JP4786202B2 - 半導体発光素子 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体発光素子に関する。
発光ダイオード等の半導体発光素子は、P型半導体とN型半導体との間に活性層を備えている。発光ダイオードに順方向バイアス電圧を印加すると、PN接合間のエネルギー障壁が低くなる。N型半導体からP型半導体に移動した電子は、高エネルギー準位の伝導帯から、低エネルギー準位の価電子帯に遷移し、正孔と再結合する。この遷移に伴って失ったエネルギーは光として外部に放出される。エネルギーバンドギャップが大きいほど、発光波長は短くなる。
従来、活性層におけるキャリアの再結合効率を向上させ、発光効率を向上させるため、活性層はエネルギーバンドギャップが活性層よりも大きなクラッド層によって挟まれる。活性層に多重量子井戸(MQW)構造を用いると、再結合を行うキャリアの井戸層への局在化により再結合確率が向上し、発光効率を向上させることができる。
また、活性層とクラッド層とを直接接触させず、これらの間に組成が連続的に変化したグレーデッド層を設けるものも提案されており、このような半導体発光素子は、例えば、下記特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4に記載されている。
特開平11−121796号公報 特開2004−297060号公報 特開2001−156329号公報 特開2004−111648号公報
しかしながら、活性層とクラッド層との間に介在するグレーデッド層がノンドープで形成されている場合には、グレーデッド層のフェルミ準位は禁制帯の中ほどに存在する。高不純物濃度のP型クラッド層のフェルミ準位は、価電子帯寄りに存在する。高不純物濃度のN型クラッド層のフェルミ準位は、伝導帯寄りに存在する。
すなわち、互いに隣接するノンドープ・グレーデッド層と高濃度クラッド層との境界部分では、これらのフェルミ準位を一致させると、エネルギーバンドのノッチが発生する。P型クラッド層の場合にはノッチが正孔に対する障壁となり、N型クラッド層の場合にはノッチが電子に対する障壁となり、いずれの場合も活性層へのキャリアのスムーズな注入が阻害される。この結果、応答特性の低下を招いていた。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、発光効率を低下させずに応答特性を向上可能な半導体発光素子を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明に係る半導体発光素子は、第1のクラッド層と、第1のクラッド層上に形成された第1のグレーデッド層と、第1のグレーデッド層上に形成された活性層と、活性層上に形成された第2のグレーデッド層と、第2のグレーデッド層上に形成された第2のクラッド層とを備え、第1のクラッド層は活性層よりもエネルギーバンドギャップが大きく、第2のクラッド層は活性層よりもエネルギーバンドギャップが大きく、第1のグレーデッド層は、活性層と第1のクラッド層との間のエネルギーバンドギャップを有してエネルギーバンドギャップが、第1のクラッド層のエネルギーバンドギャップになるまで、連続的に変化し、第2のグレーデッド層は、活性層と第2のクラッド層との間のエネルギーバンドギャップを有してエネルギーバンドギャップが、前記第2のクラッド層のエネルギーバンドギャップになるまで、連続的に変化した半導体発光素子において、第1及び第2のクラッド層は高キャリア濃度を有しており、第1及び/又は第2のグレーデッド層は、それぞれに隣接するクラッド層との境界近傍において、キャリア濃度がクラッド層に向かうに従って連続的に増加していることを特徴とする。
なお、半導体発光素子における「活性層」とはキャリアの再結合が生じる半導体層のことであり、「クラッド層」とは「活性層」よりもエネルギーバンドギャップが大きい半導体層のことであり、「グレーデッド層」とは、「活性層」と「クラッド層」との間のエネルギーバンドギャップを有してエネルギーバンドギャップが連続的に変化した半導体層のことであり、「キャリア濃度」とは室温における不純物濃度を意味し、「高キャリア濃度」とは5×1017cm−3以上のキャリア濃度を意味することとする。
