JP4805659B2 - X線画像診断装置 - Google Patents

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Description

本発明は、入射されたX線を直接的に電気信号に変換または、一旦、可視光線に変換した後に電気信号に変換するアクティブマトリクスアレイを使用した平面X線検出器を備えたX線画像診断装置に関する。
人体にX線を入射することで生成された人体の各組織によるX線吸収差による(人体を透過した後の)2次元X線画像に対して、X線検出器による複数の過程を経ることで電気信号に変換し映像化する技術がX線画像診断装置として利用されている。
近年従来から使用されてきたイメージインテンシファイア及びイメージングプレートに置き換わるものとして、平面X線検出器を使用したX線画像診断装置が製品化されている。この平面X線検出器は入射したX線エネルギーを電荷量に変換するX線検出部と、前記電荷量をある領域(以下:画素)毎に蓄積するコンデンサ及びこのコンデンサから電荷の読み出しを選択する半導体スイッチを画素毎にアクティブマトリクス状に構成したアレイ部と、さらに読み出された信号をディジタル信号に変換するとともにゲイン補正等の前処理を施す信号処理部とに大きく分けて構成されている。
電荷の読み出しの際は随時、同一画素行に存在する前記半導体スイッチ毎にON/OFFしていき、取り出された電気信号は同一画素列毎に設けられた増幅系により増幅される。
一方、X線画像診断装置の構築形態の一つとして、2方向撮像システム(以降、バイプレーン型X線画像診断装置と称す)が従来よりX線画像診断装置の一つとして製品化されている。
これは人体の或る部位に対して異なる2方向からX線を照射することで、異なる2方向のX線診断画像を収集するもので、複雑な位置関係を成す診断部位の位置関係を把握するのに役立つほか、例えば造影検査を行う際1回の造影剤注入に対して同時に2方向からのX線診断画像を収集することで、造影剤の使用量の削減にも寄与することができる。
このバイプレーン型X線画像診断装置は、異なる2方向よりX線を照射するが故に、意図しない側のX線検出器側にも被検体により発生した散乱X線を入射させてしまう。つまり、一方の例えば正面側のX線から発生したX線は被検体内で散乱し、他方の側面側のX線検出器に入射して検出されてしまう。ここではこの現象を「カブリ(fog)」と称する。
この散乱X線により発生した信号は、意図したX線診断画像信号上に被ってしまう為、画像品位の低下や診断部位の画像コントラスト低下など画像診断に悪影響を与える。
これを防ぐ為、イメージインテンシファイアの電界強度をスイッチングすることでイメージインテンシファイアの蛍光そのものを停止させる、イメージインテンシファイアの後段に接続されているCCDカメラによるシャッター機能によりCCDによる光電変換を防止する等の技術が採用されている。
従来からのイメージインテンシファイア/CCDカメラに置き換えて、平面X線検出器をバイプレーン型X線画像診断装置に使用するに当たり、解決しなければならない以下の二つの問題点が有る。
一つ目に、他方側からの散乱X線(カブリX線)により発生したカブリ成分が、意図するX線診断画像信号(信号成分)上に被るのを防ぐための従来からの技術は、検出器の構造が異なる平面X線検出器には使用することができない。このカブリX線による影響を除去できなければ、コントラスト性能低下、及び画像品位を損ねるばかりか誤診を招く恐れが有る。
二つ目に、平面X線検出器の示す残像特性による影響がある。この残像特性は発生した信号の一部がX線検出部の特性により時間的に遅れて出力される現象であり、残像特性は前カットにて収集したX線診断画像が次以降のカットのX線診断画像に載ってしまうゴースト現象を引き起こすことも有り、平面X線検出器の好ましくない特性の一つとして報告されている。
この残像特性が、このカブリX線により同様に残像を以降の収集画像上に作ってしまう為、前収集カットのカブリ成分がゴースト現象として次以降のカットに残像成分として現れてくることも有るため、同様にコントラスト性能低下、及び画像品位を損ねるばかりか誤診を招く危険性も有る。
