JP4789582B2 - インクジェット用途のための自己分散型顔料混合物 - Google Patents

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Description

本発明は、概して、インクジェットインク組成物に関する。より詳細には、本発明は、印刷品質、光学濃度、耐久性、信頼性、及び乾燥時間が改善された顔料系インクジェットインクに関する。
(優先権の主張)
本願は、2004年10月20日付けの米国仮特許出願第60/620,900号の利益を要求するものでもある。
インクジェット印刷が、種々の媒体表面上(特に紙上)に画像を記録する主要な方法となったのには幾つかの理由がある。それら幾つかの理由としては、プリンタ騒音の小さいこと、高速記録できること、及び多色記録できることが挙げられる。加えて、これらの利点が、ユーザにとって比較的低コストで実現できることも挙げられる。大きく改善されてきたインクジェット印刷分野ではあるが、この改善に伴い、当分野のユーザの間では、例えば、より高速、より高分解能、フルカラー画像形成、高い安定性、改善された耐久性等の要求も高まっている。
新規のインクジェットインクを開発する場合、印刷表面又は基材に関連してインクを評価する際に考慮すべき幾つかの慣習的な特性がある。そのような特性としては、表面上の画像のエッジ尖鋭度及び光学濃度、ブラック−カラー間のブリード抑制能、基材上でのインクの乾燥時間、基材への付着性、インク滴配置に偏りが無いこと、全ドットが存在すること、乾燥後の水及びその他の溶媒に対するインクの耐性、長期保存時の安定性、腐食又はノズルの詰りを起こさない長期信頼性、及び長期の印刷耐久性が挙げられる。上に列記した特性は、達成する価値のある目標であるが、上述の特性の全てを満足させることに関しては幾つかの難点がある。多くの場合、上記特性の1つを満足させようとして或るインク成分を含有させると、別の特性が満足されなくなることがある。従って、インクジェットプリンタに使用されるほとんどの市販インクは、上に挙げた要件の全てを満足させることにおいて少なくともまずまずの結果を得ようとする試みの妥協を表すものである。
特に普通紙用途において、高い印刷品質、高い光学濃度、十分な耐久性、並びに速い乾燥時間についてバランスを有することが望まれる。典型的に、このバランスの達成は、界面活性剤、樹脂、溶媒、及びその他の機能剤を添加することによって試みられてきた。添加し得るこれらの添加物の量は、多くの場合、インクジェット機器の信頼性要件により制限される。従って、インクジェット機器の十分な信頼性を維持しつつ、これらの諸特性を改善するための研究がいまも続けられている。
インクジェット機器の信頼性を許容レベルに維持しながら、高い印刷品質、高い光学濃度、十分な耐久性、及び速い乾燥時間を呈する顔料系インクジェットインク組成物を開発することが有益であろうと考えられる。
本発明の一態様では、インクジェットインクが提供され、当該インクジェットインクは、液体ビヒクル、0.5wt%〜10wt%のポリマー分散型顔料、並びに第2のポリマー分散型顔料及び小分子分散型顔料から成る群から選択される0.5wt%〜10wt%の自己分散型顔料を含んで成る。
別の実施形態では、画像を印刷する方法が提供され、当該方法は、インクジェットインクを媒体基材上にインクジェットするステップを包含し得る。当該インクジェットインクは、液体ビヒクル、0.5wt%〜10wt%のポリマー分散型顔料、並びに第2のポリマー分散型顔料及び小分子分散型顔料から成る群から選択される0.5wt%〜10wt%の自己分散型顔料を含んで成る。
本発明によれば、インクジェット機器の信頼性を許容レベルに維持しながら、高い印刷品質、高い光学濃度、十分な耐久性、及び速い乾燥時間を呈する顔料系インクジェットインク組成物を提供することができる。
本発明のその他の特徴並びに利点は、例示目的で本発明の特徴を記載する以下の詳細な説明から明らかとなろう。
