JP4805952B2 - ノック式筆記具 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばノック式ボールペンなどのようなノック操作により筆記先端部を出没させるノック式筆記具に関する。
詳しくは、軸筒に対しノック体の押圧操作によりインクタンクを軸方向へ前進して、その筆記先端部を軸筒の先端開口から突出させ、解除操作によりインクタンクを軸方向へ後退して、その筆記先端部を軸筒の先端開口内に没入させるノック式筆記具に関する。
従来、この種のノック式筆記具として、軸筒内に、その軸方向へ往復動自在なノック体(操作部)と、これと対向して軸筒の内面側に設けられる中駒と、これらノック体のカム斜面や中駒のカム斜面に係合することで周方向へ回転する回転子と、この回転子を後方へ付勢する付勢部材と、回転子と連動するインクタンク(リフィール)とを備え、前記ノック体が押圧操作されることにより、回転子の突条を中駒のスライド溝に沿って軸方向へ前進させ、この突条がスライド溝から外れてから、ノック体のカム斜面沿いに滑らせて回転させ、その後のノック戻り時に該回転子の突条を中駒の係止凹部に係合させて係止状態にし、その後、再度の押圧操作により、回転子の突条を中駒の係止凹部から外して係止状態を解除し、ノック体のカム斜面沿いに滑らせて回転すると共に、中駒のスライド溝に挿入して軸方向へ後退させるものがある(例えば、特許文献1参照)。
しかし乍ら、このような従来のノック式筆記具によれば、解除操作で付勢部材によりインクタンクを強制的に後退させるため、このインクタンクが定位置に戻った時には後方への衝撃(以下バックショックという)が作用し、それにより筆記先端部から空気が入ってインクがインクタンクへ逆流し易いため、筆記掠れや不書きを生じることが懸念された。
特に、インクタンク内に低粘度油性インクなどのような流動抵抗が小さいインクが収容される場合には、バックショックに起因する筆記掠れや不書きが発生し易いという問題があった。
更に、後退するインクタンクが定位置に戻った時には衝撃音も発生し、一般的にノック操作で筆記先端部を確実に出没させるためには付勢力を強めに設定するため、筆記先端部の没入時に大きな衝撃音が発生し易いという問題があった。
また、軸筒内でノック体が往復動させるために、これら両者間には僅かな隙間があるものの、ノック操作でノック体が往復動する時には、その周方向の少なくとも一部分が互いに面状に摺接して摺動音が発生し、このノック体に対して回転子が回転した時には、これらノック体と回転子と中駒との間で弾き音や衝突音などが発生する。
これらの音を総称してノック音と呼んでいるが、従来のノック音は、「カチッ」「カチッ」という乾いた甲高い音で響き易く、しかも操作性を良くするためにノック感触も軽いことから、特別な意味もなくノック操作を連続的に繰り返してノック音を連発させるような行動が良く見受けられ、このような行動も含め軽薄なイメージがしてノック式筆記具自体を嫌う人もいた。
このような所謂ノック音は、使用者自身にとって作動状態(筆記体の出没状態)を確認する意味もあるため、決して不快なものでないが、他人にとっては不快感を感じる恐れがあり、特に会議のような周囲の雰囲気が静寂な場面では、無意味なノック操作によるノック音が、他人に不快感を与えてしまうという問題があった。
特開2004−209881号公報(第6−7頁、図1−2)
本発明は、上記従来事情に鑑みてなされたもので、その課題とするところは、簡単な構造でバックショックに起因する筆記掠れや不書きを防止すると共に衝撃音を低減するノック式筆記具を提供することにある。
上記課題を解決するために、第一の発明では、軸筒側とノック体側とが径方向へ対向する面に、どちらか一方から他方へ向け突出させるか或いはこれら軸筒側及びノック体側の両方から突出させて相互に摺接する第一の圧接手段を形成し、上記第一の圧接手段の形成部分を径方向へ弾性的に変形させる第一の屈曲手段を設けたことを特徴とする。
ここで、前記「軸筒側」とは、軸筒自体だけでなく、この軸筒の内側に固定配置されるインナー部品などを含み、前記「ノック体側」とは、ノック体自体だけでなく、このノック体と一緒に往復動する連動部品などを含む。
また、第二の発明では、上記第一の発明の構成に加えて、上記第一の圧接手段で軸筒側とノック体側とを部分的に接触させたことを特徴とする。
