JP4679723B2 - 閉ループ連続重合反応器及び重合法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、循環ポンプ、循環ポンプの出口をその入口に接続する反応器チューブ、原料を供給するための少なくとも一つのフィード、出口、及び好ましくは該チューブを冷却又は加熱するための手段を少なくとも含む閉ループ連続エマルジョン重合反応器に関する。
【0002】
【従来の技術】
そのようなプロセスは、なかんずく、M.Wilkinson 及び K.Geddesの「An award winning process」、Chemistry in Britain、1993年12月、第1050〜1053頁から公知である。この刊行物は、エマルジョンポリマーが、水及び安定剤の存在下に、低分子量不飽和モノマーの付加重合により製造されることを開示している。従来、重合は、バッチ法又は遅延添加バッチ法(delayed addition batch process)として実行されたが、1960年代遅くに、閉ループ連続重合反応器が最初に開発された。
【0003】
管型反応器を使用する重合法において遭遇した問題は、反応器の内壁における反応生成物からの析出物の形成である。これらの析出物は、循環ポンプからの高められた吐出圧力の必要性をもたらし、及び反応媒体から、例えば、反応器チューブを取り巻くジャケット中の冷媒への熱伝達を阻害し、従って、より高い(かつしばしば有害な)反応器温度をもたらし、又は(熱除去に適合するように)高められた冷媒循環速度、より低い冷媒温度、若しくは生成物の減じられた速度のいずれかを余儀なくされる。
【0004】
汚れた反応器の更なる一般的な欠点は、エマルジョンの循環速度及びせん断の両方を増加する体積減少である。これは、きれいな反応器において最適化され得るところのプロセス条件を変化させる。どのような場合においても、製品性状は、変動して、連続反応器から予測される製造のコンシステンシーの利点を無効にする。
【0005】
チューブ又はパイプ製作物の内側を清掃する一つの方法は、管を通って押し進められる清掃部材又はピグ(pig)の使用である。ドイツ国特許出願第3233557は例えば、管型反応器の内壁を清掃するためのビグを使用する種々の方法を開示している。(該出願の図1に示された)一実施態様において、二つのボールバルブが、一つ又はそれ以上のピグを受けかつ送り出すために反応器チューブに備えられている。反応生成物はピグを操作するために使用され、そしてピグが出口を通過した後に反応器を出る。従って、反応生成物は、再循環されずかつ再循環され得ず、連続重合に適していない構成を与える。更なる実施態様(図3)において、球形のスクレーパーピグがポンプを通過される。この方法は、ピグの形状及び使用されるポンプのタイプに厳しい限定を強いる。例えば、エマルジョンポリマー製造のために要求される低せん断を与えるための容積式ポンプの使用は不可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題及び課題を解決するための手段】
本発明は、重合プロセスをシャットダウンする必要なしに反応器からピグを簡単に取除くことができ、循環ポンプのタイプ並びにピグの材質及び形状の選択に大きな自由度を提供し、かつ反応媒体流から実質的に独立したピグの送り出しを完全制御し得るところの、ピグを使用する連続重合反応器を実現することを目的とする。これは、開始の段落において述べられたタイプの反応器チューブ(以下、単に反応器と云うことがある)の使用により達成され、該反応器チューブは更に、ピグが循環ポンプをバイパスするための追加のチューブ、循環ポンプ又は反応器チューブと並列に接続されるピグ受け場所、及び任意的に、該ピグ受け場所にピグを向けるための手段を含む。
【0007】
本発明のアイディアにより、ピグ操作は十分に自動化されることができ、かつピグは、操作中に、反応媒体の流れが乱されることなしに、ピグ受け場所を開くことにより簡単に、あるいは通常の(1週1回の)メンテナンスの間のいずれか、所望と考えられるならどちらにでも取り換えられ得る。しかし、より重要なことは、ピグの存在が、適切な循環ポンプの範囲をもはや限定せず、例えば、反応媒体における低せん断を強いるポンプの使用を可能にすることである。また、ピグの形状及び材質は、使用される反応器チューブ及び析出物の性質のために十分に最適化され得る。
