JP4769397B2 - 車載用情報機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、操作部の画像を表示手段に表示しこれを見ながら操作部を操作する車載用情報機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、車載機器には複数のボタンやボリュームを有するパネル状の操作部が配置されている。この操作部を操作する場合、操作者はボタンやボリュームの位置を視線にて確認しながらその位置まで手を伸ばし、目的のボタンあるいはボリュームを選択するといった動作をとっている。以上の動作を行う操作者が車両を運転している場合、操作者は視線を前方に保持しなくてはならず、できるだけ安定した運転姿勢を維持する必要がある。そのため、操作部の取付位置は、操作者が運転をしている状態で自然に目に入る領域(以下、ここでは運転視界と呼ぶ)の内側である方が望ましい。
【0003】
しかし、車両のスペースには制約があり、運転視界内に操作部を取付けることは実質的に困難である。そのため、運転視界からは多少外れた位置に操作部を取り付けざるを得ない。したがって、操作者が視線を前方に保持した状態では操作部を手探りで操作することが多く、操作性が低かった。車載機器の操作性に関しては安全性重視の観点から非常に高いレベルが要求されている。そこで従来より、運転視界内にディスプレイ装置を取り付け、該ディスプレイ装置上に操作部の画像を表示する車載用情報機器が提案されている。
【0004】
このような車載用情報機器の従来例について、図15を参照して説明する。右ハンドル車の運転者を操作者と想定した場合、機器本体1および操作部2は運転席に座っている操作者の左前方に配置されている。機器本体1は車載用CDプレーヤを含む音響機器を主体としたもので、CDの一般的な再生に必要な操作などを実現する。その操作に必要なスイッチやCDの入れ替えに関しては操作部2前面にて操作を実施する。また、操作部2の画像を取得するためのカメラ3が車両の天井に固定されている。このとき、カメラ3は操作者の腕などで操作部2の操作状況が隠れない画像を取ることが重要である。そのため、カメラ3の取付位置は操作部2から見て正面の上方となっている。さらに、操作者の前方に近い位置にはディスプレイ装置4がほぼ垂直に設置されている。ディスプレイ装置4は前記カメラ3にて取得した操作部2の画像を表示するものであり、操作者が視線を前方からずらすことなく見られるような位置すなわち運転視界A内に配置されている。なお、符号Bは操作部2を直接見る場合の視界、符号Cはカメラ3の画像取得範囲(撮影範囲)をそれぞれ示している。
【0005】
以上の構成を有する車載用情報機器によれば、ディスプレイ装置4に表示された操作部2の画像を見ながらの操作が可能である。したがって、操作部2を正確に操作することができ、優れた操作性を発揮できる。しかも、ディスプレイ装置4は運転視界A内に位置するため、操作者が運転中であっても操作者の視線を運転視界Aから操作部2を直接見る場合の視界Bに移す必要がなく、操作時だけではなく、機器本体1の動作状況を確認する時にも便利である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来技術には次のような問題点があった。すなわち、カメラ3は操作部2の操作状況を把握できるように操作部2の正面画像を取得している。これに対して、操作者が操作部2を眺めた場合、操作部2を斜め上方から見ていることになる。その上、ディスプレイ装置4ではカメラ3からの画像をほぼ垂直な画面上に表示している。つまり、カメラ3が画像を映す方向と、操作者が操作部を直接見た場合の視線方向と、ディスプレイ装置4上の表示方向とは一致してしない。
【0007】
そのため、カメラ3の位置によっては操作者から見て斜めの位置にある操作ボタン2aの配置がディスプレイ装置4上では真っ直ぐに表示されることがある。この場合、操作者が実際に手を動かしている向き、ディスプレイ装置4上で表示される手の動きの向き、さらに操作者が実感として感じる手の動きの向きという3つの向きはすべてずれており、ディスプレイ装置4を見ながら手を動かした場合、操作者は違う方向に手を動かしているといった錯覚に陥る(図16参照)。しかも、操作部2が垂直ではなく、水平に近い状態で配置されている場合、前後方向の手の動きはディスプレイ装置4上の画像では上下方向の動きとなる。このため、操作者自身が意識する手の動きとは大きく異なり、ディスプレイ装置4に表示される画像の手の動きに違和感を覚えることになる。
【0008】
