JP4788896B2 - 垂直配向型液晶配向剤および垂直配向型液晶表示素子 - Google Patents

垂直配向型液晶配向剤および垂直配向型液晶表示素子 Download PDF

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Description

本発明は、新規な垂直配向型液晶配向剤および垂直配向型液晶表示素子に関する。さらに詳しくは、新規なプレチルト角発現成分を有し、優れた垂直配向性を示し、液晶注入に起因する不良が発生しない新規な垂直配向型液晶配向剤および美しい画像を具備する垂直配向型液晶表示素子に関する。
省スペース、低消費電力等の観点から液晶ディスプレイに代表される液晶表示素子は液晶電卓が初めて量産化されて以来、時計、携帯型ゲーム、ワープロ、ノートブック型パソコン、カーナビゲーション、カムコーダー、PDA、デジタルカメラ、携帯電話、各種モニター、液晶テレビなど多方面への応用が進み、また活発な開発が継続されている。これまで表示方式としては、誘電異方性が正である液晶を使用し、電圧印加により液晶分子を基板面に対して平行から垂直方向へと駆動するTN(Twisted Nematic)方式やSTN(Super Twisted Nematic)方式が広く使用されてきた。
近年、液晶ディスプレイの表示品位を向上すべく、誘電異方性が負の液晶を使用し、電圧印加時に液晶分子が基板面に対して垂直から平行に配列するVA(Vertical Alignment)方式が開発された。VA方式においては、電圧無印加時において黒表示となるためTN方式やSTN方式に比べ、光の透過量を容易に小さくでき、バックライトの輝度を大きくすることなく高い明暗のコントラストを得ることが可能であり、一般的にラビング処理も不要とされることから、ディスプレイの高い表示品位が要求される用途(特に携帯電話や液晶テレビ等)への採用が進んでいる。また、高視野角特性を改良したMVA(Multi domain Vertical Alignment)方式やPVA(Patterned Vertical Alignment)方式と呼ばれる垂直配向型液晶表示素子が提案され、更にVA方式はその用途を拡大している。
液晶表示素子において、液晶の配向は通常、ポリアミック酸、ポリイミドなどの重合体を含有する液晶配向剤により形成された液晶配向膜により制御される。
VA方式に用いられる垂直配向型液晶配向膜は液晶分子を基板に対し垂直に配向させる(90度のプレチルト角を与える)ため、特許文献1〜4に開示されているように嵩高い脂肪族炭化水素置換基を側鎖に持つ成分(以下、プレチルト角発現成分と言う)がポリマー中に導入されている。しかし、これらの嵩高い脂肪族炭化水素置換基は、安定した垂直配向性を与える一方、液晶との親和性を低下させ、配向膜上における液晶の濡れ広がり性を低下させる問題があった。具体的には、液晶注入を真空注入法によって実施する際には液晶の注入速度が著しく低下するためセル作製の生産性が非常に悪くなり、ODF方式によって実施する際には液晶滴下部分や液晶同士の融合部などに配向ムラが発生してしまい、液晶表示素子の表示不良が発生するという問題があった。よって、上記問題を改善すべく、優れた垂直配向性を示し、かつ液晶の濡れ性に優れる垂直配向型液晶配向剤の開発が切望されていた。
特開平6−136122号公報 特許第2893671号公報 特開2004−331937号公報 特開2004−262921号公報
本発明は以上のような事情に基づいてなされたものである。それ故本発明の目的は、優れた垂直配向性を示し、かつ液晶の濡れ性に優れる垂直配向型液晶配向剤および当該液晶配向剤を使用して作製した垂直配向膜を有する垂直配向型液晶表示素子を提供することにある。
本発明によれば、本発明の上記目的は、第1に、下記式(1)
Figure 0004788896
(式中、R は水素原子であり、5個のRは、それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;または酸素原子、窒素原子、イオウ原子もしくはケイ素原子を含む連結基を有していてもよい置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;または1価の極性基を表わす。ただし、R の少なくとも一つはフッ素原子を含む置換基である)で表される第一ジアミンと、下記式(2)
Figure 0004788896
(式中、Rは2価の有機基である)、
で表わされる、第1ジアミン以外の第2ジアミン、および
Figure 0004788896
(式中、Rは4価の有機基である)、
で表わされるテトラカルボン酸二無水物を反応させて得られるポリアミック酸および/または当該ポリアミック酸を脱水閉環させて得られるイミド化重合体を含有することを特徴とする垂直配向型液晶配向剤により達成される。
また、本発明によれば、本発明の上記目的は、上記の垂直配向型液晶配向剤から形成される垂直配向型液晶配向膜を具備する液晶表示素子によって達成される。
本発明の垂直配向型液晶配向剤によれば、垂直配向性および液晶の濡れ性に優れる垂直配向型液晶配向膜が得られる。
[ポリアミック酸およびイミド化重合体]
以下、本発明について詳細に説明する。本発明で使用されるポリアミック酸は、上記式(1)および上記式(2)で表わされるジアミンと、上記式(3)で表わされるテトラカルボン酸二無水物とを重付加反応させて得られる。また、本発明で使用するイミド化重合体は、上記ポリアミック酸を脱水閉環することにより得られる。
[ジアミン]
本発明の垂直配向型液晶配向剤は、ジアミンとして上記式(1)で表わされるジアミンを共重合させることにより垂直配向性、液晶の濡れ性に優れた性能を発現する。
本発明において、上記式(1)で表される第1ジアミン化合物の割合は、全ジアミンに基づいて、好ましくは10〜99モル%、より好ましくは12〜50モル%、特に好ましくは15〜40モル%である。上記式(1);で表される第1ジアミン化合物の割合が少なすぎると十分な垂直配向性が得られ難く、また多すぎると配向膜形成時にピンホール発生などの塗布性不良が生じることがある。
上記式(1)において、R で表される、ハロゲン原子;酸素原子、窒素原子、硫黄原子またはケイ素原子を含む連結基を有していてもよい置換または非置換の炭素原子数1〜30の1価の炭化水素基;および1価の極性基について説明する。
ノ基などで置換されていてもよい。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子および臭素原子が挙げられる。
炭素原子数1〜30の1価の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;エチリデン基、プロピリデン基等のアルキリデン基;フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ビフェニル基、フルオレニル基等の芳香族基などが挙げられる。これらの基中の炭素原子に結合した水素原子は、例えばフッ素、塩素、臭素などのハロゲン原子およびシアノ基などで置換されていてもよい。
