JP4788896B2 - 垂直配向型液晶配向剤および垂直配向型液晶表示素子 - Google Patents
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Description
VA方式に用いられる垂直配向型液晶配向膜は液晶分子を基板に対し垂直に配向させる(90度のプレチルト角を与える)ため、特許文献1〜4に開示されているように嵩高い脂肪族炭化水素置換基を側鎖に持つ成分(以下、プレチルト角発現成分と言う)がポリマー中に導入されている。しかし、これらの嵩高い脂肪族炭化水素置換基は、安定した垂直配向性を与える一方、液晶との親和性を低下させ、配向膜上における液晶の濡れ広がり性を低下させる問題があった。具体的には、液晶注入を真空注入法によって実施する際には液晶の注入速度が著しく低下するためセル作製の生産性が非常に悪くなり、ODF方式によって実施する際には液晶滴下部分や液晶同士の融合部などに配向ムラが発生してしまい、液晶表示素子の表示不良が発生するという問題があった。よって、上記問題を改善すべく、優れた垂直配向性を示し、かつ液晶の濡れ性に優れる垂直配向型液晶配向剤の開発が切望されていた。
で表わされる、第1ジアミン以外の第2ジアミン、および
で表わされるテトラカルボン酸二無水物を反応させて得られるポリアミック酸および/または当該ポリアミック酸を脱水閉環させて得られるイミド化重合体を含有することを特徴とする垂直配向型液晶配向剤により達成される。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明で使用されるポリアミック酸は、上記式(1)および上記式(2)で表わされるジアミンと、上記式(3)で表わされるテトラカルボン酸二無水物とを重付加反応させて得られる。また、本発明で使用するイミド化重合体は、上記ポリアミック酸を脱水閉環することにより得られる。
本発明の垂直配向型液晶配向剤は、ジアミンとして上記式(1)で表わされるジアミンを共重合させることにより垂直配向性、液晶の濡れ性に優れた性能を発現する。
本発明において、上記式(1)で表される第1ジアミン化合物の割合は、全ジアミンに基づいて、好ましくは10〜99モル%、より好ましくは12〜50モル%、特に好ましくは15〜40モル%である。上記式(1);で表される第1ジアミン化合物の割合が少なすぎると十分な垂直配向性が得られ難く、また多すぎると配向膜形成時にピンホール発生などの塗布性不良が生じることがある。
上記式(1)において、R 2 で表される、ハロゲン原子;酸素原子、窒素原子、硫黄原子またはケイ素原子を含む連結基を有していてもよい置換または非置換の炭素原子数1〜30の1価の炭化水素基;および1価の極性基について説明する。
ノ基などで置換されていてもよい。
炭素原子数1〜30の1価の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;エチリデン基、プロピリデン基等のアルキリデン基;フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ビフェニル基、フルオレニル基等の芳香族基などが挙げられる。これらの基中の炭素原子に結合した水素原子は、例えばフッ素、塩素、臭素などのハロゲン原子およびシアノ基などで置換されていてもよい。
さらに具体的には、上記アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基等が挙げられ;アルキルカルボニルオキシ基としては、例えばアセトキシ基、プロピオニルオキシ基等が挙げられ;アリールカルボニルオキシ基としては、例えば、ベンゾイルオキシ基等が挙げられ;アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等が挙げられ;アリーロキシカルボニル基としては、例えば、フェノキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基、フルオレニルオキシカルボニル基、ビフェニリルオキシカルボニル基等が挙げられ;トリオルガノシロキシ基としては、例えば、トリメチルシロキシ基、トリエチルシロキシ基などが挙げられ;トリオルガノシリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基等が挙げられ;アミノ基としては、例えば、第2級アミノ基および第3級アミノ基等が挙げられ、アルコキシシリル基としては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基などが挙げられる。