本発明の目的は、バイプレーン型X線画像診断装置においてカブリX線の影響を軽減することにある。
本発明の第1局面において、X線画像診断装置は、第1X線発生部と、前記第1X線発生部に対向配置され、被検体を透過したX線を検出する第1X線検出器と、第2X線発生部と、前記第2X線発生部に対向配置され、前記被検体を透過したX線を検出する第2X線検出器と、前記第1X線検出器から読み出された信号と前記第2X線検出器から読み出された映像信号とを処理する信号処理部とを具備し、前記信号処理部は、前記第1X線発生部からのX線発生時期と前記第2X線発生部からのX線発生時期との間の期間に前記第2X線検出器から空読みされた信号に基づいて前記第2X線発生部からのX線発生時期と前記第1X線発生部からのX線発生時期との間の期間に前記第2X線検出器から読み出された映像信号に含まれる残像成分を推定計算するとともに、前記第2X線発生部からのX線発生時期と前記第1X線発生部からのX線発生時期との間の期間に前記第1X線検出器から空読みされた信号に基づいて前記第1X線発生部からのX線発生時期と前記第2X線発生部からのX線発生時期との間の期間に前記第1X線検出器から読み出された映像信号に含まれる残像成分を推定計算する機能と、前記推定計算された残像成分を前記映像信号から減算する機能とを有する。
本発明の第2局面において、X線画像診断装置は、正面側X線発生部と正面側X線検出器とを有する正面撮像系と、側面側X線発生部と側面側X線検出器とを有する側面撮像系と、前記正面側X線発生部からのX線発生を所定のX線発生周期で繰り返し、前記正面側X線検出器からの信号読み出しを所定の信号読み出し周期で繰り返すように前記正面撮像系と前記側面撮像系とを制御する制御部と、前記正面側X線検出器からの映像信号と前記側面側X線検出器からの映像信号とを処理する映像信号処理部と、前記正面側X線検出器と前記映像信号処理部との間に設けられ、前記正面側X線検出器に対する前記映像信号処理部と接地との電気的接続を選択的に切り替える正面切り替え部と、前記側面側X線検出器と前記映像信号処理部との間に設けられ、前記側面側X線検出器に対する前記映像信号処理部と接地との電気的接続を選択的に切り替える側面切り替え部と、前記正面切り替え部の電気的接続を前記信号読み出し周期で切り替え、前記側面切り替え部の電気的接続を前記信号読み出し周期で前記正面切り替え部の電気的接続と逆相で切り替えるように前記正面切り替え部と前記側面切り替え部とを制御する切り替え制御部とを具備する。
本発明によれば、バイプレーン型X線画像診断装置においてカブリX線の影響を軽減することができる。
以下、図面を参照して本発明によるバイプレーン型X線画像診断装置を好ましい実施形態により説明する。
(第1実施形態)
図1は本実施形態に係るバイプレーン型X線画像診断装置の主要部の構成を示している。バイプレーン型X線画像診断装置は、正面側(フロンタル;F)のX線撮影系統と、側面側(ラテラル;L)のX線撮影系統とを備える。正面側のX線撮影系統は、X線管11と、X線管11に被検体Pを挟んで正対する平面X線検出器(FPD)13とを有している。側面側のX線撮影系統は、X線管12と、X線管12に被検体Pを挟んで正対する側面側X線検出器14とを有している。正面側のX線管11は例えば床置型のCアームの一端に取り付けられ、X線検出器13はCアームの他端に取り付けられる。側面側のX線管12は例えば天井吊り下げ型のΩアームの一端に取り付けられ、X線検出器14は、Ωアームの他端に取り付けられる。X線管11の焦点からX線検出器13の受像面中心を結ぶ撮影中心軸と、X線管12の焦点からX線検出器14の受像面中心を結ぶ撮影中心軸とは、アイソセンタと呼ばれる不動点で交差するように、Cアームの支持機構とΩアームの支持機構とが設計されている。
