JP4657151B2 - 回転位相角測定装置及びこれを用いた周波数測定装置、同期フェーザ測定装置、開閉極位相制御装置、同期投入装置及び相判別装置 - Google Patents

回転位相角測定装置及びこれを用いた周波数測定装置、同期フェーザ測定装置、開閉極位相制御装置、同期投入装置及び相判別装置 Download PDF

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Description

本発明は、回転位相角測定装置に関し、更にこれを用いた電力系統の制御・保護装置、例えば周波数測定装置、同期フェーザ測定装置、開閉極位相制御装置、同期投入装置及び相判別装置の改良に関するものである。
近年、電力系統内の潮流が複雑化するにつれ、信頼性および品質の高い電力の供給が要求されるようになっており、例えば、発電所や変電所などにおいて母線電圧などの系統周波数の監視を行うための周波数測定装置や電力系統からの電気量を高速に算出する同期フェーザ測定装置、開閉極位相制御装置、同期投入装置、相判別装置等の電力系統の制御並びに保護に必要な基本的な装置の性能向上の必要性は、ますます高くなっている。
本発明者は既に電力系統の制御及び保護性能を向上する上で、スパイラルベクトル理論である回転ベクトルによる対処法が有用であることを提案している。これは、交流電圧を複素平面上において反時計方向に回転するベクトルとして表現する基本的手法に基くものである。例えば、特許文献1(特開2004−361124号公報)に記載されているように、基準波の1周期を4N(Nは正の整数)等分するタイミングで電力系統の電圧を計測し、この計測した電圧を実数部座標とし、90度先に計測した電圧を虚数部座標とした先端を有する電圧回転ベクトルを求め、その電圧回転ベクトルの先端と1つ前の電圧回転ベクトルの先端とを結ぶ弦の弦長を算出し、1のタイミングと基準波の1周期前との間で計測した電圧から電圧実効値を求め、前記弦長の加算値と上記電圧実効値とに基づき算出した電圧回転ベクトルの位相角から電力系統の周波数を算出するようにした周波数測定装置がある。
また、特許文献2(特開2005−204367号公報)では、上記電圧回転ベクトルによる周波数測定原理を用いて、上記各タイミングにおいて、自らのタイミングにおける算出された上記周波数から電圧瞬時値の推定を行い、この電圧瞬時値推定値を用いて絶対位相角を算出するようにした同期フェーザ測定装置を提案している。これにより、電力系統の1周期という短時間の間で同期フェーザが測定できるようになった。
更に、特許文献3(特願2004−371765)では、上記同期フェーザ測定原理を用いて、算出された周波数と絶対位相角から初期ベクトルを求め、その初期ベクトルに予測及び動作に要する時間を考慮して予測ベクトルを求め、その予測ベクトルと目標とする目標ベクトルから制御遅れ時間を求め、その制御遅れ時間を考慮して遮断器に開閉極指令信号を送信することにより、正確に算出された周波数と絶対位相角とに基いた位相により遮断器の投入または遮断を制御するようにした極開閉位相制御装置を提案している。
更にまた、特許文献4(特願2006−27866)では、上記同期フェーザ測定原理を用いて、算出された周波数と絶対位相角から基準時から同期投入しようとする両系統の電圧位相が一致するまでの経過時間を予測し、この予測値に基き同期投入の投入時間を算出し同期投入操作信号を出力することにより、投入に基く過渡電流等を十分小さいレベルに抑制するようにした同期投入装置を提案している。
しかしながら、上述した従来のいずれも方式のものも、回転ベクトルの虚数部に90度前の値を使用しているため、測定対象周波数が基準周波数からずれた場合、電圧実効値の算出誤差が大きくなり、しいては絶対位相角の測定誤差が大きくなってしまうという問題があった。また、瞬停、位相急変などによる誤差が発生し、例えば、系統の負荷投入により位相が変わり、周波数の変動が大きくなって周波数変動継電器(UFR或いはOFR)の動作閾値を超えて誤動作に至ってしまう等の問題があった。
特開2004−361124号公報 特開2005−204367号公報 特願2004−371765 特願2006−27866 特開2003−057286号公報
この発明は、この問題を解決するためになされたもので、基準波からずれた周波数あるいはノイズの多い電力系統でも高い精度の回転位相角測定装置を提供するものである。
また、この発明は上記回転位相角測定装置の原理を用いて、高精度の周波数測定装置、同期フェーザ測定装置、極開閉位相制御装置、同期投入装置、及び相判別装置等の電力系統の制御・保護装置を提供するものである。
この発明は、電力系統の電圧瞬時値vを複素数平面上の原点0を中心に反時計方向に回転する電圧回転ベクトルで表現したとき、基準波の1周期の4N(Nは正の整数)分の1の周期で上記電力系統の電圧瞬時値vを計測する電圧計測手段と、上記電圧瞬時値vを計測した任意のタイミングにおいて、計測された上記電圧瞬時値vの二乗値の積分演算により電圧振幅値を求める電圧振幅算出手段と、
上記タイミングを含む一刻み期間において、計測された相隣なる2つの電圧瞬時値vの差についての積分演算により、上記2つのタイミングにおける電圧回転ベクトルの先端間を結ぶ弦の弦長を算出する弦長算出手段と、
上記電圧振幅算出手段により求めた電圧振幅値と上記弦長算出手段により求めた弦長値とに基づき上記タイミングを含む一刻み期間における上記電圧回転ベクトルの位相角を算出する回転位相角算出手段と、
からなる回転位相角測定装置を基本構成とする。
この発明によれば、周波数の変動に影響されることなく、ノイズの影響を回避した高い精度の電気量の測定が可能となるものである。また電圧振幅変化率、弦長変化率、周波数変化率を監視し、その閾値を調整することにより、種々の歪み、系統擾乱の影響を取り除いたより高精度で信頼度の高い各種の電力系統制御・保護装置が得られる。
実施の形態1.
