらに大きな荷重に耐える構造としなければならず、構造的に、大きく重いものになってしまう。
これに対し、上記本発明に係る回転電機の構成によれば、ロータを移動させるため、これら重量のある大きな構造を必要としない。
本発明の回転電機は、回転軸と、前記回転軸に接続されたロータと、前記ロータに対向して配置されたステータと、前記回転軸の軸方向に移動することにより、前記ロータを前記軸方向に移動して、前記ステータとの相対位置を変化させる可動部材と、前記回転軸まわりに回転する回転部材と、前記回転部材に接続され、前記回転部材を回転する調整用モータと、前記ロータと前記ステータの間に生じるマグネット吸引力により前記可動部材にかかる前記回転軸方向の力を打ち消す方向に、前記可動部材を付勢する付勢手段とを有し、前記可動部材は、前記ロータを回転自在に接続する接続部と、前記接続部と一体的に設けられ、且つ、前記回転部材に対して、前記回転軸方向に相対移動可能に螺旋状に係合する係合部とを備え、前記係合部を介して前記回転部材の回転を前記軸方向の変位に変換して、前記接続部を介して前記ロータを前記回転軸方向に移動し、前記付勢手段は、前記可動部材を付勢することにより前記接続部を介して、前記ロータを前記ステータから離間する方向に付勢する構成を採る。
上記構成によれば、調整用モータの回転によって回転部材が回転軸まわりに回転し、この回転部材の回転を回転軸の軸方向の変位に変換して、可動部材を軸方向に移動させて、ロータを移動して、ステータと相対位置(ギャップ)を変化させる。このため、ロータが回転した状態でも、ロータとステータ間のギャップを調整して、これらロータとステータ間の相対位置をアクティブに調整して、高トルクが必要なときには両者の間に生じる吸引力、反発力を大きくし、高回転が必要なときには両者の間に生じる吸引力、反発力を小さくして、出力特性を自由に変えることができる。
以上説明したように、本発明によれば、ロータ及びステータ間のギャップを容易に且つ確実に調整できるため、ロータ及びステータ間の相対位置をアクティブに調整でき、高トルクが必要なときには両者の間に発生する吸引力、反発力を大きくし、高回転が必要なときには両者の間に発生する吸引力、反発力を小さくして、出力特性を自由に変えることができる。
ギャップ調整可能な従来のモータを示す要部断面図 本発明に係る実施の形態1の回転電動機を適用した一例としての電動二輪車の側面図 図2の電動二輪車における回転電機の要部を示すA−A線部分断面図 同電動二輪車の回転電機の要部を示す分解斜視図 可動部材と回り止め部材との関係を示す断面図 可動部材と回り止め部材との関係を示す断面図 本発明に係る実施の形態2としての回転電機の要部を示す部分断面図 本発明に係る実施の形態3としての回転電機の要部構成を示す部分断面図 本発明に係る実施の形態3の可動部材と回転部材の一例を示す斜視図 本発明に係る実施の形態3の可動部材と回転部材の一例を示す斜視図
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(実施の形態1)
図2は、本発明に係る実施の形態1の回転電機を適用した電動二輪車の側面図である。図2に示す電動二輪車100は、その車体前方上部にヘッドパイプ102を備え、このヘッドパイプ102内には不図示のステアリング軸が回動自在に挿通されている。このステアリング軸の上端にはハンドル103が取り付けられ、下端には、左右一対のフロントフォーク104の上部が接続されている。これらフロントフォーク104の下端には前輪105が前側車軸106によって回転自在に軸支されている。
ヘッドパイプ102には、車体後方に向かって延びる左右一対の車体フレーム107が接合されている。
車体フレーム107は、丸パイプ状をなし、ヘッドパイプ102から車体後方に向かって斜め下方に延びた後、後方に向かって円弧状に曲げられて車体後方に略水平に延びてなる。この略水平な部分は、ステップフロア107aを形成している。
また、各車体フレーム107の後端部には、斜め上方に向けて、左右一対のシートピラー108が設けられ、上端部でシート109を支持している。これら左右一対のシートピラー108間にはバッテリ110が配置されている。さらに、車体フレーム107の後端部には、左右一対のリヤアームブラケット111(一方のみ図示)がそれぞれ溶着されている。これらリヤアームブラケット111には、スウィングアームユニット120の前端がピボット軸112にて上下揺動自在に支持されている。
スウィングアームユニット120は、後端部で、駆動輪である後輪113が回転自在に軸支し、リヤクッション114を介してシートピラー108に懸架されている。
スウィングアームユニット120は、前端がピボット軸112に軸支され、後方に延びるリアアーム部121と、リアアーム部121の後端に設けられ、後輪113を側方で支持する略円形の円形部122とを有する。
円形部122には、車幅方向に扁平な薄型のアキシアルギャップ式の回転電機(電動モータ)200が収容されている。
図3は、回転電機200の要部を示す図2のA−A線断面図であり、図4はスウィングアームユニット120に取り付けられる回転電機200の要部を示す分解斜視図である。なお、図3では、図面上が車体の右側、図面左が前側に対応する。
リアアーム部121の左側面を構成するアーム筐体(ケース)の後端部にカバー124を設けることによって、回転電機200を収容するハウジング123が形成されている。
このハウジング123は、スウィングアームユニット120の後端部、つまり、リアアーム部121の後端部及び円形部122を形成する。
ハウジング123底部の中央部内側には、軸受125が設けられ、カバー124の中央部内側には各軸受126が設けられている。なおハウジング123の底部は、スウィングアームユニット120において後輪113から車幅方向に最も離間した位置に配置されている。
この軸受125、126は、後輪を回転する車軸(出力軸)210とロータ軸221とからなる回転軸230をそれぞれ回転可能に軸支する。
ホイル113aは、車軸210に挿通され、外側からナット113bにより車軸210に対して一体的に固定されている。
これによりホイル113aは、車軸210とともに、ハウジング123及びカバー124に対して回転可能に支持されている。また、ホイル113aの外周部には、タイヤ113cが取り付けられている。
図4に示すように、回転電機200(電動モータ)は、ステータ240とロータ220とで主に構成されている。
ステータ240は、ハウジング123に収納されてボルトなどで固定されている。ステータ240は、円板状(略リング状)をしたステータヨーク241と、コイル242とを有する。
コイル242は、ステータヨーク241に車軸210周りに略円形に施された複数の嵌合孔に、それぞれ、挿入固定された複数のティース243の各々にボビン(インシュレータ)244を介して巻回されている。これらコイル242とティース243とステータヨーク241は、樹脂等でモールドされている。
ロータ220は、ステータ240に対して車軸210周りに回転可能な状態で取り付けられている。
ロータ220は、回転中心に配されたロータ軸221を中心に回転し、このロータ軸221の一方の端部(図3下方)は、ハウジング123に固定された軸受204により回転自在にかつ軸方向には不動に軸支されている。
ロータ軸221の他方の端部は、図3の中央部分で示す軸受208を介して車軸210の下部に、回転自在にかつ軸方向には不動に支持されている。
ロータ軸221における車軸210側の端部は、減速機250に挿入され、ロータ軸221は、この減速機250を介して、車軸210に接続される。
