JP4782020B2 - 浸透圧測定装置を校正するシステムおよび方法 - Google Patents

浸透圧測定装置を校正するシステムおよび方法 Download PDF

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Description

本発明は、全般に浸透圧測定法に関し、特に涙液膜の浸透圧を測定する装置を校正するシステムおよび方法に関する。
涙は、眼表面を健全に維持し、眼に細菌が侵入することを防ぎ、視力を維持する上で重要な役割を果たしている。これらの機能は、涙液膜構造の組成および安定性に依存し、涙液膜構造は、下地のムチンと、中央の水溶性成分と、上部の液体層とを有する。涙液膜の崩壊、欠如または欠乏は、眼に重大な影響をもたらす。人工代替涙または涙液膜の保護治療が、管理されていない場合、これらの障害によって、角膜上皮に治癒することが難しい乾燥、漬瘍形成および角膜貫通が生じ、感染病の確率が高まるとともに、視力障害および失明の可能性が著しく高くなる。
乾性角結膜炎(KCS)、または「ドライアイ」は、前述の1または2以上の涙液膜構造成分が、不十分な体積となる状態、または他の成分とのバランスが崩れる状態をいう。KCS患者の場合、涙の液体弾性力またはオスモル数は、高くなることが知られている。KCSは、シューグレン症候群、老化およびアンドロゲン欠乏のような、通常の体の健康に影響を及ぼす因子に関連する。従って、涙液膜の浸透圧(osmolarity:オスモル濃度)は、感度が高く、KCSおよび他の状態の診断の特別な指標となり得る。
サンプル流体(例えば涙)の浸透圧は、「凝固点降下」と呼ばれる生体外技術によって定めることができる。これは、溶媒(例えば水)中の溶質またはイオンによって、流体が、イオンを含まない場合の凝固点以下になることをいう。凝固点降下解析法では、ある量のサンプル(通常は約数mlのオーダー)が、最初に容器内で凝固し始める温度を検出することによって、イオン化サンプル流体の凝固点が把握される。凝固点を測定する場合、多くのサンプル流体が、チューブ等の容器内に集められる。次に、サンプル流体に温度プローブが挿入され、容器が冷凍槽またはペルティエ冷却装置に接触される。サンプルは、常時撹拌され、凝固点未満で、過冷却液体状態が得られる。機械誘導の場合、サンプルは凝固し、熱力学的な熱溶融によって、その凝固点が上昇する。サンプルの凝固点の0゜からのずれは、サンプル流体中の溶質量に比例する。この方式の測定装置は、時折浸透圧計と呼ばれている。
現在の凝固点降下の測定は、マイクロピペットまたはキャピラリ管を用いて眼から涙サンプルを採取し、オスモル濃度の増大によって生じる凝固点の低下を測定することにより、生体外で実施される。しかしながら、これらの生体外測定は、しばしば多くの問題に直面する。例えば、涙サンプルの凝固点降下の解析を行うためには、通常20マイクロリットル(μL)程度の、比較的多量の涙液膜を採取する必要がある。KCS患者からは一度に、わずか約10乃至100ナノリットル(nL)の涙サンプルしか得られないため、従来の生体外測定を行う場合、医師には、十分な量の流体を採取することが要求され、患者に反射性涙を生じさせる必要がある。反射性涙は、眼の表面に、鋭いまたは突出した刺激を与えることにより生じ、この状況は、大きな埃が眼に入ったときに類似している。反射性涙は薄く、すなわち、通常眼から得られる涙に比べて、溶質イオンが少なくなっている。涙液膜が希釈されると、ドライアイの浸透圧試験の診断が無駄になってしまうため、測定は、現在実施されているような、薬の使用を禁止する生体外測定となってしまう。
同様の生体外測定技術は、蒸気圧浸透圧測定法であり、この方法では、十分な量の流体が吸収されるまで、小さな円形フィルタ紙片が患者のまぶたの下側に設置される。フィルタ紙ディスクは、密閉チャンバ室に設置され、冷却温度センサで、その紙ディスク表面の蒸気濃度が測定される。その結果、温度センサは、サンプルの露点まで上昇する。水量に比例する露点の低下が、その後浸透圧に変換される。反射性涙の発生のため、および既存の蒸気圧浸透圧計では多量に涙が必要となるため、現時点では、これらの方法は、ドライアイの測定用として現実的ではない。
KCS患者の涙の溶質濃度を定量化する際に、クリフトンナノリットル浸透圧計(クリフトンテクニカルフィジックスオブハートフォールド、米国ニューヨーク州から入手できる)が、実験室用装置として広く使用されているが、この装置は、操作に熟練が必要である。通常の場合、許容できるデータを得るためには、1時間の校正と熟練技術が必要である。またクリフトンナノリットル浸透圧計は、かさばり、比較的高価である。これらの特徴は、その装置の、臨床治療用浸透圧計としての使用を難しくしている。
眼の表面から採取した涙サンプルの浸透圧を測定する生体外測定技術とは対照的に、患者のまぶたの下側に直接設置される可撓性電極組を用いて、眼の表面から直接、浸透圧の測定を図る生体内測定技術がある。その後電極は、LCRメータに接続され、それを取り囲む流体の導電率が測定される。導電率がイオン導電性、さらには溶液のオスモル数と直接相関することは、古くから知られているが、まぶたの下にセンサを設置した場合、30秒で反射性涙が発生する。また、これらの電極は、製造することが難しい上、単純にキャピラリを用いて涙を採取する方法に比べて、患者に健康上のリスクをもたらすおそれがある。
前述の記載から、現在の浸透圧測定技術は、臨床装置としては利用することができないこと、およびドライアイ患者のためにサンプルの小容量化を実現することが難しいことは明らかである。このように、改良された、臨床医療に利用可能な、ナノリットルレベルの浸透圧測定法に対する要望がある。本発明は、この要望に合致することを課題とする。涙は、眼の表面の健全性を維持し、眼への細菌の侵入を防止し、視力を維持する上で、重要な役割を果たす。これらの機能は、涙液膜構造の組成および安定性に大きく依存し、この構造は、下地のムチンと、中央の水溶性成分と、上部の液体層とを有する。涙液膜の崩壊、欠乏、欠如は、眼に大きな影響を及ぼす。
小型電極を有する浸透圧測定システムは、いくつかの校正方法を含む段階的な手法を用いて、製作の間に生じる変動および欠陥を把握するように構成される。一つの方法は、電極の固有導電率を把握し、サンプル流体の浸透圧を測定する際に、ペアワイズ法に基づいて、この固有の導電率を差し引くものである。段階的な手法を用いる他の方法では、標準液を用いて、電極の校正因子が定められ、次にこれを用いて、サンプル流体の浸透圧測定結果が調整される。標準液の使用と、洗浄ステップとを組み合わせても良い。
本発明のこれらのおよび他の特徴、態様ならびに実施例は、以下の「発明を実施するための最良の形態」の章に示されている。
本発明の特徴、態様および実施例は、添付図面に示されている。
一定量のサンプル流体(例えば、涙液膜、汗、血液または他の流体)の浸透圧を測定するための一例としての実施例を示す。一例としての実施例は、比較的速くて、非侵入性で、安価で、簡単に使用することができ、患者に対する損傷のリスクが最小限となるように構成されている。ナノリットル体積のサンプル流体を用いることにより、正確な測定が行われる。例えば、本発明に合致するように構成された測定装置は、わずか200μLのサンプル流体で、浸透圧測定を行うことができ、通常の場合、より少ない体積で十分に測定を行うことができる。以下に示すある実施例では、浸透圧測定は、採取されたサンプル流体の体積の変動によって、精度が悪くなることはなく、浸透圧測定精度は、採取体積とは実質的に独立である。サンプル流体は、涙液膜、汗、血液または他の体の流体を含む。ただし、サンプル流体は、牛乳または他の飲料等の別の流体を含んでも良いことに留意する必要がある。