最初に、本発明の測定対象である電圧回転ベクトルを用いたアルゴリズムについて説明する。図1は複素平面上に表された電圧回転ベクトル図であり、電力系統の電圧瞬時値vを、複素数平面上の原点0を中心に反時計方向に回転するものとして表している。このように電圧回転ベクトルで表現したとき、この計測した電圧は瞬時電圧実数部vre(t)=Vcos(ωt+φ0)であり、瞬時電圧虚数部はvim(t)=Vsin(ωt+φ0)である。また、電圧瞬時値v(t)=vre(t)+vim(t)で表される。ここで、Vは電圧振幅、ωは電圧回転ベクトルの角速度、φ0は電圧初期回転位相角である。ωは測定対象電力系統の周波数fとの間にω=2πfの関係を有する。なお、ここからは便宜上、電圧瞬時値vre(t)をv(t)で表示することとする。
図2は基準波1周期時間における測定対象電圧ベクトルの回転を示すものである。測定対象の電力系統の電圧回転ベクトルは、基準波の1周期の間、すなわちt=0からt=T0の間に複素数平面内で反時計方向に位相角Ψ(ラジアン)だけ回転する。従って、測定対象の電力系統周波数f(t)は、この位相角Ψ(t)と基準波周波数f0との比例関係から次式を用いて簡単に計算できる。
Figure 0004657151
この式は上記特許文献1の数10に相当し、詳細は同文献に説明されているのでここでは割愛する。このように、基準波1周期の間における電圧ベクトルの回転位相角Ψ(t)が分れば、電力系統周波数を求めることができる。
次にその回転位相角の算出方法を説明する。上記特許文献1では基準波の1周期を4N(Nは整数)で等分された全てのタイミング区間での弦長合計L12(k)と電圧実効値Vaveとから回転位相角を求めている(数8参照)のに対し、この発明は基準波の1周期を4N(Nは整数)で等分された一つのタイミングにおける電圧振幅値と上記タイミングを含む一区間(一刻み幅回転位相角)での弦長ととから回転位相角を求めるようにしたものである
まず、計測された電圧瞬時値から電圧振幅と、回転ベクトルの先端で結ぶ弦長とを求め、これを元に電圧ベクトル回転位相角を求めるものである。図3を用いて電圧振幅と弦長の理論計算式を説明する。
[電圧振幅計算式の導入]
すなわち、基準波の1周期を4N(Nは整数)で等分されたタイミングで電力系統の電圧瞬時値を計測するものとし、理論的に、電圧振幅Vは次式から計算することができる。
Figure 0004657151
ここにv(t)は電圧瞬時値である。T0は一サイクル時間である。50Hzの系統では、T0=0.02秒であり、60Hzの系統では、T0=0.0166667秒である。
上記式(2)を検証するため、入力電圧波形の振幅は40V、基準波周波数は50Hz、実際の周波数は50Hzである場合の具体的な数値計算を行った。
計算の刻みは電気角度30度(4Nで基準波を等分するとき、N=3、一周12等分)である。このことから、式(2)は次式ようになる。
Figure 0004657151
上式を用いて計算を行った結果、図4の電圧振幅波形Vに示すように、電圧振幅Vの計算値と入力電圧瞬時値波形vの振幅とが常に一致していることが分った。他の全ての計算条件においても同様の結果が得られ、従って、式(2)の電圧振幅計算式は正しいことが確認された。
[弦長計算式の導入]
次に、理論的に、弦長V2は次式から計算することができる。
Figure 0004657151
ここにv(t)は電圧瞬時値である。T0は一サイクル時間である。Tは一計算刻み幅であり、50Hz系統4Nで基準波を等分するとき、N=3の場合、T=0.001666667秒である。
式(4)を検証するため、入力電圧波形の振幅は40V、基準波周波数は50Hz、実際の周波数は50Hzである場合の数値計算を行った。
計算の刻みは電気角度30度(4Nで基準波を等分するとき、N=3、一周12等分)である。このことから、式(4)は次式ようになる。
Figure 0004657151
上式(5)を用いて計算を行った結果、図4の弦長波形V2に示すように、計測された弦長値は上記理論の弦長値と常に一致していることが分った。他の全ての計算条件においても同様の結果が得られ、従って、式(4)の電圧振幅計算式は正しいことが確認された。
ピタゴラスの定理から、弦長の具体的値は理論的に次式で計算される。(この場合、一刻み幅回転位相角に面して位相角は30度である)
V=2Vsin15°=2×40×sin15°= 20.7055 (6)
[周波数に影響されない電圧振幅計算式の導入]
以上の説明から明らかなように、高調波ノイズ等の電圧瞬時値の変動に対し、電圧振幅V、弦長V2の値は歪みのない安定した値として捉えられることが確認されたが、しかし、式(2)と(4)をそのまま適用すると、基準波から外れた測定周波数における電圧振幅及び弦長の誤差が次第に大きくなってしまう。その理由は両式に周波数に影響される電圧瞬時値v(t)(すなわち、v(t)=Vcos(ωt+φ0))を含んでいるからである。
そこで、ノイズの影響を減少するために、次の二つの計算式によって平均化処理が行われる。(1サイクルは推奨値で、長い方がもっと安定性がよい。)
Figure 0004657151
しかし、このような平均化処理を行っても誤差はある程度減少するとしても、それによる減少の程度は限られる。
そこで、この発明では、更にこのような周波数変動に影響されない、次の電圧振幅計算式を導入するものである。
Figure 0004657151
ここに、基準波は4Nで等分する。