減速機250は、ロータ軸221の回転数を減速して力を車軸210に伝える。
この減速機250は、カバー124に収納されるとともに、ロータ軸221の車軸側端部の周囲を覆う筐体250a内側に設けたリングギア250b、ロータ軸221の外周部に形成されたサンギア221a、遊星ギア250c、支持板250dを有する。
遊星ギア250cは、サンギア221aとリングギア250bとの間に配置され、それぞれに噛み合って自転および公転する。
支持板250dは、遊星ギア250cを支持し、車軸210の下部に一体的に形成されてなる。なお、遊星ギア250cの公転の中心とロータ軸221の回転中心とは同軸上に存在する。
また、ロータ220は、円盤状のヨーク222を備えている。ヨーク222は、パンチ加工でリング状にした金属板を2段階絞り加工した部材である。
ヨーク222の片方の面の外周部には、マグネット223がステータ240に対向する位置に固定されている。マグネット223は、ヨーク222の片方の面に交互に異なる極性が形成されるように着磁されている。
マグネット223は、ステータ240に対してロータ軸221の軸方向(以下、単に軸方向という)に間隙(ギャップ)Gを有して配されている。
ヨーク222の中心部分には、ロータ軸221が挿通される貫通孔が形成されている。この貫通孔には、下部で、可動部材(スライダ)260に軸受227を介して回動自在に接続されるブラケット226の上部が嵌合されている。
ブラケット226は、筒状に形成され、ステータ240に対して略直交する方向に、ロータ軸221が挿通され、上部で、ヨーク222にボルトを介して固定されている。
ブラケット226の下部の内周側には、軸方向に伸びた溝(スリット)226aが形成され、このスリットは、ロータ軸221の外周部に形成された突出部221bに係合されている。
すなわち、ブラケット226とロータ軸221とはいわゆるセレーションで結合され、ロータ軸221は、スリット226aを案内溝としてブラケット226に対して軸方向に移動可能に接続されている。
したがって、ブラケット226に接続されたヨーク222は、ロータ軸221とともに回転可能でかつロータ軸221に対して軸方向に摺動可能になっている。
このブラケット226の下部、つまり、ブラケット226に対して後輪113と逆側の部分に、内部にロータ軸221を挿通した円筒状の可動部材260が配置されている。
可動部材260は、ハウジング123内に、ロータ軸221回りに回転自在に取り付けられ、下部で、回転部材270に螺合により接続されている。
可動部材260は、図3に示すように、上部(先端部)、つまり、後輪113側部分に設けられ、ブラケット226の下端部が軸受227を介して接続される接続部261と、接続部261から下方に延びる本体部262とを有する。
接続部261は、本体部262の先端縁から径方向に伸延されるフランジ部の外周から上方に立ち上がる周壁部を有する。接続部261では、フランジ部の上面から隙間を空け、周壁部内に内嵌された軸受227及びブラケット226下部を介してロータ軸221が挿通されている。
本体部262は、ハウジング123に固定された回り止め部材127に挿通され、この回り止め部材127により、本体部262自体の回転が防止されているとともに軸方向にのみ移動可能となっている。
ここで、回り止め部材127の構成について説明する。回り止め部材127には、可動部材260が挿通される挿通孔128が形成されている。一方、可動部材260の本体部262の先端部(図3上では上部)の外周には、挿通孔128に内嵌し、挿通孔128の内面に沿って軸方向にのみ摺動する摺動部262aが設けられている。
摺動部262aは断面円筒状をなし、その一部の外周部を切り欠くことで平面部が形成されている。これに外嵌する挿通孔128の内周面は、一部に摺動部262aの平面に当接する平面が形成されている。
つまり、これら平面どうしが当接することにより、回り止め部材127と可動部材260の摺動部262aは相対的な回転を抑止している。
図5A及び図5Bは、可動部材と回り止め部材との関係を示す断面図である。可動部材の摺動部262aと回り止め部材127の係合部の軸方向断面形状は、例えば、図5Aに示すように、円形状の少なくとも一箇所を直線としたものでもよいし、図5Bに示すように、多角形でもよい。
さらに摺動部262aと回り止め部材127の形状が略相似形である必要はなく相互に噛み合い相対的に回転しなければよい。
また本体部262の基端部(図3上では下端部)、つまり、可動部材260の下端部の外周には、雄ねじ部262bが形成され、この雄ねじ部262bが、回転部材270の雌ねじ部271aに螺合されている。
回転部材270は、ロータ軸221が挿通されるとともに可動部材260の基端部が挿入される筒状の円筒部271と、円筒部271の外周の中央から放射方向に張り出して設けられたウォームホイル部272とを有する。
円筒部271内には、円筒部271内に挿入された可動部材260の本体部262が位置する。また、この円筒部271の内周面には、雌ねじ部271aが形成され、この雌ねじ部271aは、本体部262の下端部の外周の雄ねじ部262bが螺合されている。
なお、雄ねじ部262b及び雌ねじ部271aによる可動部材260と回転部材270との接続は、雄ねじ部262b及び雌ねじ部271aに代えて、螺旋状の凹凸部として、これら凹凸部同士を係合することで構成してもよい。
また、円筒部271及び本体部262の下端部の一方に螺旋状の長孔を設け他方には長孔に係合するピンを配置してもよい。
つまり、これら本体部262及び円筒部271との接続構造、ここでは、回り止め部材127により回転が防止された雄ねじ部262bと雌ねじ部271aとの螺合構造により、回転部材270の回転を、軸方向に変換する。これにより、可動部材260は軸方向に移動する。
また、円筒部271は、その上下において、ハウジング123及び回り止め部材127に嵌合された各軸受273に回転可能に軸支されている。
この円筒部271は、ロータ軸221上で、ロータ軸221の一方の端部が挿入される軸受125に隣接配置されている。
また、ウォームホイル部272は、円筒部271下部に外嵌する軸受273、つまり、軸受125側の軸受273を介して軸受125に隣接配置されている。このウォームホイル部272の外周のギアには、回転軸230に対して直交配置された調整用モータ280のウォーム281が歯合されている。
調整用モータ280は、ロータ220とステータ240の回転軸方向の相対位置(ギャップG)を調整するモータであり、例えば、ACモータやステッピングモータ等により構成される。
調整用モータ280は、ハウジング123内にボルト等により固定され、出力軸282をリアアーム部121の長手方向と略平行に配置して設けられている。つまり、調整用モータ280の軸方向は、スウィングアームユニット120の長手方向に向いており、調整用モータ280の出力軸282は、車体の前後方向を向いている。
調整用モータ280の出力軸282の端部は、含油軸受284でハウジング123に軸支されており、この出力軸282の外周部にウォーム281が形成されている。なお、調整用モータ280は、図示しない駆動回路に電気的に接続され、その駆動を自在に制御される。
なお、回転電機200が取り付けられたハウジング123では、円周状に配置されたステータ240の一部のティース243及びコイル242が取り除かれている。この取り除かれた部分に図示しない電気回路が配置される。よって、その部分においては、マグネット223を引きつける力が弱まる。
