JP4751073B2 - 熱交換器 - Google Patents

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Description

本発明は、血液、心筋保護液等の体液あるいは薬液等の液体の温度を調整するための医療用の熱交換器に関する。
外科手術等の際に患者に代わって血液を循環させたりあるいは追加の血液を患者に送り込んだり薬液を患者に送り込んだりする回路には、血液あるいは薬液の温度を調整するために熱交換器が設けられている。このような熱交換器としては、特許文献1から4(特開平9−285537、特開平11−47269、特開平11−137671、特開2000−93509)に記載の熱交換器が記載されている。
特許文献1には、『筐体(本願のハウジングに相当)15内に下側から上側に通過される液体の熱交換を導入される熱媒体により行なう熱交換室36を設けるとともに(筐体15内を熱交換室36に形成し)、該熱交換室36を通過した液体の泡抜きを行なう泡抜き室39を、該熱交換室36の上側に設け、該泡抜き室39で泡抜きされた液体を通過させる通過室40を筐体15内における熱交換室36の内側に設け、血液等の液体が流通する管体33を複数本、筐体15内に配置した熱交換器。』が記載されている。(特開平9−285537(要約、図1、[0015]))
特許文献1には、「泡抜き室39を筐体15内の熱交換室36の上側に設け、泡抜き室39で泡抜きされた液体を通過させる通過室40を筐体15内の熱交換室36の内側に設けているので、通過室を流れる体液が見えにくく、体液のプライミング量も多くなるという課題が指摘される。
また「複数本の血液等の液体が流通する管体33を、筐体15内に配置し、筐体15内を熱交換室36にしている」ので複数本の管体の配置固定が難しく、取付部材34の経時劣化による血液リークの危惧という課題が指摘される。
特許文献2には、『熱媒体流入口24、流出口25、生体循環用液体流入口26、生体循環用液体流出口27を備えるハウジング2と、多数の熱交換用細管31からなる熱交換体3と、熱交換体3の両端部をハウジング2に固定し、ハウジング2内を熱媒体室11と生体循環用液体室13とに区分する隔壁4,5とを有し、一方の隔壁5は、他方の隔壁4より上方に位置している。さらに上方の隔壁5の外面の上方に位置し、生体循環用液体室より流出する生体循環用液体が流入する生体循環用液体流通室13と、この流通室13の側面を形成する気泡捕捉用フィルター部材16と、このフィルター部材16を通過した生体循環用液体が流入する生体循環用液体導出部14とを有する熱交換器。』が記載されている。(特開平11−47269(要約、図4、[0018]))
特許文献2に記載の熱交換器は、熱交換体3を多数の熱交換用細管31から構成しており、隔壁4、5を高分子ポッティング剤(例えば、ポリウレタン、シリコーンゴム)などにより形成するためポッティング材との接着面積の増大と、それにより経時的な材質劣化による血液リークの可能性が高くなるという課題が指摘され、また複数の熱交換用細管31の中に血液を通し、ハウジング2内を熱媒体室11としているため、術者側から血液の流れが確認できないという課題が指摘される。またスペースの大きい生体循環用液体室13をハウジング2の上部に設けているので体液のプライミング量の増大という課題が指摘される。
また特許文献2、3の記載の発明では、各構成部品(成形品等)を高分子ポッティング剤(例えば、ポリウレタン)で固定し、当該高分子ポッティング剤が体液、熱媒体等と直接接触するように形成されている。(特許文献1に記載の発明も図1の記載からみて同じ。)ところで高分子ポッティング剤(例えば、ポリウレタン)の表面は凹凸になっているので、体液、熱媒体等に含まれる微小な気泡がこれらに接触すると、累積的に付着して気泡溜りの原因となることが指摘されている。