図1には、浸透圧チップ100の一例としての実施例を示す。このチップは、涙液膜等のサンプル流体102の浸透圧の測定に使用される。図1の実施例では、チップ100は、センサ電極108、109を有するサンプル領域と、基板に設置された回路接続部110とを含む基板104を有する。電極および回路接続部は、従来の光リソグラフィー技術を用いて印刷されることが好ましい。例えば、現在の技術では、電極108、109の直径を、約1乃至80μmの範囲とすることができ、電極は、サンプル流体が存在しないときに導電経路が存在しないように、十分に離間される。ただし、現在利用可能な技術では、1μm未満の直径の電極を得ることもでき、この寸法は、本発明により形成されるチップには十分である。測定に必要なサンプル流体の量は、一つの電極から他の電極まで広がっていれば十分であり、これにより、動作可能な導電経路が形成される。チップ100が光リソグラフィーの寸法レベルの場合、ミクロンまたはナノスケールの所定量のサンプルの測定が可能になる。例えば、信頼性のある浸透圧測定は、20μL未満の涙液膜サンプル体積で得ることができる。通常のサンプル体積は、100ナノリットル(100nL)未満である。10nLの涙液膜サンプルは、ドライアイを患う患者から比較的容易に採取することができると予想される。
チップ100は、サンプル流体102にエネルギーを伝達するように構成されており、サンプル流体のエネルギー特性の検出が可能となる。この点に関して、電流源が、接続部110を介して電極108、109間に設置される。サンプル流体の浸透圧は、サンプル流体102のエネルギー伝達特性を検出することにより測定することができる。エネルギー伝達特性には、例えば導電率が含まれ、接続部110および電極108、109を介してサンプルに伝達される、特定の量の電力(例えば電流)から、サンプル流体のインピーダンスが測定される。
サンプル流体の導電率が測定された後に、約100kHzで、10Vのオーダーの正弦波関数信号が印加されることが好ましい。電極108からサンプル流体102を通り、他の電極109に至るまでの、回路の複素インピーダンスの実部および虚部が測定される。関心周波数では、主要電気信号の実部は、複素面の半分となる場合が多く、これはサンプル流体の導電率を低下させる。この電気信号(以降、導電率という)は、サンプル流体102のイオン濃度と直接相関するため、浸透圧が測定される。また、サンプル流体102のイオン濃度が変化した場合、これに応じて、導電率および流体の浸透圧が変化する。従って、信頼性のある浸透圧が得られる。また、インピーダンス値は、サンプル流体102の体積には依存しないため、浸透圧測定結果は、実質的にサンプル流体には依存しない。
前述の入力信号の代わりに、より複雑な信号をサンプル流体に印加した場合、その応答によって、浸透圧のより正確な予測が可能となる。例えば、周波数領域全体にわたってインピーダンスを測定することにより、校正が行われる。これらのインピーダンスは、同時に(波形入力とフーリエ分解を組み合わせて)、または逐次的に測定される。周波数とインピーダンスデータの関係から、サンプルおよびサンプル流体測定回路の相対特性についての情報が提供される。
図2には、サンプル流体202の浸透圧を測定するサンプル受容チップ200の別の実施例を示す。このチップは、電極208の配列を含む印刷回路を有するサンプル領域206を備える基板層204を有する。図2に示す実施例では、サンプル領域206は、5×5の電極配列を有し、これらの電極は、光リソグラフィー技術で設置され、各電極208は、基板204の一方の側に接続部210を有する。図2には、明確化のため、全ての電極208の接続部が示されているわけではない。これらの電極によって、以下に示す分離された処理ユニットでの測定が可能になる。
図2の電極配列は、電極208の導通の程度を検出することにより、涙滴202の寸法を測定する手段を提供し、これにより、液滴の範囲を定めることができる。特に、処理回路は、導通する電極数を定め、これにより、液滴202によって被覆された隣接する電極の数が決定される。これにより、サンプル流体によって被覆された基板の表面領域が定まる。サンプル流体の既知の表面張力を用いて、表面領域を覆うサンプル流体の高さが、高い信頼性で予測され、これにより液滴202の体積が求まる。
図3には、サンプル流体302が上部に設置された、サンプル受容チップ300の別の代替実施例を示す。このチップは、基板層304を有し、サンプル領域306には、複数の同心円上に構成された電極308が設置される。図2の四角形状配列と同様の方法で、図3の電極308の環状配置によって、サンプル流体302の寸法を予測することができる。液302は、通常、サンプル領域の円または楕円領域を覆うためである。処理回路は、導通する電極の最大の(最も外側の)円周を検出することができるため、これにより流体サンプルによって被覆された表面領域を定めることができる。前述のように、定められた表面領域によって、サンプル流体302の既知の表面張力および対応する体積高さを用いて、体積が見積もられる。図3に示す実施例では、電極308は、従来の光リソグラフィー技術を用いて印刷することができ、現在のところ、電極の直径は、1乃至80μmの範囲とすることが可能である。これにより、実質的にサブミクロンの液滴で電極を被覆することができる。電極は、約1mm乃至1cmのサンプル流体を受容することが可能な寸法領域として印刷することができる。
図1、図2および図3に示す電極および接続部は、光リソグラフィー技術を用いて、接続パッドを有する電極として、各基板層上に設置される。例えば、電極は、アルミニウム、白金、チタン、チタン−タングステン、および他の同様の材料等の、異なる導電性金属で形成することができる。ある実施例では、電極は、周囲を誘電体で形成することができ、この場合、電極の端部でのフィールド密度が保護される。これにより、電極の周囲で他の不安定な電場が生じることが抑制される。
チップ200および300の一実施例の上面図は、それぞれ、図4および図5に示されている。これらの実施例には、電極および接続部の詳細な配置が示されており、サンプル滴の電気的特性を測定する際に、各電極が電気的に接続される方法が示されている。前述のように、電極および接続部の配置は、従来の光リソグラフィー技術を用いて、基板100、200、300上に印刷される。
図6は、本発明により構成された浸透圧測定システム600のブロック図である。この図には、サンプル流体の浸透圧を求める処理プロセスにおいて、どのように情報が定められ、利用されるかが示されている。浸透圧測定システム600は、測定装置604と、処理装置606とを有する。測定装置は、採取装置608からの多くのサンプル流体を受容する。採取装置は、例えば、マイクロピペットまたはキャピラリ管を有する。採取装置608は、患者のサンプル涙液膜を採取する。例えば、採取装置608は、一定体積のマイクロピペットからの負圧、またはキャピラリ管からの帯電引力を利用して、患者の眼の表面近傍から少量の涙を吸引する。
測定装置604は、サンプル領域内の流体にエネルギーを伝達し、伝達されたエネルギーを検出するシステムを有する。例えば、測定装置604は、サンプル流体によって短絡された2つの電極を有する電気経路に、(関数発生器等からの)特定波形の電気エネルギーを提供する回路を有する。処理装置606は、サンプル流体に伝達されたエネルギーを検出し、浸透圧を算出する。処理装置は、例えば、RLCマルチメータを含むシステムを有し、このマルチメータは、2つの電極間に導電経路を形成する流体のリアクタンスに相関するデータを発生する。さらに処理装置のシステムは、参照表を用いて浸透圧を定めるプロセッサを含む。必要であれば、処理装置は、前述のチップの一つを受容するベースユニットに収容することができる。
前述のように、浸透圧測定を行うサンプル量は、20μL未満の流体であっても良い。本発明による涙液膜の通常のサンプルは、キャピラリ管のような流体採取器によって採取され、この機器では、しばしば1μL未満の涙液膜が収容される。医療の専門家は、マイクロピペットおよびキャピラリ管の取り扱いに慣れており、ドライアイの患者からも少量のサンプルを容易に採取することができる。