これに起因して、ロータ軸221に対してロータ220が傾き、軸受227を介して可動部材260をロータ軸221に対して傾けようとする力が働く。
この場合、ブラケット226とロータ軸221のセレーション係合部や可動部材260の本体部262と回り止め部材127の摺動部での摩擦(損失)が増加する。
さらに、本体部262と回転部材270の円筒部271の螺合部での摺動部や回転部での摩擦(損失)が増加する。これら部品同士の摩擦の増加によって、調整用モータ280のトルクを大きくする必要や、部材の摩耗などの問題が発生する。
本実施の形態にあっては、これらの不都合を以下の構成により防止している。
すなわち、ロータ軸221を回転部材270に貫通させて、ハウジング123の軸受125と車軸210の軸受208によって安定的に軸支するとともに、本体部262の内周面とロータ軸221の外周面との間には円筒状の含油軸受129を挟む。
具体的には、含油軸受129は本体部の先端部、すなわち軸受227の近傍に固定されている。また図示しないが、下部側の軸受273の内方で、可動部材260の基端部、つまり、本体部262の下端部内周面に含油軸受が固定されている。
この含油軸受129の内周面とロータ軸221の外周面とが摺動するため、ロータ軸221に対する可動部材260およびロータ220の傾きは抑制される。よって、ロータ軸221、ブラケット226、本体部262、回り止め部材127、回転部材270の円筒部271の係合部における摩擦力の増加や摩耗、さらには騒音、振動を防ぐことができる。
次に、このように構成されたスウィングアームユニット120における回転電機200の作用について説明する。
図示しない駆動回路が調整用モータ280を駆動すると、出力軸282、つまりウォーム281が回転する。すると、ウォーム281とウォームホイル部272の外周のギアとの噛み合いにより回転部材270がロータ軸221回りに回転する。
この回転により円筒部271は回転し、一方可動部材260は、回り止め部材127により自転を阻止されているため、円筒部271に下端部で螺合されている可動部材260は、後輪113方向(図3では図面上方向)に移動する。この構成により、調整用モータ280の駆動力が、可動部材260の軸方向の変位に変換される。
この可動部材260の後輪113側への移動により、可動部材260の接続部261は、ブラケット226を介してヨーク222をステータ240から離間する方向(図3では図面上方向)に押圧する。これにより、ヨーク222は、ステータ240から離間する方向に移動する。
よって、ヨーク222のマグネット223と、ステータ240との間の間隔、つまり、ギャップGは広くなる。このとき、可動部材260とヨーク222とは軸受227を介して接続されているため、ヨーク222を回転させたまま移動させることができる。
つまり、車軸(駆動軸)210を回転させた状態で、調整用モータ280によりギャップGを調節して、車軸210の回転トルク、回転数を調節することができる。
逆に図示しない駆動回路が調整用モータ280を前記回転の方向とは逆方向に回転すると、回転部材270の回転により可動部材260は、回転部材270に近づく方向(図3では、図面下方向)に移動する。
そして、可動部材260の動作に伴いヨーク222は、ステータ240に近づく方向(図3では図面下方向)に移動する。この動作により、ヨーク222のマグネット223と、ステータ240との間の間隔であるギャップGは狭くなる。
このときも、可動部材260とヨーク222は軸受227を介して接続されているため、ヨーク222を回転させたまま移動させることができる。
このように、回転電機200では、車軸210の回転トルク、回転数を調整用モータ280の制御により容易に調節することができる。
また、スウィングアームユニット120のハウジング123は、後輪113に対して、車幅方向に近接配置されている。
詳細には、ハウジング123は、後輪113のホイル113aの側方に配置され、このハウジング123内に回転電機200が取り付けられている。
さらに、スウィングアームユニット120は、図2に示すように、リアアーム部121と、リアアーム部121の後端に接続された円形部122とを有する形状をなしている。
そして、このリアアーム部121の後端部は、円形部122に対し、後輪113と逆側の外面、つまり車両左側の中央部分にまで延びている。このリアアーム部121の後端部は、ハウジング123の底部により構成されている。
このため、ハウジング123の底部に配置された調整用モータ280は、スウィングアームユニット120において側方に膨出するアーム部内に車両の前後方向に配置されている。
これにより、スウィングアームユニット120は、車両の左側から見て、調整用モータ280分突出することがなく、スッキリとした外観を有している。
また、回転電機200は、相対位置(ギャップG)が変更できるロータ220とステータ240とを有し、これらを備えるギャップ調整機構によって、車両運転中でも、走行状態に応じて出力特性を容易に変更できる。
つまり、本実施の形態の電動二輪車100によれば、駆動中でも常に変化する走行状態に合わせ、所望のトルクと回転数を得るのに最適な吸引力と反発力が発生するように、ロータ220とステータ240の相対位置(ギャップG)を制御できる。
具体的には、発進のために必要な大きなトルクを必要とする場合、調整用モータ280を駆動制御することにより、ロータ220とステータ240との間のギャップGを小さくする。ギャップGが小さくなることから、ロータ220とステータ240間においては大きな吸引力・反発力が発生する。
一方、高速運転のために、高い回転軸230の回転速度を必要とする場合、調整用モータ280を駆動制御することにより、ロータ220とステータ240との間のギャップGを大きくする。ギャップGが大きくなることから、ロータ220とステータ240間においては小さな吸引力・反発力が発生するとなり、それに反比例する回転速度を高くすることができる。
また、本実施の形態では、ロータ220を動かすことにより、ロータ220及びステータ240間のギャップGを調整する。このため、調整用モータ280は、鉄芯と銅線からなる重いステータ240を動かすより、小さなものを用いることができる。
さらに、自動二輪車100に設けられた回転電機200には大きな振動や衝撃荷重がかかるため、重いステータ240は大きな荷重に耐える必要がある。
ステータ240を動かす場合、ハウジング123等にボルトでしっかりと固定することができない。さらに、ステータ240の回転を防止するとともに軸方向に移動できる機構と大きな荷重に耐える構造を両立させなければならない。よって、ステータ240を移動自在に支持する機構は大きく重いものになってしまうが、本電動二輪車100では、これらが不要になる。
調整用モータ280によって回転する回転部材270の回転により軸方向に移動する可動部材260とともにロータ220が軸方向に移動する。これにより、調整用モータ280の制御により、ロータ220及びステータ240間のギャップGを容易に且つ正確に調整することができる。
このロータ220及びステータ240間のギャップGを調整することにより、両者間の相対位置(ギャップG)をアクティブに調整できる。このため、高トルクが必要なときには大きな吸引力・反発力を発生させ、高回転が必要なときには小さな吸引力・反発力を発生させて、出力特性を自由に変えることができる。
また、可動部材260、回転部材270及び調整用モータ280の構成により、アキシアルギャップ型回転電機であればロータとステータ間のギャップ間隔Gを調整できる。
さらに、アキシアルギャップ型に代えて、ラジアルギャップ型とすれば、ロータとステータの対向面積を同様の構成で調整することできる。
