JP4657698B2 - 折畳式携帯無線機 - Google Patents

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Description

本発明は、通話状態において、人体への電磁波の放射を低減するとともに高いアンテナ性能を確保することができる折畳式携帯無線機に関する。
携帯電話機は使用者の頭部近傍で使用されるため、人体への影響を考慮して、人体に吸収される電磁波の局所平均SAR(Specific Absorption Rate:比吸収率)が定義され、最大となる局所平均SARを規定値以下に抑える技術が求められている。一般的に、この局所平均SARは電流分布と対応関係にあり、電流の最大点が1箇所に集中し、電流の最大点が人体近傍に存在すると局所平均SARは高くなることが知られている。特に、アンテナの給電点付近では、一般的に電流の最大点が1箇所に集中してしまう。
従来の局所平均SARを低く抑える技術としては、不平衡型給電アンテナにおいて給電点近傍のグランドに一端を開放した導電性金属素子を接続(接地)し、素子は所望の周波数において共振する長さに設定される。さらにこの素子は人体と近接する受話部の開口部を有する筐体面と対向する筐体面に配置される。この構成により給電点からの電流が導電性金属素子に流れることとなり、人体と近接する筐体面に流れる電流を少なくし、そこからの人体への放射を低減することができる。(例えば特許文献1参照)。
また、給電部の電流を分流させる技術としては、折畳式携帯電話機において受話部面を有する上部筐体のシールドケースをアンテナ素子(アンテナ1)とし、下部筐体のグランド基板からフレキシブルケーブルを介してアンテナ素子に給電する構造において、給電部にロッドアンテナ(アンテナ2)を設ける。つまり、同一の給電点から2個のアンテナ(アンテナ1及びアンテナ2)に給電する構成となっている。この構成により、アンテナ1の使用者の手により覆われてもアンテナ2が設けられているため、アンテナ性能の劣化が小さく、高いアンテナ性能を確保することができる。
特開2002−353719号公報 特開2002−335180号公報
しかしながら、上記説明した従来の局所平均SARを低く抑える技術においては、グランドに素子を接続しているために使用者の手によるアンテナ性能への影響が大きいという問題があった。
また、上記説明した従来の給電部の電流を分流させる技術においては、ロッドアンテナと給電部を電気的に接続する機構構造が必要となり、さらに、ロッドアンテナが筐体外部に配置されるため、小型化が困難であるという問題があった。
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、特に折畳式携帯無線機の局所平均SARを低減する折畳式携帯無線機を提供することを目的とする。
本発明の折畳式携帯無線機は、第1の筐体と、第2の筐体と、前記第1の筐体と前記第2の筐体とを開閉自在に連結するヒンジ部と、(a)前記第1の筐体に設けられたアンテナ素子と、(b)前記アンテナ素子に電気的に接続され、前記ヒンジ部に設けられた導電性金属ヒンジ要素と、(c)前記第2の筐体内に設けられた回路基板から前記導電性金属ヒンジ要素に給電する第1の給電部と、により構成されるダイポールアンテナと、前記回路基板内に設けられ、前記導電性金属ヒンジ要素と容量性リアクタンスをもつように所定の間隔をもって設けられた面状容量結合素子と、前記面状容量結合素子にその一端が電気的に接続されるとともに他端が開放され、前記ダイポールアンテナに流れる電流を分散させる電流分散素子とを備える。
ここで、前記電流分散素子は所望の周波数の波長に対して略1/4の長さを持つように構成することができ、前記導電性金属ヒンジ要素に流れるアンテナ電流を、前記面状容量結合素子から前記電流分散素子へと流すことにより、前記ヒンジ部に集中しているアンテナ電流を分散させることができる。
この構成により、前記ダイポールアンテナ動作時において、所望の周波数においてアンテナ電流を前記導電性金属ヒンジ要素へ分散させることにより、人体頭部に近い部分の電流を低減でき、これによって局所平均SARを低減することができる。
前記電流分散素子を、前記第1の筐体及び前記第2の筐体の幅方向に配置することもできる。
この構成により、通話状態において所望の周波数におけるアンテナ性能を向上させることができる。
