JP4703383B2 - フィンチューブ - Google Patents

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本発明は、自動車用や建設機械用の油や燃料等の冷却管、居住用空間の温湿度を調整する空調機、食品の鮮度を保って保存する冷凍冷蔵庫、化学設備の反応塔等に広く使用されるフィンチューブに係るものである。
従来より、特許文献1及び2に記載の発明の如く、亜鉛めっきやクロメート皮膜等の防食メッキを施した鋼管や、アルミ管等の金属管の外周面に、押出成型法によりポリアミド(PA)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等の熱可塑性の樹脂皮膜層を設けたフィンチューブが存在する。このような従来のフィンチューブは、樹脂皮膜層の衝撃吸収力や耐水性、耐薬品性などにより、飛び石等による防食メッキ層や金属管の破損を防ぐとともに、泥はねや薬品等による金属管の酸化を防止し、フィンチューブの耐食性を高めるものであった。しかしながら、上記特許文献1及び2に記載のフィンチューブは、耐衝撃性や耐食性を高めるために樹脂皮膜層を肉厚に形成しているので、放熱特性の点で問題があり、フィンチューブの内外を流通する流体相互の熱交換を効率的に行うのは困難であった。
そこで、特許文献3に記載の発明の如く、金属管の外周面に耐食性の高い樹脂皮膜層を設けるとともに、この樹脂皮膜層の外周面に伝熱体を設け、更に伝熱体の外周面に樹脂製のフィン部材を螺旋状に巻き回したものが公知となっている。
特開平8−188884号公報 特開平10−315295号公報 特開2004−101168号公報
しかしながら、特許文献3に示す如きフィン部材は表面が平滑であるため、フィンチューブの放熱性を更に高めるためには、より広い表面積が必要となっていた。また、このように形成したフィン部材の表面に流れる流体が整流されるため、このフィン部材の表面に存在する境界層が厚くなり、放熱による熱交換機能を十分発揮することが困難となっていた。
そこで、本発明は上記の如き課題を解決しようとするものであって、高い耐食性を有するとともに、放熱性を高めるのに十分な表面積と多数の長いエッヂを形成したフィン部材を配設したフィンチューブを得ようとするものである。
本発明は上述の如き課題を解決するため、一本の線材を螺旋状に巻回すとともに、管部材への巻回時に管部材側に配置される螺旋の外側部に、ベルト材の一面を固定して形成したフィン部材を、管部材の外周面に少なくとも一層被覆した前記樹脂被膜層の表面に上記ベルト材の他面を面接触させて、管部材に巻き回したものである。
また、フィン部材は、樹脂被膜層の表面に螺旋状に巻き回したものであっても良い。
また、フィン部材は、樹脂被膜層の表面に環状に巻き回すとともに、管部材の軸方向に間隔を設けて複数個配設したものであっても良い。
また、フィン部材は、巻回時に管部材側に配置される螺旋の内側部に、内側ベルト材を配置したものであっても良い。
また、フィン部材は、巻回時に管部材側に配置される螺旋の内側部に、内側固定線材を配置したものであっても良い。
本発明は上述の如く構成したものであって、管部材の外周面に少なくとも一層の樹脂被膜層を被覆することにより、飛び石などに対する管部材の耐食性を高めることが可能となる。また、一本の線材を螺旋状に巻き回して形成したフィン部材を前記樹脂被膜層に配設することにより、フィン部材の表面積を容易に広くすることができるとともに、多数の長いエッヂが形成されて管外側の流体の流れに大きな乱れや渦を発生させて境界層を剥離されるものとなる。そのため、上記の広い表面積と多数の長いエッヂとによりフィンチューブの放熱性や吸熱性を高めることが可能となる。
本発明の実施例1を図1於いて説明すると、(1)はフィン部材である。そしてこのフィン部材(1)は、一本の線材(2)を長方形の螺旋状に巻回して形成した螺旋部材(18)を備えて成るものであって、この螺旋部材(18)の螺旋の外側部(8)を、薄板状で長尺なベルト材(13)の一面に一端から他端まで連続してろう付け等により固定している。尚、上記螺旋部材(18)は、ステンレス、アルミニウム、アルミニウム基合金、銅、銅基合金、鉄等の線材(2)にて、扁平な長方形状に巻き回して形成している。
また、このフィン部材(1)を配置する管部材(3)は、ステンレス、アルミニウム、アルミニウム基合金、銅、銅基合金、鉄等にて形成した金属管(7)の表面に、亜鉛又は亜鉛系のメッキを施して第1メッキ層(4)を形成するとともに、この第1メッキ層(4)の表面に、6価、好ましくは3価のクロメート処理あるいは上層メッキを施して第2メッキ層(5)を形成している。そして、この管部材(3)の第2メッキ層(5)の表面に、押出成形装置等により樹脂被膜層(6)を被覆している。