また、「クラッド層」は、屈折率が低くエネルギーバンドギャップが大きい半導体層であり、せき止め機能(電子と正孔をせき止める機能)及び窓機能(P型半導体層やN型半導体層が一種の窓として働き、活性層で発生した光の自己吸収が少なく、効率よく光を取り出せる機能)を有しているものを意味し、必ずしも活性層に隣接することを要するものではない。
なお、グレーデッド層におけるクラッド層に対する「境界近傍」とは、活性層との境界よりも相対的に近い位置を意味する。
また、半導体発光素子の活性層が多重量子井戸構造である場合の活性層のエネルギーバンドギャップとは、井戸層のエネルギーバンドギャップである事と定義する。
上述の半導体発光素子においては、クラッド層が高キャリア濃度を有しているため、活性層からのキャリアのオーバーフローが抑制される。活性層の近傍はフリーキャリアに起因する発光の吸収を抑制するため、キャリア濃度は低く設定される。活性層とクラッド層の間において介在するグレーデッド層はこれらの間の急激な組成変化を緩和しており、キャリアを効率よく活性層に導く効果があり、発光効率を向上させている。
ここで、グレーデッド層のクラッド層近傍において、キャリア濃度が連続的に増加しているので、エネルギーバンドギャップにノッチが生じるのが抑制され、活性層へのキャリアのスムーズな注入が行われる。したがって、この半導体発光素子においては、発光効率を低下させずに応答特性を向上させることができる。ここでいう「応答特性」とは、電流を注入してから発効するまでの応答速度に加えて、半導体発光素子を駆動する際のスムーズなキャリアの注入を含めて考えることを意味するものとする。
また、第1のクラッド層、第1のグレーデッド層、第2のグレーデッド層及び第2のクラッド層が、それぞれAlGaInPからなる場合、10%程度の応答速度改善が得られた。
また、活性層は、GaInP及びAlGaInPを交互に積層してなる多重量子井戸構造を有することが好ましく、この場合には、バリア層(AlGaInP)がクラッド層やグレーデッド層と容易に格子整合するため、発光効率が低下しない。
また、第1及び/又は第2のグレーデッド層は、それぞれに隣接するクラッド層との界面において、キャリア濃度及び組成がクラッド層と等しく設定されると、スムーズなキャリア注入を行うことができる。
本発明の半導体発光素子によれば、発光効率を低下させずに応答特性を向上させることができる。
以下、実施の形態に係る半導体発光素子(発光ダイオード)について説明する。なお、同一要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
図1は実施の形態に係る半導体発光素子の平面図、図2は図1に示した半導体発光素子のII−II矢印線断面図である。
この半導体発光素子100は、コンタクト層1上に、DBR層2、クラッド層3、グレーデッド層4、グレーデッド層5、活性層6、グレーデッド層7、グレーデッド層8、クラッド層9、DBR層10、コンタクト層11を順次積層してなる。下部のコンタクト層1の下面にはカソード電極E1が設けられ、上部のコンタクト層11の上面には中央部が開口したアノード電極E2が設けられている。コンタクト層11上には絶縁層20が形成されている。
アノード電極E2は、絶縁層20上に形成され中央部が開口した円環部E2aと、絶縁層20上に形成され円環部E2aに電気的に接続された電極パッド部E2bと、円環部E2a上の複数の位置から内側に収束するように延びた複数のコンタクト部E2cを備えている。各コンタクト部E2c間には開口が形成される。
各半導体層1〜11の材料、組成、導電型、キャリア濃度(cm−3)、厚み(nm)は以下の通りである。なお、表中の「〜」の左側には活性層6に近い場合の値を記載し、右側には活性層6から遠い場合の値を記載し、「/」の左右には交互に積層される2つの半導体層を記載することとする。
Figure 0004786202
詳説すれば、活性層6は、2つの下側のグレーデッド層5,4と、2つの上側のグレーデッド層7,8によって挟まれている。
