JP4768351B2 - インクジェット記録ヘッド及びそれを備えるインクジェット記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、インクを吐出して記録を行うインクジェット記録ヘッドやそれを備えるインクジェット記録装置に関するものである。
従来より、インクに熱エネルギを印加して発泡させることによって吐出ノズル内のインクを吐出口から吐出させるインクジェット方式のプリンタ等においては、記録ヘッドの吐出ノズル内にインクの発泡に伴って変位してインクの流れを制御するための可動弁が設けられたものがある。
可動弁は自由端と支点部分とから櫛歯状に構成されており、自由端が各吐出ノズル内で変位し、自由端の根元の支点部分は共通液室内に配置されている。
そして、上記従来の記録ヘッドにおいては、可動弁をヒータボードに対して半導体工程で成膜によって密着させることによって直接固定したり、板状部材をヒーターボードと吐出ノズルとの間に挟み込むことで構成されている(特許文献1,2)。
特願平9-164498号公報 特願平8-146318号公報
しかしながら、現状では、可動弁の上下方向の動きを安定化させるために、可動弁の支点近傍を上下から押さえ込むような構造は提案されておらず、また、このような構造を採用する場合にインクの流れを阻害して吐出性能を低下させてしまう虞がある。
更に、1インチを超える印字幅の長尺ヘッドの場合、可動弁の数が多くなる上、固定方法等にも限界があるために可動弁の動きが不安定になってしまう。
本発明は、上記課題に鑑みてなされ、その目的は、記録ヘッドの大きさにかかわらず、可動弁の支点部分を上下方向から確実に押え込み、かつインクの供給性能をほとんど低下させることがない構造を実現することである。
上記目的を達成するために、本発明のインクジェット記録ヘッドは、インクを吐出するための複数のインク吐出口と、各々が前記複数のインク吐出口の各々に連通するとともに、互いにノズル隔壁により仕切られた複数のノズル部と、前記複数のノズル部の各々に対応して設けられ、インクを加熱して発泡させるヒータ部と前記発泡に伴い変位する自由端を有する可動弁とを備えるインク吐出部と、前記ヒータ部が形成されたヒータ基板と、前記複数のノズル部に連通し、前記複数のノズル部に対しインクを供給するインク流路と、前記ヒータ基板に対向する天板部と、を有し、前記可動弁の支点部分は前記インク流路内に配置された支持部材に連結され、更に前記支持部材には弁台座と突起支柱とが設けられ、前記弁台座は前記ヒータ基板により支持され、前記突起支柱は前記天板部により支持されている
また、本発明のインクジェット記録装置は、上記インクジェット記録ヘッドと、画像データに従って前記ノズル部内のインクを加熱発泡させることにより前記インク吐出口からインクを吐出するように前記ヒータ部を制御するヘッド制御部と、前記インクを付着させる記録媒体を搬送する媒体搬送部とを具備する。
本発明によれば、可動弁に大きな荷重がかかって大きく変位したり、高周波で吐出駆動されることにより共振を生じたりして、可動弁の支点部分に大きな荷重がかかった場合であっても、上下方向から確実に押さえ込んで不必要な動きを規制しているため、吐出特性に悪影響を及ぼしたり、耐久性の低下等を発生させることがない。
また、1インチを超える印字幅の長尺ヘッドにおいても、可動弁の各々の弁部に対応する支点部分を押さえることが可能となるため、ヘッドの長さにかかわらず上記と同様の効果が得られる。
他の効果としては、ノズル流路を妨げないように吐出口より小さい離間距離で突起部を配置したので、インクの流れを阻害することなく、ヘッド内に浮遊し不吐出の原因になる異物を突起部間でトラップすることも可能となる。
以下に、添付図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
以下に説明する実施の形態は、本発明の実現手段としての一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において本発明が適用される装置の構成や各種条件によって適宜修正又は変更されるべきものであり、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
図1は本発明を適用した好適な実施の形態のインクジェット記録ヘッドにおける吐出ノズル近傍の構成を示す斜視図である。図2は図1のインクジェット記録ヘッドにおける吐出口近傍の上面図、図3は図1のインクジェット記録ヘッドにおける吐出口近傍の側断面図である。