また、第の発明では、上記第一又は第二の発明の構成に加えて、上記ノック体に対して、軸筒側の中駒沿いに軸方向へ往復動自在で周方向へ回転自在な回転子を設け、これらノック体と回転子とが径方向へ対向する面に、どちらか一方から他方へ向け突出させるか或いはこれらの両方から突出させて相互に摺接する第二の圧接手段を形成したことを特徴とする。
また、第の発明では、上記第の発明の構成に加えて、上記第二の圧接手段の形成部分を径方向へ弾性的に変形させる第二の屈曲手段を設けたことを特徴とするものである。
本発明は、上記構成により下記の作用効果を奏する。
第一の発明によれば、軸筒側とノック体側とが径方向へ対向する面に、どちらか一方から他方へ向け突出させるか或いはこれら軸筒側及びノック体側の両方から突出させて相互に摺接する第一の圧接手段を形成することにより、解除操作で軸筒側に対しノック体側を後退させても、該第一の圧接手段による摩擦抵抗でインクタンクの後退速度が遅くなってバックショックが大幅に減少し、それに伴い筆記先端部から空気が入ってインクがインクタンクへ逆流することもなくなると共に、後退するインクタンクが定位置に戻った時の衝撃音も低減される。
従って、簡単な構造でバックショックに起因する筆記掠れや不書きを防止することができると共に衝撃音を低減することができる。
よって、バックショックで筆記先端部から空気が入ってインクがインクタンクへ逆流する恐れのある従来技術と比べ、例えば低粘度油性インクなどのような流動抵抗が小さいインクであっても、筆記時に良好なインクの吐出を確保できると共に、構造が簡素であるから低コストで提供できる。
更に、筆記先端部の没入時に大きな衝撃音が発生しないため、他人に不快感を与えることがなく安心して使用できる。
そして、第一の圧接手段の形成部分を径方向へ弾性的に変形させる第一の屈曲手段を設けることにより、第一の屈曲手段の弾性変形で第一の圧接手段が軸筒側又はノック体側に対して適宜圧力で摺接する。
従って、軸筒側とノック体側との圧接力を微妙に調整できると共に当該箇所における衝撃吸収性も向上できる。
特に、第一の屈曲手段として第一の圧接手段を囲むように軸方向へ延びるすり割りを一対形成した場合には、第一の圧接手段を囲むように略コの字形又は略U字形の切り欠きを形成した場合に比べて、成形が容易でしかも衝撃に対して破損し難く、長期に亘って弾性力を維持できる。
第二の発明によれば、第一の圧接手段で軸筒側とノック体側とを部分的に接触させることにより、ノック操作に適度な抵抗感を持たせ、軸筒側に対しノック体側を往復動させても、両者間で発生する摺動音が軽減されると共に、ノック操作の感触がしっくりとした重厚なノック感触に変化する。
従って、簡単な構造でノック摺動音とノック操作の感触を改善することができる。
よって、高級感のあるノック式筆記具を低コストで提供できる。
特に、第一の圧接手段で軸筒側とノック体側とを部分的に面接触させた場合には、部分的に点接触させるものに比べて、軸方向への摩擦抵抗が増大するため、インクタンクの後退速度が更に遅くなってバックショックをより大幅に減少でき、それに起因する筆記掠れや不書きの防止機能が更に高められ、しかも筆記先端部から空気が更に入り難くなってインクのインクタンクへの逆流をより効果的に防止できると共に、後退するインクタンクが定位置に戻った時の衝撃音もより低減されるから衝撃音を更に低減できる。
更に、この第一の圧接手段の面接触部はその接触面積が容易に変更可能であるため、軸方向への摩擦抵抗を簡単に調整できて、所望のノック摺動音とノック操作の感触が容易に得られる。
の発明によれば、ノック体に対して、軸筒側の中駒沿いに軸方向へ往復動自在な回転子を設け、これらノック体と回転子とが径方向へ対向する面に、どちらか一方から他方へ向け突出させるか或いはこれらの両方から突出させて相互に摺接する第二の圧接手段を形成することにより、該第二の圧接手段の摩擦抵抗でノック体に対する回転子の回転力と軸方向への往復動が夫々制御され、ノック操作でノック体に対し回転子を回転及び往復動させても、ノック体と回転子と中駒との間で発生する弾き音や衝突音などからなるノック音が低減されて、これらノック音が乾いた甲高い音からしっくりとした重厚な音に変わると共に、前記第二の圧接手段の摩擦抵抗でノック体に対する回転子の後退速度が遅くなるため、インクタンクのバックショックが更に軽減される。
