JP4677997B2 - 吸気ダクト装置 - Google Patents

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Description

この発明は、エンジンに対してエアが吸入されるための通路となる吸気ダクト装置に関するものである。
従来、この種の吸気ダクト装置としては、例えば特許文献1、特許文献2及び特許文献3に開示されるような構成のものが提案されている。
特許文献1に記載の従来構成においては、吸気ダクトが通常のパイプ材よりなる中間筒部と、その中間筒部の両端に連結された蛇腹状の伸縮ダクト部とから構成されている。そして、エンジンの回転速度に応じて、吸気ダクトの中間筒部がその軸線と直交する軸線を中心にして回動されることにより、伸縮ダクト部が伸縮されて吸気ダクトの全体の長さが調整される。この長さ調整により、吸気音と気柱共鳴音との共振に伴って発生する吸気騒音が低減される。
また、特許文献2に記載の従来構成においては、吸気ダクトがリボン状の弾性薄板よりなる鋼帯を巻回することによって、長さ方向に伸縮可能な円筒状をなすように形成されている。そして、エンジンの回転速度に応じて、吸気ダクトが伸縮されることにより、その吸気ダクト全体の長さが変更される。この長さ変更により、エンジンの低回転域から高回転域までの広い回転域にわたって吸気効率が維持される。
さらに、特許文献3に記載の従来構成においては、円筒状の吸音材の外周面に遮音材を被覆するとともに、この吸音材の内周面に螺旋部及びネット部よりなる支持部材を装着することにより、吸気ダクトとして使用可能な消音ホースが構成されている。そして、この消音ホースを吸気ダクトとして使用したときには、吸音材により吸気音が吸収されて低減される。
特開2005−120883号公報 特開平9−133055号公報 特開平7−158527号公報
ところが、これらの従来の吸気ダクト装置においては、次のような問題があった。
すなわち、特許文献1及び特許文献2に記載の従来構成では、吸気ダクトに吸音材が設けられていないため、エンジンの回転に伴って発生する吸気音を吸収することができなかった。また、これらの特許文献1及び特許文献2に記載の構成では、吸気ダクトの一部に蛇腹状の伸縮ダクト部が設けられていたり、吸気ダクト全体がファンネル状をなすようにリボン状の鋼帯を巻き回して形成されていたりする。このため、吸気ダクトの内面に蛇腹の凹凸やリボンのエッジが連続的に、かつ長い距離にわたって形成される。従って、特に大量のエアが高速でエンジンに吸引されるエンジン高回転の場合には、吸気ダクト内のエア流に渦や乱流が生じやすく、吸気抵抗あるいは吸気音の増大の原因となった。
さらに、特許文献3に記載の従来構成では、消音ホースは伸縮しないため、この消音ホースを吸気ダクトとして使用したとき、エンジンの回転速度に応じて吸気ホースの長さを変更することはできない。よって、エンジンの低回転域から高回転域までの広い回転域にわたって吸気効率を維持したり、エンジン回転数に対応して変化する吸気音を効果的に低減させたりすることができなかった。
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、エンジンの回転に伴って発生する吸気音を効果的に吸収して吸気騒音を低減させることができるとともに、エンジンの広回転域にわたって良好な吸気効率を維持することができる吸気ダクト装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、この発明は、基端においてエンジンのエアクリーナに接続されるとともに、先端が大気に開放された吸気ダクトであって、前記吸気ダクトの壁面の少なくとも一部を形成する通気性を有する吸音部材を備えた吸気ダクト装置において、前記吸音部材の吸音機能を調節可能な調節手段と、その調節手段を調節動作させるための駆動手段とを設けたことを特徴としている。
従って、エンジンの回転速度に応じて、駆動手段により調節手段が調節動作されて、吸音部材の吸音機能が調節される。よって、例えばエンジンの低速回転時には、吸音部材の吸音機能を発揮させることにより、吸気音を効果的に吸収して低騒音化を達成できる。また、エンジンの高速回転時には、エア流に対する吸音部材の影響を低減させて、低圧損化を達成することができる。従って、エンジンの広回転域にわたって高い吸気効率を維持することができる。
また、前記の構成において、前記調節手段は、吸音部材の部分を開閉する開閉部材により構成するとよい。このように構成した場合には、開閉部材にて吸音部材を開閉することにより、吸音部材の吸音機能を調節することができる。
