JP4677740B2 - タイヤ用ホイール及びタイヤ気室内温度検知装置 - Google Patents

タイヤ用ホイール及びタイヤ気室内温度検知装置 Download PDF

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Description

本発明は、タイヤ気室内温度の検知に好適なタイヤ用ホイール及びタイヤ気室内温度検知装置に関し、更に詳しくは、ホイールのセンサー部に電源を必要とせず、センサー部を小型化しながら、タイヤ気室内温度を容易に測定することを可能にしたタイヤ用ホイール及びタイヤ気室内温度検知装置に関する。
タイヤ気室内の温度を計測する技術は多数提案されているが、その殆どがホイール又はタイヤに搭載されたセンサー部に電池等の電源を必要とするものであり、電池の寿命や装置の小型化に課題を持つものが多い。
例えば、ホイールのリムに貫通孔を設け、その貫通孔を通してタイヤ気室内に熱電対等の温度センサを挿入することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、このような装置では、熱電対の起電力が小さいため、タイヤ気室内温度を検知するためにホイールのセンサー部に電池等の電源を設ける必要がある。また、温度センサに繋がるケーブルを保護するためのケーブル保護管がタイヤ気室内に突出するため、装置の小型化が困難で、タイヤをリムに組み付ける際にケーブル保護管を破損する可能性もある。
特開2003−227761号公報
本発明の目的は、ホイールのセンサー部に電源を必要とせず、センサー部を小型化しながら、タイヤ気室内温度を容易に測定することを可能にしたタイヤ用ホイール及びタイヤ気室内温度検知装置を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明のタイヤ用ホイールは、タイヤ気室内温度と大気温度との差を電気エネルギーに変換する熱電素子を備えたタイヤ用ホイールであって、前記熱電素子としてペルチェ素子を用いると共に、リム部に設けた貫通孔内に断熱材を介して前記熱電素子を配置し、該熱電素子の表裏の感熱面にそれぞれ熱伝導板を積層し、これら熱伝導板を前記断熱材を介して前記リム部に固定したことを特徴とするものである。
また、上記目的を達成するための本発明のタイヤ気室内温度検知装置は、タイヤ気室内温度と大気温度との差を電気エネルギーに変換する熱電素子と、該熱電素子に生じた起電力の大きさを送信する送信機とをタイヤ用ホイールに設ける一方で、前記送信機からの電波を受信する受信機と、大気温度を測定する温度測定装置と、該温度測定装置で測定された大気温度及び前記熱電素子に生じた起電力の大きさに基づいてタイヤ気室内温度を演算する演算装置とを車両に搭載したタイヤ気室内温度検知装置であって、前記熱電素子としてペルチェ素子を用いると共に、前記タイヤ用ホイールのリム部に設けた貫通孔内に断熱材を介して前記熱電素子を配置し、該熱電素子の表裏の感熱面にそれぞれ熱伝導板を積層し、これら熱伝導板を前記断熱材を介して前記リム部に固定したことを特徴とするものである。
本発明では、タイヤ気室内温度を検出するために、タイヤ気室内温度と大気温度との差を電気エネルギーに変換する熱電素子を使用する。熱電素子としては、ペルチェ素子を用いる。ペルチェ素子は、2種類の導体(又は半導体)を電極間に接合して閉回路を形成したものである。ペルチェ素子の表裏の感熱面を互いに異なる温度に保つと、ゼーベック効果(熱電発電の原理)により、電極間の物質の性質によって決まる物性値(ゼーベック係数)に基づいて温度差に比例した起電力が発生する。従って、上記熱電素子に生じた起電力の大きさからタイヤ気室内温度と大気温度との差を求め、更には他の手段で測定された大気温度を参照することでタイヤ気室内温度を容易に求めることができる。
上述した熱電素子は、タイヤ気室内温度と大気温度とが伝わるようにリム部に埋設することができる。そのため、従来のように熱電対等の温度センサをタイヤ気室内に突出させる場合とは異なって、ホイールのセンサー部を小型化することができる。また、熱電素子の場合、ゼーベック係数が大きいものを用いたり、単位素子を直列に繋ぐことで大きな起電力を得ることができる。そのため、熱電素子の起電力を送信機の電源としても利用することができる。従って、ホイールのセンサー部に電池等の電源を設ける必要もない。
本発明において、熱電素子はリム部に設けた貫通孔内に断熱材を介して配置する。これにより、熱電素子がホイール自体の温度に影響されるのを回避することができる。一方、熱電素子の感熱面には銅板等の熱伝導板を積層する。また、熱伝導板に複数のフィンを形成することが好ましい。これにより、タイヤ気室内温度と大気温度との差を的確に検出することができる。
上記ホイールは熱電素子に生じた起電力の大きさを送信する送信機を備えることが好ましい。この送信機は、熱電素子に生じた起電力の大きさを常時送信する必要はなく、例えば、起電力が大きい時(タイヤ気室内温度と大気温度との差が大きい時)だけ送信を実行するように設定しても良い。また、送信機は、温度検知用の熱電素子で得られた起電力を利用して該起電力の大きさを送信することが可能であるが、温度検知用の熱電素子の他に、送信機駆動用の熱電素子を別途設けるようにしても良い。熱電素子はエアーバルブに対して動的バランスが吊り合う位置に配置することが好ましい。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1はペルチェ素子の基本構成を示すものである。図1に示すように、例えば、低温側(TC )の電極1と高温側(TH )の2枚の電極2,2との間にそれぞれP型半導体素子3とN型半導体素子4を接合し、これら電極2,2をリード線5で互いに接続して閉回路を構成した場合、この閉回路にはゼーベック係数と温度差に応じて起電力が生じて電流Iが流れる。これがペルチェ素子の基本原理である。
ここで、ペルチェ素子に生じる起電力の電圧をVとし、ゼーベック係数をαとし、低温側の温度をTC とし、高温側の温度をTH としたとき、V=α(TH −TC )の関係が成り立つ。例えば、N型半導体素子としてBi2 Te2.85Se0.51を採用し、P型半導体素子としてBi0.5 Sb1.5 Te3 を採用した場合、200μV/K程度のゼーベック係数を持つことになる。起電力を大きくするには、ゼーベック係数が大きい材料を選択するか、温度差を大きくするか、単位素子を直列に接続すれば良い。
図2はペルチェ素子の具体的な構成を示すものである。このペルチェ素子は、複数の単位素子を直列に接続しつつ2枚のセラミック基板6,6の間に配置したものである。つまり、低温側の電極1、P型半導体素子3、高温側の電極2、N型半導体素子4が順次接合され、その回路の両端部にリード線5が接続されている。このように単位素子を直列に接続した場合、より大きな起電力が得られる。