ただし、上記式(1)において、R 2 の少なくとも一つはフッ素原子を含む置換基である。
上記式(1)で表されるジアミンの具体例としては下記に記載の化合物が挙げられる。
下記式(1−1)で表わされる4,4’−ジアミノ−4’’−フルオロトリフェニルメタン
この中でも、第一ジアミンとしては上記式(1−8)で表わされる4,4’−ジアミノ−4’’−ウンデカフルオロペンチルトリフェニルメタン、上記式(1−9)で表わされる4,4’−ジアミノ−4’’−トリデカフルオロヘキシルトリフェニルメタン、上記式(1−10)で表わされる4,4’−ジアミノ−4’’−ペンタデカフルオロヘプチルトリフェニルメタン、上記式(1−11)で表わされる4,4’−ジアミノ−4’’−ヘプタデカフルオロオクチルトリフェニルメタン、上記式(1−12)で表わされる4,4’−ジアミノ−4’’−ノナデカフルオロノニルトリフェニルメタン、上記式(1−13)で表わされる4,4’−ジアミノ−4’’−ヘンイコサフルオロデシルトリフェニルメタンが好ましく、特に上記式(1−11)で表わされる4,4’−ジアミノ−4’’−ヘプタデカフルオロオクチルトリフェニルメタンが垂直配向性と配向膜形成時の塗布性に優れた配向剤を形成する点で好ましい。
下記式(6)で表されるモノ置換フェニレンジアミン;
テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジクロロ−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−2−酢酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−エチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−エチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−エチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5,8−ジメチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、3−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジオン−6−スピロ−3’−(テトラヒドロフラン−2’,5’−ジオン)、下記式(15)および(16)で表される化合物などの脂肪族および脂環式テトラカルボン酸二無水物;
R13は、水素原子またはアルキル基を示し、複数存在するR11およびR13は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
本発明のポリアミック酸の合成反応に供されるテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物の使用割合は、ジアミン化合物に含まれるアミノ基1当量に対して、テトラカルボン酸二無水物の酸無水物基が0.2〜2当量となる割合が好ましく、さらに好ましくは0.3〜1.2当量となる割合である。
ポリアミック酸の合成反応は、有機溶媒中において、好ましくは−20〜150℃、より好ましくは0〜100℃の温度条件下で行われる。ここで、有機溶媒としては、合成されるポリアミック酸を溶解できるものであれば特に制限はなく、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリアミドなどの非プロトン系極性溶媒;m−クレゾール、キシレノール、フェノール、ハロゲン化フェノールなどのフェノール系溶媒を例示することができる。また、有機溶媒の使用量(a)は、テトラカルボン酸二無水物およびジアミン化合物の総量(b)とした場合、反応溶液の全量(a+b)に対して0.1〜30重量%になるような量であることが好ましい。
本発明の液晶配向剤に用いられるイミド化重合体は、上記ポリアミック酸を脱水閉環することにより合成することができる。ここで言うイミド化重合体には、上記ポリアミック酸を部分的にイミド化した部分イミド重合体および100%イミド化した重合体が含まれ、以下、これらを総称して『イミド化重合体』と記載する。
本発明の液晶配向剤に用いられるイミド化重合体における好ましいイミド化率は、25〜100%、更に好ましくは35〜95%、特に好ましくは45〜90%である。ここで、「イミド化率」とは、重合体における繰り返し単位の総数に対する、イミド環を形成してなる繰り返し単位の数の割合を%で表したものとする。この時、イミド環の一部がイソイミド環であっても良い。
