JP4757360B2 - 不揮発性記憶素子、不揮発性記憶装置、不揮発性半導体装置、および不揮発性記憶素子の製造方法 - Google Patents

不揮発性記憶素子、不揮発性記憶装置、不揮発性半導体装置、および不揮発性記憶素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、不揮発性記憶素子、不揮発性記憶装置、不揮発性半導体装置、および不揮発性記憶素子の製造方法に関し、特に、印加される電気的信号に応じて抵抗値が変化する抵抗変化型のものに関する。
近年、デジタル技術の進展に伴い、携帯型情報機器および情報家電などの電子機器が、より一層高機能化している。そのため、不揮発性記憶素子の大容量化、書き込み電力の低減、書き込み/読み出し時間の高速化、および長寿命化の要求が高まっている。
こうした要求に対して、既存のフローティングゲートを用いたフラッシュメモリの微細化には限界があると言われている。他方、抵抗変化層を記憶部の材料として用いる不揮発性記憶素子(抵抗変化型メモリ)の場合、抵抗変化層を一対の電極で挟んで成る単純な構造の記憶素子で構成することができるため、さらなる微細化、高速化、および低消費電力化が期待されている。
抵抗変化層を記憶部として用いる場合には、例えば、電気的パルスの入力などによって、抵抗変化層を高抵抗状態から低抵抗状態へ、または低抵抗状態から高抵抗状態へと変化させる。この場合、低抵抗状態および高抵抗状態の2状態を明確に区別し、且つ低抵抗状態と高抵抗状態との間を高速に安定して変化させ、これら2状態が不揮発的に保持されることが必要になる。このようなメモリ特性の安定および記憶素子の微細化を目的として、従来から、種々の提案がなされている。
そのような提案の一つとして、抵抗変化層を構成する抵抗変化変材料としてタンタル酸化物を用いた不揮発性記憶素子が知られている(例えば、特許文献1参照)。このタンタル酸化物は、2元系であるため、組成制御および成膜が比較的容易である。その上、半導体製造プロセスとの整合性も比較的良好であるといえる。
国際公開第2008/059701号
ところで、上述のタンタル酸化物を抵抗変化材料として用いた不揮発性記憶素子においては、電極材料として、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)等が用いられている。これらの中でも白金は、これを電極材料として用いると不揮発性記憶素子が低い電圧で動作する(抵抗変化する)ので、好適な電極材料であるといえる。
しかしながら、白金を電極材料として用いると、不揮発性記憶素子の抵抗変化特性がばらつくという問題があった。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、タンタル酸化物を抵抗変化材料として用いかつ白金を電極材料として用いた不揮発性記憶素子であって、その抵抗変化特性のばらつきを低減することが可能な不揮発性記憶素子、及びその不揮発性記憶素子を用いた不揮発性記憶装置および不揮発性半導体装置、並びにその不揮発性記憶素子の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明者等は、白金を電極材料として用いた不揮発性記憶素子の抵抗変化特性におけるばらつきの原因を鋭意究明した結果、以下の結論に到達した。すなわち、白金電極膜においては、ヒロックと呼ばれる微小な突起物が発生することが報告されている。白金を電極材料として用いた不揮発性記憶素子において、電極に発生するヒロックが大きいと、抵抗変化層を挟む一対の電極が互いに接触してリーク電流が発生する可能性がある。また、ヒロックが抵抗変化層にまで到達すると、白金元素が抵抗変化層へ拡散する可能性がある。さらに、ヒロックには電界が集中すると想定されるが、ヒロックが不揮発性記憶素子毎に不規則に発生すると、不揮発性記憶素子間において、抵抗変化現象における抵抗値や電流値がばらつくと考えられる。
以上のことから、白金を電極材料として用いた不揮発性記憶素子の抵抗変化特性におけるばらつきの原因は、白金から成る電極に発生するヒロックであろうという結論に到達した。
ところで、抵抗変化層の抵抗変化材料としてタンタル酸化物を用いた不揮発性記憶素子における抵抗変化のメカニズムは、後で詳しく説明するように、電極に電圧を印加することによって、抵抗変化層の当該電極との界面近傍部に酸素が集まったりそこから散らばったりすることによって当該界面近傍部の抵抗値が高くなったり低くなったりし、それに応じて抵抗層変化層全体の抵抗値が高くなったり低くなったりするというものであると考えられる。
また、本発明者等は、別途、実験等により、電極を構成する材料(以下、電極材料という)の標準電極電位が抵抗変化層を構成する遷移金属酸化物の当該遷移金属(ここではタンタル)の標準電極電位に対し相対的に高い程、抵抗変化が起こり易いという知見を得た。白金は特許文献1に開示された電極材料の中で、標準電極電位がタンタルに対し相対的に最も高い電極材料であるので、白金を電極材料として用いた不揮発性記憶素子が低い電圧で動作することに対しては、このことが大きく寄与していると考えられる。しかしながら、電極にヒロックが存在すると、そのヒロックに電界が集中して抵抗変化層に生じる電界強度が高くなるので、このヒロックが存在することも、白金を電極材料として用いた不揮発性記憶素子が低い電圧で動作することに対して少なからず寄与していると考えられる。
そうすると、白金を電極材料として用いた不揮発性記憶素子の抵抗変化特性におけるばらつきを無くすために、電極にヒロックが全く発生しないようにすることも得策でないと考えられる。そこで、電極材料を白金と他の金属との合金にすることでヒロックの発生程度を制御することが考えられるが、この場合、当該合金のタンタルに対する相対的な標準電極電位を考慮する必要がある。
そこで、本発明の不揮発性記憶素子は 第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に介在し、前記第1電極と前記第2電極との間に与えられる電気的信号に基づいて可逆的に抵抗値が変化する抵抗変化層と、を備え、前記抵抗変化層は、第1のタンタル酸化物を含む第1のタンタル酸化物層と前記第1のタンタル酸化物と酸素含有率が異なる第2のタンタル酸化物を含む第2のタンタル酸化物層とが積層されて構成され、且つ前記第1のタンタル酸化物をTaOと表した場合に0<x<2.5を満足し、且つ前記第2のタンタル酸化物をTaOと表した場合にx<y≦2.5を満足するように構成されており、前記第2電極が前記第2のタンタル酸化物層と接触しており、且つ前記第2電極が白金とタンタルとで構成されている。
この構成によれば、第2電極を白金とタンタルとで構成することにより、ヒロックの発生の程度を制御することができる。その結果、不揮発性記憶素子の抵抗変化特性のばらつきを低減することができる。また、第2電極がタンタルを含むことにより、層間絶縁層との密着性が向上する。
前記第2電極は、白金含有率が27atm%以上92atm%以下であることが好ましい。
さらに、前記第2電極は、白金含有率が56atm%以上92atm%以下であることが好ましい。
この構成によれば、不揮発性記憶素子の抵抗変化を可能にしつつそのばらつきを低減することができる。
前記第2のタンタル酸化物層の膜厚をY(nm)と表した場合に、前記第2電極の白金含有率の上限値が
「3.65Y+60.7」(atm%)
で規定される値であることが好ましい。
また、本発明の不揮発性記憶装置は、
半導体基板と、
前記半導体基板の上に互い平行に形成された複数の第1の配線と、前記複数の第1の配線の上方に前記半導体基板の主面に平行な面内において互いに平行に且つ前記複数の第1の配線に立体交差するように形成された複数の第2の配線と、前記複数の第1の配線と前記複数の第2の配線との立体交差点に対応して設けられ、互いに直列接続された不揮発性記憶素子と、非線形の電流電圧特性を有する電流抑制素子とを備えるメモリアレイと、を備え、
前記不揮発性記憶素子のそれぞれは、前記第1の配線と前記第2の配線との間に介在し、前記第1の配線と電気的に接続する第1電極、前記第2の配線と電気的に接続する第2電極、および前記第1電極と前記第2電極との間に与えられる電気的信号に基づいて可逆的に抵抗値が変化する抵抗変化層を備え、
前記抵抗変化層は、第1のタンタル酸化物を含む第1のタンタル酸化物層と前記第1のタンタル酸化物と酸素含有率が異なる第2のタンタル酸化物を含む第2のタンタル酸化物層とが積層されて構成され、且つ前記第1のタンタル酸化物をTaOと表した場合に0<x<2.5を満足し、且つ前記第2のタンタル酸化物をTaOと表した場合にx<y≦2.5を満足するように構成されており、
前記第2電極が前記第2のタンタル酸化物層と接触しており、且つ前記第2電極は白金とタンタルとで構成されている。
前記メモリアレイが前記半導体基板の上に複数積層されてなる多層化メモリアレイを備えてもよい。
また、本発明の不揮発性記憶装置は、
半導体基板と、
前記半導体基板上に形成された、互いに平行に形成された複数のワード線と、
前記複数のワード線と立体交差するように配列され、互いに平行に形成された複数のビット線と、
前記複数のワード線または前記複数のビット線のいずれか一方と平行に配列され、互いに平行に形成された複数のプレート線と、
前記複数のワード線および前記複数のビット線の立体交差点に対応してそれぞれ設けられた複数のトランジスタと前記複数のトランジスタに一対一で対応して設けられた複数の不揮発性記憶素子とを備え、
前記複数の不揮発性記憶素子のそれぞれは、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に介在し、前記ビット線と前記プレート線との間に与えられ、ひいては、対応して設けられている前記トランジスタを介して前記第1電極と前記第2電極との間に与えられる電気的信号に基づいて可逆的に抵抗値が変化する抵抗変化層と、を備え、
前記不揮発性記憶素子の、前記第1電極及び前記第2電極のいずれか一方は、対応する前記トランジスタのソース及びドレインのいずれか一方と接続され、
前記複数のトランジスタのゲートは、対応するワード線と接続され、
前記不揮発性記憶素子の、前記第1電極及び前記第2電極のいずれか他方は、対応するビット線及びプレート線のいずれか一方と接続され、
前記トランジスタのソース及びドレインのいずれか他方は、対応するビット線及びプレート線のいずれか他方と接続され、
前記抵抗変化層は、第1のタンタル酸化物を含む第1のタンタル酸化物層と前記第1のタンタル酸化物と酸素含有率が異なる第2のタンタル酸化物を含む第2のタンタル酸化物層とが積層されて構成され、且つ前記第1のタンタル酸化物をTaOと表した場合に0<x<2.5を満足し、且つ前記第2のタンタル酸化物をTaOと表した場合にx<y≦2.5を満足するように構成されており、
