以下、本発明に係る定着装置及び画像形成装置の最良の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1には、第1実施形態の定着装置10を適用した画像形成装置11が示されている。
この画像形成装置11には、画像形成装置本体200に対して着脱可能なユニットからなる定着装置10が配設されている。画像形成装置本体200には開閉カバー202が設けられており、この開閉カバー202を開放して画像形成装置本体200の中に定着装置10が装填されるようになっている。定着装置10が画像形成装置本体200に装填されると、これと同時に定着装置10のコネクター252が画像形成装置本体200のコネクター250と結合され、定着装置10に給電が可能となるとともに、定着装置10の装填完了が検知される。画像形成装置本体200に定着装置10が装填された後は、開閉カバー202を閉じることで画像形成装置11が作動可能な状態になる。
また、画像形成装置本体200には、画像形成部を一体的にユニット化したプロセスカートリッジ204が設けられている。このプロセスカートリッジ204の内部には、一定方向に回転する感光体ドラム216が設けられている。この感光体ドラム216の周囲には、回転方向上流側から、感光体ドラムを帯電する帯電ローラ218と、感光体ドラム上に形成された静電潜像を現像する現像ローラ220と、感光体ドラム上の現像されたトナー像を用紙に転写する転写ローラ222とが配設されている。さらに、感光体ドラム216の回転方向における転写ローラ222の下流側には、転写後の感光体ドラム表面を清掃するクリーニング部材224が設けられている。また、画像形成装置本体200には、帯電ローラ218と現像ローラ220との間で、感光体ドラム216に像光を照射する露光装置214が設けられている。
画像形成装置本体200の下部には、用紙を収容する給紙カセット206,208が外部に引き出し可能に配設されており、この給紙カセット206,208の用紙の取り出し位置には、用紙を一枚ずつ取り出して搬送する給紙ローラ205,207が設けられている。さらに、給紙ローラ205,207から供給される用紙を感光体ドラム216と転写ローラ222との対向位置に搬送する搬送ローラ210,211,212,213が設けられている。用紙の搬送方向における転写ローラ222の下流側には定着装置10が装填されており、さらに定着装置10の下流側には、定着後の用紙を排出する排紙トレイ230が設けられている。定着装置10は加熱ローラ14と加圧ローラ16との間で用紙上のトナー像を定着させるものである。この定着装置10については後述する。
このような画像形成装置11では、感光体ドラム216が帯電ローラ218により帯電され、露光装置214から像光が照射されることによって表面に静電潜像が形成される。この静電潜像は現像ローラ220によって現像され、感光体ドラム216上にトナー像が形成される。
一方、給紙カセット206から給紙ローラ205により用紙が供給され、搬送ローラ210,211,212,213によって感光体ドラム216と転写ローラ222との対向位置に搬送される。そして、感光体ドラム216上のトナー像が転写ローラ222によって用紙上に転写され、さらに定着装置10の加熱ローラ14と加圧ローラ16との間で加熱加圧されることによってトナー像が溶融して用紙上に画像が定着される。その後、画像が形成された用紙は排紙トレイ230に排出される。
次に、定着装置10について説明する。
図2及び図4に示すように、定着装置10は、ハウジング12の内部に、所定の定着温度に加熱される加熱ローラ14と、この加熱ローラ14に用紙を圧接する加圧ローラ16とを備えている。加熱ローラ14は、表面に低摩擦係数の離型層(図示省略)を設けた中空形状の円筒部(例えば、鉄鋼素管)の内部にヒーター(図示省略)を備えている。また、加圧ローラ16は、鉄製の芯金に耐熱性の弾性体層(例えば、シリコーンスポンジ又はシリコーンゴム)を備えており、加圧ローラ16の弾性体層が加熱ローラ14に圧接される。
