JP4698014B2 - 流量計測装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ガス流量計測装置に係わり、特に、流体供給路に流れる流体の流速に応じた流速情報を出力する流速センサと、流速情報の誤差を除去して、真の流速情報を出力するための補正演算を行う補正演算手段と、補正された真の流速情報に基づき、流体供給路を流れる流体の通過流量を演算する流量演算手段とを備えた流量計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば電子式ガスメータに使用される流量計測装置として、比較的小さな流量を正確に計測することのできる熱線式流速センサ(以下、フローセンサという)を利用したものが知られている。このフローセンサは、ガス供給路中における熱の移動が供給路中を流れるガスの流速と関係することを利用してガス流速を求めるセンサである。
【0003】
フローセンサは一般的に電池を電源として作動し、電池電源の消費電力を低減するために、間欠的に作動する。従って、フローセンサは、間欠的にガス流速に対応した大きさの電気信号を出力する。
【0004】
フローセンサは感度が良いので、ガスが使われておらず、電子式ガスメータ下流のコックが閉じられている場合であっても、ガス圧変動や温度変化などの外乱が生じると、この外乱に起因してガス供給路にわずかに流れる正方向や逆方向の微流ガスを検出する。この場合電子式ガスメータ下流のコックが閉じられ、ガスの使用がないため、ガス圧変動や温度変化などの外乱によるわずかの流量は、これを時間的に積算すればゼロになるべき性質のものである。
【0005】
そこで、従来、ガス圧変動や温度変化などの外乱によるわずかの流量を積算によって相殺するようにしたものが考えられている(特開平8−75511号公報、特開平8−136298号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したフローセンサを使用した電子式ガスメータでは、電力消費を削減するためフローセンサが間欠的に作動されるようになっているが、ガス流量が0、すなわちガスが使われておらず計測すべきガス流がなくても、流量演算が行われ無駄な電力消費が行われてしまうという問題があった。
【0007】
特に、ガス温度の変化などに起因した上記電気信号の誤差を補正演算して真の電気信号を出力する補正機能を備えた電子式ガスメータにおいては、上述したガス未使用時の電力消費の無駄が顕著な問題となる。すなわち、上記ガスメータにおいては、ガス未使用時であり、計測すべきガス流が無くても流量演算に加え、補正演算も行わなければならず、より一層無駄な電力消費が行われる。しかも、ガス流が微少であれば、誤差も少なく補正演算の効果があまりない。
【0008】
そこで、本発明は、上記のような問題点に着目し、流量計測精度の低下を招くことなく、消費電力の低減を図った流量計測装置を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の発明は、図1の基本構成図に示すように、流体供給路に流れる流体の流速に応じた流速情報を出力する流速センサ10と、前記流速情報の誤差を除去して、真の流速情報を出力するための補正演算を行う補正演算手段20a−1と、前記補正された真の流速情報に基づき、前記流体供給路を流れる流体の通過流量を演算する流量演算手段20a−2とを備えた流量計測装置において、前記流速情報が、所定値以下のとき、前記補正演算手段及び流量演算手段の両者による演算を停止させる演算停止手段20a−3を更に備えたことを特徴とする流量計測装置に存する。
【0010】
請求項1記載の発明によれば、流速センサが、流体供給路に流れる流体の流速に応じた流速情報を出力する。補正演算手段が、流速情報の誤差を除去して、真の流速情報を出力するための補正演算を行う。流量演算手段が、補正された真の流速情報に基づき、流体供給路を流れる流体の通過流量を演算する。流速情報が所定値以下のとき、演算停止手段が補正演算手段及び、流量演算手段の両者による演算を停止させる。
【0011】
従って、流速情報が所定値以下のとき補正演算手段及び流量演算手段の両者による演算を停止させることにより、流速情報が所定値以下のときには、実質的には流体流速がないとみなしてこの流速情報に基づく演算を行わなくてよくなる。しかも、流体供給路に流れる流体の通過流量が微量であるときは、流体温度などに起因する誤差は少ない。このため、補正を行っていない流速情報に基づき、流体流速がないと判断しても流量計測精度が低下することがない。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の流量計測装置であって、前記流体は、ガスであり、前記演算停止手段は、予め定めたガス使用頻度の低い時間帯であるときのみ、前記演算を停止させることを特徴とする流量計測装置に存する。