カメラ3の位置と操作者の視点位置との不一致は、操作者の手の動きだけではなく、操作部2自体の形状にも違和感を抱かせる要因となる。特に、操作部2が立体的な操作ボタンを有している場合、正面上方から撮像した画像ではボタンの立体感が出にくい。したがって、肉眼で見た場合のボタンの印象とは違うことになり、操作ボタンの選択を戸惑うことが可能性がある。このように、ディスプレイ装置4に映る画像からの視覚情報と、操作者自身の実際の操作感覚との間には若干のずれがあり、ディスプレイ装置4を見ながら操作部2を操作した場合に違和感が生じていた。このため、細かい操作は難しくなり、スムーズに操作を行えるようになるまでは、ある程度の時間がかかっていた。
【0009】
本発明は、このような問題点を解消するために提案されたものであり、その目的は、操作者が操作部を直接見た場合に相当する画像を表示手段に表示することによって、表示手段上の画像から受ける操作時の違和感を払拭し、表示された画像を見ながら優れた操作性を発揮でき、安全性の向上に寄与する車載用情報機器を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、車載機器を操作する操作部と、前記操作部の画像を取得する画像取得手段と、前記操作部の画像を表示する表示手段とが配置された車載用情報機器において、次のような構成上の特徴を有している。
【0011】
請求項1の発明は、前記操作部に対する前記画像取得手段の位置情報および前記操作部に対する操作者視点の位置情報をあらかじめ記憶する位置情報記憶手段と、前記位置情報記憶手段にて記憶された2つの位置情報に基づいて前記画像取得手段で取得した画像を操作者の視点から見た画像に変換処理する画像処理手段とが設けられ、前記表示手段は前記画像処理手段にて変換処理された画像を表示するように構成されたことを特徴としている。
以上の構成を有する請求項1の発明では、操作部を基準として画像取得手段および操作者視点の位置情報をあらかじめ位置情報記憶手段に記憶しておく。そして、これら2つの位置情報に基づいて、画像処理手段が画像取得手段が取得した画像を、操作者視点から見た画像に変換処理し、これを表示手段に表示する。このため、表示手段に表示された画像は操作者が実際に見た場合の操作部に近くなり、操作部の形状や立体感が損なわれない。したがって、表示手段の画像を見ながら操作を実施しても操作者が違和感を感じることがなく、優れた操作性を獲得できる。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1に記載の車載用情報機器において、前記操作部には車載用情報機器のメニュー項目に対応して複数の操作ボタンが配置され、前記操作ボタンは車載用情報機器のメニュー項目に応じて必要なものだけが凸状態となり、不必要なものは平坦状態となるように構成されたことを特徴としている。
以上の請求項2の発明では、表示手段に表示された画像が立体感を損なうことがないため、高い視認性を発揮できる。したがって、メニュー項目に応じて凸状態となることで操作性を高める車載用情報機器において、操作者の手から感じる操作感覚と視覚との間のギャップを埋めることができる。この結果、表示手段の画像を見ながらでも違和感を感じることなく、スムーズな操作を実施できる。
【0013】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の車載用情報機器において、前記操作部には車載用情報機器のメニュー項目に対応して複数の操作ボタンが配置され、前記表示手段は前記操作ボタンの画像と前記メニュー項目を一致させて表示するように構成されたことを特徴としている。
以上のような請求項3の発明では、操作ボタンの画像とメニュー項目とを一致させて表示することができるため、操作状況を容易に把握することが可能であり、操作性がいっそう向上する。
【0014】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に車載用情報機器において、前記画像取得手段が前記操作部を操作する操作者の手の画像を取得するとき、前記画像処理手段が変換処理した画像の中から操作者の手の画像のみを切り出す手画像切り出し手段と、車載用情報機器のメニュー項目に対応させて立体的なメニューボタンの画像を生成するメニューボタン画像生成手段と、前記手画像切り出し手段が切り出した操作者の手の画像と、前記メニューボタン画像生成手段が生成した立体的なメニューボタンの画像とを合成させる画像合成手段とが設けられ、前記表示手段は前記画像合成手段にて合成された画像を表示するように構成されたことを特徴としている。