従って、回転子の回転に起因するノック音を低減化することができると共に、バックショックに起因する筆記掠れや不書きの防止機能を更に高めることができる。
よって、会議のような静寂な雰囲気で使用しても、他人に不快感を与えることがなく安心してノック操作できる。
特に、第二の圧接手段でノック体と回転子とを部分的に面接触させた場合には、部分的に点接触させるものに比べて、周方向や軸方向への摩擦抵抗が増大するため、ノック体に対する回転子の回転力と軸方向への往復動が更に制御されて、弾き音や衝突音などからなるノック音を大幅に低減化できると共に、インクタンクのバックショックが更に軽減されて、回転子の回転に起因するバックショックに起因する筆記掠れや不書きの防止機能を大幅に高めることができる。
更に、この第二の圧接手段の面接触部はその接触面積が容易に変更可能であるため、周方向や軸方向への摩擦抵抗を簡単に調整できて、所望のノック音が容易に得られる。
の発明によれば、第二の圧接手段の形成部分を径方向へ弾性的に変形させる第二の屈曲手段を設けることにより、この第二の屈曲手段の弾性変形で第二の圧接手段がノック体又は回転子に対して適宜圧力で摺接する。
従って、ノック体と回転子との圧接力を微妙に調整できると共に当該箇所における衝撃吸収性も向上できる。
本発明のノック式筆記具Aは、図1〜図6に示す如く、軸筒1の内部に、ノック機構として少なくともノック体2を、該軸筒1の軸方向へ往復動自在に組み込むと共に、インクタンク3と、それを後方へ付勢するスプリングなどの付勢部材4とを組み込み、ノック体2を押圧操作することで、インクタンク3を軸方向へ前進し、その筆記先端部3aを軸筒1の先端開口1aから突出させて、筆記可能な状態のままロックすると共に、その後の解除操作によりロック解除して、インクタンク3を軸方向へ後退して、その筆記先端部3aを軸筒1の先端開口1a内に没入させるものである。
そして、前記軸筒1又はその内側に固定配置されるインナー部品などからなる軸筒1側と、ノック体2又はそれと一緒に往復動する連動部品などからなるノック体2側とが径方向へ対向する面には、どちらか一方から他方へ向け突出させるか、或いはこれら軸筒1側及びノック体2側の両方から突出させて相互に当接する第一の圧接手段5を形成し、この第一の圧接手段5にて軸筒1側とノック体2側とを摺接させることより、これら両者間に生ずる摩擦抵抗で、ノック操作に抵抗感を与えると共に、軸筒1側に対するノック体2の往復動速度が遅くなるようにしている。
本実施形態の好ましい一例によれば、前記第一の圧接手段5として点接触部5aや面接触部5bを突出形成し、この点接触部5aで軸筒1側とノック体2側とを部分的に点接触させるか、又は面接触部5bで部分的に面接触させることにより、ノック操作に適度な抵抗感を持たせる。
それ以外の例として、これら軸筒1側とノック体2側との間に、摩擦抵抗の高い材質からなる滑り止め部材(図示せず)を移動不能に配置することにより、軸方向への摩擦抵抗を増大させることも可能である。
更に、前記第一の圧接手段5が形成される部分を径方向へ弾性的に変形させる第一の屈曲手段5cを設けることが好ましい。
また、前記ノック機構を構成するノック体2と、このノック体2に対して軸筒1側の中駒6沿いに軸方向へ往復動自在で周方向へ回転自在な回転子7とが径方向へ対向する面には、どちらか一方から他方へ向け突出させるか、或いはこれらの両方から突出させて相互に当接する第二の圧接手段8を形成し、この第二の圧接手段8でノック体2と回転子7とを摺接させることより、これら両者間に生ずる摩擦抵抗で、ノック体2に対する回転子7の回転力と軸方向への往復動を夫々制御して、これらノック体2と回転子7と中駒6との間で発生する弾き音や衝突音などからなるノック音を改善すると共に、ノック体2に対する回転子7の後退速度が遅くなるようにしている。
本実施形態の好ましい一例によれば、これらノック体2と回転子7とを前記第二の圧接手段8の点接触部8aで部分的に接触させるか、又は面接触部8bで部分的に面接触させることにより、ノック体2に対する回転子7の回転力と軸方向への往復動を夫々制御する。