また、前記回路基板から前記電流分散素子に給電する第2の給電部と、前記第1の給電部と前記第2の給電部のうち1つを切り替えによって選択する制御部とを更に設けることができ、この場合、前記電流分散素子が前記第1の筐体及び前記第2の筐体を閉じた状態においてサブアンテナとして動作する。
この構成により、前記ダイポールアンテナが筐体を閉じた状態で性能が劣化したときに、前記導電性金属ヒンジ要素をアンテナ(サブアンテナ)として用いることで高いアンテナ性能を得ることができる。また、前記導電性金属ヒンジ要素をアンテナ素子(サブアンテナ素子)として使用することができるので、新たに部品を追加することなく上記効果が得られる。
また、本発明に係る折畳式携帯無線機は、人体頭部近傍で使用するときに、前記電流分散素子が人体頭部から離れるように構成することができる。
この構成により、分散させた電流の集中部を人体から遠ざけることにより局所平均SARをさらに低減し、通話利得を改善することができる。
尚、第1の筐体と第2の筐体は、上部筐体と下部筐体のいずれか一方と他方を構成する。
以上説明したように、本発明に係る折畳式携帯無線機によれば、アンテナ素子に集中している電流を電流分散素子へ分散させることにより、局所平均SARを低減するとともに、人体への電磁波の放射を低減し、電流分散素子からの放射により通話状態のアンテナ性能を改善できる。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る折畳式携帯無線機の基本構成を示す。
図1において、上ケース(上部筐体)1と下ケース(下部筐体)2とが給電側ヒンジ部(導電性金属ヒンジ要素)4a、給電対向側ヒンジ部(導電性金属ヒンジ要素)4bを含むヒンジ部で連結された構造によって折畳式携帯無線機が構成されている。給電側ヒンジ部4a、給電対向側ヒンジ部4bを含むヒンジ部を中心として回動することにより開いた状態と閉じた状態の2つの状態を取り得る。なお、上ケース1と下ケース2は絶縁体である樹脂の成型品により構成されている。給電側ヒンジ部4a、給電対向側ヒンジ部4bは導電性の金属で構成され、それぞれ直径10mm程度、長さ15mm程度の円柱形状であり、金属フレーム(アンテナ素子)3と一体化した一つの金属を構成している。
上ケース1の+X側の面、すなわち一般に表示部が配置される面には、金属フレーム3が装着されている。ここでは、金属フレーム3には、高い導電性を有し、かつ軽量で強度が高い金属、ここではマグネシウム合金を用いている。金属フレームの長辺の長さは90mm程度である。
給電端子(第1の給電部)7は、給電側ヒンジ部4aと接触により電気的に接続されており、接触抵抗は電気的に導通しやすいように例えば1Ω以下にしてある。また、給電端子7は下ケース2の内部に配置された回路基板5上の整合回路10に半田付けにより電気的に接続される。回路基板5は携帯無線機の各種機能を実現する回路部品が実装されたプリント基板であり、そのほぼ前面に回路の接地電位となるグランドパターンが形成されている。回路基板5は長辺が90mm程度である。
電流分散素子9はその全長がほぼ4分の1波長(ここでは、2GHz帯において30mm程度)のL字型に成型された板金で構成される。電流分散素子9はその一端が接続端子6に接触により電気的に接続され、他端が開放される。また、電流分散素子9は所定の間隔、ここではX方向で5mm程度を隔てて回路基板5と平行に配置される。また、電流分散素子9は折畳式携帯無線機の幅方向と平行に配置される。電流分散素子9の幅は、2mm程度である。
接続端子6は回路基板5上の面状容量結合素子8と半田付けによって接続されている。従って、面状容量結合素子8と電流分散素子9が、接続端子6を介して電気的に接続される。面状容量結合素子8は、回路基板5のグランドパターンとは電気的に絶縁されており、y方向5mm程度、z方向5mm程度の大きさであり、給電側ヒンジ部4aとX方向で1mm程度の間隔をもち、−X側から見て給電側ヒンジ部4aと重なるように配置されており、面状容量結合素子8と給電側ヒンジ部4aを近接させ十分な容量を持って結合するように設計されている。すなわち、面状容量結合素子8と給電側ヒンジ部4aは、容量性リアクタンスをもつように所定の間隔をもって配置されており、電磁的に結合可能である。また、面状容量結合素子8と給電素子7は筐体幅方向で5mm程度の間隔で配置されている。