前記第2電極が前記第2のタンタル酸化物層と接触しており、且つ前記第2電極は白金とタンタルとで構成されている。
また、本発明の不揮発性半導体装置は、半導体基板と、前記半導体基板上に形成された、所定の演算を実行する論理回路と、前記半導体基板上に形成された、プログラム機能を有する不揮発性記憶素子と、を備え、
前記不揮発性記憶素子は、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に介在し、第1電極と第2電極との間の電圧に基づいて可逆的に抵抗値が変化する抵抗変化層と、を備えており、
前記抵抗変化層は、第1のタンタル酸化物を含む第1のタンタル酸化物層と前記第1のタンタル酸化物と酸素含有率が異なる第2のタンタル酸化物を含む第2のタンタル酸化物層とが積層されて構成され、且つ前記第1のタンタル酸化物をTaOと表した場合に0<x<2.5を満足し、且つ前記第2のタンタル酸化物をTaOと表した場合にx<y≦2.5を満足するように構成されており、
前記第2電極が前記第2のタンタル酸化物層と接触しており、且つ前記第2電極は白金とタンタルとで構成されている。
また、本発明の不揮発性記憶素子の製造方法は、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に介在し、前記第1電極と前記第2電極との間に与えられる電気的信号に基づいて可逆的に抵抗値が変化する抵抗変化層と、を備え、前記抵抗変化層は、第1のタンタル酸化物を含む第1のタンタル酸化物層と前記第1のタンタル酸化物と酸素含有率が異なる第2のタンタル酸化物を含む第2のタンタル酸化物層とが積層されて構成され、且つ前記第1のタンタル酸化物をTaOと表した場合に0<x<2.5を満足し、且つ前記第2のタンタル酸化物をTaOと表した場合にx<y≦2.5を満足するように構成されており、前記第2電極が前記第2のタンタル酸化物層と接触しており、且つ前記第2電極は白金とタンタルとで構成されている、不揮発性記憶素子の製造方法であって、
前記第2電極を、白金ターゲットとタンタルターゲットとを用いた同時放電スパッタ法により形成し、各ターゲットに印加するパワー強度を調整することにより前記白金とタンタルとで構成されている第2電極の組成を制御する。
また、本発明の不揮発性記憶素子の製造方法は、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に介在し、前記第1電極と前記第2電極との間に与えられる電気的信号に基づいて可逆的に抵抗値が変化する抵抗変化層と、を備え、前記抵抗変化層は、第1のタンタル酸化物を含む第1のタンタル酸化物層と前記第1のタンタル酸化物と酸素含有率が異なる第2のタンタル酸化物を含む第2のタンタル酸化物層とが積層されて構成され、且つ前記第1のタンタル酸化物をTaOと表した場合に0<x<2.5を満足し、且つ前記第2のタンタル酸化物をTaOと表した場合にx<y≦2.5を満足するように構成されており、前記第2電極が前記第2のタンタル酸化物層と接触しており、且つ前記第2電極は白金とタンタルとで構成されている不揮発性記憶素子の製造方法であって、
前記白金とタンタルとで構成されている第2電極の材料を、白金とタンタルとの合金で構成されたターゲットを用いたスパッタ法により形成する。
本発明は以上に説明したように構成され、タンタル酸化物を抵抗変化材料として用いかつ白金を電極材料として用いた不揮発性記憶素子であって、その抵抗変化特性のばらつきを低減することが可能な不揮発性記憶素子等を提供できるという効果を奏する。
本発明の第1の実施の形態に係る不揮発性記憶素子の一構成例を示した断面図である。 同時放電スパッタ法によりTaを含む白金電極を形成する場合における、パワー印加比(Ta/白金)と白金含有率との関係を示す図である。 本発明の第1の実施形態にかかる不揮発性記憶素子における電極層の白金含有率と初期抵抗値との関係を示す図であり、(a)は高酸化層の膜厚が8.0nmの場合を、(b)は高酸化層の膜厚が3.6nmの場合の結果を示す。 初期抵抗値のばらつきが許容される電極層の白金含有率と高抵抗層106の膜厚との関係を示す図である。 情報を書き込む場合における本発明の第1の実施の形態に係る不揮発性記憶素子の動作例を示す図である。 情報を読み出す場合における本発明の第1の実施の形態に係る不揮発性記憶素子の動作例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る不揮発性記憶素子が備える抵抗変化層の抵抗値とパルス印加回数との関係を示す図であって、第2電極層の白金含有率が92atm%の場合の関係を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る不揮発性記憶素子が備える抵抗変化層の抵抗値とパルス印加回数との関係を示す図であって、第2電極層の白金含有率が27atm%の場合を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る不揮発性記憶素子が備える抵抗変化層の抵抗値とパルス印加回数との関係を示す図であって、第2電極層の白金含有率が70atm%の場合を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る不揮発性記憶素子が備える抵抗変化層の抵抗値とパルス印加回数との関係を示す図であって、第2電極層の白金含有率が86atm%の場合を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る不揮発性記憶素子が備える抵抗変化層の抵抗値とパルス印加回数との関係を示す図であって、第2電極層の白金含有率が89atm%の場合を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る不揮発性記憶素子が備える抵抗変化層の抵抗値とパルス印加回数との関係を示す図であって、第2電極層の白金含有率が92atm%の場合を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る不揮発性記憶素子が備える抵抗変化層の抵抗値とパルス印加回数との関係を示す図であって、第2電極層の白金含有率が95atm%の場合を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る不揮発性記憶素子が備える抵抗変化層の抵抗値とパルス印加回数との関係を示す図であって、第2電極層の白金含有率が100atm%の場合の関係を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る不揮発性記憶素子の断面TEM観察像を示す図であり、(a)は第2電極層の白金含有率が100atm%の場合を、(b)は第2電極層の白金含有率が92atm%の場合を、(c)は第2電極層の白金含有率が83atm%の場合を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る不揮発性記憶素子において発生する白金のマイグレーションの様子を表すモデル図であり、(a)は第2電極層の白金含有率が83atm%以上92atm%未満の場合を、(b)は第2電極層の白金含有率が92atm%以上の場合を、(c)は第2電極層の白金含有率が83atm%未満の場合を示す図である。 Taを含む白金電極層材料の白金含有率と標準電極電位の関係を示す図である。 Taを含む白金電極層と絶縁膜の密着性を示すSEM断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る不揮発性記憶素子の変形例の構成を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る不揮発性記憶装置の構成を示すブロック図である。 図13におけるA部の構成(4ビット分の構成)を示す斜視図である。 本発明の第2の実施の形態に係る不揮発性記憶装置が備える不揮発性記憶素子の構成を示す断面図である。 本発明の多層化構造の不揮発性記憶装置が備えるメモリアレイの構成を示す斜視図である。 本発明の第3の実施の形態に係る不揮発性記憶装置の構成を示すブロック図である。 図19におけるC部の構成(2ビット分の構成)を示す断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る不揮発性記憶装置のセル電流値と抵抗値の正規期待値との関係を示す図であって、第2電極層の白金含有率が100atm%の場合を示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係る不揮発性記憶装置のセル電流値と抵抗値の正規期待値との関係を示す図であって、第2電極層の白金含有率が95atm%の場合を示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係る不揮発性記憶装置のセル電流値と抵抗値の正規期待値との関係を示す図であって、第2電極層の白金含有率が92atm%の場合を示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係る不揮発性記憶装置のセル電流値と抵抗値の正規期待値との関係を示す図であって、第2電極層の白金含有率が89atm%の場合を示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係る不揮発性記憶装置のセル電流値と抵抗値の正規期待値との関係を示す図であって、第2電極層の白金含有率が86atm%の場合を示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係る不揮発性記憶装置のパルス印加回数とIHR/ILR比の関係を示す図であって、第2電極層の白金含有率が100atm%の場合を示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係る不揮発性記憶装置のパルス印加回数とIHRおよびILRの関係を示す図であって、第2電極層の白金含有率が97atm%の場合を示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係る不揮発性記憶装置のパルス印加回数とIHRおよびILRの関係を示す図であって、第2電極層の白金含有率が92atm%の場合を示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係る不揮発性記憶装置のパルス印加回数とIHRおよびILRの関係を示す図であって、第2電極層の白金含有率が89atm%の場合を示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係る不揮発性記憶装置のIHRおよびILRと抵抗値の正規期待値との関係を示す図であって、第2電極層の白金含有率が100atm%の場合を示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係る不揮発性記憶装置のIHRおよびILRと抵抗値の正規期待値との関係を示す図であって、第2電極層の白金含有率が97atm%の場合を示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係る不揮発性記憶装置のIHRおよびILRと抵抗値の正規期待値との関係を示す図であって、第2電極層の白金含有率が92atm%の場合を示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係る不揮発性記憶装置のIHRおよびILRと抵抗値の正規期待値との関係を示す図であって、第2電極層の白金含有率が89atm%の場合を示す図である。 