JP4709689B2 - 電動ステアリングロック装着車両 - Google Patents

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本発明は、電動ステアリングロック装着車両に係り、電気アクチュエータの大型化等を図ることなく、ステアリングロックの円滑なアンロック作動を実現する技術に関する。
自動車には、駐車時における盗難防止を図るべく、ステアリングシャフトを固定するステアリングロックが装備されている。ステアリングロックとしてはイグニッションキーと連動した機械式のものが主流であるが、スマートキーシステム等を搭載した自動車ではイグニッションキーを用いずにスタータボタンでエンジンを始動できるものもあり、この場合には、スタータボタンと連動してステアリングロックのアンロックを行う電動ステアリングロックが採用されることが多い。電動ステアリングロックは、ステアリングシャフトに形成されたスロットに嵌入するロックボルトや、ロックボルトをスロットに対して進退駆動させる電気アクチュエータ、電気アクチュエータを駆動制御する電気回路等から構成されている(特許文献1,2参照)。電動ステアリングロックを備えた自動車では、スタータボタンが運転者により押されると、操舵が行えない状態での発進を防止すべく、電動ステアリングロックがアンロックされた後にエンジンが始動される。
一方、近年の自動車では、旧来の油圧パワーステアリング装置に代えて、電動パワーステアリング装置を搭載したものが出現している(特許文献3参照)。電動パワーステアリング装置には、電動モータの電源に車載バッテリを用いるために直接的なエンジンの駆動損失が無く、電動モータが操舵アシスト時にのみに起動されるために走行燃費の低下も抑えられる他、ECU(電子制御装置)による制御が極めて容易に行える等の特長がある。
特開2005−343378号公報 特開2000−95066号公報 特開2005−81848号公報
上述した従来の電動ステアリングロックには、自動車が駐車された際の状況等により、ステアリングロックのアンロック作動が円滑に行われない問題があった。通常、自動車はタイヤの接地面が多少なりとも捩れた状態(据え切りされた状態)で駐車されるため、ステアリングロックが掛かった後に、タイヤの復元力によってステアリングシャフトが徐々に回転し、ロックボルトとスロットとが圧接してしまうことが多い。また、運転者がステアリングホイールに手を掛けて降車したような場合には、停車後にステアリングホイール(すなわち、ステアリングシャフト)が運転者の手によって回転させられた状態でステアリングシャフトがロックされてしまい、ステアリングシャフトを元の位置に復帰させる回転トルクが作用してロックボルトとスロットとが圧接することになる。
そして、電動ステアリングロックでは、ロックボルトとスロットとが電気アクチュエータの駆動力を超える圧接力をもって圧接していた場合、ロックボルトがスロットから引き抜かれず、エンジンの始動も行えなくなってしまうことになる。このような不具合を解決する方法として、電気アクチュエータに駆動力の大きなものを用いることも考えられるが、その場合には、電動ステアリングロックの体格や重量が大きくなって設置の自由度が少なくなる他、装置コストや消費電力が増大する等の問題が発生する。
本発明は、このような背景に鑑みなされたもので、電気アクチュエータの大型化等を図ることなく、ステアリングロックの円滑なアンロック作動を実現した電動ステアリングロック装着車両を提供することを目的とする。
請求項1の発明に係る電動ステアリングロック装着車両は、電動モータによって操舵アシストを行う電動パワーステアリングと、電動モータによって操舵アシストを行う電動パワーステアリングと、ステアリング系回転部材に形成されたスロットに電気アクチュエータの駆動力によってロックボルトを嵌入させてステアリングロックを行う電動ステアリングロックとを備えた車両であって、ロックボルトを電気アクチュエータの駆動力によってステアリング系回転部材のスロットに嵌入させてステアリングロックを行う電動ステアリングロックとを備えた車両であって、前記電動ステアリングロックのアンロック時において、前記ロックボルトを前記スロットの係止壁から離間させるべく、前記ステアリング系回転部材が正逆両回転方向に交番的に回転するように前記電動パワーステアリングを駆動制御するアンロック時駆動制御手段を備えたことを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の電動ステアリングロック装着車両において前記アンロック時駆動制御手段は、前記電動ステアリングロックのアンロック時における前記電気アクチュエータの作動時間が所定値を超えた場合にのみ、前記電動パワーステアリングの駆動制御を行うことを特徴とする。