採取されたサンプル流体は、採取装置608から測定装置604に搬送される。採取装置は、医療の専門家によって手動で、またはサンプル領域上部に機械的に誘導されて、チップ基板のサンプル領域の上部に配置されても良い。ある実施例では、例えば採取装置(例えばキャピラリ管)は、ベースユニット内の射出成形定形孔の位置まで、機械的に誘導され、あるいは、精密ネジ(例えば、マイクロチップ界面用のニードルを有する小型操作器)を用いて、一組のクランプに固定される。別の実施例では、誘導器は、コンピュータ誘導フィードバック制御回路であり、この回路は、キャピラリ管を保持し、これを自動的に適切な位置に低下させる。
チップの電極および接続部は、導電率等、サンプル流体のエネルギー特性を測定し、測定された特性は、処理装置606に送られる。サンプル流体の測定エネルギー特性には、導電率、および他の特性が含まれ、例えばサンプルの複素インピーダンスの両部分、光信号内のノイズの変化、およびサンプル流体の抵抗加熱による測定ドリフト等が含まれる。測定エネルギー特性は、処理装置606内で処理され、サンプルの浸透圧が提供される。ある実施例では、処理装置606は、チップを受容するベースユニットを有し、チップと処理装置606の間で電気的接続が可能になる。別の実施例では、ベースユニットは、浸透圧値を表示するディスプレイユニットを備える。処理装置606、特にベースユニットは、可搬ユニットであっても良いことに留意する必要がある。
図7は、本発明により構成された、涙液膜浸透圧測定システム700の斜視図である。図7に示す実施例では、一例としてのシステム700は、前述のチップのいずれかのようなチップからなる測定ユニット701と、適当な測定出力を提供するコネクタまたはソケットベース710と、を有する。システム700は、サンプル流体の導電率を測定して、浸透圧を求める。従って、測定チップ701は、半導体集積回路(IC)チップを有し、この回路チップは、前述の図1乃至図5に関連して示したチップと同様に構成された基板を有する。従って、チップ701は、基板層の上部に印刷された少なくとも2つの電極によって定形されたサンプル領域を有する基板層を有する(あまりに小さいため、詳細は、図7では視認できない;図1乃至図5参照)。基板およびサンプル領域は、当業者には明らかな方法で、内部包囲体内に収められる。特に、チップ701は、従来の半導体製作技術を用いて、ICパッケージ707状に加工され、このパッケージは、チップ701によって電気信号が受信され、出力がチップの外側に伝送されることを可能にする、電気接続部脚部708を有する。パッケージ707は、チップの取り扱いをより簡便にし、サンプル領域の蒸発を抑制するケーシングを提供する。
図8には、外部開口孔720を用いて、サンプル流体702を挿入することにより製作された測定チップ701を示す。このように、孔720は、半導体パッケージ707内に形成され、チップ外部から、基板804およびサンプル領域806に至る経路が提供される。採取装置(マイクロピペットまたはキャピラリ管等)は、孔720を通るように設置され、サンプル流体702は、採取装置から、直接基板804のサンプル領域806に搬送される。孔720は、採取装置の先端を受け入れることができるように寸法化されている。孔720は、開口または漏斗状孔を形成し、この孔によって、チップの外部から、基板804のサンプル領域806までの経路が得られる。このように、サンプル流体702は、採取装置808から搬出され、直接基板804のサンプル領域806に設置される。サンプル領域は、採取装置からのサンプル流体の一定の体積を受容するように寸法化されている。図8では、例えば電極は、サンプル領域806を形成し、この領域は、約1mm乃至1cmの面積範囲である。
再度図7を参照すると、チップ701は、処理回路704を有し、この回路は、例えば所望の波形の信号を発生する関数発生器を有し、この信号は、チップのサンプル領域の電極に印加される。処理回路は、さらに電圧測定装置を有し、この装置は、チップ電極から読み取られる、二乗平均平方根(RMS)電圧値を測定する。関数発生器は、高周波交流電流(AC)を形成し、測定過程において、好ましくない直流(DC)の影響が回避される。電圧測定装置は、RLC測定装置の機能を取り込んでいる。従って、チップ701は、測定回路と、サンプル領域電極とを組み込んでいる。処理回路は、中央処理ユニット(CPU)と、プログラム指令を保管し、さらにデータを保管することが可能な関連のメモリ(ファームウェア)とを有する。このように、単一のチップは、電極およびサンプル領域用の対応する接続部を有するが、さらにチップの分離領域の上に、測定回路を有することもできる。この配置では、回路構造の関連する迷走抵抗が最小化される。
前述のように、処理回路70は、サンプル領域の電極に、信号波形を印加する。また処理回路は、電極からのエネルギー特性信号を受信し、サンプル流体の浸透圧値を決定する。例えば、処理ユニットは、一組の電極から導電率の値を受信する。当業者は、2つ以上の電極間に導電経路を形成するサンプル流体の導電率を定める技術および回路に精通している。
図7の実施例では、処理ユニット704は、100kHz等の単一の周波数で、ピーク間電圧が10Vである信号波形を形成する。次に処理回路704は、図9に示すような校正曲線を用いて、導電率に相関するナトリウム濃度から浸透圧値を定める。この場合、校正曲線は、導電率(電圧)と浸透圧値(すなわちナトリウム濃度)の間の伝達関数として構成される。ただし、他の校正曲線を構成して、他のエネルギー特性と浸透圧値との間の伝達関数を得ても良いことに留意する必要がある。例えば、浸透圧の校正に、信号の差異、自己相関、およびドリフトを含めても良い。また必要であれば、他変数相関係数チャート、または多くの測定値の組を任意に用いて、浸透圧値が最適化されるような神経ネットワーク判断に基づいて、浸透圧値を算定しても良い。
図7の代替実施例では、処理ユニット704は、所定の周波数掃引の信号波形、例えば1kHzから100kHzまで1kHzの増分の周波数掃引の信号波形を形成し、各周波数で電極組から受信した導電率および変化値を保管する。次に、出力信号と周波数曲線の関係を用いて、サンプルに関する高次の情報が得られ、前述の伝達関数にこの情報を使用することにより、真の浸透圧値を得ることができる。
図7に示すように、ベースソケットコネクタ710は、チップ701のピン708を、対応するソケット711で受ける。コネクタ710は、チップの処理回路704および電極に、例えば必要な電力を供給する。従って、チップ701は、サンプル領域電極と、浸透圧を決定するために必要な信号発生器処理回路とを含み、浸透圧値を含む出力は、ピン708を介してチップからコネクタ710を通り、表示読み出し部まで伝送される、
必要であれば、ベースコネクタソケット710は、チップ701のピン708を受けるソケットの底部に設置されたペルティエ層712を有する。当業者には、ペルティエ層が電気/絶縁接合を有することが明らかであり、適切に印加された電流は、ペルティエ層を冷却または加熱する。このようにして、サンプルチップ701は、加熱または冷却され、これによりサンプル流体の蒸発を制御することができる。サンプル流体から得られる浸透圧値の精度を高めるためには、サンプル流体の蒸発を正確に制御すべきであることは明らかである。
図10には、浸透圧計の代替実施例を示す。この例では、チップは、前述のようなオンチップ処理ユニットを有さず、その代わりに、主として、サンプル領域電極および相互接続部を有する制限回路を含む。すなわち、処理ユニットは、チップから分離され、ベースユニットに設置することができる。