また、上記の置換または非置換の1価の炭化水素基は、直接、式(1)に表示されたベンゼン環構造に結合していてもよいし、あるいは連結基を介して結合していてもよい。前記連結基としては、例えば、炭素原子数1〜10の2価の炭化水素基(例えば、−(CH)m−(式中、mは1〜10の整数)で表されるアルキレン基);酸素原子、窒素原子、硫黄原子またはケイ素原子を含む連結基(例えば、カルボニル基(−CO−)、カルボニルオキシ基(−COO−)、スルホニル基(−SO−)、スルホニルオキシ基(−SO−O−)、エーテル結合(−O−)、チオエーテル結合(−S−)、イミノ基(−NH−)、アミド結合(−NHCO−)、シロキサン結合(−Si(R)O−)(式中、Rはメチル基、エチル基等のアルキル基);あるいはこれらの2種以上が組合わさって連なったものが挙げられる。
1価の極性基としては、例えば水酸基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、アミド基、イミノ基(=NH)、トリオルガノシロキシ基、トリオルガノシリル基、アミノ基、アシル基、アルコキシシリル基、スルホン酸基(−SOH)、スルフィノ基(−SOH)、およびカルボキシル基などが挙げられる。
さらに具体的には、上記アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基等が挙げられ;アルキルカルボニルオキシ基としては、例えばアセトキシ基、プロピオニルオキシ基等が挙げられ;アリールカルボニルオキシ基としては、例えば、ベンゾイルオキシ基等が挙げられ;アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等が挙げられ;アリーロキシカルボニル基としては、例えば、フェノキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基、フルオレニルオキシカルボニル基、ビフェニリルオキシカルボニル基等が挙げられ;トリオルガノシロキシ基としては、例えば、トリメチルシロキシ基、トリエチルシロキシ基などが挙げられ;トリオルガノシリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基等が挙げられ;アミノ基としては、例えば、第2級アミノ基および第3級アミノ基等が挙げられ、アルコキシシリル基としては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基などが挙げられる。
ただし、上記式(1)において、R の少なくとも一つはフッ素原子を含む置換基である
におけるフッ素原子を含む置換基はフッ化アルキル基であることが好ましく、その場合、フッ化アルキル基の炭素数は好ましくは1〜40であり、より好ましくは2〜25であり、特に好ましくは5〜15である。R におけるフッ素原子を含む置換基(フッ化アルキル基)において炭素原子の数が少ないと十分な垂直配向性を示すことができず、炭素原子数が40より多くなると配向膜形成時にピンホール発生などの塗布性不良が生じることがある。また、R におけるフッ素原子を含む置換基(フッ化アルキル基)は直鎖状、分岐状、環状構造のいずれでもよいが、垂直配向性に優れる点で直鎖状であることが好ましい。
上記式(1)で表されるジアミンの具体例としては下記に記載の化合物が挙げられる。
下記式(1−1)で表わされる4,4’−ジアミノ−4’’−フルオロトリフェニルメタン


Figure 0004788896
下記式(1−2)で表わされる4,4’−ジアミノ−4’’−トリフルオロメチルトリフェニルメタン
Figure 0004788896
下記式(1−3)で表わされる4,4’−ジアミノ−4’’−トリフルオロメトキシトリフェニルメタン
Figure 0004788896
下記式(1−4)で表わされる4,4’−ジアミノ−3’’,5’’−ビス(トリフルオロメチル)トリフェニルメタン
Figure 0004788896
下記式(1−5)で表わされる4,4’−ジアミノ−4’’−ペンタフルオロエチルトリフェニルメタン
Figure 0004788896
下記式(1−6)で表わされる4,4’−ジアミノ−4’’−ヘプタフルオロプロピルトリフェニルメタン
Figure 0004788896
下記式(1−7)で表わされる4,4’−ジアミノ−4’’−ノナフルオロブチルトリフェニルメタン
Figure 0004788896
下記式(1−8)で表わされる4,4’−ジアミノ−4’’−ウンデカフルオロペンチルトリフェニルメタン
Figure 0004788896
下記式(1−9)で表わされる4,4’−ジアミノ−4’’−トリデカフルオロヘキシルトリフェニルメタン
Figure 0004788896
下記式(1−10)で表わされる4,4’−ジアミノ−4’’−ペンタデカフルオロヘプチルトリフェニルメタン
Figure 0004788896
下記式(1−11)で表わされる4,4’−ジアミノ−4’’−ヘプタデカフルオロオクチルトリフェニルメタン
Figure 0004788896
下記式(1−12)で表わされる4,4’−ジアミノ−4’’−ノナデカフルオロノニルトリフェニルメタン
Figure 0004788896
下記式(1−13)で表わされる4,4’−ジアミノ−4’’−ヘンイコサフルオロデシルトリフェニルメタン
Figure 0004788896
上記の如き、第1ジアミンは単独でまたは2種以上組合せて用いることができる。
この中でも、第一ジアミンとしては上記式(1−8)で表わされる4,4’−ジアミノ−4’’−ウンデカフルオロペンチルトリフェニルメタン、上記式(1−9)で表わされる4,4’−ジアミノ−4’’−トリデカフルオロヘキシルトリフェニルメタン、上記式(1−10)で表わされる4,4’−ジアミノ−4’’−ペンタデカフルオロヘプチルトリフェニルメタン、上記式(1−11)で表わされる4,4’−ジアミノ−4’’−ヘプタデカフルオロオクチルトリフェニルメタン、上記式(1−12)で表わされる4,4’−ジアミノ−4’’−ノナデカフルオロノニルトリフェニルメタン、上記式(1−13)で表わされる4,4’−ジアミノ−4’’−ヘンイコサフルオロデシルトリフェニルメタンが好ましく、特に上記式(1−11)で表わされる4,4’−ジアミノ−4’’−ヘプタデカフルオロオクチルトリフェニルメタンが垂直配向性と配向膜形成時の塗布性に優れた配向剤を形成する点で好ましい。