本発明の特定の実施形態を開示、説明するにあたり、本発明が、本明細書に開示する特定のプロセス並びに材料に限定されないことを理解されたい。何故なら、それらはある程度変更し得るからである。また、本明細書で用いられる用語は、特定の実施形態を専ら記述するだけの目的で用いられているものであって、本発明の範囲を限定する意のないことも理解されたい。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲及びその等価物によってのみ限定されるものとする。
本発明を説明し、範囲請求する際には、以下の用語を用いることとする。
別途明確に指示のない限り、単数形は、複数形の意味を包含する。従って、例えば、「顔料」という場合、1つ又は複数の顔料を意味する。
本明細書で用いるとき、「液体ビヒクル」は、顔料をはじめとする着色剤を、基材へと搬送するのに用い得る液体組成物を包含するものとして定義される。液体ビヒクルは、当分野で周知であり、本発明の実施形態に従って広範なインクビヒクルを用いることができる。そのようなインクビヒクルは、限定はしないが、界面活性剤、溶媒、共溶媒、緩衝剤、殺生物剤、粘度修正剤、金属イオン封止剤、安定化剤、及び水をはじめとする、様々な各種薬剤の混合物を含み得る。それ自体は液体ビヒクルの一部ではないものの、上記着色剤等に加えて、液体ビヒクルは、ポリマー、ラテックス微粒子、UV硬化性材料、可塑剤、塩等のような固形物添加剤を含有することもできる。
本明細書で用いるとき、「顔料」は、典型的に、それが存在する液体ビヒクルに実質的に不溶性である着色剤粒子を指す。
「自己分散型顔料」、「分散剤官能基化顔料」、又はそれらの派生語は、分散剤と顔料表面との化学結合によるなどして、分散剤で官能基化されている顔料を指す。当該分散剤は、小分子又は高分子とし得る。一実施形態では、分散剤を前述の顔料に結合させることで、顔料の外殻(外表面)に電荷がもたらされ、それによって顔料粒子同士が反発するようになり、液体ビヒクル内における顔料粒子のアグロメレーション(凝集、集塊)を低減させることができる。
用語「ポリマー結合型顔料」又は「ポリマー分散型顔料」は、ポリマーが顔料の少なくとも外殻(外表面)に結合している、一種の自己分散型顔料を指す。顔料に結合させ得るポリマーの例としては、スチレン無水マレイン酸、ポリエチレンイミン/無水フタル酸、ポリエチレンイミン/フェニルコハク酸無水物、ポリエチレンイミン/無水コハク酸、ペンタエチレンヘキサミン、ポリエチレンイミン、ポリウレタン、ポリ尿素、アクリルポリマー、ビニルポリマー、ポリピロリドン、エポキシ、ポリエステル、多糖、ポリペプチド、セルロース、polyquats、ポリアミン、及びそれらのコポリマーが挙げられる。
用語「小分子結合型顔料」又は「小分子分散型顔料」は、ポリマーでない小分子が顔料の少なくとも外殻(外表面)に結合している、一種の自己分散型顔料を指す。顔料に結合させ得る小分子の例としては、カルボキシ基、スルホン基、イソフタル基が挙げられる。
本明細書では、濃度、量、及びその他の数値データを範囲形式で提示する場合がある。そのような範囲形式は、単に便利且つ簡便なために用いるものであって、範囲の限界値として明記された数値を含むだけでなく、各数値及び副範囲があたかも明記されているように、その範囲内に包含される個別の数値又は副範囲を全て包含するものと柔軟に解釈すべきことを理解されたい。例えば、約1wt%〜約20wt%という重量範囲は、1wt%、約20wt%という明記された濃度限界を含むだけではなくて、2wt%、3wt%、4wt%のような個別の濃度及び5wt%〜15wt%、10wt%〜20wt%等のような副範囲を含むものと解釈すべきである。
数値又は範囲に関していう用語「約」は、測定実施時に起こり得る実験誤差から結果として生じる値を包含する意がある。