本発明の第4の実施の形態に係る不揮発性半導体装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第4の実施の形態に係る不揮発性半導体装置が備える救済アドレス格納レジスタの構成を示すブロック図である。 本発明の第4の実施の形態に係る不揮発性半導体装置が備える救済アドレス格納レジスタの構成を示す断面図である。 本発明の第4の実施の形態に係る不揮発性半導体装置の製造プロセスの主要な流れを示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳しく説明する。なお、全ての図を通じて同一または相当する要素には同一の参照符号を付し、その重複する説明を省略する場合がある。
(第1の実施の形態)
[不揮発性記憶素子の構成]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る不揮発性記憶素子の一構成例を示した断面図である。
図1に示すように、不揮発性記憶素子100は、基板101と、その基板101上に形成された酸化物層102と、その酸化物層102に形成された第1電極層103と、第2電極層105と、第1電極層103および第2電極層105に挟まれた抵抗変化層104とを備えている。抵抗変化層104は、ここでは、第1電極層103の上に形成された低酸化層107とこの低酸化層107の上に形成された高酸化層108とで構成されている。
この不揮発性記憶素子100を駆動する場合、外部の電源によって所定の条件を満たす電圧(電気信号)を第1電極層103と第2電極層105との間に印加する。電圧印加の方向(電圧の極性)に従い、不揮発性記憶素子100の抵抗変化層104の抵抗値が、増加または減少する。例えば、所定の閾値電圧よりも大きなパルス電圧が印加された場合、抵抗変化層104の抵抗値が増加または減少する一方で、その閾値電圧よりも小さなパルス電圧が印加された場合、抵抗変化層104の抵抗値は変化しない。
第1電極層103および第2電極層105の少なくとも一方は、Taを含む白金(白金−Ta)で構成されている。なお、Taを含む白金材料で構成されていない電極の材料には、特に制限は無い。以下、では、第1電極層103がTaNで構成され、第2電極層105がTaを含む白金で構成されている構成を例示する。
抵抗変化層104は、タンタル酸化物で構成されている。ここで、このタンタル酸化物は、TaOと表した場合に0<x<2.5を満足するものである。xがこの範囲内にある理由については後述するが、換言すると、このタンタル酸化物は、化学量論的な組成に比べて酸素の数が不足した酸素不足型のタンタル酸化物である。また、低酸化層107と高酸化層108とは互いにタンタル酸化物の酸素含有率が異なっていて、高酸化層108の酸素含有率が低酸化層107の酸素含有率より高い。なお、高酸化層108を省略して、抵抗変化層104を単独のタンタル酸化物層で構成してもよい。また、抵抗変化層104を3以上のタンタル酸化物層で構成してもよい。また、抵抗変化層104を単独のタンタル酸化物層で構成し、その厚み方向において酸素含有率にプロファイルを持たせてもよい。
なお、基板101としては、シリコン単結晶基板または半導体基板を用いることができるが、これらに限定されるわけではない。抵抗変化層104は比較的低い基板温度で形成することが可能であるため、樹脂材料などの上に抵抗変化層104を形成することができる。
[不揮発性記憶素子の製造方法]
次に、本実施の形態の不揮発性記憶素子100の製造方法について説明する。
まず、単結晶シリコンである基板101上に、厚さ200nmの酸化物層(SiOからなる絶縁層)102を熱酸化法により形成する。そして、第1電極層103としての厚さ100nmのTaN薄膜を酸化物層102上に形成する。
次に、第1電極層103上に、抵抗変化層104としての酸素不足型のタンタル酸化物膜を形成する。この成膜には、Taターゲットを用いた反応性RFスパッタ法を用いた。このときの成膜条件を表1に示す。
なお、抵抗変化層104の形成において、タンタル酸化物をターゲットとすることによって、Oなどの反応性ガスを使用しないスパッタ法を用いるようにしてもよい。
続いて、抵抗変化層104に酸化処理を行い、最表面層に高酸化層108としてTa層を膜厚2〜12nmの範囲で形成した。これにより、抵抗変化層104は、最表面層の高酸化層108と、最表面層以外の部分からなる低酸化層107とで構成されることとなる。なお、高酸化層108としてここではTa層を例示したが、高酸化層108として、低酸化層107より酸素含有率が高く且つTaより酸素含有率が低い層を形成してもよいことは言うまでもない。最後に、抵抗変化層104上に、第2電極層105としての厚さ50nmのTaを含む白金薄膜をRFスパッタ法により形成する。なお、第1電極層のみをTaを含む白金薄膜で形成する構造や、第1電極層および第2電極層の両方を、Taを含む白金薄膜で形成する構造でも本発明が有効であることは明らかである。
[白金−Ta電極膜の組成制御]
ここでTaを含む白金薄膜の作製方法について説明する。成膜は、白金とTaの同時放電によるDC−スパッタ法により行った。成膜時の真空度は1.0Paとし、印加DC−パワーは各ターゲットで50〜300Wとし、Ar流量は10sccmとし、且つ成膜時間は20分とした。各ターゲット単独での印加パワーと成膜速度との関係をもとに、同時放電における組成比を計算した。図2に、各ターゲットに印加したDCパワーの比と、計算される白金含有率(atm%)との関係を示す。さらに、分析した組成値をあわせて表示する。低エネルギーX線分析法により組成分析を行った。図2から明らかなように、計算値と分析値は非常によく一致した。従って、白金とTaの組成比は、各ターゲットのパワーを調整することで制御可能であった。
[白金−Ta電極膜の表面特性]
Taを含む白金電極膜(厚さ150nm)の表面粗さを原子間力顕微鏡(AFM)で分析した。この分析においては、原子間力顕微鏡は、Digital Instrunents 社製の”Dimension 3100”を用いた。その分析結果を表2に示す。平均表面粗さRaは白金含有率の低下とともに減少している。ここで、平均表面粗さRaは、JIS B 0601(1994)において定義される「算術平均粗さRa」である。白金単体の薄膜では表面粗さは1.3nm程度あったが、白金含有率が92atm%、Ta含有率が8atm%で表面粗さは0.53nmと40%程度に大きく減少した。これは、白金のマイグレーションが防止されたためと考えられる。

[不揮発性記憶素子の初期抵抗値]
次に、本実施の形態の不揮発性記憶素子100の初期抵抗値と第2電極層105の白金含有率の関係について図3(a)、(b)を参照して説明する。図3(a)、(b)は、電極サイズが1μm角(1μm□)および5μm角(5μm□)の素子部の初期抵抗値と第2電極層105の白金(Pt)含有率との関係を表している。図3(a)は高酸化層108の膜厚が8.0nmの場合を、図3(b)は高酸化層108の膜厚が3.6nmの場合の結果を示している。
図3(a)においては、第2電極層105の白金含有率が89atm%以下の組成では、不揮発性記憶素子100の初期抵抗値の値は比較的安定している。さらに白金含有率が80atm%未満では、抵抗値のばらつきはほとんど認められない。一方、第2電極層105の白金含有率が89atm%以上の組成では、白金含有率の増加とともに初期抵抗値の値が大きく減少するとともに抵抗値のばらつきが増加している。1μm□の電極サイズで比較した場合、白金含有率が100atm%の電極では初期抵抗値の最小値と最大値では5桁以上のばらつきが見られた。したがって、高酸化層108の膜厚が8.0nmの場合、素子の初期抵抗のばらつきの観点からは、第2電極層105の白金含有率は89atm%以下であることが望ましい。
図3(b)においては、第2電極層105の白金含有率が74atm%以下の組成では、不揮発性記憶素子100の初期抵抗値の値は比較的安定している。一方、第2電極層105の白金含有率が80atm%以上の組成では、白金含有率の増加とともに初期抵抗値の値が大きく減少している。従って、高酸化層108の膜厚が3.6nmの場合、不揮発性記憶素子100の初期抵抗のばらつきの観点からは、第2電極層105の白金含有率は74atm%以下であることが望ましい。
図3(a)および(b)の結果から、高酸化層108の膜厚によって、適切な第2電極層105の白金含有率が変化することがわかる。高酸化層108の膜厚が小さい場合には、白金ヒロックによる影響が大きいために初期抵抗値のばらつきが許容される白金含有率が低下すると推察される。図4に第2電極層105の許容される白金含有率と高酸化層108の膜厚との関係を示す。図3(a)、(b)より、高酸化層108の膜厚が8.0nmの場合には、白金含有率が89%以下の領域において初期抵抗のばらつきが小さく、高酸化層108の膜厚が3.6nmの場合には、白金含有率が74%以下の領域において初期抵抗のばらつきが小さい。さらに、図4における白金含有率が100%の場合のプロットは、高酸化層108の膜厚が10.6nmの場合における初期抵抗の測定値を示しており、この高酸化層108の膜厚が10.6nmの場合において初期抵抗のばらつきが小さかった。図4から明らかなように、これらのデータの間にはほぼ比例関係が認められる。一方、抵抗変化層104の最表面には自然酸化膜が形成されるために、2nmより薄い高酸化層108を形成することは困難であった。以上の結果より、高酸化層108の膜厚をY(nm)とした場合、初期抵抗値のばらつきが許容される白金含有率:Z(atm%)は、Z=3.65Y+60.7の関係式で表される。
なお、高酸化層108の膜厚が12nm以上の場合には、絶縁性が高く、直列に接続されたトランジスタの駆動能力不足により抵抗変化現象は確認できなかった。
[不揮発性記憶素子の動作例]
次に、本実施の形態の不揮発性記憶素子100のメモリとしての動作例、すなわち情報の書き込み/読み出しをする場合の動作例を、図面を参照して説明する。