下側のグレーデッド層5は、活性層6から離れるに従って厚み方向にAl0.3Ga0.2In0.5PからAl0.325Ga0.175In0.5Pまで変化し、グレーデッド層4は、厚み方向にAl0.325Ga0.175In0.5PからAl0.35Ga0.15In0.5Pまで変化し、クラッド層3(Al0.35Ga0.15In0.5P)に連続している。
グレーデッド層7は、活性層6から離れるに従って厚み方向にAl0.3Ga0.2In0.5PからAl0.325Ga0.175In0.5Pまで変化し、グレーデッド層8は、厚み方向にAl0.325Ga0.175In0.5PからAl0.35Ga0.15In0.5Pまで変化し、クラッド層9(Al0.35Ga0.15In0.5P)に連続している。
また、DBR(Distributed Bragg Reflector)層2,10は多層反射膜であり、これは高屈折率層(Al0.5GaAs)と低屈折率層(Al0.98GaAs)を交互に積層したものである。また、出射効率の観点から、カソード電極E1側のDBR層2の発光波長に対する反射率を、アノード電極E2側のDBR層10の発光波長に対する反射率よりも高くすることが好ましい。
また、活性層6は、ノンドープの多重量子井戸(MQW)構造を有しており、フォトルミネッセンスピーク波長は650nmである。また、井戸層及びバリア層の厚み及び数は、井戸層5nm、バリア層5nmで井戸層3層、バリア層2層である。
カソード電極E1とアノード電極E2との間に順方向バイアス電圧を印加すると、カソード電極E1から電子が、アノード電極E2から正孔が注入され、これらが活性層6内で再結合すると、発光が生じる。
クラッド層3,9はエネルギーバンドギャップが活性層6よりも大きいので、キャリアの閉じ込め効果が高いが、クラッド層3,9は高キャリア濃度(5×1017cm−3以上)を有しているため、クラッド層のフェルミ準位が、価電子帯若しくは伝導帯に近づき、活性層とクラッド層のエネルギー差が大きくなり、活性層6からのキャリアのオーバーフローが抑制される。
活性層6とクラッド層3,9の間において介在するグレーデッド層4,5,7,8は、これらの間の急激な組成変化を緩和しており、キャリアを効率よく活性層に導く効果があり、発光効率を向上させている。
活性層6の近傍に位置するグレーデッド層5,7は、フリーキャリアに起因する発光の吸収を抑制するため、そのキャリア濃度は低く設定されている(ノンドープ)。また、クラッド層3,9の近傍に位置するグレーデッド層4,8は、活性層6から離れるに従ってキャリア濃度が連続的に増加している。グレーデッド層4,8のクラッド層3,9近傍において、キャリア濃度が連続的に増加しているので、これらの界面において、エネルギーバンドギャップにノッチが生じるのが抑制され、活性層6へのキャリアがスムーズに注入できる。したがって、この半導体発光素子においては、発光効率を低下させずに応答特性を向上させることができる。
グレーデッド層4,8のキャリア濃度C、Cは、活性層6とグレーデッド層5,7との界面位置を原点O、O’とし、これらの原点から離れる厚み方向距離をd、グレーデッド層5,7の厚みをD、初期値C、係数Cとすると、例えば、以下のように示される。
=C+C×(d−D)
ここで、Cは0.5〜1.0×1017cm−3程度であり、係数Cは、0.4から1×1016cm−3/nm程度である。厚みDは、25nm〜70nm程度である。クラッド層のキャリア濃度は1〜2×1018cm−3程度が好ましい。
なお、グレーデッド層に添加するP型の不純物としてはMgを用いることができる。MgはZnよりも拡散定数が小さく、添加時の制御が容易であるという利点がある。また、N型の不純物としては、Siを用いた。
なお、グレーデッド層のAlGaInP組成が、活性層6の発光波長の光を一定レベル以上吸収する組成の場合には、ノンドープとする。この吸収が少なくなるAlGaInP組成からエネルギーバンドギャップが広くなるクラッド層3,9にかけてのグレーデッド層4,8は、ノンドープから徐々にキャリア濃度が増加する。また、グレーデッド層4,8とクラッド層3,9との界面では、これらの層のAlGaInP組成及びキャリア濃度が一致し、スムーズなキャリア注入を行うことができる。