図1乃至3において、ヒータボード2には吐出ノズル12内のインクを加熱発泡させるための複数のヒータ11が各吐出ノズル12ごとに配置されている。ヒータ11はチッ化タンタル等の抵抗体が用いられ、厚さは0.01〜0.5μm、シート抵抗は単位正方形あたり10〜300Ωのものが用いられる。ヒータ11には通電のためのアルミニウム等の電極(図示せず)が接続されており、その一方にはヒータ11に通電を制御するためのスイッチングトランジスタ(図示せず)が接続されている。スイッチトランジスタは制御用のゲート素子等の回路からなるICによって駆動を制御され、ヘッド外部からの信号によって、所定のパターンで駆動する。
各ヒータ11に対応して形成された吐出ノズル12は、吐出口1の各々と連通しており、各吐出ノズル12は共通液室6に連通している。
吐出ノズル12は、ヒータボード2と個々のノズルに仕切るノズル隔壁4、厚さ5〜10μm程度のノズル土手13、厚さ2μm程度のノズル天板5とによりその周囲が形成されて中空筒状に構成されている。
可動弁3はその自由端14が吐出口1に向かって延び、その支点部分15がノズル流路10内に配置されている。各支点部分15は支持部材16に連結されており、支持部材16は弁台座8を介してヒータボード2に取り付けられる。ノズル天板5は、Si等で構成される天板部材17に貼り付けられており、天板部材17は異方性エッチング等で形成されたインク供給開口(不図示)を備え、外部からのインクを供給液室6からノズル流路10に導入可能に構成されている。ノズル流路10から各吐出ノズル12に供給されたインクは吐出ノズル12内の所定位置に配置されたヒータ11で加熱されて発泡する。この発泡に伴って吐出ノズル12内でインクが動き始めると同時に可動弁3が変位し、インクの流れを制御する。
吐出口1からはインク滴が吐出される。可動弁3の支点部分15は、同一材料で構成された支持部材16に形成された突起支柱7と弁台座8とを、ノズル隔壁4の高さにおいて、ヒータボード2と当該ヒーターボード2に対向するノズル天板5との間で挟み込むように支持されている。
次に、突起支柱7について説明する。
突起支柱7は上述の通り、可動弁3を上下から押さえつけ、弁の密着性を向上させる役割を果たしているが、ヘッド内のインク流路中に浮遊する異物をトラップする役割も同時に果たしている。
図4及び図5は可動弁3と突起支柱7との寸法関係を説明する図である。
図4は吐出口の断面図、図5はインクジェット記録ヘッドを吐出口側から見た図である。
吐出口1の寸法幅A、高さB、その対角線の長さをCとすると、C=√(A2+B2)である。異物がCよりも大きい場合、吐出ノズル12から異物を排出することができず、吐出ノズル12内に留まってしまう可能性がある。異物が吐出ノズル12内に留まった場合にはノズルが詰まる原因となり、画像の形成が正常に行われないという不具合が発生する虞がある。よって、吐出ノズル内部にCよりも大きい異物を取り込まないようにする必要がある。
そこで突起支柱7の間隔L4は以下の条件とする。
L4<C=√(A2+B2)・・・(条件1)
これにより、ノズル流路10内にノズルの流路断面積以上の異物が混入することなく、ノズル流路10内にインクを供給することが可能となるので、不吐出等の印字不良を発生することなく安定した画像形成を行うことが可能となる。
次に、突起支柱7の直径L1について説明すると、突起支柱7に異物をトラップする役割があることは前述の通りである。しかし突起支柱7の間隔を短くしても、突起支柱7の直径が大きいとノズル流路10内へのインクの流動が難くなってしまう可能性がある。
図6及び図7は突起支柱の直径の違いによるインクの流れ易さを説明する図である。
インクが吐出されると、使用したインク分だけ共通液室6からインクが各ノズル流路10に供給される(図3参照)。しかし突起支柱7の直径が大きすぎると、図7のように突起支柱がインクの流れを阻害してしまいノズル流路10に十分なインクを供給することができなくなってしまう。特に、吐出周波数が高い場合は、ノズル流路10にインクが充填される前にヒータ11が加熱されてしまうのでインクが吐出されず、画像不良の発生やヒータ破壊を引き起こす問題がある。よって、インクの供給を阻害しないような突起支柱7の断面形状を規定する必要がある。
図8は突起支柱7の断面形状を説明する図である。
1つのノズルを例に挙げると、ノズル流路10(図3参照)にインクを速やかに流すには、隣接する可動弁3の間隔L3に相当する流束が必要になる。これよりも多い流束である場合、領域L3分のインクはノズル流路10に供給されて、残りのインクは排出若しくは循環される。反対に流速が少ない場合にはノズル流路10内にインクを満たすことができないか、若しくは吐出ノズル12内にインクを十分に満たすのに時間がかかってしまう。
吐出周波数が低い場合には、インクの充填が間に合う可能性もあるが、吐出周波数が高い場合には上述した通り、前の吐出によって消費したインクを充填し終える前に、次の吐出が行われてしまうため、吐出不良が発生する虞がある。よって、高い吐出周波数を実現させるためには突起支柱7の断面直径L1は領域L3分の流束を確保するために、ノズル隔壁4の厚さL2よりも小さくする必要がある。