図5は、情報を書き込む場合における本発明の第1の実施の形態に係る不揮発性記憶素子100の動作例を示す図である。
第1電極層103と第2電極層105との間(以下、電極間という場合がある)にパルス幅が100nsecの極性が異なる2種類の電気的パルスを交互に印加すると、抵抗変化層104の抵抗値が図3に示すように変化する。すなわち、負電圧パルス(電圧E1、パルス幅100nsec)を電極間に印加した場合、抵抗変化層104の抵抗値が、高抵抗値Rbから低抵抗値Raへ減少する。他方、正電圧パルス(電圧E2、パルス幅100nsec)を電極間に印加した場合、抵抗変化層104の抵抗値が、低抵抗値Raから高抵抗値Rbへ増加する。なお、本実施の形態では、第2電極層105の電位が第1電極層103の電位に対し高くなる電圧パルスを正電圧パルスといい、第2電極層105の電位が第1電極層103の電位に対し低くなる電圧パルスを負電圧パルスという。また、ここでは、電圧E1を−3.0Vとし、電圧E2を+3.5Vとしている。
この図5に示す例では、高抵抗値Rbを情報「0」に、低抵抗値Raを情報「1」にそれぞれ割り当てている。そのため、抵抗変化層104の抵抗値が高抵抗値Rbになるように正電圧パルスを電極間に印加することによって情報「0」が書き込まれることになり、また、低抵抗値Raになるように負電圧パルスを電極間に印加することによって情報「1」が書き込まれることになる。
図6は、情報を読み出す場合における本発明の第1の実施の形態に係る不揮発性記憶素子の動作例を示す図である。
情報の読み出しを行う場合、抵抗変化層104の抵抗値を変化させるときに印加する電気的パルスよりも振幅の小さい読み出し用電圧E3(|E3|<|E1|、|E3|<|E2|)を電極間に印加する。その結果、抵抗変化層104の抵抗値に対応した電流が出力され、その出力電流値を検出することにより、書き込まれている情報の読み出しが可能となる。
図6に示す例では、出力電流値Iaが抵抗値Raに、出力電流値Ibが抵抗値Rbにそれぞれ対応しているので、出力電流値laが検出された場合は情報「1」が、出力電流値lbが検出された場合は情報「0」がそれぞれ読み出されることになる。
以上のように、第1電極層103と第2電極層105とに挟まれた領域において、抵抗変化層104が記憶部として機能することにより、不揮発性記憶素子100がメモリとして動作することになる。
[不揮発性記憶素子の抵抗変化特性]
次に、本実施の形態の不揮発性記憶素子100に対して電気的パルスを印加した場合の抵抗変化特性について説明する。
図7は、本発明の第1の実施の形態に係る不揮発性記憶素子が備える抵抗変化層104の抵抗値とパルス印加回数との関係を示す図である。第2電極層105を構成する材料の白金含有率は92atm%であり、Ta含有率は8atm%である。この図7には、第1電極層103と第2電極層105との間にパルス幅が100nsecの極性が異なる2種類の電気的パルスを交互に印加した結果が示されている。
このように2種類の電気的パルスを交互に電極間に印加した結果、図7に示すように、抵抗変化層104の抵抗値は可逆的に変化した。具体的には、負電圧パルス(電圧−1.5V、パルス幅100nsec)を電極間に印加した場合、抵抗変化層104の抵抗値が減少して2000Ω(低抵抗値)となり、正電圧パルス(電圧+2.0V、パルス幅100nsec)を電極間に印加した場合、抵抗変化層104の抵抗値が増加して200000Ω(高抵抗値)となった。ここで、第2電極層105の電位が第1電極層103の電位に対し高くなる電圧パルスを正電圧パルスとし、第2電極層105の電位が第1電極層103の電位に対し低くなる電圧パルスを負電圧パルスとする。なお、この正負の極性の定義については、以下の説明においても同様とする。
この図7に示す結果は、抵抗変化層104の膜厚が25nmで、直径2μmの円形パターンのものである。以下の説明において、特に断りがない場合、抵抗変化層104のサイズはこのとおりである。
図8(a)乃至図8(g)は、第2電極層105を構成する材料の白金含有率が互いに異なる場合における、不揮発性記憶素子が備える抵抗変化層104の抵抗値とパルス印加回数との関係を示す図である。
図8(a)、図8(b)、図8(c)、図8(d)、図8(e)、図8(f)、および図8(g)は、それぞれ、第2電極層を構成する材料の白金含有率が27atm%、70atm%、86atm%、89atm%、92atm%、95atm%、および100atm%である場合における、不揮発性記憶素子が備える抵抗変化層104の抵抗値とパルス印加回数との関係を示している。
図8(a)乃至図8(g)から、すべての、第2電極層を構成する材料の白金含有率において、抵抗変化現象が確認された。従って、Taを含む白金薄膜材料を電極層に用いた場合でも、幅広い組成の範囲に対し広い抵抗変化領域を有していることがわかる。また、白金含有率の減少とともに抵抗変化を示すのに必要な電圧値が増加している。白金含有率が27atm%では、−3.5V/+4.0Vの電圧が必要である。従って、低電圧で良好な抵抗変化特性を得るためには白金含有率の下限範囲が存在すると推察される。
[白金−Ta電極膜の界面状態]
第2電極層105と抵抗変化層104との界面状態を透過電子顕微鏡(TEM)で観察した。図9に結果を示す。第2電極層105が白金単体である場合、第2電極層105と抵抗変化層104であるタンタル酸化物の界面には凹凸が認められる。これは、白金がマイグレーションを起こした結果、形成されたものであり、タンタル酸化物側へ深さ2〜5nmの突起状の凹凸形状が認められる。(図9(a))。第2電極層105の白金含有率が92atm%の場合には、TEMの観察視野範囲内に限定されるが第2電極層105のタンタル酸化物へのヒロック発生数が減少するとともに凹凸の深さも3nm程度に減少している(図9(b))。一方、第2電極層105の白金含有率が83atm%の場合には、白金のマイグレーションはほぼ認められない(図9(c))。このように、TEM観察の結果から、第2電極層105の白金含有量が減少するとともにマイグレーションが減少することが明らかとなった。この結果は、AFMによる表面粗さRaの白金含有率依存性の結果と一致している。このマイグレーションの有無が抵抗変化現象に影響を及ぼしていると推察される。
図10(a)乃至図10(c)は、本発明の第1の実施の形態に係る不揮発性記憶素子において発生する白金のマイグレーションの様子を表すモデル図である。これらのモデルにおいては、高酸化層としてTa層が示されているが、これは例示であり、高酸化層は、低酸化層としてのタンタル酸化物層(TaO層)より酸素含有率の高い層であればよく、下記のモデルと同様の作用効果を奏する。これらの図に示すように、第2電極層105の白金含有率が高いほど、白金のマイグレーションに起因する突起(凹凸)部がタンタル酸化物層へ延伸する(図10(a))。そして、このマイグレーションに起因する突起部に電界が集中する。この結果、マイグレーションが無い界面状態と比較してより低電圧で酸化還元反応が起こり、抵抗変化現象が発生すると考えられる。
マイグレーションによる突起部分の厚さが大きい(凹凸が深い)場合には、最表面に形成された抵抗率の高いTa層を超えて、内部の抵抗率の低いタンタル酸化物(TaO)層までマイグレーションに起因する白金突起部分が成長すると考えられる(図10(b))。従って、マイグレーションに起因する突起がTa層までしか到達していない場合(図10(c))と比較して、より低い電圧で抵抗変化現象を発現すると推測される。第2電極層105の白金含有率が83atm%以上92atm%以下では、−2.0V/+3.0Vの電圧が必要である。しかし第2電極層105の白金含有率が92atm%以上では、マイグレーション起因突起の効果により−1.5V/+2.0Vのより低い電圧で抵抗変化現象が発生したと考えられる。
[不揮発性記憶素子の標準電極電位]
これまでの検討結果から、抵抗変化現象は、(式1)で示されるように、電極層との界面近傍の高酸化層を構成するタンタル酸化物の酸化還元反応に起因すると推察している。
2TaO + O2− → Ta + 2e (式1)
電極に負の電圧を印加した場合には、電子が注入されることにより還元反応が進行しTaOが抵抗変化層の最表面に存在する状態になる。その結果、低抵抗状態が発現すると考えられる。一方、電極に正の電圧を印加した場合には、酸素イオンの移動により酸化反応が進行しTaが抵抗変化層の最表面に存在する状態となる。その結果、高抵抗状態が発現すると推察される。(式1)に示される酸化還元反応が効率的に進行するためには、隣接する電極層の材料の標準電極電位が、Taよりも高いことが少なくとも必要である。Taおよび白金の標準電極電位はそれぞれ−0.6(V)および1.19(V)であり、1(V)以上の電位差が存在する。従って、(式1)の反応が効率的に進行すると考えられる。
白金電極を使用した場合と同等以上の抵抗変化現象を発現するためには、白金と同等以上の標準電極電位をもつ電極材料が必要になると考えられる。そこで、Taを含む白金薄膜の標準電極電位を測定した。測定結果を図11に示す。白金含有率が56atm%以上では、標準電極電位は0.97V以上でほぼ一定であった。この値は白金単体の電極膜の測定値とほぼ同じであった。従って、白金含有率が56atm%以上であれば白金と同様の抵抗変化現象が生じることが期待される。
なお、白金の標準電極電位と同等の電極材料は、本実施例で示したTaを含む白金だけに限定されるわけではない。Taよりも標準電極電位が高い金属を含む白金材料を電極層としても、白金の標準電極電位と同等の標準電極電位を有することが予想され、本発明に有効であると考えられる。
[白金含有率の範囲]
以上の抵抗変化素子の抵抗変化特性の結果から判断して、Taを含む白金電極材料の組成範囲は、少なくとも56atm%以上であることが望ましい。すなわち、白金含有率の下限値は、標準電極電位が白金単体と同じ値を示すことから56atm%以上であることが望ましいと考えられる。一方、白金含有率の上限値は、図4に許容される電極層中の白金含有率と高抵抗層106の膜厚の関係から規定される。高抵抗層の膜厚をY(nm)とした場合、初期抵抗値のばらつきが許容される白金含有率:Z(atm%)は、Z=3.65Y+60.7の関係式で表される値が上限値となる。
[絶縁体との密着性]
従来、電極層に白金薄膜を使用した場合、絶縁層(層間絶縁膜)であるSiO膜と第2電極層間の密着性が低いために空隙が発生するといった課題が見られた。しかし、本実施の形態の不揮発性記憶素子100では、第2電極層にTaを含む白金薄膜使用している。この結果、絶縁層であるSiO層との密着性の向上が期待される。絶縁膜と電極層間の密着性を、パターンを施した電極層/抵抗変化層と絶縁材料で構成された素子で確認した。断面SEM(走査型電子顕微鏡)観察結果を図12に示す。断面SEM像からは、白金膜と絶縁膜間に空隙は認められておらず、密着性の向上が確認できた。なお、図12において、PT−Ta(白金−Ta)電極層の表面から絶縁層の表面に至るように延びる2本の白線はコンタクトホール(正確にはその内周面の断面)を示している。