上記(I)のポリアミック酸を加熱する方法における反応温度は、好ましくは50〜300℃であり、より好ましくは100〜250℃である。反応温度が50℃未満では脱水閉環反応が十分に進行せず、反応温度が300℃を超えると得られるイミド化重合体の分子量が低下することがある。
本発明の液晶配向剤を構成するポリアミック酸およびイミド化重合体は、分子量が調節された末端修飾型のものであってもよい。この末端修飾型の重合体を用いることにより、本発明の効果が損なわれることなく液晶配向剤の塗布特性などを改善することができる。このような末端修飾型のものは、ポリアミック酸を合成する際に、酸一無水物、モノアミン化合物、モノイソシアネート化合物などを反応系に添加することにより合成することができる。ここで、酸一無水物としては、ジカルボン酸一無水物が挙げられ、例えば無水マレイン酸、無水フタル酸、無水イタコン酸、n−デシルサクシニック酸無水物、n−ドデシルサクシニック酸無水物、n−テトラデシルサクシニック酸無水物、n−ヘキサデシルサクシニック酸無水物などを挙げることができる。また、モノアミン化合物としては、例えばアニリン、シクロヘキシルアミン、p−エチルアニリン、n−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ドデシルアミン、n−トリデシルアミン、n−テトラデシルアミン、n−ペンタデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、n−ヘプタデシルアミン、n−オクタデシルアミン、n−エイコシルアミンなどを挙げることができる。また、モノイソシアネート化合物としては、例えばフェニルイソシアネート、ナフチルイソシアネートなどを挙げることができる。
本発明の液晶配向剤を構成するポリアミック酸およびイミド化重合体は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、ジメチルホルムアミド溶媒、ポリスチレン換算)による分子量の測定において、数平均分子量(Mn)は、好ましくは1,000〜50万、より好ましくは2,000〜30万、さらに好ましくは5,000〜25万であり、重量平均分子量(Mw)は、好ましくは5,000〜200万、より好ましくは1万〜100万、さらに好ましくは2万〜50万である。
上記数平均分子量(Mn)が1,000未満であるか、或いは、重量平均分子量(Mw)が5,000未満であると、形成された液晶配向膜の電圧保持率等の電気特性が著しく低下する場合がある。一方、数平均分子量(Mn)が50万以上であるか、或いは、重量平均分子量(Mw)が200万以上であると、配向剤の粘度が高くなりすぎて、塗膜工程において、均一な配向膜を得ることが困難になる場合がある。
本発明の液晶配向剤は、構成するポリアミック酸およびイミド化重合体が、好ましくは、有機溶媒中に溶解含有されて構成される。本発明の液晶配向剤には電圧保持率・耐焼付き性(残留DC)等の特性および塗膜性を改良するため、配向剤調整時に、上記式(1)で表されるジアミン構造を含有しないポリアミック酸および/またはイミド化重合体を添加してもよい。上記式(1)で表されるジアミン構造を含有しないポリアミック酸および/またはイミド化重合体は目的に応じて1種でも複数種でもよく、ポリアミック酸であることが好ましく、特に1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、3−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジオン−6−スピロ−3’−(テトラヒドロフラン−2’,5’−ジオン)、ピロメリット酸二無水物から選ばれる1種以上の酸二無水物とp−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、1,5−ジアミノナフタレン、2,7−ジアミノフルオレン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジメチルビフェニル、3,3−(テトラメチルジシロキサン−1,3−ジイル)ビス(プロピルアミン)から選ばれる1種以上のジアミンを反応させて得られるポリアミック酸が好ましい。上記式(1)で表されるジアミン構造を含有するポリアミック酸および/またはイミド化重合体(これらを重合体『X』とする)と上記式(1)で表されるジアミン構造を含有しない前記ポリアミック酸および/またはイミド化重合体(これらを重合体『Y』とする)の混合比は、重量比で通常、X/Y=10/90〜90/10となる範囲であり、好ましくはX/Y=15/85〜60/40となる範囲であり、特に好ましくはX/Y=20/80〜50/50となる範囲である。