X線管11、12は、システム制御装置23のX線制御部20の制御を受けてそれぞれX線を発生する。図2に示すように、X線制御部20は、正面側X線管11からパルスX線を所定のX線発生周期(Δt)で繰り返し発生させる。換言すると、X線は、1秒あたり、1/Δtのレート、例えば30回/秒で発生される。X線制御部20は、正面側X線管11からのパルスX線の発生時期に対してX線発生周期(片側)の1/nの時間(Δt/n)だけシフトして、側面側X線管12からパルスX線を同じX線発生周期(Δt)で繰り返し発生させる。なお、「n」は2以上の整数である。ここでは、nは2として説明する。なお、図7の駆動では、正面側X線管11からのパルスX線の発生時期に対して、側面側X線管12からのパルスX線の発生時期は、n=3として、(Δt/3)だけシフトしますが、側面側X線管12からのパルスX線の発生時期に対する正面側X線管11からのパルスX線の発生時期は、n=1.5として、(2・Δt/3)だけシフトします。
両側合わせるとそのX線発生周期は、実質的に(Δt/2)になる。換言すると、X線は、1秒あたり、1/(Δt/2)のレート、例えば60回/秒で発生される。
X線検出器13,14は、入射X線を直接的に電荷に変換するための2次元状に配列された複数のX線検出部1を、複数のX線検出部1はそれぞれ対応する電荷蓄積部としての複数のコンデンサ2とを有する。複数のX線検出部1は複数の半導体スイッチ3を介して同列毎に信号線31に共通接続される。複数の半導体スイッチ3のゲートは同行毎にゲート線32に共通接続される。ゲートドライバ4はゲート線32を順番に駆動する。複数の信号線31には複数の増幅系部5及びマルチプレクサ6を介してアナログディジタル変換部7が接続される。コンデンサ2に蓄えられている電荷信号は半導体スイッチ3、信号線31を経由して読み出され、増幅系部5で増幅され、アナログディジタル変換部7でディジタル信号に変換され、画像補正部10に供給される。画像補正部10では、ディジタル信号は、記憶部8のオフセット補正データによりオフセット補正を受け、さらに記憶部9のゲイン補正データによりゲイン補正を受けた後、正面側の映像信号(F)、側面側の映像信号(L)として、それぞれ切り替え部15、16を介してシステム制御装置23の映像信号処理部17に送られる。X線検出器13、14は、システム制御装置23のFPD制御部19の制御を受けてそれぞれ被検体の透過X線の検出(電荷蓄積)及び信号読み出しを、X線発生周期Δtの1/2の信号読み出し周期(Δt/2)で繰り返す。
切り替え部15は、正面側X線検出器13の画像補正部10に対する電気的な接続を、カブリ補正制御部18の制御に従って、映像信号処理部17の端子(A)と接地端子(B)とで選択的に切り替えるために設けられている。同様に、切り替え部16は、側正面側X線検出器14の画像補正部に対する電気的な接続を、カブリ補正制御部18の制御に従って、映像信号処理部17の端子(A)と接地端子(B)とで選択的に切り替えるために設けられている。
切り替え部15、16の切り替えは、カブリ補正制御部18の制御のもとにある。カブリ補正制御部18は、切り替え部15、16が、信号成分の読み出し期には検出器13、14を映像信号処理部17(端子(A))に接続し、カブリ信号の読み出し期、つまり他方の撮影系統の撮影期には検出器13を接地(端子(B))に接続するために、切り替え部15、16を制御する。典型的には正面/側面側両方を合わせたX線発生周期(Δt/2)に同期して、X線発生周期の1/2の周期(Δt/2)でA/B端子が交互に選択される。さらに、正面側の切り替え部15と側面側の切り替え部16とは互いに逆相で動作される。
図2を参照して本実施形態の撮影動作とともにカブリ成分除去の為の実際の駆動について説明する。なお上述のようにカブリ成分除去は図1の切り替え部15、16にて行われているものである。まず、図2において、正面側X線曝射(Fd1)と側面側X線曝射(Ld1)の間に、正面側X線曝射(Fd1)に由来するカブリ成分(Fカブリ1)を含む映像信号(Sig.1L)が側面側X線検出器14から読み出される。そのとき切り替え部16は接地側(B)に接続されているので、カブリ成分(Fカブリ1)を含む映像信号(Sig.1L)は、廃棄される。