請求項1の電動ステアリングロック装着車両によれば、ロックボルトがスロットの係止壁に強い圧接力で圧接し、更にロックボルトとスロットとの間隙が小さかった場合等にも、電動ステアリングロックのアンロックが円滑に行われる。また、請求項の電動ステアリングロック装着車両によれば、ロックボルトがスロットの係止壁に圧接していない場合等においては、ステアリングホイールの不要な回転作動と電力消費とが抑制される。
以下、本発明の一実施形態と一部変形例とについて、図面を参照して詳細に説明する。
図1は実施形態に係る自動車の前部を示す要部透視斜視図であり、図2はステアリングロックの概略構造を示す縦断面図であり、図3はステアリングシャフトの軸方向から視た図2中III部の拡大断面図であり、図4は実施形態に係るEPS−ECUおよびESL−ECUの概略構成を示すブロック図である。
[実施形態]
≪実施形態の構成≫
図1に示すように、実施形態の自動車1は、いわゆる4ドアセダン型の乗用車であり、ピニオンアシスト式の電動パワーステアリング(Electric Power Steering:以下、EPSと記す)2の他、電動ステアリングロック(Electric Steering Lock:以下、ESLと記す)3やエンジンスタートボタン4を備えている。自動車1では、EPS2を制御するEPS−ECU5と、ESL3を制御するESL−ECU6(アンロック時駆動制御手段)と、図示しないエンジンを制御するエンジンECU7とがエンジンルームに設置され、スマートキーシステムを統括するスマートECU8が車室内に設置されている。これら各装置は、図示しない通信回線(本実施形態では、CAN(Controller Area Network))を介して連結されており、相互に信号の授受を行う。
EPS2は、ラックアンドピニオン式のステアリングギヤ11、ステアリングギヤ11に連結されたステアリングシャフト(ステアリング系回転部材)12,ステアリングシャフト12を支持するステアリングコラム13、ステアリングシャフト12の後端に装着されたステアリングホイール14、ステアリングギヤ11の図示しないピニオンにアシスト力を付与する電動モータ15等から構成されている。なお、ステアリングシャフト12には、後述するESL3のロックボルト23と係合するスロット16が所定の角度間隔で複数形成されている。
ESL3は、ステアリングギヤ11とステアリングコラム13との間で、ステアリングシャフト12に対峙するかたちで設置されている。図2に示すように、ESL3は、装置外殻である本体ケーシング21、本体ケーシング21にボルトホルダ22を介して軸方向摺動自在に保持されたロックボルト23、ロックボルト23の先端に突設されたボルトヘッド24、ボルトホルダ22の内周面に形成されたスライド溝22aとロックボルト23の外周面に形成されたカム溝23aとの間に介装された一対の鋼球25、ボルトホルダ22の外周面に形成されたウォームギヤ22bに噛み合うウォーム26、ウォーム26を回転駆動する電動モータ(電気アクチュエータ)27、ロックボルト23をステアリングシャフト12側に付勢するスプリング28、ロックボルト23の位置を検出するポジションセンサ29等から構成されている。
図3に示すように、ロックボルト23のボルトヘッド24は、ESL3のロック時においてステアリングシャフト12のスロット16に嵌入する。なお、図3に示す状態では、据え切り等による回転トルク(矢印で示す)がステアリングシャフト12に作用しているため、ボルトヘッド24の側面24aがスロット16の係止壁16aに圧接している。
<EPS−ECUおよびESL−ECU>
図4に示すように、EPS−ECU5は、車速センサ31や操舵トルクセンサ32等からの入力信号に基づき、操舵アシストトルク指令をEPS2に出力する。また、ESL−ECU6は、エンジンスタートボタン4やスマートECU8、ポジションセンサ29からの入力信号に基づき、駆動指令をEPS−ECU5やESL3、エンジンECU7に出力する。
≪実施形態の作用≫
スマートキー(図示せず)を携帯した運転者が駐車された自動車1に近づくと、スマートキーと車載機との間で無線通信が行われ、スマートECU8は、スマートキーから送信されたIDコードとROMに記憶したIDコードとを照合した後、ドアロック解錠許可指令やステアリングロック解錠許可指令、エンジン始動許可指令をドアロックECU(図示せず)やESL−ECU6、エンジンECU7等に出力する。これにより、運転者は、ドアハンドルを引くだけで自動車1に乗り込めるだけでなく、エンジンスタートボタン4を押すだけでエンジンの始動を行える。
スマートECU8からステアリングロック解錠許可指令が入力すると、ESL−ECU6は、所定の処理インターバル(例えば、10ms)をもって、図5のフローチャートにその手順を示すステアリングロック解錠制御を実行する。
ステアリングロック解錠制御を開始すると、ESL−ECU6は、図5のステップS1でエンジンスタートボタン4が押されたか否かを判定し、この判定がNoであれば何の処理も行わずにスタートに戻る。