上記式(2)で表される第2ジアミン化合物は第1ジアミン以外のジアミンであり、その具体例としては、例えばp−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,5−ジアミノナフタレン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、5−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、6−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)−10−ヒドロアントラセン、2,7−ジアミノフルオレン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、2,2’,5,5’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミノ−5,5’−ジメトキシビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、1,4,4’−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、2,2’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジメチルビフェニル、4,4’−ビス[(4−アミノ−2−トリフルオロメチル)フェノキシ]−オクタフルオロビフェニル、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−2,2−ジメチルプロパン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニルなどの芳香族ジアミン;
2,3−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリミジン、5,6−ジアミノ−2,3−ジシアノピラジン、5,6−ジアミノ−2,4−ジヒドロキシピリミジン、2,4−ジアミノ−6−ジメチルアミノ−1,3,5−トリアジン、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン、2,4−ジアミノ−6−イソプロポキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−1,3,5−トリアジン、4,6−ジアミノ−2−ビニル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−5−フェニルチアゾール、2,6−ジアミノプリン、5,6−ジアミノ−1,3−ジメチルウラシル、3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾール、6,9−ジアミノ−2−エトキシアクリジンラクテート、3,8−ジアミノ−6−フェニルフェナントリジン、1,4−ジアミノピペラジン、3,6−ジアミノアクリジン、ビス(4−アミノフェニル)フェニルアミンおよび下記式(4)、(5)のそれぞれで表される化合物の如く、分子内に2つの1級アミノ基および該1級アミノ基以外の窒素原子を有するジアミン;
Figure 0004788896
(式中、Rは、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、ピペリジンおよびピペラジンから選ばれる窒素原子を含む環構造を有する1価の有機基を示し、Xは2価の有機基を示す。)
Figure 0004788896
(式中、Rは、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、ピペリジンおよびピペラジンから選ばれる窒素原子を含む環構造を有する2価の有機基を示す)
下記式(6)で表されるモノ置換フェニレンジアミン;
Figure 0004788896
(式中、Rは、−O−、−COO−、−OCO−、−NHCO−、−CONH−および−CO−から選ばれる2価の有機基を示し、Rは、ステロイド骨格、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基およびフルオロ基から選ばれる少なくとも1種の基を有する1価の有機基または炭素数6〜30のアルキル基を示す。)
1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、4,4−ジアミノヘプタメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミン、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレンジメチレンジアミン、トリシクロ[6.2.1.02,7]−ウンデシレンジメチルジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)などの脂肪族および脂環式ジアミン;下記式(7)で表されるジアミノオルガノシロキサン;
Figure 0004788896
(式中、Rは炭素数1〜12の炭化水素基を示し、複数存在するRは、それぞれ同一でも異なっていてもよく、pは1〜3の整数であり、qは1〜20の整数である。)を挙げることができる。これらの第2ジアミンは単独でまたは2種以上組合せて用いられる。
これらのうち、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、1,5−ジアミノナフタレン、2,7−ジアミノフルオレン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジメチルビフェニル、2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリミジン、3,6−ジアミノアクリジン、上記式(4)で表される化合物のうち下記式(8)で表される化合物、上記式(5)で表される化合物のうち下記式(9)で表される化合物、および上記式(6)で表される化合物のうち下記式(10)、(11)、(12)、(13)のそれぞれで表される化合物、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−シクロヘキサンジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、上記式(7)で表される化合物のうち、下記式(14)で表される3,3’―(テトラメチルジシロキサン−1,3−ジイル)ビス(プロピルアミン)が好ましい。
Figure 0004788896
Figure 0004788896
さらに特に好ましいものとしては、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’―(テトラメチルジシロキサン−1,3−ジイル)ビス(プロピルアミン)、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンを挙げることができる。
[テトラカルボン酸二無水物]
テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジクロロ−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−2−酢酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−エチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−エチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−エチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5,8−ジメチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、3−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジオン−6−スピロ−3’−(テトラヒドロフラン−2’,5’−ジオン)、下記式(15)および(16)で表される化合物などの脂肪族および脂環式テトラカルボン酸二無水物;
Figure 0004788896
(式中、R10およびR12は、芳香環を有する2価の有機基を示し、R11および
13は、水素原子またはアルキル基を示し、複数存在するR11およびR13は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3’,4,4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルメタン二無水物、エチレングリコール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、プロピレングリコール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,4−ブタンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,6−ヘキサンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,8−オクタンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン−ビス(アンヒドロトリメリテート)、下記式(17)〜(20)で表される化合物などの芳香族テトラカルボン酸二無水物を挙げることができる。これらのテトラカルボン酸二無水物は1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
Figure 0004788896
これらのうち、ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5,8−ジメチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、3−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジオン−6−スピロ−3’−(テトラヒドロフラン−2’,5’−ジオン)、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、上記式(15)で表される化合物のうち下記式(21)〜(23)で表される化合物および上記式(16)で表される化合物のうち下記式(24)で表される化合物が、良好な液晶配向性を発現させることができる観点から好ましい。特に好ましいものとして、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、3−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジオン−6−スピロ−3’−(テトラヒドロフラン−2’,5’−ジオン)、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物および下記式(21)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 0004788896
これらは1種単独でまたは2種類以上組み合わせて用いられる。
〈ポリアミック酸の合成〉
本発明のポリアミック酸の合成反応に供されるテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物の使用割合は、ジアミン化合物に含まれるアミノ基1当量に対して、テトラカルボン酸二無水物の酸無水物基が0.2〜2当量となる割合が好ましく、さらに好ましくは0.3〜1.2当量となる割合である。
ポリアミック酸の合成反応は、有機溶媒中において、好ましくは−20〜150℃、より好ましくは0〜100℃の温度条件下で行われる。ここで、有機溶媒としては、合成されるポリアミック酸を溶解できるものであれば特に制限はなく、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリアミドなどの非プロトン系極性溶媒;m−クレゾール、キシレノール、フェノール、ハロゲン化フェノールなどのフェノール系溶媒を例示することができる。また、有機溶媒の使用量(a)は、テトラカルボン酸二無水物およびジアミン化合物の総量(b)とした場合、反応溶液の全量(a+b)に対して0.1〜30重量%になるような量であることが好ましい。
なお、上記有機溶媒には、ポリアミック酸の貧溶媒であるアルコール、ケトン、エステル、エーテル、ハロゲン化炭化水素および炭化水素類などを、生成するポリアミック酸が析出しない範囲で併用することができる。かかる貧溶媒の具体例としては、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、乳酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルメトキシプロピオネ−ト、エチルエトキシプロピオネ−ト、プロピレンカーボネート、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジエチル、ジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコール−i−プロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジクロロブタン、トリクロロエタン、クロルベンゼン、o−ジクロルベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどを挙げることができる。これらの貧溶媒は単独であるいは2種以上組合せて使用できる。
以上のようにして、ポリアミック酸を溶解してなる反応溶液が得られる。そして、この反応溶液を大量の貧溶媒中に注いで析出物を得た後、この析出物を減圧下乾燥することによりポリアミック酸を得ることができる。また、このポリアミック酸を再び有機溶媒に溶解させ、次いで貧溶媒で析出させる工程を1回または数回行うことにより、ポリアミック酸を精製することができる。