上記のように構成された折畳式携帯無線機において、金属フレーム3と給電側ヒンジ部4a、給電対向側ヒンジ部4bとが長さ100mm程度の上側アンテナ素子として動作し、この上側アンテナ素子のインピーダンスを無線回路11の入力インピーダンス(一般には50Ω)に整合する機能を整合回路10が果たす。また、回路基板5のグランドパターンが下側アンテナ素子として動作する。すなわち、金属フレーム3及び給電側ヒンジ部4a、給電対向側ヒンジ部4bと、回路基板5のグランドパターン(第1の給電部を構成する給電端子7を含む)とがダイポールアンテナとして動作する。
ここで、電流分散素子9が存在しない場合には、アンテナ電流の多くは給電部である給電側ヒンジ部4aに集中する。給電側ヒンジ部4aは通話時において人体に近接するため、SARにとって不利となる。
図9において、図1と同一の符号を付すものは同一の構成要素を示し、その詳細な説明を省略する。
図9において、電流分散素子9の長さMをM1+M2と定義する。図9に、本実施形態における、電流分散素子9の長さMを変化させたときの1945MHzにおけるSARの値と通話利得の関係を示す。電流分散素子9の長さMが37mmのとき(39)SAR10g平均が1.53mW/g、通話利得が−9.3dBiであるのに対し、30mmのとき(49)SAR10g平均が1.14mW/g、通話利得が−7.7dBiとなっており、SARが約25%低減し、通話利得が1.6dB改善していることがわかる。
図10に本実施形態において、1945MHzにおける自由空間のX−Z断面におけるY方向の偏波、つまり筐体幅方向の偏波の放射パターンを示す。電流分散素子9の長さMが37mmのときの放射パターン41と電流分散素子9の長さMが30mmのときの放射パターン42を比べると、放射パターン42は放射パターン41に比べ90度から180度にかけて、つまり通話状態においては人体が接する面と反対方向(領域43方向)の放射が増加していることがわかる。
以上のことからわかるように、本実施形態における折畳式携帯無線機では、給電側ヒンジ部4aに集中しているアンテナ電流が容量結合している面状容量結合素子8から電流分散素子9へと分散し、電流のピークを人体から遠ざけることができる。これにより、SARを低減することができる。
また、電流分散素子9を折畳式携帯無線機の幅方向に平行に配置することにより、図1においてY方向の偏波成分の放射特性が得られる。この時、図2に示すように折畳携帯無線機を開いた状態で、金属フレーム3側を人体頭部12に向け、天頂方向より60度傾斜させて手13によって保持した一般的な通話状態において、図2の座標系のZ方向成分すなわち垂直偏波成分の放射特性が得られる。これにより、通話状態における高いアンテナ利得が得られる。
なお、本実施形態においては電流分散素子9の長さを4分の1波長程度(ここでは30mm)として説明したが、電流分散素子9の長さは周辺部品の条件等によって異なり、これに限るものではない。
また、電流分散素子9の形状をL字形状として説明したが、電流分散素子9の形状は給電側ヒンジ部4aに流れるアンテナ電流を電流分散素子9に分流することができる形状であればよく、例えば略L字形状や直線形状でもよい。
また、電流分散素子9は所定の間隔、例えば5mm程度を隔てて回路基板5と平行に配置されるとして説明したが、電流のピークを人体から遠ざけることができれば良く、例えば10mm程度の間隔を隔てて回路基板5と平行に配置すれば、電流のピークがさらに人体から遠ざかるため、より大きなSAR低減効果が得られる。
また、電流分散素子9の幅は、例えば1mm程度であってもよいが、この場合は動作周波数の帯域幅が狭くなるため、電流分散素子9の幅は広い方が望ましい。
また、本実施形態においては電流分散素子9を折畳式携帯無線機の幅方向に平行に配置するとして説明したが、SARの低減効果については給電側ヒンジ部4aに流れるアンテナ電流を電流分散素子9に分流することができる配置であればよく、例えば筐体長手方向でもよい。
また、本実施形態においては金属フレーム3を上側アンテナ素子、回路基板5を下側アンテナ素子として動作させているが、これに限るものではなく、ヒンジ部を給電するアンテナ素子であれば同じ効果が得られる。例えば、上側アンテナ素子として上部筐体内部に配置される回路基板のグランドパターンやシールドケースなどの導体を用いてもよい。
また、本実施形態においてはヒンジ部を給電側ヒンジ部4a、給電対向側ヒンジ部4bに分かれた構造として説明したが、ヒンジ部を中心として回動することにより開いた状態と閉じた状態の2つの状態を取り得る構造であれば良く、例えば給電側ヒンジ部4a、給電対向側ヒンジ部4bが1本になっている構造であっても良い。