運転者がエンジンスタートボタン4を押してステップS1の判定がYesになると、ESL−ECU6は、ステップS2でESL3のアンロック条件(例えば、パーキングブレーキがON、セレクトレバーがPまたはNレンジ、ブレーキペダルが踏み込まれる等)が成立したか否かを判定し、この判定がNoであればやはり何の処理も行わずにスタートに戻る。
ステップS2の判定がYesになると、ESL−ECU6は、ステップS3でタイマーT1を起動させた後、ステップS4でアンロック時駆動指令をEPS−ECU5に出力し、ステップS5でアンロック指令をESL3に出力する。ここで、アンロック時駆動指令は、EPS2の電動モータ15に対して正逆の駆動電流をごく短い周期で交番的に供給させるものであり、アンロック指令は、ESL3の電動モータ27に対してアンロック方向の電流を供給するものである。
これにより、図6中に矢印で示すように、ステアリングシャフト12が所定の角度範囲をもって正逆両回転方向に交番的に回転駆動される一方、ロックボルト23はアンロック方向に駆動されることになる。その結果、ボルトヘッド24の側面24aがスロット16の係止壁16aに強い圧接力で圧接していた場合にも、ロックボルト23とスロット16との係合が解けてESL3がアンロックされる。
ESL−ECU6は、次にステップS6でタイマーT1が所定のアンロック時間Tu(例えば、0.5秒)を超えたか否かを判定し、この判定がNoであればステップS7でポジションセンサ29からの信号によってESL3のアンロックが完了したか否かを更に判定する。
通常の場合、ESL3は瞬時にアンロックされてステップS7の判定がYesとなるため、ESL−ECU6は、ステップS8でEPS−ECU5にEPS2の作動を停止させる指令を出力し、ステップS9でESL3の作動を停止させ、ステップS10でタイマーT1をリセットする。次に、ESL−ECU6は、ステップS11でエンジンECU7にエンジン始動指令を出力し、エンジンの始動を行わせる。
一方、何らかの原因でESL3がアンロックされないまま(ステップS7の判定のNoのまま)アンロック時間Tuが経過し、ステップS6の判定がYesになると、ESL−ECU6は、ステップS12でEPS−ECU5にEPS2の作動を停止させる指令を出力し、ステップS13でESL3の作動を停止させ、ステップS14でタイマーT1をリセットした後、ステップS15でエラー表示指令を出力する。これにより、ESL3が解除できない旨のエラーメッセージが図示しないディスプレイに表示され、運転者に対してサービス工場等への連絡が促される。
[一部変形例]
一部変形例は、上述した実施形態と同一の装置構成を有しているが、ステアリングロック解錠制御の手順が相違する。すなわち、実施形態ではエンジンの始動時に必ずEPS2を駆動するようにしたが、一部変形例においては、ESL3だけでアンロックが行えない時にのみEPS2を駆動して、ステアリングホイール14の不要な回転作動と電力消費との抑制を図っている。
≪一部変形例の作用≫
スマートECU8からステアリングロック解錠許可指令が入力すると、ESL−ECU6は、所定の処理インターバル(例えば、10ms)をもって、図7のフローチャートにその手順を示すステアリングロック解錠制御を実行する。
ステアリングロック解錠制御を開始すると、ESL−ECU6は、図7のステップS31でエンジンスタートボタン4が押されたか否かを判定し、この判定がNoであれば何の処理も行わずにスタートに戻る。
運転者がエンジンスタートボタン4を押してステップS31の判定がYesになると、ESL−ECU6は、ステップS32で前述したESL3のアンロック条件が成立したか否かを判定し、この判定がNoであればやはり何の処理も行わずにスタートに戻る。
ステップS32の判定がYesになると、ESL−ECU6は、ステップS33でタイマーT1を起動させた後、ステップS34でアンロック指令をESL3に出力する。これにより、ロックボルト23は、電動モータ27によってアンロック方向に駆動されることになり、ボルトヘッド24がスロット16に遊嵌している場合はもちろん、ボルトヘッド24の側面24aがスロット16の係止壁16aに比較的小さな圧接力で圧接していた場合にも、ロックボルト23とスロット16との係合が解けてESL3がアンロックされる。
ESL−ECU6は、次にステップS35でタイマーT1が所定の第1アンロック時間Tu1(例えば、0.2秒)を超えたか否かを判定し、この判定がNoであればステップS36でポジションセンサ29からの信号によってESL3のアンロックが完了したか否かを更に判定する。
通常の場合、ESL3は瞬時にアンロックされてステップS36の判定がYesとなるため、ESL−ECU6は、ステップS37でESL3の作動を停止させ、ステップS38でタイマーT1,T2をリセットした後、ステップS39でエンジンECU7に始動指令を出力してエンジンの始動を行わせる。