以上の構成を有する請求項4の発明では、立体的なメニューボタンの画像を生成しておき、この画像に操作者の手の画像だけを貼り付けることにより、操作状況を容易に把握可能な画像を表示することができる。したがって、画像取得手段が非常に平板な画像しか取得できず画像処理手段による変換処理後の画像に十分な立体感が出ない場合、あるいは、操作者自身の手によって画像取得手段が取得する画像の一部が隠れてしまい不完全な画像しか得られない場合であっても、立体的なメニューボタンと操作者の手との合成画像を生成することで、表示画像を、操作者が実際に操作部を見た感じに近付けることができ、優れた操作性を確保することができる。
【0015】
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の車載用情報機器において、操作者視点に関する位置情報の設定を変更する視点位置情報設定変更手段が設けられたことを特徴としている。
このような請求項5の発明では、操作者の交替により視点の位置が変わった場合でも、操作者視点に関する位置情報の設定を変更することにより、各操作者の視点に応じた画像変換処理が可能である。したがって、いかなる操作者に対しても優れた操作性を発揮することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の一例について、図面を参照して具体的に説明する。下記の実施の形態はいずれも、車載用CDプレーヤを含む音響機器を主体とした車載用情報機器に適用している。なお、図15に示した従来例と同一の部材に関しては同一符号を付して説明は省略する。
【0017】
(1)第1の実施の形態…請求項1に対応
[構成]
第1の実施の形態は請求項1の発明に対応している。図1は第1の実施の形態のブロック図、図2は第1の実施の形態において操作部2を基準点としてカメラ3の位置と操作者の視点位置とを示す模式図、図3は第1の実施の形態の要部における作業のフローチャート、図4は第1の実施の形態における画像例を示している。
【0018】
図1に示すように、第1の実施の形態に係る車載用情報機器は、機器本体1、機器本体1を操作する操作部2、操作部2の画像を取得するカメラ3、ディスプレイ装置4、位置情報記憶装置5、画像処理装置6から構成されている。なお、第1の実施の形態における操作部2、カメラ3およびディスプレイ装置4の配置構成は図15に示した従来例と同じである。
【0019】
第1の実施の形態の特徴は位置情報記憶装置5および画像処理装置6を備えた点にある。図2に示すように、位置情報記憶装置5は操作部2を基準としてカメラ3の位置データをΘ1とし、操作者視点の位置データをΘ2,Φ2として、これらの位置データをあらかじめ記憶するようになっている。画像処理装置6では位置データΘ1と位置データΘ2,Φ2との関係から、カメラ3が取得した画像を、操作者の視点に仮想的なカメラ3を置いたとして取得する画像、つまり操作者の視点から見た画像に変換処理するように構成されている。このような変換処理を図示するとすれば、図2の破線のようになる。
【0020】
[作用効果]
位置情報記憶装置5および画像処理装置6における一連の作業について、図3のフローチャートに沿って説明する。図中左側のフローチャートに示すように、位置情報記憶装置5ではカメラ3の位置情報Θ1と、操作者視点の位置情報Θ2,Φ2を入力し(S101)、これを記憶する(S102)。また、図中右側のフローチャートに示すように、画像処理装置6ではカメラ3から操作部2の画像情報を取得し(S103)、Θ1とΘ2,Φ2との関係から視点変換処理を行って(S104)、変換結果の表示データをディスプレイ装置4へと出力する(S105)。
【0021】
以上述べたように、第1の実施の形態では、操作部2を基準としてカメラ3の位置データΘ1と操作者視点の位置データΘ2,Φ2とをあらかじめ位置情報記憶装置5に記憶させておき、位置データΘ1と位置データΘ2,Φ2との関係に基づいて、画像処理装置6にてカメラ3が取得した画像を操作者の視点から見た画像に変換処理し、これをディスプレイ装置4に表示できる。この際に得られる画像例を図4に示す。図4の(A)はカメラ3が取得したままの画像を示している。この画像は操作部2をかなり斜め上方から取得しているため、操作部2が縦方向につぶれており、操作ボタン2a同士の上下の間隔は狭く、本来は円形である操作ボタン2aの形状は歪んだ楕円となっている。これに対して図4の(B)は視点を移動させて画像変換処理を行った後の画像であり、ここでは操作者が実際に見る形状に近く、立体感が出ている。このような第1の実施の形態によれば、ディスプレイ装置4の画像を見ながら操作部2を操作する際、操作者は違和感を感じずに済む。したがって、使い勝手が良く、スムーズな操作を実感でき、操作性が大きく向上する。
【0022】
(2)第2の実施の形態…請求項2および3に対応
[構成]