特許文献3には『筒状熱交換器部10と、この筒状熱交換器部10に直接巻回された多数のガス交換用中空糸膜からなる筒状中空糸膜束2と、筒状中空糸膜束2および筒状熱交換器部10とを収納するハウジング3とを備える。中空糸膜の両端は開口した状態で、筒状中空糸膜束2の両端部をハウジング3および筒状熱交換器部10に2つの隔壁5,6により固定されている。ハウジング3の内部は、中空糸膜外面と筒状熱交換器部10の外側面10aと2つの隔壁5、6間により形成された血液室7と、筒状熱交換器部10の内部と連通する熱媒体室16に区分されている。筒状熱交換器部10にベローズを使用する。』熱交換器内蔵型人工肺が記載されている。(特開平11−137671(要約、図4、[0016]、[0036]))
特許文献4には、『筒状コア5と、筒状コア5の外表面に巻き付けられた筒状中空糸膜束3と、コア5内に収納された筒状熱交換器部と、ハウジング2とを備える。筒状コア5は、その外表面と中空糸膜束3間に血液流路を形成する溝51と、コア5と筒状熱交換器部間の第1の血液室11と溝51とを連通する血液流通用開口52を有する。筒状熱交換器部は、筒状熱交換体31と筒状熱交換体変形規制部34、35を備えている。筒状熱交換体31にベローズ管を使用する。』熱交換器内蔵型人工肺が記載されている。(特開2000−93509(要約、図4、図5、[0029]、[0058]))
特許文献3と特許文献4に記載の熱交換器内蔵型人工肺は、ハウジング2の一端部に、熱媒体の導入と排出ポートを配置し、熱媒体がハウジング2の熱媒体室を往復するように形成されているので熱媒体の使用量が非常に多くなり、したがって熱交換器全体のサイズも大きくなるという課題が指摘される。
また熱交換体の外周に中空糸膜束を配置しているので、ハウジング2内に導入された血液が、中空糸膜束を通過して排出されるので、圧力損失とプライミング量の増大という課題が指摘される。
特開平9−285537(要約、図1、[0015]) 特開平11−47269(要約、図4、[0018]) 特開平11−137671(要約、図4、[0016]、[0036]) 特開2000−93509(要約、図4、図5、[0029]、[0058])
解決しようとする問題点は、熱交換体(例えばベローズ管等)が従来の熱交換器においては径等のサイズが非常に大きいので、体液側のプライミング量が大きくなり、術中の体外循環量増えてしまうことが上げられる。
また熱媒体の使用量も多いため、使用時の重量もさらに重くなり、術時の取回しが困難となる。
さらに熱交換体(例えばベローズ管等)そのものが比較的大きい割に熱交換性能はそれほど高くない。
また各構成部品(成形品等)を高分子ポッティング剤(例えば、ポリウレタン)で固定しているめ、当該高分子ポッティング剤の凹凸部に、体液、熱媒体等に含まれる微小な気泡がこれらに接触すると、累積的に付着して気泡溜りの原因となりやすい。
[1]本発明は、ハウジング(2)は、長さ方向と当該長さ方向と略垂直に交わる側部方向とを有し、前記長さ方向に大径の第一端部(2A)と小径の第端部(2B)を有し、
前記ハウジング(2)の内部に円筒状の熱交換体(7)を配置し、
当該熱交換体(7)は、長さ方向と当該長さ方向と略垂直に交わる側部方向とを有し、前記長さ方向に第一端部と、第二端部とを有し、
前記熱交換体(7)内に内管(6)を配置し、
当該内管(6)は、長さ方向と当該長さ方向と略垂直に交わる側部方向とを有し、前記長さ方向に第一端部と、第二端部とを有し、
当該内管(6)の内部空間により熱媒体室(20)を形成し、
前記ハウジング(2)内壁面と前記熱交換体(7)外周面との間の空間により体液室(21)を形成し、
前記熱交換体(7)の第一端部に熱交換体おさえ(17)を装着し、
当該熱交換体おさえ(17)は、長さ方向と当該長さ方向と略垂直に交わる側部方向とを有し、前記長さ方向に第一端部と、第二端部とを有し、
前記内管(6)の第一端部に、前記熱媒体室(20)と連通する第一熱媒体ポート(8)の一端部を装着し、前記内管(6)の第二端部に、前記熱媒体室(20)と連通する第二熱媒体ポート(9)の一端部を装着し、
前記ハウジング(2)の前記側部方向に前記体液室(21)と連通する体液導入ポート(10)を装着し、
前記ハウジング(2)の第一端部に、第一のカバー(3)を装着し、第二端部に、第二のカバー(4)を装着し、
前記第一熱媒体ポート(8)の一端部を、前記ハウジング(2)の第一端部(2A)に、前記第二熱媒体ポート(9)の一端部を、前記ハウジング(2)の第二端部(2B)に、それぞれ固定し
前記ハウジング(2)の前記第一端部(2A)側は、