式(7)を検証するため、入力電圧波形の振幅は40V、基準波周波数は50Hz、実際の周波数は基準波周波数からずれた45Hzであるとして数値計算を行った。
計算の刻みは電気角度30度(4Nで基準波を等分するとき、N=3、一周12等分)である。式(7)は次式ようになる。
Figure 0004657151
計算結果は図5に示す。方式1は式(2)の計算結果、方式2は式(10)の計算結果である。このように、方式1の計算結果は大きく振動していることに対して、方式2の計算結果は安定していることがわかる。従って、式(10)の計算結果は周波数に影響されないことがわかる。
[周波数に影響されない弦長計算式の導入]
同様に、式(4)の弦長計算式においても、周波数変動に影響されない次の弦長計算式を導入する。
Figure 0004657151
式(10)を検証するため、入力電圧波形の振幅は40V、基準波周波数は50Hz、実際の周波数は45Hzとして数値計算を行った。
計算の刻みは電気角度30度(4Nで基準波を等分するとき、N=3、一周12等分)である。式(10)は次式ようになる。
Figure 0004657151
計算結果は図6に示す。図において、方式1は式(5)の計算結果である。方式2は式(14)の計算結果である。このように、方式1の計算結果は大きく振動していることに対して、方式2の計算結果は安定していることがわかる。式(14)の計算結果は周波数に影響されないことが分る。
以上の算出結果から、電圧回転ベクトルが基準波1周期で回転する電気角度である回転位相角Ψ(t)は次の式から求められる。
Figure 0004657151
なお、式(16)のα(t)は、あるタイミングから次のタイミングまでの一つのサンプリング刻みにおける回転位相角の1/2である。
以上のように、本発明になる回転位相角算出装置は、式(2)の電圧振幅計算式及び式(4)の弦長計算式を用いて電圧振幅と弦長計算を行い、これを基に回転ベクトル上の回転位相角を計算するようにすることにより、高調波ノイズ等の電圧瞬時値の変動に対し、電圧振幅V、弦長V2の値は歪みのない安定した値として捉えられることができる。また、式(9)の電圧振幅計算式及び式(12)の弦長計算式を用いて電圧振幅と弦長計算を行うことにより、周波数変動に対してもこれに影響されない電圧振幅と弦長計算を行うことができ、電力系統の位相、周波数等が更に正確且つ簡単に把握することができるようになり、後述するように、周波数測定装置、同期フェーザ測定装置、開閉極位相制御装置、同期投入装置、相判別装置等、広範な電力系統の制御・保護装置に適用可能となる。
図7はこの発明の実施形態1に係わる回転位相角算出装置の全体構成を示す機能ブロック図である。この実施形態による回転位相角算出装置は、電力系統1の電圧瞬時値を計測する電圧計測装置2と、計測した入力アナログ電圧をデジタル電圧データに変換するA/D変換手段3と、上記デジタル変換データを記憶する記憶手段7と、上記電圧瞬時値の電圧振幅を算出、移動平均処理を行う電圧振幅算出手段4と、サンプリングごとに隣接する電圧回転ベクトルの先端部間で形作る弦の長さを算出、移動平均処理を行う弦長算出装置5と、上記電圧振幅計算値と弦長計算値を用いて、回転ベクトル上の回転位相角を計算する回転位相角算出手段6とからなる。
なお、電圧計測手段2とA/D変換手段3とは、デジタル電圧出力端子を有する電圧計20からなる。さらに、電圧振幅算出手段4、弦長算出手段5、回転位相角算出手段6、記憶手段7は、コンピュータ30によって構成されている。コンピュータ30は、周知のCPU、RAM、ROMおよびインタフェース回路から構成され、以下に説明する各種計算処理を行うためのソフトウエアを内蔵している。
電圧計測手段2は基準波の1周期の4N(Nは正の整数)分の1の周期で電力系統の電圧を計測するものであり、電圧振幅算出手段4は上記電圧を計測した各タイミングにおいて、自らのタイミングを含む過去の4N個のタイミングにおける計測された上記電圧から自らのタイミングにおける周波数と無関係になる電圧振幅値Vを求める(式(9)を参照)。弦長算出手段5は図3で説明したように、上記タイミングにおける電圧回転ベクトルの先端と上記タイミングの1つ前のタイミングにおける電圧回転ベクトルの先端とを結ぶ弦の弦長を算出する(式(12)を参照)。
回転位相角算出手段6は、上記電圧振幅計算値と弦長計算値を用いて、回転ベクトル上の回転位相角を式(16)、式(17)を用いて計算する。
続いて、図8を参照して電圧振幅Vと弦長Vの急変判別手法について説明する。
前述の電圧振幅計算式(9)と弦長計算式(12)が1サイクルの瞬時値で(刻みが30度の場合、12点、刻みが3.75度の場合、96点)計算されているため、正弦波の場合は平均化処理があるため、多少ノイズが載っていたとしてもこれを無視することができ、電圧振幅と弦長の急変はないと考えられる。しかし、非正弦波の場合には、位相急変(例えば、負荷投入と脱落などによるもの)あるいは瞬停(例えば、遠方系統事故により数サイクルの間、定格値の90%までに落ちる)で電圧振幅と弦長の計算結果は大きく変る可能性がある。
そこで、電圧振幅変化率と弦長変化率のしきい値を設け、それぞれリアルタイムの変化率を求めることにより、電圧振幅、弦長、あるいは周波数をラッチするかどうかを判定する。
先ず、電圧振幅変化率は次式のように計算される。
Figure 0004657151
ここにCVSETは電圧振幅変化率しきい値である。
次に、弦長変化率は次式のように計算される。
Figure 0004657151