図4に示すように、加熱ローラ14は、両端部のブラケット20に設けられた支持部20Aに回転可能に支持されている。加圧ローラ16は、両端部の加圧レバー22に設けられた支持部22Aに回転可能に支持されている。加圧レバー22は、ブラケット20に対して下方部の回動点24を中心に回動可能に支持されている。図7に示すように、左右のブラケット20の上方には、加熱ローラ14の軸とほぼ平行にガイド片21Aが延設されており、このガイド片21Aにスタッド26が締結されている。両端部の加圧レバー22の上方には、ガイド片21Aとほぼ平行に移動片23Aが延設されており、移動片23Aに形成された開孔23Bがスタッド26に挿通されている。スタッド26の周囲には圧縮スプリング28が装着されており、圧縮スプリング28の一端がスタッド26のフランジ部26Aに当接され、他端が移動片23Aに当接している。圧縮スプリング28が移動片23Aをブラケット20のガイド片21A側に加圧することによって、加圧レバー22に保持された加圧ローラ16が加熱ローラ14に所定の荷重(加圧力)で圧接される。
図4に示すように、加圧レバー22の延設部23には、移動片23Aとほぼ平行に当接片23Cが設けられている。この当接片23Cと対向する位置には、ブラケット20の保持部20Bにカム30が回転可能に支持されており、両端部のカム30がシャフト32で連結されている。カム30の一方側端部には、カム30に駆動力を伝達するギア34が設けられている。図7及び図8(A)に示すように、カム30はほぼ円形でシャフト32の中心部からずらして設けられている。
この定着装置10では、普通紙などを搬送する第1モードと、封筒などを搬送する第2モードが設定されており、図示しないセンサで用紙が検知され、制御部(図示省略)で2つのモードのいずれかが選択されるように構成されている。第1モードでは、カム30は当接片23Cに当接しないが、第2モードではカム30が所定の位置に回転して当接片23Cに当接する。カム30が当接片23Cに当接すると、移動片23Aが圧縮スプリング28を圧縮させて所定の加圧位置に移動し、加圧レバー22を回動させることで、加圧レバー22の加圧が調整される(図9参照)。これにより、第2モード(封筒など)では、第1モード(普通紙など)に比べて加熱ローラ14への加圧ローラ16の荷重(加圧力)が小さくなる。
図2〜図4に示すように、画像形成装置本体200には、ギア34と噛み合うギア256が設けられ、またギア256に駆動力を伝達するモータを備えた駆動部258が図示しないフレームに取り付けられている。これにより、駆動部258がギア256に駆動力を伝達してギア34を回転させ、シャフト32に連結された一方(図3中奥側)のカム30が回転するとともに、シャフト32を介して他方(図3中手前側)のカム30が回転するようになっている。
また、シャフト32に対して駆動部258の反対側(図4中の手前側)には、ブラケット20の支持部20Aに加熱ローラ14を回転させるための駆動部(図示省略)が接続されている。そして、駆動部(図示省略)から駆動力が伝達されて加熱ローラ14が回転し、この加熱ローラ14の回転に従動して加圧ローラ16が回転するようになっている。カム30を回転させる駆動部258と、加熱ローラ14を回転させる駆動部(図示省略)とが反対側に配置されることで、画像形成装置11の内部に効率よく配置され、スペース上有利となる。
また、図4に示すように、駆動部258と反対側のシャフト32には、カム30の回転位置を読み取るためのスリット(図示省略)を備えた読み取り板40が設けられている。また、読み取り板40を挟んで対向する位置には、スリットを検知するセンサ42が設けられている。このセンサ42は、画像形成装置本体200のフレーム(図示省略)に取り付けられており、定着装置10の離脱時には画像形成装置本体200に残るため、低コスト化が可能である。
図5に示すように、読み取り板40の軸部41には、L字型の突起部41Aが軸部41の周面から外側に突出している。この突起部41Aがカム30の軸部31の内側に回転方向と直交する方向に形成された凹状の勘合部31Aに勘合される。また、読み取り板40の軸部41の内側には、弾性変形可能なスナップフィット41Bが突出しており、このスナップフィット41Bがシャフト32の周面に形成された溝部32Aに係止されることで、読み取り板40がシャフト32に固定される。これにより、カム30と読み取り板40をそれぞれシャフト32に直接取り付ける場合と比較して、カム30と読み取り板40の回転方向の精度を上げることが可能である。また、図4に示すように、両端部のカム30のうちギア34の駆動部258と反対側のカム30(図4中の手前側)は回転の抵抗があるためシャフト32がねじれることが懸念されるが、ねじれた側のカム30の回転位置を読み取り板40で読み取ることによって、読み取り精度を上げることが可能である。