前記熱交換体(7)の第一端部外周と前記熱交換体おさえ(17)の第二端部内周との間に、第二Oリング(15)を配置して、当該第二Oリング(15)で液密に固定し、
前記熱交換体(7)の第一端部内周と前記第一熱媒体ポート(8)の一端部外周との間に第一Oリング(14)を配置して、当該第一Oリング(14)で液密に固定し、
前記ハウジング(2)の第二端部(2B)側は、前記熱交換体(7)の第二端部内周と前記第二熱媒体ポート(9)の一端部外周との間に、第二Oリング(14)を配置して、当該第二Oリング(15)で液密に固定し、
前記熱交換体(7)の第二端部外周と前記ハウジング(2)の第二端部(2B)の内周との間に第一Oリング(15)を配置し、当該第一Oリング(15)で液密に固定した熱交換器(1)を提供する。
]本発明は、前記熱交換体おさえ(17)は略円筒状に形成され、前記第一端部に第一鍔部(17A)、前記第二端部に第二鍔部(17B)を有し、当該第二鍔部(17B)の体液ないし熱交換媒体との接液部分を鏡面に形成し、
当該第二鍔部(17B)側に突起部(17C)を形成した[1]に記載の熱交換器(1)を提供する。
]本発明は、前記ハウジング(2)の側部方向であってかつ当該ハウジング(2)の長さ方向に沿って体液を分散ないし集合させることのできる空間(SP)を形成した[1]または[2]に記載の熱交換器(1)を提供する。
]本発明は、前記内管(6)の側部方向の上部と下部にスリット(S)を形成し、当該内管(6)の内部に、前記第一熱媒体ポートから前記第二熱媒体ポート(9)または前記第二熱媒体ポート(9)から前記第一熱媒体ポート(8)へ熱媒体が直接流通するのを遮断し旋回させるための隔壁板(19)を配置し、
前記第一熱媒体ポート(8)または前記第二熱媒体ポート(9)から導入される熱媒体が、前記内管(6)の上部または下部のスリット(S)を経て、前記熱交換体(7)内部の溝(M)に流入し、
反対側の前記内管(6)の下部または上部のスリット(S)を経て、再び内管(6)内に流入し、
反対側の前記第二熱媒体ポート(9)または前記第一熱媒体ポート(8)から排出されるように形成した[1]から[3]のいずれか1項に記載の熱交換器(1)を提供する。
]本発明は、前記ハウジング(2)に連通管(22)を介して気泡トラップ(5)を外付し、当該気泡トラップ(5)に、体液排出ポート(11)を装着した[1]から[4]のいずれか1項に記載の熱交換器(1)を提供する。
]本発明は、前記熱交換体(7)は、外径20〜30mm、及び長さ50〜100mmを有し、
前記ハウジング(2)は、内径20〜31mm、及び長さ50〜120mmを有し、
前記熱交換体(7)の体液側のプライミング量は5〜15mLである[1]から[5]のいずれか1項に記載の熱交換器(1)を提供する。
〈1〉前記[1]に記載の発明によれば、
〈1−1〉ハウジング2の第一端部2A側は、熱交換体7の第一端部外周と熱交換体おさえ17の第二端部内周との間に、第二Oリング15を配置して、当該第二Oリング15で液密に固定し、かつ熱交換体7の第一端部内周と前記第一熱媒体ポート8の一端部外周との間に第一Oリング14を配置して、当該第一Oリング14で液密に固定し、
ハウジング2の第二端部2B側は、熱交換体7の第二端部内周と第二熱媒体ポート9の一端部外周との間に、第二Oリング14を配置して、当該第二Oリング15で液密に固定し、かつ熱交換体7の第二端部外周とハウジング2の第二端部2Bの内周との間に第一Oリング15を配置し、当該第一Oリング15で液密に固定しているので、
従来の熱交換器で使用されていた固定剤(ウレタン等のポッテイング剤)の経時劣化に起因する液漏れを確実に防止することができる。
さらにいえば、特許文献2(特開平11−47269号)のようにウレタン等のポッテイング(固定)を使用しないので、経時劣化がほとんどなく、液漏れが生じにくい。
〈1−2〉また各構成部品(成形品等)を高分子ポッテング剤(例えば、ポリウレタン)ではなく、接着剤で固定できるので、気泡溜りが生じにくい。また各構成部品(成形品等)を間接的に高分子ポッテング剤(例えば、ポリウレタン)で固定しても、構造上、高分子ポッテング剤は、体液、熱媒体等と直接接触しないように形成されているので、気泡溜りが生じにくい。