更に、前記第二の圧接手段8が形成される部分を径方向へ弾性的に変形させる第二の屈曲手段8cを設けることが好ましい。
以下、本発明の各実施例を図面に基づいて説明する。
この実施例1は、図1〜図4に示す如く、上記ノック機構として、ノック体2と対向して軸筒1側に固定配置される中駒6と、この中駒6に対して軸方向へ往復動自在でしかも周方向へ回転自在な回転子7とを備え、ノック体2の押圧操作により、中駒6に沿って回転子7を前進させてから周方向へ回転させて筆記可能な状態のまま係止し、再度の押圧操作により、係止状態を解除してから中駒6沿いに回転子7を軸方向へ後退させて、筆記先端部3aが軸筒1の先端開口1a内に没入される場合を示すものである。
図示例では、前記軸筒1にインナー部品として、クリップ止め9を螺着などにより一体的に取り付けると共に、前記ノック体2と一緒に往復動する連動部品として、該ノック体2の後側に形成した支持部2aと軸方向へ嵌め合う円筒状のノックキャップ10を備え、このノックキャップ10の外周面に上記第一の圧接手段5を、該クリップ止め9の内面9aへ向けて突出形成することにより、この第一の圧接手段5でクリップ止め9の内面9aと部分的に接触させ、ノック体2の押圧操作により第一の圧接手段5がクリップ止め9の内面9aを適宜圧力で摺接するようにしている。
このノックキャップ10は、後端面を閉鎖した略有底筒状に形成され、その前端側に後述するクリップ止め9の内面9aよりも小径な拡径部10aを形成し、この拡径部10aの外周面の一部に、上記第一の圧接手段5として部分的に点接触させる点接触部5aを突設している。
図示例では図2に示す如く、上記第一の圧接手段5の点接触部5aとして断面半球状の突起を、周方向へ等間隔毎に一対形成しているが、その他の例として、この点接触部5aを周方向へ等間隔毎に2個以上形成することも可能である。
なお、この点接触部5aの先端部又はクリップ止め9の内面9aのどちらか一方か或いは両方に、摩擦抵抗の高い材質からなる滑り止め部材(図示せず)を軸方向へ移動不能に接着して、軸方向への摩擦抵抗を増大させることも可能である。
前記ノックキャップ10の拡径部10aには、各第一の圧接手段5が形成される部分を径方向へ弾性的に変形させる第一の屈曲手段5cとして、該第一の圧接手段5の形成部分を囲むように、例えば略コの字形又は略U字形の切り欠きを夫々形成することにより、各第一の圧接手段5の形成部分が独立して径方向へ弾性変形し易い構造になって、後述するクリップ止め9の内部に該ノックキャップ10の拡径部10aを挿入し易くすると共に、該第一の圧接手段5をクリップ止め9の内面9aに適宜圧力で摺接させるようにしている。
この第一の屈曲手段5cの他の好ましい例として、図示せぬが、第一の圧接手段5の形成部分を囲むように、軸方向へ延びるすり割りを周方向へ一対形成するか、又は径方向へ延びるすり割りを軸方向へ一対形成して、第一の圧接手段5の形成部分のみが径方向へ弾性変形し易い構造にするか、或いは軸方向へ延びるすり割りを周方向へ適宜間隔毎に複数形成するなどして、該第一の圧接手段5の形成部分を含む拡径部10a全体が、径方向へ弾性変形し易い構造にすることも可能である。
更に、前記ノックキャップ10の拡径部10aの内側には、後述するノック体2の後端支持部2aと径方向へ対向当接するスライド部10bと、該ノック体2の後端支持部2aと軸方向へ対向当接する押圧部10cを設けて、このノックキャップ10の押圧操作により押圧部10cを介してノック体2を前進させると共に、該スライド部10bを介してノックキャップ10全体をノック体2の後端支持部2aに沿って軸方向へ往復動自在に支持している。
また、前記クリップ止め9は、例えばジュラコン(POM)又はその他の軟質合成樹脂や金属などで少なくとも内面9aが平滑な円筒状に成形され、その後端には、前記ノックキャップ10の拡径部10aと軸方向へ対向する係合段部9bを突出形成し、これら拡径部10aと係合段部9bを軸方向へ係合させることにより、該拡径部10aが係合段部8bに当接するまでノックキャップ10全体を後方へ移動可能にしている。