図3及び図4は本発明を説明するためのタイヤ用ホイールと空気入りタイヤの組立体を示し、図5は図3のA部を拡大して示すものである。図3及び図4において、10はホイール、20は空気入りタイヤである。ホイール10は、空気入りタイヤ20のビード部に嵌合するリム部11と、該リム部11と不図示の車軸とを連結するディスク部12とを備えている。リム部11にはエアーバルブ13が設けられている。そして、ホイール10のリム部11と空気入りタイヤ20との間にはタイヤ気室21が形成されている。
図5に示すように、ホイール10のリム部11には貫通孔14が形成され、該貫通孔14にペルチェ素子(熱電素子)15が嵌め込まれている。また、ペルチェ素子15の近傍には送信機16が配設されている。送信機16はペルチェ素子15に生じた起電力によって駆動し、その起電力の大きさ(電位差の情報)を無線送信するようになっている。
図4に示すように、ペルチェ素子15及びこれに付随する送信機16は、ホイール10の中心軸を挟んでエアーバルブ13と対向する位置に配置されている。これにより、ホイール10の動的バランスを吊り合わせている。勿論、温度検知用のペルチェ素子と、送信機駆動用のペルチェ素子とを別個に設ける場合には、それら全ての配置を適正化することでホイール10の動的バランスが吊り合わせれば良い。
上述のように構成されるタイヤ用ホイールにおいては、タイヤ気室内温度と大気温度との間に差が生じると、ペルチェ素子15に起電力が発生し、その起電力の大きさが送信機16から送信される。従って、ペルチェ素子15に生じた起電力の大きさに基づいてタイヤ気室内温度と大気温度との差を求めることができる。また、他の手段で測定された大気温度を参照することでタイヤ気室内温度を容易に求めることができる。
ペルチェ素子15は、タイヤ気室内温度と大気温度とが伝わるようにリム部11に埋設されている。そのため、従来のように熱電対等の温度センサを用いる場合とは異なって、ケーブル保護管等を設置する必要がなく、ホイール10のセンサー部を小型化することができる。また、ペルチェ素子15によれば、大きな起電力を得ることが可能であるので、その起電力を送信機16の電源としても利用することができる。従って、ホイール10のセンサー部に電池等の電源を設ける必要もない。
図6及び図7はそれぞれ本発明の実施形態からなるタイヤ用ホイールの要部を示すものである。図6に示すように、ホイール10のリム部11には貫通孔14が形成され、該貫通孔14内には断熱材17を介してペルチェ素子15が配置されている。このペルチェ素子15の表裏の感熱面にはそれぞれ熱伝導性に優れた材料からなる熱伝導板18が積層されている。熱伝導板18としては、例えば、銅板を用いることができる。また、ペルチェ素子15の近傍であってリム部11の外側には送信機16が配設されている。送信機16は不図示のリード線によりペルチェ素子15に接続されていて、ペルチェ素子15に生じた起電力によって駆動し、その起電力の大きさ(電位差の情報)を無線送信するようになっている。
このようにリム部11の貫通孔14内に断熱材17を介してペルチェ素子15を配置することにより、ペルチェ素子15がホイール10の温度に影響されるのを回避することができる。また、ペルチェ素子15の感熱面に熱伝導板18を積層することにより、タイヤ気室内温度と大気温度との差を的確に検出することができる。勿論、熱伝導板18はリム部11に貫通孔14を設けたことに起因する強度低下を補う役割も果たす。更に、図7に示すように、熱伝導板18に複数のフィン19を形成した場合、タイヤ気室内温度と大気温度との差をより的確に検出することができる。
上述した各実施形態においては、ホイール10のリム部11に貫通孔14を形成し、この貫通孔14内にペルチェ素子15等の部材を配置しているが、貫通孔14と他の部材との隙間にはシール材を充填し、貫通孔14を気密的に封止することが望ましい。
図8は本発明の実施形態からなるタイヤ気室内温度検知装置を示すものである。即ち、車両31は空気入りタイヤ20を組み付けた複数のタイヤ用ホイール10を備えている。これらホイール10は、タイヤ気室内温度と大気温度との差を電気エネルギーに変換するペルチェ素子15と、ペルチェ素子15に生じた起電力の大きさを送信する送信機16とを備えている。
一方、車両31には、送信機16からの電波をアンテナ32aを介して受信する受信機32と、大気温度を測定する温度測定装置33と、該温度測定装置33で測定された大気温度及び受信機32で受信されたペルチェ素子15の起電力の大きさに基づいてタイヤ気室内温度を演算する演算装置34と、該演算装置34の演算結果(タイヤ気室内温度)を表示する表示装置35とが搭載されている。表示装置35は各ホイール10のタイヤ気室内温度を適宜表示するようになっている。
このように構成されるタイヤ気室内温度検知装置においては、タイヤ気室内温度と大気温度との差によってペルチェ素子15に起電力が生じると、その起電力の大きさ(電位差の情報)が送信機16から受信機32に送信される。演算装置34は、温度測定装置33で測定された大気温度及び受信機32で受信されたペルチェ素子15の起電力の大きさに基づいてタイヤ気室内温度を演算し、これを表示装置35に表示する。つまり、演算装置34は、ペルチェ素子15の起電力の大きさと該ペルチェ素子15のゼーベック係数とからタイヤ気室内温度と大気温度との差を求め、その温度差と大気温度とからタイヤ気室内温度を演算するのである。このようにタイヤ気室内温度と大気温度との差を利用することで、タイヤ気室内温度を容易に測定することができる。
ペルチェ素子の基本構成を示す側面図である。 ペルチェ素子の具体的な構成を示す一部切り欠き斜視図である。 本発明を説明するためのタイヤ用ホイールと空気入りタイヤの組立体を示す 子午線断面である。 本発明を説明するためのタイヤ用ホイールと空気入りタイヤの組立体を示す 側面面である。 図3のA部を拡大して示す断面図である。 本発明の実施形態からなるタイヤ用ホイールの要部を示す断面図である。 本発明の実施形態からなるタイヤ用ホイールの要部を示す断面図である。 本発明の実施形態からなるタイヤ気室内温度検知装置を示す概略説明図であ る。
符号の説明
10 ホイール
11 リム部
12 ディスク部
13 エアーバルブ
14 貫通孔
15 ペルチェ素子
16 送信機
17 断熱材
18 熱伝導板
19 フィン
20 空気入りタイヤ
21 タイヤ気室
31 車両
32 受信機
33 温度測定装置
34 演算装置
35 表示装置