図10には、ベースユニット1004を含む浸透圧計1000の詳細を示す。このベースユニットは、ベースコネクタ710と、ヒンジカバー1006とを収容し、ヒンジカバーは、ベースコネクタ710および受信測定チップ701を覆っている。従って、サンプル流体がチップ上に設置された後には、チップが、ベースユニット1004のソケットコネクタ710に挿入され、ヒンジカバー1006がチップを取り囲み、サンプル流体の蒸発速度を低下させる。
サンプル流体が比較的速く蒸発するという問題は、2つの方法のいずれかで処理できることに留意する必要がある。一つの方法は、液滴がチップのサンプル領域に設置されてから、できるだけ速やかにサンプル流体電圧を測定することである。別の方法は、蒸発速度、およびこれに対応する導電率値の変化を測定する、測定ユニットを設けることである。次に処理ユニットは、出力を後処理して、浸透圧値を予測する。処理は、ハードウェアまたはハードウェアに保管されたソフトウェアにおいて実施される。従って、処理ユニットには、異なる処理技術を取り入れることができ、例えば、神経ネットワークを用いて、浸透圧、温度変化、体積変化、および他の関連パラメータのために測定された流体サンプルに関する情報を収集および学習させることにより、システムが神経ネットワーク技術によって学習され、より迅速で正確な浸透圧測定が可能となる。
図11には、別の代替構成例を示す。この例の浸透圧測定システムでは、サンプル受容チップ1102が利用されるが、このチップは、図7のようなICパッケージを含まない。その代わりに、図11の測定チップ1102は、電極および対応する接続部を備える露出サンプル領域を有するチップとして構成される。処理回路は、ベースユニットに設置され、サンプル流体のエネルギー特性が測定される。この代替構成例では、コネクタソケット710と同様のコネクタによって、ベースユニットの処理ユニットへの測定エネルギー特性の伝達が可能となる。そのような構成は、プローブカード構造の分野では、当業者に広く知られている。
図11には、プローブカードベースユニット1100を示す。このユニットは、サンプルチップカード1102を受け、このカードは、上部に電極1108が形成されたサンプル領域1106を備える基板1104を有し、この電極は、プローブカードの端部コネクタ1110にワイヤ溶接されている。ベースユニットのヒンジ蓋1112がプローブカードの上部を塞いだ場合、蓋の下側の接続櫛1114は、端部コネクタ1110と接触する。このようにして、サンプル領域1106の電極は、処理回路と結合され、測定が可能となる。図11の実施例のプローブカードの処理回路は、前述の構成のいずれかで構成される。すなわち、電極に電流を印加する処理およびサンプル流体のエネルギー特性を検出して、浸透圧を定める処理は、プローブカード1102の基板上にオンチップ化され、あるいは処理回路が、ベースユニット1100内でオフチップ化される。
前述の代替実施例では、浸透圧計は、ヒンジの上部を開放した状態で、ベースユニットに新しい測定チップを設置することにより構成される。ベースユニットに設置されたチップは、下側から環境を監視し始める。例えば1kHzの速度でチップからの出力信号を記録することにより、システム挙動が完全に記録される。電極配列のいずれかの部分にサンプルを設置することにより、サンプル流体で被覆されたいずれかの電極組の間の導電率が向上し、高い信号対ノイズ比が得られる。処理ユニットは、サンプル流体の添加に直接関連する導電率の変化を把握し、一旦この種類の変化が同定されると、電気信号の浸透圧データへの変換を開始する。すなわち、チップの処理は、ベースユニットとの結合によって開始され、これは、ベースユニットの蓋の開操作または他のユーザの行為には依存しない。
パッケージ化チップ(図7および図10)またはプローブカード(図11)における、オンチップ処理回路を有する「スマートチップ」(図7)、またはオフチップ処理回路を有する電極単独配置(図10)のような前述のいかなる構成においても、サンプル受容チップは、各使用後に廃棄され、ベースユニットは、使い捨て測定チップのインターフェース用のプラットフォームとして機能する。また前述のように、ベースユニットは、関連する制御、通信および表示回路(図示されていない)、さらにはソフトウェアを有し、あるいは、そのような特徴物は、ベースユニットにオフチップで提供される。この点に関して、処理回路は、自動でサンプル領域電極に十分な電力を提供するように構成され、測定サイクルの後、電極が不可逆的に酸化され、電極はその後の測定サイクルに使用することができなくなる。使用済みチップをベースユニットに挿入すると、ユーザは、電極が使用不可能であるとの指示を受ける。これにより、サンプルチップの複数の使用を回避することができ、不正確な浸透圧測定、および生じ得る不衛生な環境が回避される。
過去に使用したチップを機械に戻さないための第2の方法は、シリアル番号を符号化するか、チップに直接符号化するステップを有する。ベースユニットは、使用済みチップの番号をメモリに記録し、それらの番号が、ベースコネクタに設置された新しいチップに対して相互参照される。ベースユニットが使用済みチップのシリアル番号が古いチップと同じであることを見出した場合、システムは、新しいチップが挿入されるまで、浸透圧の測定を拒否する。蒸発が生じると、プロテインが吸着して電極上で塩の結晶が形成され、測定電極の健全性が損なわれるため、各試験の際に、新しいチップの使用を確認することは重要である。
図12には、本発明による一例としての浸透圧測定技術を示すフローチャートを示す。ボックス1300では、体から涙液膜等の流体サンプルが採取される。通常サンプルは、1μL未満の体積である。ボックス1302では、採取サンプルがチップ基板のサンプル領域に設置される。次に、ボックス1306では、測定されたエネルギー特性が処理され、サンプルの浸透圧が算定される。チップによって導電率の測定が行われる場合、ボックス1306での測定処理には、前述の「電極酸化」操作が含まれ、チップ電極は、いかなる後続の測定サイクルにおいても動作しなくなる。
導電率測定システムの測定処理では、基板の電極配列上に涙液膜サンプルを設置したときに、開回路電圧から、採取サンプルの状態を示すある値への実質的に瞬間的なシフトが観測される。その後のサンプルの導電率のドリフトは、出力の継続的な変化として観測される。
測定チップの出力は、経時変化電圧であっても良く、この電圧は、浸透圧値に変換される。従って、導電率測定系のシステムでは、入力信号の広い範囲にわたる周波数応答の測定によって、単なるサンプルの「導電率」以外のより多くの情報が得られ、最終段階の処理が向上する。例えば、校正は、複数の周波数(例えば、10、20、30、40、50、100Hzでの信号の測定比)で行われ、相対的な計算を行う測定処理が可能となる。これにより、チップ間の電圧ドリフトが小さくなる。巨視的電極を用いた標準的な測定方法(すなわちpHメータ、またはマイクロキャピラリ技術)では、形成される一次校正曲線は、従来のバッファに依存する。光リソグラフィー法は、比較的再現性のある製造技術であり、周波数掃引と組み合わせた場合、オペレータを介在させずに校正を行うことができる。
前述のように、エネルギー特性の処理は、神経ネットワーク構造において行われ、エネルギー特性から得られる外観上異なる測定データ点を用いることにより、単一のエネルギー特性測定から得られる値よりもさらに精度の高い浸透圧値が得られる。例えば、サンプルの導電率のみを測定する場合、単に校正曲線のみを用いて、導電率に対応する浸透圧値が得られる。しかしながらこの浸透圧値は、神経ネットワークの出力のように高精度ではない。