図6に示すように、シャフト32が貫通しているシャフト端部33にDカット面33Aが形成されており、このシャフト端部33にギア34のDカット面が形成された軸部35が挿通される。また、軸部35の内側には、弾性変形可能なスナップフィット35Aが設けられており、このスナップフィット35Aがシャフト端部33の溝部33Bに係止されることで、ギア34が固定される。ギア34をシャフト端部33にスナップフィット35Aで止めることで、ギア34をシャフト端部33にねじ止めする必要がなく、組み立てが簡単となる。
また、シャフト端部33のDカット面33Aの終端部には円形端部33Cが形成されており、ギア34が固定されたときに円形端部33Cが突き出している。円形端部33Cは、軸受け部材260に形成された横U字状の軸受け260Aに挿入可能となっている。軸受け部材260は、画像形成装置本体200のフレーム(図示省略)に取り付けられており、円形端部33Cが軸受け260Aに挿入されることで、画像形成装置本体200に対する定着装置10の固定及び位置出しを兼ねている。ギア34の軸受け260Aを画像形成装置本体200に設け、ギア34の外側の円形端部33Cを保持することで、ギア34をしっかりと固定できる。これにより、カム30のトルクが大きくても、ギア34の回転によりシャフト32及び定着装置10自体が動いてしまうことがない。また、ギア34がシャフト32のシャフト端部33に直接取り付けられ、円形端部33Cを軸受け260Aでガイドすることにより、位置及び駆動伝達精度を向上できる。このため、定着装置10を画像形成装置本体200に装着したとき、定着装置10が動きにくいため、読み取り板40の位置精度が高くなり、画像形成装置本体200にセンサ42を設けても精度の良い検知が可能となる。このため、定着装置10にセンサ42を配置する場合と比較して低コスト化が可能である。
また、図8(B)に示すように、ギア34の歯34Aは高歯となっている。このため、定着装置10を画像形成装置本体200に取り付けるとき、ギア34と画像形成装置本体200のギア256の歯先同士がぶつかりにくく、定着装置10をスムーズに画像形成装置本体200に装着できる。一方、ギアが一般的な歯であるときは、ギアと画像形成装置本体200のギア256の歯先同士がぶつかり、定着装置をスムーズに装着できない。この問題は、ギア34の歯先を尖らせることで解決可能で、その方法として高歯と転位ギアの2種がある。転位ギアの場合は、駆動接線が斜めになり、定着装置が動きやすく歯飛びする。ギア34の歯34Aは高歯であれば、駆動接線が垂直になり、歯飛びしない。
次に、定着装置10の作用について説明する。
図7に示すように、第1モード(普通紙など)では、カム30が加圧レバー22の当接片23Cに当接しない位置(定位置)に回転している。これにより、圧縮スプリング28の加圧力により加圧レバー22の移動片23Aがブラケット20のガイド片21Aの側に移動している。このため、加圧レバー22に保持された加圧ローラ16が、ブラケット20に保持された加熱ローラ14に所定の荷重で圧接される。第1モードでは、加圧ローラ16は定荷重となっており、高い荷重で加熱ローラ14に圧接されることで、加圧ローラ16の弾性体層が弾性変形している。これにより、普通紙などを加熱ローラ14と加圧ローラ16との間に搬送し、トナー像を定着させることができる。
一方、図9に示すように、第2モード(封筒など)では、駆動部258がギア256を矢印方向に回転させることで、ギア256と噛み合うギア34を回転させる。これにより、ギア34とシャフト32で連結されたカム30が矢印A方向に回転する。そして、カム30が回転により当接片23Cに当接し、移動片23Aの開孔23Bがスタッド26に挿通されているため、移動片23Aが圧縮スプリング28を圧縮させて所定の加圧位置に移動する。これにより、加圧レバー22が回動点24を中心に矢印B方向に所定の加圧位置まで回動し、加圧レバー22に保持された加圧ローラ16が加熱ローラ14との軸間距離が大きくなる方向に移動する。このとき、加圧ローラ16は、定変位(軸間固定)となっている。これにより、第2モード(封筒など)では、第1モードに比べて加圧ローラ16の加熱ローラ14への荷重が小さくなる。