ここにCV2SETは弦長変化率しきい値である。
従って、上記電圧振幅変化率がしきい値CVSETより大きくなったとき、あるいは上記弦長変化率がしきい値CV2SETより大きくなったときには、電圧振幅、弦長、あるいは周波数をラッチするものである。
なお、ここでは、一サイクル前の値Vave(t-4NT)とV2ave(t-4NT) (1サイクル)を使用しているが、一般的に、1/4サイクル以上であることが望ましい。
続いて、図9を参照して周波数の急変判別手法について説明する。
周波数は上式(1)及び(17)を用いて次のように求められる。
Figure 0004657151
次に、次式により移動平均処理を行う。
Figure 0004657151
ここにCfSETは周波数変化率しきい値である。この式でひずみ波による周波数の急変を検出する。
非正弦波の周波数の計測結果が、図9に示すように、周波数変化率しきい値CfSETを超えた場合(周波数変化許容範囲を超えた場合)のみ、ラッチ判別条件(詳細は後述する)を起動するものである。
実施の形態2.
図10はこの発明の実施形態2に係わる周波数測定装置の全体構成を示す機能ブロック図である。図中、図7と同一符号は同一及び相当部分を示している。この実施形態2に係わる周波数測定装置では、電圧計測装置2、A/D変換手段3、記憶手段12、電圧振幅算出手段4、弦長算出装置5、回転移送角算出手段6は図7と同一である。電圧振幅判別手段40は上述したように電圧振幅の電圧振幅変化率を求め、しきい値と比較する(式(18)を参照)ものである。また、弦長判別装置50は上記弦長の変化率を求め、しきい値と比較する(式(19)を参照)ものである。更に、周波数算出手段8は周波数を算出し(式(20)を参照)、移動平均処理を行い(式(21)を参照)、周波数判別手段80は周波数変化率を求め、しきい値と比較する(式(22)を参照)ものである。
次に、上記図10の全体構成ならびに図1から図9の説明を参照しながら、周波数測定装置の動作を図11のフローチャートに従って説明する。
最初に、ステップ101で、図10の電圧計測手段2がサンプリングのタイミング毎に測定対象である電力系統の電圧を計測する。このときのタイミングをtで表す。1回前の計測したタイミングは(t−1)で、次のタイミングは(t+1)で表すことができる。次に、A/D変換手段3が、アナログ信号である上記計測電圧をデジタル電圧信号に変換し、この値を記憶手段7に記憶する。図1に示すように、電力系統の電圧瞬時値vを、複素数平面上の原点0を中心に反時計方向に回転する電圧回転ベクトルで表現したとき、この計測した電圧は、上述した瞬時電圧実数部vre(t)である。
ステップ102では、電圧振幅算出手段4により式(7)を用いて電圧振幅を算出する。次に、ステップ103では、電圧振幅判別手段40により電圧振幅変化率を算出する。すなわち、ステップ104で、電圧振幅ラッチモードがOFF状態であるかどうか判別し、OFF状態である場合はステップ105へ、ON状態である場合はステップ107へ進む。続いて、ステップ105において式(18)を用いて、電圧振幅弦長ラッチモードを変換するかどうかを判定する。電圧振幅変化率が電圧振幅変化率しきい値CVSETより大きい場合であれば(信頼性のため、連続3回照合)、ステップ109に進み、電圧振幅変化率が電圧振幅変化率しきい値CVSETより小さい場合であれば、ステップ106へ進む。ステップ106では、式(7)を用いて電圧振幅の移動平均処理が行われる。
ステップ107では、電圧振幅ラッチモードがONの場合、下記の式(23)の電圧振幅変化率の計算式により、電圧振幅変化率しきい値CVSETより小さい場合は(信頼性のため、連続3回照合)、ステップ108へ進み、電圧振幅変化率しきい値より大きい場合は、ステップ130へ進む。
Figure 0004657151
ここにVave(latch)はステップ110でラッチした電圧振幅値である。
ステップ109では、電圧振幅ラッチモードがOFF状態からON状態にされ、更にステップ110で現時点からM個前の点の電圧振幅及び周波数値をラッチして(保持して)、ステップ130へ進む。すなわち、電圧振幅は次式のようにラッチする。
Vave(latch)=Vave(t-MT) (24)
同時に周波数も次式のようにラッチする。
ave(latch)=fave(t-MT) (25)
ここにMは整数である。M=0でもよいが、やはりデータの安定性を求める場合、M=4N(1サイクロ)のほうが安定性がよい。
続いて、ステップ111では、弦長算出手段6により式(10)を用いて、弦長を算出する。更に、ステップ112では弦長判別手段7により式(19)を用いて、弦長変化率を求める。ステップ113にて、弦長ラッチモードがOFF状態かどうか判定し、OFF状態にあれば、ステップ114へ、ON状態にあれば、ステップ116へ進む。
ステップ114で式(19)を用いて、弦長ラッチモードを変換するかどうかを判別する。弦長変化率が弦長変化率しきい値Cv2setより大きい場合(3回照合する)、ステップ118へ進み、変化率がしきい値Cv2setより小さい場合、ステップ115へ進む。ステップ115では式(8)を用いて、弦長の移動平均処理を行う。
ステップ116では下記(26)式を用いて、弦長変化率が弦長変化率しきい値Cv2SETより小さいかどうか判定し、小さい場合(3回照合)にはステップ117へ進み、大きい場合には、ステップ130へ進む。
Figure 0004657151