〈イミド化重合体〉
本発明の液晶配向剤に用いられるイミド化重合体は、上記ポリアミック酸を脱水閉環することにより合成することができる。ここで言うイミド化重合体には、上記ポリアミック酸を部分的にイミド化した部分イミド重合体および100%イミド化した重合体が含まれ、以下、これらを総称して『イミド化重合体』と記載する。
本発明の液晶配向剤に用いられるイミド化重合体における好ましいイミド化率は、25〜100%、更に好ましくは35〜95%、特に好ましくは45〜90%である。ここで、「イミド化率」とは、重合体における繰り返し単位の総数に対する、イミド環を形成してなる繰り返し単位の数の割合を%で表したものとする。この時、イミド環の一部がイソイミド環であっても良い。
イミド化重合体を合成する方法としては、(I)上記ポリアミック酸を加熱することにより脱水閉環させて合成する方法、(II)上記ポリアミック酸を有機溶媒に溶解し、この溶液中に脱水剤および脱水閉環触媒を添加し必要に応じて加熱することにより、脱水閉環させて合成する方法が用いられ、上記反応条件を適切に制御して所望のイミド化率を有する重合体が得られる。
上記(I)のポリアミック酸を加熱する方法における反応温度は、好ましくは50〜300℃であり、より好ましくは100〜250℃である。反応温度が50℃未満では脱水閉環反応が十分に進行せず、反応温度が300℃を超えると得られるイミド化重合体の分子量が低下することがある。
一方、上記(II)のポリアミック酸の溶液中に脱水剤および脱水閉環触媒を添加する方法において、脱水剤としては、例えば無水酢酸、無水プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸などの酸無水物を用いることができる。脱水剤の使用量は、ポリアミック酸の繰り返し単位1モルに対して0.01〜20モルとするのが好ましい。また、脱水閉環触媒としては、例えばピリジン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミンなどの第3級アミンを用いることができる。ただし、脱水剤および脱水閉環触媒はこれらの例に限定されるものではない。脱水閉環触媒の使用量は、使用する脱水剤1モルに対して0.01〜10モルとするのが好ましい。なお、脱水閉環の反応に用いられる有機溶媒としては、ポリアミック酸の合成に用いられるものとして例示した有機溶媒と同じものを挙げることができる。そして、脱水閉環反応の反応温度は、好ましくは0〜180℃、より好ましくは60〜150℃である。また、このようにして得られる反応溶液に対し、ポリアミック酸の精製方法と同様の操作を行うことにより、イミド化重合体を精製することができる。
〈末端修飾型の重合体〉
本発明の液晶配向剤を構成するポリアミック酸およびイミド化重合体は、分子量が調節された末端修飾型のものであってもよい。この末端修飾型の重合体を用いることにより、本発明の効果が損なわれることなく液晶配向剤の塗布特性などを改善することができる。このような末端修飾型のものは、ポリアミック酸を合成する際に、酸一無水物、モノアミン化合物、モノイソシアネート化合物などを反応系に添加することにより合成することができる。ここで、酸一無水物としては、ジカルボン酸一無水物が挙げられ、例えば無水マレイン酸、無水フタル酸、無水イタコン酸、n−デシルサクシニック酸無水物、n−ドデシルサクシニック酸無水物、n−テトラデシルサクシニック酸無水物、n−ヘキサデシルサクシニック酸無水物などを挙げることができる。また、モノアミン化合物としては、例えばアニリン、シクロヘキシルアミン、p−エチルアニリン、n−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ドデシルアミン、n−トリデシルアミン、n−テトラデシルアミン、n−ペンタデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、n−ヘプタデシルアミン、n−オクタデシルアミン、n−エイコシルアミンなどを挙げることができる。また、モノイソシアネート化合物としては、例えばフェニルイソシアネート、ナフチルイソシアネートなどを挙げることができる。
〈重合体の分子量〉
本発明の液晶配向剤を構成するポリアミック酸およびイミド化重合体は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、ジメチルホルムアミド溶媒、ポリスチレン換算)による分子量の測定において、数平均分子量(Mn)は、好ましくは1,000〜50万、より好ましくは2,000〜30万、さらに好ましくは5,000〜25万であり、重量平均分子量(Mw)は、好ましくは5,000〜200万、より好ましくは1万〜100万、さらに好ましくは2万〜50万である。
上記数平均分子量(Mn)が1,000未満であるか、或いは、重量平均分子量(Mw)が5,000未満であると、形成された液晶配向膜の電圧保持率等の電気特性が著しく低下する場合がある。一方、数平均分子量(Mn)が50万以上であるか、或いは、重量平均分子量(Mw)が200万以上であると、配向剤の粘度が高くなりすぎて、塗膜工程において、均一な配向膜を得ることが困難になる場合がある。
〈液晶配向剤〉
本発明の液晶配向剤は、構成するポリアミック酸およびイミド化重合体が、好ましくは、有機溶媒中に溶解含有されて構成される。本発明の液晶配向剤には電圧保持率・耐焼付き性(残留DC)等の特性および塗膜性を改良するため、配向剤調整時に、上記式(1)で表されるジアミン構造を含有しないポリアミック酸および/またはイミド化重合体を添加してもよい。上記式(1)で表されるジアミン構造を含有しないポリアミック酸および/またはイミド化重合体は目的に応じて1種でも複数種でもよく、ポリアミック酸であることが好ましく、特に1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、3−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジオン−6−スピロ−3’−(テトラヒドロフラン−2’,5’−ジオン)、ピロメリット酸二無水物から選ばれる1種以上の酸二無水物とp−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、1,5−ジアミノナフタレン、2,7−ジアミノフルオレン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジメチルビフェニル、3,3−(テトラメチルジシロキサン−1,3−ジイル)ビス(プロピルアミン)から選ばれる1種以上のジアミンを反応させて得られるポリアミック酸が好ましい。上記式(1)で表されるジアミン構造を含有するポリアミック酸および/またはイミド化重合体(これらを重合体『X』とする)と上記式(1)で表されるジアミン構造を含有しない前記ポリアミック酸および/またはイミド化重合体(これらを重合体『Y』とする)の混合比は、重量比で通常、X/Y=10/90〜90/10となる範囲であり、好ましくはX/Y=15/85〜60/40となる範囲であり、特に好ましくはX/Y=20/80〜50/50となる範囲である。