このような定着装置10では、普通紙や封筒など用紙の種類によって加熱ローラ14への加圧ローラ16の荷重を適切に調整でき、用紙の皺の発生を抑制できる。また、ブラケット20、加圧レバー22、圧縮スプリング28、及びカム30の力関係が4部品の中だけでクローズするため、構成部品の変形、精度の点で有利である。また、構成部品の組み立ても容易である。また、加圧レバー22のストローク量が少ないため、カム30の設計上有利である。
また、図9に示すように、カム30の回転方向(矢印A方向)は、加圧レバー22の回動方向(矢印B方向)と噛み込まない順方向に設定されている。カムの回転方向が加圧レバーと噛み込む方向であると、加圧レバーの移動がぎくしゃくしてスムーズに移動しないが、カム30の回転方向を加圧レバー22と噛み込まない順方向とすることで、加圧レバー22の移動をスムーズにすることができる。
図10には、ギア256に駆動力を伝達する駆動部270の一例が示されている。駆動部270には、モータ271が設けられており、モータ271にはウォーム272が連結されている。ウォーム272にはウォームギア274が噛み合っており、ウォームギア274と同軸に伝達ギア276が設けられている。伝達ギア276には伝達ギア278が噛み合っており、伝達ギア278にギア256が噛み合っている。モータ271はDCモータであり、ウォーム272によりウォームギア274を矢印方向に回転させ、伝達ギア276、278及びギア256をそれぞれ矢印方向に回転させる。ウォーム272とウォームギア274を介することで、高回転のモータ271をギアダウンさせて駆動力を伝達することができる。必要とされるカム30の回転は、超低回転、高荷重であるため、DCモータとウォーム272及びウォームギア274の組み合わせがスペース、コスト、出力の点で有利である。
また、モータ271は、回転時間がカム30を回転させるときの極めて限定的な時間のみであるため、低価格なブラシモータを用いることができる。
なお、上記定着装置において、カム30の当接面にベアリング(図示省略)を設けてもよい。ベアリングを設けることで、カム30と当接片23Cとの摺動抵抗を小さくすることが可能である。
次に、本発明の第2実施形態の定着装置について説明する。
なお、第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
図11に示すように、この定着装置には、加熱ローラ14を保持するブラケット60に、加圧ローラ16を保持する加圧レバー62が回動可能に支持されている。加圧レバー62のガイド部62Aには、引っ張りスプリング66の一方の端部66Aが係止されている。ブラケット60の保持部60Bに設けられたカム64の周面には、溝部64Aが形成されており、この溝部64Aに引っ張りスプリング66の他端部に形成されたフック66Bが掛止されている。この引っ張りスプリング66により加圧レバー62がブラケット60の側に引っ張られ、加圧ローラ16が加熱ローラ14に圧接される。
カム64の回転軸は偏心しており、カム64の回転により加圧レバー62が回動し、加熱ローラ14と加圧ローラ16との軸間距離が可変することで、加圧ローラ16の荷重が調整される。これにより、軸間距離を可変させるタイプにおいて構成を単純化することができる。また、引っ張りスプリング66のフック66Bを溝部64Aに掛止することで、フック66Bをカム64にしっかり保持できる。
次に、本発明の第3実施形態の定着装置について説明する。
なお、第1実施形態及び第2実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
図12及び図13(A)、(B)に示すように、この定着装置では、保持部60Bに支持されたカム74の外周に溝部74Aが形成されており、この溝部74Aにベアリング76が設けられている。ベアリング76に引っ張りスプリング66のフック66Bが掛止されている。
この定着装置では、引っ張りスプリング66のフック66Bがベアリング76に掛止されることで、カム74の回転時にカム74とフック66Bとの摺動抵抗が小さくなる。
次に、本発明の第4実施形態の定着装置について説明する。
なお、第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