神経ネットワークは、校正曲線を採取するように構成され、この校正曲線は、サンプル流体のエネルギー特性と浸透圧値との間の実質的に最適な伝達関数を反映する。従って、ある実施例では、神経ネットワークは、電圧、蒸発速度および体積変化等の関心変数の全てに対する校正曲線を採取する。また神経ネットワークは、入力としての優先リストを構築または受信し、このリストは、重要因子を各変数に割り当て、最終結果または浸透圧値に対する重要性が示される。神経ネットワークは、予め最終結果が既知の実際のデータ例を学習することによって、校正曲線を作成する。従って、神経ネットワークは、変数の最良の組み合わせから、最終結果を予測することを学習する。次に、変数の有効な組み合わせを処理するこの神経ネットワーク構成は、測定チップ701またはベースユニットに含まれている処理ユニットにロードされる。一旦学習すると、神経ネットワークは、ソフトウェアまたはハードウェアに配置される。
また浸透圧測定の前に、電極内の欠陥を同定および差し引く機能も重要である。これは、浸透圧構成装置の校正によって達成され、この装置は、図2に示すようなチップ1200等の浸透圧測定チップを有する。またこの種類の校正は、神経ネットワークを用いて、より有効な方法で行うことができる。しかしながら、そのようなネットワークは、以下に示す校正処理を行う上で、必ずしも必要ではないことは明らかである。
古くから、裸の金属電極が関心電気化学的溶液と直接接するように設置される構成は、測定装置には適さないと考えられてきた。この第1の理由は、金属/溶液界面には、電極を取り囲む対イオンの二重層が存在し、関心イオンの量を変化させるためには、十分な大きさの電場を印加する必要があるためである。バルク溶液では、対流電流または撹拌は、これらの分布を乱し、経時変化するノイズを生じさせ、そのオーダーは、当該信号と同じである。さらに、電極の分極率およびヒステリシスによって、電極に小さな信号が伝達された場合、問題が生じる。さらに、電極からの大きなDC源または低周波数AC源は、電解質を不可逆的にし、重要な生物化学種の気泡発生および酸化が生じる。気泡が発生すると、電極近傍に可変誘電シフトが生じ、そのような条件下で測定された電圧では、溶液に関して取得された情報の信頼性が損なわれる。
これらの影響のため、従来の溶液は、電極から物理的に分離され、電極は、塩橋を通じて溶液から分離される。この場合、活性電極の極近傍での気泡発生および他の非線形要因によって、電極から遠いイオンが定常状態分布から大きくかけ離れた状態となる。例えば、溶液のpHを測定するための装置では、ガラス又はセラミック材料のような半透明膜によって、金属電極がバルク溶液から分離される。また、一般に半透明膜内の金属電極は、塩化銀または塩化水銀溶液に浸漬された、Ag(銀)またはカロメル(水銀)で構成される。これにより、単一の化学反応が生じ、電極近傍での挙動が支配される。この反応は、平衡近くに維持され、半透明膜内にイオンの勾配が生じた場合、対称な酸化還元反応によって、電極表面に浸透力が伝達され、システムが平衡状態に戻される。このようにして、イオンは、ガラス−溶液および電極−バッファ界面でバランス化され、非線形性が最小限に抑制される。
通常の測定システムとは異なり、人の涙液膜の浸透圧の臨床測定では、通常のシステムよりも小さな電極が必要である。これは、数十ナノリットルが、例えば乾性角結膜炎を患う患者から採取可能な最大の体積に相当するためである。前述のように、本願のシステムおよび方法では、涙測定用の臨床装置が得られ、この装置は、測定精度に対する厳しい要求仕様に合致し、例えば図1および図2に示すように、マイクロチップに印刷された裸の金属電極を使用することにより、この領域での診断が可能となる。その結果、物理的な寸法が極めて微細なため、そのような装置の電極シールドに対する従来の解決策が不要となる。例えば、80μmの径の光リソグラフィー製電極では、コスト的に有意な方法で製作された膜の使用ができない。例えば、スピンコートゲル浸透層は、極めて高額であり、生産性が下がり、いくつかの製造不都合が生じる。また、塩橋勾配による浸透圧摂動によって、関心体積のメニスカスサンプルは、使用不可能になる。従って、巨視的電極を用いた通常の測定方法の多くは、小型電極に適用することが難しく、校正時以外にも追加の問題が残る。
入力が直接出力に対応する、線形校正プロファイルを形成するため、通常、従来の巨視的電極は、複数の既知の標準液に浸漬される。例えば、pHメータには、pHが4.7および10の3組のバッファが使用され、各流体によって、フィッティング線の点がプロットされる。標準液が混合しないように、各校正点の合間に、巨視的電極が洗浄され乾燥される。ガラスチャンバ内の電極バッファが、ある濃度であると仮定した場合、できるだけ少ない標準点で校正を行うことができる。しかしながら、長時間経過後に、一度均一な電極バッファが測定物質により汚染されると、精度を確保するためには、少なくとも2点の校正が必要となる。
しかしながら小型電極で作動させた場合、前述のような従来の校正ステップは、しばしば配列を損傷させる危険を冒し、何らかの確認測定を行うことを考慮しなければ、実施することが難しくなる。例えば、チップ上に校正標準液を設置した後、配列を紙で清浄化することは非現実的である。電極表面の研磨によって、研磨端部において高い電流密度となり、気泡が発生したり、測定が不正確になってしまうからである。また人の涙のモデルとして、例えば10mg/mlのBSAを成分に含む校正標準液を使用した場合、電極表面へのプロテイン吸着によって、臨床測定の精度が低下してしまう。さらに、校正点の組として少量の塩溶液を使用した場合、流体が蒸発した際に、チップ表面の無秩序な位置に極めて大きな塩結晶が残留してしまう。その後この残留塩は、後に使用されるチップ上に設置されたサンプル中に溶解し、導電率が体積に依存するようになるとともに、標準液として設置された流体量の僅かの差によって、関心流体サンプルの塩量が変わってしまう。
さらに、ドライアイの臨床試験は、溶液中のイオンの相対的な動きを、浸透圧の絶対値に変換する必要があり、この値は、長期間経過後の試験結果と互換性がなければならない。最終値は、測定装置に依存しないようにする必要があり、診断処理のためには、長期間安定である必要がある。従って、高精度で耐久性のある測定装置を得ようとした場合、前述のような小型電極配列を校正する機能は、いくつかの残りの課題によって妨害される。
しかしながら、以下に示すように、前述の本願のシステムおよび方法に対応する小型電極配列の校正に、いくつかの方法を用いることができる。これらの方法は、それぞれ、配列内の各電極の固有導電率を測定することによって開始される。次に、この固有の導電率が保管され、涙等の試験流体の電気的特性の最終測定結果から、固有の導電率の影響が差し引かれる。電極の校正因子を定める際に、実施例によっては、標準液を使用しても、使用しなくても良い。また、標準液が使用される場合、後続の洗浄ステップは、実施されてもされなくても良い。
より正確な校正結果を得るため、各種方法をモジュール方式で組み合わせることが可能であることに留意する必要がある。従ってこれらの方法を使用して、一連の複雑なレベルのものを形成して、試験毎のバラツキを最小化することができる。
図13には、本願のシステムおよび方法の一実施例に対応する標準液を使用しない浸透圧測定装置の一校正方法のフローチャートを示す。ボックス1402では、電極の固有の導電率が測定される。測定された各電極の固有導電率は、メモリに保管される。ボックス1404では、涙液膜等の関心サンプル流体が測定装置に導入され、ボックス1406では、サンプル流体の電気的特性が測定される。またある実施例では、ボックス1408において、処理回路は、電極配列からサンプル流体と接する電極を同定する。サンプル流体と接する電極は、導電性電極となり、同定された導電性電極は、メモリに保管される。ボックス1410では、処理回路は、ペアワイズ法に基づいて、サンプルの測定を実施する電極の固有導電率に合わせて、サンプル流体について測定された電気的特性を調整する。この調整によって、サンプル単独の浸透圧測定結果が得られ、この値は、電極の厚さ変化、誘電体の成膜厚さ変化、および測定装置の製造時に生じ得る他の電極の変化には依存しない。