ここにV2ave(latch)はステップ119でラッチした弦長値である。
ステップ117では弦長ラッチモードがON状態からOFF状態になる。
一方、ステップ118では、弦長ラッチモードがOFF状態からON状態になり、ステップ119で現時点からM個前の点の弦長及び周波数値をラッチして(保持して)、ステップ130へ進む。すなわち、弦長ラッチ値は以下の通りである。
V2ave(latch)=V2ave(t-MT) (27)
同時に周波数も前記式(25)のようにラッチする。
ステップ120では、周波数算出手段8で式(18)〜式(20)を用いて、周波数を算出する。
続いてステップ121では、周波数判別手段9で式(22)を用いて、周波数変化率を算出する。
ステップ122で、周波数ラッチモードがOFF状態であるかどうかを判別し、周波数ラッチモードがOFF状態であれば、ステップ123へ進み、ON状態であれば、ステップ126へ進む。ステップ123では、式(22)を用いて、上記ステップ121で算出された周波数変化率が周波数変化率しきい値Cfsetより大きいかどうかを判定し、周波数変化率が周波数変化率しきい値より大きい場合、ステップ128へ進み、周波数変化率が周波数変化率しきい値より小さい場合、ステップ124へ進む。ステップ124では式(21)を用いて周波数の移動平均処理を行う。更に、ステップ125にて、下式のように、M個前の周波数を使用する。
f(t)= fave(t-MT) (28)
ここで、fave(t)ではなく、fave(t-MT)を使用する理由は、ラッチを行うときの操作がM個前の周波数を使用していることから、これと一致性を保つためである。
一方、ステップ126では、周波数変化率が周波数変化率しきい値CfSETより小さいかどうか次式を用いて判定する。周波数変化率が周波数変化率しきい値CfSETより小さい場合(3回照合)にはステップ127へ進み、周波数変化率は周波数変化率しきい値より大きい場合は、ステップ130へ進む。
Figure 0004657151
ここにfave(latch)はステップ129でラッチした弦長値である。
ステップ127では、周波数ラッチモードがON状態からOFF状態になり、他方、ステップ128では周波数ラッチモードがOFF状態からON状態になる。
ステップ129では式(25)のようにM個前の周波数をラッチする。ステップ130では周波数は次式のようにラッチ値を使用する。
f(t)=f(latch) (30)
以上のように、本発明になる周波数測定装置は、周波数と無関係とした電圧振幅計算値を用いて電圧振幅と弦長計算を行い、これを基に回転ベクトル上の回転位相角を計算することにより周波数を測定できるようにしたので、基準波にずれた周波数でも正確な測定が可能となるものである。また、上記電圧振幅、弦長あるいは周波数の変化率を計算することによりそれぞれの値の急変を検知して所定の値にラッチを掛けるようにしたので、ノイズ等の影響を取り除き、瞬停や位相急変等のフリッカ現象の歪み影響を除去することが出来る高精度、高信頼度の周波数測定装置が得られるものである。
実施の形態3.
本発明の実施の形態3は、この発明を同期フェーザ装置に適用した例について説明する。特許文献2に示す同期フェーザ装置は、電圧実効値平均値と電圧実数瞬時推定値とに基いて絶対位相角を算出しているが、この発明の実施の形態3によれば、電圧実数瞬時推定値vest(t)と電圧振幅平均値Vave(t)とから絶対位相角βを算出するものである。
図12は同期フェーザ計算のフローチャートを示している。図において、ステップ201は、図11で説明したステップ101と同様、サンプリングのタイミング毎の電圧計測及びA/D変換ステップである。ステップ202も同じく図11のステップ102からステップ130で説明した周波数算出ステップと同一であるので詳細な説明は省略する。ステップ203は電圧瞬時値の推定計算を行うステップであり、特許文献2の図2で説明している電圧実数瞬時推定値算出ステップ107に相当するものである。以下詳細に説明する。
先ず、電圧瞬時値は次の式(31)で計算される。なお、1基準波は4N(N=3)で分割されると仮定する。
Figure 0004657151
なお、P1 は任意の定数である。
電圧実数瞬時値行列式を[v]、三角関数行列を[A]、任意係数行列を[P]で表現すると、時系列電圧瞬時値マトリクス計算式は以下の通りである。
Figure 0004657151
任意係数行列[P]は、最小二乗法を適用すれば、次式により求めることができる。

Figure 0004657151
式(34)〜(36)を用いて、定数P1,P2を計算する。
Figure 0004657151

従って、次式(37)により現時点の電圧実数瞬時推定値を求めることができる。


Figure 0004657151



続いて、ステップ204は絶対位相角算出ステップであり、特許文献2の図2で説明している同期フェーザ絶対位相角算出ステップ108に相当するものである。
すなわち、式(37)の電圧実数瞬時推定値vest(t)と式(7)の電圧振幅平均値Vave(t)から下記式(38)のように絶対位相角βを算出する。
Figure 0004657151
以上のように、この発明の実施の形態3になる同期フェーザ測定装置においても、式(38)で示されるように周波数変動に影響されない電圧振幅計算式Vave(t)を適用することにより、基準周波数を外れた周波数下でも絶対位相角βの計測精度は飛躍的に向上するものである。
実施の形態4.