本発明の液晶配向剤を調製する際の温度は、好ましくは0℃〜200℃、より好ましくは10℃〜100℃、特に好ましくは20℃〜60℃である。
本発明の液晶配向剤を構成する有機溶媒としては、ポリアミック酸の合成反応に用いられるものとして例示した溶媒を挙げることができる。この中で印刷性の観点から沸点160℃以上の溶媒が好ましく、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリアミド、m−クレゾール、キシレノール、フェノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、ジアセトンアルコール、乳酸ブチル、酢酸ブチル、エチルエトキシプロピオネ−ト、プロピレンカーボネート、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジエチル、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセルソルブ)、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、1,4−ジクロロブタン、o−ジクロルベンゼンなどを挙げることができる。これらのうち、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセルソルブ)、プロピレンカーボネート、ジエチレングリコールジエチルエーテルが特に好ましい。
本発明の液晶配向剤における固形分濃度は、粘性、揮発性などを考慮して選択されるが、好ましくは1〜10重量%の範囲である。すなわち、本発明の液晶配向剤は、基板表面に塗布され、液晶配向膜となる塗膜が形成されるが、固形分濃度が1重量%未満である場合には、この塗膜の膜厚が過小となって良好な液晶配向膜を得ることができず、固形分濃度が10重量%を超える場合には、塗膜の膜厚が過大となって良好な液晶配向膜を得ることができず、また、液晶配向剤の粘性が増大して塗布特性が劣るものとなる。
本発明の液晶配向剤の粘度(液晶配向剤を回転型粘度計を用い、25℃において測定される粘度)は配向剤を塗布する方法に応じて適切に調整する必要があるが、好ましくは3〜100mPa・sであり、より好ましくは、4〜50mPa・sであり、特に好ましくは5〜35mPa・sとなる範囲である。
本発明の液晶配向剤には、基板表面に対する接着性を向上させる観点から、官能性シラン含有化合物またはエポキシ基含有化合物が含有されていてもよい。かかる官能性シラン含有化合物としては、例えば3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−トリメトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリエトキシシランなどを挙げることができる。
また、エポキシ基含有化合物としては、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、2,2−ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,3,5,6−テトラグリシジル−2,4−ヘキサンジオール、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4、4’−ジアミノジフェニルメタンなどを好ましいものとして挙げることができる。これら官能性シラン含有化合物やエポキシ基含有化合物の配合割合は、ポリアミック酸および/またはイミド化重合体の総量100重量部に対して、好ましくは60重量部以下、より好ましくは50重量部以下である。
〈液晶表示素子〉
本発明の液晶表示素子は、例えば次の方法によって製造することができる。
(1)パターニングされた透明導電膜が設けられている基板の一面に、本発明の液晶配向剤を例えばロールコーター法、スピンナー法、印刷法、インクジェット法などの方法によって塗布し、次いで、塗布面を加熱することにより塗膜を形成する。ここに、基板としては、例えばフロートガラス、ソーダガラスなどのガラス;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネートなどのプラスチックからなる透明基板を用いることができる。基板の一面に設けられる透明導電膜としては、酸化スズ(SnO)からなるNESA膜(米国PPG社登録商標)、酸化インジウム−酸化スズ(In−SnO)からなるITO膜などを用いることができる。これらの透明導電膜のパターニングには、フォト・エッチング法や予めマスクを用いる方法が用いられる。反射電極にはAlやAgなどの金属、あるいは、これらの金属を含有する合金などを用いることができる。ただし、十分な反射率を有してさえいればこれらに限定されるものではない。液晶配向剤の塗布に際しては、基板表面および透明導電膜や反射電極と塗膜との接着性をさらに良好にするために、基板の該表面に、官能性シラン含有化合物、官能性チタン含有化合物などを予め塗布することもできる。液晶配向剤塗布後、塗布した配向剤の液垂れ防止等の目的で通常予備加熱(プレベーク)が実施される。プレベーク温度は、好ましくは30〜300℃であり、より好ましくは40〜200℃であり、特に好ましくは50〜150℃である。その後、溶剤を完全に除去し、ポリアミック酸をポリイミドへと熱イミド化する事を目的として焼成(ポストベーク)工程が実施される。この焼成温度は、好ましくは80〜300℃であり、より好ましくは120〜250℃である。このようにして、ポリアミック酸を含有する本発明の液晶配向剤は、塗布後に有機溶媒を除去することによって配向膜となる塗膜を形成し、さらに加熱することによって脱水閉環を進行させ、よりイミド化された塗膜とすることもできる。形成される塗膜の膜厚は、好ましくは0.001〜1μmであり、より好ましくは0.005〜0.5μmである。
(2)形成された塗膜面は、例えばナイロン、レーヨン、コットンなどの繊維からなる布を巻きつけたロールで一定方向に擦るラビング処理により、液晶分子の配向角を制御することもできる。また、ラビング処理による方法以外に、塗膜表面に偏光紫外光を照射して配向能を制御する方法も適用できる。なお、ラビング処理時などに発生する微粉末(異物)を除去して塗膜表面を清浄な状態とするために、形成された液晶配向膜をイソプロピルアルコールおよび/または純水等によって洗浄することが好ましい。また、本発明の液晶配向剤により形成された液晶配向膜に、例えば特開平6−222366号公報や特開平6−281937号公報に示されているような、紫外線を部分的に照射することによってプレチルト角を変化させるような処理、あるいは特開平5−107544号公報に示されているような、ラビング処理された液晶配向膜上にレジスト膜を部分的に形成し、先行のラビング処理とは異なる方向にラビング処理を行った後、前記レジスト膜を除去して、液晶配向膜の配向能を変化させるような処理を行うことによって、液晶表示素子の視野特性を改善することが可能である。