〈1−3〉ハウジング2の両端部(第一端部2Aと第二端部2B)第一カバー3と第二カバー4を装着して、第一熱媒体ポート8と第二熱媒体ポート9をハウジング2を固定することにより、各部品の固定が安定化し、製造工程も簡素化することができる。特許文献2のようにウレタン等のポッテイング(固定)注入用の装置が不要であるから、手動で組み立て可能となる。
〈2〉前記[2]に記載の発明によれば、熱交換体おさえ17の第二鍔部17Bの体液ないし熱交換媒体との接液部分を鏡面に形成することにより、この部分に気泡が付着することがなく、また当該第二鍔部17B側に突起部17Cを形成することにより、プライミング時にハウジングの上下の隅に生じやすい気泡溜まりを防ぐことができる。
〈3〉前記[3]に記載の発明によれば、ハウジング2の長さ方向に沿って体液を分散ないし集合させることのできる空間SPを形成しているので、熱交換性能が向上させることができる。
〈4〉前記[4]に記載の発明によれば、ハウジング2に連通管22を介して気泡トラップ5を外付すること、及び/又は、内管6の上下にスリットSを形成し、内管6の内部に、第一熱媒体ポート8から第二熱媒体ポート9または第二熱媒体ポート9から第一熱媒体ポート8へ熱媒体が直接流通するのを遮断し、旋回流として旋回させるための隔壁板19を配置することにより、熱交換体(例えばベローズ管等)のサイズを従来のものよりも、はるかに小さくすることにより熱交換器全体のサイズをコンパクト化、軽量化することができる。
〈5〉熱交換体(例えばベローズ管等)のサイズを従来のものよりも、はるかに小さくすることにより、体液側のプライミング量を低減することにより、術中の体外循環血液(体液)量が最小限に抑えられる。
〈6〉熱交換器全体のサイズをコンパクト化したにもかかわらず、従来の熱交換器よりも熱交換性能が向上させることができる。
図1は、本発明の熱交換器の一例を示す外観図[(A)正面図(B)平面図(C)底面図(D)左側面図(E)右側面図]、図2は本発明の熱交換器の拡大断面図、図3は図1のA―A´断面図(B方向矢視図)である。
本発明の熱交換器1は、図1から図3に例示するように、筒状の細長いハウジング2と、当該ハウジング2の内部に配置される熱交換体7と、当該ハウジング2の端部に装着される気泡トラップ5とから構成される。
本発明の熱交換器1の構造の特徴は、ハウジング2の(大径の)第一端部2A側は、熱交換体7の第一端部外周と熱交換体おさえ17の第二端部内周との間に、第二Oリング15を配置して、当該第二Oリング15で液密に固定し、かつ熱交換体7の第一端部内周と前記第一熱媒体ポート8の一端部外周との間に第一Oリング14を配置して、当該第一Oリング14で液密に固定している点である。
またハウジング2の(小径の)第二端部2B側は、熱交換体7の第二端部内周と第二熱媒体ポート9の一端部外周との間に、第二Oリング14を配置して、当該第二Oリング15で液密に固定し、かつ熱交換体7の第二端部外周とハウジング2の第二端部2Bの内周との間に第一Oリング15を配置し、当該第一Oリング15で液密に固定している点である。
以下各構成部品ついて詳述する。
[ハウジング2]
ハウジング2は筒状に形成され、長さ方向と当該長さ方向と略垂直に交わる側部方向とを有し、前記長さ方向に大径の第一端部2Aと小径の第端部2Bを有する。
大径の第一端部2Aの開口部は、熱交換体7が挿入できる大きさに形成され、小径の第端部2B側には、(環状の)段部2Dが形成され、当該段部2Dに熱交換体7の端部(注:図2の例示によれば蛇腹部分の端部)が突き当たって止まるようにしている。
また図1から図2に例示するように、ハウジング2の側部方向の底部には、体液室21と連通する体液(心筋保護液)導入ポート10が装着(一体成形)されている。
配置位置は、左右中央どの位置でも良い。
またハウジング2の側部方向であってかつ当該ハウジング2の長さ方向に沿って体液を分散ないし集合させることのできる空間SPを形成している。
またハウジング2の内部には、円筒状の熱交換体7が配置される。
ハウジング2内壁面と前記熱交換体7外周面との間の空間により体液室21を形成している。
また図1から図2に例示するように、ハウジング2には、体液室21と連通する気泡トラップ5が外付けされている。
[熱交換体7]