そして、前記ノック体2は、円筒形に形成され、その後端側外周面に前記ノックキャップ10のスライド部10bと軸方向へ往復動自在に嵌め合う支持部2aを形成し、また前端側外周面には、後述する中駒6のスライド部6aと係合する回転規制部2bを突出形成して、中駒6のスライド部6aに対し回転不能でしかも軸方向へ移動自在に支持されると共に、後述する中駒6のストッパー6cと軸方向へ係合させることにより、該回転規制部2bがストッパー6cに当接するまでノック体2全体を後方へ移動可能にしている。
このノック体2の内側には、後述する回転子7の挿入部7aよりも大径な中心孔2cが軸方向へ貫通開穿され、該ノック体2の前端面には、後述する回転子7のカム斜面7cと対向するカム斜面2dを周方向へ山形状に連続形成している。
前記中駒6は、上記軸筒1の内面側において、ノック体2の回転規制部2b及び後述する回転子7の係合部7bを軸方向へ案内するためのスライド部6aが周方向へ複数形成され、これらスライド部6aの前端面には、後述する回転子7のカム斜面7cと対向するカム斜面6bを周方向へ山形状に連続形成すると共に、該スライド部6aの後端には、前記ノック体2が後方へ移動するのを阻止するストッパー6cが突設されている。
必要に応じて、このストッパー6cから上記ノックキャップ10の拡径部10a又はスライド部10bに亘りスプリングなどの弾性部材11を介装して、該ノックキャップ10を常時後方へ付勢することが好ましい。
前記回転子7は、略円柱状に形成され、その後端側に上記ノック体2の中心孔2cと対向する挿入部7aを形成し、この挿入部7aをノック体2の中心孔2c内に挿入することにより、軸方向へ往復動自在で軸方向へ回転自在に支持され、この挿入部7aの外周面に上記第二の圧接手段8として点接触部8aを、該ノック体2の中心孔2cへ向けて突出形成することにより、この第二の圧接手段8の点接触部8aでノック体2の中心孔2cと部分的に接触させ、ノック体2に対する回転子7の回転力と軸方向への往復動が夫々制御されるようにしている。
図示例では図2に示す如く、上記第二の圧接手段8の点接触部8aとして、周方向へ延びる断面円弧状の突起を、周方向へ等間隔毎に一対形成しているが、その他の例として、点接触部8aを周方向へ等間隔毎に2個以上形成することも可能である。
なお、この点接触部8aの先端部又はノック体2の中心孔2cのどちらか一方か或いは両方に、摩擦抵抗の高い材料からなる滑り止め部材(図示せず)を軸方向及び周方向へ移動不能に接着して、軸方向及び周方向への摩擦抵抗を増大させることも可能である。
また、前記回転子7の挿入部7aの外周面には、各第二の圧接手段8が形成される部分を径方向へ弾性的に変形させる第二の屈曲手段8cとして、該挿入部7aの中心に軸方向へ延びるすり割りを凹設して径方向へ弾性変形可能な構造にすることにより、前記ノック体2の中心孔2c内に回転子7の挿入部7aを挿入し易くすると共に、第二の圧接手段8を該中心孔2cの内周面に適宜圧力で摺接させるようにしている。
この第二の圧接手段8の他の好ましい例として、図示せぬが、前記回転子7の挿入部7aの外周面又は前記ノック体2の中心孔2cの内周面のどちらか一方か或いは両方に、弾性変形可能な材料で環状に成形された環状弾性体を軸方向へ移動不能に挿着して、径方向へ弾性変形し易い構造にすることも可能である。
更に、前記回転子7の前端側には、その外周面に上記中駒6のスライド部6aと軸方向へ移動自在に係合する係合部7bを周方向へ複数形成し、これら係合部7bの後端面には、上記ノック体2のカム斜面2d及び中駒6のカム斜面6bと摺接するカム斜面7cが形成され、前端面には、後述するインクタンク3の後端側を着脱自在に保持する挿着部7dが凹設される。
一方、図示例では図1に示す如く、本発明のノック式筆記具Aが、そのノック体2の押圧操作によりインクタンク3としてリフィールの筆記先端部3aを、軸筒1の先端開口1aから出没させるノック式ボールペンであり、この軸筒1の前端外周に把持部(グリップ)1gを挿着している。
更に、図示例では、上記軸筒1の外周面と上記ノックキャップ10の後端側外周面10dを覆うように装飾用カバー1b,10eを夫々装着しているが、これら装飾用カバー1b,10eを装着せずに、軸筒1の外周面やノックキャップ10の後端側外周面10dを露出させることも可能である。
次に、斯かるノック式筆記具Aの動作を説明する。
先ず、図1(a)に示す軸筒1の先端開口1aからインクタンク3の筆記先端部3aが没入している時に、ノックキャップ10を介してノック体2が押圧操作されると、ノック体2のカム斜面2dが回転子7のカム斜面7cに当接し、直接的に回転子7を押動して前進させる。