キャリアのドープを開始する部位は、活性層6の発光に対して、十分にフリーキャリア吸収が小さくなるようなグレーデッド層の組成(エネルギーバンドギャップE)となる部位である。また、キャリアのドープを開始する部位は、ドーパントの活性層6への拡散が問題とならない程度、活性層6から離れた部位(距離D)である。
エネルギーバンドギャップE及び距離Dは以下の通りである。
エネルギーバンドギャップE=1.89〜1.92eV
距離D=25nm〜70nm
図3は、図2に示した半導体発光素子の縦断面図(a)、厚み方向に対するエネルギーバンドギャップのグラフ(b)、厚み方向に対する不純物濃度(c)のグラフである。なお、この厚みは、下部のコンタクト層1の露出面位置を0とし、積層方向を正とする。なお、不純物濃度は、室温におけるキャリア濃度を示すこととする。
活性層6から連続するグレーデッド層5,7の厚みは40nmであり、グレーデッド層5,7のエネルギーバンドギャップは活性層6との境界から離れるに従って徐々に大きくなり、活性層6から40nm以上離れたグレーデッド層4,8では、その組成を更にクラッド層3,9に近づけている。すなわち、グレーデッド層4,8では、エネルギーバンドギャップを連続的に変化させつつ、不純物濃度をノンドープからクラッド層3,9の不純物濃度まで徐々に変化させている。
この構造により、後述の比較例で示されるグレーデッド層−クラッド層界面に生じるエネルギー準位のノッチが抑制される。本構造を採用することで、光出力を維持した状態で応答速度を向上させることが出来る。また、ノッチが抑制されるため、順方向電圧も低減することができる。
なお、本例では、内側のグレーデッド層5,7のエネルギーバンドギャップの傾斜(厚み方向に対する変化率)は、外側のグレーデッド層4,8のエネルギーバンドギャップの傾斜よりも小さい。
図4は、別の半導体発光素子の縦断面図(a)、厚み方向のエネルギーバンドギャップのグラフ(b)、厚み方向の不純物濃度(c)のグラフである。
この半導体発光素子では、内側のグレーデッド層5,7のエネルギーバンドギャップの傾斜は、外側のグレーデッド層4,8のエネルギーバンドギャップの傾斜と等しくしてあり、厚み方向に対して一定である。すなわち、図3に示したものよりも外側のグレーデッド層4,8の厚みを大きくし、エネルギーバンドギャップの厚み方向変化率を緩慢にしてある。
なお、グレーデッド層のエネルギーバンドギャップは、クラッド層に近くなるほど、傾斜が急になるような構造としてもよい。
上述の半導体発光素子のエネルギーバンドギャップについて更に考察する。
図5は、実施の形態に係る半導体発光素子の上側のグレーデッド層7,8の近傍におけるエネルギーバンド図である。
内側のグレーデッド層7、活性層6はノンドープである。一方、外側のグレーデッド層8はグレーデッドドープ(不純物濃度が厚み方向に変化)されている。フェルミ準位Eは活性層6、グレーデッド層7,8、クラッド層9において一致している。伝導帯の下端Ecは、活性層6から離れるに従ってフェルミ準位Eから離隔し、クラッド層9内では一定となる。また、価電子帯の上端Evは、活性層6から離れるに従ってフェルミ準位Eから離隔し、外側のグレーデッド層8内において若干、フェルミ準位に近づき、クラッド層9内では一定となる。なお、本例ではP型不純物としてZnを用いる。
後述の比較例では、一点鎖線Aで示される箇所においてノッチが生じるが、実施の形態に係る半導体発光素子では、ノッチは観察されない。
また、ここでは、P型のグレーデッド層とクラッド層との界面について説明しているが、N型のグレーデッド層とクラッド層との界面についても同様である。
また、AlGaInP層を成長させるためにはMOVPE成長装置を用いることができる。
例えば、GaAs基板をサセプタにフェイスダウンでセットし、Inの原料としてTMI(trimethylindium)、Gaの原料としてTMG(trimethylgallium)、Alの原料としてTMA(trimethylaluminum)、Pの原料としてPH(phosphine)、N型ドーパントとしてSi(disilane)、P型ドーパントとしてZn用のDEZ(diethylzinc)又はMg用のCpMg((bis)cyclopentadienylmagnesium)を用いることができる。AlGaInPは、標準的には成長温度650℃、成長圧力50Torr(6.7×10Pa)で作製することができる。