ある実施例では、固有導電率は、電極配列にDC電流を印加し、各電極での出力電圧を測定することにより定めることができる(ボックス1402)。次にDC電流および出力電圧に基づいて、対応する抵抗が計算され、この値は、例えばメモリに保管される。別の実施例では、より複雑な信号、例えば時間領域に正弦波形が生じ、この信号が電極配列に印加される。次に対応する出力が測定され、保管される。次に保管された出力データに対して、フーリエ変換が行われる。得られた結果は、各電極の周波数範囲にわたる相対コンダクタンスを示す周波数と振幅との関係にマップ化される。このマップは、特定のインピーダンス、例えば低kHzからMHzの範囲の関心周波数の範囲で形成される。
校正のため、各電極に電流信号を伝送し得られる出力を測定する場合、各電極に、2本のリード線が提供される。その後、電流信号が印加され、2本のリード線を介して所与の電極の出力が測定される。
そのような実施例では、得られた校正曲線の勾配は、時間に対して一定であると仮定することができる。次に前述のように、浸透圧測定装置において、校正曲線が形成される。次に、電極抵抗を差し引くことにより、浸透圧を求めるための調整が行われ、これにより、校正曲線のx軸に沿って、入力マップがシフトする。次に、湿度及び周囲温度等の実施に影響を及ぼす他の影響が、後続の信号処理で処理される。
試験前に、各電極組の固有導電率を適性に定めることにより、配列位置に関する精度が高まる。この方法では、電極は、サンプルの平均、および前述の導電率校正によって定められた変数を用いたガウスランダム変数の無秩序な処理として求められる。予想されるバラツキの95%を外れるいかなる電極も、欠陥があると考えられるため、信号は、その後の校正段階では無視される。このように配列内の電極組を選択的にアドレス処理することにより、読み取り値の校正および製造欠陥に対する影響の回避が可能となる。
例えば、図2の電極配列では、導通する電極208の範囲を定め、液滴の範囲を定めることにより、例えば涙滴202の寸法を測定する手段が提供されることに留意する必要がある。特に、処理回路は、導通している電極数を定め、これにより、液滴202に被覆された隣接電極数が定められる。導通しサンプル流体202と接する電極配列の同定結果は、その後メモリに保管される。
このようにしてサンプル試験が完了すると、サンプルの出力信号から、導通する電極組全ての固有導電率が差し引かれ、サンプル単独の浸透圧値が求められる。ある実施例では、サンプル流体202は、配列内の全ての電極を被覆している訳ではないことに留意する必要がある。従って、導通しサンプル流体202と接している電極のみが校正に使用され、サンプルの測定値が調整される。前述のように、サンプル流体202について得られた浸透圧測定値は、電極厚さ、誘電体成膜厚さ、および測定に使用される導電性電極の製造時に生じ得る他の変化には依存しない。
前述の校正を行うシステムおよび方法は、有益で、簡単で、必要な補正を実施するためのソフトウェア事後処理が最小限で済むという利点があるものの、この方法では、金属突起または粗い端部等の電極形状の尖った形状を検出することはできない。これらの欠陥では、電極の固有導電率はあまり変化しないためである。小型電極への入力信号として、高周波数正弦波形を用いた場合、前述の裸の金属電極では測定が難しくなる。ピーク間距離が10Vであっても、10乃至100kHzの波形では、一定量の被測定涙液膜サンプルに気泡は生じない。これは、この周波数範囲では、水の分極性とイオン移動度の間でバランスが保たれ、イオンの振動がバルクの動きよりも顕著になるためである。これにより、電解質および他のDC電極の多くの問題が解決される。しかしながら、サンプル流体が設置された際、金属突起または粗い端部等の電極形状によって、気泡が発生し、この気泡は、測定に悪影響を及ぼす。従って、これらの影響を解消するため、各試験の前に、1または2点の標準液の校正を行うことが有意である。
図14には、標準液を用いて浸透圧を測定する装置を校正する方法の実施例のフローチャートを示す。ボックス1502では、メモリ上の校正曲線が提供され、この校正曲線は、直線であると仮定される。直線上の一点は、標準液で測定された電気的特性がゼロであるとき、標準液のオスモル濃度はゼロであるという仮定により得られる。約500mOsmの濃度範囲の高端側での電気的特性(すなわち正弦波フーリエ変換等)は、濃度が既知の流体の既知の電気的特性に基づいて、メモリに保管されている。
ボックス1504では、測定装置の小型電極配列上に標準液が設置され、ボックス1504で、標準液の電気的特性が測定される。標準液の電気的特性を測定する方法は、前述のような、サンプル流体の電気的特性を測定する方法を含む。処理装置は、測定された電気的特性を浸透圧値に関連付けるように構成され、標準液の浸透圧測定結果は、例えばメモリに保管される。
ある実施例では、ボックス1504において、少量の標準液が添加され、例えば1μLの脱イオン水が添加される。脱イオン水は、浸透圧特性の最小量を示すため、脱イオン水の浸透圧測定結果は、校正曲線の低い側の境界として保管される。ある実施例では、脱イオン水の予想浸透圧と実際の標準液の測定浸透圧との間の差異に基づいて、一点校正が利用され、装置の測定領域の全範囲にわたって外挿が行われる。ボックス1506では、処理装置は、校正因子を定め、校正曲線を整合させるため、測定範囲の勾配を調整する。また、測定範囲での勾配の調整は、電極組に対する測定流体を用いて行われ、各電極組からの最終値は、他の全ての組の値と等しくなる。最終校正因子は、メモリに保管される。
校正の完了後、ボックス1508では、小型電極配列から標準液が蒸発する。蒸発は、標準液がサンプル流体と混合しないようにするために必要である。標準液として、例えば低い塩濃度を有する脱イオン水が提供される場合、蒸発後のチップ上に、塩結晶は残らない。
標準液の蒸発後に塩結晶が残留しないある実施例では、ボックス1510において、測定装置の小型電極配列上に、被試験用サンプル流体が設置される。小型配列は、サンプル流体にエネルギーを伝達し、ボックス1512では、前述のように、浸透圧と関連するサンプル流体の電気的特性を測定することが可能となる。ボックス1514では、処理装置は、予め定められた校正因子に基づいて、浸透圧測定結果を調整するように構成される。校正因子の使用により、浸透圧値が得られ、この値は、小型電極配列の形状変化には実質的に依存しない。
精度を高める場合、図14の処理を図13の単純な処理と組み合わせることができる。
図15には、塩溶液の標準液を用いて浸透圧を校正する方法の別の実施例のフローチャートを示す。ボックス1602では、メモリ上の校正曲線が提供され、この校正曲線は、直線であると仮定される。直線上の一点は、標準液の電気的特性がゼロのとき、標準液のオスモル濃度はゼロであると仮定することにより得られる。約500mOsmの濃度範囲の高端側の電気的特性は、濃度が既知の流体の既知の電気的特性に基づいて、メモリに予め保管されている。
次にボックス1604では、測定装置の小型電極配列上に、標準液が設置され、標準液の電気的特性が測定される。標準液の電気的特性を測定する方法は、例えば、前述のようなサンプル流体の電気的特性を測定する方法を含む。次に処理装置は、測定された電気的特性を浸透圧に関連付けるように構成され、メモリに、標準液の浸透圧測定結果が保管される。
次にボックス1606では、校正因子を定めるように処理装置が構成され、測定スケールの範囲が調整され、校正曲線に整合される。また、測定スケールの範囲の調整は、単位電極組に基づいて流体を測定することにより行われ、各電極組からの最終値は、全て等しくなる。最終構成因子は、メモリに保管される。