本発明の実施の形態4は、電力系統に接続されている遮断器の投入または遮断される時点の開閉極位相を制御する開閉極位相制御装置にこの発明を適用した例について説明する。図13は、実施の形態4における開閉極位相制御装置の機能ブロック図である。
図において、電力系統1には図示していないが、無負荷変圧器、無負荷送電線、コンデンサバンク、分路リアクトルなどの対象機器が遮断器を介して接続されている。
開閉極位相制御装置300は、所定のタイミングごとに電力系統1の電圧実数瞬時値を計測する電圧計測手段2と、所定のタイミングごとに電力系統1の電流実数瞬時値を計測する電流計測手段2iと、計測された電圧実数瞬時値および電流実数瞬時値をデジタルの電圧実数瞬時値およびデジタルの電流実数瞬時値に変換するA/D変換手段3と、デジタルの電圧実数瞬時値およびデジタルの電流実数瞬時値を記憶する記憶手段7と、所定のタイミングにおいて隣接する電圧回転ベクトルの先端部間で形作る弦の長さを算出する弦長算出手段5と、上記所定のタイミングにおける電圧回転ベクトルから電圧振幅値を算出する電圧振幅算出手段4と、算出された電圧振幅値を所定の期間で平均化して電圧振幅平均値を算出する電圧振幅平均化手段10と、電流回転ベクトルから電流実効値を算出する電流振幅値算出手段4iと、算出された電流振幅値を所定の期間で平均化して電流振幅平均値を算出する電流振幅平均化手段10iと、上記算出された電流振幅値及び弦長値を用いて回転位相角を算出し、算出された回転位相角から電力系統の周波数を算出する周波数算出手段8と、デジタルな電圧実数瞬時値から最小自乗法を用いて電圧実数瞬時推定値を算出し、それに基づいて電圧回転ベクトルの電圧絶対位相角を算出する電圧絶対位相角算出手段9と、デジタルな電流実数瞬時値から最小自乗法を用いて電流実数瞬時推定値を算出し、それに基づいて電流回転ベクトルの電流絶対位相角を算出する電流絶対位相角算出手段9iと、開閉極操作の命令が入力されたとき、予測ベクトルを算出する予測ベクトル算出手段18と、予測ベクトルと目標ベクトルとから操作遅れ時間を算出する操作遅れ時間算出手段19とを有する。
さらに、開閉極位相制御装置300は、手動、リレーからの信号、あるいはその他の自動制御装置から送られてくるデジタルな開閉極操作命令を受信する開閉極操作命令受信手段20と、デジタルな開閉極操作指令を対象機器に送信する開閉極操作実施手段21と、を有している。
上記電圧(電流)計測、A/D変換、弦長算出、電圧(電流)振幅算出、周波数算出、絶対位相角算出の算出方法は上記実施の形態1乃至3で説明したものと同様である。
なお、上記開閉極位相制御装置300の動作内容は特許文献3に詳述されているので、ここでは割愛するが、電力系統の電圧、電流瞬時値を回転ベクトルで模擬し、電力系統の周波数と電圧および電流の絶対位相角とを算出し、その周波数と絶対位相角から初期ベクトルを求め、その初期ベクトルに予測および動作に要する時間を考慮して予測ベクトルを求め、その予測ベクトルと目標とする目標ベクトルから制御遅れ時間を求め、その制御遅れ時間を考慮して遮断器に開閉極指令信号を送信するようにしているので、正確に算出された周波数と絶対位相角とに基づいた位相により遮断器の投入または遮断が制御される。
以上のように、この発明の実施の形態4における開閉極位相制御装置では、周波数と無関係とした電圧振幅計算値と弦長計算値を用いて電圧振幅と弦長計算を行い、これを基に回転ベクトル上の目標ベクトルと予測ベクトル間の絶対位相角差を計算することにより、基準波にずれた周波数やノイズを含んだ系統間でも正確な開閉極操作が可能となるものである。
実施の形態5.