なお、本実施の形態では、図1に示したとおり、抵抗変化層104が、下方に設けられた第1電極層103と、上方に設けられた第2電極層105とによって挟まれるように構成されており、しかも抵抗変化層104の両端部と第2電極層105の両端部とが断面視で揃っているが、これは一例であり、本発明はこのような構成に限定されるわけではない。
図13(a)乃至図13(c)は、本発明の第1の実施の形態に係る不揮発性記憶素子の変形例の構成を示す断面図である。なお、これらの図13(a)から(c)においては、基板および酸化物層を便宜上省略している。
図13(a)に示す変形例では、第1電極層103A、抵抗変化層104A、および第2電極層105Aがこの順に積層されて構成されており、これらの第1電極層103A、抵抗変化層104A、および第2電極層105Aの両端部は断面視で揃っていない。これに対し、図13(b)に示す変形例では、同じく第1電極層103B、抵抗変化層104B、および第2電極層105Bが積層されて構成されているものの、これらの第1電極層103B、抵抗変化層104B、および第2電極層105Bの両端部が断面視ですべて揃っている。本発明の不揮発性記憶素子は、このように構成されていてもよい。
また、本実施の形態に係る不揮発性記憶素子100、および上記の2つの変形例においては、いずれも抵抗変化層が上下に配された電極で挟まれるように構成されているが、抵抗変化層の両端面に電極を形成することによって、抵抗変化層の主面に平行な方向に電流を流すような構成であってもよい。すなわち、図13(c)に示すように、抵抗変化層104Cの一方の端面に第1電極103Cを、他方の端面に第2電極105Cをそれぞれ形成し、その抵抗変化層104Cの主面に平行な方向に電流を流すように構成されていてもよい。
ところで、図示していないが、本実施の形態に係る不揮発性記憶素子は絶縁層(層間絶縁膜)を備えている。なお、CVD法などによって弗素ドープの酸化膜を形成し、これを絶縁層とするようにしてもよい。また、絶縁層を備えない構成であってもよい。
また、同様にして、図示していないが、本実施の形態に係る不揮発性記憶素子は配線層を備えている。配線材料としては、例えば、Al、W、Cuなどを用いることができる。なお、この配線層を備えない構成であってもよい。
なお、前記抵抗変化層104をTaOと表した場合に、0<x≦1.9が満たされていることが好ましい。また、0.5≦x≦1.9が満たされていることがより好ましく、さらに、安定した抵抗変化動作を実現する上では、0.8≦x≦1.9が満たされていることがさらにより好ましい。
また、抵抗変化層104を低酸化層と高酸化層の積層構造にて構成した場合に、低酸化層107をTaO、高酸化層108をTaOと表した場合には、0<x<2.5を満たし、x<y≦2.5を満たすことが好ましい。さらに、安定した抵抗変化動作を実現する上では、0.8≦x≦1.9を満たし、2.1≦y≦2.5が満たされていることがより好ましい。
(第2の実施の形態)
上述した第1の実施の形態に係る不揮発性記憶素子は、種々の形態の不揮発性半導体装置へ適用することが可能である。第2の実施の形態に係る半導体装置は、第1の実施の形態に係る不揮発性記憶素子を備える不揮発性記憶装置であって、ワード線とビット線との交点(立体交差点)にメモリセルを介在させた、いわゆるクロスポイント型の記憶装置である。
[第2の実施の形態に係る半導体装置の構成]
図14は、本発明の第2の実施の形態に係る不揮発性記憶装置の構成を示すブロック図である。また、図15は、図14におけるA部の構成(4ビット分の構成)を示す斜視図である。
図14に示すように、本実施の形態に係る不揮発性記憶装置200は、半導体基板上に、メモリ本体部201を備えており、このメモリ本体部201は、メモリアレイ202と、行選択回路/ドライバ203と、列選択回路/ドライバ204と、情報の書き込みを行うための書き込み回路205と、選択ビット線に流れる電流量を検出し、データ「1」または「0」と判定するセンスアンプ206と、端子DQを介して入出力データの入出力処理を行うデータ入出力回路207とを具備している。また、不揮発性記憶装置200は、外部から入力されるアドレス信号を受け取るアドレス入力回路208と、外部から入力されるコントロール信号に基づいて、メモリ本体部201の動作を制御する制御回路209とをさらに備えている。
メモリアレイ202は、図14および図15に示すように、半導体基板の上に互いに平行に形成された複数のワード線WL0,WL1,WL2,…と、これらの複数のワード線WL0,WL1,WL2,…の上方にその半導体基板の主面に平行な面内において互いに平行に、しかも複数のワード線WL0,WL1,WL2,…に立体交差するように形成された複数のビット線BL0,BL1,BL2,…とを備えている。
また、これらの複数のワード線WL0,WL1,WL2,…と複数のビット線BL0,BL1,BL2,…との立体交差点に対応してマトリクス状に設けられた複数のメモリセルM111,M112,M113,…M121,M122,M123,…M131,M132,M133,…(以下、「メモリセルM111,M112,…」と表す)が設けられている。
ここで、メモリセルM111,M112,…は、第1の実施の形態に係る不揮発性記憶素子に相当し、タンタル酸化物を含む抵抗変化層を有している。ただし、本実施の形態において、これらのメモリセルM111,M112,…は、後述するように、電流抑制素子を備えている。
なお、図14におけるメモリセルM111,M112,…は、図15において符号210で示されている。
[第2の実施の形態に係る不揮発性記憶装置が備える不揮発性記憶素子の構成]
図16は、本発明の第2の実施の形態に係る不揮発性記憶装置が備える不揮発性記憶素子の構成を示す断面図である。なお、図16では、図15のB部における構成が示されている。
図16に示すように、本実施の形態に係る不揮発性記憶装置が備える不揮発性記憶素子210は、銅配線である下部配線212(図15におけるワード線WL1に相当する)と同じく上部配線211(図15におけるビット線BL1に相当する)との間に介在しており、下部電極217と、電流抑制素子216と、内部電極215と、抵抗変化層214と、上部電極213とがこの順に積層されて構成されている。
ここで、内部電極215、抵抗変化層214、および上部電極213は、図1に示した実施の形態1に係る不揮発性記憶素子100における第1電極層103、抵抗変化層104、および第2電極層105にそれぞれ相当する。したがって、抵抗変化層214は、第1の実施の形態と同様にして形成される。
電流抑制素子216は、TaNである内部電極215を介して、抵抗変化層214と直列接続されており、電流抑制素子216と抵抗変化層214とは電気的に接続されている。この電流抑制素子216は、MIM(Metal−Insulator−Metal;金属−絶縁体−金属の意味)ダイオード又はMSM(Metal−Semiconductor−Metal;金属−半導体−金属の意味)ダイオードに代表される素子であり、電圧に対して非線形な電流特性を示すものである。また、この電流抑制素子216は、電圧に対して双方向性の非線形な電流特性を有しており、所定の閾値電圧Vfより絶対値が大きい電圧印加(一方の電極を基準にして例えばVf=+1Vまたは−1Vとすれば、+1V以上または−1V以下)で導通するように構成されている。
なお、タンタルおよびその酸化物は、半導体プロセスに一般的に用いられている材料であり、非常に親和性が高いといえる。そのため、既存の半導体製造プロセスに容易に組み入れることが可能である。
[多層化構造の不揮発性記憶装置の構成例]
図14および図15に示した本実施の形態に係る不揮発性記憶装置におけるメモリアレイを、3次元に積み重ねることによって、多層化構造の不揮発性記憶装置を実現することができる。
図17は、本発明の多層化構造の不揮発性記憶装置が備えるメモリアレイの構成を示す斜視図である。図17に示すように、この不揮発性記憶装置は、図示しない半導体基板の上に互いに平行に形成された複数の下部配線212と、これらの複数の下部配線212の上方にその半導体基板の主面に平行な面内において互いに平行に、しかも複数の下部配線212に立体交差するように形成された複数の上部配線211と、これらの複数の下部配線212と複数の上部配線211との立体交差点に対応してマトリクス状に設けられた複数のメモリセル210とを備えるメモリアレイが、複数積層されてなる多層化メモリアレイを備えている。
なお、図17に示す例では、配線層が5層であり、その立体交差点に配される不揮発性記憶素子が4層の構成となっているが、必要に応じてこれらの層数を増減してもよいことは勿論である。
このように構成された多層化メモリアレイを設けることによって、超大容量不揮発性メモリを実現することが可能となる。
なお、第1の実施の形態において説明したように、本発明における抵抗変化層は低温で成膜することが可能である。したがって、本実施の形態で示すような配線工程での積層化を行う場合であっても、下層工程で形成されたトランジスタおよびシリサイドなどの配線材料に影響を与えることがないため、多層化メモリアレイを容易に実現することができる。すなわち、本発明のタンタル酸化物を含む抵抗変化層を用いることによって、多層化構造の不揮発性記憶装置を容易に実現することが可能となる。
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態に係る不揮発性記憶装置は、第1の実施の形態に係る不揮発性記憶素子を備える不揮発性記憶装置であって、直列に接続された1つのトランジスタと1つの不揮発性記憶部とでメモリセルが構成されるメモリアレイを備えた記憶装置である。
[第3の実施の形態に係る不揮発性記憶装置の構成]
図18は、本発明の第3の実施の形態に係る不揮発性記憶装置の構成を示すブロック図である。また、図19は、図18におけるC部の構成(2ビット分の構成)を示す断面図である。
図18に示すように、本実施の形態に係る不揮発性記憶装置300は、半導体基板上に、メモリ本体部301を備えており、このメモリ本体部301は、メモリアレイ302と、行選択回路/ドライバ303と、列選択回路304と、情報の書き込みを行うための書き込み回路305と、選択ビット線に流れる電流量を検出し、データ「1」または「0」と判定するセンスアンプ306と、端子DQを介して入出力データの入出力処理を行うデータ入出力回路307とを具備している。また、不揮発性記憶装置300は、セルプレート電源(VCP電源)308と、外部から入力されるアドレス信号を受け取るアドレス入力回路309と、外部から入力されるコントロール信号に基づいて、メモリ本体部301の動作を制御する制御回路310とをさらに備えている。