さらに、前記の構成において、吸気ダクトのダクト本体をその軸線方向において2分割するとともに、吸気ダクト先端側の分割部を軸線方向に沿って移動可能に構成して、その分割部の移動により前記吸音部材の部分が開閉動作されるように構成するとよい。このように構成した場合には、ダクト本体の分割部を移動させることにより、吸音部材の吸音機能を調節することができる。
さらに、前記の構成において、前記開閉部材を吸気ダクトの外側に設けるとよい。このように構成した場合には、吸気ダクトの外側において開閉部材を開閉させることにより、吸音部材の吸音機能を調節することができる。
以上のように、この発明によれば、エンジンの回転に伴って発生する吸気音を効果的に吸収できるとともに、エンジンの広回転域にわたって高い吸気効率を維持することができる。
(第1実施形態)
以下に、この発明の第1実施形態を、図1及び図2に基づいて説明する。
図1に示すように、この実施形態の吸気ダクト装置においては、エンジン11の吸気側に設けられたエアクリーナ12に吸気ダクト13が基端において接続され、その吸気ダクト13の先端が大気に開放されている。そして、エンジンの回転時に、吸気ダクト13の先端から同吸気ダクト13及びエアクリーナ12を介してエンジン11に吸気エアが取り込まれる。なお、吸気ダクト13全体の長さや径等は、エンジンの排気量,エンジンルーム内のスペースの広さ等の各種条件に応じて適宜に設定される。
前記吸気ダクト13は、その軸線方向において2つの分割部14a,14bに分割して形成された合成樹脂製のダクト本体14と、そのダクト本体14の分割部14a,14b間に接続された不織布または織布等の多孔質材よりなる撓曲可能な吸音部材15とから構成されている。吸音部材15は、ダクト本体14の分割部14a,14bとともにダクト内壁面を形成するように、円筒状に形成されている。
前記吸音部材15の内周面には、保持部材16が配設されている。この保持部材16は、吸音部材15の内周面に所定間隔おきに固定された複数の合成樹脂製のリング16aから構成されている。そして、この保持部材16の各リング16aは、吸音部材15の内周面に固着され、吸音部材15を円筒状に保持するとともに、同吸音部材15を補強する機能を有している。なお、前記各リング16aは、吸気ダクト13内のエア流に対して大きな抵抗とならないように、その内周がエア流の通過領域側にほとんど突出しないように形成されるとともに、内周面にエッジが形成されない断面形状をなしている。
前記吸気ダクト13におけるダクト本体14の分割部14a,14bのうちで、エアクリーナ12に接続される基端側の分割部14aは、同エアクリーナ12のインレットダクト(図示しない)に固定されて、定位置に配置されている。それに対して、大気に開放される先端側の分割部14bは、自身の軸線方向に沿って基端側の分割部14aに対し接近及び離間する方向へ移動可能に構成されている。
前記吸気ダクト13の近傍には、シリンダ等よりなる駆動手段としてのアクチュエータ17が設けられ、その駆動ロッド17aが回動レバー18,前記先端側の分割部14bに固定された固定部材19a及びその固定部材19aと回動レバー18との間の連結ロッド19を介して、ダクト本体14の先端側の分割部14bに連結されている。そして、エンジン11の回転速度に応じて、このアクチュエータ17が作動されることにより、ダクト本体14の分割部14bが自身の軸線方向に移動されて、保持部材16により吸音部材15の部分が開閉動作され、吸音部材15の吸音機能が調節される。保持部材16が吸音部材15の部分を閉じたときには、その保持部材16はダクト内壁面を形成する。従って、この第1実施形態においては、保持部材16が吸音部材15の部分を開閉する開閉部材を構成するとともに、吸音部材15の吸音機能を調節する調節手段を構成している。
前記アクチュエータ17としては、エンジンの吸入圧を導入して、その吸入圧の高低に従って動作されるシリンダや、油圧が導入されるシリンダ等が用いられる。
次に、前記のように構成された吸気ダクト装置の動作を説明する。
さて、この吸気ダクト装置において、エンジン11が低速回転される場合には、図1に示すように、アクチュエータ17の突出動作により、回動レバー18,連結ロッド19等を介して、ダクト本体14の先端側の分割部14bが基端側の分割部14aから離間する方向へ移動される。この離間移動により、保持部材16の各リング16aが互いに離間した状態に配置され、吸音部材15の内周面が開放されるとともに、吸気ダクト13の長さが伸張される。従って、エンジン11の低速回転に伴って発生する吸気音が吸音部材15により効果的に吸収されて低減される。また、伸長された吸気ダクト13によって、吸気脈動が減衰され、エンジン11の低回転域における吸気効率が確保される。