(第2の実施形態)
図3は、第2の実施形態に係る折畳式携帯無線機の基本構成を示す。
図3において、図1と同一の符号を付すものは同一の構成要素を示し、その詳細な説明を省略する。
図3において、サブアンテナ素子(電流分散素子)14は導電性の板金で形成され、給電端子(第2の給電部)16と接触により電気的に接続されている。サブアンテナ素子14は、幅2mm程度で、給電端子16との接触点より二股に分かれたコの字形状をしており、その長さが給電端子16より+Z側にある素子、−Z側にある素子それぞれが動作周波数のほぼ4分の1波長(2GHz帯において37mm程度)に設定されている。給電端子16は回路基板5上の面状容量結合素子17に半田付けにより接続されている。
給電端子15及び給電端子16はそれぞれ回路基板5上に実装されたアンテナ制御回路部(制御部)26によって選択されて無線回路24に接続される。給電素子15は、第1の実施形態における給電端子7と同等の構成を有する。
ここで、アンテナ制御回路部26は、整合回路18、整合回路19、高周波スイッチ20、高周波スイッチ21、終端リアクタンス素子22及び終端リアクタンス素子23から構成されている。
ここで、アンテナ制御回路部26は、折畳式携帯無線機の上部筐体と下部筐体を開いた状態において、給電端子15が選択されている状態を示している。このとき、給電端子15は整合回路18及び高周波スイッチ20を介して無線回路24に接続される。この状態におけるアンテナ動作は図1に示すものとほぼ同様に、金属フレーム1及びヒンジ部と、回路基板5とがダイポールアンテナとして動作する。
ここで、給電端子16は整合回路19及び高周波スイッチ21、終端リアクタンス素子23を介して接地される。このとき、終端リアクタンス素子23の値を調節して、アンテナ間の結合を調整することができ、結合によるアンテナ性能の劣化を軽減することができる。
このように構成することで、サブアンテナ素子14は図1における電流分散素子9と同様に電流分散素子として動作する。したがって、SARを低減することができる。
ここで、制御回路25は例えばホール素子と永久磁石などを用いて、無線機の閉じ状態、開き状態を感知して、閉じ状態では給電端子16、開き状態では給電端子15を選択するように高周波スイッチ20及び高周波スイッチ21を切り替えるように動作するものである。筐体が開かれた状態においては給電端子15を選択した方がアンテナ性能が高いため、上記のように構成する。
次に、筐体が閉じられた状態について図4を用いて説明する。この状態においては、給電端子16は整合回路19及び高周波スイッチ21を介して無線回路24に接続される。また、給電端子15は整合回路18及び高周波スイッチ20、終端リアクタンス素子22を介して接地される。
ここで、終端リアクタンス素子22の値を調節して、アンテナ間の結合を調整することができるので、結合によるアンテナ性能の劣化を軽減することができる。
筐体を閉じた状態においては、図1に示す金属フレーム3が回路基板5と近接し、互いの電流が逆位相になるため、給電端子15を選択した場合のアンテナ性能は低くなっている。したがって、筐体を閉じた状態においては、上記のように構成する。
図5において、図3と同一の符号を付すものは同一の構成要素を示し、その詳細な説明を省略する。
図5において、サブアンテナ素子14の長さLをL1+L2と定義する。図5に、本実施形態における、サブアンテナ素子14の長さLを変化させたときの1945MHzにおけるSARの値と通話利得の関係を示す。サブアンテナ素子14の長さLが31mmのとき(27)SAR10g平均が1.38mW/g、通話利得が−7.8dBiであるのに対し、35mmのとき(28)SAR10g平均が0.57mW/g、通話利得が−5.4dBiとなっており、SARが約60%低減し、通話利得が2.4dB改善していることがわかる。
図6、図7に本実施形態における、上部筐体の+X側から見た領域29b、33bにおける電流分布29a、33aと、下部筐体の−X側から見た領域30b、34bにおける電流分布30a、34aを示す。周波数は1945MHzである。図6は、サブアンテナ素子14の長さLが31mmのときの電流分布を、図7はサブアンテナ素子14の長さLが35mmのときの電流分布を示す。上部筐体の+X側から見た電流分布から給電側ヒンジ部4a付近31、35の電流の強さ、下部筐体の−X側から見た電流分布からサブアンテナ素子14付近32、36の電流の強さがわかる。図6では、給電側ヒンジ部4a付近31とサブアンテナ素子14付近32の両方に電流が集中している。図7では、図6に比べて給電側ヒンジ部4a付近32に流れる電流が減り、サブアンテナ素子14付近36の電流が増えていることがわかる。これにより、分散させた電流の集中部が人体から遠ざかるのでSARを低減することができる。