また、アキシアルギャップ型に代えて、円錐型のギャップをもつものとすれば、ロータとステータのギャップおよび対向面積を調整することができる。
また、調整用モータ280の回転によって回転部材270を回転させるだけでよいため、モータの種類、形状、配置に制限がないためコストの安いモータを選択でき、レイアウトもプーリ等を用いて離して配置することも可能であり、全体の構成をコンパクトにできる。
さらに、本実施の形態によれば、調整用モータ280と回転部材270とが、ウォーム281とウォームホイル272を介して接続されているため、調整用モータ280の回転により回転部材270を回転軸230まわりに自在に回転させることができる。また、ウォーム281の回転速度を減速することで調整用モータ280を小型化、高効率化できる。
また、可動部材260は、本体部262を介して回転部材270の回転を回転軸230方向に変位し、接続部261を介してロータ220を回転軸230方向に移動させる。
このため、回転部材270と可動部材260の相対的な回転によって可動部材260の移動量を確実に制御して、ロータ220とステータ240とのギャップGを調整することができる。なお、螺旋状に相対移動可能な状態の例としては、スキューのかかった、例えば、はす歯のセレーション係合や螺旋状の長穴にピンを係合したものなどがある。
また、回転部材270及び可動部材260の接続部分を安価な加工で作製できる。さらに、回転部材270の回転数あたりの可動部材260の移動量を小さくすることができ、より精密な制御を行うことができる。
また、回転軸230とロータ220とが回転軸230方向には相対的に移動し回転方向には一体となって回転するため、回転力を伝達するとともに可動部材260の軸方向移動に伴いロータ220のみが移動する。これにより、回転軸230に接続された後輪113を動かす場合に比べて、動かす対象物の重量や摺動損失を低減することができ、減り効率を向上できる。また、ロータ220移動の不安定化を防止できる。
また、回転軸230は軸受125、126、208を介してハウジング123内に安定して軸支されている。これにより、回転軸230は安定しており、振動や騒音が低減されている。加えて、可動部材260及び回転部材270のそれぞれを動作可能に安定して支持して、動作時における摺動部分の摩擦を低減している。
本実施の形態の電動二輪車100によれば、回転電機200を駆動源として用いるため、駆動特性を自由に調整可能な電動二輪車100となる。
さらに、調整用モータ280を回転軸230に直交して配置できるため、回転電機自体の回転軸230方向に長くなることを防止できる。つまり、回転電機200全体を車幅方向に小さく構成できる。
さらに、回転軸230を車軸として回転電機200がハウジング123内に収容され、調整用モータ280が、その出力軸を車両前後方向にして配置されているため、ハウジング123が薄い。つまり、スウィングアームユニット120自体がハブイン型となっており、コンパクトで薄く形成されている。
(実施の形態2)
図6は、本発明に係る実施の形態2としての回転電機の要部を示す断面図である。なお、図6に示す回転電機300は、図2に示す電動車両において、回転電機200に代えて、スウィングアームユニットのハウジング内に取り付けたものである。
図6は、図3で示した部分と同様に図2を参照すると図2のA−A線断面図に相当する。また、実施の形態1における各構成要素または同等の機能を有する構成要素には同一符号を付し、異なる事項のみを説明する。
図6に示す回転電機300は、回転電機200と同様に、ロータ220とステータ240との相対位置(ギャップG)を調整する調整機構によって、車両運転中でも、走行状態に応じて出力特性を容易に変更できるものである。回転電機300は、回転電機200と比べて、回転部材の構成及び調整用モータの位置、バネを除いて、その他の構成は同一の構成を有する。
つまり、図6に示す回転電機300は、調整用モータ380、回転部材370とともに、回転電機200と同様に構成され、且つ、同様に配置された回転軸230、減速機250、ロータ220、ステータ240、可動部材260等を有する。なお、回転軸230は車軸210及びロータ軸221からなる。
回転電機300では、ハウジング123内に配置される調整用モータ380の向きを回転軸230と平行にし、この調整用モータ380の駆動力は、回転部材370を介して可動部材260に伝動される。
詳細には、回転電機300の回転部材370は、ロータ軸221が挿通されるとともに可動部材260の基端部が挿入される筒状の円筒部271と、円筒部271の外周の中央から放射方向に張り出して設けられた平ギア部372とを有する。
なお、円筒部271は実施の形態1の円筒部271と同様の構成であり、可動部材260の本体部262とは実施の形態1と同様に、螺合構造により接続されている。よって、回転部材370の回転は、回り止め部材127によって自身の回転が防止された可動部材260により、軸方向に変換される。
この可動部材260自身の軸方向への移動により、ヨーク222は移動し、ロータ220のマグネット223とステータ240との間のギャップGを調整する。
回転部材370の円筒部271は、ロータ軸221上で、ロータ軸221の一方の端部が挿入される軸受125に隣接配置されている。
そして、平ギア部372は、円筒部271下部に外嵌する軸受273、つまり、軸受125側の軸受273を介して軸受125に隣接している。この平ギア部372は、調整用モータ380の平ギア381に歯合されている。
調整用モータ380は、実施の形態1と同様に、ロータ220とステータ240の回転軸方向の相対位置(ギャップG)を調整する調整用モータである。
この調整用モータ380はハウジング123に、出力軸382を回転軸230と平行にして、ボルト等で固定されている。
また、回転電機300は、ロータ220とステータ240の間に生じるマグネット吸引力により可動部材260にかかる回転軸230方向の力を打ち消す方向に可動部材260を付勢する圧縮コイルバネ(付勢手段)290を有する。
圧縮コイルバネ290は、ロータ軸221に外嵌された可動部材260と、ロータ軸221及び可動部材260が挿通され、ハウジング123内に固定された回り止め部材127との間に配設されている。
詳細には、圧縮コイルバネ290は、可動部材260の本体部262の周囲に配置されている。この圧縮コイルバネの一端部(図6では上端部)は、接続部261のフランジ部裏面に当接され、他端部(図6では下端部)は、フランジ部と所定間隔空けて対向配置された回り止め部材127の平面部127aに当接されている。
これにより、可動部材260を回転部材370から離間する方向に押圧し、この押圧する可動部材260を介して、ロータ220をステータ240から離間する方向に付勢している。
この構成によれば、圧縮コイルバネ290は、ロータ220とステータ240の間に生じるマグネット吸引力による可動部材260にかかる力を打ち消すため、調整用モータ380及び回転部材370等によりマグネット吸引力に抗して可動部材260を動かすのに必要な力を低減することができる。
さらに、可動部材260と回転部材370との接触部、つまり、雄ねじ部262bと、雌ねじ部271aとの螺合部分での摩擦力も低減でき、小さな調整用モータ380により駆動することが可能となる。したがって、調整用モータの小型化や消費電力の削減が可能となる。これによりコンパクトで高効率な回転電機となっている。