本発明の液晶配向剤を調製する際の温度は、好ましくは0℃〜200℃、より好ましくは10℃〜100℃、特に好ましくは20℃〜60℃である。
本発明の液晶配向剤の粘度(液晶配向剤を回転型粘度計を用い、25℃において測定される粘度)は配向剤を塗布する方法に応じて適切に調整する必要があるが、好ましくは3〜100mPa・sであり、より好ましくは、4〜50mPa・sであり、特に好ましくは5〜35mPa・sとなる範囲である。
本発明の液晶表示素子は、例えば次の方法によって製造することができる。
(1)パターニングされた透明導電膜が設けられている基板の一面に、本発明の液晶配向剤を例えばロールコーター法、スピンナー法、印刷法、インクジェット法などの方法によって塗布し、次いで、塗布面を加熱することにより塗膜を形成する。ここに、基板としては、例えばフロートガラス、ソーダガラスなどのガラス;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネートなどのプラスチックからなる透明基板を用いることができる。基板の一面に設けられる透明導電膜としては、酸化スズ(SnO2)からなるNESA膜(米国PPG社登録商標)、酸化インジウム−酸化スズ(In2O3−SnO2)からなるITO膜などを用いることができる。これらの透明導電膜のパターニングには、フォト・エッチング法や予めマスクを用いる方法が用いられる。反射電極にはAlやAgなどの金属、あるいは、これらの金属を含有する合金などを用いることができる。ただし、十分な反射率を有してさえいればこれらに限定されるものではない。液晶配向剤の塗布に際しては、基板表面および透明導電膜や反射電極と塗膜との接着性をさらに良好にするために、基板の該表面に、官能性シラン含有化合物、官能性チタン含有化合物などを予め塗布することもできる。液晶配向剤塗布後、塗布した配向剤の液垂れ防止等の目的で通常予備加熱(プレベーク)が実施される。プレベーク温度は、好ましくは30〜300℃であり、より好ましくは40〜200℃であり、特に好ましくは50〜150℃である。その後、溶剤を完全に除去し、ポリアミック酸をポリイミドへと熱イミド化する事を目的として焼成(ポストベーク)工程が実施される。この焼成温度は、好ましくは80〜300℃であり、より好ましくは120〜250℃である。このようにして、ポリアミック酸を含有する本発明の液晶配向剤は、塗布後に有機溶媒を除去することによって配向膜となる塗膜を形成し、さらに加熱することによって脱水閉環を進行させ、よりイミド化された塗膜とすることもできる。形成される塗膜の膜厚は、好ましくは0.001〜1μmであり、より好ましくは0.005〜0.5μmである。
ここに、シール剤としては、例えば硬化剤およびスペーサーとしての酸化アルミニウム球を含有するエポキシ樹脂などを用いることができる。
また、液晶セルの外表面に貼り合わされる偏光板としては、ポリビニルアルコールを延伸配向させながら、ヨウ素を吸収させたH膜と称される偏光膜を酢酸セルロース保護膜で挟んだ偏光板またはH膜そのものからなる偏光板を挙げることができる。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC、東ソー株式会社製、商品名:HLC−8020/カラム3本:東ソー株式会社製、商品名:TSK guardcolum α, TSK gel α-M, TSK gel α-2500)を用い、溶媒としてジメチルホルムアミド(DMF ; DMF3Lに臭化リチウム・一水和物9.4g、リン酸1.7gを添加したもの)を用いて、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)、および分子量分布(Mw/Mn)を測定した。なお、前記Mnは数平均分子量である。
重合体を室温で減圧乾燥した後、超伝導核磁気共鳴吸収装置(NMR、日本電子株式会社製、商品名:EX−90A)を用い、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d6)中で、テトラメチルシランを基準物質として1H−NMRを測定した。得られたデータにおいて重合体中におけるNH基のプロトン由来のピーク面積(10ppm付近)とその他のプロトン由来のピーク面積の比からイミド化率の算出を行った。