本発明の実施の形態5は、この発明を同期投入装置に適用した例を示し、両母線の電圧位相が一致するタイミングを予想算出することにより同期投入をより正確に行わんとするものである。図14は、実施の形態5における同期投入装置の機能ブロック図である。
図において、同期投入装置100は、系統として、発電機1Aが接続された発電機母線Aと、電力系統1Bが接続された電力系統母線Bとを、遮断器CBを介して同期投入する機能を有するものである。そして、同期投入装置100は、母線A、Bのそれぞれについて、電圧実数瞬時値を計測する電圧計測手段2と、計測された電圧実数瞬時値をデジタルな電圧実数瞬時値に変換するA/D変換手段3と、デジタルな電圧実数瞬時値に基づき電圧振幅値を算出する電圧振幅算出手段4と、デジタルな電圧実数瞬時値に基づき周波数を算出する周波数算出手段8と、デジタルな電圧実数瞬時値に基づき所定の基準時における電圧の絶対位相角を算出する絶対位相算出手段9と、両母線の電圧振幅値の計算値を比較する両系電圧振幅値比較手段11と、両母線の周波数の計算値を比較する両系周波数比較手段12と、両母線の周波数の算出値と絶対位相角の算出値とに基づき、基準時から両母線のそれぞれの電圧の位相が一致する迄の経過時間を予測する経過時間予測手段13と、経過時間の予測値に基づき同期投入の投入時間を算出し同期投入操作信号を出力する投入時間算出手段14と、各演算ステップでデジタル値を記憶する記憶手段7とを備えている。また、遮断器制御装置200は、同期投入装置100からの同期投入操作信号を受信する遮断器操作指令受信手段16と、同期投入操作信号の受信に応じて遮断器CB5の投入コイルに投入駆動電流を供給する遮断器操作実施手段17とを備えている。
両母線A、Bにつき、電圧計測、A/D変換、電圧振幅算出、周波数算出、絶対位相算出を行う。それぞれの算出方法は上記実施の形態2及び3で説明したものと同様である。
以上のように、この発明の実施の形態5における同期投入装置では、両母線A、Bの絶対位相角を算出し、両母線の電圧の位相が一致するタイミングで両母線を投入するようにしたので、上述した同期フェーザ測定法を利用すれば、当該測定方法の利点が有効に生かされ、予想タイミングを安定確実に算出することができ、投入に基づく過渡電流等を十分小さく抑えることができる。また、周波数と無関係とした電圧振幅計算値を用いて電圧振幅と弦長計算を行い、これを基に回転ベクトル上の両系統間の絶対位相角差を計算することにより、基準波にずれた周波数やノイズを含んだ系統間でも正確な同期投入が可能となるものである。
実施の形態6.
本発明の実施の形態6は、この発明を電力系統の相判別装置に適用した例について説明する。従来の相判別装置は電路の第一箇所で検出した対地電圧波形の所定点の時刻及び波形周期を記憶しておき、電路の第二箇所で検出した対地電圧波形について、記憶された時刻及び波形周期との整合性によって、同相か否かの判別を行うようにしていた(例えば特許文献5を参照)。すなわち、従来のものは瞬時値波形のみを注目するのに対して、本発明は回転ベクトルの位相角差を利用することにより判別を行うようにしたものである。
図15はこの発明の実施の形態6になる相判別器における判別原理を説明する接続図と3相模式ベクトル図であり、図16は本発明の相判別計算のフローチャートを示している。図15において、3相線路A、B、Cの内、A相が基準相であることが分っている場合の3相電路を対象に説明する。なお、図中、70は相判別器、V1、V2、V3は各電路の対地電圧の位相を測定する手段を示す。
ステップ401は、図11で説明したステップ101と同様、サンプリングのタイミング毎の電圧計測及びA/D変換ステップである。ステップ402は基準電圧vAの位相角βの算出ステップであり、下式により算出される。
Figure 0004657151
ここにVAは電圧振幅、vAは基準電圧瞬時値である。
次に、ステップ403では、あるいずれか1相(例えばA相)の電圧ν1Aについて上記基準電圧との電圧位相差の算出を行う。
すなわち、先ず、次式に従って上記ある1相の絶対位相を計算する。
Figure 0004657151
ここにV1は上記ある1相の電圧振幅、V1は同じく基準電圧瞬時値である。
続いて、上記ある1相と基準相の位相差を計算する。
β1A=β1−βA (41)
同様にして、ステップ404では、他の相(例えばB相)の電圧v2Aについて上記基準電圧との電圧位相差の算出を行う。
すなわち、次式に従って他の相の絶対位相を計算する。
Figure 0004657151
続いて、他の相と基準相の位相差を計算する。
β2A=β2−βA (43)
同様にして、ステップ405では、残る他の相(例えばC相)の電圧v3Aについて上記基準電圧との電圧位相差の算出を行う。
すなわち3相の絶対位相を計算する。
Figure 0004657151
続いて、3相と基準相の位相差を計算する。
β3A=β3−βA (45)
ステップ406では上記計算に基き、相判別を行う。相判別のやり方を図15を参照して説明する。
すなわち、以下の式が満足すれば、A相(U相)と判別される。
-α<βxA<α (46)
以下の式が満足すれば、B相(V相)と判別される。
240-α<βxA<240+α (47)
以下の式が満足すれば、C相(W相)と判別される。
120-α<βxA<120+α (48)
なお、αは不感帯閾値(例えば20度)である。
以上のように、この発明の実施の形態6になるものは、基準相が分っている相判別器において、上式で示されるように電圧振幅値及びベクトルの回転位相角を算出することにより、正確に相判別を行うことができ、特許文献5におけるように周期基準器等の付属機器を一切必要とすることなく簡単な構成で相判別器が実現できるものである。