この樹脂被膜層(6)は、本実施例1及び以下の実施例2、3ではポリアミド12等のポリアミド(PA)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等で形成したものであって、管部材(3)の外周面に1層のみ配置している。尚、本発明の樹脂皮膜層(6)はPA、PP、PE等を単体で使用する他に、これらの樹脂を適宜複合させて使用することも可能である。また、他の異なる実施例では樹脂皮膜層(6)を1層のみに限らず、複数層管部材(3)に配置することも可能である。このように、管部材(3)の外周面を樹脂皮膜層(6)にて被覆することにより、管部材(3)の耐食性をより高めることが可能となる。
尚、本実施例1及び以下の実施例2、3では、第1メッキ層の表面にクロメート処理を行うことにより第2メッキ層(5)を形成しているが、他の異なる実施例では、クロメート処理に代わって塗膜処理を行うことにより第2メッキ層(5)を形成しても良い。また、第1メッキ層(4)としてニッケル又はニッケル基合金をメッキし、第2メッキ層(5)として亜鉛又は亜鉛基合金をメッキしても良いし、更にクロメート処理や樹脂被膜層(6)との密着性を向上させるために、エポキシプライマー等を設けても良い。
また、本実施例1、及び以下の実施例2、3では、上記の如く金属管(7)に第1メッキ層(4)及び第2メッキ層(5)を設けて管部材(3)を形成しているが、他の異なる実施例では、第1メッキ層(4)及び第2メッキ層(5)等を設けずに、金属管(7)のみから成る管部材(3)の外周面に樹脂皮膜層(6)を直接被覆したものであっても良い。このように第1メッキ層(4)や第2メッキ層(5)を設けない管部材(3)を使用した場合であっても、管部材(3)の外周面に樹脂皮膜層(6)を被覆することにより耐食性に優れた製品を得ることができる。
そして、このように螺旋部材(18)を固定したベルト材(13)の他面を樹脂皮膜層(6)の表面に面接触させた状態で、ベルト材(13)を引っ張りながら管部材(3)に螺旋状に巻き回す。これにより、フィン部材(1)に形成されたピン状片(10)が、樹脂皮膜層(6)の表面に螺旋状に複数個連続して配設されるものとなる。そのため、この複数のピン状片(10)の存在によって、フィン部材(1)の表面積が広くなるとともに多数の長いエッヂが形成され、管部材(3)の管外側の流体の流れに大きな乱れを発生させて境界層を剥離させることが可能となるため、放熱性を高めることが可能となる。
そして、上記フィン部材(1)のベルト材(13)を管部材(3)に形成した樹脂皮膜層(6)の表面に密着させた状態で、フィン部材(1)を管部材(3)に巻き回している。そして、ベルト材(13)を引っ張りながらフィン部材(1)を管部材(3)に巻き回すことにより、管部材(3)に設けた樹脂皮膜層(6)の弾性力によってベルト材(13)が樹脂被膜層(6)に若干食い込むものとなる。そのため、接着などの特別な固着手段を要さずにベルト材(13)の他面を樹脂皮膜層(6)の表面に強く密接配置することができ、フィン部材(1)を管部材(3)に安定した状態で配設することが可能となるとともに、管部材(3)からの熱を、樹脂皮膜層(6)を介してより確実にフィン部材(1)に伝達することが可能となる。
また、本実施例1では、ベルト材(13)の他面が樹脂皮膜層(6)に面接触するため、この接触部(12)の樹脂皮膜層(6)への食い込みは均一なものとなる。そのため、フィン部材(1)を管部材(3)に、より安定して配置することが可能となる。また、上記の如く螺旋部材(18)にベルト材(13)を予め固定してフィン部材(1)を形成することにより、製造時の作業性が良くなり、作業を効率的に行うことが可能となる。
また、前記実施例1では、螺旋部材(18)の螺旋の外側部(8)にベルト材(13)を配置しているが、本発明の実施例2では、螺旋部材(18)の螺旋の内側部(14)に薄板状で長尺に形成した内側ベルト材を配置している。即ち、まず、巻回形状が長方形の螺旋部材(18)の螺旋の内側部(14)に、予め内側ベルト材を配置し、この内側ベルト材を、螺旋部材(18)の内側部(14)に沿って溶接又はろう付けにて固定する。そして次に、螺旋部材(18)の外側部(8)を樹脂皮膜層(6)の表面に直接接触させた状態で、螺旋部材(18)を管部材(3)の外周面に螺旋状に巻き回す。