一方、何らかの原因でESL3がアンロックされないまま(ステップS36の判定のNoのまま)第1アンロック時間Tu1が経過し、ステップS35の判定がYesになると、ESL−ECU6は、ステップS40でタイマーT2を起動させた後、ステップS41でアンロック時駆動指令をEPS−ECU5に出力する。これにより、ステアリングシャフト12が所定の角度範囲をもって正逆両回転方向に交番的に回転駆動されるため、ボルトヘッド24の側面24aがスロット16の係止壁16aに強い圧接力で圧接していた場合にも、ロックボルト23とスロット16との係合が解けてESL3がアンロックされる。
ESL−ECU6は、次にステップS42でタイマーT2が所定の第2アンロック時間Tu2(例えば、0.3秒)を超えたか否かを判定し、この判定がNoであればステップS43でポジションセンサ29からの信号によってESL3のアンロックが完了したか否かを更に判定する。
この場合も、ESL3は瞬時にアンロックされてステップS43の判定がYesとなるため、ESL−ECU6は、ステップS44でEPS−ECU5にEPS2の作動を停止させる指令を出力した後、ステップS37に移行してESL3の作動を停止させ、ステップS38でタイマーT1,T2をリセットした後、ステップS39でエンジンECU7に始動指令を出力してエンジンの始動を行わせる。
また一方、EPS2が起動されたにも拘わらず、何らかの原因でESL3がアンロックされないまま(ステップS43の判定のNoのまま)第2アンロック時間Tu2が経過し、ステップS42の判定がYesになると、ESL−ECU6は、ステップS45でEPS−ECU5にEPS2の作動を停止させる指令を出力し、ステップS46でESL3の作動を停止させ、ステップS47でタイマーT1,T2をリセットした後、ステップS48でエラー表示指令を出力する。これにより、ESL3が解除できない旨のエラーメッセージが図示しないディスプレイに表示され、運転者に対してサービス工場等への連絡が促される。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこれら実施形態や一部変形例に限られるものではない。例えば、上記実施形態の電動ステアリングロックでは、電動モータとカム機構とによってロックボルトを駆動するようにしたが、電気アクチュエータとして電磁アクチュエータを用いてもよいし、ねじ機構やトグル機構等によって電気アクチュエータの駆動力をロックボルトに伝達するようにしてもよい。また、上記実施形態では電動ステアリングロックのアンロック時において、電動パワーステアリングを正逆両回転方向に交番的に回転駆動するように駆動制御したが、ロックボルトをスロットの係止壁から離間させる方向にのみ電動パワーステアリングを駆動制御するようにしてもよい。その他、電動パワーステアリングの具体的構成やステアリングロック解錠制御の具体的手順等についても、本発明の主旨を逸脱しない範囲であれば適宜変更可能である。
実施形態に係る自動車の前部を示す要部透視斜視図である。 ステアリングロックの概略構造を示す縦断面図である。 ステアリングシャフトの軸方向から視た図2中III部の拡大断面図である。 実施形態に係るEPS−ECUおよびESL−ECUの概略構成を示すブロック図である。 実施形態に係るステアリングロック解錠制御の手順を示すフローチャートである。 実施形態の作用を示す説明図である。 一部変形例に係るステアリングロック解錠制御の手順を示すフローチャートである。
符号の説明
1 自動車(車両)
2 EPS(電動パワーステアリング)
3 ESL(電動ステアリングロック)
4 エンジンスタートボタン
5 EPS−ECU
6 ESL−ECU(アンロック時駆動制御手段)
12 ステアリングシャフト
15 電動モータ
16 スロット
16a 係止壁
23 ロックボルト
24 ボルトヘッド
27 電動モータ(電気アクチュエータ)

Claims (2)

  1. 電動モータによって操舵アシストを行う電動パワーステアリングと、ステアリング系回転部材に形成されたスロットに電気アクチュエータの駆動力によってロックボルトを嵌入させてステアリングロックを行う電動ステアリングロックとを備えた車両であって、
    前記電動ステアリングロックのアンロック時において、前記ロックボルトを前記スロットの係止壁から離間させるべく、前記ステアリング系回転部材が正逆両回転方向に交番的に回転するように前記電動パワーステアリングを駆動制御するアンロック時駆動制御手段を備えたことを特徴とする電動ステアリングロック装着車両。
  2. 前記アンロック時駆動制御手段は、前記電動ステアリングロックのアンロック時における前記電気アクチュエータの作動時間が所定値を超えた場合にのみ、前記電動パワーステアリングの駆動制御を行うことを特徴とする、請求項1に記載の電動ステアリングロック装着車両。
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