また、本実施の形態では、圧縮コイルバネ290を、可動部材260と回り止め部材127との間に設けた構成としたが、これに限らず、ロータ220とステータ240との間に生じるマグネット吸引力を打ち消す位置であれば、どのような位置に設けても良い。
また、本実施の形態の回転電機300では、圧縮コイルバネ290を用いたが、これに限らず、ロータ220とステータ240の間に生じるマグネット吸引力により可動部材260にかかる回転軸230方向の力を打ち消す方向に可動部材260を付勢するものであれば、ゴム、スポンジ等の弾性部材等、どのような部材を付勢部材として用いても良い。
なお、この回転電機300における圧縮コイルバネ290は、回転電機200に設ければ、回転電機200においても回転電機300における圧縮コイルバネ290による作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
この実施の形態2の回転電機300及び、回転電機300を備えた電動二輪車のその他の作用効果は、実施の形態1と略同様であるため説明は省略する。
本実施の形態によれば、回転部材370と調整用モータ380とが、平ギア381及び平ギア部372を介して接続されているため、調整用モータ380の回転により回転部材370を回転軸まわりに自在に回転させることができる。また、互いの歯数によって減速することでロータ220を動かすのに必要な調整用モータ380のトルクを小さくすることができ、調整用モータ380の小型化、高効率化を図ることができる。
(実施の形態3)
図7は、本発明に係る実施の形態3としての回転電機の要部構成を示す部分断面図である。図7に示す実施の形態3の回転電機400は、図3の回転電機200や図6の回転電機300と同様に、ロータ220とステータ240とのギャップGを調整する機構によって、車両運転中でも、走行状態に応じて出力特性を容易に変更できる。
また、回転電機400は、図3に示す回転電機200と比べて、可動部材及び回転部材の構成のみ異なり、その他の構成は同様である。したがって、第1の実施の形態における各構成要素または同等の機能を有する構成要素には同一符号を付し、異なる事項のみを説明する。
回転電機400は、回転電機200の構成要素と同様に、電動二輪車のスウィングアームユニットを構成するハウジング123内に収容されている。なお、図7は、スウィングアームユニットの後端部である円形部の縦断面を車両後方から見た図である。
また、回転電機400は、可動部材460、回転部材470とともに、回転電機200と同様に構成され、且つ、配置された回転軸230、ロータ軸221、減速機250、ロータ220、ステータ240、調整用モータ280等を有する。なお、回転軸230は車軸210及びロータ軸221からなる。
特に、調整用モータ280は、回転電機200(図3参照)の調整用モータ280と同様に、ロータ220とステータ240の回転軸方向の相対位置(ギャップG)を調整するモータであり、例えば、ACモータやステッピングモータ等により構成される。
この調整用モータ280は、ハウジング123内にボルト等により固定され、出力軸282をリアアーム部121の長手方向と略平行に配置して設けられている。つまり、調整用モータ280の軸方向は、スウィングアームユニット120の長手方向に向いており、調整用モータ280の出力軸282は、車体の前後方向を向いている。
そして、その出力軸282の端部は、回転電機200のものと同様に、図示しない含油軸受でハウジング123に軸支されており、この出力軸282の外周部にウォーム281が形成されている。また、調整用モータ280は、図示しない駆動回路に電気的に接続され、その駆動を自在に制御される。
図7に示す回転電機400の可動部材460は、実施の形態1の可動部材260と同様に配置されるとともに、同様の機能を有する。すなわち、可動部材460は、後輪113側部分に設けられ、ブラケット226の下端部が軸受227を介して接続される接続部261と、接続部261から下方に延びる筒状の本体部462を有する。
接続部261は、実施の形態1の可動部材260の接続部261と同様の構成であるため説明は省略する。
本体部462は、ハウジング123に固定された回り止め部材131に挿通され、この回り止め部材131により、本体部262自体の回転が防止され、軸方向にのみ移動可能となっている。
なお、回り止め部材131は、実施の形態1における回り止め部材127の貫通孔の大きさのみが異なり、その他の構成は同様である。
本体部462は、内部に含油軸受132を介してロータ軸221が回転自在に挿通されている。
また、本体部462の下面、つまり、回転部材470に対向する端面465は、回転部材470に当接され、回転部材470の回転により、本体部462は軸方向に移動可能に形成されている。
図8A及び図8Bは、実施の形態3の可動部材と回転部材の構成の一例を示す斜視図である。
図8Aに示すように、本体部462の端面465は、ロータ軸221に垂直な面から傾いた傾斜面465aを有する。
この傾斜面465aは、接続されたロータ軸221に挿通される中央孔の周縁部から下方に突出する突出壁部の上面に形成され、周方向に勾配が付けられている。
この傾斜面465aには、回転部材470の上面、つまり、可動部材460側の端部に設けられた当接部(以下、「摺動面」という)474aが当接されている。
図7及び図8Aに示すように、回転部材470は、ロータ軸221が隙間を空けて挿通される筒状の円筒部471と、円筒部471の外周の中央から放射方向に張り出して設けられたウォームホイル部472とを有する。
なお、ウォームホイル部472は、実施の形態1のウォームホイル部272と同様に、外周面にギアが形成されている。このギアは、回転軸230に対して直交配置された調整用モータ280のウォーム281が歯合され、調整用モータ280の駆動により、回転部材470を回転させる。
そして、図8Aに示すように、円筒部471の上部、つまり、可動部材460に対向する端部には、傾斜面465aに当接しながら摺動する摺動面(当接部)474aが形成されている。
この摺動面(当接部)474aは、ここでは、円筒部471における可動部材460に対向する端面474の一部を形成しており、ロータ軸221に垂直な面から傾いた傾斜面となっている。
つまり、この実施の形態では、可動部材460の端面465(詳細には端面465の傾斜面465a)及び回転部材470の端面474は、互いに同一形状に形成され、互いにロータ軸221方向で合致する形状となしている。
これにより、回転部材470がロータ軸221回りに一方向に回転すると、端面474の摺動面(当接部)474aは、傾斜面465aに沿って摺動し、可動部材460自体を回転部材470から離間する方向に移動させる。この動作は、可動部材460が回り止め部材131により、ロータ軸221回りに固定されているために生じる。
また、回転部材470がロータ軸221回りに逆方向に回転すると、傾斜する摺動面474aは、傾斜面465aに沿って摺動する。この際、摺動面474aは傾斜面465aから離間する方向に移動するが、傾斜面465aはマグネット223と一体的に形成されている。
このため、マグネット223とステータ240とによって発生する吸引力(引き合う磁力)により、傾斜面465aは摺動面474aに当接した状態が維持される。よって可動部材460自体を回転部材470から接近する方向に移動させる。
このように、これら傾斜面465a、摺動面474aが互いに当接した係合部を形成しているため、調整用モータ280の駆動力は、ウォームホイル部472の回転力を軸方向に変換され、可動部材460を軸方向に移動させる。