また同様に側面側X線曝射(Ld1)と正面側X線曝射(Fd2)の間に、側面側X線(Ld1)により発生したカブリ成分(Lカブリ1)を含む映像信号(Sig.2F)が正面側X線検出器13から読み出される。そのとき切り替え部15は接地側(B)に接続されているので、カブリ成分(Lカブリ1)を含む映像信号(Sig.2F)は、廃棄される。
このようにカブリ成分を含む映像信号(Sig1L,Sig3L及びSig.2F,4F)は、映像信号処理部17に供給されることなく、廃棄される。またこれらのカブリ成分を含む映像信号は映像信号処理部23において収集されるべき画像と認識させないことで、切り替え部15、16において廃棄されてもシステムエラーは発生しない。一方、カブリ成分を含まない映像信号(Sig2L,Sig4L及びSig.1F,3F)は、切り替え部15、16の端子(A)を経由して映像信号処理部17に供給される。
これらの動作により、読み出されたF信号1,2及びL信号1,2にカブリ成分が重畳されてしまうことは防ぐことができる。然るにカブリ成分が除去されたX線診断画像を得ることができる。
なお説明上、図2はX線曝射とカブリ成分画像読み出しの為の平面X線検出器駆動が同期している状態について示しているが、カブリ成分画像の読み出しは他方側X線曝射と必ずしも同期している必要は無い。
(第2実施形態)
図3には、本第2実施形態に係るバイプレーン型X線画像診断装置の主要部の構成を示している。図3において、図1と同じ部分には同じ符号を付して説明は省略する。正面側/側面側の平面X線検出器13、14には、切り替え部15、16を介することなく、映像信号補正部30が接続される。
図4には映像信号補正部30の正面側平面X線検出器13に対応する部分の構成を示している。平面X線検出器13に対して切り替えスイッチ101を介してフレームメモリ104が接続される。補正制御部108は、自身の系統のX線発生期(信号成分発生期)に対応する信号読み出し期には、映像信号処理部17の端子(A)を選択し、他方の系統のX線発生期(カブリ発生期)に対応する信号読み出し期には、フレームメモリ104の端子(B)を選択するように、切り替えスイッチ101を制御する。典型的には正面/側面側の交互のX線発生に同期して、信号読み出し周期(Δt/n)でA/B端子が交互に選択される。フレームメモリ104は補正制御部108の制御により信号読み出し周期(Δt/n)を遅延時間とした遅延回路として機能する。
なお、「n」は2以上の整数である。ここでは、nは2として説明する。
フレームメモリ104の出力には乗算器109が接続される。乗算器109には、次の自側へのX線照射に対応する映像信号を読み出すまでの時間長に対応する当該検出部3に固有の残像発生率(β)のデータを記憶するメモリ106が接続される。乗算器109において、フレームメモリ104からの映像信号(図5の例えばSig.3L)に残像発生率(β)が乗算される。この残像発生率(β)が乗算された映像信号は、次の自側へのX線照射に対応する映像信号を読み出す際の映像信号(図5の例えばSig.4L)に含まれる残像成分の近似値として計算され得る。乗算器109の出力には加算器110が接続される。
加算器110の出力は、補正制御部108の制御により遅延回路として機能するフレームメモリ105と、フレームメモリ105の出力に前の自側へのX線照射に対応する映像信号の読み出し時点と、次の自側へのX線照射に対応する映像信号の読み出し時点との間の時間長に対応する当該検出部3に固有の残像減衰率(α)を乗算する乗算器111とを介して加算器110の入力に帰還する。図8には、典型的な平面X線検出器のX線検出部3の残像減衰特性を示している。
加算器110からは、乗算器109で生成される直前の他方側X線によるカブリ画像の残像成分と、乗算器111で生成されるそれ以前のカブリ画像の残像成分が前回自側X線から今回自側X線までの期間に減衰して残留する減衰成分との加算結果が出力される。この残像成分と減衰成分との加算結果は、加算器112において、映像信号から減算される。これにより直前のカブリ信号の残像成分と今までの累積されたカブリ信号の残像成分との影響を軽減することができる。