そのためには、突起支柱の直径L1、突起支柱7の総数A、ノズル隔壁4の厚さL2、ノズル隔壁4の総数Bの間に以下の関係が成立する必要がある。
L1(1)+L1(2)+,,,+L1(A)<L2(1)+L2(2)+,,,+L(B)・・・(条件2)
そして、前述の条件1である、L4<C=√(A2+B2)と組み合わせて突起支柱7の断面寸法と総数を設定すればよい。
本例では突起支柱7を円形、吐出ノズル12を長方形として寸法を規定したが、突起支柱の形状は、「ノズル断面積の最大寸法より小さい間隔(条件1)」と「隣接する突起支柱7の離間距離の最大値の合計が各ノズル隔壁4の厚さL2の合計よりも小さくなる(条件2)」ことを満たしていれば、どのような形状でも本発明の目的を達成するのに十分である。
なお、上記実施形態の記録ヘッドが搭載されるインクジェット記録装置は、画像データに従って吐出ノズル12内のインクを加熱発泡させることにより吐出口1からインクを吐出するようにヒータ11を加熱制御するヘッド制御部と、インクを付着させて画像を形成する記録紙を搬送する媒体搬送部とを備える。
上記実施形態によれば、可動弁3に大きな荷重がかかって大きく変位したり、高周波で吐出駆動されることにより共振を生じたりして、可動弁3の支点部分15に大きな荷重がかかった場合であっても、突起支柱7によって上下方向から確実に押さえ込んで不必要な動きを規制しているため、吐出特性に悪影響を及ぼしたり、耐久性の低下等を発生させることがなくなる。
また、1インチを超える印字幅の長尺ヘッドにおいても、可動弁3の各々の弁部(自由端)に対応する支点部分15を押さえることが可能となるため、ヘッドの長さにかかわらず上記と同様の効果が得られる。
また、ノズル流路10を妨げないように吐出口1より小さい離間距離で突起支柱7を配置したので、インクの流れを阻害することなく、ヘッド内に浮遊し不吐出の原因になる異物を突起部間でトラップすることも可能となる。
本発明を適用した好適な実施の形態のインクジェット記録ヘッドにおける吐出ノズル近傍の構成を示す斜視図である。 図1のインクジェット記録ヘッドにおける吐出口近傍の上面図である。 図1のインクジェット記録ヘッドにおける吐出口近傍の側断面図である。 可動弁と突起支柱との寸法関係を説明する図である。 可動弁と突起支柱との寸法関係を説明する図である。 突起支柱の直径の違いによるインクの流れ易さを説明する図である。 突起支柱の直径の違いによるインクの流れ易さを説明する図である。 突起支柱7の断面形状を説明する図である。
符号の説明
1 吐出口
2 ヒーターボード
3 可動弁
4 ノズル隔壁
5 ノズル天板
6 共通液室
7 突起支柱
8 弁台座
10 ノズル流路
11 ヒータ
12 吐出ノズル
13 ノズル土手
14 自由端
15 支点
16 支持部材
17 天板部材

Claims (4)

  1. インクを吐出するための複数のインク吐出口と、
    各々が前記複数のインク吐出口の各々に連通するとともに、互いにノズル隔壁により仕切られた複数のノズル部と、
    前記複数のノズル部の各々に対応して設けられ、インクを加熱して発泡させるヒータ部と前記発泡に伴い変位する自由端を有する可動弁とを備えるインク吐出部と、
    前記ヒータ部が形成されたヒータ基板と、
    前記複数のノズル部に連通し、前記複数のノズル部に対しインクを供給するインク流路と、
    前記ヒータ基板に対向する天板部と、を有し、
    前記可動弁の支点部分は前記インク流路内に配置された支持部材に連結され、
    更に前記支持部材には弁台座と突起支柱とが設けられ、
    前記弁台座は前記ヒータ基板により支持され、前記突起支柱は前記天板部により支持されていることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  2. 前記可動弁は、前記支持部材と同一材料で構成されていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
  3. 前記突起支柱が円柱形状であって、前記突起支柱の直径が前記ノズル隔壁の厚さよりも小さいことを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録ヘッド。
  4. 請求項1乃至のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッドと、
    画像データに従って前記ノズル部内のインクを加熱発泡させることにより前記インク吐出口からインクを吐出するように前記ヒータ部を制御するヘッド制御部と、
    前記インクを付着させる記録媒体を搬送する媒体搬送部と、を具備することを特徴とするインクジェット記録装置。
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