(比較例1)
次に、比較例1について説明する。
図6は、比較例1に係る半導体発光素子の上側のグレーデッド層7,8の近傍におけるエネルギーバンド図である。図7は、比較例1に係る半導体発光素子の縦断面図(a)、厚み方向に対するエネルギーバンドギャップのグラフ(b)、厚み方向に対する不純物濃度(c)のグラフである。
比較例1に係る半導体発光素子は、外側のグレーデッド層4,8がノンドープである点のみが上述の実施の形態にかかる半導体発光素子と異なるが、以下、簡単に説明しておく。
比較例1においても、活性層6の近傍は、高濃度ドーピングを行うとフリーキャリア吸収により活性層6での発光が吸収されやすくなるため、ノンドープで形成されている。また、クラッド層9は、活性層6からのキャリアのオーバーフローを抑制する為に、高濃度ドープが行われる。活性層6からP型のクラッド層9に延びるグレーデッド層7,8はノンドープで形成されている。
この場合、フェルミ準位Eがグレーデッド層7,8においては、禁制帯の中ほどに存在し、高濃度ドーピングしているP型のクラッド層9では、価電子帯の上端Ev寄りにフェルミ準位Eが形成される。このため、グレーデッド層8とクラッド層9の境界部分では、一点鎖線Aで示すように、エネルギーバンドのノッチが発生し、これが正孔に対する障壁となり、キャリアのスムーズな注入を阻害する。
すなわち、比較例1に係る半導体発光素子では、活性層6、内側のグレーデッド層7、外側のグレーデッド層8が全てノンドープであり、ノッチが発生し、キャリアのスムーズな流れを妨げ、応答特性の低下や、順電圧の上昇を招いている。
なお、ここではグレーデッド層とP型のクラッド層の界面近傍について説明を行ったが、グレーデッド層とN型のクラッド層の界面についても同様にノッチが発生する。すなわち、P型クラッド層の場合にはノッチが正孔に対する障壁となり、N型クラッド層の場合にはノッチが電子に対する障壁となり、いずれの場合も活性層へのキャリアのスムーズな注入が阻害される。
(比較例2)
図8は、比較例2に係る半導体発光素子の縦断面図(a)、厚み方向に対するエネルギーバンドギャップのグラフ(b)、厚み方向に対する不純物濃度(c)のグラフである。本例では、グレーデッド層5,7の代わりに、活性層6の近傍にノンドープ層(Al0.3Ga0.2In0.5P)5’,7’を設け、グレーデッド層4,8の代わりに、その外側にP型及びN型の中間層(Al0.325Ga0.175In0.5P)4’,8’を設けている点が実施の形態のものと異なる。中間層4’,8’のエネルギーバンドギャップは、クラッド層3,9とノンドープ層5’,7’の中間のエネルギーバンドギャップであり、厚み方向に対して一定である。この場合でも、ノッチは解消されず、応答特性の劣化及び順電圧の上昇を招く。
一方、図2に示した実施の形態に係る半導体発光素子では、以下の効果が得られた。
(1)比較例1の半導体発光素子の応答特性の遮断周波数は90MHz程度であったが、実施の形態の半導体発光素子の応答特性の遮断周波数(発光に変化のない周波数から3dB発光が減衰する周波数)は100MHzとなり、10%程度の応答速度の改善が見られた。
(2)実施の形態の半導体発光素子の光出力低下は殆ど認められなかった。
(3)発光に必要な順方向電圧が比較例1では2.07Vであったが、実施の形態の半導体発光素子を用いた場合、発光に必要な順方向電圧は2.02Vとなり、0.05Vも低下した。
以上、説明したように、実施の形態に係る半導体発光素子では、クラッド層とグレーデッド層との境界で発生していたエネルギーバンドギャップのノッチを無くし、発光効率を低下させることなく、応答特性を向上させることができる。すなわち、上述の例では、(第1の)クラッド層3、(第1の)グレーデッド層4、(第2の)グレーデッド層8及び(第2の)クラッド層9が、それぞれAlGaInPからなり、10%程度の応答速度改善が得られている。また、活性層6は、GaInP及びAlGaInPを交互に積層してなるMQW構造を有しており、バリア層(AlGaInP)がクラッド層やグレーデッド層と容易に格子整合するため、発光効率が向上する。なお、半導体発光素子の材料としては他のものも多く知られている。