このように内側ベルト材を螺旋部材(18)の螺旋の内側部(14)に配置して管部材(3)に巻き回すことにより、フィン部材(1)が管部材(3)に、より強固に固定されるものとなる。そのため、フィン部材(1)を安定した状態で管部材(3)に配置することが可能となる。また、製造時の作業性が良くなり、作業を効率的に行うことが可能となる。
また、前記実施例2では、フィン部材(1)の螺旋の内側部(14)に内側ベルト材を配置しているが、本発明の実施例3では、巻回形状を扁平な長円状とした螺旋部材(18)にて形成したフィン部材(1)の螺旋の内側部(14)に、内側固定線材を配置している。このように、フィン部材(1)の螺旋の内側部(14)に内側固定線材を配置して管部材(3)に巻き回すことにより、前記実施例2の場合と同様に、フィン部材(1)を管部材(3)に、より強固に固定配置することができる。また、製造時の作業性が良くなり、作業を効率的に行うことが可能となる。
尚、他の異なる実施例においては、上記実施例1〜3で使用した樹脂皮膜層(6)にカーボンナノファイバーを含有させることにより、伝熱性を更に高めることが可能となるので、更に好ましいものとなる。また、フィン部材(1)を接着材により管部材(3)の樹脂皮膜層(6)に固定することも可能である。この場合には、上記接着材にカーボンナノファイバーを含有させることにより、伝熱性を更に高めることができるため、更に好ましいものとなる。また、このように接着材を使用することにより、当該接着材を介して、樹脂皮膜層からの熱がフィン部材に伝わりやすいものとなるため、伝熱性を更に向上させることが可能となる。
また、他の異なる実施例においては、上記実施例1〜3に示す如くフィン部材(1)を管部材(3)に巻き回した後、樹脂皮膜層(6)を、この樹脂皮膜層(6)を構成する樹脂のガラス転移点以上で融点未満の温度に加熱することにより軟化させて、フィン部材(1)を樹脂皮膜層(6)に更に深く食い込ませて融着し、フィン部材(1)の接触部(12)と樹脂皮膜層(6)との接触面積をより広げると、更に好ましいものとなる。また、フィン部材(1)の巻き回し後に、このフィン部材(1)と接触している部分の樹脂皮膜層(6)を、当該樹脂の融点以上に加熱することにより部分的に溶融させて、フィン部材(1)を樹脂皮膜層(6)に融着させると、フィン部材(1)の接触部(12)と樹脂皮膜層(6)との接触面積が広がるとともに、フィン部材(1)を樹脂皮膜層(6)に、より強固に固定することが可能となるため、更に好ましいものとなる。但し、融点以上に加熱して融着する場合には、製造時に溶融した樹脂が流れ出して液だれが生じる可能性があるため、注意を要する。
また、上記実施例1〜3では、図2(a)に示す如く線材(2)の断面形状を円形としているが、他の異なる実施例においては、図2に示す如く、(b)楕円形、(c)四角形、(d)三角形、(e)菱形、(f)星形等の如く任意の形状としても良い。また、フィン部材(1)を形成する螺旋部材(18)の巻回形状を、上記実施例1〜3で図3(a)、(c)に示す如く長円又は長方形としているが、他の異なる実施例では、図3に示す如く、(d)く字型、(e)略ひょうたん形等の如く任意の巻回形状としても良い。尚、上記実施例1〜3では放熱の場合について説明したが、吸熱の場合は熱の流れが逆になる。
本発明の実施例1を示すフィンチューブの部分断面図。 本発明の実施例1〜3及び他の異なる実施例を示す線材の断面図。 本発明の実施例1〜3及び他の異なる実施例を示す螺旋部材の巻回形状の概念図。
1 フィン部材
2 線材
3 管部材
6 樹脂被膜層
8 外側部
13 ベルト材
14 内側部

Claims (5)

  1. 一本の線材を螺旋状に巻回すとともに、管部材への巻回時に管部材側に配置される螺旋の外側部に、ベルト材の一面を固定して形成したフィン部材を、管部材の外周面に少なくとも一層被覆した前記樹脂被膜層の表面に上記ベルト材の他面を面接触させて、管部材に巻き回したことを特徴とするフィンチューブ。
  2. フィン部材は、管部材の樹脂被膜層の表面に螺旋状に巻き回したことを特徴とする請求項1のフィンチューブ。
  3. フィン部材は、管部材の樹脂被膜層の表面に環状に巻き回すとともに、管部材の軸方向に間隔を設けて複数個配設したことを特徴とする請求項1のフィンチューブ。
  4. フィン部材は、巻回時に管部材側に配置される螺旋の内側部に、内側ベルト材を配置したことを特徴とする請求項1、2、または3のフィンチューブ。
  5. フィン部材は、巻回時に管部材側に配置される螺旋の内側部に、内側固定線材を配置したことを特徴とする請求項1、2、または3のフィンチューブ。
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