メモリアレイ302は、半導体基板の上に形成された、互いに立体交差するように配列された複数のワード線WL0,WL1,WL2,…およびビット線BL0,BL1,BL2,…と、これらのワード線WL0,WL1,WL2,…およびビット線BL0,BL1,BL2,…の立体交差点に対応してそれぞれ設けられた複数のトランジスタT11,T12,T13,…T21,T22,T23,…T31,T32,T33,…(以下、「トランジスタT11,T12,…」と表す)と、トランジスタT11,T12,…と1対1に設けられた複数のメモリセルM211,M212,M213,…M221,M222,M223,…(以下、「メモリセルM211,M212,…」と表す)とを備えている。
また、メモリアレイ302は、ワード線WL0,WL1,WL2,…に平行して配列されている複数のプレート線PL0,PL1,PL2,…を備えている。プレート線PL0,PL1,PL2,…は、VCP電源308に接続されている。プレート線PL0,PL1,PL2,…は、例えば、ビット線BL0,BL1,BL2,…に平行に配列されてもよい。また、プレート線PL0,PL1,PL2,…はビット線BL0,BL1,BL2,…と共にメモリセルM211,M212,…に電圧を印加する配線の一例である。このプレート線は所定の一定電位に保持され、任意の形態に形成することができ、その形態は平行な複数の線群には限定されない。あるいは、各プレート線が個別の選択回路/ドライバを有し、選択/非選択に応じて異なる電位が与えられるように構成してもよい。
図19に示すように、ワード線WL0,WL1の上方にビット線BL0が配され、そのワード線WL0,WL1とビット線BL0との間に、プレート線PL0,PL1が配されている。
ここで、メモリセルM211,M212,…は、第1の実施の形態に係る不揮発性記憶素子に相当し、タンタル酸化物を含む抵抗変化層を有している。より具体的には、図19における不揮発性記憶素子313が、図18におけるメモリセルM211,M212,…に相当し、この不揮発性記憶素子313は、上部電極314、タンタル酸化物を含む抵抗変化層315、および下部電極316から構成されている。
なお、図19における317はプラグ層を、318は金属配線層を、319はソース/ドレイン領域をそれぞれ示している。
図18に示すように、トランジスタT11,T12,T13,…のドレインはビット線BL0に、トランジスタT21,T22,T23,…のドレインはビット線BL1に、トランジスタT31,T32,T33,…のドレインはビット線BL2に、それぞれ接続されている。
また、トランジスタT11,T21,T31,…のゲートはワード線WL0に、トランジスタT12,T22,T32,…のゲートはワード線WL1に、トランジスタT13,T23,T33,…のゲートはワード線WL2に、それぞれ接続されている。
さらに、トランジスタT11,T12,…のソースはそれぞれ、メモリセルM211,M212,…と接続されている。
また、メモリセルM211,M221,M231,…はプレート線PL0に、メモリセルM212,M222,M232,…はプレート線PL1に、メモリセルM213,M223,M233,…はプレート線PL2に、それぞれ接続されている。
アドレス入力回路309は、外部回路(図示せず)からアドレス信号を受け取り、このアドレス信号に基づいて行アドレス信号を行選択回路/ドライバ303へ出力するとともに、列アドレス信号を列選択回路304へ出力する。ここで、アドレス信号は、複数のメモリセルM211,M212,…のうちの選択される特定のメモリセルのアドレスを示す信号である。また、行アドレス信号は、アドレス信号に示されたアドレスのうちの行のアドレスを示す信号であり、列アドレス信号は、アドレス信号に示されたアドレスのうちの列のアドレスを示す信号である。
制御回路310は、情報の書き込みサイクルにおいては、データ入出力回路307に入力された入力データDinに応じて、書き込み用電圧の印加を指示する書き込み信号を書き込み回路305へ出力する。他方、情報の読み出しサイクルにおいて、制御回路310は、読み出し用電圧の印加を指示する読み出し信号を列選択回路304へ出力する。
行選択回路/ドライバ303は、アドレス入力回路309から出力された行アドレス信号を受け取り、この行アドレス信号に応じて、複数のワード線WL0,WL1,WL2,…のうちの前記行アドレス信号に対応する何れかを選択し、その選択されたワード線に対して、選択されたトランジスタをオンさせるのに十分な所定の電圧(例えば、3V系NMOSトランジスタであれば+3.0V)を印加する。
また、列選択回路304は、アドレス入力回路309から出力された列アドレス信号を受け取り、この列アドレス信号に応じて、複数のビット線BL0,BL1,BL2,…のうちの前記列アドレス信号に対応する何れかを選択し、その選択されたビット線に対して、書き込み用電圧または読み出し用電圧を印加する。書き込み用電圧は、選択されたメモリセルの上部電極314と下部電極316との間に、メモリセル(抵抗変化層)が抵抗変化を起こすのに必要な閾値電圧以上の電圧(例えば、図8(c)では、低抵抗化時に−2.0V、高抵抗化時に+3.0V)である。また、読み出し用電圧は、読み出し時に選択したメモリセルが抵抗変化をおこさないよう、前記閾値より小さい電圧であり、かつ十分な読み出し電流が得られるような電圧が望ましい。ここで、複数のプレート線PL0,PL1,PL2,…は、VCP電源308によって所定の一定電位(例えば、接地電位)に保持されていて、この書き込み用電圧または読み出し用電圧は、複数のビット線BL0,BL1,BL2,…と複数のプレート線PL0,PL1,PL2,…(正確にはVCP電源308)との間に印加される。あるいは、各プレート線が個別の選択回路/ドライバを有し、メモリセルの選択/非選択に応じて異なる電位が与えられるように構成してもよい。
書き込み回路305は、制御回路310から出力された書き込み信号を受け取った場合、列選択回路304に対して選択されたビット線に対して書き込み用電圧の印加を指示する信号を出力する。
また、センスアンプ306は、情報の読み出しサイクルにおいて、読み出し対象となる選択ビット線に流れる電流量を検出し、データ「1」または「0」と判定する。その結果得られた出力データDOは、データ入出力回路307を介して、外部回路へ出力される。
なお、1トランジスタ/1不揮発性記憶部の構成である第3の実施の形態の場合、第2の実施の形態のクロスポイント型の構成と比べて記憶容量は小さくなる。しかしながら、ダイオードのような電流抑制素子が不要であるため、CMOSプロセスに容易に組み合わせることができ、また、動作の制御も容易であるという利点がある。
また、第2の実施の形態の場合と同様に、本発明における抵抗変化層は低温で成膜することが可能であることから、本実施の形態で示すような配線工程での積層化を行う場合であっても、下層工程で形成されたトランジスタおよびシリサイドなどの配線材料に影響を与えることがないという利点がある。
さらに、第2の実施の形態の場合と同様に、タンタルおよびその酸化物の成膜は、既存の半導体製造プロセスに容易に組み入れることが可能であるため、本実施の形態に係る不揮発性記憶装置を容易に製造することができる。
[不揮発性記憶素子の測定結果]
抵抗変化層とトランジスタからなる素子の抵抗変化特性を測定し、電極層の白金含有率による依存性を検討した。図20(a)乃至図20(e)に、第2電極層の白金含有率を変化させた場合におけるセル電流と正規期待値との関係を示す。なお、トランジスタは1.8V系でありゲート幅は0.44μmであり、1.8Vのパルスを印加した。電極層を構成する材料の白金含有率の減少とともにHRとLRの分布特性が向上し、動作ウインドウが拡大した。特に白金含有率が92および89atm%では良好な動作ウインドウを確認した。しかし、白金含有率が86atm%の素子では、1.8Vパルス印加条件では電圧不足のため、抵抗変化現象を確認できなかった。
また、高抵抗状態のセル電流値(IHR)と低抵抗状態のセル電流値(ILR)のばらつきについても検討した。
図21(a)乃至(d)に、第2電極層の白金含有率を変化させた場合におけるパルス印加回数とIHRならびにILRの関係を示す。図22(a)乃至(d)に、第2電極層の白金含有率を変化させた場合におけるIHRならびにILRと、正規期待値との関係を示す。この測定には、ゲート幅0.44μmで3.3V系のトランジスタを使用した。なお、読み出し電圧は0.4Vである。IHRおよびILRのばらつきは白金含有率の減少とともに改善された。特に白金含有率89atm%の時には、良好な分布の素子が得られた。以上の結果より、ばらつき特性の優れた不揮発性記憶素子を作製するためには、白金含有率は86atm%より大きく92atm%以下であることが好ましい。
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態に係る不揮発性半導体装置は、プログラム機能を有する第1の実施の形態に係る不揮発性記憶素子と所定の演算を実行する論理回路とを備える不揮発性半導体装置である。
[不揮発性半導体装置の構成]
図23は、本発明の第4の実施の形態に係る不揮発性半導体装置の構成を示すブロック図である。
図23に示すように、本実施の形態に係る不揮発性半導体装置400は、半導体基板401上に、CPU402と、外部回路との間でデータの入出力処理を行う入出力回路403と、所定の演算を実行する論理回路404と、アナログ信号を処理するアナログ回路405と、自己診断を行うためのBIST(Built In Self Test)回路406と、SRAM407と、これらBIST回路406およびSRAM407と接続され、特定のアドレス情報を格納するための救済アドレス格納レジスタ408とを備えている。
図24は、本発明の第4の実施の形態に係る不揮発性半導体装置が備える救済アドレス格納レジスタの構成を示すブロック図である。また、図25は、同じく救済アドレス格納レジスタの構成を示す断面図である。
図24および図25に示すように、救済アドレス格納レジスタ408は、第1の実施の形態に係る不揮発性記憶素子に相当する不揮発性記憶素子409と、その不揮発性記憶素子409に対して特定のアドレス情報を書き込むための書き込み回路410と、不揮発性記憶素子409に書き込まれているアドレス情報を読み出すための読み出し回路411と、ラッチ回路412とを備えている。
不揮発性記憶素子409は、書込み回路側410への切替え部と読出し回路411側への切替え部に接続されており、抵抗変化層421を、上部電極422と下部電極423とで挟むようにして構成されている。ここで、この不揮発性記憶素子409は、第1の実施の形態に係る不揮発性記憶素子に相当する。