この際、ノック体2側であるノックキャップ10の第一の圧接手段5が、軸筒1側であるクリップ止め9の内面9aに沿って部分的に接触(点接触)したまま摺動するため、クリップ止め9に対するノックキャップ10の往復動、即ちノック操作に適度な抵抗感を持たせることができる。
それにより、軸筒1側のクリップ止め9に対してノック体2側のノックキャップ10を往復動させても、両者間で発生する摺動音が軽減されると共に、ノック操作の感触がしっくりとした重厚なノック感触に変化して、ノック摺動音とノック感触を改善できる。
また、前記ノック体2のカム斜面2dによる押動で、回転子7の係合部7bが中駒6のスライド部6aに沿って前進し、そのままスライド部6aから該回転子7の係合部7bが外れる。
この外れた瞬間に回転子7全体が開放されてフリー状態となり、それ以降の動作でこれらノック体2と回転子7と中駒6との間にノック音が発生する。
詳しく説明すれば、フリー状態となった回転子7のカム斜面7cが、ノック体2のカム斜面2d沿いに摺動して回転するため、中駒6のスライド部6aから回転子7の係合部7bが抜けてからカム斜面2d沿いに摺動してその斜面終端凹部2d′に入り込んで回転が止まるまでの間にノック音が発生する。
この場合のノック音は、回転子7のカム斜面7cが、中駒6のスライド部6aの先端部を弾くこと及び又はカム斜面2dの斜面終端凹部2d′に突き当たることで、「カチッ」と弾き音が発生すると考えられる。
その後、ノック体2の1回の押圧操作が終了すると、ノック体2と回転子7は付勢部材4の付勢力により後方へ戻されるため、回転子7のカム斜面7cが中駒6のカム斜面6b沿いに摺動して更に回転し当接して係止される。
それにより図1(b)に示す如く、インクタンク3の筆記先端部3aが軸筒1の先端開口1aから突出したまま保持される。
この回転子7のカム斜面7cが中駒6のカム斜面6bに当接して係止される時にも、ノック音が発生する。
この場合のノック音は、回転子7のカム斜面7cが中駒6のカム斜面6bの斜面終端凹部(図示せず)に突き当たることで、「カチッ」と衝突音が発生すると考えられる。
しかし、本発明のノック式筆記具Aでは、回転子7の第二の圧接手段8が、ノック体2の中心孔2c沿いに接触したまま摺動して、この第二の圧接手段8による適度な摩擦抵抗で回転子7の回転力と軸方向への往復動が夫々制御される。
それにより、ノック操作でノック体2に対して回転子7を回転及び往復動させても、回転子7のカム斜面7cが中駒6のスライド部6aの先端部を弾くこと及び又はカム斜面2dの斜面終端凹部2d′に突き当たることで発生する弾き音と、回転子7のカム斜面7cが中駒6のカム斜面6bの斜面終端凹部(図示せず)に突き当たることで発生する衝突音が低減されると共に、これら弾き音や衝突音などからなるノック音が乾いた甲高い音からしっくりとした重厚な音に変わって、回転子7の回転に起因するノック音が低減化される。
そして、その後のインクタンク3を後退させるためのノック操作では、ノック体2のカム斜面2dの前進により回転子7のカム斜面7cが中駒6のカム斜面6bの斜面終端凹部から抜けて、ノック体2のカム斜面2d沿いに摺動して回転する時にも、フリー状態の回転子7からノック音(弾き音)が発生すると共に、これに続いて回転子7の係合部7bが中駒6のスライド部6aに入る時にもノック音(衝突音)が発生する。
しかし、これらノック音(弾き音、衝突音)も上述したように、回転子7の第二の圧接手段8が、ノック体2の中心孔2c沿いに接触したまま摺動して、この第二の圧接手段8による適度な摩擦抵抗でノック体2に対する回転子7の回転力と軸方向への往復動が夫々制御されるため、前記ノック音(弾き音、衝突音)が低減されると共に、乾いた甲高い音からしっくりとした重厚な音に変わって、回転子7の回転に起因するノック音が低減化される。
更に、このインクタンク3の後退時においても、ノック体2側であるノックキャップ10の第一の圧接手段5が、軸筒1側であるクリップ止め9の内面9aに沿って部分的に点接触したまま摺動するため、該第一の圧接手段5による摩擦抵抗でインクタンク3の後退速度が遅くなってインクタンク3に対するバックショック(後方への衝撃)が大幅に減少する。