図14に示すように、この定着装置は、加圧ローラ16を保持する加圧レバー82の回動端部側で、加熱ローラ14を保持するブラケット80の先端部81と加圧レバー82の先端部83とがクロスしている。先端部81には加熱ローラ14の軸方向とほぼ平行にばね受け部81Aが形成されており、また先端部83にはばね受け部81Aと間隔をおいてばね受け部83Aが設けられている。ばね受け部81Aにはボス86が取り付けられ、ばね受け部83Aにはボス87が取り付けられており、これらのボス86、87に圧縮スプリング88の両端部が保持されている。また、先端部83には、カム30が当接可能な当接片23Cが形成されている。
この定着装置では、カム30が矢印A方向に回転して当接片23Cに当接すると、圧縮スプリング88を圧縮させてばね受け部83Aが矢印C方向に移動する。これにより、加圧レバー82が矢印B方向に回動し、加圧レバー82に保持された加圧ローラ16の荷重が調整される。
この定着装置では、ブラケット80のばね受け部81Aと加圧レバー82のばね受け部83Aとの間に圧縮スプリング88を設けることで、図7に示すスタッド26を省略可能であり、部品点数を削減することができる。
尚、上記実施形態1から4を概念的に捉えると、次のように捉えることもでき、第1の態様に記載の発明に係る定着装置は、加熱源を内蔵した加熱部材と、前記加熱部材に圧接する加圧部材とを備え、画像形成装置本体に対して着脱可能な定着装置であって、前記加熱部材を保持するブラケットと、前記加圧部材を保持して前記ブラケットに移動可能に支持された加圧レバーと、前記加圧部材が前記加熱部材を圧接する方向へ前記加圧レバーを加圧する付勢手段と、前記ブラケットに回転可能に支持され、前記加圧レバーに当接して前記加圧部材の加圧力を調整するカムと、を有することを特徴としている。
第1の態様に記載の発明によれば、加圧レバーは加圧部材を保持しており、加熱部材を保持したブラケットに移動可能に支持されている。付勢手段によって加圧レバーが加圧され、加圧部材が加熱部材を加圧する。そして、ブラケットに回転可能に支持されたカムを回転させることで、カムが加圧レバーに当接して加圧部材の加圧力が調整される。これにより、加熱部材への加圧部材の荷重を適切に調整することが可能となり、記録媒体の皺の発生が抑制される。また、カムを回転させる駆動源は定着装置が装着される画像形成装置側に設け、ブラケット、加圧レバー、付勢手段、及びカムの中でクローズして構成できるため、構成部品の変形や精度安定性の点で有利である。また、組み立ても容易である。
第2の態様に記載の発明に係る定着装置は、第1の態様に記載の定着装置において、前記カムが前記加圧レバーに当接しない第1モードと、前記カムが前記加圧レバーに当接し前記加圧レバーが所定の加圧位置に移動する第2モードと、を有することを特徴としている。
第2の態様に記載の発明によれば、記録媒体の種類によって第1モードと第2モードに切り替えることが可能である。例えば、普通紙などの第1モードでは、カムが加圧レバーに当接せず、加圧部材を定荷重とし、また、封筒などの第2モードでは、加圧レバーが所定の加圧位置に移動する定変位(軸間固定)とすることができる。これにより、加圧レバーのストローク量を少なくすることができ、カムの設計上有利となる。
第3の態様に記載の発明に係る定着装置は、第1の態様又は第2の態様に記載の定着装置において、前記加圧部材の両端部に前記加圧レバーと前記カムを配設し、一方の前記カムの回転を他方の前記カムへ伝達するシャフトと、前記シャフトの端部に設けられ、前記カムの回転位置を読み取るための読み取り板と、を備え、前記読み取り板は、他方の前記カム側に設けられていることを特徴としている。
第3の態様に記載の発明によれば、両端部のカムのうち駆動側のカム(一方のカム)と反対側のカム(他方のカム)は回転の抵抗があるためシャフトがねじれる。ねじれた側のカム(他方のカム)の回転位置を読み取り板で読み取ることによって、読み取り精度を上げることが可能である。
第4の態様に記載の発明は、第3の態様に記載の定着装置において、前記読み取り板は、他方の前記カムに取り付けられることを特徴としている。
第4の態様に記載の発明によれば、読み取り板は駆動側のカムと反対側のカムに取り付けることで、読み取り板をシャフト等に勘合させた構成よりもカムの回転方向の読み取り精度を上げることが可能である。
第5の態様に記載の発明は、第3の態様又は第4の態様に記載の定着装置において、前記シャフトに駆動力が伝達されるギアが設けられ、前記ギアの軸受けを前記画像形成装置本体に設けたことを特徴としている。