例えば、現在の信号読み出し周期に対して、乗算器109で生成される1周期(読み出し周期)前の映像信号(Sig.3L)の残像成分と、乗算器111で生成される3周期前の映像信号(Sig.1L)の残像成分が2周期の間に減衰した成分(減衰成分)とが、現在周期の映像信号(Sig.4L)から、加算器112において減算される。
つまり、正面側X線曝射(Fd1)と側面側X線曝射(Ld1)の間に、正面側X線曝射(Fd1)により生成されたカブリ成分(Fカブリ1)が含まれている映像信号(Sig.1L)の読み出し駆動を側面側平面X線検出器14に対して行う動作は、第1実施形態と同じ動作であるが、残像特性を持つ平面X線検出器13、14では一方の例えば側面側X線曝射(Ld1)によるX線診断画像のための映像信号(L信号1)上にカブリ成分(Fカブリ1)の残像分が重畳されることとなる。また同様に側面側X線曝射(Ld2)の後に読み出された映像信号(Sig.4L)には、Fd1により生成されたカブリ成分(Fカブリ1)の3周期後の残像成分と、正面側X線曝射(Fd2)により生成されたカブリ成分(Fカブリ2)の次周期の残像が重畳されることとなる。
本第2実施形態においては第1実施形態によるカブリ成分の除去のための平面X線検出器駆動制御に加えて、これらのカブリの残像信号をも除去することが実現される。このカブリ残像信号の除去は、第1実施形態にて廃棄した映像信号(以降カブリ信号):図3におけるSig2F,4F及びSig1L,3Lを使用してX線診断画像信号に重畳されるカブリ残像信号分を残像発生率及び残像減衰率により見積もり、これをSig.3F及びSig.2L,4L(以降X線照射画像)から差し引くことで達成する。fは信号読み出し周期番号とする。
補正された映像信号(Sig’.f)=映像信号(Sig.f)−カブリ残像信号(f)
ただし、
カブリ残像信号(f)=残像発生率β×映像信号(Sig.f)+残像減衰率α×カブリ残像信号(f−1) ・・・(1)
残像発生率:1発のパルスX線に対して生成され、読み出されたX線信号(:S)と、次発のパルスX線照射前に読み出された残像信号(:L)との比
残像減衰率:L(f)とL(f−1)との比
また平面X線検出器13、14の残像特性としてX線信号Sの量に対して残像発生率が異なる場合は、リアルタイムにて測定されたSの量に応じて異なった残像発生率がルックアップテーブルにより選択できる様にしておいても良い。
なお、図5の側面側X線曝射(Ld2)に対応する映像信号(Sig.4L)にはX線診断画像信号(L信号2)とともに、1X線発生周期前に求めたカブリ成分(Fカブリ1)の残像成分と、1読み出し周期前のカブリ成分(Fカブリ2)の次周期の残像成分と、さらに1X線発生周期前の信号成分(L信号1)の2読み出し周期後の残像成分も含まれている。
本実施形態の意図は、他方側からのカブリX線により生成されるカブリ成分を除去することであるため、L信号1の2フレーム後の残像の除去は意図するものではない。実際のところ第2実施形態では除去されない状況を以下に示す。上記(1)式による補正を行った際に使用される残像発生率は、実際のところ数%のオーダーである。よってSig3L上に載っているL信号1の次フレームの残像信号量は、L信号1の数百分の一のオーダーである。このようなL信号1の残像信号を持つSig.3Lへ、補正式に基づき(Fカブリ2の残像信号を補正するために)数%のオーダーの残像発生率を乗算すると、結果としてSig4Lから除去されるL信号1の残像は、L信号1の(数万分の一)又は(数百分の一)%のオーダーとなり、殆ど除去されない状態となる。
本実施形態は他方側からのカブリ成分を除去することを意図している為、オペレータがX線照射ボタンから手を離し、X線照射がストップした段階で、補正データ画像が蓄えられているフレームメモリ104,105は一旦クリアされるべきである。