これに対して、エンジン11が高速回転される場合には、図2に示すように、アクチュエータ17の没入動作により、ダクト本体14の先端側の分割部14bが基端側の分割部14aに接近する方向へ移動される。この接近移動により、保持部材16の各リング16aが互いに近接した状態に移動されるとともに、吸音部材15がリング16a間において外側に蛇腹状に撓曲される。そして、吸音部材15の内周面が保持部材16にて閉鎖されて、吸音部材15の吸音機能がほぼ無効化されるとともに、吸気ダクト13の長さが短縮される。
そして、エンジンの高回転時には、耳障りな低周波音がほとんど発生しないとともに、エンジン音等が高くなるために、吸音部材15の吸音機能が低下しても、問題はない。また、吸音部材15の部分からの通気が抑制または遮断されるとともに吸気ダクト13の長さが短縮されることにより、エンジン11の高速回転域における低圧損化が達成される。しかも、エンジン11の高速回転域においては、吸入エアの量が多く、かつ、その吸入エア流が高速であるため、吸気に対する吸気脈動の悪影響はほとんど現れない。このため、低圧損化と相まって高い吸気効率が確保される。
従って、この第1実施形態の吸気ダクト装置においては、以下の効果がある。
(1) エンジン11の回転速度に応じて、アクチュエータ17により保持部材16が開閉動作されて、吸音部材15の吸音機能が調節されるとともに、吸気ダクト13の長さが伸縮調節される。よって、エンジン11の低速回転時には、吸音部材15の吸音機能が発揮されるとともに、吸気ダクト13の長さが伸張されることにより、吸気音を効果的に吸収して消音させることができる。
(2) エンジン11の高速回転時には、吸音部材15の部分からの通気が抑制または遮断されるとともに、吸気ダクト13の長さが短縮されることにより、低圧損化を抑制することができて、吸気効率を維持することができる。
(第2実施形態)
次に、この発明の第2実施形態を説明する。なお、この第2実施形態以降の各実施形態及び変形例においては、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
この第2実施形態においては、図3に示すように、吸音部材15が不織布または織布等の多孔質材により円筒状に形成されるとともに、合成樹脂の含浸によって撓曲しないように硬質化されている。また、吸気ダクト13のダクト本体14の先端側分割部14bにより開閉部材及び調節手段が構成されている。そして、先端側分割部14bが基端側分割部14aに対して接近または離間する方向に移動されることにより、吸音部材15の内周面側の部分が開閉される。
従って、この第2実施形態においても、前記第1実施形態に記載の効果とほぼ同様な効果を得ることができる。
さらに、この第2実施形態においては、以下の効果がある。
(3) 調節手段がダクト本体14の先端側分割部14bによって構成されているため、前記第1実施形態における保持部材16が不要となり、部品点数を少なくすることができる。
(第3実施形態)
次に、この発明の第3実施形態を説明する。
この第3実施形態においては、図4に示すように、吸音部材15が前記第2実施形態の場合と同様に、不織布または織布等の多孔質材により円筒状に形成されるとともに、合成樹脂の含浸によって硬質化されている。また、吸音部材15の両端にダクト本体14の両分割部14a,14bが固定されている。さらに、吸気ダクト13の外側には、合成樹脂により円筒状に形成された調節手段としての円筒状の開閉部材26が軸線方向に移動可能に配設されている。そして、固定部材19a等が開閉部材26に連結されている。このため、開閉部材26が図4の矢印及び反矢印方向に移動されることにより、吸音部材15の外周面側の部分が開閉される。
従って、この第3実施形態においても、前記第1実施形態に記載の効果とほぼ同様の効果を得ることができる。
さらに、この第3実施形態においては、以下の効果がある。
(4) ダクト本体14は伸縮することなく、一定長さを維持するため、エンジンの高回転時において、吸気脈動が発現されたとしても、その吸気脈動を減衰させることができる。
(第4実施形態)
次に、この発明の第4実施形態を説明する。
この第4実施形態においては、図5及び図6に示すように、吸音部材15が不織布または織布等の多孔質材により円筒状に形成されている。また、吸音部材15の両端にダクト本体14の両分割部14a,14bが固定されている。さらに、吸音部材15の外側には、調節手段としての開閉部材26が開閉可能に配設されている。この開閉部材26は、半径方向おいて竹割り状に2つに分割して形成された半円筒状の分割部分26A,26Bから構成されている。そして、この開閉部材26の分割部分26A,26Bが吸音部材15に対して接近または離間する方向に移動されることにより、吸音部材15の外周面側の部分が開閉される。前記分割部分26A,26Bは、駆動手段としてのシリンダ等のアクチュエータ31における駆動ロッド31aに連結されていて、アクチュエータ31の駆動によって開閉動作される。