続いて、請求項2および3の発明に対応する第2の実施の形態について図5〜図8を参照して説明する。図5は第2の実施の形態のブロック図、図6は第2の実施の形態における構成要素の配置を示す斜視図、図7は第2の実施の形態において操作部2を基準点としてカメラ3の位置と操作者の視点位置とを示す模式図、図8は第2の実施の形態における画像例を示している。
【0023】
図5に示すように、第2の実施の形態に係る車載用情報機器において、操作部2はメニュー項目に対応して複数の操作ボタンからなるスイッチマトリックス21から構成されている。スイッチマトリックス21は制御装置7によってメニュー項目に応じて必要なものだけが凸状態となり不必要なものは平坦状態となるように制御されている。また、図6に示すように、第2の実施の形態ではこのようなスイッチマトリックス21が操作者の左側にほぼ水平に設置されている。このため、カメラ3はスイッチマトリックス21の画像をほぼ真上から取得するようになっており、カメラ3の位置データΘ1はかなり小さい値となる(図7参照)。さらに、第2の実施の形態ではディスプレイ装置4において、スイッチマトリックス21の画像とメニュー項目とが一致して表示されるようになっている。
【0024】
[作用効果]
以上のような第2の実施の形態では、前記第1の実施の形態と同様に、あらかじめ位置情報記憶装置5に記憶させたカメラ3の位置データΘ1と操作者視点の位置データΘ2,Φ2の関係から、画像処理装置6にてカメラ3が取得した画像を操作者の視点から見た画像に変換処理し、これをディスプレイ装置4に表示できる。この際に得られる画像例を図8に示す。図8の(A)はカメラ3が取得したままの画像を示している。この画像では水平状態のスイッチマトリックス21をほぼ真上から映しているため、操作ボタン2aは立体感の無い円形となっており、平面的である。したがって、操作ボタン2aが凸状態のものと平坦なものとに分かれていても、図8の(A)の画像からこれらを区別することは困難である。これに対して図8の(B)は視点を移動させて画像変換後の画像であり、操作ボタン2aは楕円状となって立体感があり、操作者が実際に見える感じに近づけることができる。
【0025】
したがって、第2の実施の形態によれば、メニュー項目に応じて凸状態となるスイッチマトリックス21を的確に表示することができる。これにより、ディスプレイ装置4で画像を見ている感覚と、実際にスイッチマトリックス21を触っている操作感覚との間に、意識の上でギャップがなく、表示手段の画像を見ながらでも正確な操作を行うことができる。しかも、第2の実施の形態においては、操作ボタン2aの画像とメニュー項目とがディスプレイ装置4上で一致しているため、操作状況を容易に把握でき、操作性のさらなる向上を図ることができる。
【0026】
(3)第3の実施の形態…請求項4に対応
[構成]
第3の実施の形態は請求項4の発明に対応しており、図9は第3の実施の形態のブロック図、図10は第3の実施の形態におけるフローチャート、図11は第3の実施の形態における画像例を示している。なお、第3の実施の形態における操作部2、カメラ3およびディスプレイ装置4の配置構成は前記第2の実施の形態と同じである。
【0027】
図9に示すように、第3の実施の形態は、前記第2の実施の形態の構成要素に加えて、手画像切り出し装置8、立体メニュー生成記憶装置9、画像合成装置10を備えた点に特徴がある。手画像切り出し装置8は画像処理装置6に接続されており、画像処理装置6が変換した画像の中から操作者の手の画像のみを切り出すように構成されている。
【0028】
また、立体メニュー生成記憶装置9は車載用情報機器のメニュー項目に対応させて立体的なメニューボタンの画像を生成、記憶するようにようになっている。画像合成装置10は前記手画像切り出し装置8および立体メニュー生成記憶装置9に接続され、両者からそれぞれ、操作者の手の画像および立体的なメニューボタンの画像とを取り込み合成させるものである。
【0029】
[作用効果]
第3の実施の形態が画像を表示するまでの作業について、図10のフローチャートに沿って説明する。まず、スイッチマトリックス21を操作する操作者の手の画像をカメラ3が取得する(S201)。続いて、カメラ3の位置情報Θ1と操作者視点のΘ2,Φ2の関係から、画像処理装置6にてカメラ3が取得した画像を操作者の視点から見た画像に変換処理する(S202)。次に、手画像切り出し装置8が画像処理装置6が変換した画像の中から操作者の手の画像のみを切り出す(S203)。一方、立体メニュー生成記憶装置9ではメニューボタンの画像を生成し(S204)、これを立体化処理する(S205)。
【0030】