よって、傾斜面465a、摺動面474aは、回転部材470の回転方向を変位させて可動部材460自体をロータ軸221方向に移動させる。この可動部材460自体の移動により、ロータ220をステータ240と対向した状態で、ステータ240とのギャップGを調整できる。
なお、可動部材460及び回転部材470との係合関係は、摺動面同士の係合によらず、回転部材470の回転方向を変位させて可動部材460を軸方向に移動させる構成であれば、どのように構成されてもよい。
例えば、図8Bに示すように、可動部材460下面(詳細には端面465)にのみ、傾斜する傾斜面465aを形成し、回転部材470の円筒部471の上面である端面474に傾斜面465aを摺動する凸部475を形成してもよい。
このように構成された実施の形態3では、図示しない駆動回路がモータ280を駆動すると、出力軸282、つまりウォーム281が回転する。すると、ウォーム281とウォームホイル部472の噛み合いにより回転部材470が回転する。
次いで、円筒部471が回転軸230(詳細にはロータ軸221)回りに回転する。この円筒部471の回転に伴い、端面474が、摺動面となる端面465に沿って摺動する。
この動作により可動部材460には後輪113側(図7では図面上方向)に押圧する力が働く。そして、可動部材460が後輪113側(図7では図面上方向)に移動し、これに伴いヨーク222も後輪113側に移動する。
したがって、ステータ240と、ロータ220とのギャップGは広くなる。このとき、可動部材260とヨーク222は軸受227を介して接続されている。このため、ロータ220を回転させたまま、詳細には、ロータ軸221とともにヨーク222を回転させたまま移動させることができる。
逆に図示しない駆動回路が調整用モータ(図示省略)を前記回転の方向とは逆方向に回転すると、回転部材470の端面474と本体部462の下端部の端面(摺動面)465とが摺動しながら回転軸230(詳細にはロータ軸221)回りに相対的に回転する。
すると、ロータ220とステータ240の間に働くマグネット吸引力により、可動部材460が図面下方向に移動し、これに伴いヨーク222も下方向に移動する。したがって、ステータ240とロータ220のマグネット223との間のギャップGは狭くなる。
このときも、可動部材460とヨーク222は軸受227を介して接続されているので、ロータ220を回転させたまま、詳細には、ロータ軸221とともにヨーク222を回転させたまま移動させることができる。
本実施の形態によれば、可動部材460と回転部材470とは、端面465、詳細には傾斜面465aと、この傾斜面465aに回転軸方向で当接する摺動面474aとで当接され、可動部材460が、回り止め部材131により可動部自体の回転を防止している。このため、回転部材470の回転により、回転部材470と可動部材460とが相対的に回転するとともに傾斜面465a及び摺動面474aを介して回転部材470により押圧されて可動部材460が回転軸230方向に移動する。これによりロータ220とステータ240の相対位置を容易に且つ正確に制御できる。
また、調整用モータ280は、その出力軸を回転軸230と略直交させて設けられているため、回転電機400自体において、調整用モータ280が回転電機400の軸方向に突出しない。これにより、回転電機400自体の回転軸方向の長さを短くできる。つまり、回転電機400を、回転軸230が電動車両の駆動輪を回転させる車軸210として設けたスウィングアームユニットでは、調整用モータ280は回転軸230に直交しているため、コンパクトで薄く構成されている。このスウィングアームユニットを備える車両の車幅も小さいものとなっている。
なお、回転部材470の回転によりロータ220を押圧する方向と反対側にロータ220または可動部材460を付勢するようにバネを配置してもよい。これにより、確実に回転部材と可動部材を当接させることができる。
また、回転部材470の回転による押圧する力を、ロータ220とステータ240間の磁気吸引力に抗するように設定することでバネを省くこともできる。また、傾斜面465aは1つでもよいし、複数でもよい。
なお、可動部材460と回り止め部材131の断面形状は、円形の一部が直線となった嵌合でもよいし、多角形の嵌合としてもよい、円形ではない異形の嵌合ならばよく、全周が接していなくてもよい。
また、上記各実施の形態における可動部材とブラケットを介したロータとの接続関係は、両者が完全に固定されていてもよいし、すきま嵌め程度でもよいし、当接しているだけでもよい。
また、可動部材はロータに完全に接続されていてもよく、完全に接続されていなくてもマグネット吸引力によるロータのステータ側への移動を防止できればよい。例えば、マグネット吸引力に反する方向には可動部材を当接してロータを押す構成としてもよい。
なお、マグネット吸引力に反してロータを引っ張る側に可動部材を配置した場合でも同様に、可動部材を当接してロータを引っ張り、マグネット吸引力によって所定の位置までロータを動かすことができる。
なお、各実施の形態では、回転電機を駆動用モータとして説明したが、これに限らず、回転電機は、発電機でも良いし、電動車両における回生ブレーキのように、モータと発電機の双方に使われるものとしてもよい。
また、本実施の形態では、ロータ220側にマグネット223を配置した構成としたが、これに限らず、ステータ240側にマグネットを配置し、ロータ220側にコイルを配置した構成としてもよい。
本発明の第1の態様に係る回転電機は、回転軸と、前記回転軸に接続されたロータと、前記ロータに対向して配置されたステータと、前記ロータと前記ステータの前記回転軸方向の相対位置を調整する調整手段とを備え、前記調整手段は、調整用モータと、前記調整用モータに接続され、前記調整用モータの回転により前記回転軸まわりに回転する回転部材と、前記回転部材の回転により前記回転軸方向に移動して、前記ロータを前記回転軸方向に移動させる可動部材とを有する構成を採る。
上記構成によれば、調整用モータの回転によって回転部材が回転軸まわりに回転し、この回転部材の回転により可動部材が、回転軸方向に移動し、ロータを移動させて、ステータとの相対位置(ギャップ)を変化させる。このため、ロータが回転した状態でも、ロータとステータ間のギャップを調整、別言すれば、これらロータとステータ間の相対位置をアクティブに調整して、高トルクが必要なときには両者の間に生じる吸引力、反発力を大きくし、高回転が必要なときには両者の間に生じる吸引力、反発力を小さくして、出力特性を自由に変えることができる。
また、上記構成の回転電機が、例えば、アキシャルギャップ型回転電機であればロータとステータ間のギャップ間隔を調整することができる。さらに、上記構成の回転電機が、アキシャルギャップ型以外の回転電機、例えば、ロータとステータの対向面積を、円錐型のギャップをもつ回転電機であるラジアルギャップ型回転電機等であれば、ロータとステータのギャップおよび対向面積をそれぞれ調整して同様の効果を有することができる。
また、上記構成の回転電機によれば、調整用モータの回転によって回転部材を回転させるだけでよいため、ロータとステータ間のギャップ間隔を調整する調整用モータとして、その種類、形状、配置に制限がない。よって、回転電機では、調整用モータとして、コストの安いモータを選択することができ、更に、そのレイアウトもプーリ等を用いて離して配置することも可能であり、全体の構成のコンパクト化を図ることができる。
さらに、上記構成の回転電機では、可動部材によりステータに対してロータを移動するため、鉄芯と銅線からなる重いステータを動かすより、トルクの小さな調整用モータを用いることができる。