この第4実施形態においては、前記第3実施形態に記載の効果とほぼ同様の効果を得ることができる。
(第5実施形態)
次に、この発明の第5実施形態を説明する。
この第5実施形態においては、図7に示すように、吸気ダクト13のダクト本体14が分割されることなく1つの円筒状に形成され、そのダクト本体14の外周面に窓状の開放部14cが形成されている。開放部14cの開放端には平板状の吸音部材15が固定配置されるとともに、調節手段としての開閉部材26が軸20により開閉回動可能に装着されている。そして、開閉部材26が回動されることにより、吸音部材15の外面側の部分が開閉される。
吸気ダクト13の近傍には駆動手段としてのモータ21が固定され、そのモータ21の出力軸21aと前記軸20との間には、複数の歯車22〜24が介装されている。そして、モータ21の回転がこれらの歯車22〜24を介して軸20に伝達されて、開閉部材26が開閉動作される。
従って、この第5実施形態においても、前記第3実施形態に記載の効果とほぼ同様の効果を得ることができる。
(第6実施形態)
次に、この発明の第6実施形態を説明する。
この第6実施形態においては、図8に示すように、吸気ダクト13のダクト本体14が分割されることなく1つの円筒状に形成されている。そして、そのダクト本体14全体が硬質化された不織布または織布等の多孔質材により形成されている。従って、ダクト本体14全体が吸音部材を兼ねている。さらに、ダクト本体14の外側には、前記第4実施形態とほぼ同様な調節手段としての開閉部材26が開閉可能に配設されている。すなわち、この開閉部材26は、前記第4実施形態と同様に半径方向おいて竹割り状に2つに分割して形成された半円筒状の分割部分26A,26Bから構成されている。そして、この開閉部材26の分割部分26A,26Bが駆動手段としてのシリンダ等のアクチュエータ(図示しない)によってダクト本体14に対して接近または離間する方向に移動されることにより、ダクト本体14の外周面側の部分が開閉される。
従って、この第6実施形態においても、前記第3実施形態に記載の効果とほぼ同様の効果を得ることができる。
特に、この実施形態においては、以下の効果がある。
(5) ダクト本体14が単一の部品によって構成されているため、部品点数が少なくなる。
(変更例)
なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 前記第1実施形態において、保持部材16を1本の螺旋の線材により構成すること。
・ 前記各実施形態において、アクチュエータを適宜に変更すること。例えば、アクチュエータとしてリニアに動作するソレノイドを用いたり、回転動作するロータリソレノイドを用いたりすること。
・ 硬質化された吸音部材として、焼結体やポーラスなセラミックを用いること。
第1実施形態の吸気ダクト装置を示す断面図。 図1の吸気ダクト装置の動作状態を示す断面図。 第2実施形態の吸気ダクト装置を示す断面図。 第3実施形態の吸気ダクト装置を示す断面図。 第4実施形態の吸気ダクト装置を示す断面図。 図5の6−6線における断面図。 第5実施形態の吸気ダクト装置を示す断面図。 第6実施形態の吸気ダクト装置を示す断面図。
符号の説明
11…エンジン、12…エアクリーナ、13…吸気ダクト、14…ダクト本体、14a…基端側の分割部、14b…先端側の分割部、15…吸音部材、26…調節手段としての開閉部材、17…駆動手段としてのアクチュエータ。

Claims (4)

  1. 基端においてエンジンのエアクリーナに接続されるとともに、先端が大気に開放された吸気ダクトであって、前記吸気ダクトの壁面の少なくとも一部を形成する通気性を有する吸音部材を備えた吸気ダクト装置において、
    前記吸音部材の吸音機能を調節可能な調節手段と、
    その調節手段を調節動作させるための駆動手段とを設けたことを特徴とする吸気ダクト装置。
  2. 前記調節手段は、吸音部材の部分を開閉する開閉部材により構成されたことを特徴とする請求項1に記載の吸気ダクト装置。
  3. 吸気ダクトのダクト本体をその軸線方向において2分割するとともに、吸気ダクト先端側の分割部を軸線方向に沿って移動可能に構成して、その分割部の移動により前記吸音部材の部分が開閉動作されることを特徴とする請求項2に記載の吸気ダクト装置。
  4. 前記開閉部材を吸気ダクトの外側に設けたことを特徴とする請求項2に記載の吸気ダクト装置。
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