それにより、筆記先端部3aから空気が入ってインクがインクタンク3へ逆流せず、簡単な構造でバックショックに起因する筆記掠れや不書きを防止できる。
また、前記回転子7の第二の圧接手段8の摩擦抵抗でノック体2に対する回転子7の後退速度が更に遅くなるため、インクタンク3のバックショックが更に軽減されて、バックショックに起因する筆記掠れや不書きの防止機能がより高められる。
また更に、図1(b)に示すインクタンク3の筆記先端部3aが軸筒1の先端開口1aから突出したまま保持される筆記可能な状態で、図示例のように中駒6とノックキャップ10との間にスプリングなどの弾性部材11を介装して、該ノックキャップ10を常時後方へ付勢すれば、その拡径部10aがクリップ止め9の係合段部9bに当接するまで後退して後端側外周面10dを後方へ突出させたまま保持する。
それにより、ノック体2が前進した状態でもノックキャップ10が軸方向へガタ付くことがないという利点がある。
この実施例2は、図5〜図6に示す如く、上記ノックキャップ10の拡径部10の外周面に、上記第一の圧接手段5として部分的に面接触させる面接触部5bを、クリップ止め9の内面9aへ向けて突出形成すると共に、上記回転子7の挿入部7aの外周面に上記第二の圧接手段8として面接触部8bを、ノック体2の中心孔2cへ向けて突出形成した構成が、前記図1〜図4に示した実施例1とは異なり、それ以外の構成は図1〜図4に示した実施例1と同じものである。
図示例の場合には、前記第一の圧接手段5の面接触部5bとして、軸方向へ断面台形状で表面形状が周方向へ若干長い略矩形の突起を、周方向へ等間隔毎に一対形成している。
その他の例として、この面接触部5bの表面形状を略円形や楕円形など矩形以外の形状としたり、該面接触部5bを周方向へ等間隔毎に3個以上形成するか又は略全周に亘って連続するように形成したり、その先端面又はクリップ止め9の内面9aのどちらか一方か或いは両方に、摩擦抵抗の高い材料からなる滑り止め部材(図示せず)を軸方向へ移動不能に接着して、軸方向への摩擦抵抗を増大させることも可能である。
更に、この面接触部5bが形成される部分を径方向へ弾性的に変形させる第一の屈曲手段5cとして、該面接触部5bの形成部分を周方向へ挟むように、軸方向へ延びるすり割りを一対形成している。
その他の例として、面接触部5bの形成部分を囲むように、例えば略コの字形又は略U字形の切り欠きを形成することも可能である。
また、前記第二の圧接手段8の面接触部8bとして、軸方向へ断面台形状で表面形状が周方向へ長い略矩形の突起を、周方向へ等間隔毎に一対形成している。
その他の例として、この面接触部8bの表面形状を略楕円形など矩形以外の形状としたり、該面接触部8bを周方向へ等間隔毎に3個以上形成するか又は略全周に亘って連続するように形成したり、その先端面又はノック体2の中心孔2cのどちらか一方か或いは両方に、摩擦抵抗の高い材料からなる滑り止め部材(図示せず)を軸方向へ移動不能に接着して、軸方向への摩擦抵抗を増大させることも可能である。
従って、図5〜図6に示す実施例2は、上記図1〜図4に示した実施例1の第一の圧接手段5の点接触部5aや第二の圧接手段8の点接触部8aに比べて、軸方向や周方向への摩擦抵抗が増大するため、ノック体2に対する回転子7の回転力と軸方向への往復動が更に制御されて、弾き音や衝突音などからなるノック音を大幅に低減化できると共に、インクタンク3の後退速度が更に遅くなってバックショックをより大幅に減少でき、それに起因する筆記掠れや不書きの防止機能が更に高められ、しかも筆記先端部から空気が更に入り難くなってインクのインクタンク3への逆流をより効果的に防止でき、後退するインクタンクが定位置に戻った時の衝撃音もより低減されるから衝撃音を更に低減できるという利点がある。
更に、これら面接触部5bや面接触部8bの面積は容易に変更可能であるため、軸方向及び周方向への摩擦抵抗を簡単に調整できて、所望のノック摺動音や弾き音や衝突音などからなるノック音とノック操作の感触が容易に得られるという利点もある。
また、第一の圧接手段5の形成部分を径方向へ弾性的に変形させる第一の屈曲手段5cとして、該第一の圧接手段5の面接触部5bを径方向へ挟んで軸方向へ延びるすり割りを一対形成しているため、上記図1〜図4に示した実施例1の略コの字形又は略U字形の切り欠きに比べて、成形が容易でしかも衝撃に対して破損し難く、長期に亘って弾性力を維持できるという利点もある。