以上、第1実施形態の平面X線検出器駆動に付加して、第2実施形態を実行することにより、残像特性が十分に小さくない通常の平面X線検出器13、14を使用する、及びカブリ残像信号が除去された、X線診断画像を得ることができる。なお説明上、図5はX線曝射とカブリ成分画像読み出しの為の平面X線検出器駆動が同期している状態について示しているが、カブリ成分画像の読み出しは他方側X線曝射と必ずしも同期している必要は無い。
(第3実施形態)
バイプレーン型X線画像診断装置による透視・撮影画像の収集の際、シングルプレーン型X線画像診断装置時と同様に1秒間に収集できるX線画像フレーム数(以降収集レート)はオペレータの意図により切り替え可能とされるべきである。第3実施形態においては、収集レートが比較的遅い状態にてバイプレーンアプリケーション収集を行った場合等、複数回のカブリ成分画像を読み出す制御を行った際の、第2実施形態の変形について記載する。
まず、図7に複数回のカブリ成分画像を読み出す制御を行った際の画像収集動作について示している。このような制御を行った際は、読み出された正面側及び側面側の画像が、X線照射画像またはカブリ成分画像の何れにも該当しない画像(以降、空読み画像)が生じる(図7中のSig3F,3L Sig6F,6L)。この空読み画像読み出しの存在により、第2実施形態に定義されている残像発生率、残像減衰率は第2実施形態のそれとは異なった係数が必要となる。更に、バイプレーンアプリケーションの使用上、比較的低収集レート時においても、正面側のX線画像収集と側面側のX線画像収集は、極力時間的間隔が短い方が好ましい。よって図7に示されるように正面側と側面側で異なった残像発生率、残像減衰率の係数が必要となる。
上記、異なった係数が必要となる理由について、以下に記す。第2実施形態による図5においては、残像発生率はカブリ成分画像の1フレーム後の読み出し画像上に載るカブリ残像信号を算出することに使用されているが、第3実施形態による図7の正面側においては2周期後(Sig2Fのカブリ成分:Lカブリ1が2フレーム後のSig4F)の画像上に載るカブリ残像信号を算出することに使用されることとなる。
一方で、正面側のX線画像収集と側面側のX線画像収集は、極力時間的間隔が短くすることにより、側面側においては、図5と同様に、残像発生率はカブリ成分画像の1フレーム後の読み出し画像上に載るカブリ残像信号を算出することに使用される。
同様にして、残像量の減衰比率においても、図5においては、算出されたカブリ残像信号を用いて、更に2周期後の(X線診断)画像上に載るカブリ残像信号を算出することに使用されているが、図5においては算出されたカブリ残像信号を用いて、更に3周期後の(X線診断)画像上に載るカブリ残像信号を算出されることに使用される。然るに、収集レートにより(空読み画像の枚数により)カブリ残像量を推定する為に使用される残像発生率、残像量の減衰比率は変化しなくてはならない。
第3実施形態を実現するための映像信号補正部の構成を図6に示す。図6において図4と同じ部分には同じ符号を付して説明は省略する。本第3実施形態の映像信号補正部では、切り替えスイッチ及び外部入力コマンドが追加された物である。
切り替え部102は、切り替え部101からの非X線照射画像を表す映像信号を、フレームメモリ104と接地とに選択的に伝達する。映像信号がカブリ成分の周期では、映像信号はフレームメモリ104に供給され、第2実施形態と同等の動作が実現される。映像信号が空読み画像成分の周期では、映像信号は接地を介して廃棄される。
映像信号がカブリ成分の周期は、他方側の撮像系統でX線発生に同期しており、また映像信号が空読み画像成分の周期は、両方の撮像系統ともにX線発生されていない周期として補正制御部108で判定され得る。
ルックアップテーブル118、119は、空読み画像の枚数、正面側・側面側にそれぞれ関連付けられた残像発生率、残像減衰率の係数が記憶されている。入力されたこれらの条件に応じて、それぞれの係数が自動的に選択されるようになっている。