第5の態様に記載の発明によれば、シャフトに駆動力が伝達されるギアの軸受けを画像形成装置本体に設けることで、ギアを軸受けでしっかりと保持できる。このため、カムのトルクが大きくても、ギアの駆動によりシャフト、定着装置自体が動いてしまうことがない。
第6の態様に記載の発明は、第5の態様に記載の定着装置において、前記ギアは前記シャフトのDカット面に固定され、前記ギアを貫通した前記シャフトの端部が前記軸受けに軸支されたことを特徴としている。
第6の態様に記載の発明によれば、ギアはシャフトのDカット面に直接固定され、シャフトの端部を軸受けでガイドすることで、位置精度を向上することが可能である。
第7の態様に記載の発明は、第5の態様又は第6の態様に記載の定着装置において、前記ギアの歯が高歯であることを特徴としている。
第7の態様に記載の発明によれば、ギアの歯が高歯であるので、定着装置のユニットを画像形成装置本体に取り付けるとき、ギアと画像形成装置本体側のギアの歯先同士がぶつかりにくく、定着装置をスムーズに画像形成装置本体に装着できる。ギアが一般的な歯であるときは、ギアと画像形成装置本体側のギアの歯先同士がぶつかり、定着装置をスムーズに装着できない。この問題は、ギアの歯先を尖らせることで解決可能で、その方法として高歯と転位ギアの2種がある。転位ギアの場合は、駆動接線が斜めになり、定着装置が動きやすく歯飛びする。高歯であれば、駆動接線が垂直になり、歯飛びしない。
第8の態様に記載の発明は、第5の態様から第7の態様までのいずれか1つに記載の定着装置において、前記ギアに設けられたスナップフィットが、前記シャフトに形成された溝に係止されることを特徴としている。
第8の態様に記載の発明によれば、ギアをスナップフィットによってシャフトの溝に係止して固定するので、ギアをシャフトにねじ止めする必要がなく、組み立てが簡単となる。
第9の態様に記載の発明は、第3の態様から第8の態様までのいずれか1つに記載の定着装置において、前記読み取り板のスリットを検知するセンサを前記画像形成装置本体に設けたことを特徴としている。
第9の態様に記載の発明によれば、定着装置を画像形成装置本体に装着したとき、定着装置が動きにくいため、画像形成装置本体にセンサを設けても精度の良い検知が可能となる。また、画像形成装置本体にセンサを設けることで、コストを低減できる。
第10の態様に記載の発明は、第5の態様又は第6の態様に記載の定着装置において、前記軸受けが前記画像形成装置本体に対する定着装置の固定又は位置出しを兼ねていることを特徴としている。
第10の態様に記載の発明によれば、軸受けがユニットの固定又は位置出しを兼ねており、読み取り板の位置精度が高い構成とすることができるため、画像形成装置本体に読み取り板のセンサを配設することが可能となる。このため、低コスト化が可能である。
第11の態様に記載の発明は、第1の態様から第10の態様までのいずれか1つに記載の定着装置において、前記カムの回転方向は、前記加圧レバーと前記カムが噛み込まない順送り方向であることを特徴としている。
第11の態様に記載の発明では、カムの回転方向が加圧レバーの移動と噛み込む方向であると、加圧レバーの移動がぎくしゃくしてスムーズでなくなるが、カムが加圧レバーと噛み込まない順送り方向とすることで、加圧レバーの移動をスムーズにすることが可能となる。
第12の態様に記載の発明は、第5の態様から第11の態様までのいずれか1つに記載の定着装置において、前記加熱部材又は前記加圧部材を駆動する駆動機構の反対側に、前記シャフトに駆動力を伝達する前記ギアを設けたこと特徴としている。
第12の態様に記載の発明では、加熱部材又は加圧部材を駆動する駆動機構とカムの駆動機構とがそれぞれスペースを必要とするが、それぞれの駆動機構を反対側に設けることで、スペース上有利となる。
第13の態様に記載の発明は、第1の態様から第12の態様までのいずれか1つに記載の定着装置において、前記カムを駆動させるモータは、DCモータであり、ウォームギアでギアダウンして駆動力を伝達することを特徴としている。
第13の態様に記載の発明では、必要とされるカムの回転が超低回転、高荷重であるため、DCモータにウォームギアを組み合わせてギアダウンして駆動力を伝達することで、スペース、コスト、出力の点で有利となる。
第14の態様に記載の発明は、第13の態様に記載の定着装置において、前記モータは、ブラシモータであることを特徴としている。