(3)上記のようにして液晶配向膜が形成された基板を2枚作製し、2枚の基板を、間隙(セルギャップ)を介して対向配置し、2枚の基板の周辺部をシール剤を用いて貼り合わせ、基板表面およびシール剤により区画されたセルギャップ内に液晶を注入充填し、注入孔を封止して液晶セルを構成する。そして、液晶セルの外表面、すなわち、液晶セルを構成するそれぞれの基板の外面側に、偏光板を配することにより、液晶表示素子が得られる。
ここに、シール剤としては、例えば硬化剤およびスペーサーとしての酸化アルミニウム球を含有するエポキシ樹脂などを用いることができる。
液晶としては、ネマティック型液晶およびスメクティック型液晶を挙げることができる。その中でもネマティック型液晶が好ましく、例えばシッフベース系液晶、アゾキシ系液晶、ビフェニル系液晶、フェニルシクロヘキサン系液晶、エステル系液晶、ターフェニル系液晶、ビフェニルシクロヘキサン系液晶、ピリミジン系液晶、ジオキサン系液晶、ビシクロオクタン系液晶、キュバン系液晶などを用いることができる。また、これらの液晶に、例えばコレスチルクロライド、コレステリルノナエート、コレステリルカーボネートなどのコレステリック型液晶や商品名「C−15」「CB−15」(メルク社製)として販売されているようなカイラル剤などを添加して使用することもできる。さらに、p−デシロキシベンジリデン−p−アミノ−2−メチルブチルシンナメートなどの強誘電性液晶も使用することができる。
また、液晶セルの外表面に貼り合わされる偏光板としては、ポリビニルアルコールを延伸配向させながら、ヨウ素を吸収させたH膜と称される偏光膜を酢酸セルロース保護膜で挟んだ偏光板またはH膜そのものからなる偏光板を挙げることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。実施例および比較例における分子量、イミド化率、プレチルト角および垂直配向性は以下の方法により評価した。
[重量平均分子量および分子量分布]
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC、東ソー株式会社製、商品名:HLC−8020/カラム3本:東ソー株式会社製、商品名:TSK guardcolum α, TSK gel α-M, TSK gel α-2500)を用い、溶媒としてジメチルホルムアミド(DMF ; DMF3Lに臭化リチウム・一水和物9.4g、リン酸1.7gを添加したもの)を用いて、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)、および分子量分布(Mw/Mn)を測定した。なお、前記Mnは数平均分子量である。
「イミド化率」
重合体を室温で減圧乾燥した後、超伝導核磁気共鳴吸収装置(NMR、日本電子株式会社製、商品名:EX−90A)を用い、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d)中で、テトラメチルシランを基準物質として1H−NMRを測定した。得られたデータにおいて重合体中におけるNH基のプロトン由来のピーク面積(10ppm付近)とその他のプロトン由来のピーク面積の比からイミド化率の算出を行った。
[プレチルト角]
T.J.Scheffer, et.al., J.Appl.Phys.,vol.19,2013(1980)に記載の方法に準拠し、He−Neレーザー光を用いる結晶回転法により測定した。ここでは、プレチルト角は、液晶分子の配向方向が基板面から傾いている角度と定義される。
[垂直配向性]
液晶表示素子にクロスニコル下で電圧をオン・オフしたときの異常ドメインの観察を行い、異常ドメインのないものを「良好」、あるものを「不良」とした。
合成例1
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物 5.2034g(0.0232モル)、ジアミン化合物としてp−フェニレンジアミン 2.0366g(0.0188モル)と前記式(1−11)で表される4,4’−ジアミノ−4’’−n−ヘプタデカフルオロオクチルトリフェニルメタン 3.260g(0.0047モル)をN−メチル−2−ピロリドン42gに溶解させ、60℃で4時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメチルアルコール中に注いで反応生成物を沈澱させた。その後、メチルアルコールで洗浄し、減圧下40℃で24時間乾燥させることにより、重量平均分子量(Mw)が125,000、分子量分布(Mw/Mn)が5.44のポリアミック酸(これを「P−1」とする)9.25gを得た。
合成例2
合成例1と全く同様にして合成したポリアミック酸9.0gをN−メチル−2−ピロリドン120gに溶解させ、ピリジン1.58gおよび無水酢酸2.03g(ピリジン、無水酢酸共にポリアミック酸の繰り返し単位に対して1当量)を添加し110℃で4時間脱水閉環させた。これを合成例1と同様にして沈殿、洗浄、減圧を行い、重量平均分子量(Mw)が101,000、分子量分布(Mw/Mn)が6.33、イミド化率51%のイミド化重合体(これを「P−2」とする)7.1gを得た。
比較合成例1〜3
テトラカルボン酸二無水物およびジアミン化合物を表1に記載のものに変更した以外は合成例1および合成例2と同様にして、表1に示す重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)およびイミド化率の重合体(これらを「P−3」〜「P−5」とする)を得た。なお、「P−3」はポリアミック酸であり、イミド化されていない。
なお、表1中、酸二無水物A、BおよびジアミンA、Bはそれぞれ以下の化合物を示す。
酸二無水物A : 2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物
酸二無水物B : ピロメリット酸二無水物
ジアミンA :前記式(12)で表されるジアミン化合物
ジアミンB : p−フェニレンジアミン
Figure 0004788896
実施例1