本発明は、半導体発光素子に利用することができる。
実施の形態に係る半導体発光素子の平面図である。 図1に示した半導体発光素子のII−II矢印線断面図である。 図2に示した半導体発光素子の縦断面図(a)、厚み方向に対するエネルギーバンドギャップのグラフ(b)、厚み方向に対する不純物濃度(c)のグラフである。 別の半導体発光素子の縦断面図(a)、厚み方向のエネルギーバンドギャップのグラフ(b)、厚み方向の不純物濃度(c)のグラフである。 実施の形態に係る半導体発光素子の上側のグレーデッド層7,8の近傍におけるエネルギーバンド図である。 比較例1に係る半導体発光素子の上側のグレーデッド層7,8の近傍におけるエネルギーバンド図である。 比較例1に係る半導体発光素子の縦断面図(a)、厚み方向に対するエネルギーバンドギャップのグラフ(b)、厚み方向に対する不純物濃度(c)のグラフである。 比較例2に係る半導体発光素子の縦断面図(a)、厚み方向に対するエネルギーバンドギャップのグラフ(b)、厚み方向に対する不純物濃度(c)のグラフである。
符号の説明
1…コンタクト層、2…DBR層3…クラッド層、4…グレーデッド層、4’…中間層、5…グレーデッド層、5’…ノンドープ層、6…活性層、7…グレーデッド層、8…グレーデッド層、9…クラッド層、10…DBR層、11…コンタクト層、20…絶縁層、100…半導体発光素子、A…ノッチ、E1…カソード電極、E2…アノード電極、E2a…円環部、E2b…電極パッド部、E2c…コンタクト部。











Claims (4)

  1. 第1のクラッド層と、
    前記第1のクラッド層上に形成された第1のグレーデッド層と、
    前記第1のグレーデッド層上に形成された活性層と、
    前記活性層上に形成された第2のグレーデッド層と、
    前記第2のグレーデッド層上に形成された第2のクラッド層と、を備え
    前記第1のクラッド層は前記活性層よりもエネルギーバンドギャップが大きく、
    前記第2のクラッド層は前記活性層よりもエネルギーバンドギャップが大きく、
    前記第1のグレーデッド層は、前記活性層と前記第1のクラッド層との間のエネルギーバンドギャップを有してエネルギーバンドギャップが、前記第1のクラッド層のエネルギーバンドギャップになるまで、連続的に変化し、
    前記第2のグレーデッド層は、前記活性層と前記第2のクラッド層との間のエネルギーバンドギャップを有してエネルギーバンドギャップが、前記第2のクラッド層のエネルギーバンドギャップになるまで、連続的に変化した半導体発光素子において、
    前記第1及び第2のクラッド層は高キャリア濃度を有しており、
    前記第1及び/又は第2のグレーデッド層は、それぞれに隣接する前記クラッド層との境界近傍において、キャリア濃度が前記クラッド層に向かうに従って連続的に増加していることを特徴とする半導体発光素子。
  2. 前記第1のクラッド層、前記第1のグレーデッド層、前記第2のグレーデッド層及び前記第2のクラッド層は、それぞれAlGaInPからなることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子。
  3. 前記活性層は、GaInP及びAlGaInPを交互に積層してなる多重量子井戸構造を有することを特徴とする請求項2に記載の半導体発光素子。
  4. 前記第1及び/又は第2のグレーデッド層は、それぞれに隣接する前記クラッド層との界面において、キャリア濃度及び組成が前記クラッド層と等しく設定されることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子。

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