なお、図25において、424はプラグ層を、425は金属配線層を、426はソース/ドレイン層をそれぞれ示している。
本実施の形態では、2層配線で、第1配線と第2配線との間に不揮発性記憶素子を設ける構成を示しているが、例えば、3層以上の多層配線とした上で、任意の配線間へ不揮発性記憶素子を配置したり、または、必要に応じて複数の配線間に配置したりするようにしてもよい。
[不揮発性半導体装置の動作例]
次に、上述したように構成される本実施の形態に係る不揮発性半導体装置の動作例について説明する。
以下、救済アドレス格納レジスタ408に対してアドレス情報の書き込みを行う場合について説明する。BIST回路406は、診断指示信号TSTを受け取った場合、SRAM407のメモリブロックの検査を実行する。
なお、このメモリブロックの検査は、LSIの製造過程における検査の際、およびLSIが実際のシステムに搭載された場合における各種の診断実行の際などに行われる。
メモリブロックの検査の結果、不良ビットが検出された場合、BIST回路406は、書き込みデータ指示信号WDを救済アドレス格納レジスタ408へ出力する。この書き込みデータ指示信号WDを受け取った救済アドレス格納レジスタ408は、対応する不良ビットのアドレス情報を救済アドレス格納レジスタに格納する。
このアドレス情報の格納は、そのアドレス情報に応じて、該当するレジスタが備える抵抗変化層の抵抗状態を高抵抗化または低抵抗化することによって行われる。抵抗変化層の高抵抗化または低抵抗化は、第1の実施の形態の場合と同様にして実現される。
このようにして、救済アドレス格納レジスタ408に対するアドレス情報の書き込みが行われる。そして、SRAM407がアクセスされる場合、それと同時に救済アドレス格納レジスタ408に書き込まれているアドレス情報が読み出される。このアドレス情報の読み出しは、第1の実施の形態の場合と同様、抵抗変化層の抵抗状態に応じた出力電流値を検出することにより行われる。
このようにして救済アドレス格納レジスタ408から読み出されたアドレス情報と、アクセス先のアドレス情報とが一致する場合、SRAM407内に設けられている予備の冗長メモリセルにアクセスし、情報の読み取りまたは書き込みが行われる。
以上のようにして自己診断を行うことによって、製造工程の検査において外部の高価なLSIテスタを用いる必要がなくなる。また、at Speedテストが可能になるという利点もある。さらには、検査をする際のみではなく、経時変化した場合にも不良ビットの救済が可能となるため、長期間に亘って高品質を保つことできるという利点もある。
本実施の形態に係る不揮発性半導体装置は、製造工程における1回のみの情報の書き込む場合と、製品出荷後に繰り返し情報を書き換える場合との何れにも対応することができる。
[不揮発性半導体装置の製造方法]
次に、上述したように構成される本実施の形態に係る不揮発性半導体装置の製造方法について説明する。
図26は、本発明の第4の実施の形態に係る不揮発性半導体装置の製造プロセスの主要な流れを示すフローチャートである。
まず、半導体基板上にトランジスタを形成する(S101)。次に、第1ビアを形成し(S102)、その上に第1配線を形成する(S103)。
そして、S103で形成された第1配線の上に、抵抗変化層を形成する(S104)。この抵抗変化層の形成は、第1の実施の形態において説明したとおりに行われる。
次に、抵抗変化層の上に第2ビアを形成し(S105)、さらに、第2配線を形成する(S106)。
以上に示すように、本実施の形態の不揮発性半導体装置の製造方法は、CMOSプロセスの製造工程に、電極および抵抗変化層を形成する工程が追加されたものである。したがって、既存のCMOSプロセスを利用して容易に製造することが可能となる。また、追加の工程も少なく、しかも抵抗変化層の膜厚は比較的薄いため、プロセスの短縮化を図ることができる。
また、第2の実施の形態の場合と同様に、本発明における抵抗変化層は低温で成膜することが可能であることから、本実施の形態で示すような配線工程での積層化を行う場合であっても、下層工程で形成されたトランジスタおよびシリサイドなどの配線材料に影響を与えることがないという利点がある。
なお、電極部は1μm角以下で形成することができ、且つその他の回路もCMOSプロセスで形成することが可能であるため、小型の不揮発性スイッチ回路を容易に実現することができる。
本実施の形態のように、第1の実施の形態におけるタンタル酸化物を含む抵抗変化層を備えた不揮発性記憶素子を用いるのではなく、公知のフラッシュメモリの不揮発性記憶素子を用いたり、または、公知のFeRAMメモリの不揮発性記憶素子を用いたりすることによって、不揮発性半導体装置を実現することも考えられる。しかしながら、これらの場合、特別の専用プロセス工程および材料が必要となり、CMOSプロセスとの親和性に劣るという欠点がある。そのため、コスト面で問題があり、しかも製造工数が著しく増加するなど、現実性に乏しいといえる。さらに、情報の書き込みおよび読み出しが複雑であり、プログラム素子として扱うのが困難であるという問題がある。
また、CMOSプロセスと親和性が高い構成としては、CMOS不揮発性メモリセルと称される、CMOSプロセスでゲート配線をフローティング化して等価的にフラッシュメモリセルと同様の動作を実現するものがある。しかし、この構成によると、素子部の面積が大きくなり、しかも動作の制御が複雑になるなどの問題が生じる。
また、シリサイド溶断型などの電気フューズ素子で構成する場合もCMOSプロセスと親和性が高いと言えるが、この場合、情報の書き換えが不可能である、また、素子部の面積が大きくなるなどの問題が生じる。
さらに、公知のレーザーで配線をトリミングすることも考えられるが、この場合では、製造工程のみに限定される、レーザートリマー装置の機械的精度に律速されることになるため、微細化することができない、または、最上層に配置しなければならないというレイアウトの制約があるなどの問題が生じる。
なお、本実施の形態では、第1の実施の形態における不揮発性記憶素子をSRAMの救済アドレス格納レジスタとして用いたが、それ以外にも、次のような適用例が考えられる。すなわち、例えば、DRAM、ROM、または第2および第3の実施の形態に係る不揮発性記憶装置の不良ビットに対する救済アドレス格納レジスタとして、第1の実施の形態における不揮発性記憶素子を用いることが可能である。
また、不良ロジック回路若しくは予備ロジック回路の切り替え用不揮発性スイッチに適用することもできる。その他にも、アナログ回路の電圧調整およびタイミング調整用のレジスタとして、製品完成後のROMの修正用のレジスタとして、リコンフィギュアラブルロジックおよびFPGA用の不揮発性スイッチ素子として、さらには、不揮発性レジスタとして用いることも可能である。
(その他の実施の形態)
第4の実施の形態に係る不揮発性半導体装置が、第2の実施の形態に係る不揮発性記憶装置を備えるような構成、すなわち、第2の実施の形態に係るクロスポイント型の不揮発性記憶装置と第4の実施の形態に係るCPUなどを有するLSIとを一つの半導体基板上に集積するような構成を実現することができる。
この場合、第2の実施の形態に係るクロスポイント型の不揮発性記憶装置および第4の実施の形態に係るCPUなどを有するLSIをそれぞれ別の半導体基板上に形成しておき、その後に一つのパッケージ内にモールドするような構成であってもよい。
また、第4の実施の形態に係る不揮発性半導体装置が、第3の実施の形態に係る不揮発性記憶装置を備えるような構成、すなわち、第3の実施の形態に係る1トランジスタ/1不揮発性記憶部構成の不揮発性記憶装置と第4の実施の形態に係るCPUなどを有するLSIとを一つの半導体基板上に集積するような構成を実現することもできる。
この場合も、第3の実施の形態に係る1トランジスタ/1不揮発性記憶部構成の不揮発性記憶装置および第4の実施の形態に係るCPUなどを有するLSIをそれぞれ別の半導体基板上に形成しておき、その後に一つのパッケージ内にモールドするような構成であってもよい。
なお、上述した実施形態においては、抵抗変化層としてタンタル酸化物の場合について説明したが、上下電極間に挟まれる抵抗変化層としては、抵抗変化を発現する主たる抵抗変化層として、タンタル酸化物層が含まれていればよく、これ以外に例えば微量の他元素が含まれていても構わない。抵抗値の微調整等で、他元素を少量、意図的に含めることも可能であり、このような場合も本発明の範囲に含まれるものである。例えば、抵抗変化層に窒素を添加すれば、抵抗変化層の抵抗値が上がり、抵抗変化の反応性を改善できる。
したがって、前記抵抗変化層は、第1のタンタル酸化物を含む(comprise)第1のタンタル酸化物層と前記第1のタンタル酸化物と酸素含有率が異なる第2のタンタル酸化物を含む(comprise)第2のタンタル酸化物層とが積層されて構成され、且つ前記第1のタンタル酸化物をTaOと表した場合に0<x<2.5を満足し、且つ前記第2のタンタル酸化物をTaOと表した場合にx<y≦2.5を満足するように構成されているという請求項の限定は、第1のタンタル酸化物層と第2のタンタル酸化物層が、タンタル酸化物以外の不純物(例えば、抵抗値の調整のための添加物)を含むことを妨げない。
また、スパッタリングにて抵抗膜を形成した際に、残留ガスや真空容器壁からのガス放出などにより、意図しない微量の元素が抵抗膜に混入することがあるが、このような微量の元素が抵抗膜に混入した場合も本発明の範囲に含まれることは当然である。
本発明の不揮発性記憶素子、不揮発性記憶装置、および不揮発性半導体装置は、高速動作が可能で、しかも安定した書き換え特性を有しており、デジタル家電、メモリカード、携帯型電話機、およびパーソナルコンピュータなどの種々の電子機器に用いられる不揮発性記憶素子等として有用である。
本発明の不揮発性記憶素子の製造方法は、高速動作が可能で、しかも安定した書き換え特性を有しており、デジタル家電、メモリカード、携帯型電話機、およびパーソナルコンピュータなどの種々の電子機器に用いられる不揮発性記憶素子の製造方法等として有用である。
100 不揮発性記憶素子
101 基板
102 酸化物層
103 第1電極層
104 抵抗変化層
105 第2電極層
107 低酸化層
108 高酸化層
200 不揮発性記憶装置
201 メモリ本体部
202 メモリアレイ
203 行選択回路/ドライバ
204 列選択回路/ドライバ
205 書き込み回路
206 センスアンプ
207 データ入出力回路
208 アドレス入力回路
209 制御回路
210 不揮発性記憶素子
211 上部配線
212 下部配線
213 上部電極
214 抵抗変化層
215 内部電極
216 電流抑制素子
217 下部電極
218 オーミック抵抗層