図8に本実施形態における、通話状態におけるZ方向の偏波の放射パターンを示す。周波数は1945MHzである。サブアンテナ素子14の長さLが31mmのときの放射パターン37とサブアンテナ素子14の長さLが35mmのときの放射パターン38を比べると、放射パターン38は放射パターン37に比べZ方向の偏波、つまり筐体幅方向の偏波が増えていることがわかる。
本実施形態において、1945MHzにおける筐体を閉じた状態における自由空間の効率は給電端子15を選択した場合は−11.7dB、給電端子16を選択した場合は−3dBとなり、給電端子16を選択することによりアンテナ性能は約9dB改善する。ここで自由空間の効率とは、図4においてX−Z断面の垂直偏波と水平偏波、Y−Z断面の垂直偏波と水平偏波のそれぞれについて、360度方位への放射電力の合計を基準ダイポールと比較した値である。
上記の説明のように、本実施形態の折畳式携帯無線機によれば、筐体を開いた状態においては給電端子7を選択することで給電側ヒンジ部4a及び金属フレーム3と回路基板5がアンテナとして動作し、サブアンテナ素子14が電流分散素子として動作することで、例えばサブアンテナ素子14がない場合に比べてSARを約60%低減することができ、通話状態におけるアンテナ利得を約2.5dB改善することができる。また、筐体を閉じた状態においては給電端子16を選択することでサブアンテナ素子14がアンテナ(サブアンテナ)として動作して、給電端子7を選択した場合に比べ9dBの改善効果が得られる。
なお、サブアンテナ素子14の配置位置は本実施形態に示すものに限らず、下部筐体の上端部において開状態の通話時アンテナ利得と閉状態のアンテナ利得のいずれもが高くできるような位置であればよい。具体的には、給電側ヒンジ部4a付近において、それとの間隔を極力離すように(例えば、5mm以上)配置し、かつ、開状態の通話時において使用者の手に握られない位置に配置することがアンテナ性能上望ましい。
また、サブアンテナ素子14の幅は、例えば1mm程度であってもよいが、この場合は動作周波数の帯域幅が比較的狭くなり、帯域幅を広くすることができるのでサブアンテナ素子14の幅は広い方が望ましい。
また、サブアンテナ素子14の形状を給電端子16との接触点より二股に分かれたコの字形状として説明したが、サブアンテナ素子14の形状は給電側ヒンジ部4aに流れるアンテナ電流をサブアンテナ素子14に分流することができる形状であればよく、例えば略L字形状や直線形状でもよい。
また、リアクタンス素子23が存在しない状態においても、サブアンテナ素子14を追加することによる効果が得られるが、サブアンテナ素子14とリアクタンス素子23とを同時に追加し併用した場合の方がより高い効果が得られる。
また、本実施形態においては折畳携帯無線機の開き状態と閉じ状態を検出して高周波スイッチを切り替える構成としているが、これに限るものではなく、例えば無線回路24の受信レベルによって高周波スイッチを切り替える構成としてもよい。
以上、本発明の各種実施形態を説明したが、本発明は前記実施形態において示された事項に限定されず、明細書及び図面の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者がその変更・応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
以上のように、本発明は局所平均SARを低減することができるので、折畳携帯無線機使用時から放射される電磁波が人体に及ぼす影響を減らす目的に有用である。また、通話状態において高いアンテナ性能が得られるため通話品質を向上することができ、さらに、筐体を閉じた状態においても高いアンテナ性能が得られるため待受感度を向上することができるので、折畳式携帯無線機の無線通信性能の高性能化に有用である。