第14の態様に記載の発明では、カムを回転させる時間は極めて限定的であるため、低価格なブラシモータを用いることが可能であり、コストを低減できる。
第15の態様に記載の発明は、第1の態様又は第2の態様に記載の定着装置において、前記付勢手段は、前記ブラケットから延設されたガイド部と、前記加圧レバーに形成され、前記ガイド部へ挿通される開孔と、前記ガイド部へ挿通され、一端が前記開孔の縁部に当たり、他端が前記ガイド部の端部に形成されたフランジ部に当たる圧縮スプリングと、で構成されていることを特徴としている。
第15の態様に記載の発明では、一端が加圧レバーに形成された開孔の縁部に当たり、他端がガイド部の端部に形成されたフランジ部に当たる圧縮スプリングを設けることで、加圧レバーがブラケットのガイド部の方向へ加圧される。そして、カムの回転によって圧縮スプリングを圧縮させることで、加圧レバーを所定の移動位置に容易に移動させることが可能となる。
第16の態様に記載の発明は、第1の態様又は第2の態様に記載の定着装置において、前記付勢手段は、前記ブラケットに形成された第1ばね受けと、前記加圧レバーに形成され、前記第1ばね受けよりも前記カム側にある第2ばね受けと、前記第1ばね受けと前記第2ばね受けの間に装着されるばね受け用圧縮スプリングと、で構成されていることを特徴としている。
第16の態様に記載の発明では、第1ばね受けと第2ばね受けとの間にばね受け用圧縮スプリングを装着することで、加圧レバーをブラケット側に加圧することができ、構成を簡略化することが可能である。
第17の態様に記載の発明は、第1の態様から第16の態様までのいずれか1つに記載の定着装置において、前記カムが前記加圧レバーに当接する当接面にベアリングを設けたことを特徴としている。
第17の態様に記載の発明では、当接面にベアリングを設けることでカムの摺動抵抗が低くなる。
第18の態様に記載の発明に係る定着装置は、加熱源を内蔵した加熱部材と、前記加熱部材に圧接する加圧部材とを備え、画像形成装置本体に対して着脱可能な定着装置であって、前記加熱部材を保持するブラケットと、前記加圧部材を保持して前記ブラケットに移動可能に支持された加圧レバーと、前記加圧レバーに一端が連結され、前記加圧部材が前記加熱部材を圧接する方向へ引っ張る引張スプリングと、前記ブラケットに回転可能に支持されると共に、前記引張スプリングの他端を支持し、前記引張スプリングの支持位置を変える引張力調整手段と、を有することを特徴としている。
第18の態様に記載の発明によれば、加圧レバーに引張スプリングの一端が連結され、加圧部材が加熱部材を圧接する方向へ加圧レバーを引っ張る。ブラケットに引張力調整手段が回転可能に支持されると共に、引張スプリングの他端を支持し、引張スプリングの支持位置を変えるので、加圧部材の加圧力を調整することが可能である。このため、構成をより単純化することが可能となる。
第19の態様に記載の発明は、第18の態様に記載の定着装置において、前記引張力調整手段は、前記引張スプリングの先端が掛止される引張スプリング用カムであることを特徴としている。
第19の態様に記載の発明では、引張スプリング用カムを回転させることで、引張スプリングの張力を調整できる。
第20の態様に記載の発明は、第19の態様に記載の定着装置において、前記引張スプリング用カムに、前記引張スプリングの他端に形成されたフックに合わせた溝が設けられていることを特徴としている。
第20の態様に記載の発明では、フックを引張スプリング用カムに設けられた溝に掛止させることで、引張スプリングのフックをカムにしっかりと保持できる。
第21の態様に記載の発明は、第19の態様又は第20の態様に記載の定着装置において、前記引張スプリング用カムの外周にベアリングを設けたことを特徴としている。
第21の態様に記載の発明では、引張スプリング用カムの外周にベアリングを設けることで、カムとスプリングとフックとの摺動抵抗が小さくなる。
第22の態様に記載の発明に係る画像形成装置は、第1の態様から第21の態様までのいずれか1つに記載の定着装置を備えることを特徴としている。
第22の態様に記載の発明では、第1の態様から第21の態様までのいずれか1つに記載の定着装置を備えているので、加熱部材への加圧部材の加圧力を適切に調整することが可能となり、記録媒体の皺の発生が抑制される。また、画像形成装置本体に装着した定着装置が動くのを抑制でき、精度安定性を向上できる。