【0013】
請求項2記載の発明によれば、演算停止手段が、予め定めたガス使用頻度の低い時間帯であるときのみ、演算を停止させる。従って、深夜などのガス使用頻度の低い時間帯であるときは、ガス流量がない確率が高い。このため、この時間帯に限って、補正を行っていない流速情報に基づき流体流速の有無を判断すれば、流体が使用されているにも拘わらず、通過流量なしと誤判断することがあまりない。
【0014】
請求項3記載の発明は、請求項1又は、2記載の流量計測装置であって、前記補正演算手段は、前記流体の温度に基づき、前記流速情報を補正することを特徴とする流量計測装置に存する。
【0015】
請求項3記載の発明によれば、補正演算手段は、流体の温度に基づき、流速情報を補正している。従って、流体温度に起因する流速情報の誤差は、流体の通過流量が微少のときは大きくない。このため、温度補正の行っていない流速情報に基づき、流体流速の有無を判断しても誤判断することがあまりない。
【0016】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3何れか1項記載の流量計測装置であって、前記所定値は、通過流量が3リットル/時間であるときの前記流速情報であることを特徴とする流量計測装置に存する。
【0017】
請求項4記載の発明によれば、流体が使用されていないとき、圧力変動や温度変化などの外乱に起因して流体供給路に流れる流体の通過流量の上限は、3リットル/時間であることに着目し、所定値を、通過流量が3リットル/時間であるときの流速情報とする。従って、確実に流体が使用されていないときのみ、補正演算手段及び、流量演算手段の両者による演算を停止させることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。
図2は、本発明の流量計測装置を組み込んだ電子式ガスメータの一実施の形態を示すブロック図である。同図に示すように、熱線式流速センサ(フローセンサ)10はガス供給路に設けられ、ヒータ10aと、このヒータ10aを間に挟んでヒータ10aから等間隔でガスの流れ方向に離間して配置され温度を検出する例えばサーモパイルからなる一対の温度センサ10b1及び10b2とを有する。
【0019】
上記温度センサ10b1は、ヒータ10aの上流側に配置され、第1の温度検出信号を出力する。一方、温度センサ10b2は、ヒータ10aの下流側に配置され、第2の温度検出信号を出力する。なお、矢印Y1がガスの流れ方向を示している。
【0020】
また、ヒータ10aは、マイクロコンピュータ(μCOM)20の制御の下で駆動するヒータ駆動回路10cからの駆動電流により、加熱が開始される。ヒータ10aの加熱が開始されると、上流側の温度センサ10b1と下流側の温度センサ10b2とは、駆動電流の大きさとガス流速の大きさに応じた電圧の温度検出信号をそれぞれ出力する。そして、この温度検出信号は、センサアンプ10d1及び10d2によってそれぞれ増幅される。
【0021】
センサアンプ10d1及び10d2によりそれぞれ増幅された温度検出信号は、オペアンプからなる差動アンプ10eの非反転入力及び反転入力にそれぞれ入力される。従って、差動アンプ10eは、両温度検出信号の電圧の差に相当する温度差信号を出力する。この温度差信号は、ガス流速の大きさに応じた電圧を有し、流速が大きくなるほど大きなものとなり、アナログ/ディジタル変換器(A/D変換器)10fによってディジタル信号に変換されてμCOM20に取り込まれる。以上のことから明らかなように、温度差信号は、請求項中の流速情報に相当することがわかる。
【0022】
上記μCOM20は、プログラムに従って各種の処理を行う中央演算ユニット(CPU)20aと、CPU20aが行う処理プログラムなどを格納した読み出し専用メモリであるROM20bと、CPU20aでの各種の処理過程で利用するワークエリア、各種データを格納するデータ格納エリアなどを有する読み出し書き込み自在のメモリであるRAM20cなどを内蔵し、これらが図示しないバスラインによって相互接続されている。
【0023】