円筒状の熱交換体7は、ステンレス、アルミ等の金属もしくはポリエチレン、ポリカーボネート等の樹脂材料によりいわゆる細かな状に形成されている。
熱交換体7は、長さ方向と当該長さ方向と略垂直に交わる側部方向とを有し、長さ方向に第一端部と、第二端部とを有する。
なお熱交換体7の両端部(第一端部と第二端部)は(蛇腹を形成することなく)細径に形成され、その内外面は、第一Oリング14と第二Oリング15が密着できるようにフラット(平滑)に形成されている。
強度、熱交換効率の面からステンレス、アルミ等の金属が好ましい。特に、筒状熱交換体7の軸方向(中心軸)に対してほぼ直交する凹凸が多数繰り返された波状となっているベローズ管からなり、その外径はφ20〜30mm、谷部と山部の高さは2.0〜5.0mm程度が最も効率が良く、また熱交換器7の軸方向の長さは、使用される患者によって異なるが、50〜100mmの範囲のものが好ましい。熱交換体7の体液側のプライミング量(ハウジング2内壁面と熱交換体7外周面との間の空間により形成される体液室21のプライミング量を意味し、熱交換体7の蛇腹部分の空間も含む。気泡トラップ5の部分は含まない。)は5〜15mLと少ない方が効率は良い。
熱交換体7は熱交換体おさえ17により、ハウジング2に固定される。
熱交換体7とハウジング2の隙間は0〜1mmである。
[熱交換体おさえ17]
熱交換体おさえ17は熱交換体7を押さえながらハウジング2に固定する部品である。熱交換体おさえ17は、略円筒状(略環状も含む)に形成され、長さ方向と当該長さ方向と略垂直に交わる側部方向とを有し、前記長さ方向に第一端部と、第二端部とを有する。
両端部に、すなわち第一端部に第一鍔部17A、第二端部側に第二鍔部17Bを有し、第二鍔部17B側に突起部17Cを形成している。
図2の例示によれば本体(中央の略円筒状部)と第一鍔部17Aの形状は、ハウジング2の小径の第二端部2Bと段部2Dの形状と実質的に同じ形状に形成されている。
熱交換体おさえ17内周と熱交換体7端部外周の間に後述する第一Oリングおさえ16を配置して、これらの液密性を維持している。
熱交換体おさえ17とハウジング2は、接着剤で固定するか、相互の接触部に係合ないし係止用の突起ないし溝を形成して固定するか、或いはテーパー嵌合等により固定しても良い。また熱交換体おさえ17とハウジング2の隙間があまり多い場合は、ウレタンなどの高分子ポッテイング剤Pで塞ぐことができる。なお当該高分子ポッテイング剤は、図2に例示するように第二鍔部17Bとハウジング2との隙間を少なくすること(ほとんど密着に近い)により、体液、熱媒体等と直接接触しないように形成されているので、気泡溜りが生じにくい。
また熱交換体7の端部(蛇腹の端部)を押さえる面(第二鍔部17B側の前方壁面、第二鍔部17Bの体液ないし熱交換媒体との接液部分)を鏡面に形成することにより、この部分に気泡が付着することがなく、当該第二鍔部17B側に爪状の突起部17Cをハウジングの側部方向の上方かつまたは下方(底部)に配置されるように、形成することにより、プライミング時にハウジングの上下の隅に生じやすい気泡溜まりを防ぐことができる。
[内管6]
熱交換体7の内部に、細長い内管6が配置される。内管6は、長さ方向と当該長さ方向と略垂直に交わる側部方向とを有し、前記長さ方向に第一端部と、第二端部とを有する。
内管6の第一端部に、熱媒体室20と連通する第一熱媒体ポート8の一端部を装着し、内管6の第二端部に、熱媒体室20と連通する第二熱媒体ポート9の一端部を装着している。
内管6の内部空間により熱媒体室20を形成し、内管6の側部方向の上下には、図1、3に例示するように熱媒体を熱交換体7(ベローズ)内部へ連通させるための複数のスリットSが形成されている。(図2では、例示的にスリットSの一部を中央部に記載しているが、実際には内管6の長さ方向のほぼ全域に亘って形成される。)
スリットSは0.5mm〜5mmの溝あるいは開放面積が40mm2〜400mm2の隙間(狭いと圧力損失の増大、広いと流速低下)が望ましい。
さらに内管6内には、隔壁板19を斜めに傾斜して配置し、第一熱媒体ポート8から第二熱媒体ポート9または第二熱媒体ポート9から第一熱媒体ポート8へ熱媒体が直接流通するのを遮断し旋回流として旋回させる。