【0008】
ピグ受け場所が主反応器チューブの一部でなく、かつピグが(例えば、主流中の二つのボールバルブ間にとどまることと反対に)反応器媒体流から実際に取除かれると言う事実は、本発明の反応器のオペレーターが適当と考えたとたん及び考えたとき、彼がピグを送り出すことを可能にする。
【0009】
完全のために、米国特許第3,425,083号明細書が、パイプ並びに液状媒体のためのハイプの入口及び出口を通って常に循環することを清掃部材に許すベント形状を有するところのエンドレスパイプを開示していることが注目される。該出口は該入口より小さな能力を有し、従って、液状媒体の一部は、出口からパイプのリターン部分を通って循環のための入口へそして該入口を通って戻される。清掃部材を取除くための又はその循環をさえぎるための手段は備えられていない。更に、該パイプは、牛乳のような液体を加熱するために意図されており、かつ反応性エマルジョンを冷却するためを意図していない。事実、反応器は全く言及されていない。
【0010】
米国特許第3,682,186号明細書は、スクレーパー又は製品ディスプレーサーがパイプラインブースター又は圧縮場所をバイパスするための装置を開示している。主配管は、ピグを受けかつ送り出すための二つの逆止弁を備えている。ループ反応器は言及されていない。
【0011】
該場所は、ループ反応器中のどこかにサイドトラックを形成し得るけれども、ピグ受け場所が、ピグが循環ポンプをバイパスするための追加のチューブと一体化されていることが好ましい。もし、反応器チューブが、その壁の開口部を通って循環ポンプの吸入側と流体連絡し、かつ循環ポンプの吐出側に続き、循環ポンプの該吸入側と吐出側との間のチューブの一部がピグ受け場所として役に立つなら、これは(比較的)容易に達成され得る。
【0012】
一度、ピグがポンプの吸入側に接近するなら、それは、ピグ受け場所に導かれ、エマルジョンが循環ポンプへその後に通過することを可能にする。ピグは次いで該受け場所に停止され、そこでそれは、それが次の清掃循環のために送り出されるまでとどまる。
【0013】
この実施態様の有意な利点は、ピグ受け場所の送り出し開口部が、循環ポンプの吐出側に非常に接近して位置付けられ、従って、ピグの送り出しの間に最大スラストを与え、かつ送り出しシステムの信頼性を改善することに帰する。
【0014】
ピグは、例えば、水性サスペンジョン中のビニルモノマーの重合の場合に、反応器中のエマルジョン又は水相フィードのいずれかを使用して送り出され得る。ピグを送り出すための水相の迂回に代えて、水又は何らかの他の適合した流体の制御された「発射」がピグを送り出すために使用され得る。
【0015】
本発明に従う反応器において、反応器チューブが循環ポンプの吸入側と流体連絡されているところの該開口部は、該チューブの長手方向に実質的に伸びているスロットであることが好ましい。ピグがこのスロットを通過するとき、それを駆る力は自動的に高められる。スロットの幅は、ピグの幅より小さいことが更に好ましい。何故ならば、その場合に、網又は棒のような追加の手段が、ピグ受け場所にピグを向けるため、及びピグがチューブを離れることを妨げるために要求されないからである。
【0016】
幅が下流に向って増加するテーパー付きスロットを使用することにより、スロットの付近に汚れが付くことの危険性が減じられ、かつピグの前面の圧力が最小に維持され得ると同時に、ピグの後方に十分な圧力を持続させて、ピグをピグ受け場所に向けることが分かった。
【0017】
本発明に従う閉ループ反応器は好ましくは、少なくとも実質的部分がらせん状コイルを形成するところの反応器チューブを含む。(例えば、M.Wilkinson 及び K.Geddesの「An award winning process」、Chemistry in Britain、1993年12月、第1050〜1053頁に開示されているような)連続チューブの普通のトロンボーン配置と比較して、該形状は、ピグが鋭い回転をすることを強いられないピグ操作、従って、ピグの摩耗量を減じること及びより長いピグの使用を可能にすることのためにより適している。更に、壁汚れの原因の一つであるところの冷却されていない継ぎ手は、らせん状に巻かれた連続チューブを使用することにより回避され得る。
【0018】