画像合成装置10では手画像切り出し装置8が切り出した操作者の手の画像と、立体メニュー生成記憶装置9が生成した立体的なメニューボタンの画像とを取り込む。そして、立体的なメニューボタンの画像に操作者の手の画像を貼り付けるようにして両者を合成させ、1つの画像とする(S206)。最終的に、合成画像をディスプレイ装置4が表示する(S207)。に送るこの画像に操作者の手の画像だけを貼り付けて表示することができる。
【0031】
このときの合成画像例を図11に示す。この図に示した画像例は、図8の(B)にて示した前記第2の実施の形態における視点変換処理後の画像例よりも、さらに立体感を引き出すことに成功している。これは、カメラ3が取得する画像が図8の(A)に示したように非常な平面的である場合、奥行き方向の画像データが少ないため、画像処理装置6にて視点変換の処理を行ったとしても立体感を引き出すには限界があるためである。
【0032】
また、カメラ3がスイッチマトリックス21の画像を取得する際、操作者の手によって一部が隠れてしまえば、いくら画像処理装置6にて画像処理を行ったにせよ、もともとの画像データが不足することになる。そのため、取得していない部分の画像に関しては表示することができず、画像の表示が虫食い状態となる可能性がある。この場合には、操作している感覚とディスプレイ装置4に表示された画像を見ている感覚との間に大きなギャップが生じることになる。
【0033】
このような不具合に対して上記第3の実施の形態は有効である。すなわち、立体的なメニューボタンの画像を生成しておき、この画像と実際に操作している操作者の手の画像とを合成させることで、操作状況を把握できる視認性の高い仮想的な画像を得ることができる。したがって、カメラ3が取得する画像が平面的であったり、不完全であったとしても、表示画像を、操作者が実際に操作部を見た感じに近付けることができ、優れた操作性を確保することができる。また、カメラ3が取得しなくてはならない画像としては、最低限、操作者の手の画像を得る事ができれば良い。このため、カメラ3の取付位置は自由度が高くなり、狭い車両スペースから受ける制約を緩和することができる。
【0034】
(4)他の実施の形態
本発明は以上の実施の形態に限定されるものではなく、操作部のスイッチ構成や表示手段の取付位置などは適宜選択可能であり、車載用情報機器としては音響機器だけではなくナビゲーション装置などにも適用可能である。さらに、第1の実施の形態において、第3の実施の形態に示したような立体的なメニューボタンの画像と操作者の手の画像とを合成させる構成を採用しても良い。
【0035】
また、請求項5の発明に対応する実施の形態として、操作者視点に関する位置情報の設定を変更する機能を有するものも包含する。このような実施の形態によれば、操作者が交替して視点の位置が変わったとしても、操作者視点に関する位置情報の設定を随時変更することができる。そのため、操作者ごとに視点の位置情報を設定可能である。これにより、きめ細かな画像変換処理を実施することができ、いかなる操作者に対しても優れた操作性を発揮することができる。
【0036】
なお、ここでいう操作者の視点位置とは、操作者から操作部が実際に見える時の視点位置を意味しており、カメラからの取得画像を、操作部が見えないような位置からの画像に変換処理しても何の意味もない。具体的には、図12にて示した操作部2を直接見る場合の視界Bでは、水平な操作部2をほぼ真横から見るような状況となるため、カメラ3が取得した画像をこの視界Bから見たことに相当する画像に変換しても、見えにくい画像に変換されるだけである。
【0037】
このような実施の形態では操作部2が実際に見える視点位置を選定することが重要であって、図13に示すように、操作部2が実際に見える時の仮想的な操作者視点を位置Θ2,Φ2とし、この視点から見た画像に変換する必要がある。この実施の形態においても、前記第1〜第3の実施の形態と同様、あらかじめ位置情報記憶装置5に記憶させたカメラ3の位置データΘ1と操作者視点の位置データΘ2,Φ2の関係から、画像処理装置6にてカメラ3が取得した画像を操作者の視点から見た画像に変換処理し、これをディスプレイ装置4に表示する。この際に得られる画像例を図14に示す。図14の(A)はカメラ3が取得したままの画像を示している。この画像では水平状態の操作部2を真上から映しているため、先に示した図8の(A)の画像と同様、操作ボタン2aは立体感の無い円形となっており、平面的である。これに対して画像変換を処理した後の画像である図14の(B)は、操作ボタン2aは楕円状となっており、操作者が実際に見える感じに近づけることができる。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、画像取得手段が取得した画像を、操作者視点から見た画像に変換し、これを表示手段に表示することにより、表示示された画像を操作者が実際に見た場合の操作部に近けることがことができ、表示された画像を見ながら優れた操作性を発揮でき、安全性の向上に寄与する車載用情報機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施の形態のブロック図。