ところで、一般的に、回転電機を電動車両等に用いる場合、回転電機自体には大きな振動や衝撃荷重がかかるため、重いステータは大きな荷重に耐える構成にする必要が生じる。この構成において、ステータを動かす場合、ケース等にボルトでしっかりと固定しにくい。加えて、ステータの回転を防止するとともに軸方向に移動できる機構が必要となり、さらに大きな荷重に耐える構造としなければならず、構造的に、大きく重いものになってしまう。
これに対し、上記本発明の回転電機の構成によれば、ロータを移動させるため、これら重量のある大きな構造を必要としない。
本発明の第2の態様に係る回転電機は、上記構成において、前記回転部材は、前記調整用モータの駆動力を、前記調整用モータの出力軸に設けられた出力ギア部と、前記回転部材の外周部に設けられ、前記出力ギア部と歯合するギア部とにより伝達される構成を採る。
この構成によれば、回転部材と調整用モータとが、主ギア及びギアを介して接続されているため、調整用モータの回転により回転部材を回転軸まわりに自在に回転させることができる。また、歯数によって減速することでロータを動かすのに必要な調整用モータのトルクを小さくすることができ、調整用モータの小型化、高効率化を図ることができる。
本発明の第3の態様に係る回転電機は、上記構成において、前記回転部材は、前記調整用モータの出力軸に設けられたウォームと、前記回転部材の外周部に設けられ、前記ウォームと歯合するウォームホイールとにより前記調整用モータに接続されている構成を採る。
この構成によれば、調整用モータと回転部材とが、ウォームとウォームホイールを介して接続されているため、調整用モータの回転により回転部材を回転軸まわりに自在に回転させることができる。また、ウォームの回転速度を減速することで調整用モータを小型化、高効率化できる。
さらに、調整用モータを回転軸に直交して配置できるため、回転電機自体の回転軸方向に長くなることを防止でき、例えば電動二輪車等のホイールインモータとして用いる場合などコンパクトで薄いパワーユニットを実現することができる。
本発明の第4の態様に係る回転電機は、上記構成において、前記可動部材及び前記回転部材は、前記回転軸に挿通されるとともに互いに隣接配置され、前記回転部材及び前記可動部材の一方に前記回転軸に垂直な面に対して傾いた摺動面が設けられ、他方に、前記摺動面に前記回転軸方向で当接する当接部が設けられ、前記可動部材の外周には、前記回転部材の回転に伴う前記可動部材の回転を防止する回り止め部が設けられている構成を採る。
この構成によれば、可動部材と回転部材とは、摺動面とこの摺動面に回転軸方向で当接する当接部とで当接され、可動部材が、回り止め部により可動部自体の回転を防止している。このため、回転部材の回転により、回転部材と可動部材とが相対的に回転するとともに摺動面及び当接部を介して回転部材により押圧されて可動部材が回転軸方向に移動する。これによりロータとステータの相対位置を容易に且つ正確に制御できる。
なお、回転部材の回転によりロータを押圧する方向と反対側にロータまたは可動部材を付勢するようにバネを配置することで確実に回転部材と可動部材を当接させることができる。また、回転部材の回転による押圧する力を、ロータとステータ間の磁気吸引力に抗するように設定することでバネを省くこともできる。また、摺動面は1つでもよいし、複数でもよい。なお、可動部材と回り止め部材の断面形状は、円形の一部が直線となった嵌合でもよいし、多角形の嵌合としてもよい、円形ではない異形の嵌合ならばよく、全周が接していなくてもよい。
本発明の第5の態様に係る回転電機は、上記構成において、前記可動部材は、前記ロータを回転自在に接続する接続部と、前記接続部と一体的に設けられ、前記回転部材に対し、前記回転軸方向に相対移動可能に螺旋状に係合する係合部とを有し、前記回転部材及び前記係合部を介して前記回転部材の回転を前記回転軸方向に変位し、前記接続部を介して前記ロータを前記回転軸方向に移動させる構成を採る。
この構成によれば、可動部材は、回転部材及び係合部を介して回転部材の回転を回転軸方向に変位し、接続部を介してロータを回転軸方向に移動させる。このため、回転部材と可動部材の相対的な回転によって可動部材の移動量を確実に制御して、ロータとステータとのギャップを調整することができる。なお、螺旋状に相対移動可能な状態の例としては、スキューのかかった、例えば、はす歯のセレーション係合や螺旋状の長穴にピンを係合したものなどがある。
本発明の第6の態様に係る回転電機は、上記構成において、前記回転部材と前記係合部とは螺合により接続されている構成を採る。
この構成によれば、回転部材と可動部材とは螺合により接続されているため、これら回転部材及び可動部材の接続部分を安価な加工で作製できる。また、回転部材の回転数あたりの可動部材移動量を小さくすることができ、より精密な制御を行うことができる。
本発明の第7の態様に係る回転電機は、上記構成において、前記可動部材の外周には、前記回転部材の回転に伴う前記可動部材の回転を防止する回り止め部材が設けられている構成を採る。
この構成によれば、可動部材は、回り止め部材により、回転部材の回転に伴う回転が防止されるため、可動部材の回転を確実に防止することで可動部材を回転軸方向に移動させ、これによりロータとステータの相対位置を容易に且つ正確に制御できる。なお、可動部材と回り止め部材の断面形状は、円形の一部が直線となった嵌合でもよいし、多角形の嵌合としてもよい、円形ではない異形の嵌合ならばよく、全周が接していなくてもよい。
本発明の第8の態様に係る回転電機は、上記構成において、前記回転軸と前記ロータは前記回転軸方向に相対的に移動可能で回転方向に一体となって回転する構成を採る。
この構成によれば、回転軸とロータとが回転軸方向には相対的に移動し回転方向には一体となって回転するため、回転力を伝達するとともに可動部材の軸方向移動に伴いロータのみが移動する。これにより、回転軸や電動車両に応用した場合に接続されるタイヤ等を動かす場合に比べて、動かす対象物の重量や摺動損失を低減することができ、効率を上げることができる。また、ロータ移動の不安定化を防止できる。
本発明の第9の態様に係る回転電機は、上記構成において、前記回転軸は、前記可動部材及び前記回転部材を貫通している構成を採る。
この構成によれば、回転軸は、可動部材及び回転部材を貫通しているため、回転軸がアーム等の安定した部材に軸支されることで、回転軸が安定する。これにより、振動や騒音を低減できるだけでなく、可動部材及び回転部材のそれぞれを動作可能に安定して支持して、動作時における摺動部分の摩擦を低減できる。さらに、可動部材と回転軸との間に含油軸受等を配置すれば、可動部材が回転軸により、傾きなどを抑制され、振動、騒音、両者の摺動部の損失を更に低減できる。また、可動部材が、回転軸を貫通する構成により配置に必要なスペースを小さくできる。
本発明の第10の態様に係る回転電機は、上記構成において、前記ロータと前記ステータの間に生じるマグネット吸引力により前記可動部材にかかる前記回転軸方向の力を打ち消す方向に前記可動部材を付勢する付勢手段を更に有する構成を採る。
この構成によれば、付勢手段は、ロータとステータの間に生じるマグネット吸引力による可動部材にかかる力を打ち消すため、調整用モータ及び回転部材等によりマグネット吸引力に抗して可動部材を動かすのに必要な力を低減することができる。さらに、可動部材と回転部材との接触部での摩擦力も低減することができるため、調整用モータに要求されるトルクも小さくなる。したがって、調整用モータの小型化や消費電力の削減が可能となりコンパクトで高効率な回転電機を実現できる。