しかしながらこの処理では、標準液には、単純な塩溶液(NaCl)または生理学的な複雑な塩溶液、例えばナトリウム、カリウム、カルシウムおよびマグネシウムの塩が使用される。ただし、ボックス1608では、塩溶液が蒸発した場合、図16に示すように、しばしばチップ上に極めて顕著な塩結晶が残留する。この塩結晶が生じた場合、残留塩結晶は、後続のボックス1612において、浸透圧測定の際に除去される。
例えば、図17には、残留塩を含まない小型電極配列にサンプル流体が導入されたときの通常の応答を示す。図18には、残留塩が小型電極配列に残留しているときの応答が示されている。塩結晶の存在によって、応答は明らかに変化し、この応答は、定常蒸発モードに入るまでの一定期間の間、減少し続ける。図18に示すように、通常の二次値が抑制されている。これは、サンプルの設置時に、残留塩結晶がサンプル流体に溶解したためである。電極近傍の残留塩の濃度は、その寄与がサンプル全体に均一に分散するまで減少し続け、その後、曲線は、蒸発によって再び上昇し始める。
この遷移応答の間、2つの測定電極間に溶解したイオンは、通常の設置溶液よりも大きな導電率を示す。図16に示すように、誤って設置された塩溶液の液滴は、配列表面を異なる状態で被覆し、これは、電極組の間の信号が塩結晶からの距離に依存して、大きく異なることを意味する。
従って、浸透圧測定装置を構成するシステムおよび方法の別の実施例では、ボックス1614において、処理装置は、サンプルの浸透圧測定値から、残留塩結晶の影響を数学的に除去するように構成される。残留塩結晶の影響は、例えば、各電極組からの下降曲線を積分し、溶液に追加された塩量を予測することによって排除される。添加された塩量の予測は、サンプル供給時の点から離れた、直線領域によって定められる定常状態のラインを超える領域のみを合計することによって得られる。次にこれらの効果は、サンプルの全体積から差し引かれる。前述のように、サンプルの全体積は、サンプルと接する電極数に基づいて、処理装置によって予測される。
これらのパラメータに基づいて、サンプルの測定濃度は、直接調整される。サンプルの濃度は、単位体積あたりのイオンの数に基づく。浸透圧測定によって、サンプル+残留塩結晶の値から全イオン数が得られ、処理装置は、サンプルの体積を予測する。従って、調整には、測定されたサンプル中の全イオン数から残留塩イオン数を差し引く処理が必要である。残留塩イオンの数は、前述の積分方法によって定められる。この方法では、高額な洗浄ハードウェアが不要となり、ミクロンレベルの標準塩溶液が使用できる。残留塩の影響を排除した後、ボックス1514では、処理装置は、所定の校正因子に基づいて、得られた浸透圧値を調整する。校正因子の使用によって、小型電極配列の形状の変化には実質的に依存しない浸透圧測定結果が得られる。
図19には、本発明のシステム及び方法により、標準液を用いて浸透圧測定装置を校正する方法の、さらに別の実施例のフローチャートを示す。図19の実施例では、標準液の設置と洗浄とが組み合わせて使用される。ボックス1902、1904および1906のステップは、前述のステップであり、1または2以上の標準液の測定結果に基づいて、校正因子が決定される。ある実施例では、標準液は、単純な塩溶液(NaCl)または生理学的比率のナトリウム、カリウム、カルシウム、及びマグネシウム塩等の複雑な塩溶液を含む。
ボックス1908では、標準液の蒸発前に、チップから標準液を除去するステップが実施され、チップ上に残留塩が蓄積することが回避される。ある実施例では、サンプル受容基板と直列に設置された小型流体チャンバ室を用いて、洗浄ステップが利用され、脱イオン水の定常流がチップ表面に流される。垂直な小型流体フローチャンネルを用いて、または手動で、一度標準液が設置されると、校正測定が行われ、導電率が予想脱イオン水レベルと釣り合う定常状態に達するまで、洗浄機器は、電極表面に脱イオン水を流通させる。定常状態の導電率は、チップ表面がいかなる標準液にも汚染されていないことを示し、サンプルを受容することが可能となる。流れが中断されると、脱イオン水は、チップ表面から蒸発し、理想的には塩結晶の残留は生じない。
別の実施例では、バルブ付き高圧空気供給部によって標準液が除去される。空気供給部にはチューブが接続され、このチューブは、受容基板の近傍に基板表面から鋭角になるように設置される。この角度は、チューブからの空気が、チップ表面からのいかなる流体も基板から完全に除去されるように設定される。空気の流束は、校正測定結果の妥当性に影響を及ぼす。得られる空気流束は、各電極組での信号が開回路値に復帰するまで、何回かパルス化されても良い。別の実施例では、空気供給が微小流体洗浄ステップと組み合わせて使用され、流体をチップ表面から蒸発させる必要性がなくなる。
また、チップ表面に完全洗浄機器が取り付けられている場合、多数回の校正を実施しても良い。脱イオン水および徐々に濃度が増加する塩溶液がチップ表面に設置され、または流通され、次に空気を用いて配列が清浄化される。ボックス1912および1914では、サンプル流体が小型電極配列上に設置され、前述の方法において、浸透圧測定結果の校正が完遂される。
本発明のいくつかの実施例について示したが、記載された実施例は、一例に過ぎないことは明らかである。従って、本発明は、記載された実施例に限定されるものではないことに留意する必要がある。むしろ、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載にのみ限定され、この特許請求の範囲の記載は、前述の記載および添付図面との組み合わせによって理解される。
サンプル流体の浸透圧を測定するための、所定量のサンプルを受容するチップを示す図である。 光リソグラフィー技術によって設置された電極配列を備える回路領域を有する、サンプル受容チップの別の実施例を示す図である。 回路領域が複数の同心円上に配置された印刷電極を有する、図1とは別の代替実施例を示す図である。 図2に示すチップの上面図である。 図3に示すチップの上面図である。 本発明により構成された浸透圧測定システムのブロック図である。 本発明により構成された涙液膜浸透圧測定システムの斜視図である 外部包囲体に開口を有する受容チップのサンプルの側断面図である。 導電率とサンプル流体のナトリウム含有量との関係を示す校正曲線である。 図1乃至5に示すサンプル受容チップを用いた浸透圧計の、ヒンジベースユニットを示す図である。 サンプル受容チップおよび処理ユニットのプローブカード配置を示す図である。 一例としての本発明による浸透圧測定法を示すフローチャートである。 本発明の別の一実施例による、浸透圧測定システムを校正する方法を示すフローチャートである。 本発明の別の一実施例による、浸透圧測定システムを校正する方法を示すフローチャートである。 本発明の別の一実施例による、浸透圧測定システムを校正する方法を示すフローチャートである。 小型電極配列上の残留塩結晶を示すイメージ図である サンプル流体が小型電極配列に導入されたときの、通常の応答を示すグラフである。 サンプル流体が残留塩を含む小型電極配列に導入されたときの応答を示すグラフである。 本発明の別の一実施例による、浸透圧測定システムを校正する方法を示すフローチャートである。

Claims (26)

  1. 複数の電極を備えるサンプル領域を有するサンプル受容チップであって、前記サンプル領域は、一定量の流体を受容するように構成されているところのサンプル受容チップと、
    該サンプル受容チップに結合され、前記複数の電極の各々の固有導電率を測定するように構成され、前記複数の電極に印加され前記複数の電極から受信される信号に基づいて、前記一定量の流体の電気的特性を定め、測定された固有導電率を用いて、定められた電気的特性を校正する処理装置と、
    を有する浸透圧測定システム。
  2. さらに前記処理装置は、前記複数の電極の各々の前記測定された固有導電率を保管するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の浸透圧測定システム。