本発明は更に、上記の閉ループ反応器により(エマルジョン)ポリマーを製造する方法に関する。ピグが、約1〜約60分間、好ましくは約10〜20分間の範囲の間隔で送り出されることが好ましい。管壁のより効果的な清掃とは別に、管壁に接近したエマルジョンポリマーのゆっくりした動き又は動きのない層の規則的な妨害が、ポリマーの固定外層を処理する乏しい加熱の開始を妨害し又は少なくとも遅らせるであろう。
【0019】
本発明の重合プロセスに使用するために適するいくつかの典型的な市販のモノマーは、例えば、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、スチレン、酢酸ビニル、Veova 9、Veova 10、Veova 11(三つ全てはシェル製)、エチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、エチレン、及び塩化ビニルを含む。付加反応がラジカルにより開始されて、ポリマーが不溶であるところの媒体、通常水に懸濁された、通常50〜3000nmの直径の高分子量ポリマー粒子の分散物を与える。通常のフリーラジカル発生源は、ぺルオキソ二硫酸のナトリウム、カリウム及びアンモニウム塩、例えば、ぺルオキソ二硫酸アンモニウムを含む。あるいは、レドックスカップルが使用され得る。これらは、酸化剤及び還元剤から成る。通常使用される酸化剤は、ぺルオキソ二硫酸及びt−ブチルヒドロペルオキシドの塩並びに過酸化水素自体である。還元剤は、亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート、及びナトリウムジチオネートである。
【0020】
水性サスペンジョン中におけるモノマーの重合が好ましく、かつその場合に原料は好ましくは、別々のフィード流により与えられる。これらの流れは、新鮮なモノマー及び水相として公知の安定剤の水性溶液、又は例えば、別々の少量の流れにおける、モノマーと水のプレエマルジョン及び水性溶液を導入する。反応器は、溶液タンク中に作られた水相により反応の開始時に満たされる。他の装入物は、とりわけ、「そのまま」又は任意の濃度に希釈された、前の操業からの(同一又は異なる組成の)完成されたエマルジョンポリマー;水;又は装入のために使用されかつ多分操業の早い段階のために使用される代りの特別な水相であり得る。
【0021】
反応器中の攪拌は、インラインの循環ポンプにより与えられる。フィード流が流れ始めた後間もなく、モノマーが反応を開始し、そして熱が放出される。温度は、冷却手段により、通常、冷却ジャケットを通る冷却流体(例えば、水)の制御された循環により安定化される。製品は、残りのモノマーがポリマーに転換されるところの冷却タンクに流れる。冷却後、エマルジョンポリマーはろ過されて、ストレーナー中に任意の過大粒子又は砂のような物質を除去し、そして製品貯蔵タンクに移送される。
【0022】
任意的に、重合プロセスは、加圧下、例えば、1〜300バール、好ましくは5〜100バール、より好ましくは10〜20バールの圧力下で実行され得る。あるいは、重合は、環境圧力において実行され得る。
【0023】
本発明の構成の範囲内で、術語「ピグ」は、管型反応器の内壁から析出物等を除去し、そして反応器を通して流体流と共に運ばれるために適する任意の要素を含む。そのような要素のための他の通常の術語は、例えば、「スクレーパー」及び「清掃部材」である。ピグは通常、軟質又は半硬質の天然又は合成物質、例えば、ゴム又はポリウレタンから成る。また、(可撓性)金属部品又は金属ブラシ並びに金属と軟質又は半硬質の天然又は合成物質との組み合わせを持つピグ又はスクレーパーが使用され得る。非常に多くの可能な形状、シリンダー、丸い端を持つシリンダー並びに外周上に厚いリップ及び/又は厚い細片を持つシリンダー状本体が好ましい。ダンベル型シリンダー状ピグは、たった一つのスクレーピング表面を持つ球形の表面とは対照的に、二つのスクレーピング表面を有する。また、前方のスクレーピング表面は、リーディングエッジスクレーパーである(又はあり得る)。球形のピグはただ一つのトレーリングエッジを有する。
【0024】
ピグのデザイン及び使用される物質は、なかんずく、析出物のタイプ並びに反応器チューブの耐性及び半径に依存する。ちなみに、ピグの摩耗量は、一回の清掃サイクルのために必要な時間(使い古したピグは、サイクルを完了するためにより多くの時間を要するであろう)から決定され得ることが注目される。好ましい循環ポンプは、なかんずく、容積式ポンプである。