すなわち第一熱媒体ポート8または第二熱媒体9から導入される熱媒体は、上または下のスリットSを経て、熱交換体7(ベローズ)内部の溝Mに流入し、反対側の下または上のスリットSを経て、再び内管6内に流入し、反対側の第二の熱媒体ポート9または第一の熱媒体ポート8から排出される。
第一熱媒体ポート8、第二熱媒体ポート9]
図2に例示するように、ハウジング2の両端部には、熱媒体室20と連通する第一熱媒体ポート8と第二熱媒体ポート9が装着されている。
すなわち第一熱媒体ポート8と第二熱媒体ポート9は内管6と連通するように接続されている。
第一熱媒体ポート8と第二熱媒体ポート9と内管6は、相互の接触部に係合ないし係止用の突起ないし溝を形成して固定するか、或いはテーパー嵌合等により固定しても良い。また接着剤を用いて固定しても良い。
第一熱媒体ポート8と第二熱媒体ポート9のハウジング2側の端部外周は、凹凸の少ない曲面(管状体)になっており、熱交換体7端部内面と第一熱媒体ポート8と第二熱媒体ポート端部外周の間に第一Oリング14を配置して、これらの液密性を維持している。
第一熱媒体ポート8と第二熱媒体ポート9は図1、2の例示では、エルボ状(L字で下向き)に形成されているが、ストレート状に(まっすぐ横に伸びるように)形成しても良い。要するに市販のカプラ栓に接続できる形状であれば良い。
第一のカバー3と第二のカバー4]
ハウジング2両端部に、第一のカバー3と第二のカバー4を装着し、第一熱媒体ポート8と第二熱媒体ポート9をハウジング2に固定している。
第一のカバー3と第二のカバー4はハウジング2と第一熱媒体ポート8と第二熱媒体ポート9の固定を強固にする部品である。
また第二のカバー4に、連通管22の装着溝(図示せず)を形成することにより、気泡トラップ5も合わせて固定できる。
また第一のカバー3と第二のカバー4は、第一熱媒体ポート8と第二熱媒体ポート9がストレートであれば一部品で良いがL字の場合は二部品(例えば半円筒状の二ピースに分割したもの)なる。二部品の場合の接続は、相互の接触部に係合ないし係止用の突起ないし溝を形成して固定するか、或いはテーパー嵌合等により固定しても良い。また接着剤を用いて固定しても良い。
第一Oリングおさえ16、第二Oリングおさえ18]
本発明では、第一Oリング14と第二Oリング15を前記のように各部品(熱交換体7、熱交換体おさえ17、第一熱媒体ポート8と第二熱媒体ポート9)の間に配置して、各部品を液密に固定しているが、隙間ができるので各部品の間に第一Oリング14と第二Oリング15が振動などで動かないように隙間を減らす部品である。一部品でも二部品(例えば半円(筒)状の二ピースに分割したもの)でも良い。また成形品である必要もなく要するに第一Oリング14と第二Oリング15を動きにくくすることができれば良いのでウレタンのように固化する充填剤で代替しても良い。
第一Oリングおさえ16、第二Oリングおさえ18は、製品上なくてはならないものではなく、安全性の向上のためできればあったほうが良い部品である。
[気泡トラップ5]
気泡トラップ5は連通管22を介してハウジング2上側部に装着され、側部に体液排出ポート11、天面に気泡抜きポート12、側部に温度センサー装着ポート13、内部に100〜200メッシュのフィルター23が装着されている。異物や凝固血が存在した場合にフィルター23上に捕捉することができる。フィルターの材質はポリエステル系やポリウレタン等が用いられる。
本発明の熱交換器1は、例えば以下のように使用される。
(1)温水等の熱媒体は、第一熱媒体ポート8または第二熱媒体ポート9のいずれかから熱媒体室20内に導入され、他方の第一熱媒体ポート8または第二熱媒体ポート9のいずれかから排出される。すなわちシングルパスで、熱媒体室20内を通過する。
熱媒体室20には隔壁板19(一体成型で内管6内に配置された)が配置されているので、例えば第一熱媒体ポート8より流入した熱媒体は、図4に例示するように内管6の上側のスリットSを介して熱交換体7(ベローズ)内側の溝Mに沿って流れ、内管6の下側のスリットSより再び内管6内に入り第二熱媒体ポート9より流出する。また例えば第二ポート9より流入した熱媒体は、内管6の下側のスリットSを介して熱交換体7(ベローズ)内側の溝Mに沿って流れ、内管6の上側のスリットSより再び内管6内に入り第一熱媒体ポート8より流出する。