複素数平面上に表された電圧回転ベクトル図、 基準波1周期時間における測定対象電圧ベクトルの回転した様子を示す図、 電圧回転ベクトルの先端2点間の電圧振幅と弦長の計算を説明する図、 正弦波の電圧振幅Vと弦長Vを計算した結果を示す図、 振幅計算式による計算結果の比較図、 弦長計算式による計算結果の比較図、 この発明の実施形態1に係わる回転位相角算出装置の全体構成を示す機能ブロック図、 電圧振幅/弦長の急変判別手法を示す図、 周波数の急変判別手法を示す図、 この発明の実施形態2に係わる周波数測定装置の全体構成を示す機能ブロック図、 上記実施形態2における周波数計算のステップを示すフローチャート図、 この発明の実施形態3に係わる同期フェーザ装置への実施形態を示すフローチャート図、 この発明の実施形態4に係わる開閉極位相制御装置への実施形態を示す機能ブロック図、 この発明の実施形態5に係わる同期投入装置への実施形態を示す機能ブロック図、 この発明の実施の形態6になる相判別器における検出原理を説明する接続図、 この発明の相判別計算のフローチャートを示している。
符号の説明
1 電力系統、 2 電圧計測手段、 3 A/D変換手段、
4 電圧振幅算出手段、 5 弦長算出手段、 6 回転位相角算出手段、
7 記憶手段、 8 周波数算出手段、 40 電圧振幅判別手段、
50 弦長判別手段、 70 相判別器、 80 周波数判別手段。

Claims (14)

  1. 電力系統の電圧瞬時値vを複素数平面上の原点0を中心に反時計方向に回転する電圧回転ベクトルで表現したとき、基準波の1周期の4N(Nは正の整数)分の1の周期で上記電力系統の電圧瞬時値vを計測する電圧計測手段と、上記電圧瞬時値vを計測した任意のタイミングにおいて、計測された上記電圧瞬時値vの二乗値の積分演算により電圧振幅値を求める電圧振幅算出手段と、
    上記タイミングを含む一刻み期間において、計測された相隣なる2つの電圧瞬時値vの差についての積分演算により、上記2つのタイミングにおける電圧回転ベクトルの先端間を結ぶ弦の弦長を算出する弦長算出手段と、
    上記電圧振幅算出手段により求めた電圧振幅値と上記弦長算出手段により求めた弦長値とに基づき上記タイミングを含む一刻み期間における上記電圧回転ベクトルの位相角を算出する回転位相角算出手段と、
    からなることを特徴とする回転位相角測定装置。
  2. 電圧振幅算出手段は、次式に従って電圧振幅値Vを求め、
    Figure 0004657151
    弦長算出手段は、次式に従って弦長V2を求める
    Figure 0004657151
    ようにしたことを特徴とする請求項1に記載の回転位相角測定装置。
  3. 電圧振幅算出手段は、次式に従って電圧振幅値Vを求め、
    Figure 0004657151
    弦長算出手段は、次式に従って弦長V2を求める
    Figure 0004657151
    ようにしたことを特徴とする請求項1に記載の回転位相角測定装置。
  4. それぞれのタイミングにおいて、上記算出した電圧振幅値の移動平均値を次式に従って求める移動平均化手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の回転位相角測定装置。
    Figure 0004657151
  5. それぞれのタイミングにおいて、上記算出した弦長値の移動平均値を次式に従って求める移動平均化手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の回転位相角測定装置。
    Figure 0004657151
  6. 上記請求項1記載の回転位相角測定装置を用いて算出した回転位相角から上記電力系統の周波数を算出する周波数算出手段を設けたことを特徴とする周波数測定装置。
  7. それぞれの上記タイミングにおいて、算出した上記周波数のデータと、それに先だって求めた少なくとも1つのデータとの平均値を求める平均化手段を設けたことを特徴とする請求項6に記載の周波数測定装置。
  8. それぞれの上記タイミングにおいて、算出した上記電圧振幅値データの変化率を計算することによりそれぞれの値の急変を検知して所定のデータ値にラッチすることを特徴とする請求項6に記載の周波数測定装置。
  9. それぞれの上記タイミングにおいて、算出した上記弦長の変化率を計算することによりそれぞれの値の急変を検知して所定のデータ値にラッチすることを特徴とする請求項6に記載の周波数測定装置。
  10. それぞれの上記タイミングにおいて、算出した上記周波数データの変化率を計算することによりそれぞれの値の急変を検知して所定のデータ値にラッチすることを特徴とする請求項6に記載の周波数測定装置。
  11. 請求項6に記載の周波数測定装置を用いて算出された、自らのタイミングにおける周波数から電圧回転ベクトルの角速度を求め、自らのタイミングを含む過去の4N個のタイミングにおける計測された上記各電圧から、自らのタイミングにおける電圧推定値を求める電圧瞬時値推定手段と、
    上記電圧瞬時値推定値と電圧振幅平均値から自らのタイミングにおける絶対位相角βを算出する絶対位相角算出手段と、
    を備えたことを特徴とする同期フェーザ測定装置。
  12. 請求項6に記載の周波数測定装置を用いて算出された周波数と予め定められた制御時間とから得られる制御位相角だけ上記電圧絶対位相角から位相が進んだ予測ベクトルを算出する予測ベクトル算出手段と、
    上記予測ベクトル算出手段により算出された予測ベクトルと、予め定められた条件に適合する目標ベクトルとから制御遅れ時間を算出する操作遅れ時間算出手段と、
    上記操作遅れ時間を考慮して開閉極操作指令を遮断器に送信する開閉極操作実施手段と、
    を備えたことを特徴とする開閉極位相制御装置。
  13. 請求項11に記載の同期フェーザ測定装置を用いて同期投入せんとする両母線の絶対位相角を算出し、両母線の電圧位相が一致するまでの経過時間を予測する経過時間予測手段と、
    上記経過時間の予測値に基き同期投入の投入時間を算出し同期投入操作信号を出力する投入時間算出手段と、
    を備えたことを特徴とする同期投入装置。
  14. 請求項11に記載の同期フェーザ測定装置を用いて、基準電圧及び各相の絶対位相角をそれぞれ算出すると共に、上記各相と基準相との間の位相差を算出し、上記位相差の大きさによって相判別を行うようにしたことを特徴とする相判別装置。
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