本発明の第11の態様に係る回転電機は、上記構成において、前記調整用モータは、その出力軸を前記回転軸と略直交させて設けられている構成を採る。
この構成によれば、調整用モータは、その出力軸を前記回転軸と略直交させて設けられているため、回転電機自体において、調整用モータが回転電機の軸方向に突出せず、回転電機自体の回転軸方向の長さを短くできる。つまり、回転電機を電動車両に用い、回転軸を電動車両の駆動輪を回転させる車軸とした場合等において、調整用モータは回転軸に直交しているため、回転電機を備える車両の車幅を小さくすることができる。また、電動二輪車等のホイールインモータとして用いる場合などでは、コンパクトで薄いパワーユニットとなる。
本発明の第12の態様に係る回転電機は、回転軸と、前記回転軸に接続されたロータと、前記ロータに対向して配置されたステータと、前記回転軸の軸方向に移動することにより、前記ロータを前記軸方向に移動して、前記ステータとの相対位置を変化させる可動部材と、前記回転軸まわりに回転する回転部材と、前記回転部材に接続され、前記回転部材を回転する調整用モータとを有し、前記回転部材の回転を前記軸方向の変位に変換して、前記可動部材を移動する構成を採る。
上記構成によれば、調整用モータの回転によって回転部材が回転軸まわりに回転し、この回転部材の回転を回転軸の軸方向の変位に変換して、可動部材を軸方向に移動させて、ロータを移動して、ステータと相対位置(ギャップ)を変化させる。このため、ロータが回転した状態でも、ロータとステータ間のギャップを調整して、これらロータとステータ間の相対位置をアクティブに調整して、高トルクが必要なときには両者の間に生じる吸引力、反発力を大きくし、高回転が必要なときには両者の間に生じる吸引力、反発力を小さくして、出力特性を自由に変えることができる。
本発明の第13の態様に係る電動車両は、上記構成の回転電機を駆動源として用いた構成を採る。
この構成によれば、上記構成の回転電機を駆動源として用いるため、駆動特性を自由に調整可能な電動車両となる。
本発明の第14の態様に係る電動車両は、上記構成において、前記回転電機は、車両本体に接続されるとともに、駆動輪の車軸方向に配置されたハウジング内に収容され、前記回転電機の前記回転軸は、前記駆動輪を駆動する車軸であり、前記回転電機の前記調整用モータは、その出力軸を車両前後方向にして配置されている構成を採る。
この構成によれば、回転軸を車軸として回転電機がハウジング内に収容され、調整用モータが、その出力軸を車両前後方向にして配置されているため、ハウジングを薄くすることができる。つまり、回転電機がハブイン型のパワーユニットとして用いることができ、ホイールインモータとして用いる場合などコンパクトで薄いパワーユニットにすることができる。
本明細書は、2004年2月6日出願の特願2004−31379に基づく。この内容はすべてここに含めておく。
本発明に係る回転電機及び電動車両は、ロータ及びステータ間のギャップを容易に且つ確実に調整できるため、運転中でも出力特性を容易に自由に調節変更できる効果を有し、電動車両として有用である。

Claims (12)

  1. 回転軸と、
    前記回転軸に接続されたロータと、
    前記ロータに対向して配置されたステータと、
    前記ロータと前記ステータの前記回転軸方向の相対位置を調整する調整手段とを備え、
    前記調整手段は、
    調整用モータと、
    前記調整用モータに接続され、前記調整用モータの回転により前記回転軸まわりに回転する回転部材と、
    前記回転部材の回転により前記回転軸方向に移動して、前記ロータを前記回転軸方向に移動させる可動部材と
    前記ロータと前記ステータの間に生じるマグネット吸引力により前記可動部材にかかる前記回転軸方向の力を打ち消す方向に、前記可動部材を付勢する付勢手段と、
    を有し、
    前記可動部材は、
    前記ロータを回転自在に接続する接続部と、前記接続部と一体的に設けられ、且つ、前記回転部材に対して、前記回転軸方向に相対移動可能に螺旋状に係合する係合部とを備え、前記係合部を介して前記回転部材の回転を前記回転軸方向に変位し、前記接続部を介して前記ロータを前記回転軸方向に移動し、
    前記付勢手段は、前記可動部材を付勢することによって前記接続部を介して、前記ロータを前記ステータから離間する方向に付勢する、
    回転電機。
  2. 前記回転部材は、前記調整用モータの駆動力を、前記調整用モータの出力軸に設けられた出力ギア部と、前記回転部材の外周部に設けられ、前記出力ギア部と歯合するギア部とにより伝達される請求項1記載の回転電機。
  3. 前記回転部材は、前記調整用モータの出力軸に設けられたウォームと、前記回転部材の外周部に設けられ、前記ウォームと歯合するウォームホイールとにより前記調整用モータに接続されている請求項1記載の回転電機。
  4. 前記可動部材及び前記回転部材は、前記回転軸に挿通されるとともに互いに隣接配置され、
    前記回転部材及び前記可動部材の一方に前記回転軸に垂直な面に対して傾いた摺動面が設けられ、他方に、前記摺動面に前記回転軸方向で当接する当接部が設けられ、
    前記可動部材の外周には、前記回転部材の回転に伴う前記可動部材の回転を防止する回り止め部材が設けられている請求項1記載の回転電機。
  5. 前記回転部材と前記係合部とは螺合により接続されている請求項記載の回転電機。
  6. 前記可動部材の外周には、前記回転部材の回転に伴う前記可動部材の回転を防止する回り止め部材が設けられている請求項記載の回転電機。
  7. 前記回転軸と前記ロータは前記回転軸方向に相対的に移動可能で回転方向に一体となって回転する請求項1記載の回転電機。
  8. 前記回転軸は、前記可動部材及び前記回転部材を貫通している請求項1記載の回転電機。
  9. 前記調整用モータは、その出力軸を前記回転軸と略直交させて設けられている請求項1記載の回転電機。
  10. 回転軸と、
    前記回転軸に接続されたロータと、
    前記ロータに対向して配置されたステータと、
    前記回転軸の軸方向に移動することにより、前記ロータを前記軸方向に移動して、前記ステータとの相対位置を変化させる可動部材と、
    前記回転軸まわりに回転する回転部材と、
    前記回転部材に接続され、前記回転部材を回転する調整用モータと
    前記ロータと前記ステータの間に生じるマグネット吸引力により前記可動部材にかかる前記回転軸方向の力を打ち消す方向に、前記可動部材を付勢する付勢手段と、
    を有し、
    前記可動部材は、
    前記ロータを回転自在に接続する接続部と、前記接続部と一体的に設けられ、且つ、前記回転部材に対して、前記回転軸方向に相対移動可能に螺旋状に係合する係合部とを備え、前記係合部を介して前記回転部材の回転を前記回転軸方向の変位に変換して、前記接続部を介して前記ロータを前記回転軸方向に移動し、
    前記付勢手段は、前記可動部材を付勢することにより前記接続部を介して、前記ロータを前記ステータから離間する方向に付勢する、
    回転電機。
  11. 請求項1記載の回転電機を駆動源として用いた電動車両。
  12. 前記回転電機は、車両本体に接続されるとともに、駆動輪の車軸方向に配置されたハウジング内に収容され、
    前記回転電機の前記回転軸は、前記駆動輪を駆動する車軸であり、
    前記回転電機の前記調整用モータは、その出力軸を車両前後方向にして配置されている請求項11記載の電動車両。
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