【0025】
本発明は今、二つの最も適切な実施例により説明される。
【0026】
【実施例】
図1は、本発明に従う閉ループ反応器を概略的に示している。ピグ操作に先立って、反応混合物流が反応器チューブ16をぐるりと回って存在している。水相が、バルブ15が閉じられて、バルブ12を経て反応器16に流れる。製品が、バルブ14が閉じられて、三方弁13を経て反応器から冷却タンクラインを通ってオーバーフローする。ピグを送り出しかつ受ける手順は次の通りである。即ち、1)ピグが、ピグ置場に正確に配置されていることをピグ検出器により確認せよ;2)バルブ11及び15を開き、バルブ12を閉じよ;3)15秒間後、バルブ12を開き、そしてバルブ15及び11を閉じよ;4)バルブ14を開けよ;5)製品の流れがバルブ14及び13を経るようにバルブ13を切り替えよ;6)ピグ検出器によりピグ置場へのピグの到着を観察せよ;そして7)製品の流れが直接になるようにバルブ13を切り替えそしてバルブ14を閉じよ。
【0027】
ピグの取除きは次のように実行される。即ち、1)バルブ11、14及び15を閉じよ;2)「クイックリリース」連結装置A及びBを切離せ;3)配管の該区間(即ち、ピグ置場)を取り外せ;4)インスペクションのためにピグを取り外し、そして必要なら取り換えろ、そして5)連結装置A及びBを再組立せよ。
【0028】
図2は、本発明に従う更なる実施態様を概略的に示している。再度、ピグ操作に先立って、反応混合物流が反応器チューブ27をぐるりと回って存在している。製品が、示されたバルブを通らないで冷却タンクに流れる。水相が、バルブ25の下方の循環ポンプに入り、そして水相はこの図に示されていない。ピグ操作手順が実行されていないとき、バルブ21、22、23及び24が閉じられ、そしてバルブ25が開けられる。ピグを送り出しかつ受ける手順は次の通りである。即ち、1)ピグが、ピグ置場に正確に配置されていることをピグ検出器により確認せよ;2)バルブ21を開けよ;3)バルブ22を開け、もし、圧力がピグを送り出すために不十分なら、ピグがうまく送り出されるまでバルブ26を部分的に閉じよ;4)ピグを送り出した後、バルブ26を十分に開き、そしてバルブ21及び22を閉じよ;5)15秒後、バルブ24及び23を開けよ;6)例えば、1分間後にピグがピグ置場に戻ったことを確認せよ、もし、ピグが、所望の時間内に検出されなかったら、ピグ検出器の信号が記録されるまでバルブ25を部分的に閉じよ、そして7)バルブ25を十分に開け、そしてバルブ23及び24を閉じよ。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明に従う閉ループ反応器を概略的に示している。
【図2】 図2は、本発明に従う更なる実施態様を概略的に示している。
Claims (10)
- 循環ポンプ、循環ポンプの出口をその入口に接続するところの反応器チューブ、原料を供給するための少なくとも一つのフィード、及び反応器チューブ出口を少なくとも含む閉ループ連続エマルジョン重合装置において、反応器チューブが更に、ピグが循環ポンプをバイパスするための追加のチューブ、及び循環ポンプと並列に接続されているピグ受け置場を含むことを特徴とする重合装置。
- ピグ受け置場が、ピグが循環ポンプをバイパスするために追加のチューブと一体化されているところの請求項1記載の重合装置。
- 反応器チューブが、チューブの壁の開口部を通して循環ポンプの吸入側と流体連絡されており、かつ循環ポンプの吐出側に続いているところの請求項2記載の重合装置。
- 開口部が、チューブの長手方向に実質的に延びているスロットであるところの請求項3記載の重合装置。
- スロットの幅が、ピグの幅より小さいところの請求項4記載の重合装置。
- スロットの幅が、下流に向って増加しているところの請求項5記載の重合装置。
- 反応器チューブの少なくとも実質的部分が、少なくとも一つのらせん状コイルを形成しているところの請求項1〜6のいずれか一つに記載の重合装置。
- 請求項1〜7のいずれか一つに記載の重合装置によりエマルジョンポリマーを製造する方法。
- ピグが、1〜60分間の範囲の間隔で送り出されるところの請求項8記載の方法。
- ピグが、10〜20分間の範囲の間隔で送り出されるところの請求項8記載の方法。
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