  3. 前記サンプル受容チップは、単位電極当たり2つの導電性リード部を有し、
    前記処理装置は、対応する前記2つの導電性リード部に信号を印加することにより、前記複数の電極の各々の固有導電率を定めるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の浸透圧測定システム。
  4. 固有導電率の測定は、前記複数の電極の各々に対応する前記2つの導電性リード部を介して、前記複数の電極の各々にACまたはDC電流を印加し、前記2つの導電性リード部間に得られる電圧を測定し、測定電圧に基づいて、前記複数の電極の各々の固有抵抗を定めることにより行われることを特徴とする請求項3に記載の浸透圧測定システム。
  5. 前記固有導電率の測定は、
    前記複数の電極の各々に対応する前記2つの導電性リード部を介して、前記複数の電極の各々に時間領域信号を印加し、
    前記複数の電極の各々についての得られた出力を受信し、
    前記得られた出力を、周波数域にわたって出力信号の周波数と振幅のマップに変換し、
    前記マップを用いて、前記周波数範囲にわたって、前記複数の電極の各々の固有導電率を定めることにより行われることを特徴とする請求項3に記載の浸透圧測定システム。
  6. 前記測定された固有導電率を用いて、定められた電気的特性を校正する工程は、前記定められた電気的特性から、対応する電極組の固有導電率を差し引くことにより行われることを特徴とする請求項3に記載の浸透圧測定システム。
  7. さらに前記処理装置は、前記複数の電極の各々の前記測定された固有導電率に基づいて、校正曲線を形成し、該校正曲線を用いて、前記定められた電気的特性を校正するように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の浸透圧測定システム。
  8. 複数の電極を備えるサンプル領域を有するサンプル受容チップであって、前記サンプル領域は、一定量の流体およびある量の標準試験液を受容するように構成されているところのサンプル受容チップと、
    該サンプル受容チップに結合され、前記標準試験液が前記サンプル領域に設置された際に、複数の電極に印加され前記複数の電極から受信される信号に基づいて、前記複数の電極の各々のペアワイズの校正因子を定めるように構成され、前記一定量の流体が前記サンプル領域に設置された際に、前記複数の電極に印加され前記複数の電極から受信される信号に基づいて、前記一定量の流体の電気的特性を定め、前記複数の電極の前記ペアワイズ校正因子を用いて、定められた電気的特性を校正する処理装置と、
    を有する浸透圧測定システム。
  9. 各ペアワイズの校正因子は、前記複数の電極内の電極組の各々について得られた校正曲線から定められることを特徴とする請求項8に記載の浸透圧測定システム。
  10. さらに前記処理装置は、前記複数の電極に試験信号を印加することによって、一旦前記標準試験液が前記サンプル領域に設置された場合、校正曲線の低端部側を定め、前記複数の電極からの前記試験信号に対する応答を受信し、該受信応答に基づいて、前記標準試験の前記電気的特性を定めるように構成されていることを特徴とする請求項9に記載の浸透圧測定システム。
  11. 前記校正曲線の高端部側は、所定の電気的特性に基づいて定められることを特徴とする請求項10に記載の浸透圧測定システム。
  12. 各校正曲線は、単位電極組に対する標準試験液の体積に基づいて規格化されることを特徴とする請求項11に記載の浸透圧測定システム。
  13. 前記標準試験液は、塩濃度が低いことを特徴とする請求項8に記載の浸透圧測定システム。
  14. 前記標準試験液は、脱イオン水であることを特徴とする請求項8に記載の浸透圧測定システム。
  15. 前記標準試験液は、塩濃度が比較的高く、
    さらに前記処理装置は、前記標準試験液が前記複数の電極に設置された際に、前記複数の電極上に形成される塩結晶を排除するように構成されていることを特徴とする請求項8に記載の浸透圧測定システム。
  16. 前記塩結晶の排除は、一旦所定量の流体が前記サンプル領域に設置された場合、前記所定量の流体中の塩濃度を直接調整することによって行われることを特徴とする請求項15に記載の浸透圧測定システム。
  17. 前記所定量の流体中の塩濃度を直接調整する工程は、一旦前記所定量の流体が前記サンプル領域に設置された場合に、各電極組の応答曲線を定め、
    各電極組の応答曲線を統合して、前記塩結晶として前記所定量の流体に加えられた塩溶液の量を予測し、
    前記塩結晶によって加えられた塩の予測量に基づいて、前記所定量の流体の前記塩濃度を調整することにより行われることを特徴とする請求項16に記載の浸透圧測定システム。
  18. さらに、前記サンプル領域を通る流束の定常流を提供するように構成された小型流体チャンバ室を有し、前記標準試験液が前記サンプル領域に設置された後、前記サンプル領域から前記標準試験液が除去されることを特徴とする請求項8に記載の浸透圧測定システム。
  19. さらに、前記サンプル領域に空気流を供給するための空気供給部を有し、前記標準試験液が前記サンプル領域に設置された後、前記標準試験液が前記サンプル領域から除去されることを特徴とする請求項8に記載の浸透圧測定システム。
  20. さらに記処理装置は、前記複数の電極の各々の固有導電率を測定するように構成され、前記複数の電極に印加され前記複数の電極から受信される信号に基づいて、前記所定量の流体の電気的特性を定め、測定された固有導電率を用いて、定められた電気的特性を校正することを特徴とする請求項8に記載の浸透圧測定システム。
  21. さらに前記処理装置は、前記複数の電極の各々の前記測定された固有導電率を保管するように構成されていることを特徴とする請求項20に記載の浸透圧測定システム。
  22. 前記サンプル受容チップは、単位電極当たり2つの導電性リード部を有し、
    前記処理装置は、対応する前記2つの導電性リード部に信号を印加することにより、前記複数の電極の各々の固有導電率を定めるように構成されていることを特徴とする請求項20に記載の浸透圧測定システム。
  23. 固有導電率の測定は、前記複数の電極の各々に、該複数の電極の各々に対応する前記2つの導電性リード部を介して、ACまたはDC電流を印加し、前記2つの導電性リード部間に得られる電圧を測定し、測定電圧に基づいて、前記複数の電極の各々の固有抵抗を定めることにより行われることを特徴とする請求項22に記載の浸透圧測定システム。
  24. 前記固有導電率の測定は、前記複数の電極の各々に、前記複数の電極の各々に対応する前記2つの導電性リード部を介して、時間領域信号を印加し、
    前記複数の電極の各々に対して得られた出力を受信し、
    前記得られた出力を、周波数範囲にわたって出力信号の周波数と振幅のマップに変換し、
    前記マップを用いて、前記周波数範囲にわたって、前記複数の電極の各々の固有導電率を定めることにより行われることを特徴とする請求項22に記載の浸透圧測定システム。
  25. 前記測定された固有導電率を用いて、前記定められた電気的特性を校正する工程は、前記定められた電気的特性から、対応する電極組の固有導電率を差し引くことにより行われることを特徴とする請求項22に記載の浸透圧測定システム。
  26. さらに前記処理装置は、前記複数の電極の各々の測定された固有導電率に基づいて、校正曲線を形成し、該校正曲線を使用して、前記定められた電気的特性を校正するように構成されていることを特徴とする請求項22に記載の浸透圧測定システム。
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