以上、第2実施形態の平面X線検出器駆動/補正制御方式に付加して、第3実施形態を実行することにより、残像特性が十分に小さくない通常の平面X線検出器13、14を使用する、多様な収集レートにて使用する際も、カブリ残像信号が除去された、X線診断画像を得ることができる。なお説明上、図5はX線曝射とカブリ成分画像読み出しの為の平面X線検出器駆動が同期している状態について示しているが、カブリ成分画像の読み出しは他方側X線曝射と必ずしも同期している必要は無い。
本実施形態により、バイプレーン型X線画像診断装置に平面X線検出器をX線検出器として組み合わせた際も、他方側からのカブリ成分を除去することができ、X線診断画像の品位・コントラスト性能の低下、及び誤診の危険性を抑制することができる。また同様に、残像特性が十分に小さくない通常の平面X線検出器を、多様な収集レートにて使用する際も、カブリ残像信号を除去することができ、X線診断画像の品位・コントラスト性能の低下、及び誤診の危険性を抑制することができる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本発明の第1実施形態によるバイプレーン型X線画像診断装置の主要部の構成を示す図。 第1実施形態による動作を示すタイムチャート。 本発明の第2実施形態によるバイプレーン型X線画像診断装置の主要部の構成を示す図。 図3の映像信号補正部の構成を示す図。 第2実施形態による動作を示すタイムチャート。 本発明の第3実施形態によるバイプレーン型X線画像診断装置の映像信号補正部の構成を示す図。 第3実施形態による動作を示すタイムチャート。 平面X線検出器のX線検出部の残像減衰特性を示す図。
符号の説明
11…正面側X線管、12…側面側X線管、13…正面側平面検出器、14…側面側平面検出器、15…正面側切り替え部、16…側面側切り替え部、17…映像信号処理部、18…カブリ補正制御部、19…平面X線検出器制御部、20…X線制御部、21…正面側モニタ、22…側面側モニタ、23…システム制御部。

Claims (5)

  1. 第1X線発生部と、
    前記第1X線発生部に対向配置され、被検体を透過したX線を検出する第1X線検出器と、
    第2X線発生部と、
    前記第2X線発生部に対向配置され、前記被検体を透過したX線を検出する第2X線検出器と、
    前記第1X線検出器から読み出された信号と前記第2X線検出器から読み出された映像信号とを処理する信号処理部とを具備し、
    前記信号処理部は、前記第1X線発生部からのX線発生時期と前記第2X線発生部からのX線発生時期との間の期間に前記第2X線検出器から空読みされた信号に基づいて前記第2X線発生部からのX線発生時期と前記第1X線発生部からのX線発生時期との間の期間に前記第2X線検出器から読み出された映像信号に含まれる残像成分を推定計算するとともに、前記第2X線発生部からのX線発生時期と前記第1X線発生部からのX線発生時期との間の期間に前記第1X線検出器から空読みされた信号に基づいて前記第1X線発生部からのX線発生時期と前記第2X線発生部からのX線発生時期との間の期間に前記第1X線検出器から読み出された映像信号に含まれる残像成分を推定計算する機能と、前記推定計算された残像成分を前記映像信号から減算する機能とを有することを特徴とするX線画像診断装置。
  2. 前記信号処理部は、前記空読みされた信号に所定の残像発生率を乗算することにより前記残像成分を推定計算することを特徴とする請求項1記載のX線画像診断装置。
  3. 前記信号処理部は、複数の収集レートにそれぞれ対応する複数の残像発生率を記憶することを特徴とする請求項2記載のX線画像診断装置。
  4. 前記信号処理部は、前記空読みされた信号に所定の残像減衰率係数を乗算することにより前記残像成分に関する減衰成分を推定計算することを特徴とする請求項2記載のX線画像診断装置。
  5. 前記信号処理部は、複数の収集レートにそれぞれ対応する複数の残像減衰率係数を記憶することを特徴とする請求項4記載のX線画像診断装置。
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