本発明によれば、液体ビヒクル、0.5wt%〜10wt%のポリマー分散型顔料、並びに第2のポリマー分散型顔料及び小分子分散型顔料から成る群から選択される0.5wt%〜10wt%の自己分散型顔料を含んで成るインクジェットインクを提供する。当該液体ビヒクルは、約70wt%〜約99wt%のインクジェットインク組成物を構成することができる。液体ビヒクル及び顔料固形物に加え、さらに、バインダー、ラテックス微粒子、UV硬化性材料、可塑剤、塩等のようなその他の組成物もまた、インクジェットインク中に存在させ得る。ポリマー分散型顔料及び自己分散型顔料(自己分散型顔料もポリマー分散型顔料の場合)の両方の表面を修飾するために、カチオン性及びアニオン性ポリマーのどちらを用いることもできる。インクジェットインク組成物に存在する少なくとも2つの顔料の各々は、本質的に同一の色であるか、又は異なる色とし得る。例えば、ポリマー分散型顔料と自己分散型顔料は、両方とも、ブラック顔料、シアン顔料、マゼンタ顔料、イエロー顔料等とし得る。あるいはまた、幾つかの実施形態では、各顔料に、異なる色のものを用いることもできる。
他の実施形態では、画像を印刷する方法は、インクジェットインクを媒体基材上にインクジェットするステップを包含し得る。当該方法においても、インクジェットインクは、液体ビヒクル、0.5wt%〜10wt%のポリマー分散型顔料、並びに第2のポリマー分散型顔料及び小分子分散型顔料から成る群から選択される0.5wt%〜10wt%の自己分散型顔料を含んで成る。この方法に関しては、繊維質の普通紙基材上に、許容し得る結果(特性)を有する画像をインクジェットし調製することができるが、その他の基材(例えば、多孔質媒体、プラスチックオーバーヘッドシート等)を用いることもできる。少なくとも一方がポリマー分散型顔料である、2つの自己分散型顔料を含有することによって、乾燥時間と耐久性を改善することができる。例えば、本明細書に開示するインクジェットインクを用いて印刷した画像の乾燥時間は、ポリマー分散型顔料及び自己分散型顔料のうち一方のみを含むインクジェットインクを用いて印刷した同様の比較画像の乾燥時間よりも短い。あるいはまた、本発明のインクジェットインクを用いて印刷した画像の耐久性(湿潤スマッジ(湿潤時の滲み汚れ)耐性にて評価)は、ポリマー分散型顔料及び自己分散型顔料のうち一方のみを含むインクジェットインクを用いて印刷した同様の比較画像の耐久性よりも高い。
自己分散型顔料
用語「自己分散型顔料」には、前述のように、ポリマー又は小分子で修飾された顔料が含まれる。従って、「小分子分散型顔料」及び「ポリマー分散型顔料」は、両方とも、「自己分散型顔料」と考えられる。修飾し得且つ使用し得るベースとなる顔料には、例えば、ブラック、マゼンタ、シアン、又はイエローのような、任意の色のものを用いることができる。本発明では、任意のカラー顔料を使用することができ、また、任意のカラー顔料は本発明の範囲内であるが、本発明に固有の利点を説明する際には、主としてブラック顔料に関して説明する。
用い得るブラック顔料の例には、カーボンブラックが含まれる。カーボン顔料には、許容し得る光学濃度並びに印刷特性をもたらす、ほとんどの市販カーボン顔料を用い得る。本発明の使用に適するカーボン顔料としては、限定はしないが、カーボンブラック、黒鉛、ガラス質炭素、木炭、及びそれらの組合せが挙げられる。そのようなカーボンブラック顔料は、チャネル法、コンタクト法、ファーネス法、アセチレン法、又はサーマル法などの様々な既知の方法を用いて製造することができ、キャボット社(Cabot Corporation)、コロンビアンケミカル社(Columbian Chemicals Company)、デグッサ社(Degussa AG)、及びデュポン社(E.I.DuPont de Nemours and Company)のような発売元から市販されている。適切なカーボンブラック顔料としては、限定はしないが、MONARCH 1400、MONARCH 1300、MONARCH 1100、MONARCH 1000、MONARCH 900、MONARCH 880、MONARCH 800、MONARCH 700、CAB−O−JET 200、及びCAB−O−JET 300のようなキャボット社製の顔料;RAVEN 7000、RAVEN 5750、RAVEN 5250、RAVEN 5000、及びRAVEN 3500のようなコロンビアンケミカル社製の顔料;Color Black FW200、RAVEN FW2、RAVEN FW2V、RAVEN FW1、RAVEN FW18、RAVEN S160、RAVEN FW S170、Special Black 6、Special Black 5、Special Black 4A、Special Black 4、PRINTEX U、PRINTEX 140U、PRINTEX V、及びPRINTEX 140Vのようなデグッサ社製の顔料;デュポン社から入手できるTIPURE R−101が挙げられる。