上記μCOM20内のCPU20aは、ガス温度などに起因した温度差信号の誤差を補正して、真の温度差信号を演算する補正処理を行う。CPU20aはまた、この真の温度差信号に所定の定数を乗じることにより通過流量を演算する流量演算処理、この算出した通過流量を積算して積算流量を求める流量積算処理、この算出した積算流量を表示器30に表示させる表示処理を行う。
【0024】
また、上記μCOM20内のROM20bには、例えば午前1:00〜午前4:00までの間のようなガスの使用頻度の低い時間帯と、予め定めた所定値とが格納されている。上記所定値は、ガス未使用時に、圧力変動や温度変化などの外乱に起因して流れるガスの通過流量の上限値である3リットル/時間の通過流量が流れたときの温度差信号の電圧値である。
【0025】
そして、CPU20aは、ガス使用頻度の低い時間帯であり、かつ温度差信号が所定値以下のとき、補正演算処理及び流量演算処理を停止させる演算停止処理を行う。以上のことから明らかなように、CPU20aは、補正演算手段、流量演算手段、演算停止手段として働くことがわかる。
【0026】
上述したように、温度差信号が所定値以下のとき補正演算処理及び流量演算処理を停止させることにより、温度差信号が所定値以下のときには、実質的にはガス流速がないとみなしてこの温度差信号に基づく通過流量についての演算を行わなくてよくなり、消費電力の低減を図ることができる。しかも、ガス供給路に流れるガスの通過流量が微量であるときは、ガス温度などに起因する誤差は少ない。このため、補正を行っていない温度差信号に基づき、ガス流速がないと判断しても流量計測精度が低下することがない。
【0027】
また、深夜などのガス使用頻度の低い時間帯であるときは、ガス流量がない確率が高い。従って、上述したように、この時間帯に限って補正を行っていない温度差信号に基づき、ガス流速の有無を判断すれば、ガスの使用があるにも拘わらずガス流量なしと誤判断することがあまりなく、流量計測精度の向上を図ることができる。
【0028】
さらに、上記所定値を、ガス未使用時の圧力変動や温度変化などの外乱に起因して流体供給路に流れる流体の通過流量の上限値である3リットル/時間とすることにより、確実にガス未使用時のみ、補正演算処理及び流量演算処理を停止させることができる。
【0029】
上述した構成の流量計測装置を組み込んだ電子式ガスメータの動作を図3のCPU20aの処理手順を参照して以下説明する。
まず、CPU20aは、ヒータ駆動回路10cを駆動して(ステップS1)、ヒータ10aを加熱させる。そして、所定時間経過後(ステップS2でY)、ヒータ駆動回路10cの駆動を停止し(ステップS3)、ヒータ10aの加熱を停止する。その直後、CPU20aは、A/D変換器10fが変換した温度差信号のディジタル値を取り込む(ステップS4)。
【0030】
このとき、現在の時刻が、ROM20b内に格納されたガスの使用頻度の低い時間帯でないときは(ステップS5でN)、ステップS6、S7へ進む。一方、現在の時刻がガスの使用頻度の低い時間帯であっても(ステップS5でY)、取り込んだ温度差信号が所定値より大きいときは(ステップS10でN)、ステップS6、S7へ進む。
【0031】
ステップS6、7においては、ガス温度によって変化する補正係数αを温度差信号に乗じて、ガス温度変化に起因する温度差信号の誤差を補正する温度補正処理及び、物の構造その他によって変化する補正係数をαを温度差信号に乗じて、物の構造その他によって変化に起因する温度差信号の誤差を補正する流量補正処理を行い、真の温度差信号を演算する。その後、この真の温度差信号に所定の定数を乗じることにより通過流量を演算する流量演算処理(ステップS8)、この算出した通過流量を積算して積算流量を求める流量積算処理を行った後(ステップS9)、ステップS11の表示処理に進む。
【0032】
一方、現在の時刻が、ROM20b内に格納されたガスの使用頻度の低い時間帯であり(ステップS5でY)、かつ取り込んだ温度差信号がROM20b内に格納された所定値以下であるときは、実質的にガス流量がないとみなし、温度補正処理、流量補正処理、流量演算処理及び流量積算処理を行うことなく、直ちにステップS11の表示処理に進む。
【0033】
そして、ステップS9からステップS11の表示処理に進んだ場合は、ステップS9で積算された結果が、表示器30に表示される。一方、ステップS10からステップS11の表示処理に進んだ場合は、前回表示された積算流量が、表示器30に表示される。
【0034】