Claims (5)

  1. タイヤ気室内温度と大気温度との差を電気エネルギーに変換する熱電素子を備えたタイヤ用ホイールであって、前記熱電素子としてペルチェ素子を用いると共に、リム部に設けた貫通孔内に断熱材を介して前記熱電素子を配置し、該熱電素子の表裏の感熱面にそれぞれ熱伝導板を積層し、これら熱伝導板を前記断熱材を介して前記リム部に固定したタイヤ用ホイール。
  2. 前記熱伝導板に複数のフィンを形成した請求項1に記載のタイヤ用ホイール。
  3. 前記熱電素子に生じた起電力の大きさを送信する送信機を備えた請求項1〜2のいずれかに記載のタイヤ用ホイール。
  4. 前記熱電素子をエアーバルブに対して動的バランスが吊り合う位置に配置した請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ホイール。
  5. タイヤ気室内温度と大気温度との差を電気エネルギーに変換する熱電素子と、該熱電素子に生じた起電力の大きさを送信する送信機とをタイヤ用ホイールに設ける一方で、前記送信機からの電波を受信する受信機と、大気温度を測定する温度測定装置と、該温度測定装置で測定された大気温度及び前記熱電素子に生じた起電力の大きさに基づいてタイヤ気室内温度を演算する演算装置とを車両に搭載したタイヤ気室内温度検知装置であって、前記熱電素子としてペルチェ素子を用いると共に、前記タイヤ用ホイールのリム部に設けた貫通孔内に断熱材を介して前記熱電素子を配置し、該熱電素子の表裏の感熱面にそれぞれ熱伝導板を積層し、これら熱伝導板を前記断熱材を介して前記リム部に固定したタイヤ気室内温度検知装置。
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