上記の顔料のリストには、非修飾顔料微粒子、小分子の結合した顔料微粒子、及びポリマー分散型顔料微粒子が含まれる。非修飾顔料は、本発明の実施形態に従って用いるべく、小分子又はポリマーで修飾することができる。
前述のように、小分子分散型顔料は、ポリマーでない小分子が顔料の少なくとも外殻(外表面)に結合している、一種の自己分散型顔料を指す。例えば、小分子分散型顔料と考えられる顔料の1つの種類は、炭素との間の共有結合によって直に芳香族酸のジアゾニウム塩が結合しているカーボンブラック顔料である。
以下の式1に例示するような、多くの種々の種類の小分子結合型顔料及びポリマー分散型顔料を調製することができる。
Figure 0004789582
上記の式1には、適例となる小分子分散型顔料を示しているが、1つの顔料上に複数種の官能基が存在する顔料をはじめとする、その他のバリエーションも調製することができる。例えば、多数の種類の酸基により顔料を修飾することができる。上式ではカルボキシ基及びスルホン基に関し例示しているが、イソフタル酸、プロピオン酸、酪酸等のような他の酸基を用いて顔料を修飾することもできる。
ポリマー分散型顔料の調製は、多数の任意の方法を用いて実施することができる。例えば、顔料のベース炭素に結合し得るジアゾニウム結合基を用いて、高分子樹脂を顔料に結合させ得る。次いで、中間構造を適切なポリマーで処理して、アニオン性、カチオン性又はノニオン性のブラック顔料を形成することができる。反応基には、例えば、ビニルスルホンを用いることができる。何故なら、ビニルスルホン基は、ポリマーを炭素に結合させるのに極めて融通の利く中間体であるからである。アミンは、ビニル結合に容易に加わってカチオン性又はノニオン性の顔料を形成する。さらに、その後、もし望ましい場合には、アミン結合顔料とスチレン−アクリル酸ポリマーとの熱縮合により、アニオン性顔料を形成することができる。当業者には既知のように、ポリマー分散型顔料を調製するのにその他多数の方法もまた使用することができる。
顔料に結合させるのに用いるポリマーを選択する際、幾つかの性質又は条件を評価することができる。例えば、高分子分子量及び酸価を考慮することができる。任意の機能的な分子量のポリマーを用いることができるが、約4,000Mw〜15,000Mwの分子量を有するポリマーは、特に使用するのに望ましいことが見出されている。より高分子量のポリマーは、さらに良好な耐久性をもたらす傾向があるものの、より高い粘度をもたらし、それによってサーマルインクジェット用途において問題となる場合がある。しかしながら、そのポリマー鎖が長い場合、粒子とビヒクルとの相互作用並びに他の粒子との相互作用の機会も多い。そのようなポリマーの一例としては、スチレン−アクリルポリマーが挙げられる。用い得るその他の望ましいポリマー同様、スチレン/アクリルポリマーは、ポリマー鎖上に酸性官能基を含む。多数の酸性官能基は、ポリマーの酸価を定めることによって定量化できる。酸価は、固体樹脂の1グラムを中和するのに用いられるカリウムのグラム数に基づく。定められた比は正数を与える。数値が高いほど、より酸性であり、従って、より不十分な耐水性を有する傾向がある。数値が低いほど、より疎水性となり且つより十分な耐水性を有するが、低過ぎると、液体ビヒクルに分散させるのがより困難になる場合がある。実際上任意の酸価を選択できるが、約100〜220の酸価が許容し得る結果をもたらす。