(2)体液導入ポート10から血液を導入すると、血液は、体液室21の底部から熱交換体7の外周を旋回しながら天井部へ向けて、移動し、連通管22、気泡トラップ5を経て、体液排出ポート11から排出される。
(3)血液中に含まれる気泡は、気泡トラップ5内で捕捉され、気泡抜きポート12より排出される。
次に本発明の熱交換器(実施例)と従来の熱交換器(比較例1、2)について、プライミング量、圧力損失、熱交換率等について示す。
(実施例)本発明の熱交換器(実施例)は、図1ないし図2に例示したものを使用した。
(比較例)比較例1は、AVECOR製 MYOtherm、比較例2は川澄化学工業製 Plegiorを使用した。実施例と比較例1、2の熱交換体の寸法(外径×長さ)と山の高さは、表1に記載のものを使用した。実施例と比較例1は熱交換体としてステンレス製ベローズを使用し、比較例2の熱交換体はアルミネジ状パイプを使用した。
なお実施例のハウジングは長さが95mm、外径が30mm、内径26mm、内管6は長さが84mm、外径が17mm、内径13mmのものを使用した。
(実験)上記の実施例および比較例1、2の熱交換器について、体液流速500mL/min(22℃)、熱媒体流速4L/min(0℃)における圧力損失、熱媒体のプライミング量、熱交換率を測定した。
圧力損失は体液側の導入口側圧力と排出口側圧力をハンディマノメータ(COPAL ELECTRONICS)で測定し、次式により求めた。
圧力損失=導入口側圧力−排出口側圧力
熱交換率は体液側に22℃の水を500mL/minの速度で、熱媒体(冷却水)側に0℃の水を4L/minの速度で流し、体液排出口側の温度と熱媒体(冷却水)導入口側の温度をサーモメータ(日機装YSI4000)にて測定し、次式により求めた。なお、体液側の水はクラレKM-30D、熱媒体(冷却水)側の水はトラベノールCOMPU-FLOの血液ポンプを用いた。
熱交換率=(体液側排出口温度−22)÷(冷却水導入口温度−22)
結果は、以下に示す表1の通りであった。
表1の結果により、本実施例の熱交換器は、比較例1、2のものよりも、熱交換体7の寸法を大幅に小型化でき、熱交換体の体液側のプライミング量を省力化できる。このように小型化しても圧力損失が小さく、熱交換率も向上させることができることが確認できた。
Figure 0004751073
本発明の熱交換器の外観図[(A)正面図(B)平面図(C)底面図(D)左側面図(E)右側面図] 本発明の熱交換器の拡大断面図 図1のA−A´断面図(B方向矢視図)
符号の説明
1 熱交換器
2 ハウジング
2A 第一端部(大径部)
2B 第二端部(小径部)
2D (第二端部2Bの段部)
第一のカバー
第二のカバー
5 気泡トラップ
6 内管
S スリット
7 熱交換体(ベローズ)
M 溝
第一熱媒体ポート
第二熱媒体ポート
10 体液導入ポート
11 体液排出ポート
12 気泡抜きポート
13 温度センサー装着ポート
14 第一Oリング
15 第二Oリング
16 第一Oリングおさえ(おさえ部材)
18 第二Oリングおさえ(おさえ部材)
17 熱交換体おさえ(おさえ部材)
17A 第一鍔部
17B 第二鍔部
17C 突起部
19 隔壁板
20 熱媒体室
21 体液室
22 連通管
23 フィルター
P ポッテイング剤

Claims (6)

  1. ハウジング(2)は、長さ方向と当該長さ方向と略垂直に交わる側部方向とを有し、前記長さ方向に大径の第一端部(2A)と小径の第端部(2B)を有し、
    前記ハウジング(2)の内部に円筒状の熱交換体(7)を配置し、
    当該熱交換体(7)は、長さ方向と当該長さ方向と略垂直に交わる側部方向とを有し、前記長さ方向に第一端部と、第二端部とを有し、
    前記熱交換体(7)内に内管(6)を配置し、
    当該内管(6)は、長さ方向と当該長さ方向と略垂直に交わる側部方向とを有し、前記長さ方向に第一端部と、第二端部とを有し、
    当該内管(6)の内部空間により熱媒体室(20)を形成し、
    前記ハウジング(2)内壁面と前記熱交換体(7)外周面との間の空間により体液室(21)を形成し、