【図2】第1の実施の形態において操作部2を基準点としてカメラ3の位置と操作者の視点位置とを示す模式図。
【図3】第1の実施の形態の要部における作業のフローチャート。
【図4】第1の実施の形態における画像例であり、(A)はカメラ3が取得したままの画像、(B)は画像変換処理を行った後の画像を示す。
【図5】本発明に係る第2の実施の形態のブロック図。
【図6】第2の実施の形態における構成要素の配置を示す斜視図。
【図7】第2の実施の形態において操作部2を基準点としてカメラ3の位置と操作者の視点位置とを示す模式図。
【図8】第2の実施の形態における画像例であり、(A)はカメラ3が取得したままの画像、(B)は画像変換処理を行った後の画像を示す。
【図9】本発明に係る第3の実施の形態のブロック図。
【図10】第3の実施の形態におけるフローチャート。
【図11】第3の実施の形態において画像変換処理を行った後の画像例。
【図12】本発明に係る他の実施の形態における構成要素の配置を示す斜視図。
【図13】図12に示した他の実施の形態において操作部2を基準点としてカメラ3の位置と操作者の視点位置とを示す模式図。
【図14】図12に示した他の実施の形態においてける画像例であり、(A)はカメラ3が取得したままの画像、(B)は画像変換処理を行った後の画像を示す。
【図15】従来の車載用情報機器における構成要素の配置を示す斜視図。
【図16】操作者が実際に手を動かしている向きと、ディスプレイ装置上で表示される手の動きの向きと、操作者が実感として感じる手の動きの向きとを示す説明図。
【符号の説明】
1…機器本体
2…操作部
2a…操作ボタン
3…カメラ
4…ディスプレイ装置
5…位置情報記憶装置
6…画像処理装置
7…制御装置
8…手画像切り出し装置
9…立体メニュー生成記憶装置
10…画像合成装置
21…スイッチマトリックス
Θ1…カメラの位置データ
Θ2,Φ2…操作者視点の位置データ
Claims (5)
- 車載機器を操作する操作部と、前記操作部の画像を取得する画像取得手段と、前記操作部の画像を表示する表示手段とが配置された車載用情報機器において、
前記操作部に対する前記画像取得手段の位置情報および前記操作部に対する操作者視点の位置情報をあらかじめ記憶する位置情報記憶手段と、
前記位置情報記憶手段にて記憶された2つの位置情報に基づいて前記画像取得手段で取得した画像を操作者視点から見た画像に変換処理する画像処理手段とが設けられ、
前記表示手段は前記画像処理手段にて変換処理された画像を表示するように構成されたことを特徴とする車載用情報機器。 - 前記操作部には車載用情報機器のメニュー項目に対応して複数の操作ボタンが配置され、
前記操作ボタンは車載用情報機器のメニュー項目に応じて必要なものだけが凸状態となり、不必要なものは平坦状態となるように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の車載用情報機器。 - 前記操作部には車載用情報機器のメニュー項目に対応して複数の操作ボタンが配置され、
前記表示手段は前記操作ボタンの画像と前記メニュー項目を一致させて表示するように構成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の車載用情報機器。 - 前記画像取得手段が前記操作部を操作する操作者の手の画像を取得するとき、前記画像処理手段が変換処理した画像の中から操作者の手の画像のみを切り出す手画像切り出し手段と、
車載用情報機器のメニュー項目に対応させて立体的なメニューボタンの画像を生成するメニューボタン画像生成手段と、
前記手画像切り出し手段が切り出した操作者の手の画像と、前記メニューボタン画像生成手段が生成した立体的なメニューボタンの画像とを合成させる画像合成手段とが設けられ、
前記表示手段は前記画像合成手段にて合成された画像を表示するように構成されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の車載用情報機器。 - 操作者視点に関する位置情報の設定を変更する視点位置情報設定変更手段が設けられたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の車載用情報機器。
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