顔料にスチレン−アクリルポリマーを結合させ得るのに加え、カチオン性及びアニオン性ポリマーをはじめとする、その他のポリマーもまた、本発明の実施形態に従って顔料に結合させることができる。そのようなポリマーの具体例としては、スチレン無水マレイン酸、ポリエチレンイミン/無水フタル酸、ポリエチレンイミン/フェニルコハク酸無水物、ポリエチレンイミン/無水コハク酸、ペンタエチレンヘキサミン、ポリエチレンイミン、ポリウレタン、ポリ尿素、アクリル系ポリマー、ビニルポリマー、ポリピロリドン、エポキシ、ポリエステル、多糖、ポリペプチド、セルロース、polyquats、ポリアミン、及びそれらのコポリマーが挙げられる。
さらに詳細には、本発明の顔料の平均凝集粒径は、約30nm〜約180nmとし得る。しかし、顔料が液体ビヒクル中に分散状態で留まり且つ適切な色特性をもたらすことができる限り、この範囲外の粒径も用いることができる。
液体ビヒクル
本発明のインクジェットインク組成物は、典型的に、水、共溶媒、界面活性剤、緩衝剤、殺生物剤、金属イオン封止剤、粘度修正剤、湿潤剤、バインダー、及び/又はその他の既知の添加剤から構成し得る水性調合物、即ち液体ビヒクルを用いて調製される。典型的に、本発明のインクジェットインク組成物は、約0.8cps〜約15cps(一実施形態では、約0.8cps〜約8cpsとし得る)の粘度を有する。本発明の一態様では、液体ビヒクルは、インクジェットインク組成物の約70wt%〜約99wt%を構成することができる。
上述のように、共溶媒を本発明のインクジェットインク組成物に含有させることができる。本発明に用い得る適切な共溶媒は、水溶性の有機共溶媒であり、限定はしないが、脂肪族アルコール、芳香族アルコール、ジオール、グリコールエーテル、ポリ(グリコール)エーテル、ラクタム、ホルムアミド、アセトアミド、長鎖アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、ジプロピレングリコール、グリコールブチルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アミド、エーテル、カルボン酸、エステル、オルガノスルフィド、オルガノスルホキシド、スルホン、アルコール誘導体、カルビトール、ブチルカルビトール、セロソルブ、エーテル誘導体、アミノアルコール、及びケトン等が挙げられる。例えば、共溶媒としては、炭素数30以下の第一脂肪族アルコール、炭素数30以下の第一芳香族アルコール、炭素数30以下の第2の脂肪族アルコール、炭素数30以下の第2の芳香族アルコール、炭素数30以下の1,2−ジオール、炭素数30以下の1,3−ジオール、炭素数30以下の1,5−ジオール、エチレングリコールアルキルエーテル、プロピレングリコールアルキルエーテル、ポリ(エチレングリコール)アルキルエーテル、ポリ(エチレングリコール)アルキルエーテルの比較的高次の同族体、ポリ(プロピレングリコール)アルキルエーテル、ポリ(プロピレングリコール)アルキルエーテルの比較的高次の同族体、ラクタム、置換ホルムアミド、未置換ホルムアミド、置換アセトアミド、及び未置換アセトアミドを挙げることができる。本発明の実施に好ましく用い得る共溶媒の具体例としては、限定はしないが、1,5−ペンタンジオール、2−ピロリドン、2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、3−メトキシブタノール、及び1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。共溶媒を添加することで、インクジェットインク中の水の蒸発速度を低下させて閉塞を最小限としたり、粘度、pH、表面張力、光学濃度、及び印刷品質のようなインクのその他の諸特性を変更することができる。共溶媒の濃度は、約3wt%〜約50wt%の範囲とし得、一実施形態では約10wt%〜約30wt%の範囲とし得る。当分野で既知のように、複数の共溶媒を用いることができる。
任意に、種々の緩衝剤又はpH調節剤もまた、本発明のインクジェットインク組成物に用いることができる。典型的な緩衝剤は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのような、アルカリ金属;トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、及びジメチルエタノールアミンのようなアミン;塩酸;及び本発明のブリード抑制又は光学濃度特性に実質的に干渉しないその他の塩基性又は酸性成分のようなpH制御溶液が挙げられる。使用する場合、緩衝剤は、典型的に、インクジェットインク組成物の約10wt%未満にて含有される。