なお、上述した実施形態では、流速センサとして、熱式流速センサを挙げて説明していたが、例えば、超音波式センサであってもよい。超音波式センサとは、ガス供給路内に一定距離だけ離れて配置された超音波周波数で作動する例えば圧電式振動子からなる2つの音響トランスジューサにより構成されている。
【0035】
そして、一方のトランスジューサの発生する超音波信号を他方のトランスジューサに受信させる動作を交互に行って超音波信号がトランスジューサ間でガス流方向と、ガス流方向と逆方向に伝搬される時間を間欠的にそれぞれ計測し、この計測した2つの伝搬時間の差を流速情報として出力するものである。
【0036】
上記超音波式センサの場合も、ガス温度や、物の構造等によって上記伝搬時間差に誤差が生じるため、補正をして真の伝搬時間差を算出する必要がある。従って、この場合も伝搬時間差が所定値以下のときに、補正演算及び流量演算を停止させれば、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、流速情報が所定値以下のとき補正演算手段及び流量演算手段の両者による演算を停止させることにより、流速情報が所定値以下のときには、実質的には流体流速がないとみなしてこの流速情報に基づく演算を行わなくてよくなる。しかも、流体供給路に流れる流体の通過流量が微量であるときは、流体温度などに起因する誤差は少ない。このため、補正を行っていない流速情報に基づき、流体流速がないと判断しても流量計測精度が低下することがないので、流量計測精度の低下を招くことなく、消費電力の低減を図った流量計測装置を得ることができる。
【0038】
請求項2記載の発明によれば、深夜などのガス使用頻度の低い時間帯であるときは、ガス流量がない確率が高い。このため、この時間帯に限って、補正を行っていない流速情報に基づき流体流速の有無を判断すれば、流体が使用されているにも拘わらず、通過流量なしと誤判断することがあまりないので、流速計測精度の向上を図った流量計測装置を得ることができる。
【0039】
請求項3記載の発明によれば、流体温度に起因する流速情報の誤差は、流体の通過流量が微少のときは大きくない。このため、温度補正の行っていない流速情報に基づき、流体流速の有無を判断しても誤判断することがあまりないので、流速計測精度の向上を図った流量計測装置を得ることができる。
【0040】
請求項4記載の発明によれば、確実に流体が使用されていないときのみ、補正演算手段及び、流量演算手段の両者による演算を停止させることができるので、流量計測精度の低下を招くことなく、より一層消費電力の低減を図った流量計測装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の流量計測装置の基本構成図を示すブロック図である。
【図2】本発明の流量計測装置を組み込んだ電子式ガスメータの一実施の形態を示すブロック図である。
【図3】図3の電子式ガスメータを構成するCPUの処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 流速センサ(フローセンサ)
20a−1 補正演算手段(CPU)
20a−2 流量演算手段(CPU)
20a−3 演算停止手段(CPU)

Claims (4)

  1. 流体供給路に流れる流体の流速に応じた流速情報を出力する流速センサと、前記流速情報の誤差を除去して、真の流速情報を出力するための補正演算を行う補正演算手段と、前記補正された真の流速情報に基づき、前記流体供給路を流れる流体の通過流量を演算する流量演算手段とを備えた流量計測装置において、
    前記流速情報が、所定値以下のとき、前記補正演算手段及び流量演算手段の両者による演算を停止させる演算停止手段を更に備えた
    ことを特徴とする流量計測装置。
  2. 請求項1記載の流量計測装置であって、
    前記流体は、ガスであり、
    前記演算停止手段は、予め定めたガス使用頻度の低い時間帯であるときのみ、前記演算を停止させる
    ことを特徴とする流量計測装置。
  3. 請求項1又は、2記載の流量計測装置であって、
    前記補正演算手段は、前記流体の温度に基づき、前記流速情報を補正する
    ことを特徴とする流量計測装置。
  4. 請求項1〜3何れか1項記載の流量計測装置であって、
    前記所定値は、通過流量が3リットル/時間であるときの前記流速情報である
    ことを特徴とする流量計測装置。
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