合成例1で得られたポリアミック酸(P−1)にN−メチル−2−ピロリドンとエチレングリコールモノブチルエーテルをN−メチル−2−ピロリドン/エチレングリコールモノブチルエーテル混合重量比=30/70となるように添加し、更にN,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタンをポリアミック酸(P−1)に対して20重量%加え、全固形分濃度3.5重量%の液晶配向剤とした(ただし、下述の印刷性試験を実施する際には全固形分濃度が6.9重量%の液晶配向剤とした)。これを十分に攪拌後、孔径1μmのフィルターを用いて濾過し、ガラス基板の一面に設けたITO膜からなる透明導電膜上にスピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で、80℃で1分の予備乾燥を行い、次いでクリーンオーブン(窒素雰囲気下)で、200℃で1時間焼成することにより、膜厚60nmの液晶配向膜を有する透明電極基板を作成した。次に、一対の透明電極/透明電極基板の上記液晶配向膜塗布基板の液晶配向膜を有するそれぞれの外縁に、直径5.5μmの酸化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤を塗布した後、液晶配向膜面が相対するように重ね合わせて圧着し、接着剤を硬化させた。次いで、液晶注入口より基板間に、ネガ型液晶(メルク社製、MLC−2038)を充填した後、アクリル系光硬化接着剤で液晶注入口を封止し、液晶表示素子を作製した。
得られた液晶表示素子についてプレチルト角、垂直配向性を評価した結果を表2に示す。
実施例2
ポリアミック酸(P−1)の代わりに合成例2で得られたイミド化重合体(P−2)を用い、N−メチル−2−ピロリドンとエチレングリコールモノブチルエーテルをN−メチル−2−ピロリドン/エチレングリコールモノブチルエーテル混合重量比=50/50とした以外は実施例1と同様にして液晶表示素子を得た。得られた液晶表示素子についてプレチルト角、垂直配向性を評価した結果を表2に示す。
比較例1
ポリアミック酸(P−1)の代わりに比較合成例1で得られたポリアミック酸(P−3)を用いた以外は実施例1と同様にして液晶表示素子を得た。得られた液晶表示素子についてプレチルト角、垂直配向性を評価した結果を表2に示す。
比較例2
ポリアミック酸(P−1)の代わりに比較合成例2で得られたイミド化重合体(P−4)を用い、N−メチル−2−ピロリドンとエチレングリコールモノブチルエーテルをN−メチル−2−ピロリドン/エチレングリコールモノブチルエーテル混合重量比=50/50とした以外は実施例1と同様にして液晶表示素子を得た。得られた液晶表示素子についてプレチルト角、垂直配向性を評価した結果を表2に示す。
比較例3
ポリアミック酸(P−1)の代わりに比較合成例3で得られたイミド化重合体(P−5)を用い、N−メチル−2−ピロリドンとエチレングリコールモノブチルエーテルをN−メチル−2−ピロリドン/エチレングリコールモノブチルエーテル混合重量比=50/50とした以外は実施例1と同等にして液晶表示素子を得た。得られた液晶表示素子についてプレチルト角、垂直配向性を評価した結果を表2に示す。
[液晶濡れ性]
上記実施例および比較例で調整した各液晶配向剤をガラス基板の一面に設けたITO膜からなる透明導電膜上にスピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で、80℃で1分間の予備乾燥を行い、次いでクリーンオーブン(窒素雰囲気下)で、200℃で1時間焼成することにより、膜厚60nmの液晶配向膜を作成した。各配向膜上に、液晶(メルク社製MLC−2038)を滴下し、滴下後30秒後に測定した液晶と配向膜の接触角が14度以下となる場合を濡れ性良好、接触角が14度より大きくなる場合に濡れ性不良と判断した。各配向膜の塗れ性評価結果を表2にまとめた。
[印刷性試験]
本発明の液晶配向剤(全固形分濃度を6.9%に調整したもの)を、液晶配向膜印刷機(日本写真印刷機(株)製)を用いて、膜厚200nm、幅20μmのITO膜が100μm間隔でストライプ状に形成されている透明電極付きガラス基板の透明電極面に塗布し、ホットプレート上で、80℃で1分の予備乾燥を行い、次いでクリーンオーブン(窒素雰囲気下)で、200℃で1時間焼成して液晶配向膜を形成した。この液晶配向膜の周辺部、中央部を倍率20倍の顕微鏡にて観察し、塗布ムラの無い場合を「良好」、塗布ムラのある場合を「不良」と判定した。各配向膜の印刷性評価結果を表2にまとめた。
表2における表記は以下の通り。
NMP :N−メチル−2−ピロリドン
BC :エチレングリコールモノブチルエーテル
Figure 0004788896
上記表2から実施例1および実施例2で得られた液晶配向剤から得られる液晶配向膜は優れた垂直配向性を示し、かつ、比較例1〜3で得られたものに比べ液晶濡れ性が良好であることが明らかである。本発明の液晶配向剤から得られる垂直配向型液晶配向膜の液晶濡れ性は、前記式(1)で表されるフッ素原子を含む置換基を有するジアミンの構造の選択および当該モノマーの共重合組成により調整できることが明らかである。以上の様に、本発明によって優れた垂直配向性を示し、かつ液晶の濡れ性に優れる垂直配向型液晶配向剤および当該配向膜を有し、美しい画像を具備する垂直配向型液晶表示素子を提供することが可能である。

Claims (5)

  1. 下記式(1)
    Figure 0004788896
    (式中、R は水素原子であり、5個のRは、それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;または酸素原子、窒素原子、イオウ原子もしくはケイ素原子を含む連結基を有していてもよい置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の1価の炭化水素基;または1価の極性基を表わす。ただし、R の少なくとも一つはフッ素原子を含む置換基である)で表される第一ジアミンと、下記式(2)
    Figure 0004788896
    (式中、Rは2価の有機基である)、
    で表わされる、第1ジアミン以外の第2ジアミン、および下記式(3)
    Figure 0004788896
    (式中、Rは、4価の有機基である)、
    で表わされるテトラカルボン酸二無水物とを反応させて得られるポリアミック酸および/または当該ポリアミック酸を脱水閉環して生成されるイミド化重合体を含有することを特徴とする垂直配向型液晶配向剤。
  2. 式(1)中、Rの少なくとも1つが炭素原子数が2以上のフッ化アルキル基である請求項1に記載の垂直配向型液晶配向剤。
  3. 第1ジアミン/第2ジアミンのモル比が10/90〜99/1の範囲にある請求項1または2に記載の垂直配向型液晶配向剤。
  4. 上記式(3)で表わされるテトラカルボン酸二無水物が2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物またはピロメリット酸二無水物である、請求項1〜3のいずれかに記載の垂直配向型液晶配向剤。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の垂直配向型液晶配向剤から形成された垂直配向型液晶配向膜を具備することを特徴とする垂直配向型液晶表示素子。
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