T.J.Scheffer, et.al., J.Appl.Phys.,vol.19,2013(1980)に記載の方法に準拠し、He−Neレーザー光を用いる結晶回転法により測定した。ここでは、プレチルト角は、液晶分子の配向方向が基板面から傾いている角度と定義される。
[垂直配向性]
液晶表示素子にクロスニコル下で電圧をオン・オフしたときの異常ドメインの観察を行い、異常ドメインのないものを「良好」、あるものを「不良」とした。
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物 5.2034g(0.0232モル)、ジアミン化合物としてp−フェニレンジアミン 2.0366g(0.0188モル)と前記式(1−11)で表される4,4’−ジアミノ−4’’−n−ヘプタデカフルオロオクチルトリフェニルメタン 3.260g(0.0047モル)をN−メチル−2−ピロリドン42gに溶解させ、60℃で4時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメチルアルコール中に注いで反応生成物を沈澱させた。その後、メチルアルコールで洗浄し、減圧下40℃で24時間乾燥させることにより、重量平均分子量(Mw)が125,000、分子量分布(Mw/Mn)が5.44のポリアミック酸(これを「P−1」とする)9.25gを得た。
合成例1と全く同様にして合成したポリアミック酸9.0gをN−メチル−2−ピロリドン120gに溶解させ、ピリジン1.58gおよび無水酢酸2.03g(ピリジン、無水酢酸共にポリアミック酸の繰り返し単位に対して1当量)を添加し110℃で4時間脱水閉環させた。これを合成例1と同様にして沈殿、洗浄、減圧を行い、重量平均分子量(Mw)が101,000、分子量分布(Mw/Mn)が6.33、イミド化率51%のイミド化重合体(これを「P−2」とする)7.1gを得た。
テトラカルボン酸二無水物およびジアミン化合物を表1に記載のものに変更した以外は合成例1および合成例2と同様にして、表1に示す重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)およびイミド化率の重合体(これらを「P−3」〜「P−5」とする)を得た。なお、「P−3」はポリアミック酸であり、イミド化されていない。
なお、表1中、酸二無水物A、BおよびジアミンA、Bはそれぞれ以下の化合物を示す。
酸二無水物A : 2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物
酸二無水物B : ピロメリット酸二無水物
ジアミンA :前記式(12)で表されるジアミン化合物
ジアミンB : p−フェニレンジアミン
合成例1で得られたポリアミック酸(P−1)にN−メチル−2−ピロリドンとエチレングリコールモノブチルエーテルをN−メチル−2−ピロリドン/エチレングリコールモノブチルエーテル混合重量比=30/70となるように添加し、更にN,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタンをポリアミック酸(P−1)に対して20重量%加え、全固形分濃度3.5重量%の液晶配向剤とした(ただし、下述の印刷性試験を実施する際には全固形分濃度が6.9重量%の液晶配向剤とした)。これを十分に攪拌後、孔径1μmのフィルターを用いて濾過し、ガラス基板の一面に設けたITO膜からなる透明導電膜上にスピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で、80℃で1分の予備乾燥を行い、次いでクリーンオーブン(窒素雰囲気下)で、200℃で1時間焼成することにより、膜厚60nmの液晶配向膜を有する透明電極基板を作成した。次に、一対の透明電極/透明電極基板の上記液晶配向膜塗布基板の液晶配向膜を有するそれぞれの外縁に、直径5.5μmの酸化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤を塗布した後、液晶配向膜面が相対するように重ね合わせて圧着し、接着剤を硬化させた。次いで、液晶注入口より基板間に、ネガ型液晶(メルク社製、MLC−2038)を充填した後、アクリル系光硬化接着剤で液晶注入口を封止し、液晶表示素子を作製した。
得られた液晶表示素子についてプレチルト角、垂直配向性を評価した結果を表2に示す。
ポリアミック酸(P−1)の代わりに合成例2で得られたイミド化重合体(P−2)を用い、N−メチル−2−ピロリドンとエチレングリコールモノブチルエーテルをN−メチル−2−ピロリドン/エチレングリコールモノブチルエーテル混合重量比=50/50とした以外は実施例1と同様にして液晶表示素子を得た。得られた液晶表示素子についてプレチルト角、垂直配向性を評価した結果を表2に示す。