219 第2の抵抗変化層
300 不揮発性記憶装置
301 メモリ本体部
302 メモリアレイ
303 行選択回路/ドライバ
304 列選択回路
305 書き込み回路
306 センスアンプ
307 データ入出力回路
308 セルプレート電源
309 アドレス入力回路
310 制御回路
313 不揮発性記憶素子
314 上部電極
315 抵抗変化層
316 下部電極
400 不揮発性半導体装置
401 半導体基板
402 CPU
403 入出力回路
404 論理回路
405 アナログ回路
406 BIST回路
407 SRAM
408 救済アドレス格納レジスタ
409 不揮発性記憶素子
410 書き込み回路
411 読み出し回路
412 ラッチ回路
BL0,BL1,… ビット線
M11,M12,… メモリセル
T11,T12,… トランジスタ
WL0,WL1,… ワード線

Claims (15)

  1. 第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に介在し、前記第1電極と前記第2電極との間に与えられる電気的信号に基づいて可逆的に抵抗値が変化する抵抗変化層と、を備え、
    前記抵抗変化層は、第1のタンタル酸化物を含む第1のタンタル酸化物層と前記第1のタンタル酸化物と酸素含有率が異なる第2のタンタル酸化物を含む第2のタンタル酸化物層とが積層されて構成され、且つ前記第1のタンタル酸化物をTaOと表した場合に0<x<2.5を満足し、且つ前記第2のタンタル酸化物をTaOと表した場合にx<y≦2.5を満足するように構成されており、
    前記第2電極が前記第2のタンタル酸化物層と接触しており、且つ前記第2電極が白金とタンタルとで構成されており、且つ
    前記第2電極は、白金含有率が27atm%以上92atm%以下である、不揮発性記憶素子。
  2. 前記第2電極は、白金含有率が56atm%以上92atm%以下である、請求項1に記載の不揮発性記憶素子。
  3. 前記第2のタンタル酸化物層の膜厚をY(nm)と表した場合に、前記第2電極の白金含有率の上限値が
    「3.65Y+60.7」(atm%)
    で規定される値である、請求項2に記載の不揮発性記憶素子。
  4. 半導体基板と、
    前記半導体基板の上に互い平行に形成された複数の第1の配線と、前記複数の第1の配線の上方に前記半導体基板の主面に平行な面内において互いに平行に且つ前記複数の第1の配線に立体交差するように形成された複数の第2の配線と、前記複数の第1の配線と前記複数の第2の配線との立体交差点に対応して設けられ、互いに直列接続された不揮発性記憶素子と、非線形の電流電圧特性を有する電流抑制素子とを備えるメモリアレイと、を備え、
    前記不揮発性記憶素子のそれぞれは、前記第1の配線と前記第2の配線との間に介在し、前記第1の配線と電気的に接続する第1電極、前記第2の配線と電気的に接続する第2電極、および前記第1電極と前記第2電極との間に与えられる電気的信号に基づいて可逆的に抵抗値が変化する抵抗変化層を備え、
    前記抵抗変化層は、第1のタンタル酸化物を含む第1のタンタル酸化物層と前記第1のタンタル酸化物と酸素含有率が異なる第2のタンタル酸化物を含む第2のタンタル酸化物層とが積層されて構成され、且つ前記第1のタンタル酸化物をTaOと表した場合に0<x<2.5を満足し、且つ前記第2のタンタル酸化物をTaOと表した場合にx<y≦2.5を満足するように構成されており、
    前記第2電極が前記第2のタンタル酸化物層と接触しており、且つ前記第2電極は白金とタンタルとで構成されており、且つ
    前記第2電極は、白金含有率が27atm%以上92atm%以下である、不揮発性記憶装置。
  5. 前記第2電極は、白金含有率が56atm%以上92atm%以下である、請求項4に記載の不揮発性記憶装置。
  6. 前記第2のタンタル酸化物層の膜厚をY(nm)と表した場合に、前記第2電極の白金含有率の上限値が
    「3.65Y+60.7」(atm%)
    で規定される値である、請求項5に記載の不揮発性記憶装置。
  7. 前記メモリアレイが前記半導体基板の上に複数積層されてなる多層化メモリアレイを備える、請求項4、5、又は6に記載の不揮発性記憶装置。
  8. 半導体基板と、
    前記半導体基板上に形成された、互いに平行に形成された複数のワード線と、
    前記複数のワード線と立体交差するように配列され、互いに平行に形成された複数のビット線と、
    前記複数のワード線または前記複数のビット線のいずれか一方と平行に配列され、互いに平行に形成された複数のプレート線と、
    前記複数のワード線および前記複数のビット線の立体交差点に対応してそれぞれ設けられた複数のトランジスタと前記複数のトランジスタに一対一で対応して設けられた複数の不揮発性記憶素子とを備え、
    記複数の不揮発性記憶素子のそれぞれは、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に介在し、前記ビット線と前記プレート線との間に与えられ、対応して設けられている前記トランジスタを介して前記第1電極と前記第2電極との間に与えられる電気的信号に基づいて可逆的に抵抗値が変化する抵抗変化層と、を備え、
    前記不揮発性記憶素子の、前記第1電極及び前記第2電極のいずれか一方は、対応する前記トランジスタのソース及びドレインのいずれか一方と接続され、
    前記複数のトランジスタのゲートは、対応するワード線と接続され、
    前記不揮発性記憶素子の、前記第1電極及び前記第2電極のいずれか他方は、対応するビット線及びプレート線のいずれか一方と接続され、
    前記トランジスタのソース及びドレインのいずれか他方は、対応するビット線及びプレート線のいずれか他方と接続され、
    前記抵抗変化層は、第1のタンタル酸化物を含む第1のタンタル酸化物層と前記第1のタンタル酸化物と酸素含有率が異なる第2のタンタル酸化物を含む第2のタンタル酸化物層とが積層されて構成され、且つ前記第1のタンタル酸化物をTaOと表した場合に0<x<2.5を満足し、且つ前記第2のタンタル酸化物をTaOと表した場合にx<y≦2.5を満足するように構成されており、
    前記第2電極が前記第2のタンタル酸化物層と接触しており、且つ前記第2電極は白金とタンタルとで構成されており、且つ
    前記第2電極は、白金含有率が27atm%以上92atm%以下である、不揮発性記憶装置。
  9. 前記第2電極は、白金含有率が56atm%以上92atm%以下である、請求項8に記載の不揮発性記憶装置。
  10. 前記第2のタンタル酸化物層の膜厚をY(nm)と表した場合に、前記第2電極の白金含有率の上限値が
    「3.65Y+60.7」(atm%)
    で規定される値である、請求項9に記載の不揮発性記憶装置。
  11. 半導体基板と、前記半導体基板上に形成された、所定の演算を実行する論理回路と、前記半導体基板上に形成された、プログラム機能を有する不揮発性記憶素子と、を備え、
    前記不揮発性記憶素子は、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に介在し、第1電極と第2電極との間の電圧に基づいて可逆的に抵抗値が変化する抵抗変化層と、を備えており、
    前記抵抗変化層は、第1のタンタル酸化物を含む第1のタンタル酸化物層と前記第1のタンタル酸化物と酸素含有率が異なる第2のタンタル酸化物を含む第2のタンタル酸化物層とが積層されて構成され、且つ前記第1のタンタル酸化物をTaOと表した場合に0<x<2.5を満足し、且つ前記第2のタンタル酸化物をTaOと表した場合にx<y≦2.5を満足するように構成されており、
    前記第2電極が前記第2のタンタル酸化物層と接触しており、且つ前記第2電極は白金とタンタルとで構成されており、且つ
    前記第2電極は、白金含有率が27atm%以上92atm%以下である
    不揮発性半導体装置。
  12. 前記第2電極は、白金含有率が56atm%以上92atm%以下である、請求項11に記載の不揮発性半導体装置。
  13. 前記第2のタンタル酸化物層の膜厚をY(nm)と表した場合に、前記第2電極の白金含有率の上限値が
    「3.65Y+60.7」(atm%)
    で規定される値である、請求項12に記載の不揮発性半導体装置。
  14. 第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に介在し、前記第1電極と前記第2電極との間に与えられる電気的信号に基づいて可逆的に抵抗値が変化する抵抗変化層と、を備え、前記抵抗変化層は、第1のタンタル酸化物を含む第1のタンタル酸化物層と前記第1のタンタル酸化物と酸素含有率が異なる第2のタンタル酸化物を含む第2のタンタル酸化物層とが積層されて構成され、且つ前記第1のタンタル酸化物をTaOと表した場合に0<x<2.5を満足し、且つ前記第2のタンタル酸化物をTaOと表した場合にx<y≦2.5を満足するように構成されており、前記第2電極が前記第2のタンタル酸化物層と接触しており、且つ前記第2電極は白金とタンタルとで構成されており、且つ前記第2電極は、白金含有率が27atm%以上92atm%以下である不揮発性記憶素子の製造方法であって、
    前記第2電極を、白金ターゲットとタンタルターゲットとを用いた同時放電スパッタ法により形成し、各ターゲットに印加するパワー強度を調整することにより前記白金とタンタルとで構成されている第2電極の組成を制御する、不揮発性記憶素子の製造方法。
  15. 第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に介在し、前記第1電極と前記第2電極との間に与えられる電気的信号に基づいて可逆的に抵抗値が変化する抵抗変化層と、を備え、前記抵抗変化層は、第1のタンタル酸化物を含む第1のタンタル酸化物層と前記第1のタンタル酸化物と酸素含有率が異なる第2のタンタル酸化物を含む第2のタンタル酸化物層とが積層されて構成され、且つ前記第1のタンタル酸化物をTaOと表した場合に0<x<2.5を満足し、且つ前記第2のタンタル酸化物をTaOと表した場合にx<y≦2.5を満足するように構成されており、前記第2電極が前記第2のタンタル酸化物層と接触しており、且つ前記第2電極は白金とタンタルとで構成されており、且つ前記第2電極は、白金含有率が27atm%以上92atm%以下である不揮発性記憶素子の製造方法であって、
    前記白金とタンタルとで構成されている第2電極の材料を、白金とタンタルとの合金で構成されたターゲットを用いたスパッタ法により形成する、不揮発性記憶素子の製造方法。
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