本発明の別の態様では、種々の殺生物剤を用いて有害微生物の成長を阻害することができる。適切な殺生物剤の幾つかの非限定例としては、安息香酸塩、ソルビン酸塩、NUOSEPT(ヌデックス社(Nudex,Inc.)、ヒュルスアメリカの一部門(a division of Huls America))、UCARCIDE(ユニオンカーバイド(Union Carbide)社)、VANCIDE(RT ヴァンダービルト社(Vanderbilt Co.))、及びPROXEL(アイシーアイ アメリカ(ICI Americas)社)のような市販品、及びその他の既知の殺生物剤が挙げられる。典型的に、前述の殺生物剤は、インクジェットインク組成物の約5wt%未満、多くの場合、約0.1wt%〜約0.25wt%にて含有される。
本発明の別の態様では、着色剤を基材に固定化する機能を有するバインダーを含有させることができる。本発明の使用に適するバインダーは、典型的に、約1,000Mw〜約20,000Mwの分子量を有する。非限定例としては、ポリエステル、ポリエステル−メラニン、スチレン−アクリル酸コポリマー、スチレン−アクリル酸−アルキルアクリレートコポリマー、スチレン−マレイン酸コポリマー、スチレン−マレイン酸−アルキルアクリレートコポリマー、スチレン−メタクリル酸コポリマー、スチレン−メタクリル酸−アルキルアクリレートコポリマー、スチレン−マレイン酸半エステルコポリマー、ビニルナフタレン−アクリル酸コポリマー、ビニルナフタレン−マレイン酸コポリマー、及びそれらの塩が挙げられる。
アルキルポリエチレンオキシド、アルキルフェニルポリエチレンオキシド、ポリエチレンオキシド(PEO)ブロックコポリマー、アセチレンPEO、PEOエステル、PEOアミン、PEOアミド、及びジメチコンコポリオールなどの界面活性剤もまた使用することができ、それらとしては、Tergitols(登録商標)、Surfynols(登録商標)、Zonyls(登録商標)などの市販品、及びそれらの組合せが挙げられる。使用する場合、界面活性剤は、インクジェットインク組成物の0.01〜約10wt%にて存在させ得る。
(実施例)
以下の実施例において、現在最もよく知られている本発明の実施形態を説明する。しかしながら、以下の実施例は、本発明の原理の応用についての単なる例示、説明に過ぎないことを理解されたい。当業者であれば、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、多数の修正及び代替の組成物、方法、並びにシステムを案出できよう。添付の特許請求の範囲は、前述の修正並びに代替の構成を網羅するものと意図している。従って、これまで特定のものに関して本発明を説明してきたが、以下の実施例は、本発明の最も実用的で且つ好ましい実施形態であると現在思われるものに関しさらに詳述するものである。
インクジェットインクの調製
同じ液体ビヒクルと、6つの異なる顔料の組合せを用いて、6つのインクジェットインク(調合A〜F)を調製した。各インクジェットインクに用いた液体ビヒクル及びその他の(顔料以外の)固形物を、以下の表1に記載する。
Figure 0004789582
液体ビヒクル中に分散させた6つの異なる顔料の組合せを、以下の表2に記載する。
Figure 0004789582
光学濃度及び湿潤スマッジ耐性
相対的耐久性を評価するため、実施例1に従って調製した6つのインクジェットインク組成物に関して、湿潤スマッジ耐性について試験した。湿潤スマッジ試験の結果を、以下の表3に記載する。
Figure 0004789582