第1の実施形態に係る折畳式携帯無線機の筐体を開いた状態を示す図。 通話状態を示す図。 第2の実施形態に係る折畳式携帯無線機の筐体を開いた状態を示す図。 第2の実施形態に係る折畳式携帯無線機の筐体を閉じた状態を示す図。 第2の実施形態においてサブアンテナ素子14の長さLを変化させたときのSARと通話利得の変化を示す図。 第2の実施形態においてサブアンテナ素子14の長さLが31mmであるときの電流分布を示す図。 第2の実施形態においてサブアンテナ素子14の長さLが35mmであるときの電流分布を示す図。 第2の実施形態においてサブアンテナ素子14の長さLが31mmであるときと、35mmであるときの通話状態における放射パターンを示す図。 第1の実施形態において電流分散素子9の長さMを変化させたときのSARと通話利得の変化を示す図。 第1の実施形態において電流分散素子9の長さMが37mmであるときと、30mmであるときの自由空間における放射パターンを示す図。
符号の説明
1 上ケース
2 下ケース
3 金属フレーム
4a 給電側ヒンジ部
4b 給電側ヒンジ部
5 回路基板
6 接続端子
7 給電端子
8 面状容量結合素子
9 電流分散素子
10 整合回路
11 無線回路
12 人体頭部
13 手
14 サブアンテナ素子
15 給電端子
16 給電端子
17 面状容量結合素子
18 整合回路
19 整合回路
20 高周波スイッチ
21 高周波スイッチ
22 リアクタンス素子
23 リアクタンス素子
24 無線回路
25 制御回路
26 アンテナ制御回路部
27 サブアンテナ素子14の長さLが31mmのときのSARと通話利得
28 サブアンテナ素子14の長さLが35mmのときのSARと通話利得
29a 上部筐体の+X側から見た電流分布
29b +X側から見た上部筐体部分
30a 下部筐体の−X側から見た電流分布
30b −X側から見た下部筐体部分
31 給電側ヒンジ部4a付近
32 サブアンテナ素子14付近
33a 上部筐体の+X側から見た電流分布
33b +X側から見た上部筐体部分
34a 下部筐体の−X側から見た電流分布
34b −X側から見た下部筐体部分
35 給電側ヒンジ部4a付近
36 サブアンテナ素子14付近
37 サブアンテナ素子14の長さLが31mmのときの放射パターン
38 サブアンテナ素子14の長さLが35mmのときの放射パターン
39 電流分散素子9の長さMが37mmのときのSARと通話利得
40 電流分散素子9の長さMが30mmのときのSARと通話利得
41 電流分散素子9の長さMが37mmのときの放射パターン
42 電流分散素子9の長さMが30mmのときの放射パターン
43 通話状態において人体と接する面と反対側の領域

Claims (4)

  1. 第1の筐体と、
    第2の筐体と、
    前記第1の筐体と前記第2の筐体とを開閉自在に連結するヒンジ部と、
    (a)前記第1の筐体に設けられたアンテナ素子と、(b)前記アンテナ素子に電気的に接続され、前記ヒンジ部に設けられた導電性金属ヒンジ要素と、(c)前記第2の筐体内に設けられた回路基板から前記導電性金属ヒンジ要素に給電する第1の給電部と、により構成されるダイポールアンテナと、
    前記回路基板内に設けられ、前記導電性金属ヒンジ要素と容量性リアクタンスをもつように所定の間隔をもって設けられた面状容量結合素子と、
    前記面状容量結合素子にその一端が電気的に接続されるとともに他端が開放され、前記ダイポールアンテナに流れる電流を分散させる電流分散素子とを備える、折畳式携帯無線機。
  2. 請求項1記載の折畳式携帯無線機であって、
    前記電流分散素子は所望の周波数の波長に対して略1/4の長さを持ち、前記導電性金属ヒンジ要素に流れるアンテナ電流を、前記面状容量結合素子から前記電流分散素子へと流すことにより、前記ヒンジ部に集中しているアンテナ電流を分散させる、折畳式携帯無線機。
  3. 請求項1又は2記載の折畳式携帯無線機であって、
    前記電流分散素子が前記第1の筐体及び前記第2の筐体の幅方向に配置される、折畳式携帯無線機。
  4. 請求項1ないし3記載の折畳式携帯無線機であって、
    前記回路基板から前記電流分散素子に給電する第2の給電部と、
    前記第1の給電部と前記第2の給電部のうち1つを切り替えによって選択する制御部とを更に備え、前記前記電流分散素子が前記第1の筐体及び前記第2の筐体を閉じた状態においてサブアンテナとして動作する、折畳式携帯無線機。
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