ポリアミック酸(P−1)の代わりに比較合成例1で得られたポリアミック酸(P−3)を用いた以外は実施例1と同様にして液晶表示素子を得た。得られた液晶表示素子についてプレチルト角、垂直配向性を評価した結果を表2に示す。
ポリアミック酸(P−1)の代わりに比較合成例2で得られたイミド化重合体(P−4)を用い、N−メチル−2−ピロリドンとエチレングリコールモノブチルエーテルをN−メチル−2−ピロリドン/エチレングリコールモノブチルエーテル混合重量比=50/50とした以外は実施例1と同様にして液晶表示素子を得た。得られた液晶表示素子についてプレチルト角、垂直配向性を評価した結果を表2に示す。
ポリアミック酸(P−1)の代わりに比較合成例3で得られたイミド化重合体(P−5)を用い、N−メチル−2−ピロリドンとエチレングリコールモノブチルエーテルをN−メチル−2−ピロリドン/エチレングリコールモノブチルエーテル混合重量比=50/50とした以外は実施例1と同等にして液晶表示素子を得た。得られた液晶表示素子についてプレチルト角、垂直配向性を評価した結果を表2に示す。
上記実施例および比較例で調整した各液晶配向剤をガラス基板の一面に設けたITO膜からなる透明導電膜上にスピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で、80℃で1分間の予備乾燥を行い、次いでクリーンオーブン(窒素雰囲気下)で、200℃で1時間焼成することにより、膜厚60nmの液晶配向膜を作成した。各配向膜上に、液晶(メルク社製MLC−2038)を滴下し、滴下後30秒後に測定した液晶と配向膜の接触角が14度以下となる場合を濡れ性良好、接触角が14度より大きくなる場合に濡れ性不良と判断した。各配向膜の塗れ性評価結果を表2にまとめた。
本発明の液晶配向剤(全固形分濃度を6.9%に調整したもの)を、液晶配向膜印刷機(日本写真印刷機(株)製)を用いて、膜厚200nm、幅20μmのITO膜が100μm間隔でストライプ状に形成されている透明電極付きガラス基板の透明電極面に塗布し、ホットプレート上で、80℃で1分の予備乾燥を行い、次いでクリーンオーブン(窒素雰囲気下)で、200℃で1時間焼成して液晶配向膜を形成した。この液晶配向膜の周辺部、中央部を倍率20倍の顕微鏡にて観察し、塗布ムラの無い場合を「良好」、塗布ムラのある場合を「不良」と判定した。各配向膜の印刷性評価結果を表2にまとめた。
表2における表記は以下の通り。
NMP :N−メチル−2−ピロリドン
BC :エチレングリコールモノブチルエーテル
Claims (5)
- 下記式(1)
(式中、R1 は水素原子であり、5個のR2は、それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;または酸素原子、窒素原子、イオウ原子もしくはケイ素原子を含む連結基を有していてもよい置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の1価の炭化水素基;または1価の極性基を表わす。ただし、R 2 の少なくとも一つはフッ素原子を含む置換基である)で表される第一ジアミンと、下記式(2)
(式中、R3は2価の有機基である)、
で表わされる、第1ジアミン以外の第2ジアミン、および下記式(3)
(式中、R4は、4価の有機基である)、
で表わされるテトラカルボン酸二無水物とを反応させて得られるポリアミック酸および/または当該ポリアミック酸を脱水閉環して生成されるイミド化重合体を含有することを特徴とする垂直配向型液晶配向剤。 - 式(1)中、R2の少なくとも1つが炭素原子数が2以上のフッ化アルキル基である請求項1に記載の垂直配向型液晶配向剤。
- 第1ジアミン/第2ジアミンのモル比が10/90〜99/1の範囲にある請求項1または2に記載の垂直配向型液晶配向剤。
- 上記式(3)で表わされるテトラカルボン酸二無水物が2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物またはピロメリット酸二無水物である、請求項1〜3のいずれかに記載の垂直配向型液晶配向剤。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の垂直配向型液晶配向剤から形成された垂直配向型液晶配向膜を具備することを特徴とする垂直配向型液晶表示素子。
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