    前記熱交換体(7)の第一端部に熱交換体おさえ(17)を装着し、
    当該熱交換体おさえ(17)は、長さ方向と当該長さ方向と略垂直に交わる側部方向とを有し、前記長さ方向に第一端部と、第二端部とを有し、
    前記内管(6)の第一端部に、前記熱媒体室(20)と連通する第一熱媒体ポート(8)の一端部を装着し、前記内管(6)の第二端部に、前記熱媒体室(20)と連通する第二熱媒体ポート(9)の一端部を装着し、
    前記ハウジング(2)の前記側部方向に前記体液室(21)と連通する体液導入ポート(10)を装着し、
    前記ハウジング(2)の第一端部に、第一のカバー(3)を装着し、第二端部に、第二のカバー(4)を装着し、
    前記第一熱媒体ポート(8)の一端部を、前記ハウジング(2)の第一端部(2A)に、前記第二熱媒体ポート(9)の一端部を、前記ハウジング(2)の第二端部(2B)に、それぞれ固定し
    前記ハウジング(2)の前記第一端部(2A)側は、
    前記熱交換体(7)の第一端部外周と前記熱交換体おさえ(17)の第二端部内周との間に、第二Oリング(15)を配置して、当該第二Oリング(15)で液密に固定し、
    前記熱交換体(7)の第一端部内周と前記第一熱媒体ポート(8)の一端部外周との間に第一Oリング(14)を配置して、当該第一Oリング(14)で液密に固定し、
    前記ハウジング(2)の第二端部(2B)側は、前記熱交換体(7)の第二端部内周と前記第二熱媒体ポート(9)の一端部外周との間に、第二Oリング(14)を配置して、当該第二Oリング(15)で液密に固定し、
    前記熱交換体(7)の第二端部外周と前記ハウジング(2)の第二端部(2B)の内周との間に第一Oリング(15)を配置し、当該第一Oリング(15)で液密に固定したことを特徴とする熱交換器(1)。
  2. 前記熱交換体おさえ(17)は略円筒状に形成され、前記第一端部に第一鍔部(17A)、前記第二端部に第二鍔部(17B)を有し、当該第二鍔部(17B)の体液ないし熱交換媒体との接液部分を鏡面に形成し、
    当該第二鍔部(17B)側に突起部(17C)を形成したことを特徴とする請求項1に記載の熱交換器(1)。
  3. 前記ハウジング(2)の側部方向であってかつ当該ハウジング(2)の長さ方向に沿って体液を分散ないし集合させることのできる空間(SP)を形成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱交換器(1)。
  4. 前記内管(6)の側部方向の上部と下部にスリット(S)を形成し、当該内管(6)の内部に、前記第一熱媒体ポートから前記第二熱媒体ポート(9)または前記第二熱媒体ポート(9)から前記第一熱媒体ポート(8)へ熱媒体が直接流通するのを遮断し旋回させるための隔壁板(19)を配置し、
    前記第一熱媒体ポート(8)または前記第二熱媒体ポート(9)から導入される熱媒体が、前記内管(6)の上部または下部のスリット(S)を経て、前記熱交換体(7)内部の溝(M)に流入し、
    反対側の前記内管(6)の下部または上部のスリット(S)を経て、再び内管(6)内に流入し、
    反対側の前記第二熱媒体ポート(9)または前記第一熱媒体ポート(8)から排出されるように形成したことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の熱交換器(1)。
  5. 前記ハウジング(2)に連通管(22)を介して気泡トラップ(5)を外付し、当該気泡トラップ(5)に、体液排出ポート(11)を装着したことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の熱交換器(1)。
  6. 前記熱交換体(7)は、外径20〜30mm、及び長さ50〜100mmを有し、
    前記ハウジング(2)は、内径20〜31mm、及び長さ50〜120mmを有し、
    前記熱交換体(7)の体液側のプライミング量は5〜15mLであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の熱交換器(1)。
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