尚、上記実施例では、筆記可能状態において再度ノック体2を押圧操作することで、インクタンク3を軸方向へ後退させて、その筆記先端部3aが軸筒1の先端開口1a内に没入する場合を示したが、本発明は、これに限定されず、例えば軸筒1の外面に設けたサイドノック部材を押圧するなどの解除操作を行うことでインクタンク3を後退して筆記先端部3aを没入させるものであれば、図示例以外の構造であっても良い。
更に、上記実施例では、ノック体2と一緒に往復動するノックキャップ10の外周面に第一の圧接手段5を、軸筒1側であるクリップ止め9の内面9aへ向けて突出形成したが、本発明は、これに限定されず、図示せぬがノック体2やそれと一緒に往復動するノックキャップ10以外の連動部品に第一の圧接手段5を軸筒1側へ向けて突出形成したり、軸筒1又はその内側に固定配置される例えばクリップ止め9などのインナー部品からなる軸筒1側に第一の圧接手段5を、ノック体2又はそれと一緒に往復動する例えばノックキャップ10などの連動部品からなるノック体2側へ向け突出形成して相互に摺接させたり、或いは、これら軸筒1側及びノック体2側の両方から突出形成して相互に摺接させても良い。
これと同様に、回転子7の外周面に第二の圧接手段8を、ノック体2の中心孔2cへ向けて突出形成したが、これに限定されず、図示せぬがノック体2の中心孔2c側に第二の圧接手段8を回転子7の外周面へ向けて突出形成したり、これら回転子7側及びノック体2側の両方から突出形成して相互に摺接させても良い。
また図示例では、本発明のノック式筆記具Aがインクタンク3としてリフィールを組み込んだノック式ボールペンである場合を示したが、これに限定されず、リフィール以外に例えば特開平10−166781号公報に開示されるような、インクタンク3内のインクを毛細管力(インク吸引力)によって筆記先端部に供給されるインク誘導構造を具備したものやサインペンなど、バックショックに起因して筆記掠れや不書きの恐れがあれば、どれでも良い。
本発明のノック式筆記具の実施例1を示す一部切欠半断面図であり、(a)が筆記先端部の没入状態を示し、(b)が筆記先端部の突出状態を示している。 要部の分解斜視図である。 図1(a)の(3)−(3)線に沿える拡大横断平面図である。 図1(a)の(4)−(4)線に沿える拡大横断平面図である。 本発明のノック式筆記具の実施例2を示す一部切欠半断面図であり、(a)が筆記先端部の没入状態を示し、(b)が筆記先端部の突出状態を示している。 要部の分解斜視図である。
符号の説明
1 軸筒 1a 先端開口
2 ノック体 3 インクタンク
3a 筆記先端部 5 第一の圧接手段
5c 第一の屈曲手段 6 中駒
7 回転子 8 第二の圧接手段
8c 第二の屈曲手段

Claims (4)

  1. 軸筒に対しノック体の押圧操作によりインクタンクを軸方向へ前進して、その筆記先端部を軸筒の先端開口から突出させ、解除操作によりインクタンクを軸方向へ後退させるノック式筆記具において、
    前記軸筒側とノック体側とが径方向へ対向する面に、どちらか一方から他方へ向け突出させるか或いはこれら軸筒側及びノック体側の両方から突出させて相互に摺接する第一の圧接手段を形成し、上記第一の圧接手段の形成部分を径方向へ弾性的に変形させる第一の屈曲手段を設けたことを特徴とするノック式筆記具。
  2. 上記第一の圧接手段で軸筒側とノック体側とを部分的に接触させたことを特徴とする請求項1記載のノック式筆記具。
  3. 上記ノック体に対して、軸筒側の中駒沿いに軸方向へ往復動自在で周方向へ回転自在な回転子を設け、これらノック体と回転子とが径方向へ対向する面に、どちらか一方から他方へ向け突出させるか或いはこれらの両方から突出させて相互に摺接する第二の圧接手段を形成したことを特徴とする請求項1又は2記載のノック式筆記具。
  4. 上記第二の圧接手段の形成部分を径方向へ弾性的に変形させる第二の屈曲手段を設けたことを特徴とする請求項記載のノック式筆記具。
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