表3からみてとれるように、複数の自己分散型顔料(調合B〜F)を用いて印刷した画像の光学濃度(OD)は、単一の自己分散型顔料(調合A)を用いて印刷した画像のODよりも高かった。また、スマッジ耐性に関する結果も表3に示している。詳細には、印刷後にスマッジ跡を生じるようにすることによって、複数の印刷バーの「湿潤スマッジ」を起こすことにより、汚れ性能をテストした。湿潤スマッジ試験は、0.25ccの水を各画像の上に滴下し、湿った領域を指で擦り汚すことによって実施した。各印刷サンプルにおいて、スマッジ跡は、相対的に最小であった。より詳細には、多くのサンプルに関しては、インク調合B〜FのOD上昇にもかかわらず、スマッジ耐性は、ほぼ同一であった。驚いたことに、調合Cのインクは、実に、改善されたスマッジ耐性を呈した。
インクジェットインクの調製
同じ液体ビヒクルと、4つの異なる顔料の組合せとを用いて、4つのインクジェットインク(調合G〜J)を調製した。各インクジェットインクに用いた液体ビヒクルを、以下の表4に記載する。
Figure 0004789582
各インクジェットインクに分散させた4つの異なる顔料の組合せを、以下の表5に記載する。
Figure 0004789582
光学濃度及び乾燥時間
実施例3に従って調製した4つのインクジェットインク組成物に関し、光学濃度及び乾燥時間について試験した。それらの試験結果を、以下の表6に記載する。
Figure 0004789582
表6から見てとれるように、全ての印刷画像の光学濃度(OD)は、極めて高かった。また、印刷画像の乾燥時間に関する結果も表6に示している。複数の自己分散型顔料(調合H〜J)を用いて印刷した画像は、比較対照インク(調合G)と較べて顕著に速い乾燥時間を示した。
特定の好ましい実施形態を参照して本発明を説明してきたが、当業者には、本発明の趣旨から逸脱することなく、種々の修正、変更、省略、並びに置換をなし得ることが分かろう。本発明は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるものとする。

Claims (12)

  1. a)液体ビヒクルと、
    b)0.5wt%〜10wt%の第1のポリマー分散型顔料と、
    c)第2のポリマー分散型顔料及び小分子分散型顔料から成る群から選択される0.5wt%〜10wt%の自己分散型顔料と、
    を含んで成り、前記第1及び第2のポリマー分散型顔料の前記ポリマーが、スチレン無水マレイン酸、ポリエチレンイミン/無水フタル酸、ポリエチレンイミン/フェニルコハク酸無水物、ポリエチレンイミン/無水コハク酸、ペンタエチレンヘキサミン、ポリエチレンイミン、及びそれらのコポリマーから成る群から選択される、インクジェットインク。
  2. 前記自己分散型顔料が、前記第2のポリマー分散型顔料である、請求項1に記載のインクジェットインク。
  3. 前記自己分散型顔料が、前記小分子分散型顔料である、請求項1に記載のインクジェットインク。
  4. 前記ポリマー分散型顔料が、アニオンポリマー分散型顔料である、請求項1に記載のインクジェットインク。
  5. 前記ポリマー分散型顔料が、カチオンポリマー分散型顔料である、請求項1に記載のインクジェットインク。
  6. 前記小分子分散型顔料が、スルホン酸分散型顔料、カルボン酸分散型顔料、及びイソフタル酸分散型顔料から成る群から選択される、請求項3に記載のインクジェットインク。
  7. 前記ポリマー分散型顔料が、スチレン無水マレイン酸分散型顔料である、請求項1に記載のインクジェットインク。
  8. 請求項1〜7の何れか1項に記載のインクジェットインクを、媒体基材の上にインクジェットするステップを包含する、画像を印刷する方法。
  9. 前記媒体基材が、繊維状の普通紙基材である、請求項8に記載の方法。
  10. 前記第1及び第2のポリマー分散型顔料の前記ポリマーの分子量が4000Mw〜15000Mwである、請求項1に記載のインクジェットインク。
  11. 前記第1及び第2のポリマー分散型顔料の前記ポリマーの酸価が100〜220である、請求項1に記載のインクジェットインク。
  12. 前記顔料の平均粒径が30〜180nmである、請求項1に記載のインクジェットインク。
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